JP2010042780A - ステアリングロック装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 工具等を使用して不正にシリンダ錠をボディから抜き取られないようにする。
【解決手段】 シリンダインナ12とシリンダアウタ11を含む部材で構成されるシリンダ錠3と、シリンダインナ12の回動に応じてロック位置でステアリングシャフトの回動を阻止するロックシャフト6とをボディ2内に収納し、シリンダアウタ11に設けられて径方向外側に向けて突出するように付勢されたロックピン4をボディ2に貫通して設けられた係合穴35に係合させることによってシリンダ錠3をボディ2内に保持するようにしたステアリングロック装置1において、ボディ2の係合穴35をロックピン4の作動方向に対して交差する方向に延びて設けるようにした。
【選択図】図2

Description

本発明は、ステアリングロック装置における盗難防止を図ったシリンダ錠の固定構造に関するものである。
ステアリングロック装置は、シリンダインナとシリンダアウタ等で構成されるシリンダ錠と、シリンダインナの回動に応じてロック位置でステアリングシャフトの回動を阻止するロックシャフトとがボディ内に収納されている。ボディ内に収納されたシリンダ錠はかしめなどで固定されるものもあるが、交換を可能にしてサービス性を向上させるため、径方向外側に突出するように付勢されたロックピンをシリンダアウタに設け、このロックピンをボディの係合穴に係合させると共に、シリンダインナの所定の回動位置でロックピンの押し込みを可能として、シリンダ錠を取り外すことができるようにしたものも知られている。
特開2001−207705号公報
しかしながら、このようなものにおいては、盗難等を目的としてシリンダ錠をボディから抜き取るため、例えば、ポンチでロックピンをたたき込んで無理やりピンを押し込んだりして、シリンダ錠がボディから抜き取られる可能性があった。
この発明はこの点に着目し、工具等を使用して不正にシリンダ錠をボディから抜き取られないようにすることを課題としてなされたものである。
上記の課題を達成するために、この発明のステアリングロック装置では、シリンダインナとシリンダアウタを含む部材で構成されるシリンダ錠と、前記シリンダインナの回動に応じてロック位置でステアリングシャフトの回動を阻止するロックシャフトとをボディ内に収納し、前記シリンダアウタに設けられて径方向外側に向けて突出するように付勢されたロックピンを前記ボディに貫通して設けられた係合穴に係合させることによって前記シリンダ錠を前記ボディ内に保持するようにしたステアリングロック装置において、前記ボディの係合穴を前記ロックピンの作動方向に対して交差する方向に延びて設けるようにしている。
本発明のステアリングロック装置では、ボディの係合穴をロックピンの作動方向に対して交差する方向に延びて設けるようにしているため、係合穴の開口よりロックピンをたたき込んで無理やりピンを押し込もうとしても、ピンへの衝撃力をピンの作動方向とは交差する方向に分散させることができ、ロックピンとシリンダインナとの当接部分の変形を防止することができる。これにより、盗難防止性を向上することができる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に沿って説明する。
図1は本発明のステアリングロック装置1の平面図を示す。図2は図1のA−A線断面図を示す。図3(A)は本発明のステアリングロック装置1の長手方向断面図であり図2のB−B線断面図を示し、図3(B)は図3(A)の要部拡大図を示す。なお、図3(A)に示すステアリングロック装置1の長手方向断面図において、説明の便宜上、右側を「前」、左側を「後」という。
このステアリングロック装置1は、大略、ボディ2の内部に、シリンダ錠3と、シリンダ錠3をボディ2に固定するためのロックピン4と、シリンダ錠3の回転に連動するカム部材5と、ステアリングシャフトに係合してステアリングシャフトをロックするロックシャフト6とを配設するとともに、自動車内の各機器への通電をオンオフさせるイグニッションスイッチ7と、イグニッションスイッチ7に対してシリンダ錠3の回動を伝える連動部材8と、ロックシャフト6の進退移動を規制するロックリンク9とを配設したものである。
