JP2010038914A - リモートフィールド渦電流探傷プローブ - Google Patents

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Abstract

【課題】励磁コイル電流の増加やプローブ全体の大型化・複雑化を抑制して、欠陥検査の検出感度を高めることができるリモートフィールド渦電流探傷プローブを提供する。
【解決手段】被検査物3に渦電流を発生させるために励磁電流が印加される少なくとも一の励磁コイル2aと、渦電流により誘起された磁束を検出する少なくとも一の検出コイル2bとを備え、励磁コイル2aは、励磁コイル2aの中心軸に対して略垂直に構成された二側面のうち少なくとも一側面に設けられた磁性体2で構成された側面被覆部材5aを備える。側面被覆部材5aは、励磁コイル2aの磁界発生時に磁路を形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、リモートフィールド渦電流探傷技術に係り、特に磁場成分を好適に制御するリモートフィールド渦電流探傷プローブに関する。
金属配管の内面あるいは外面に存在するき裂を検出する手法としてリモートフィールド渦電流探傷試験装置がある。
このリモートフィールド渦電流探傷試験装置は、金属配管内部に設置された励磁コイルにより磁場を発生させる。この励磁コイルにより発生した磁場は、金属配管の内表面および金属内部に渦電流を誘起し、この渦電流は間接磁場を発生させる。
間接磁場の一部は金属配管の外表面に沿って分布し、再び金属配管の内部に戻る。間接磁場が金属配管の内部に戻る際、金属配管にき裂があると金属配管内部での間接磁場強度が変化する。この間接磁場強度変化を金属配管内部に設置された検出コイルにおいて検出することで、き裂の有無を検知することができる。
このリモートフィールド渦電流探傷試験装置においては、金属配管の周方向に渦電流を誘起して、間接磁場の変化を検出する方法が一般的である。
特許文献1において、金属配管内表面の周方向に渦電流を誘起し、金属配管内面あるいは外面のき裂検出を行うリモートフィールド式渦流探傷用プローブが開示されている。このリモートフィールド式渦流探傷用プローブは、励磁コイルを複数配置することで近接した欠陥が存在する場合の検出性を向上させている。
また、特許文献2において、励磁コイルと検出コイルとを同心構造とし、磁心を用いることで小さい欠陥に対する感度を向上させる渦電流探傷子が開示されている。
また、特許文献3において、磁気シールドを用いてリモートフィールド現象を発生させることが開示されている。
特開平3−105245号公報 特開平10−160709号公報 特開2004−294341号公報
リモートフィールド渦電流探傷試験装置においては、検出感度を高めるための手法として、励磁コイル電流を大きくして発生磁場強度を高めることが考えられる。しかし、励磁コイルを形成する線材の線径により励磁コイル電流の上限値が決まるため、高感度化に対して制限を受ける。
また、特許文献1のリモートフィールド式渦流探傷用プローブのように、励磁コイルを複数配置する手法も考えられる。しかし、プローブ全体が大型化するという課題を有する。
さらに、特許文献2は、直接磁場の変化を検出するニアフィールド渦電流探傷試験に限られており、リモートフィールド渦電流探傷試験に用いることは不可能である。
さらにまた、特許文献3は、欠陥検査の高感度化に課題がある。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、励磁コイル電流の増加やプローブ全体の大型化を抑制して、検出感度を高めることのできるリモートフィールド渦電流探傷プローブを提供することを目的とする。
