JP2010040517A - 透明導電性基板およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡便な塗布法にて優れた導電性を発現する酸化チタン系透明導電性膜を形成する透明導電性基板の製造方法を提供する。
【解決手段】 透明基材上にアナターゼ結晶相の酸化チタン系薄膜からなる下地層を形成し、該下地層の上に(A)チタン化合物に過酸化水素を反応させた反応生成物と(B)ニオブ化合物またはタンタル化合物に過酸化水素を反応させた反応生成物とを含む前駆体液(I)を塗布し、焼成した後、還元雰囲気下にて加熱によるアニール処理を施して、ニオブまたはタンタルがドープされた酸化チタンからなる透明導電性膜を前記下地層上に形成することにより、比抵抗が9×10-3Ω・cm以下の透明導電性基板を得る。
【選択図】 なし

Description

本発明は、良好な導電性を発現する酸化チタン系透明導電性膜を備えた透明導電性基板とその製造方法に関する。
従来から、太陽電池や液晶表示装置等に用いられる透明導電性基板としては、例えば酸化インジウム錫(ITO)膜やAlをドープした酸化亜鉛(ZnO)膜などの導電性膜を設けたものが汎用されている。しかし、ITO膜は希少金属であるIn(インジウム)を必須とするので、他の金属への代替が要望されているという実情があり、また、AlをドープしたZnO膜は両性元素を含むので吸湿しやすく用途が制限されることがあるという欠点があった。そこで、近年、酸化チタンを用いた透明導電性基板の開発が進められている。
ところで、一般に、金属酸化物の薄膜を形成する方法には、大別して、スパッタ法やPLD(パルスレーザーデポジション)法のように真空系で成膜する方法と、金属酸化物粒子を含むスラリーあるいは溶液を基材に塗布した後に加熱する方法とがある。前者は、大掛かりな装置が必要で設備的なコストが嵩み、ひいては製品コストが高騰するという問題があるのに対し、後者の塗布法は、既存の設備を用いて簡便な操作で安価に実施することができる方法であり、工業的な大量生産に適している。しかしながら、これまで、透明導電性膜などの用途においては、通常、前者の真空系を利用した成膜方法が採用されていた。これは、前者の真空系での成膜方法であれば、後者の塗布法よりも高い導電性を有する膜を形成することができるからである。つまり、塗布法により形成された膜は、クラックが発生しやすく均一な膜を作製するのが困難であり、真空で形成された膜に比べて、膜の緻密性に劣る傾向があり、結晶粒同士のネッキングが弱くなるため、導電性が低下しやすかったのである。また、塗布法は、真空系にて成膜する方法に比べて、系外から不純物が混入する可能性が高いが、形成された膜に不純物が混入することも膜の緻密性を損なう原因となり、導電性の低下に繋がることが懸念される。
酸化チタンを用いた透明導電性基板の開発においても、透明導電性膜の成膜方法としては通常、スパッタ法やPLD法が採用されている(非特許文献1参照)。しかし、たとえスパッタ法やPLD法で成膜された膜であっても、酸化チタン膜は未だ従来のITO膜やZnO膜と同等の導電性を発現するには至っていないのが現状であった(非特許文献1参照)。
以上のことから、酸化チタン系透明導電性基板の実用化に向けては、透明導電性膜の導電性のさらなる向上が求められており、なおかつ、そのような透明導電性膜を簡便な塗布法にて形成することができる方法を確立することが要望されていた。
「最新透明導電膜大全集〜材料別特注と代替展望/サイクル・工程別ノウハウ・応用別要求特性等〜」、株式会社情報機構発行、2007年12月17日、p187〜p198
そこで、本発明の課題は、簡便な塗布法にて優れた導電性を発現する酸化チタン系透明導電性膜を形成する透明導電性基板の製造方法を提供することにある。
本発明者は、前記課題を解決するべく鋭意検討を行った。その結果、(A)チタン化合物に過酸化水素を反応させてペルオキシ化した反応生成物と(B)ニオブ化合物またはタンタル化合物に過酸化水素を反応させてペルオキシ化した反応生成物とを含む前駆体液(I)を塗布し、焼成した後に還元雰囲気下にて加熱によるアニール処理を施して、ニオブまたはタンタルがドープされた酸化チタンからなる透明導電性膜を形成することとし、その際、前記前駆体液(I)を、アナターゼ結晶相の酸化チタン系薄膜からなる下地層の上に塗布することによって、得られる透明導電性膜の導電性を格段に向上させることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
