JP2010040540A - Simox基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】支持基板に金属不純物を残留させず、かつ低ニッケル化を可能とする。
【解決手段】先ず裏面にポリシリコン膜17を形成したシリコンウェーハ12の内部に酸素イオン11を注入した後に、このウェーハ12に熱処理を施してウェーハ12内部に埋込み酸化膜13を形成することにより埋込み酸化膜13上のウェーハ12表面にSOI層14を形成してSIMOX基板16を作製し更に全面に酸化膜18を形成する。次にこのSIMOX基板16の裏面16bにのみエッチングを施してSIMOX基板16の裏面16bの酸化膜18を除去した後に、このSIMOX基板16にエッチングを施してSIMOX基板16の裏面16bのポリシリコン膜17を除去するとともにSIMOX基板16の裏面16bを所定の厚さだけ除去する。更にこのSIMOX基板16にエッチングを施してSIMOX基板16の酸化膜18を全て除去する。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリコンウェーハ内に埋込み酸化膜を形成して、埋込み酸化膜上にSOI(Silicon-On-Insulator)層を形成することにより、SIMOX(Separation by IMplanted OXygen)基板を製造する方法に関するものである。
SOI基板は、(1)素子と基板間の寄生容量を低減できるのでデバイス動作の高速化が可能であり、(2)放射線耐圧に優れており、(3)誘電体分離が容易のため高集積化が可能であり、更に(4)耐ラッチアップの特性を向上できる等の非常に優れた特徴を有する。現在SOI基板の製造方法には、大きく2つに分類できる。一つの方法は、薄膜化される活性ウェーハと、支持ウェーハを貼合せて形成する貼合せ法であり、他の方法は、ウェーハ表面より酸素イオンを注入してウェーハ表面から所定の深さの領域に埋込み酸化層を形成するSIMOX法である。特にSIMOX法は製造工程数が少なく、またSIMOX法により製造されるSOI基板、即ちSIMOX基板は、大面積でかつ結晶性の良好な素子形成領域を容易に得ることができるため、将来的に有効な手法として期待されている。
SIMOX基板の製造方法は、シリコン単結晶基板の一方の主面を鏡面加工した後に、この鏡面加工面から酸素イオンを基板中の所定の深さに注入する酸素イオン注入工程と、酸素イオンを注入した基板に酸化雰囲気下、高温熱処理を施すことにより基板内部に埋込み酸化膜を形成する高温熱処理工程から構成される。具体的には、シリコン単結晶基板を500℃〜650℃の温度に保持し、基板表面から1017〜1018個/cm2程度の酸素原子イオン或いは酸素分子イオンを所定の深さに注入する。引続きこの酸素イオンを注入したシリコン基板を500℃〜700℃の温度に保持した熱処理炉内に投入し、スリップを発生させないように徐々に昇温を開始して1300℃〜1390℃程度の温度に10〜30時間程度保持する熱処理を施す。この高温熱処理により基板内部に注入された酸素イオンがシリコンと反応して基板内部に埋込み酸化膜が形成される。このような工程を経て、支持基板と、この支持基板上に形成された埋込み酸化膜と、この埋込み酸化膜上に形成されたSOI層とを備えたSIMOX基板が製造される。
上記熱処理炉の処理室には、処理ガスが導入される反応管、基板を支持する支持具及び炉口部からの放熱を抑制する断熱板等が配設されている。処理室内に配設されたこれらの部材は、基板と直接接触するシリコンリング以外、ほぼ全ての部品にSiC製の部材が使用されており、このSiC製部材の表面又は内部には金属不純物が付着している。これらの金属不純物は、1000℃程度の温度では安定してSiC製部材に残留するが、SIMOX基板の製造工程では、上述のように1300℃を越える高温熱処理が必要とされる。このような1300℃を越える高温熱処理を施すと、安定して残留していた金属不純物がSiC製部材から放出され、基板表面に拡散してしまう。SIMOX基板の製造工程では、この高温熱処理の際、熱処理炉内のSiC製部材から放出されるこれらの金属不純物に起因する、基板表面のデバイス領域の汚染が大きな問題となっている。