ステアリングロック装置1は、略円筒状のシリンダアウタ11と、シリンダアウタ11内に回動可能に保持されるシリンダインナ12とで構成された周知のシリンダ錠3を備えている。
シリンダアウタ11には、図3(A)、(B)および図4に示すように、後端面から後方側に向けて突部13が突設されている。突部13には、シリンダインナ12の回転軸に向けて貫通した収納孔14が設けられ、収納孔14内部には後述するロックピン4を付勢するスプリング31が係止する段差部15が設けられている。突部13の外周側面には、収納孔14の外側端を内部に含むように略十字状の装着溝16が設けられている。また、シリンダアウタ11の内周面には、図示しないタンブラ係止溝が設けられている。さらに、図5に示すように、シリンダアウタ11のボディ2の外側に露出される正面側には、LOCK位置、ACC位置、ON位置およびSTART位置の順番で時計回りの所定位置にシリンダインナ12の回転位置を指し示す表記17a〜17dが刻設されている。
シリンダインナ12は、その回転軸に沿って延びるキー穴21(図5に図示)と、回転軸に対して直交方向に移動可能でありスプリング(図示せず)の付勢力によって径方向外側に向けて付勢された図示しない複数のタンブラーとを備える。そして、キーをシリンダインナ12のキー穴21に差し込むと、各タンブラーがスプリングの付勢力に抗してシリンダインナ12内に後退し、シリンダアウタ11の係止溝との係止が解除される。その結果、キーを回動操作することにより、シリンダインナ12はLOCK位置からSTART位置までの範囲で回動可能となる。
また、シリンダインナ12の後側端部には、シリンダアウタ11の端部に位置決めするための鍔部22と、該鍔部22の後方側に位置し鍔部22よりも径が小さい略円筒状の段部23とが設けられている。この段部23には、図2に示すように、シリンダインナ12がACC位置の状態で後述するロックピン4と対向する位置に、ロックピン4が進入可能な凹部24が設けられている。
ロックピン4は、略円筒形状であり外周面にはスプリング31の一端が係止するリング状部4aが設けられている。ロックピン4は、図2および図4に示すように、押さえ板26によってシリンダアウタ11の収納孔14内に抜け出し不能に収納される。押さえ板26は、略十字形状の本体部を有し、本体部の前方側を除く他の各端部には、本体部とは直交する方向に延びる腕部の先端に設けられ、本体部がシリンダアウタ11の装着溝16に装着された状態でシリンダアウタ11の突部13の縁に係止する3つの係止爪27が設けられている。また、押さえ板26の本体部には、ロックピン4の外端部4bが挿通する孔28と、本体部の前方側の端部に、シリンダインナ12とシリンダアウタ11とのガタツキを吸収するアーチ状部29とが設けられている。
このロックピン4は、シリンダアウタ11の突部13に形成された収納孔14にスプリング31およびロックピン4を順次収納し、シリンダアウタ11の突部13の装着溝16に押さえ板26を装着し係止爪27をシリンダアウタ11の突部13の縁に係止させることで、シリンダアウタ11の収納孔14内に抜け出し不能に取り付けられる。この状態においてロックピン4は、スプリング31による径方向外側への付勢力でリング状部4aが押さえ板26に当たる位置まで突出し、その外端部4bがシリンダアウタ11から外方へ向けて突出している。また、ロックピン4はシリンダインナ12の段部23に対応する位置に設けられており、ロックピン4の長さはリング状部4aが押さえ板26に係合している状態でその内端部4cが収納孔14を貫通し、段部23の外周面にほぼ接するように選定されている。従って、シリンダインナ12をシリンダアウタ11に挿入してロックピン4を取り付けると、図3(A)に示すように、シリンダインナ12はロックピン4に鍔部22が当たって抜け止めされ、シリンダ錠3を中心としたシリンダアセンブリの仮組み状態が維持される。また、この組付け状態では、シリンダインナ12はLOCK位置からACC位置及びON位置を経てSTART位置まで回動可能であって、ロックピン4はシリンダインナ12が図6に示すACC位置でのみ内端部4cがシリンダインナ12の凹部24に進入可能であり、外端部4bがシリンダアウタ11の突部13内に没入する位置まで押し込み可能となっている。