(1)透明基材上にアナターゼ結晶相の酸化チタン系薄膜からなる下地層を形成し、該下地層の上に(A)チタン化合物に過酸化水素を反応させた反応生成物と(B)ニオブ化合物またはタンタル化合物に過酸化水素を反応させた反応生成物とを含む前駆体液(I)を塗布し、焼成した後、還元雰囲気下にて加熱によるアニール処理を施して、ニオブまたはタンタルがドープされた酸化チタンからなる透明導電性膜を前記下地層上に形成する、ことを特徴とする比抵抗が9×10-3Ω・cm以下の透明導電性基板の製造方法。
(2)前記下地層は、少なくとも(a)チタン化合物に過酸化水素を反応させた反応生成物を含む前駆体液(II)を塗布した後、加熱することにより形成する、前記(1)記載の透明導電性基板の製造方法。
(3)前記前駆体液(II)は、(a)チタン化合物に過酸化水素を反応させた反応生成物および(b)ニオブ化合物またはタンタル化合物に過酸化水素を反応させた反応生成物を含む、前記(2)記載の透明導電性基板の製造方法。
(4)前記(A)チタン化合物および前記(B)ニオブ化合物またはタンタル化合物として水酸化物を用いる、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の透明導電性基板の製造方法。
(5)前記(a)チタン化合物および前記(b)ニオブ化合物またはタンタル化合物として水酸化物を用いる、前記(3)または(4)記載の透明導電性基板の製造方法。
(6)還元雰囲気下におけるアニール処理の加熱温度が450〜550℃である、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の透明導電性基板の製造方法。
(7)還元雰囲気下におけるアニール処理の加熱温度が550℃超であり、形成される透明導電性膜におけるニオブまたはタンタルの含有比率が10モル%超である、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の透明導電性基板の製造方法。
(8)アナターゼ型結晶相を有する透明導電性膜を前記下地層上に形成する、前記(1)〜(7)のいずれかに記載の透明導電性基板の製造方法。
(9)前記(1)〜(8)のいずれかに記載の方法によって得られた透明導電性基板。
本発明によれば、簡便な塗布法にて優れた導電性を発現する酸化チタン系透明導電性膜を形成することができ、これにより、良好な導電性を有する透明導電性基板を提供することができる。
本発明の透明導電性基板の製造方法においては、まず、透明基材上にアナターゼ結晶相の酸化チタン系薄膜からなる下地層を形成する。後述する前駆体液(I)の塗布に先立ち、透明基材に前記下地層を形成しておくことにより、該下地層上に塗布された前駆体液(I)に焼成、アニール処理を施して、ニオブまたはタンタルがドープされた酸化チタンの結晶を生じさせるときに、下地層中のアナターゼ結晶相が種晶として結晶核の働きをなし、結晶化が促進される。その結果、形成された透明導電性膜の抵抗は低くなり、優れた導電性を発現させることができるのである。
また、上記のようにニオブまたはタンタルがドープされた酸化チタンの結晶化が促進されると、当該結晶化に係る加熱処理(すなわち、前駆体液(I)塗布後の焼成およびアニール処理)の温度を比較的低温に設定できるという効果も得られる。これにより、透明基材の選択における制約が低減され、例えば可撓性を有する耐熱温度が低い樹脂フィルムを透明基材として用いることで、いわゆるロールtoロール法での透明導電性基板の製造も可能となる。
なお、本発明において、アナターゼ結晶相の酸化チタン系薄膜とは、アナターゼ結晶相の酸化チタンからなる薄膜、もしくは、例えばニオブやタンタル等のドーパント金属がドープされたアナターゼ結晶相の酸化チタンからなる薄膜を意味するものである。また、下地層とするアナターゼ結晶相の酸化チタン系薄膜は、最終的に得られる透明導電性基板の透明性を損なわない程度の透明性を有するものである。
前記下地層の形成は、アナターゼ結晶相の酸化チタン系薄膜を形成できる方法であれば、どのような方法で行ってもよく、例えば、塗布法で形成することもできるし、従来公知のスパッタ法やPLD法のような真空系で成膜する方法で形成することもできる。ただし、本発明は透明導電性膜を塗布法にて形成するものであるので、前記下地層の形成にも塗布法を選択すれば、全ての工程が簡便な塗布法で行われることとなり、真空設備を要することなく簡便な操作で安価に透明導電性基板を提供することが可能になる。したがって、前記下地層は塗布法で形成することが好ましい。