本発明に係るリモートフィールド渦電流探傷プローブは、上述した課題を解決するために、被検査物に渦電流を発生させるために励磁電流が印加される少なくとも一の励磁コイルと、前記渦電流により誘起された磁束を検出する少なくとも一の検出コイルとを備え、前記励磁コイルは、前記励磁コイルの中心軸に対して略垂直に構成された二側面のうち少なくとも一側面に設けられた磁性体で構成された側面被覆部材を備え、前記側面被覆部材は、前記励磁コイルの磁界発生時に磁路を形成することを特徴とする。
また、本発明に係るリモートフィールド渦電流探傷プローブは、被検査物に渦電流を発生させるために励磁電流が印加される少なくとも一の励磁コイルと、前記渦電流により誘起された磁束を検出する少なくとも一の検出コイルとを備え、前記検出コイルは、前記検出コイルの中心軸に対して略垂直に構成された二側面のうち少なくとも一側面に設けられた磁性体で構成された側面被覆部材を備え、前記側面被覆部材は、前記検出コイルの磁束検出時に磁路を形成することを特徴とする。
本発明に係るリモートフィールド渦電流探傷プローブは、励磁コイル電流の増加やプローブ全体の大型化・複雑化を抑制して、欠陥検査の検出感度を高めることができる。
本発明に係るリモートフィールド渦電流探傷プローブの第1実施形態を示す概略的な断面構成図。 本発明に係るリモートフィールド渦電流探傷プローブの第2実施形態を示す概略的な断面構成図。 本発明に係るリモートフィールド渦電流探傷プローブの第3実施形態を示す概略的な断面構成図。
本発明に係るリモートフィールド渦電流探傷プローブの実施形態を添付図面に基づいて説明する。
本実施形態におけるリモートフィールド渦電流探傷プローブは、配管などの探傷検査に用いられ、例えば新型高速炉の蒸気発生器の伝熱管に生じる欠陥の探傷検査に適用することができる。なお、被検査物としての配管は、単管のみならず二重管に対しても適用することができる。
[第1実施形態]
本発明に係るリモートフィールド渦電流探傷プローブの第1実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係るリモートフィールド渦電流探傷プローブの第1実施形態を示す概略的な断面構成図である。なお、図1に示すリモートフィールド渦電流探傷プローブ1は主要な構成のみを示すが、実際には図示しないコイルケース・ボビンおよびケーブルなどが設けられて配管3内に挿入可能に構成される。
リモートフィールド渦電流探傷プローブ1は、少なくとも一組の励磁コイル2aと検出コイル2bとで構成される。図1に示すように、励磁コイル2aおよび検出コイル2bは同軸的に配管3の軸方向に配置されている。リモートフィールド渦電流探傷プローブ1は、励磁コイル2aと検出コイル2bを配管3の管径の2倍程度離して配置され、励磁コイル2aからの直接磁界が働く領域よりも外側の領域であるリモートフィールド領域と呼ばれる領域に検出コイル2bが設置された渦電流探傷プローブである。
励磁コイル2aには、発振手段(図示せず)より所定の周波数および振幅の励磁電流が供給される。検出コイル2bの出力端はそれぞれ外部に引き出され検出手段(図示せず)に接続されている。検出コイル2bの出力変化は、検出手段により検出され欠陥検出信号として出力される。
励磁コイル2aは、励磁電流が供給されることにより、励磁コイル2aの周辺に被検査物としての配管3に作用する励磁磁束が生じる。このとき発生する磁界を「直接磁界」という。この直接磁界は、配管3の管壁内に図示しない渦電流を発生させる。この渦電流は、配管3が健全な場合(欠陥が存在しない場合)、励磁コイル2aと同心円状に発生する。
また、渦電流の周囲には、励磁コイル2aにより発生した磁界とは逆向きの渦電流磁束が発生する。このとき発生する磁界を「間接磁界」という。この渦電流は、配管3に存在する欠陥などの物理的要因によって変化する。検出コイル2bは、これにより生ずる間接磁界の変化を電圧の出力変化として検出することにより欠陥検査を行うことができる。
励磁コイル2aの中心軸に対して垂直に構成された二つの面(コイル側面)には、それぞれ側面被覆部材としての磁性体5aが密着して配置される。磁性体5aは、励磁コイル2aのコイル側面の全体を覆う大きさで構成される。例えば、励磁コイル2aのコイル側面とほぼ同形状で構成された円板状またはリング状で構成される。
