JP2010038603A - 磁界測定による部分放電検出方法及び磁界検出センサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】接地線の近傍に第1、第2測定センサ11、21を配置する。接地線にはパルス電流6により磁界Aが発生し、また、変圧器の内部では磁界Bが発生し、空間を伝搬してくる。第1測定センサ11は、磁界Aと磁界Bを同一方向に測定し、第2測定センサ21は、磁界Aと磁界Bを逆方向に測定する。従って、第1測定センサ11で捕捉された磁界は磁界B+磁界Aとなり、第2測定センサ21で捕捉された磁界は磁界B−磁界Aなる。次に、両磁界の差と和を取り、磁界Aの成分と磁界Bの成分を抽出する。抽出された磁界信号A,Bを比較し、両信号とも閾値以上なら部分放電信号とカウントし、このカウント数が閾値以上なら部分放電有りと判定する。
【選択図】図2
Description
第1信号と第2信号の差を算出して又は第3信号を使用して第1磁界成分を抽出し、第1信号と第3信号の差又は第2信号と第3信号の和を算出して第2磁界成分を抽出した後、抽出された第1、第2磁界成分を比較し、両成分とも閾値以上なら前記電気機器からの部分放電とカウントし、一定時間内に前記カウント数が閾値以上なら前記電気機器に部分放電有りと判断することを特徴とする磁界測定による部分放電検出方法である。
ノイズC1,C2が異なる方向から発生しているとき、ノイズC1が第1〜第3測定センサで捕捉されると、H1=B+A+C1,H2=B−A+C1,H3=A+C1となるから、上記第1信号と第3信号の差「H1−H3」を算出すると第2磁界B成分となり、また、ノイズC2が第1〜第3測定センサで捕捉されると、H1=B+A+C2,H2=B−A+C2,H3=A−C2となるから、上記第2信号と第3信号の和「H2+H3」を算出すると、第2磁界B成分となって、ノイズC1、C2の影響を受けないで第2磁界成分が抽出されることを特徴とする磁界測定による部分放電検出方法である。
ノイズC1,C2が異なる方向から発生しているとき、ノイズC1が第1及び第2測定センサにk1C1として、第3測定センサにk2C1として捕捉されると(k1、k2は係数)、H1=B+A+k1C1,H2=B−A+k1C1,H3=A+k2C1となるから、第1信号と第3信号の差「k2H1−k1H3」を算出すると、(k2−k1)A+k2Bとなり、また、ノイズC2が第1及び第2測定センサにk1C2として、第3測定センサにk2C2として捕捉されると(k1、k2は係数)、H1=B+A+k1C2,H2=B−A+k1C2,H3=A−k2C2となるから、第2信号と第3信号の和「k2H2+k1H3」を算出すると、(k1−k2)A+k2Bとなり,ノイズが異なる方向から発生しても磁界成分はノイズの影響を受けないで抽出されることを特徴とする磁界測定による部分放電検出方法である。
また、本発明によれば、バックグランノイズのみを測定する工程が必要なく、このため、設備を停電させる等の工程を行うことが不要となるとともに、ノイズに時間変化があってもノイズ除去が可能となり、精度の良い部分放電有無判断ができる。
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1を、モールド接地型計器用変圧器の部分放電を測定する場合に適用した概略構成図で、図1において、1は対象電気機器となるモールド接地型計器用変圧器である。この変圧器1の一方のブッシング2には、ライン側導体3が接続され、他方のブッシング4には、接地線5が接続され、接地線5は、図示しないアース端子に接続される。
H1+H2=(B+A)+(B−A)=2B
以上の結果から磁界Aの成分と磁界Bの成分が抽出できる。
[実施の形態2]
図5は本発明の実施の形態2を示す磁界検出センサの概略構成図で、図5において、11a,11bは第1測定センサ、21a,21bは第2測定センサである。
[実施の形態3]