前記下地層の形成に塗布法を採用する場合には、例えば、少なくとも(a)チタン化合物に過酸化水素を反応させた反応生成物を含む前駆体液(II)を透明基材に塗布した後、加熱することにより前記下地層を形成することができる。ここで、前記前駆体液(II)は、少なくとも(a)チタン化合物がペルオキシ化されてなる錯体(ペルオキシ錯体)を含むものである。例えば前記前駆体液(II)が(a)チタン化合物が単独でペルオキシ化されてなるペルオキシ錯体を含む場合、該ペルオキシ錯体は加熱により酸化チタンとなる金属酸化物前駆体であり、形成される下地層はアナターゼ結晶相の酸化チタンからなる薄膜となる。
前記前駆体液(II)は、(a)チタン化合物に過酸化水素を反応させた反応生成物および(b)ニオブ化合物またはタンタル化合物(以下、「ニオブ化合物またはタンタル化合物」を纏めて「ドーパント化合物」と称し、「ニオブまたはタンタル」を纏めて「ドーパント」と称することもある)に過酸化水素を反応させた反応生成物を含むことが好ましい。この場合、前記前駆体液(II)は、(a)チタン化合物および(b)ドーパント化合物がペルオキシ化されてなる錯体(ペルオキシ錯体)を含むものである。当該ペルオキシ錯体は加熱によりニオブまたはタンタルがドープされた酸化チタンとなる金属酸化物前駆体であり、形成される下地層はアナターゼ結晶相のニオブまたはタンタルがドープされた酸化チタンからなる薄膜となる。
前記前駆体液(II)の詳細については後述するが、下地層の形成に用いる前駆体液(II)は、後述する前駆体液(I)の組成(チタン量に対するドーパントの量や、その種類など)と同一の組成を有するものであるか、もしくは近い組成を有するものであることが好ましい。通常、ニオブまたはタンタルがドープされていないアナターゼ結晶相の酸化チタンの結晶形は正方晶であり、これにドープされるドーパントの量に応じて、a軸、b軸、c軸の格子定数が変化していくことになる。前駆体液(II)で形成される膜と前駆体液(I)で形成される膜との間でa軸、b軸、c軸の格子定数のずれが大きくなると、両前駆体液で形成された膜同士のマッチングが悪くなるおそれがあるが、2つの前駆体液を同一組成もしくは近い組成にしておけば、a軸、b軸、c軸の格子定数のずれを出来るだけ小さく抑えることができるからである。
前記前駆体液(II)を透明基材上に塗布する際の塗布方法は、特に制限されるものではなく、例えば、前駆体液(I)を下地層上に塗布する際の塗布方法として後述する方法等を採用することができる。また、その際の塗布量は、最終的に形成される膜の厚みが後述する下地層の膜厚の範囲となるように適宜設定すればよい。なお、前記前駆体液(II)の塗布は、所望の厚みになるように1回の塗布作業で行ってもよいし、複数回の塗布作業を重ねて行うようにしてもよい。
前記前駆体液(II)を塗布した後に加熱する際の加熱温度や加熱時間は、基材上のペルオキシ錯体(前駆体液(II))をアナターゼ結晶相の酸化チタンもしくはドープ酸化チタン(ドーパントがドープされた酸化チタン)に変化させうる限り、特に制限されない。具体的には、加熱温度は、前駆体液(II)中のドーパント量に応じて適宜設定すればよいのであるが、通常、250〜550℃、好ましくは300〜500℃とするのがよい。また、加熱時間は、加熱温度等に応じて適宜設定すればよいのであるが、通常、1分〜1時間、好ましくは3分〜30分間程度である。なお、前記前駆体液(II)を塗布した後に行なう加熱は、どのような雰囲気下で行ってもよいが、種晶として結晶性の良い粒子を析出させるためには、還元雰囲気よりも酸素が存在する雰囲気下で行うのが好ましい。
かくして、塗布法により下地層とするアナターゼ結晶相の酸化チタン系薄膜(酸化チタン膜もしくはドープ酸化チタン(ドーパントがドープされた酸化チタン)膜)が形成できる。
本発明の透明導電性基板の製造方法において形成する下地層(アナターゼ結晶相の酸化チタン系薄膜)の膜厚は、特に制限されないが、下地層の膜厚が小さすぎると、種晶として作用するアナターゼ結晶相の結晶が充分に存在せず、上述した下地層形成による効果が得られなくなるおそれがあり、一方、下地層の膜厚が大きすぎると、透明性が低下するおそれがあるので、通常、3nm以上、好ましくは5nm以上、より好ましくは10nm以上であり、50nm以下、好ましくは30nm以下、より好ましくは20nm以下の範囲であるのがよい。
