JP2010059009A - 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス - Google Patents
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Abstract
【課題】合わせガラスを形成するのに用いられた場合に、得られた合わせガラスの遮音性及び耐貫通性を高めることができる合わせガラス用中間膜を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂と、リシノール酸アルキルエステルと、下記式(1)で表されるジエステル化合物とを含有し、上記熱可塑性樹脂100重量部に対して、上記ジエステル化合物を19〜35重量部含有し、上記リシノール酸アルキルエステルを25〜36重量部含有し、かつ上記ジエステル化合物と上記リシノール酸アルキルエステルとを合計で50〜65重量部含有する合わせガラス用中間膜。
【化1】
上記式(1)中、R1及びR2は炭素数5〜10の有機基を表し、R3は、−CH2−CH2−基、−CH2−CH(CH3)−基又は−CH2−CH2−CH2−基を表し、nは3〜10の範囲内の整数を表す。
【選択図】なし
【解決手段】熱可塑性樹脂と、リシノール酸アルキルエステルと、下記式(1)で表されるジエステル化合物とを含有し、上記熱可塑性樹脂100重量部に対して、上記ジエステル化合物を19〜35重量部含有し、上記リシノール酸アルキルエステルを25〜36重量部含有し、かつ上記ジエステル化合物と上記リシノール酸アルキルエステルとを合計で50〜65重量部含有する合わせガラス用中間膜。
【化1】
上記式(1)中、R1及びR2は炭素数5〜10の有機基を表し、R3は、−CH2−CH2−基、−CH2−CH(CH3)−基又は−CH2−CH2−CH2−基を表し、nは3〜10の範囲内の整数を表す。
【選択図】なし
Description
本発明は、熱可塑性樹脂と可塑剤とを含有する合わせガラス用中間膜に関する。より詳細には、本発明は、合わせガラスの耐貫通性及び遮音性を高めることができる合わせガラス用中間膜、及び該合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスに関する。
例えば、合わせガラスは、外部衝撃により破損しても、ガラス破片の飛散量が比較的少なく、安全性に優れている。そのため、合わせガラスは、自動車、鉄道車両、航空機、船舶、建築物等の窓ガラスとして広く使用されている。
合わせガラスは、一対のガラス板の間に合わせガラス用中間膜を挟み込むことにより、製造される。合わせガラス用中間膜として、通常、ポリビニルアセタール樹脂膜、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂膜、エチレン−アクリル共重合体樹脂膜、ポリウレタン樹脂膜、硫黄を含むポリウレタン樹脂膜又はポリビニルアルコール樹脂膜等が用いられている。
上記合わせガラスは、エンジンの駆動音や風きり音等を充分に遮断できることが強く要求されている。
遮音性が高められた合わせガラス用中間膜の一例として、下記の特許文献1には、複数種の可塑化されたポリビニルアセタール樹脂膜が積層された多層合わせガラス用中間膜が開示されている。
特開平06−000926号公報
特許文献1に記載の多層合わせガラス用中間膜を用いて合わせガラスを形成した場合、得られた合わせガラスは、中間膜が多層構造であるため、光学的な歪みが生じる問題があった。さらに、時間が経過すると、中間膜中に含まれている可塑剤が、積層された樹脂膜間を移動しやすかった。このため、時間が経過すると、合わせガラスの遮音性が低下するという問題もあった。
このような問題を解決するために、近年、単層の合わせガラス用中間膜が多く用いられており、該単層の合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスの遮音性を高める検討がなされている。
例えば、合わせガラスの遮音性を高めるために、中間膜中に可塑剤を多く配合する方法、又は分子量が比較的小さい可塑剤を用いる方法が検討されている。
しかしながら、中間膜中に可塑剤を多く配合すると、可塑剤がブリードアウトすることがあった。また、分子量が比較的小さい可塑剤を用いても、可塑剤がブリードアウトすることがあった。さらに、中間膜とガラス板との接着力を制御することが困難であるため、合わせガラスの耐貫通性が低下することがあった。
本発明の目的は、得られた合わせガラスの遮音性及び耐貫通性を高めることができる合わせガラス用中間膜、及び該合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスを提供することにある。