磁性体5aの励磁コイル2a軸方向の厚さについては、磁場解析に基づき、励磁コイル2aに流れる励磁電流の周波数fと、磁性体5aの透磁率μおよび導電率σで決定される表皮深さ(1/√(πfμσ))の少なくとも50%の厚さで構成されることで、磁力線6aの磁束密度を効率的に高めることができる。
磁性体5aは、励磁コイル2aが発生する磁束を強制的に制御する磁路を形成しうる物質であればよく、例えば炭素鋼で構成される。
検出コイル2bの中心軸に対して垂直に構成された二つの面(コイル側面)には、励磁コイル2aと同様に磁性体5bがそれぞれ配置される。この磁性体5bは、励磁コイル2aに配置された磁性体5aとほぼ同様の構成であるため、説明を省略する。
なお、磁性体5bの検出コイル2b軸方向の厚さについては、検出コイル2bと鎖交する交流磁場の周波数fと、磁性体5bの透磁率μおよび導電率σで決定される表皮深さ(1/√(πfμσ))の少なくとも50%の厚さで構成されることで、磁力線6bの磁束密度を効率的に高めることができる。
励磁コイル2a、検出コイル2bに配置された磁性体5a、5bは、被検査物としての配管3に対して非接触となっている。磁性体5a、5bと被検査物である配管3とを直接接触しない配置構造にすることで、配管3に対して均一な間接磁界が作用するため、欠陥に対する信号強度のばらつきを少なくすることができる。
例えば、配管3の材質が磁性体であり、磁性体5aの一部が配管3と直接接触した部分では、配管3と磁性体5aとの接触点で磁路が形成される。また、磁路の形成に伴い、この接触点近傍に大きな磁界が発生する。一方、磁性体5aと配管3とが非接触である部分の近傍には、上述した接触点より小さな磁界が発生する。この発生した磁界の強度差が欠陥検出信号の強度差になり信号強度のばらつきの原因となる。このため、磁性体5a、5bを配管3と直接接触しない構造とすることで、配管に均一な磁場を発生させ、信号強度のばらつきを抑制させることができる。磁性体5a、5bと配管3とを非接触にさせる構造は、信号強度から欠陥サイズを推定する上で重要な効果を奏する。
次に、リモートフィールド渦電流探傷プローブ1の作用について説明する。
励磁コイル2aに励磁電流としての交流電流を印加すると、図1に示すように励磁コイル2aの内部および周辺に図示矢印方向に磁力線6aが働く直接磁界が発生する。励磁コイル2aの両側面に配置された磁性体5aは、発生した直接磁界において磁力線6aを強制的に制御する磁路を形成する。このため、直接磁界の磁力線6aは、磁性体5a内に形成された磁路に集中することとなる。
ここで、配管3周方向に渦電流を誘起させる支配的な直接磁界の磁場成分は、配管3の内表面近傍に発生する軸方向成分である。磁性体5aを励磁コイル2aに配置し、磁力線6aの磁路を強制的に制御することで、この配管3の内表面近傍に発生する軸方向成分の磁場4についても、磁束密度を高めることができる。
一方、検出コイル2bは、渦電流の周囲に発生した高い磁束密度を維持する間接磁界により、図示矢印方向に検出対象としての磁力線6bを検出する。検出コイル2bは、この磁力線6bの影響を受け、交流電圧が励起される。
このとき、検出コイル2bの両側面に配置された磁性体5bは、検出コイル2bの磁束検出時において磁力線6bを強制的に制御する磁路を形成する。このため、検出された間接磁界の磁力線6bは、磁性体5b内に形成された磁路に集中することとなり、検出コイル2bの鎖交磁束数は増加する。
ここで、検出コイル2bの検出感度は鎖交磁束数の増加に比例する。よって、鎖交磁束数の増加に伴い、検出コイル2bは効率よく電圧変化の検出を行うことができる。