なお、本発明の透明導電性基板の製造方法において用いることのできる透明基材としては、熱が付加される各工程(下地層形成時の加熱や、後述する焼成およびアニール処理など)における加熱温度で形状を維持しうるものであり、かつ透明性を有するものであれば、特に制限はない。例えば、各種ガラス等の無機材料、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレンサルファイド、ポリエーテルスルホン、ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロース、ポリイミドなどのプラスチック類)等の高分子材料などで形成された板状物、シート状物、フィルム状物等を用いることができる。透明基材の可視光透過率は、通常、90%以上、好ましくは95%以上であるのがよい。
本発明の透明導電性基板の製造方法においては、次いで、前記下地層の上に、(A)チタン化合物に過酸化水素を反応させた反応生成物と(B)ニオブ化合物またはタンタル化合物に過酸化水素を反応させた反応生成物とを含む前駆体液(I)を塗布する。この前駆体液(I)は、(A)チタン化合物および(B)ニオブ化合物またはタンタル化合物がペルオキシ化されてなる錯体(ペルオキシ錯体)を含むものである。当該ペルオキシ錯体は加熱によりニオブまたはタンタルがドープされた酸化チタンとなる金属酸化物前駆体である。よって、前駆体液(I)により形成される層(膜)は、ニオブまたはタンタルがドープされた酸化チタンからなる薄膜となり、このように周期律表のVA族に属する5価のニオブまたはタンタルが酸化チタンにドープされた金属酸化物で形成された膜は、良好な導電性を発現させる。
以下、前記前駆体液(I)について詳述するが、ここで前記前駆体液(II)についても合わせて説明する。
前記前駆体液(I)は、i)(A)チタン化合物に過酸化水素を反応させることにより得られた反応生成物であるチタンのペルオキシ錯体と、(B)ドーパント化合物に過酸化水素を反応させることにより得られた反応生成物であるドーパントのペルオキシ錯体とを所望の割合で混合して得られたものであってもよいし、ii)(A)チタン化合物と(B)ドーパント化合物とを予め所望の割合で混合した混合物に対して過酸化水素を反応させることにより得られたものであってもよい。
前記前駆体液(II)も同様であり、例えば、前駆体液(II)が(a)チタン化合物に過酸化水素を反応させた反応生成物および(b)ドーパント化合物に過酸化水素を反応させた反応生成物を含むものである場合には、上記i)や上記ii)のようにして得ることができる(この場合、「(A)チタン化合物」は「(a)チタン化合物」と、「(B)ドーパント化合物」は「(b)ドーパント化合物」と、読み替えればよい)。
前記前駆体液(I)を得るに際しては、(A)チタン化合物もしくは該チタン化合物由来のペルオキシ錯体と、(B)ドーパント化合物もしくは該ドーパント化合物由来のペルオキシ錯体との混合割合は、特に制限されないが、最終的に形成された酸化チタン膜におけるドーパント(ニオブまたはタンタル)の含有比率が0.1〜40モル%、好ましくは5〜30モル%となるようにすればよい。前記(B)(ドーパント化合物もしくは該ドーパント化合物由来のペルオキシ錯体)が前記範囲よりも少ないと、ドープ効果が不充分となり、導電性が低下するおそれがあり、一方、前記(B)が前記範囲よりも多くても、導電性が低下したり、膜の透明性が低下するおそれがある。
なお、前記前駆体液(II)が(a)チタン化合物に過酸化水素を反応させた反応生成物および(b)ドーパント化合物に過酸化水素を反応させた反応生成物を含むものである場合、(a)チタン化合物もしくは該チタン化合物由来のペルオキシ錯体と(b)ドーパント化合物もしくは該ドーパント化合物由来のペルオキシ錯体との混合割合は、用いようとする前駆体液(I)における混合割合と同じか、もしくは近い範囲とすることが、上述したように前駆体液(I)と前駆体液(II)とを同一組成もしくは近い組成とするうえで、好ましい。
前記前駆体液(I)または前記前駆体液(II)を得るに際し、過酸化水素による反応(すなわち、ペルオキシ化反応)は、例えば、チタン化合物、ドーパント化合物またはこれらの混合物を適当な溶媒により溶解させ、必要に応じて攪拌しつつ、濃度1〜60重量%程度の過酸化水素水を添加することにより行うことができる。チタン化合物またはドーパント化合物に反応させる過酸化水素の量については、特に制限はないが、通常、チタン化合物に対しては、1モルのチタン化合物につき0.8〜20モルの過酸化水素を、ドーパント化合物に対しても、1モルのドーパント化合物につき0.8〜20モルの過酸化水素を反応させればよい。ペルオキシ化反応の反応時間は、通常1秒〜60分、好ましくは5分〜20分程度である。なお、過酸化水素によるペルオキシ化反応は、通常、激しい発熱を伴うので、反応は冷却しながら(具体的には、内温を−10℃以下に保つようにして)行うことが望ましい。反応後、さらに、−10℃以下に冷却しつつ熟成保持してもよい。