そこで、基板表面のデバイス領域から金属不純物を除く、又はゲッタリングシンクと呼ばれるデバイス領域以外の十分離れた場所に、金属不純物を移動させるゲッタリング技術という手法が発達した。具体的には、基板裏面にサンドブラストで歪みをつける方法、基板裏面にポリシリコン膜を堆積する方法、基板裏面に高濃度のリンを注入する方法などの外部ゲッタリング法(External Gettering:EG)、或いは基板内部に析出した酸素析出物に起因する結晶欠陥をゲッタリングシンクとして利用する内部ゲッタリング法(Intrinsic Gettering:IG)等が存在する。
EGによるゲッタリングを施す方法として、裏面にポリシリコン層を有するシリコンウェーハを窒素、水素又はアルゴンガス雰囲気中の炉内に入れて、950〜1100℃の第1温度で0.5〜2時間保持し、引続いてウェーハを2〜4℃/分の速度で700〜800℃の第2温度まで降温し、第2温度で1〜5時間保持した後、炉から取出して室温まで放冷するシリコンウェーハの熱処理方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この熱処理方法では、拡散速度の遅いFeなどの金属不純物をシリコンウェーハバルク中に十分に拡散させた後、ウェーハバルク中に残存させることなく、確実にポリシリコン層中に捕獲できるようになっている。
特開2001−44206号公報(請求項1、段落[0030])
しかし、上記従来の特許文献1に示されるシリコンウェーハの製造方法では、熱処理温度が低いため、シリコンになじみ易いNiはポリシリコン層中に捕獲し難く、シリコンウェーハバルク中に残存し易い傾向にある。このため、SIMOX基板の製造工程における低ニッケル化を実現するゲッタリング技術が強く要望されている。また、近年、SIMOXウェーハのSOI層の薄膜化が要望されていることや、デバイスメーカーにおいては、埋込み酸化膜自体をキャパシタとして用いるようになってきたことから、埋込み酸化膜の直下のバルク層、即ち支持基板に、ゲッタリングシンクを形成し、そこに金属不純物が捕獲されているとキャパシタリークなどの不具合が生じることがある。
本発明の目的は、支持基板に金属不純物を残留させず、かつ低ニッケル化が可能なSIMOX基板の製造方法を提供することにある。
請求項1に係る発明は、シリコンウェーハの裏面にポリシリコン膜を形成するポリシリコン膜形成工程と、シリコンウェーハの内部に酸素イオンを注入するイオン注入工程と、このウェーハに熱処理を施しウェーハ表面から所定の深さの領域に埋込み酸化膜を形成することにより埋込み酸化膜上のウェーハ表面にSOI層を形成してSIMOX基板を作製し更に全面に酸化膜を形成する熱処理工程と、この熱処理したSIMOX基板の裏面にのみエッチングを施してSIMOX基板の裏面の酸化膜を除去する第1エッチング工程と、この裏面酸化膜を除去したSIMOX基板にエッチングを施してSIMOX基板の裏面のポリシリコン膜を除去するとともにSIMOX基板の裏面を所定の厚さだけ除去する第2エッチング工程と、SIMOX基板の裏面を所定の厚さだけ除去したSIMOX基板にエッチングを施してSIMOX基板の酸化膜を全て除去する第3エッチング工程とを含むSIMOX基板の製造方法である。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、更に熱処理工程での熱処理が酸化雰囲気中で1300〜1370℃の温度に15〜30時間保持して行われることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明であって、更に第2エッチング工程でSIMOX基板の裏面の酸化膜を除去した後のSIMOX基板の裏面を除去する所定の厚さが0.2〜5μmであることを特徴とする。
請求項1に係る発明では、高温熱処理の際、熱処理炉内のSiC製部材から放出され、ウェーハ表面に付着しデバイス領域等を汚染する金属不純物であって、特にシリコンになじみ易く、従来法では除去するのが困難であったNiを捕獲し除去することができる。この結果、低ニッケルのSIMOX基板を製造することができる。また埋込み酸化膜直下のバルク層、即ち支持基板にはゲッタリングシンクは形成されていないため、埋込み酸化膜をデバイス領域として用いる場合であっても、ゲッタリングシンクに捕獲された金属に起因するキャパシタリークなどの不具合を解消することができる。