本発明によれば、熱可塑性樹脂と、下記式(1)で表されるジエステル化合物と、リシノール酸アルキルエステルとを含有し、前記熱可塑性樹脂100重量部に対して、前記ジエステル化合物を19〜35重量部含有し、前記リシノール酸アルキルエステルを25〜36重量部含有し、かつ前記ジエステル化合物と前記リシノール酸アルキルエステルとを合計で50〜65重量部含有することを特徴とする、合わせガラス用中間膜が提供される。
上記式(1)中、R1及びR2は炭素数5〜10の有機基を表し、R3は、−CH2−CH2−基、−CH2−CH(CH3)−基又は−CH2−CH2−CH2−基を表し、nは3〜10の範囲内の整数を表す。
本発明のある特定の局面では、前記リシノール酸アルキルエステルは、リシノール酸メチルである。
本発明の他の特定の局面では、前記ジエステル化合物は、トリエチレングリコールジ(2−エチルヘキサノエート)である。
本発明に係る合わせガラスは、少なくとも2枚のガラス板と、該少なくとも2枚のガラス板の間に配置されている、本発明に従って構成された合わせガラス用中間膜とを備えることを特徴とする。
本発明に係る合わせガラス用中間膜は、熱可塑性樹脂と、上記式(1)で表されるジエステル化合物と、リシノール酸アルキルエステルとを上記特定の割合で含有するので、得られた合わせガラスの遮音性及び耐貫通性を高めることができる。
また、本発明に係る合わせガラス用中間膜を、少なくとも2枚のガラス板の間に配置することにより、遮音性及び耐貫通性が高められた合わせガラスを提供することができる。
本願発明者は、合わせガラス用中間膜の組成として、熱可塑性樹脂と、上記式(1)で表されるジエステル化合物と、リシノール酸アルキルエステルとを上記特定の割合で含む組成を採用することにより、合わせガラス用中間膜を用いて形成された合わせガラスの遮音性及び耐貫通性を高めることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明に係る合わせガラス用中間膜は、熱可塑性樹脂と、上記式(1)で表されるジエステル化合物と、リシノール酸アルキルエステルとを含有する。本発明では、可塑剤として、上記式(1)で表されるジエステル化合物と、リシノール酸アルキルエステルとが用いられる。
(熱可塑性樹脂)
上記熱可塑性樹脂は特に限定されない。上記熱可塑性樹脂として、例えば、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−アクリル共重合体樹脂、ポリウレタン樹脂、硫黄を含むポリウレタン樹脂又はポリビニルアルコール樹脂等が挙げられる。なかでも、ポリビニルアセタール樹脂が好適に用いられる。ポリビニルアセタール樹脂と上記可塑剤との併用により、合わせガラス用中間膜とガラス板との間の接着力が高まる。
上記熱可塑性樹脂は特に限定されない。上記熱可塑性樹脂として、例えば、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−アクリル共重合体樹脂、ポリウレタン樹脂、硫黄を含むポリウレタン樹脂又はポリビニルアルコール樹脂等が挙げられる。なかでも、ポリビニルアセタール樹脂が好適に用いられる。ポリビニルアセタール樹脂と上記可塑剤との併用により、合わせガラス用中間膜とガラス板との間の接着力が高まる。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコール樹脂(PVA)をアルデヒドでアセタール化して得られる樹脂である。
上記ポリビニルアセタール樹脂の製造方法は特に限定されない。上記ポリビニルアセタール樹脂は、以下のようにして製造することができる。
ポリビニルアルコール樹脂を温水又は熱水に溶解し、水溶液を得る。得られた水溶液を0〜95℃程度の所定の温度に保持し、該水溶液にアルデヒド及び酸触媒を添加し、攪拌しながらアセタール化反応を進行させる。次に、反応温度を上げて熟成することにより反応を完結させる。その後、中和、水洗及び乾燥の諸工程を行う。このようにして、粉末状のポリビニルアセタール樹脂を得る。
上記ポリビニルアルコール樹脂の平均重合度は、500〜5000の範囲内にあることが好ましく、1000〜3000の範囲内にあることが好ましい。平均重合度が500未満であると、合わせガラス用中間膜の強度が弱くなるため、この中間膜を備える合わせガラスの耐貫通性が低下することがある。平均重合度が5000を超えると、合わせガラス用中間膜の成形が困難になることがある。さらに、合わせガラス用中間膜の強度が強くなるため、この中間膜を備える合わせガラスの耐貫通性が低下することがある。
なお、ポリビニルアルコール樹脂の平均重合度は、例えば、JIS K 6726「ポリビニルアルコール試験方法」に基づいて測定され得る。