このリモートフィールド渦電流探傷プローブ1によれば、励磁コイル2aにより発生し配管3の内表面に作用する磁場4の磁束密度を高めることにより、励磁電流の増加や励磁コイル2aの大型化・複雑化を伴うことなく、配管3の内表面での励磁コイル2aの軸方向の磁束密度を高めることができる。この結果、欠陥検出の感度に寄与する間接磁場の強度を増加させることができる。
また、検出コイル2bに磁性体5bを配置することにより、検出対象としての磁力線6bを集中させて鎖交磁束数を増加させることができるため、効果的に検出コイル2bの検出感度を向上させることができる。このため、感度上昇に寄与する励磁コイル2aの励磁電流の増加や、検出コイル2bの大型化・複雑化を伴うことなく、検出コイルの欠陥検出の感度を実現することができる。
さらに、磁性体5aは励磁コイル2aの両側面を遮蔽するように配置されたため、欠陥検出に寄与せず検出コイル2bの間接磁場の検出に対してノイズの要因となる、配管3に発生した直接磁場の影響を低減することができる。このため、欠陥検査のSN比を向上させることができる。
すなわち、本実施形態におけるリモートフィールド渦電流探傷プローブ1によれば、リモートフィールド渦電流探傷試験の検出感度に影響を与える間接磁場の強度を高めることができるため、励磁コイル2aに印加される励磁電流の増加、およびリモートフィールド渦電流探傷プローブ1全体の大型化・複雑化を抑制して欠陥検査の検出感度を高めることが可能となる。
なお、本実施形態においては、励磁コイル2aおよび検出コイル2bにそれぞれ磁性体5a、磁性体5bを設けたが、励磁コイル2aおよび検出コイル2bの少なくとも一方に磁性体を設けてもよい。後述する各実施形態においても同様である。
また、励磁コイル2aおよび検出コイル2bの各コイルのコイル側面の二側面を覆うように磁性体5a、磁性体5bを配置したが、どちらか一方のコイル側面のみに磁性体を配置してもよい。
さらに、磁性体5a、5bは、励磁コイル2aおよび検出コイル2bに密着配置される場合に限らず、励磁コイル2aおよび検出コイル2bのコイル側面に近接されて配置されていればよい。また、磁性体はコイル側面の面積の少なくとも50%を覆う大きさであればよく、コイル側面よりも大きい形状であってもよい。
[第2実施形態]
本発明に係るリモートフィールド渦電流探傷プローブの第2実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図2は、本発明に係るリモートフィールド渦電流探傷プローブの第2実施形態を示す概略的な断面構成図である。なお、図2に示すリモートフィールド渦電流探傷プローブ11は主要な構成のみを示すが、実際には図示しないコイルケースおよびケーブルなどが設けられて配管内に挿入可能に構成される。また、第1実施形態と対応する構成および部分については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
励磁コイル12aには、円板部材17aと、ボビン部材18aと、空間ギャップ形成部材19aとが一体となって構成された磁性体15aが設けられる。
磁性体15aの円板部材17aは、第1実施形態において説明した磁性体5aとほぼ同様の構成を有する。円板部材17aは、側面被覆部材として設けられる。
ボビン部材18aは、励磁コイル12aの巻線が巻かれた中心軸として設けられる。ボビン部材18aは、円板部材17aと略垂直に構成され、また円板部材17aと連続した磁路を形成する。
空間ギャップ形成部材19aは、励磁コイル12aのコイル両側面に配置された各円板部材17aの外周より、互いに励磁コイル12aの軸方向中央に向かって接近方向に所定量伸びて設けられる。相対する空間ギャップ形成部材19aは、励磁コイル12aにより誘起された配管13の内表面近傍における直接磁場において、空間ギャップ20aを形成する。この空間ギャップ形成部材19aは、励磁コイル12aの軸方向中心に向かう伸び量を適宜任意の量で構成することにより、空間ギャップ20aを適宜任意の寸法・形状で構成可能とすることができる。