ボディ2は、図1に示すように、略円筒状で略L字状に形成されており、その交差部分には、ステアリングシャフト周辺へ取り付けるための取付部2aが設けられている。ボディ2の一方側の第1開口端33にはシリンダ錠3が装着されている。このボディ2には、シリンダ錠3のロックピン4の外端部4bが係合する係合穴35が設けられている。この係合穴35は、図2および図3(A)に示すように、ボディ2の外部から内部まで貫通しており、シリンダ錠3をボディ2に装着した状態において、ロックピン4の作動方向に対して交差する方向に延びて設けられている。すなわち、係合穴35はロックピン4の作動方向(作動軸)に対して周方向にCだけ(本実施形態においては約35度)傾斜して設けられている。
カム部材5は、ボディ2内で回動可能に保持されるものであり、カム部材5の前方側のボディ2内に固定されたカムリッド40によって、ボディ2からの抜け出しが規制されている。カム部材5は、シリンダインナ12の後端に連結されることで、シリンダインナ12と一体的にLOCK位置からSTART位置の範囲で回動されるものである。このカム部材5には、カム部材5のLOCK位置からACC位置への回転によって後述するロックシャフト6およびその操作部45を突出位置から退避位置まで移動させるカム部41が設けられている。また、カム部材5の後端縁には、イグニッションスイッチ7を作動させるかさ歯車8と噛み合うギア部42が設けられており、シリンダインナ12およびカム部材5の回転に応じて、かさ歯車8が回転し、後述するイグニッションスイッチ7内部の接点が切り替えられる。
ロックシャフト6は、カム部材5の回転軸方向に沿ってボディ2内に移動可能に配設されるもので、ボディ2の挿通孔2bに進退可能に装着されている。このロックシャフト6は、ロックシャフト6の前方側に設けられたロックシャフト付勢スプリング44の付勢力によって突出位置に向けて付勢されている。また、ロックシャフト6の前端部には、カム部材5のカム部41に当接してロックシャフト6をステアリングシャフトに係合する突出位置(ロック位置)からステアリングシャフトに係合しない退避位置(アンロック位置)へ移動させる操作部45が連結されている。
ロックリンク9は、ボディ2内に揺動可能に軸着され、キー穴21にキーが差し込まれると、ロックシャフト6の操作部45に係合して退避状態のロックシャフト6を操作部45を介して進出不能に係止するとともに、この係止状態においてキーがキー穴21から抜き取られると、ロックシャフト6の操作部45とロックリンク9との係合が解除され、ロックシャフト6の突出方向への突出を許容するものである。なお、このロックリンク9の詳細な構造については、本発明と直接関係がないので、詳細な説明を省略する。
イグニッションスイッチ7は、シリンダインナ12の回転位置を検出する検出手段であり、図1に示すように、ボディ2の他方側の第2開口端34に配設されている。イグニッションスイッチ7には、連動部材であるかさ歯車8の軸部(図示せず)が進入してかさ歯車8の回転に応じてスイッチ操作が行われるようになっている。すなわち、このイグニッションスイッチ7は、シリンダインナ12の回動をカム部材5およびかさ歯車8を介して検出することにより、シリンダインナ12の回動位置に従って、LOCK位置ではエンジンおよび全ての機器を停止し、ACC位置ではエンジンを停止するとともにオーディオなどの一部の負荷部品のみを動作させ、ON位置では全ての負荷部品を動作可能とするとともにエンジンが駆動している場合にはその駆動状態を維持させ、START位置ではエンジンを始動させるように電気回路を切り換えるものである。