次に本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態は、図1に示すように、酸素イオン11を注入した後、熱処理することにより、シリコンウェーハ12表面から所定の深さの領域に埋込み酸化膜13が形成され、埋込み酸化膜13上のウェーハ12表面にSOI層14が形成されたSIMOX基板16の製造方法に関するものである。そして、図1及び図2に示すように、本実施の形態のSIMOX基板16の製造方法は、裏面にポリシリコン膜17が形成されたシリコンウェーハ12の内部に酸素イオン11を注入し、このウェーハ12に熱処理を施してSIMOX基板16を作製した後に、このSIMOX基板16の裏面にのみエッチングを施してSIMOX基板16の裏面の酸化膜18を除去する第1エッチング工程と、このSIMOX基板16にエッチングを施してSIMOX基板16の裏面のポリシリコン膜17を除去するとともにSIMOX基板16の裏面を所定の厚さだけ除去する第2エッチング工程と、このSIMOX基板16にエッチングを施してSIMOX基板16の酸化膜18を全て除去する第3エッチング工程とを含む。これらの各工程を以下に示す。
(1)ポリシリコン膜形成工程
チョクラルスキー法やフローティングゾーン法等の方法により製造された単結晶インゴットを、スライスしてウェーハに加工し、このウェーハにラッピング、エッチング、研削、研磨、更には鏡面研磨等を施して形成されたシリコンウェーハ12を準備する。この酸素イオン11注入前のシリコンウェーハ12の酸素濃度は、15〜30ppmaが好ましい。先ず、図1(a)に示すように、シリコンウェーハ12の裏面をポリシリコンでコーティングしてポリシリコン膜17を形成する。ポリシリコン膜17の形成方法としては、減圧CVD(Chemical Vaper Deposition)法や、常圧CVD法などが挙げられる。CVD成膜法は、SiH4を用いて600〜700℃の温度で厚さ0.5〜1.5μmのポリシリコン膜17を形成する方法である。ここで、ポリシリコン膜17の厚さを0.5〜1.5μmの範囲に限定したのは、0.5μm未満ではウェーハ加工プロセス中におけるエッチングによりゲッタリングの効果が減少してしまうおそれがあり、1.5μmを超えると生産性が低下するからである。
(2)イオン注入工程
図1(b)に示すように、裏面にポリシリコン膜17が形成されたシリコンウェーハ12の内部に酸素イオン11を注入する。酸素イオン11の注入は従来から行われている手段と同一の手段で行うが、最終的に得られるSIMOX基板16におけるSOI層14の厚さが5〜100nm、好ましくは15〜90nmになるように、ウェーハ12表面から所定の深さの領域に注入する。ここで、SOI層14の厚さを5〜100nmの範囲に限定したのは、5nm未満では耐圧不良が生じたり或いは埋込み酸化膜13とSOI層14の粗さの関係から表面ラフネスに起因する欠陥が生じるおそれがあり、100nmを越えると耐圧が低下するからである。
(3)熱処理工程
図1(c)に示すように、酸素イオン11が注入されたシリコンウェーハ12を、酸化雰囲気下、即ち酸素及び不活性ガスの混合雰囲気下で、1300〜1370℃、好ましくは1330〜1360℃、更に好ましくは1350℃の温度に、15〜30時間、好ましくは18〜25時間保持する熱処理を施す。不活性ガスとしては、アルゴンや窒素ガスが挙げられる。従って、この熱処理のガス雰囲気は、酸素とアルゴンの混合ガス、又は酸素と窒素の混合ガスであることが好ましい。ここで、熱処理温度を1300〜1370℃の範囲に限定したのは、1300℃未満では耐圧不良が生じるおそれがあり、1370℃を超えるとSiC製の部材の劣化が著しくなってシリコンウェーハ12の品質異常が発生するからである。また熱処理時間を15〜30時間の範囲に限定したのは、15時間未満では正常な埋込み酸化膜13を形成できず、30時間を超えると生産性が低下するからである。この熱処理により、ウェーハ12表面から所定の深さの領域に埋込み酸化膜13が形成されるとともに埋込み酸化膜13上のウェーハ12表面にSOI層14が形成される。即ち、図1(c)に示すように、支持基板19と、この支持基板19上に形成された埋込み酸化膜13と、この埋込み酸化膜13上に形成されたSOI層14とを有するSIMOX基板16が形成される。