ボビン部材18aの図示上下方向の厚み(励磁コイル12a内径と同値)については、磁場解析に基づき、励磁コイル12aに流れる励磁電流の周波数fと、磁性体15aの透磁率μおよび導電率σで決定される表皮深さ(1/√(πfμσ))の少なくとも50%の厚さで構成されることで、磁力線16aの磁束密度を効率的に高めることができる。
また、検出コイル12bには、同様に円板部材17b、ボビン部材18b、空間ギャップ形成部材19bが一体となって構成された磁性体15bが設けられる。この磁性体15bは、励磁コイル12aに配置された磁性体15aとほぼ同様の構成であるため、説明を省略する。
励磁コイル12a、検出コイル12bに配置された磁性体15a、15bは、被検査物としての配管13に対して非接触となっている。磁性体15a、15bと被検査物である配管13とを直接接触しない配置構造にすることで、配管13に対して均一な間接磁界が作用するため、欠陥に対する信号強度のばらつきを少なくすることができる。
なお、ボビン部材18bの図示上下方向の厚み(検出コイル12b内径と同値)については、磁場解析に基づき、検出コイル12bに鎖交する交流磁場の周波数fと、磁性体15bの透磁率μおよび導電率σで決定される表皮深さ(1/√(πfμσ))の少なくとも50%の厚さで構成されることで、磁力線16bの磁束密度を効率的に高めることができる。
本実施形態におけるリモートフィールド渦電流探傷プローブ11は、第1実施形態において説明した作用に加え、ボビン部材18aを設けたことにより、磁力線16aの磁路を強制的に制御することで、この配管13内表面近傍に発生する軸方向成分の磁場14についても、さらに磁束密度を高めることができる。
また、磁性体15aに空間ギャップ形成部材19aを形成したことに伴い、励磁コイル12aにより配管13内表面近傍に発生する軸方向成分の磁場14の磁束密度を、励磁コイル12aの巻数や励磁コイル12aの励磁電流を増加させることなく局所的に高めることができる。この結果、空間ギャップ20aによりもたらされた磁場分布が、配管13の管壁内における渦電流の発生を好適に制御することができ、さらには欠陥検出感度に影響を与える間接磁場の磁束密度を高めることができる。
検出コイル12bについても、空間ギャップ形成部材19bを形成したことに伴い、間接磁場より検出する磁界の範囲を局所的に設定することができ、必要な欠陥検査情報のみを検出結果として出力することができる。この結果、リモートフィールド渦電流探傷プローブ11の検出感度をさらに向上させることができる。
このリモートフィールド渦電流探傷プローブ11によれば、第1実施形態で奏する効果に加え、励磁コイル12aの励磁電流の増加およびリモートフィールド渦電流探傷プローブ11全体の大型化・複雑化を抑制し、渦電流の発生に寄与する配管13内表面の軸方向成分の磁場14における磁場分布を好適に制御することができる。
また、リモートフィールド渦電流探傷プローブ11の検出感度についても、好適に向上させることができる。
なお、コイルの巻線が巻かれるボビンの全体を、磁性体のボビン部材で構成したが、これに限らず、合成樹脂などの磁性体以外の物質で構成されたボビンの中心軸のみを、ボビン部材として円板部材と連続させた磁性体で構成してもよい。また、ボビンの外周部のみを、ボビン部材として円板部材と連続させた磁性体で構成してもよい。
また、磁性体は、円板部材およびボビン部材のみで構成してもよいし、円板部材および空間ギャップ形成部材のみで構成してもよい。
[第3実施形態]