上記ポリビニルアセタール樹脂の製造に用いられるアルデヒドは特に限定されない。上記アルデヒドとして、例えば、炭素数1〜10のアルデヒド等が挙げられる。上記アルデヒドの具体例として、例えば、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド又はベンズアルデヒド等が挙げられる。これらのアルデヒドは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なかでも、上記アルデヒドとして、n−ブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド又はn−バレルアルデヒドが好ましく、炭素数4のn−ブチルアルデヒドがより好ましい。
上記ポリビニルアセタール樹脂は特に限定されない。上記ポリビニルアセタール樹脂として、ポリビニルアルコール樹脂とホルムアルデヒドとを反応させて得られるポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂とアセトアルデヒドとを反応させて得られる狭義のポリビニルアセタール樹脂、又はポリビニルアルコール樹脂とn−ブチルアルデヒドとを反応させて得られるポリビニルブチラール樹脂等が挙げられる。これらのポリビニルアセタール樹脂は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ポリビニルアセタール樹脂として、ポリビニルブチラール樹脂(PVB)が好適に用いられる。ポリビニルブチラール樹脂を用いることにより、合わせガラス用中間膜の透明性、耐候性、及びガラス板に対する接着性等が高まる。
上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基量は特に限定されない。該水酸基量は、18〜35モル%の範囲内にあることが好ましい。上記水酸基量が18モル%未満あると、中間膜の耐湿性及び耐貫通性が低下することがある。上記水酸基量が35モル%を超えると、合わせガラス用中間膜が硬くなりすぎて、該中間膜を備える合わせガラスの遮音性が低下することがある。上記水酸基量のより好ましい下限は28モル%であり、より好ましい上限は32モル%である。
上記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度(アセチル基量)は特に限定されない。該アセチル化度は、0.1〜15モル%の範囲内にあることが好ましい。上記アセチル化度が0.1モル%未満であると、上記可塑剤のブリードアウトが生じ、合わせガラスの遮音性が低下することがある。上記アセチル化度が、15モル%を超えると、合わせガラス用中間膜を備える合わせガラスの周辺に白化が生じることがある。上記アセチル化度のより好ましい下限は0.5モル%であり、より好ましい上限は1.5モル%である。
上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度は特に限定されない。該アセタール化度は、63〜73モル%の範囲内にあることが好ましい。上記アセタール化度が63モル%未満であると、上記可塑剤のブリードアウトが生じ、合わせガラスの遮音性が低下することがある。上記アセタール化度が73モル%を超えると、合わせガラス用中間膜と、ガラス板との接着力が著しく低下することがある。上記アセタール化度のより好ましい下限は65モル%であり、より好ましい上限は70モル%である。
上記アセチル化度と上記アセタール化度との合計は、65モル%以上であることが好ましく、68モル%以上であることがより好ましい。上記アセチル化度と上記アセタール化度との合計が65モル%未満であると、ポリビニルアセタール樹脂と上記可塑剤との相溶性が低下することがある。また、ポリビニルアセタール樹脂のガラス転移温度が充分に低下せず、低温領域における合わせガラスの遮音性が比較的低くなることがある。
ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度は、JIS K 6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法、又は核磁気共鳴法(NMR)を用いた方法により、アセチル基量と水酸基量とを測定し、得られた測定結果からモル%を算出し、ついで、100モル%からアセチル基量と水酸基量とを差し引くことにより算出され得る。
なお、ポリビニルアセタール樹脂がポリビニルブチラール樹脂である場合は、上記アセタール化度(ブチラール化度)およびアセチル化度は、JIS K 6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法、又は赤外線吸収スペクトル(IR)や核磁気共鳴法(NMR)を用いた方法により測定された結果から算出され得る。
(可塑剤)
本発明に係る合わせガラス用中間膜は、可塑剤として、下記式(1)で表されるジエステル化合物(以下、ジエステル化合物Aともいう)を含有する。