またこの熱処理により支持基板19中のFeやCuのみならずシリコンになじみ易いNiなどの金属がポリシリコン膜17に捕獲されるか、或いはポリシリコン膜17と支持基板19の界面近傍の支持基板19中に集まる。具体的には、ポリシリコン膜17と支持基板19の界面から支持基板19内に向って0〜100nmの範囲内に上記金属が集まる。更に熱処理後のSIMOX基板16は、表面16aと、裏面16bと、表面16a及び裏面16bを接続する端面16cとを有し、これらはこの熱処理により酸化膜18で覆われる。酸化膜18は埋込み酸化膜13の厚さとの関係で形成されるが、第2エッチング工程のアルカリエッチングとの関係で酸化膜18の厚さは50nm以上であることが好ましい。
(4)第1エッチング工程
図1(d)に示すように、熱処理して全面に酸化膜18を有するSIMOX基板16の裏面にのみエッチングを施して、SIMOX基板16の裏面16bの酸化膜18を除去する。このエッチング処理は、エッチング時間を短縮するため、エッチング溶液として濃度5〜50質量%のフッ酸水溶液を用い、温度25〜60℃の条件で行うのが好ましい。またこの第1エッチング工程においては、SIMOX基板16のエッチング溶液であるフッ酸が、SIMOX基板16の端面16c及び表面16aに回り込まないように行う必要がある。それは、SIMOX基板16の端面16c及び表面16aの酸化膜18までが除去されてしまうと、後述するポリシリコン膜17を除去する第2エッチング工程やSIMOX基板16の裏面16bを所定の厚さだけ除去する第3エッチング工程の際に、端面16cの滑らかな曲面度が損なわれたり、或いは表面16aの平坦度が損なわれるからである。特にSIMOX基板16の端面16cの酸化膜18を除去してしまうと、支持基板19、埋込み酸化膜13及びSOI層14が露出した状態となり、このままアルカリエッチング等を行うと、埋込み酸化膜13のみが多めにエッチングされ、端部16cの滑らかな曲面度が損なわれる不具合を生じる。そのため、この第1エッチング工程は、例えば図3に示すような、特殊な片面酸化膜エッチャー(エッチング装置)を用いて行われる。
この装置では、先ず、図3(a)に示すように、全面に酸化膜18が形成されたSIMOX基板16を低速度で回転させながら低速度で下降し、SIMOX基板16の下面に相当する一方の主面のみをフッ酸水溶液21に接触させる。SIMOX基板16の一方の主面がフッ酸水溶液21に接触すると、図3(a)の拡大図に示すようにフッ酸水溶液21がその表面張力により、一方の主面上の酸化膜18に均一に接触し、この酸化膜18を溶解除去する。この際、容器22の上方からアルゴン等のキャリアガス23をSIMOX基板16の上面(表面)及びフッ酸水溶液21に向けて流すと、キャリアガス23は図3(a)の実線矢印の方向に流れるため、フッ酸水溶液21の蒸気によりSIMOX基板16の端面16c部分の酸化膜18の浸食を防止する。図3(b)に示すように所定時間SIMOX基板16をフッ酸水溶液21に接触させた後、SIMOX基板16を低速度で回転させながらフッ酸水溶液21から低速度で引上げる。これにより、ポリシリコン膜17のみが露出したSIMOX基板16が得られる。第1エッチング工程終了後、SIMOX基板16を純水により洗浄し乾燥する。
(5)第2エッチング工程