上記シリンダ錠3をボディ2に組み付ける場合には、まず、シリンダインナ12のキー穴21にキーを挿入し、シリンダアウタ11に対してシリンダインナ12をACC位置まで回転させる。すると、図6に示すように、ロックピン4の内端部4cとシリンダインナ12の凹部24とが対向した状態となり、ロックピン4の外端部4bはシリンダインナ12の突部13内まで押込み可能となる。そして、ロックピン4を押し込んだ状態で、シリンダ錠3をボディ2の第1開口端33内に挿入する。ロックピン4がボディ2の係合穴35に対応する位置までシリンダ錠3が挿入されると、ロックピン4がスプリング31の付勢力により、ボディ2の係合穴35内に進入して、ロックピン4の外端部4bとボディ2の係合穴35とが係合した状態となり、シリンダ錠3は、ボディ2の第1開口端33から抜け出し不能に固定される。そして、キー操作によってシリンダインナ12をLOCK位置まで回転させると、図2に示すように、シリンダインナ12の凹部24は、ロックピン4に対応しない位置に移動するため、ロックピン4はシリンダインナ12の突部13内には押し込み不能となり、係合穴35の開口からロックピン4を押し込もうとしてもロックピン4の内端部4cがシリンダインナ12の段部23の外周面に当接するため、ロックピン4を押し込むことはできず、シリンダ錠3をボディ2から取り外すことはできなくなる。
そして、本実施形態のステアリングロック装置1においては、盗難等を目的としてシリンダ錠3をボディ2から抜き取るため、例えば、係合穴35の開口からポンチでロックピン4をたたき込んで無理やりロックピン4を押し込んだりして、シリンダ錠3がボディ2から抜き取られることを防止するために、係合穴35をロックピン4の作動方向に対して交差する方向に延びるように設けている。これにより、図2および図3(A)に示すロック状態においては、例えば、ボディ2の係合穴35の開口からポンチでロックピン4をたたき込んでも、その衝撃力はロックピン4の作動方向に対して交差する方向に分散される。これにより、ロックピン4の内端部4cがシリンダインナ12の段部23に衝突する力が弱められ、ロックピン4、または、シリンダインナ12が変形することを防止することができる。その結果、ロックピン4がシリンダインナ12の突部13内に押し込まれることが阻止され、シリンダ錠3がボディ2から不正に抜き取られることを防止することができる。
なお、本発明のステアリングロック装置は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、前記実施形態では、ボディ2の係合穴35をロックピン4の作動方向に対して周方向に傾斜して設けるようにしているが、ボディ2の係合穴35をロックピン4の作動方向に対してシリンダインナ12の回転軸方向に沿って傾斜して設けるようにしてもよい。また、ボディ2の係合穴35の延び方向とロックピン4の作動方向との角度は90度をなすようにして構成してもよい。
本発明の実施形態のステアリングロック装置の平面図である。 図1のA−A線断面図である。 本発明の実施形態のステアリングロック装置の長手方向断面図を示し、(A)は図2のB−B線断面図、(B)は(A)の要部拡大図である。 シリンダ錠の斜視図である。 シリンダ錠の正面図である。 図2のシリンダインナがACC位置にある状態を示す図である。
符号の説明
2・・・ボディ、3・・・シリンダ錠、4・・・ロックピン、6・・・ロックシャフト、11・・・シリンダアウタ、12・・・シリンダインナ、35・・・係合穴。

Claims (1)

  1. シリンダインナとシリンダアウタを含む部材で構成されるシリンダ錠と、前記シリンダインナの回動に応じてロック位置でステアリングシャフトの回動を阻止するロックシャフトとをボディ内に収納し、前記シリンダアウタに設けられて径方向外側に向けて突出するように付勢されたロックピンを前記ボディに貫通して設けられた係合穴に係合させることによって前記シリンダ錠を前記ボディ内に保持するようにしたステアリングロック装置において、前記ボディの係合穴を前記ロックピンの作動方向に対して交差する方向に延びて設けるようにしたことを特徴とするステアリングロック装置。
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