本発明に係る合わせガラス用中間膜は、可塑剤として、下記式(1)で表されるジエステル化合物(以下、ジエステル化合物Aともいう)を含有する。
上記式(1)中、R1及びR2は炭素数5〜10の有機基を表し、R3は、−CH2−CH2−基、−CH2−CH(CH3)−基又は−CH2−CH2−CH2−基を表し、nは3〜10の範囲内の整数を表す。
上記ジエステル化合物Aが含有されていることにより、リシノール酸アルキルエステルのブリードアウトが生じ難くなる。また、合わせガラス用中間膜とガラス板とをより一層穏やかな条件で接着させることができ、かつ合わせガラスの透明性をより一層高めることができる。
上記ジエステル化合物Aの具体例として、トリエチレングリコールジ(2−エチルヘキサノエート)、テトラエチレングリコールジ(2−エチルヘキサノエート)、ペンタエチレングリコールジ(2−エチルヘキサノエート)、オクタエチレングリコールジ(2−エチルヘキサノエート)、ノナエチレングリコールジ(2−エチルヘキサノエート)、デカエチレングリコールジ(2−エチルヘキサノエート)、テトラエチレングリコールジ(n−ヘプタノエート)又はテトラエチレングリコールジ(n−オクタノエート)等が挙げられる。なかでも、トリエチレングリコールジ(2−エチルヘキサノエート)が好ましい。トリエチレングリコールジ(2−エチルヘキサノエート)を用いた場合、合わせガラスの遮音性及び耐貫通性をより一層高めることができる。
本発明に係る合わせガラス用中間膜は、可塑剤として、上記ジエステル化合物Aに加えて、リシノール酸アルキルエステルをさらに含有する。リシノール酸アルキルエステルが上記熱可塑性樹脂及び上記ジエステル化合物Aとともに含有されていることにより、合わせガラスの遮音性及び耐貫通性を高めることができる。
特に、リシノール酸アルキルエステルと、ポリビニルアセタール樹脂とを併用することにより、可塑剤の添加量が比較的少なくても、合わせガラスの遮音性を高めることができる。これは、リシノール酸アルキルエステルが、ポリビニルアセタール樹脂の分子内水素結合を弱めるように作用するためであると考えられる。
上記リシノール酸アルキルエステルは、リシノール酸と、任意のアルコールとのエステル化合物である。該アルコールは特に限定されない。上記アルコールとして、メタノール、エタノール、プロパノール又はn−ブチルアルコール等が挙げられる。
上記リシノール酸アルキルエステルの具体例として、リシノール酸メチル、リシノール酸エチル、リシノール酸プロピル又はリシノール酸n−ブチル等が挙げられる。これらのリシノール酸アルキルエステルは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
なかでも、リシノール酸メチルが好適に用いられる。リシノール酸メチルを用いた場合、合わせガラスの遮音性がより一層高まる。
本発明に係る合わせガラス用中間膜は、上記熱可塑性樹脂100重量部に対して、上記ジエステル化合物Aを19〜35重量部の範囲内で含有し、上記リシノール酸アルキルエステルを25〜36重量部の範囲内で含有し、かつ上記ジエステル化合物Aと上記リシノール酸アルキルエステルとを合計で50〜65重量部の範囲内で含有する。
上記ジエステル化合物Aの含有量が少なすぎると、得られた合わせガラスの遮音性が低下することがある。上記ジエステル化合物Aの含有量が多すぎると、得られた合わせガラスの耐貫通性が低下することがある。上記熱可塑性樹脂100重量部に対する上記ジエステル化合物Aの含有量の好ましい下限は20重量部であり、好ましい上限は30重量部である。
上記リシノール酸アルキルエステルの含有量が少なすぎると、得られた合わせガラスの遮音性が低下することがある。上記リシノール酸アルキルエステルの含有量が多すぎると、得られた合わせガラスの耐貫通性が低下することがある。上記熱可塑性樹脂100重量部に対する上記リシノール酸アルキルエステルの含有量の好ましい下限は27重量部であり、好ましい上限は34重量部である。
また、上記ジエステル化合物Aと上記リシノール酸アルキルエステルとの合計量が少なすぎると、得られた合わせガラスの遮音性が低下することがある。上記ジエステル化合物Aと上記リシノール酸アルキルエステルとの合計量が多すぎると、得られた合わせガラスの耐貫通性が低下することがある。上記熱可塑性樹脂100重量部に対する、上記ジエステル化合物Aと上記リシノール酸アルキルエステルとの合計量の好ましい下限は52重量部であり、好ましい上限は63重量部である。
(他の成分)
合わせガラス用中間膜とガラス板との接着力を調整するために、合わせガラス用中間膜は、脂肪酸金属塩又はシリコンオイルを含有してもよい。
合わせガラス用中間膜とガラス板との接着力を調整するために、合わせガラス用中間膜は、脂肪酸金属塩又はシリコンオイルを含有してもよい。