本発明に係るリモートフィールド渦電流探傷プローブの第3実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図3は、本発明に係るリモートフィールド渦電流探傷プローブの第3実施形態を示す概略的な断面構成図である。なお、図3に示すリモートフィールド渦電流探傷プローブ21は主要な構成のみを示すが、実際には図示しないコイルケースおよびケーブルなどが設けられて配管内に挿入可能に構成される。また、第1および第2実施形態と対応する構成および部分については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施形態におけるリモートフィールド渦電流探傷プローブ21は、励磁コイル22aに設けられた磁性体25aの空間ギャップ形成部材29aに、距離調整部材およびギャップ調整部材としての調整部材31aが設けられた点で第2の実施形態と相違する。
この調整部材31aは、磁性体25aの空間ギャップ形成部材29aの外周に沿って設けられる。調整部材31aは、図示上下方向の断面が略三角形状で形成される。また、調整部材31aの配管23の内表面に近接する頂点部33aについては、過度な磁場の集中を避けるため曲率をもって形成される。
相対して配置された調整部材31aは、軸方向の距離が適宜任意の距離に調整されて配置されることにより、空間ギャップ30aの長さを調整することができる。また、調整部材31aの図示上下方向の長さが適宜任意の長さに調整されて配置されることにより、配管23の内表面と磁性体25aとの距離を調整することができる。この調整部材31aの配置は、欠陥検査に応じて適宜好適な位置に配置されることが望ましい。
また、検出コイル22bについても、励磁コイル22aに設けられた磁性体25aとほぼ同様の構成を有する磁性体25bが設けられる。この磁性体25bは、励磁コイル22aに配置された磁性体25aとほぼ同様の構成であるため、説明を省略する。
励磁コイル22a、検出コイル22bに配置された磁性体25a、25bは、被検査物としての配管23に対して非接触となっている。磁性体25a、25bと被検査物である配管23とを直接接触しない配置構造にすることで、配管23に対して均一な間接磁界が作用するため、欠陥に対する信号強度のばらつきを少なくすることができる。
本実施形態におけるリモートフィールド渦電流探傷プローブ21は、磁性体25aに調整部材31aを形成したことに伴い、第2実施形態において説明した作用に加え、励磁コイル22aにより、配管23内表面近傍の空間ギャップ30aに発生する軸方向成分の磁場24の磁束密度を、励磁コイル22aの巻数や励磁コイル22aの励磁電流を増加させることなく好適に制御することができる。この結果、空間ギャップ30aによりもたらされた磁場24の分布が配管23の管壁内に発生する渦電流の特性を好適に制御することができ、欠陥検出感度に影響を与える間接磁場の磁束密度を好適に高めることができる。
また、検出コイル22bに設けられた磁性体25bにも調整部材31bが設けられたことに伴い、より必要な欠陥検査情報のみを検出結果として出力することができる。この結果、リモートフィールド渦電流探傷プローブ21の検出感度をさらに向上させることができる。
このリモートフィールド渦電流探傷プローブ21によれば、第1および第2実施形態で奏する効果に加え、励磁コイル22aの励磁電流の変動やリモートフィールド渦電流探傷プローブ21全体の大型化・複雑化を不要とし、配管23内表面の軸方向成分の磁場24における磁場分布を容易に制御することができ、渦電流の特性および間接磁場の強度についても好適に制御することができる。
また、検出コイル22bについても、検出感度をより向上させることができる。
1 リモートフィールド渦電流探傷プローブ
2a 励磁コイル
2b 検出コイル
3 配管
4 磁場
5a、5b 磁性体
6a、6b 磁力線
11 リモートフィールド渦電流探傷プローブ
12a 励磁コイル
12b 検出コイル
13 配管
14 磁場
15a、15b 磁性体
16a、16b 磁力線
17a、17b 円板部材
18a、18b ボビン部材
19a、19b 空間ギャップ形成部材
20a 空間ギャップ
21 リモートフィールド渦電流探傷プローブ
22a 励磁コイル
22b 検出コイル
23 配管
24 磁場
25a、25b 磁性体
29a 空間ギャップ形成部材
30a 空間ギャップ