図1(e)及び(f)に示すように、SIMOX基板のポリシリコン膜をエッチングにより除去するとともに、ポリシリコン膜除去後のSIMOX基板の支持基板を裏面側から所定の厚さ0.2〜5μmだけ除去する。このエッチングはアルカリエッチングであり、ポリシリコン膜17がSIMOX基板16から捕獲した金属不純物(Ni、Fe、Cu等)や、ポリシリコン膜17と支持基板19の界面近傍の支持基板19中に集まった金属不純物24(Ni、Fe、Cu等)を除去するために行う。エッチング溶液として、水酸化カリウム(KOH)や水酸化ナトリウム(NaOH)などを用いる場合、濃度5〜36質量%、温度50〜90℃の条件で行うことが好ましい。エッチング量は、ポリシリコン膜17の厚さ(0.3〜1μm)に、ポリシリコン膜除去後の支持基板19の裏面側から除去する所定の厚さ(0.2〜5μm)を加えた分である。またSIMOX基板16の表面16a及び端面16cには酸化膜18が形成されているため、エッチングレートの違いから酸化膜18はエッチングされ難く、この酸化膜18が保護膜となり、SIMOX基板16の表面16a及び端面16cの平坦度を良好に維持することができるので、浸漬法を用いてもよいが、第1エッチング工程と同様にSIMOX基板16を回転させながら行うことが好ましい。なお、エッチング溶液として水酸化カリウムや水酸化ナトリウムではなく、アンモニア水と過酸化水素と純水の混合液であるSC−1液を用いてもよい。第2エッチング工程終了後、SIMOX基板16を純水により洗浄し乾燥するけれども、純水による洗浄のみ行って乾燥せずに次の第3エッチング工程に移行してもよい。
(6)第3エッチング工程
図1(g)に示すように、SIMOX基板16の表面16a及び端面16cの酸化膜18をエッチングにより全て除去する。このエッチングで用いられるエッチング溶液は、第1エッチング工程で用いたエッチング溶液と同一である。即ち、このエッチング処理は、エッチング時間を短縮するため、エッチング溶液として濃度5〜50質量%のフッ酸水溶液を用い、温度25〜60℃の条件で行うのが好ましい。第3エッチング工程終了後、SIMOX基板16を純水により洗浄し乾燥する。
このように構成されたSIMOX基板16の製造方法では、高温熱処理の際、熱処理炉内のSiC製部材から放出され、ウェーハ12表面に付着しデバイス領域等を汚染する金属不純物であって、特にシリコンになじみ易く、従来法では除去するのが困難であったNiを捕獲し除去することができる。この結果、低ニッケルのSIMOX基板16を製造することができる。また埋込み酸化膜13直下のバルク層、即ち支持基板19にはゲッタリングシンクは形成されていないため、埋込み酸化膜13をデバイス領域として用いる場合であっても、ゲッタリングシンクに捕獲された金属に起因するキャパシタリークなどの不具合を解消することができる。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
先ず、チョクラルスキー法により育成した酸素濃度12ppma、厚さ725μmのシリコンウェーハを用意した。次いで、図1(a)に示すように、シリコンウェーハ12の裏面を減圧CVD法により厚さ0.7μmのポリシリコン膜17を形成した後に、このウェーハ12を600℃に加熱した状態でウェーハ12表面から約0.5μmの領域に酸素イオン11を注入した(図1(b))。このときの酸素イオン11の加速電圧は160keVであり、ビーム電流は50mAであり、酸素イオン11のドーズ量は2.5×1017個/cm2であった。酸素イオン11注入後、ウェーハ12をアルゴン及び酸素の混合ガス雰囲気中で1350℃の温度に20時間保持する熱処理を施し、図1(c)に示すように、支持基板19と、この支持基板19上に形成された埋込み酸化膜13と、この埋込み酸化膜13上に形成されたSOI層14とを有するSIMOX基板16を得た。なお、熱処理後のSIMOX基板16の全面はこの熱処理により酸化膜18で覆われた。
次いで、エッチング溶液として濃度45質量%のフッ酸水溶液を用い、温度40℃の条件で、SIMOX基板16の裏面のみにエッチングを施し(第1エッチング工程)、図1(d)に示すように、SIMOX基板16の裏面16bの酸化膜18を除去した。この裏面エッチングは、図3に示すような、特殊な片面酸化膜エッチャーにより、SIMOX基板16の表面16a及び端面16cにエッチング溶液が回らないよう十分に注意して行った。続いて、酸化膜18が除去されたSIMOX基板16の裏面16bを純水により洗浄し乾燥した。次に、エッチング溶液として濃度36%の水酸化カリウム(KOH)水溶液を用い、温度36℃の条件で、SIMOX基板16の裏面をエッチングし(第2エッチング工程)、図1(e)及び(f)に示すように、SIMOX基板16の裏面16bの厚さ0.7μmのポリシリコン膜17を除去するとともに、ポリシリコン膜除去後の支持基板19を裏面側から所定の厚さ0.3μmだけ除去した。