上記脂肪酸金属塩は特に限定されない。上記脂肪酸金属塩として、例えば2−エチル酪酸マグネシウム又は酢酸マグネシウム等が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂100重量部に対して、上記脂肪酸金属塩は0.0002〜0.02重量部の範囲内で含有されることが好ましい。
上記熱可塑性樹脂100重量部に対して、上記シリコンオイルは0.001〜1重量部の範囲内で含有されることが好ましい。
本発明の合わせガラス用中間膜は、必要に応じて、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、難燃剤、帯電防止剤、耐湿剤、顔料、染料又は赤外線吸収剤等を含有していてもよい。
本発明の合わせガラス用中間膜の厚さは特に限定されない。合わせガラス用中間膜の厚さは、0.1〜1.5mmの範囲内にあることが好ましい。合わせガラス用中間膜が薄すぎると、合わせガラスの耐貫通性が低下することがある。合わせガラス用中間膜が厚すぎると、該中間膜を備える合わせガラスが重くなり、合わせガラスの取り扱いが困難になることがある。合わせガラス用中間膜の厚さのより好ましい下限は0.7mmであり、より好ましい上限は1.4mmである。
本発明の合わせガラス用中間膜を製造する方法は、特に限定されない。合わせガラス用中間膜を製造する方法として、例えば、上記可塑剤と、必要に応じて配合される添加剤と、熱可塑性樹脂とを混練し、合わせガラス用中間膜を成形する方法等が挙げられる。
上記合わせガラス用中間膜の製造において、上記混練する方法は特に限定されない。例えば、押出機、プラストグラフ、ニーダー、バンバリーミキサー又はカレンダーロール等を用いる方法が挙げられる。なかでも、連続的な生産に適しているため、押出機を用いる方法が好ましい。
本発明の合わせガラスは、少なくとも2枚のガラス板と、本発明の合わせガラス用中間膜とを備えている。本発明の合わせガラスでは、本発明の合わせガラス用中間膜が、少なくとも2枚のガラス板の間に配置されている。少なくとも2枚のガラス板の間に、本発明の合わせガラス用中間膜を挟んで、一体化させることにより合わせガラスを得ることができる。
上記ガラス板は特に限定されない。上記ガラス板として、一般的に使用されている透明板ガラスを使用することができる。
上記ガラス板の具体例として、例えば、フロート板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、網入りガラス、線入り板ガラス、着色された板ガラス、熱線吸収ガラス、熱線反射ガラス又はグリーンガラス等が挙げられる。
合わせガラスを形成する際には、2種以上のガラス板を用いてもよい。例えば、透明フロート板ガラスと、グリーンガラスなどの着色された板ガラスとを用いてもよい。
本発明の合わせガラスを自動車に用いる場合は、フロントガラス、サイドガラス、リアガラス、ルーフガラス又はパノラマガラスとして、合わせガラスを用いることができる。
また、本発明の合わせガラスの製造方法は、従来公知の製造方法を用いることができ特に限定されない。
なお、ガラス板に代えて、ポリカーボネート板やポリアクリレート板等の有機プラスチックス板を用いて、少なくとも2枚の有機プラスチックス板の間に、本発明の合わせガラス用中間膜を配置することにより、合わせガラスを製造してもよい。
以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳しく説明する。本発明は以下の実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(1)合わせガラス用中間膜の作製
上記ジエステル化合物Aとして、トリエチレングリコールジ(2−エチルヘキサノエート)19重量部と、リシノール酸メチル36重量部と、酸化防止剤0.2重量部と、ベンゾトリアゾール構造を有する紫外線吸収剤0.2重量部との混合液を80℃で攪拌し、可塑剤溶液を得た。
(1)合わせガラス用中間膜の作製
上記ジエステル化合物Aとして、トリエチレングリコールジ(2−エチルヘキサノエート)19重量部と、リシノール酸メチル36重量部と、酸化防止剤0.2重量部と、ベンゾトリアゾール構造を有する紫外線吸収剤0.2重量部との混合液を80℃で攪拌し、可塑剤溶液を得た。
得られた可塑剤溶液を、ポリビニルブチラール樹脂(ブチラール化度68.5モル%、アセチル化度0.9モル%、水酸基量30.6モル%)100重量部に添加し、充分に混合し、混合物を得た。押出機を用いて、得られた混合物を押出し、膜厚1200μmの合わせガラス用中間膜を作製した。
(2)合わせガラスの作製
得られた合わせガラス用中間膜を2枚の透明なフロートガラス(縦30cm×横30cm×厚さ2.5mm)の間に挟み込むことにより、積層体を得た。得られた積層体を、230℃の加熱ロールを用いて、仮圧着させた。次に、仮圧着された積層体を、オートクレーブを用いて135℃及び圧力1.2MPaの条件で20分間圧着し、合わせガラスを作製した。