31a、32b 調整部材
33a 頂点部

Claims (10)

  1. 被検査物に渦電流を発生させるために励磁電流が印加される少なくとも一の励磁コイルと、
    前記渦電流により誘起された磁束を検出する少なくとも一の検出コイルとを備え、
    前記励磁コイルは、前記励磁コイルの中心軸に対して略垂直に構成された二側面のうち少なくとも一側面に設けられた磁性体で構成された側面被覆部材を備え、
    前記側面被覆部材は、前記励磁コイルの磁界発生時に磁路を形成することを特徴とするリモートフィールド渦電流探傷プローブ。
  2. 被検査物に渦電流を発生させるために励磁電流が印加される少なくとも一の励磁コイルと、
    前記渦電流により誘起された磁束を検出する少なくとも一の検出コイルとを備え、
    前記検出コイルは、前記検出コイルの中心軸に対して略垂直に構成された二側面のうち少なくとも一側面に設けられた磁性体で構成された側面被覆部材を備え、
    前記側面被覆部材は、前記検出コイルの磁束検出時に磁路を形成することを特徴とするリモートフィールド渦電流探傷プローブ。
  3. 前記検出コイルは、前記検出コイルの中心軸に対して略垂直に構成された二側面のうち、少なくとも一側面に設けられた前記磁性体で構成された側面被覆部材をさらに備え、
    前記側面被覆部材は、前記検出コイルの磁束検出時に磁路を形成する請求項1記載のリモートフィールド渦電流探傷プローブ。
  4. 前記励磁コイルおよび前記検出コイルのうち少なくとも一方は、前記励磁コイルおよび前記検出コイルの少なくとも一方の巻線が巻かれた中心軸を構成する前記磁性体で構成されたボビン部材をさらに備え、
    前記側面被覆部材は、前記ボビン部材と略垂直かつ連続した磁路を形成して配置された請求項1、2または3記載のリモートフィールド渦電流探傷プローブ。
  5. 前記励磁コイルおよび前記検出コイルの少なくとも一方は、中心軸に対して略垂直に構成された二側面に設けられた前記側面被覆部材の略外周より、互いに前記中心軸方向中央に向かって接近方向に所定量伸びた前記磁性体で構成された空間ギャップ形成部材であって、相対する前記空間ギャップ形成部材により空間ギャップを形成する空間ギャップ形成部材をさらに備え、
    前記空間ギャップ形成部材は、前記側面被覆部材と略垂直かつ連続した磁路を形成して配置された請求項1、2または3記載のリモートフィールド渦電流探傷プローブ。
  6. 前記空間ギャップ形成部材は、前記励磁コイルおよび前記検出コイルの少なくとも一方と、前記被検査物との距離を調整する前記磁性体で構成された距離調整部材をさらに備え、
    前記距離調整部材は、前記空間ギャップ形成部材と連続した磁路を形成して配置された請求項5記載のリモートフィールド渦電流探傷プローブ。
  7. 前記空間ギャップ形成部材は、前記空間ギャップを調整するギャップ調整部材をさらに備え、
    前記ギャップ調整部材は、前記空間ギャップ形成部材と連続した磁路を形成して配置された請求項5記載のリモートフィールド渦電流探傷プローブ。
  8. 前記励磁コイルの前記側面被覆部材は、前記中心軸方向の厚さが、前記励磁コイルに流れる励磁電流の周波数と、前記磁性体の透磁率および導電率とで決定される表皮深さの少なくとも50%の厚さで構成された請求項1記載のリモートフィールド渦電流探傷プローブ。
  9. 前記検出コイルの前記側面被覆部材は、前記中心軸方向の厚さが、前記検出コイルと鎖交する交流磁場の周波数と、前記磁性体の透磁率および導電率とで決定される表皮深さの少なくとも50%の厚さで構成された請求項2または3記載のリモートフィールド渦電流探傷プローブ。
  10. 前記側面被覆部材は、前記被検査物と非接触に配置された請求項1〜9のいずれか1項に記載のリモートフィールド渦電流探傷プローブ。
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