このエッチングは、全面式エッチャーにより行った。このときSIMOX基板16の表面16a及び端面16cは酸化膜18により被覆されているので、エッチングされなかった。続いて、ポリシリコン膜17等が除去されたSIMOX基板16の裏面16bを純水により洗浄し乾燥した。更にエッチング溶液として濃度10質量%のフッ酸水溶液を用い、温度25℃の条件で、SIMOX基板16をエッチングして(第3エッチング工程)、図1(g)に示すように、SIMOX基板16の表面16a及び端面16cの酸化膜18を除去した。このSIMOX基板16を実施例1とした。
<実施例2>
第2エッチング工程において、ポリシリコン膜除去後の支持基板を裏面側から所定の厚さ1.3μm除去したこと以外は、実施例1と同様に、SIMOX基板を製造した。
<実施例3>
第2エッチング工程において、ポリシリコン膜除去後の支持基板を裏面側から所定の厚さ4.3μm除去したこと以外は、実施例1と同様に、SIMOX基板を製造した。
<比較例1>
実施例1と同一のシリコンウェーハを用いたけれども、シリコンウェーハの裏面にポリシリコン膜を形成せず、また実施例1の第1及び第2エッチング工程を行わずに、熱処理後にSIMOX基板全面の酸化膜をエッチングにより除去した。このSIMOX基板を比較例1とした。
<比較例2>
第2エッチング工程を行わなかった、即ち厚さ0.7μmのポリシリコン膜を全くエッチングしなかったこと以外は、実施例1と同様に、SIMOX基板を製造した。このSIMOX基板を比較例2とした。
<比較例3>
第2エッチング工程において、厚さ0.7μmのポリシリコン膜を0.3μmだけエッチングして支持基板の裏面に厚さ0.4μmのポリシリコン膜が残ったこと以外は、実施例1と同様に、SIMOX基板を製造した。このSIMOX基板を比較例3とした。
<比較試験1及び評価>
実施例1〜3と比較例1〜3で得られたSIMOX基板について、これらのSIMOX基板の裏面から深さ1μm以内、即ち支持基板の露出面から深さ1μm以内の金属不純物の含有量を評価した。その結果を表1に示す。具体的には、先ず、フッ酸及び硝酸の混合液を用いて、実施例1〜3と比較例1〜3で得られたSIMOX基板の裏面をエッチング量1μmでエッチングし、このエッチング溶液を回収する。次いで、このエッチング溶液を原子吸光分析により、金属不純物の含有量(atoms/cm3)を測定するという方法で行った。
Figure 2010040540
表1から明らかなように、比較例1ではSIMOX基板の裏面に検出された金属不純物が少なかったけれども、比較例2ではSIMOX基板の裏面に高濃度のFe及びNiが検出され、比較例3ではSIMOX基板の裏面に比較的多くのFe及びNiが検出された。比較例1でSIMOX基板の裏面に検出された金属不純物が少なかったのは、SIMOX基板の裏面にポリシリコン膜を形成しなかったため、金属不純物が埋め込み酸化膜直下に集まったことによる。また比較例2でSIMOX基板の裏面に高濃度のFe及びNiが検出されたのは、第2エッチング工程を行わなかったため、Fe及びNiで汚染されたポリシリコン膜がSIMOX基板の裏面にそのまま残留しているためである。更に比較例3でSIMOX基板の裏面に比較的多くのFe及びNiが検出されたのは、第2エッチング工程における取り代が少なかったため、Fe及びNiで汚染されたポリシリコン膜がSIMOX基板の裏面に残留しているためである。これらに対し、実施例1〜3では、Fe及びNiを含む金属不純物がそれぞれ1×109atoms/cm3未満と極めて少ないことが確認された。特に、Niについては、本発明の製造方法が効果的であることが確認された。
<比較試験2及び評価>
実施例1〜3と比較例1〜3で得られたSIMOX基板について、SIMOX基板全体の金属不純物の含有量を評価した。その結果を表2に示す。具体的には、フッ酸及び硝酸の混合液に、実施例1〜3と比較例1〜3で得られた1枚のSIMOX基板それぞれを全容解させ、この溶液を原子吸光分析することにより、金属不純物(Cr、Fe、Ni、Cu)の含有量を測定するという方法で行った。