前記過酸化水素によるペルオキシ化反応に用いることのできる溶媒としては、特に制限はないが、水系やアルコール系等の水溶性溶剤が好ましく用いられる。具体的には、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコール等が挙げられる。
前記(A)チタン化合物または前記(a)チタン化合物は、チタン源としてTi原子を含むものであれば特に制限はなく、例えば、塩化チタン(二塩化チタン、三塩化チタン、四塩化チタン等)、チタンアルコキシド(メトキシド、エトキシド、イソプロポキシド等)、硫酸チタニル、金属チタン、水酸化チタン(オルトチタン酸)、オキシ硫酸チタン等を用いることができる。
前記(B)ドーパント化合物または前記(b)ドーパント化合物のうちニオブ化合物は、ニオブ源としてNb原子を含むものであれば特に制限はなく、例えば、塩化ニオブ、ニオブアルコキシド(メトキシド、エトキシド等)、金属ニオブ、水酸化ニオブ等を用いることができる。他方、前記(B)ドーパント化合物または前記(b)ドーパント化合物のうちタンタル化合物は、タンタル源としてTa原子を含むものであれば特に制限はなく、例えば、塩化タンタル、タンタルアルコキシド(メトキシド、エトキシド等)、金属タンタル、水酸化タンタル等を用いることができる。
なお、上記のうち、チタンアルコキシド、ニオブアルコキシド、タンタルアルコキシドは、水分と接触すると直ちに反応する不安定な物質なので、乾燥(低湿度)雰囲気で扱うことが好ましい。
前記前駆体液(I)を得るに際しては、前記(A)チタン化合物および前記(B)ニオブ化合物またはタンタル化合物として水酸化物を用いることが好ましい。具体的には、前記(A)として水酸化チタンを用い、前記(B)として水酸化ニオブまたは水酸化タンタルを用いるか、もしくは、これら水酸化物以外のチタン化合物およびドーパント化合物を用い、過酸化水素と反応させる前に予めアルカリあるいは水を加えるなどして水酸化し、生じた水酸化物の沈殿を分取、洗浄すればよい。このように、水酸化物を過酸化水素と反応させて得られたペルオキシ錯体であれば、炭素原子を含む有機部位が全く存在しないことになり、高温に加熱して有機部位を分解・揮散させる必要がないため、酸化物に変換する際の加熱温度を比較的低温に設定することができるので好ましい。例えば、水酸化物以外のチタン化合物およびドーパント化合物をそのまま用いて過酸化水素と反応させた場合には、得られたペルオキシ錯体の一部に有機部位が存在することになり、この有機部位を分解・揮散させるためには、少なくとも400℃以上、好ましくは500〜600℃程度の温度に加熱することが必要になる。
上述したように、前記前駆体液(I)を得る際に水酸化物である(A)チタン化合物および水酸化物である(B)ニオブ化合物またはタンタル化合物を用いる場合には、前記前駆体液(II)を得る際にも、前記(a)チタン化合物および前記(b)ニオブ化合物またはタンタル化合物として水酸化物を用いることが好ましい。これにより、下地層の形成においても加熱温度を比較的低温に設定することができ、全製造過程を通じて熱履歴の低温化を図ることが可能になる。具体的には、前記(A)チタン化合物および前記(B)ニオブ化合物またはタンタル化合物として水酸化物を用いる場合と同様である(この場合、「(A)チタン化合物」は「(a)チタン化合物」と、「(B)ドーパント化合物」は「(b)ドーパント化合物」と、読み替えればよい)。
前記前駆体液(I)または前記前駆体液(II)の固形分濃度は、通常、10重量%以下とするのが好ましく、特に、前駆体液の保存安定性(ポットライフ)の観点からは、2重量%以下であるのがより好ましい。固形分濃度が10重量%を超えると、前駆体液の保存安定性が大幅に低下し、塗布時に粘度が上昇するので、透明基材上に均一に塗布することが困難になるおそれがある。
なお、ここでいう固形分濃度は、前駆体液を得る際に用いたチタン化合物およびドーパント化合物の合計重量が、前駆体液の全重量中に占める割合(重量%)を意味するものである。
前記前駆体液(I)を前記下地層の上に塗布する際の塗布方法は、均一にウェットコーティングできる方法であれば特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができる。例えば、キャピラリコート法、スピンコート法、スリットダイコート法、スプレーコート法、ディップコート法、ロールコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、バーコーター法等を採用することができる。なお、前駆体液(I)の塗布は、所望の厚みになるように1回の塗布作業で行ってもよいし、複数回の塗布作業を重ねて行うようにしてもよい。