図7は本発明の実施の形態3を示す概略構成図で、この実施の形態3は、図1に示す実施の形態1にノイズ成分Cが分別できる第3測定センサ31を配置しもので、実施の形態1と同一部分には同一符号を付して説明する。
第1測定センサ11で捕捉された磁界信号H1は、上述したように同一方向であるから「磁界B+磁界A」となる。また、第2測定センサ21で捕捉された磁界信号H2は、同様に逆方向であるから「磁界B−磁界A」となる。但し、図8の手前側を「正」とした。ここで、両信号の差を取ると、次式のようになる。
以上の結果より磁界Aの成分が抽出できる。別の方法として、第3測定センサ31で捕捉された磁界信号H3を利用しても良い。(ただし、この場合、後述のノイズCは残る。)
次に、図2に示すノイズCが存在した場合を考える。第1測定センサ11と第2測定センサ21には同じノイズCが捕捉されるので、次式のようになる。
H2=B−A+C
H1−H2=(B+A+C)−(B−A+C)=2A
以上のように、ノイズCの影響を受けずに磁界Aの成分が抽出することができる。ノイズの方向が図8に示すノイズC1,C2いずれでも同様である。
以上の結果より磁界Bの成分が抽出できる。別の方法として、第2、第3測定センサ21,31を利用してH2+H3=(B−A)+(A)=Bとしてもよい。
(イ)ノイズがC1方向から発生しているとき、
H1=B+A+C1
H2=B−A+C1
H3=A+C1となり、
ここで、H1−H3=(B+A+C1)−(A+C1)=Bとなる。
(ロ)ノイズがC2方向から発生しているとき、
H1=B+A+C2
H2=B−A+C2
H3=A−C2となり、
ここで、H1+H3=(B−A+C2)+(A−C2)=Bとなる。
(イ)ノイズがC1方向から発生しているとき、
第1及び第2測定センサ11,21にk1C1、第3測定センサ31にk2C1が捕捉される場合(k1、k2は係数)
H1=B+A+k1C1
H2=B−A+k1C1
H3=A+k2C1となり、
ここで、k2H1−k1H3=k2(B+A+k1C1)−k1(A+k2C1)=(k2−k1)A+k2Bとなる。
(ロ)ノイズがC2方向から発生しているとき、
第1及び第2測定センサ11,21にk1C2、第3測定センサ31にk2C2が捕捉される場合
H1=B+A+k1C2
H2=B−A+k1C2
H3=A−k2C2となり、
ここで、k2H2+k1H3=k2(B−A+k1C2)+k1(A−k2C2)=(k1−k2)A+k2Bとなる。
[実施の形態4]
図10は本発明の実施の形態4を示す概略構成図で、この実施の形態4は、実施の形態3で接地線5のすぐ近傍に第1測定センサ11の方向に障害物があって第1測定センサ11が配置できない場合の例で、この場合には、図10に示すように反時計方向に各測定センサ11,21,31を90度回転させて配置させても同様な測定が可能である。
(イ)ノイズがC1方向から発生しているとき、
H1=A+C1
H2=−A+C1
H3=A−B−C1となり、
ここで、H2+H3=(−A+C1)+(A−B−C1)=−Bとなる。
(ロ)ノイズがC2方向から発生しているとき、
H1=A−C2
H2=−A−C2
H3=A−B−C2となり、
ここで、H1−H3=(A−C2)−(A−B−C2)=Bとなる。
[実施の形態5]
図11は本発明の実施の形態5を示す概略的な斜視図で、この実施の形態5は、実施の形態3で示した第1〜第3測定センサ11,21,31をプラスチックなどのケース(図示破線)内に収納して一体型測定センサ20に構成したもので、ケース上部には、接地線5に取り付け易いようにクリップ40を設けたものである。このようにクリップ40を設けることにより、接地線5への取り付けが容易になり、作業性が一段と良好になる。また、ケースには接地線5への取り付けが容易となるように、凹部20aが形成されている。なお、クリップ40は、ケースの下部あるいは上下部に設けても良い。
5…接地線
6…パルス電流
7…電磁波信号