Figure 2010040540
表2から明らかなように、比較例1〜3ではNiがそれぞれ2×1012atoms/cm3、2.1×1012atoms/cm3及び5×1011atoms/cm3と多く検出されたのに対し、実施例1〜3では、Niがそれぞれ5×1010atoms/cm3未満と極めて少ないことが確認された。これにより、Niについては、本発明の製造方法が効果的であることが確認された。なお、比較例1でNiが多かったのは、埋込み酸化膜直下に集まったNiが全溶解評価(SIMOX基板全体の金属不純物の含有量の評価)で検出されたためであり、比較例2及び3でNiが多かったのは、第2エッチング工程を行わなかったり或いは第2エッチング工程における取り代が少なかったため、残留しているポリシリコン膜で捕獲された金属不純物が全溶解評価(SIMOX基板全体の金属不純物の含有量の評価)で検出されたためである。
<比較試験3及び評価>
実施例1〜3で得られたSIMOX基板について、支持基板裏面の平坦度を評価した。その結果を図4〜図6に示す。具体的には、ADE社製測定器を使用して、サイトフラットネス(SFQR)を測定した。SFQR(Site Front Least Squares Range)とは、表面基準のサイト内の各点の表面位置を示す全データから、最小二乗法によりサイト内の基準平面を計算し、この平面からのずれの最大値と最小値の和をとったものであり、SFQRmaxは基板内全サイトのSFQRの最大値を示す。なお、1サイトが、25mm×25mm角の単位面積で評価した。
図4〜図6より明らかなように、実施例1〜3のSIMOX基板では、所定のサイトにおける熱処理直後の支持基板裏面の平坦度と第3エッチング工程終了直後の支持基板裏面の平坦度がそれぞれ図4〜図6の対角線上にほぼ載っているので、支持基板裏面の平坦度を大きく崩すことがないことを確認できた。
本発明実施形態のSIMOX基板の製造方法を示す工程図である。 そのSIMOX基板の製造方法を示すフローチャートである。 その第1エッチング工程で裏面酸化膜を除去する一例を示す模式図である。 実施例1の第3エッチング工程終了後の支持基板裏面の平坦度を示した図である。 実施例2の第3エッチング工程終了後の支持基板裏面の平坦度を示した図である。 実施例3の第3エッチング工程終了後の支持基板裏面の平坦度を示した図である。
符号の説明
11 酸素イオン
12 シリコンウェーハ
13 埋込み酸化膜
14 SOI層
16 SIMOX基板
17 ポリシリコン膜
18 酸化膜
19 支持基板
24 金属不純物

Claims (3)

  1. シリコンウェーハの裏面にポリシリコン膜を形成するポリシリコン膜形成工程と、
    前記シリコンウェーハの内部に酸素イオンを注入するイオン注入工程と、
    前記ウェーハに熱処理を施し前記ウェーハ表面から所定の深さの領域に埋込み酸化膜を形成することにより前記埋込み酸化膜上のウェーハ表面にSOI層を形成してSIMOX基板を作製し更に全面に酸化膜を形成する熱処理工程と、
    前記熱処理したSIMOX基板の裏面にのみエッチングを施して前記SIMOX基板の裏面の酸化膜を除去する第1エッチング工程と、
    前記裏面酸化膜を除去したSIMOX基板にエッチングを施して前記SIMOX基板の裏面のポリシリコン膜を除去するとともに前記SIMOX基板の裏面を所定の厚さだけ除去する第2エッチング工程と、
    前記SIMOX基板の裏面を所定の厚さだけ除去したSIMOX基板にエッチングを施して前記SIMOX基板の酸化膜を全て除去する第3エッチング工程と
    を含むSIMOX基板の製造方法。
  2. 熱処理工程での熱処理が酸化雰囲気中で1300〜1370℃の温度に15〜30時間保持して行われる請求項1記載のSIMOX基板の製造方法。
  3. 第2エッチング工程でSIMOX基板の裏面の酸化膜を除去した後の前記SIMOX基板の裏面を除去する所定の厚さが0.2〜5μmである請求項1又は2記載のSIMOX基板の製造方法。
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