得られた合わせガラス用中間膜を2枚の透明なフロートガラス(縦30cm×横30cm×厚さ2.5mm)の間に挟み込むことにより、積層体を得た。得られた積層体を、230℃の加熱ロールを用いて、仮圧着させた。次に、仮圧着された積層体を、オートクレーブを用いて135℃及び圧力1.2MPaの条件で20分間圧着し、合わせガラスを作製した。
(実施例2〜6及び比較例1〜6)
上記トリエチレングリコールジ(2−エチルヘキサノエート)及びリシノール酸メチルの配合量を下記の表1に示すように変更したこと、並びに合わせガラス用中間膜の膜厚を下記の表1に示す膜厚としたこと以外は実施例1と同様にして、合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを作製した。
上記トリエチレングリコールジ(2−エチルヘキサノエート)及びリシノール酸メチルの配合量を下記の表1に示すように変更したこと、並びに合わせガラス用中間膜の膜厚を下記の表1に示す膜厚としたこと以外は実施例1と同様にして、合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを作製した。
(評価)
(1)遮音性
実施例及び比較例で得られた合わせガラス用中間膜を、縦4cm×横4cmの大きさに切断した。切断された合わせガラス用中間膜を、2枚の透明なフロートガラス(縦4cm×横4cm×厚さ2.3mm)の間に挟み込むことにより、積層体を得た。得られた積層体を、230℃の加熱ロールを用いて、仮圧着させた。次に、仮圧着された積層体を、オートクレーブを用いて135℃及び圧力1.2MPaの条件で20分間圧着し、遮音性評価用の合わせガラスを作製した。
(1)遮音性
実施例及び比較例で得られた合わせガラス用中間膜を、縦4cm×横4cmの大きさに切断した。切断された合わせガラス用中間膜を、2枚の透明なフロートガラス(縦4cm×横4cm×厚さ2.3mm)の間に挟み込むことにより、積層体を得た。得られた積層体を、230℃の加熱ロールを用いて、仮圧着させた。次に、仮圧着された積層体を、オートクレーブを用いて135℃及び圧力1.2MPaの条件で20分間圧着し、遮音性評価用の合わせガラスを作製した。
得られた遮音性評価用の合わせガラスを、ダンピング試験用の振動発生機(振研社製、加振機G21−005D)により加振し、得られた振動特性を機械インピーダンス測定装置(リオン社製、XG−81)にて増幅し、振動スペクトルをFFTスペクトラムアナライザー(横河ヒューレッドパッカード社製、FFTアナライザー HP3582A)により解析した。
解析により得られた損失係数と、ガラスとの共振周波数との比から、20℃における周波数(Hz)と音響透過損失(dB)との関係を示すグラフを作成し、周波数2000Hz付近における極小の音響透過損失(TL値)を求めた。このTL値が高いほど遮音性が高いことを示す。TL値が30dB以上である合わせガラスを合格として、結果を下記の表1に示した。
(2)耐貫通性
JIS R 3212に準拠して、実施例及び比較例で得られた合わせガラスを、表面温度が30℃となるように調整した。しかる後、質量2260±20g及び直径約82mmの剛球を、4mの高さから合わせガラスの中心部分に落下させた。剛球が貫通しなかった合わせガラスを「○」、剛球が貫通した合わせガラスを「×」として、結果を下記の表1に示した。
JIS R 3212に準拠して、実施例及び比較例で得られた合わせガラスを、表面温度が30℃となるように調整した。しかる後、質量2260±20g及び直径約82mmの剛球を、4mの高さから合わせガラスの中心部分に落下させた。剛球が貫通しなかった合わせガラスを「○」、剛球が貫通した合わせガラスを「×」として、結果を下記の表1に示した。
Claims (4)
- 前記リシノール酸アルキルエステルが、リシノール酸メチルである、請求項1に記載の合わせガラス用中間膜。
- 前記ジエステル化合物が、トリエチレングリコールジ(2−エチルヘキサノエート)である、請求項1または2に記載の合わせガラス用中間膜。
- 少なくとも2枚のガラス板と、該少なくとも2枚のガラス板の間に配置されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜とを備えることを特徴とする、合わせガラス。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2008
- 2008-09-03 JP JP2008225423A patent/JP2010059009A/ja active Pending
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