10,20…一体型測定センサ
11,21、31…第1〜第3測定センサ
11a,11b,21a,21b…測定センサ
12,22,32…ローノイズアンプ
13,23,33…BPF
14,24,34…アンプ
15,25,35…A/D変換器
16,26,36…出力信号検出部
17…記憶部
18…処理部
19…判定部
Claims (8)
- 電気機器の接地線に第1、第2測定センサを、前記接地線を挟んで同一面に並置し、
第1測定センサでは前記接地線に流れるパルス電流により発生する第1磁界と前記電気機器から空間を伝搬してくる第2磁界とを同一方向に測定し、第2測定センサでは、前記第1磁界と第2磁界とを逆方向に測定し、第1測定センサで捕捉した第1信号は「第2磁界+第1磁界」と処理し、第2測定センサで捕捉した第2信号は「第2磁界−第1磁界」と処理した後、
第1信号と第2信号の差と和を算出して第1磁界成分と第2磁界成分を抽出し、抽出された第1、第2磁界成分を比較した後に、両成分とも閾値以上なら前記電気機器からの部分放電とカウントし、一定時間内に前記カウント数が閾値以上なら前記電気機器に部分放電有りと判断することを特徴とする磁界測定による部分放電検出方法。 - 電気機器の接地線に第1〜第3測定センサを配置し、第1、第2測定センサは前記接地線を挟んで同一面に並置し、第3測定センサは第1、第2測定センサが配置された面とは直角方向の面で、かつ第1、第2測定センサとの間の中央部となるように配置し、
第1測定センサでは前記接地線に流れるパルス電流により発生する第1磁界と前記電気機器から空間を伝搬してくる第2磁界とを同一方向に測定し、第2測定センサでは前記第1磁界と第2磁界とを逆方向に測定し、第3測定センサでは第1磁界のみを測定し、第1測定センサで捕捉した第1信号は「第2磁界+第1磁界」と処理し、第2測定センサで捕捉した第2信号は「第2磁界−第1磁界」と処理し、第3測定センサで捕捉した第3信号は「第1磁界」と処理した後、
第1信号と第2信号の差を算出して又は第3信号を使用して第1磁界成分を抽出し、第1信号と第3信号の差又は第2信号と第3信号の和を算出して第2磁界成分を抽出した後、
抽出された第1、第2磁界成分を比較し、両成分とも閾値以上なら前記電気機器からの部分放電とカウントし、一定時間内に前記カウント数が閾値以上なら前記電気機器に部分放電有りと判断することを特徴とする磁界測定による部分放電検出方法。 - 請求項1及び請求項2記載の磁界測定による部分放電検出方法において、
前記第1信号をH1、前記第2信号をH2、第1磁界をA、第2磁界をBとしたとき、第1測定センサで捕捉した第1信号H1は「B+A」と、第2測定センサで捕捉した第2信号H2は「B−A」と処理して、第1、第2信号の差「H1−H2」を算出した際に、
ノイズCが第1、第2測定センサで捕捉されると、H1=B+A+C,H2=B−A+Cとなるから、前記「H1−H2」は、H1−H2=(B+A+C)−(B−A+C)=2Aとなって、第1磁界成分は、ノイズCの影響を受けないで抽出されることを特徴とする磁界測定による部分放電検出方法。 - 請求項2記載の磁界測定による部分放電検出方法において、
前記第1信号をH1、前記第2信号をH2、前記第3信号をH3、第1磁界をA、第2磁界をBとしたとき、第1測定センサで捕捉した第1信号H1は「B+A」と、第2測定センサで捕捉した第2信号H2は「B−A」と、第3測定センサで捕捉した第3信号H3は「A」と処理して、第1信号と第3信号の差「H1−H3」または第2信号と第3信号の和「H2+H3」を算出した際に、
ノイズC1,C2が異なる方向から発生しているとき、ノイズC1が第1〜第3測定センサで捕捉されると、H1=B+A+C1,H2=B−A+C1,H3=A+C1となるから、上記第1信号と第3信号の差「H1−H3」を算出すると第2磁界B成分となり、また、ノイズC2が第1〜第3測定センサで捕捉されると、H1=B+A+C2,H2=B−A+C2,H3=A−C2となるから、上記第2信号と第3信号の和「H2+H3」を算出すると、第2磁界B成分となって、ノイズC1、C2の影響を受けないで第2磁界成分が抽出されることを特徴とする磁界測定による部分放電検出方法。 - 請求項2記載の磁界測定による部分放電検出方法において、