前記前駆体液(I)を塗布するに際し、塗布量は特に制限されるものではなく、例えば、最終的に形成される膜の厚み(ドライ膜厚)が10nm〜300nmとなるようにすればよい。最終的に形成されたドライ膜厚が前記範囲よりも小さいと、基材に凹凸が存在する場合などに部分的に塗布されにくい箇所や実際に塗布されていない箇所が生じるおそれがあり、一方、前記範囲よりも大きいと、透明性が低下するおそれがある。
前記前駆体液(I)を塗布した後の基板は、続いて焼成に付する。これにより、下地層上のペルオキシ錯体(前駆体液)はNbまたはTaドープ酸化チタンに変化する。このときの結晶状態は、通常、アモルファス相からなる。
焼成の際の加熱温度は、例えば、500℃以下、好ましくは50〜400℃とするのがよい。焼成時の加熱温度が高すぎると、安定した結晶相が析出し、アニール処理効果の発現が見られなくなるおそれがある。また、焼成時間は、加熱温度等に応じて適宜設定すればよいのであるが、通常、1分〜1時間、好ましくは3分〜30分間程度である。なお、焼成は、どのような雰囲気下で行ってもよく、特に制限はされない。例えば塗布した前駆体液(I)の固形分濃度が低い場合などには、焼成に先立ち、真空乾燥や減圧乾燥等の手段によって溶媒を均一に揮散させてもよく、これにより、均一な膜を形成しやすくなる。
本発明においては、焼成した後の基板に対し、還元雰囲気下にて加熱によるアニール処理を施す。これにより、膜を形成するNbまたはTaドープ酸化チタンはアモルファス相からアナターゼ相に結晶転移するとともに、結晶相中に酸素欠損を生じ、導電性を向上させることができる。しかも、通常、酸素欠損を導入すると抵抗の高いルチル結晶相に変化しやすい傾向となるが、本発明においては、酸化チタンにドープしたニオブまたはタンタルが、酸素欠損を導入してもアナターゼ結晶相を安定化させる作用をなすため、高い導電性を発現しうる結晶状態を維持させることができる。
前記アニール処理の際の還元雰囲気には、特に制限はなく、例えば、窒素、一酸化炭素、アルゴンプラズマ、水素プラズマ、水素、真空、アンモニア、不活性ガス(アルゴン等)、あるいはこれらの混合ガスの雰囲気など、一般的な還元雰囲気であればよい。好ましくは、強還元雰囲気である水素雰囲気(水素ガス100%雰囲気)を採用するのがよい。
前記アニール処理における加熱温度は、基板上に塗布し焼成されたニオブまたはタンタルをドープした酸化チタンの結晶相が高い導電性を発現するアナターゼ型に変化しうる温度であればよく、ドーパントの含有比率などに応じて適宜設定すればよい。アナターゼ結晶相に変化させるために必要な温度は、酸化チタンへのニオブまたはタンタルのドープ量が多いほど高くなるのであり、アニール処理の加熱温度の下限は、通常450℃以上、好ましくは500℃以上である。他方、加熱温度があまりに高いと、アナターゼ結晶相が抵抗の高いルチル結晶相に変化し始めて導電性が低下するとともに、膜の透明性も低下する傾向があるので、アニール処理の加熱温度の上限は、通常700℃以下、好ましくは600℃以下、より好ましくは550℃以下の範囲で設定することが望ましい。ただし、ルチル結晶相に変化し始めるときの温度は、ドーパントの含有比率によって異なるのであり、ドーパントの含有比率が比較的高い場合には、アニール処理の際の加熱温度がある程度高くても、結晶相が変化して導電性が低下することはない。具体的には、ドーパントの含有比率(形成される透明導電性膜におけるニオブまたはタンタルの含有比率)が10モル%超である場合には、前記アニール処理の加熱温度が550℃超であっても、結晶相がルチル型に変化することはなく、良好な導電性が得られる。また、アニール処理の加熱温度の設定には、上記に加えて、使用する透明基材の耐熱温度も考慮される。例えば、無アルカリガラスを透明基材として用いる場合には、通常700℃以下、好ましくは600℃以下、より好ましくは550℃以下である。アニール処理時間(加熱時間)は、加熱温度等に応じて適宜設定すればよいのであるが、通常、1分〜1時間、好ましくは3分〜30分間程度である。
かくして、ニオブまたはタンタルがドープされた酸化チタンからなる透明導電性膜が前記下地層上に形成される。この透明導電性膜は、アナターゼ型結晶相を有し、NbまたはTaドープ酸化チタンの多結晶体からなる薄膜であり、良好な透明性を備えると同時に、高い導電性を発現するものである。
なお、本発明の透明導電性基板の製造方法では、ニオブまたはタンタルがドープされた酸化チタンからなる膜(透明導電性膜)は、多段で形成することもできる。すなわち、前記下地層に前駆体液(I)の一部を塗布し、前記焼成および前記アニール処理を施すことにより第1層目の透明導電性膜を形成し、引き続き、最表面の膜の上に前駆体液(I)を塗布し、焼成し、アニール処理を施すことを、目的とする膜厚になるまで繰り返すようにすればよい。このように、透明導電性膜を多段で形成した場合、各段で塗布される膜の厚みが薄くなるので、焼成やアニール処理での結晶化が進行しやすくなり、結果として、積層された透明導電性膜は、良好な結晶性を有することとなる。
本発明の透明導電性基板は、以上のような本発明の透明導電性基板の製造方法によって得られたものである。本発明の透明導電性基板の透過率は、可視光領域で、通常70%以上、好ましくは75%以上、より好ましくは80%以上であり、赤外領域で、通常70%以上、好ましくは75%以上、より好ましくは80%以上である。また、本発明の透明導電性基板の比抵抗は、通常9×10-3Ω・cm以下、好ましくは8×10-3Ω・cm以下である。なお、これらの透過率および比抵抗は、例えば実施例で後述する方法によって測定することができる。
本発明の透明導電性基板は、例えば、タッチパネル、液晶ディスプレイ、LED(発光素子)、有機ELディスプレイ、フレキシブルディスプレイ、プラズマディスプレイ等のディスプレイ電極、太陽電池の電極、窓ガラスの熱線反射膜、帯電防止膜等の用途に好適に用いられる。さらに、本発明の透明導電性基板は、屈折率が高いという特長を活かして、反射防止機能を有した帯電防止膜としても有効である。
なお、上述した本発明の製造方法では、透明基材の上に直接下地層を形成しているが、例えば液晶ディスプレイのようなデバイス等の透明電極用途においては、透明基材の上に着色膜(カラーフィルター)等の中間膜を介在させ、それらの上に直接前記下地層を形成するようにしてもよく、このように透明基材と下地層との間に中間膜を介在させた態様も本発明の範囲に包含される。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例により限定されるものではない。
なお、透明導電性基板の物性は以下の方法で測定した。
<比抵抗> 比抵抗は、抵抗率計(三菱化学(株)製「LORESTA−GP,MCP−T610」)を用いて、四端子四探針法により測定した。詳しくは、サンプルに4本の針状の電極を直線上に置き、外側の二探針間に一定の電流を流し、内側の二探針間に一定の電流を流し、内側の二探針間に生じる電位差を測定し、抵抗を求めた。
<透過率> 透過率は、紫外可視近赤外分光光度計(日本分光(株)製「V−670」)を用いて、190nm〜2700nmの範囲で測定した。
<結晶性> X線回折装置(理学電機(株)製「RINT2000」)を用いて、薄膜測定用のアタッチメントを使用して結晶性を評価した。
<結晶構造> エネルギー分散型X線マイクロアナライザー(TEM−EDX)を用いてチタンへのニオブまたはタンタルのドープ状態を調べるとともに、電界放射型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて結晶構造を調べた。
なお、以下の実施例および比較例において、チタンペルオキシ錯体とニオブペルオキシ錯体とを混合して前駆体液を得るに際しては、特に断りのない限り脱水エタノールを用いて、所望の固形分濃度となるように調整した。
(実施例1)
まず、アルゴンガス雰囲気中でチタンテトライソプロポキシド4.0gを脱水エタノール28.5g中に溶解させ、得られた溶液に濃度30重量%の過酸化水素水8.0gを攪拌下で徐々に添加し、添加終了後、5分間攪拌して、ペルオキシ化反応させた。なお、反応は、溶液を入れたフラスコの周囲をドライアイスで冷却しながら行い、過酸化水素水の添加によって発熱した際に溶液の内温が−10℃を超えないように制御した。このようにして得られた反応生成物をチタンペルオキシ錯体(a1)とした。
他方、アルゴンガス雰囲気中でニオブペンタエトキシド1.5gを脱水エタノール19.2g中に溶解させ、得られた溶液に濃度30重量%の過酸化水素水1.6gを攪拌下で徐々に添加し、添加終了後、5分間攪拌して、ペルオキシ化反応させた。なお、反応は、上記と同様に、溶液を入れたフラスコの周囲をドライアイスで冷却しながら行い、過酸化水素水の添加によって発熱した際に溶液の内温が−10℃を超えないように制御した。このようにして得られた反応生成物をニオブペルオキシ錯体(b1)とした。