前記第1信号をH1、前記第2信号をH2、前記第3信号をH3、第1磁界をA、第2磁界をBとしたとき、第1測定センサで捕捉した第1信号H1は「B+A」と、第2測定センサで捕捉した第2信号H2は「B−A」と、第3測定センサで捕捉した第3信号H3は「A」と処理して、第1信号と第3信号の差「H1−H3」または第2信号と第3信号の和「H2+H3」を算出した際に、
ノイズC1,C2が異なる方向から発生しているとき、ノイズC1が第1及び第2測定センサにk1C1として、第3測定センサにk2C1として捕捉されると(k1、k2は係数)、H1=B+A+k1C1,H2=B−A+k1C1,H3=A+k2C1となるから、第1信号と第3信号の差「k2H1−k1H3」を算出すると、(k2−k1)A+k2Bとなり、また、ノイズC2が第1及び第2測定センサにk1C2として、第3測定センサにk2C2として捕捉されると(k1、k2は係数)、H1=B+A+k1C2,H2=B−A+k1C2,H3=A−k2C2となるから、第2信号と第3信号の和「k2H2+k1H3」を算出すると、(k1−k2)A+k2Bとなり,ノイズが異なる方向から発生しても磁界成分はノイズの影響を受けないで抽出されることを特徴とする磁界測定による部分放電検出方法。 - 請求項2記載の磁界測定による部分放電検出方法において、
第1〜第3測定センサは、接地線を軸として回動可能に取り付けたことを特徴とする磁界測定による部分放電検出方法。 - 電気機器の接地線を挟んで第1、第2測定センサを配置するとともに、第1、第2測定センサを横方向に一定間隔離して並置し、前記第1、第2測定センサで接地線に流れるパルス電流により発生する磁界と電気機器の内部で発生した空間を伝搬してくる磁界を捕捉するようにし、第1、第2測定センサにより捕捉した信号を、第1、第2のローノイズアンプ、第1、第2の帯域フィルタ、第1、第2のアンプ、第1、第2のA/D変換器、第1、第2の出力信号検出部からなる第1、第2磁界出力信号検出装置を介して処理して電気機器からの部分放電であると判断する装置において、
対向配置させた一対の第1測定センサと、この一対の第1測定センサから一定間隔離して設けられて対向配置させた一対の第2測定センサを、ケース内に収納し、一対の第1測定センサの出力端子と一対の第2測定センサの出力端子とを、出力が和と差出力となるように接続して前記判断する装置の第1、第2のローノイズアンプに供給したことを特徴とする磁界検出センサ。 - 電気機器の接地線を挟んで第1、第2測定センサを配置するとともに、第1、第2測定センサを横方向に一定間隔離して並置し、前記第1、第2測定センサで接地線に流れるパルス電流により発生する磁界と電気機器の内部で発生した空間を伝搬してくる磁界を捕捉するようにし、第1、第2測定センサにより捕捉した信号を、第1、第2のローノイズアンプ、第1、第2の帯域フィルタ、第1、第2のアンプ、第1、第2のA/D変換器、第1、第2の出力信号検出部からなる第1、第2磁界出力信号検出装置を介して処理して電気機器からの部分放電であると判断する装置において、
第1、第2測定センサが並置された面の中央部に、その面に対して直角方向となるように第3測定センサを配置して、第1〜第3測定センサをケース内に収納し、
前記第3測定センサにより捕捉した信号を、第3のローノイズアンプ、第3の帯域フィルタ、第3のアンプ、第3のA/D変換器、第3の出力信号検出部からなる第3磁界出力信号検出装置を介して処理したことを特徴とする磁界検出センサ。
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