次に、上記チタンペルオキシ錯体(a1)と、上記ニオブペルオキシ錯体(b1)とを、チタン:ニオブ=80:20(モル比)となるような割合で混合し、固形分濃度7重量%の前駆体液とした。この前駆体液を、透明基材(無アルカリガラス「コーニング社製1737」、厚さ0.7mm)上に、ドライ膜厚20nmとなるように、スピンコーターにて1回塗布し、風乾(自然乾燥)した後、空気中にて500℃で10分間アニール処理を施して、下地層となる薄膜を形成した。ここで形成された薄膜の結晶相をX線回折により調べたところ、アナターゼ結晶相であった。
次いで、上記で形成した下地層の上に、上記と同じ前駆体液を、ドライ膜厚100nmとなるように、スピンコーターにて1回塗布し、300℃で10分間焼成(プリベーク)し、その後、水素100%の還元雰囲気下にて500℃で60分間アニール処理を施して、透明導電層となる薄膜を形成した。ここで形成された薄膜の結晶相をX線回折により調べたところ、アナターゼ結晶相であった。また、その結晶構造を、TEM−EDXおよびFE−SEMにより観察したところ、Nbがドープされた酸化チタンの多結晶体であった。
かくして得られた透明導電性基板の比抵抗は2.9×10-3Ω・cmであり、透過率は、可視領域で約80%、赤外領域で約80%であった。
(比較例1)
実施例1において、下地層を形成することなく、透明基材上に直接、透明導電層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、透明導電性基板を得た。
すなわち、実施例1と同様にして得たチタンペルオキシ錯体(a1)と、実施例1と同様にして得たニオブペルオキシ錯体(b1)とを、チタン:ニオブ=80:20(モル比)となるような割合で混合し、固形分濃度7重量%の前駆体液とした。この前駆体液を、透明基材(無アルカリガラス「コーニング社製1737」、厚さ0.7mm)上に、ドライ膜厚100nmとなるように、スピンコーターにて1回塗布し、300℃で10分間焼成(プリベーク)し、その後、水素100%の還元雰囲気下にて500℃で60分間アニール処理を施して、透明導電層となる薄膜を形成し、透明導電性基板を得た。ここで形成された薄膜の結晶相をX線回折により調べたところ、アナターゼ結晶相であった。また、その結晶構造を、TEM−EDXおよびFE−SEMにより観察したところ、Nbがドープされた酸化チタンの多結晶体であった。
かくして得られた透明導電性基板の比抵抗は5.0×10-3Ω・cmであり、透過率は、可視領域で約80%、赤外領域で約80%であった。

Claims (9)

  1. 透明基材上にアナターゼ結晶相の酸化チタン系薄膜からなる下地層を形成し、該下地層の上に(A)チタン化合物に過酸化水素を反応させた反応生成物と(B)ニオブ化合物またはタンタル化合物に過酸化水素を反応させた反応生成物とを含む前駆体液(I)を塗布し、焼成した後、還元雰囲気下にて加熱によるアニール処理を施して、ニオブまたはタンタルがドープされた酸化チタンからなる透明導電性膜を前記下地層上に形成する、ことを特徴とする比抵抗が9×10-3Ω・cm以下の透明導電性基板の製造方法。
  2. 前記下地層は、少なくとも(a)チタン化合物に過酸化水素を反応させた反応生成物を含む前駆体液(II)を塗布した後、加熱することにより形成する、請求項1記載の透明導電性基板の製造方法。
  3. 前記前駆体液(II)は、(a)チタン化合物に過酸化水素を反応させた反応生成物および(b)ニオブ化合物またはタンタル化合物に過酸化水素を反応させた反応生成物を含む、請求項2記載の透明導電性基板の製造方法。
  4. 前記(A)チタン化合物および前記(B)ニオブ化合物またはタンタル化合物として水酸化物を用いる、請求項1〜3のいずれかに記載の透明導電性基板の製造方法。
  5. 前記(a)チタン化合物および前記(b)ニオブ化合物またはタンタル化合物として水酸化物を用いる、請求項3または4記載の透明導電性基板の製造方法。
  6. 還元雰囲気下におけるアニール処理の加熱温度が450〜550℃である、請求項1〜5のいずれかに記載の透明導電性基板の製造方法。
  7. 還元雰囲気下におけるアニール処理の加熱温度が550℃超であり、形成される透明導電性膜におけるニオブまたはタンタルの含有比率が10モル%超である、請求項1〜5のいずれかに記載の透明導電性基板の製造方法。
  8. アナターゼ型結晶相を有する透明導電性膜を前記下地層上に形成する、請求項1〜7のいずれかに記載の透明導電性基板の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の方法によって得られた透明導電性基板。
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