JP2010038493A - 冷蔵庫 - Google Patents

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Atsuko Funayama
敦子 船山
Toshie Takasaki
寿江 高崎
Yuko Akagi
祐子 赤木
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Abstract

【課題】
気体の移動が抑制されて、大気圧より低い圧力状態に減圧される貯蔵室を有する冷蔵庫において、コンパクトかつ安価な脱臭部材により、脱臭効果を向上させた冷蔵庫を得る。
【解決手段】
大気圧より低い圧力状態に減圧される貯蔵室と、前記貯蔵室を開閉する蓋部材とを有する冷蔵庫において、前記貯蔵室内の水分を吸着して保持すると共に前記貯蔵室内の悪臭成分を脱臭する脱臭部材を前記貯蔵室内に有し、該脱臭部材は前記貯蔵室内の水分を吸着して保持する吸湿性繊維と前記貯蔵室内の悪臭成分を吸着もしくは分解して脱臭する消臭性繊維とで一体に形成されたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷蔵庫に関するものである。
従来、脱臭機能を備えた冷蔵庫としては、冷気通風路に脱臭材を配置し、冷気の循環により脱臭を行うものや、冷気循環ファンそのものに脱臭機能を持たせ、脱臭を行うものがあった。
特開2003−050079号公報
しかし、上記特許文献1に記載の冷蔵庫では、通風のある空間しか脱臭できなかった。すなわち、脱臭材自身が悪臭成分を集める機能がないため、強制的に悪臭を含んだ空気を送り込む手段が別に必要であった。よって、密閉されて大気圧より低い圧力状態に減圧される貯蔵室のように、貯蔵室内への送風手段がない場合、十分な脱臭効果を発揮できなかった。
本発明の目的は、気体の移動が抑制されて、大気圧より低い圧力状態に減圧される貯蔵室内の脱臭効果を向上させた冷蔵庫を得ることである。
上記目的を達成するために、大気圧より低い圧力状態に減圧される貯蔵室と、前記貯蔵室を開閉する蓋部材とを有する冷蔵庫において、前記貯蔵室内の水分を吸着して保持すると共に前記貯蔵室内の悪臭成分を脱臭する脱臭部材を前記貯蔵室内に有し、該脱臭部材は前記貯蔵室内の水分を吸着して保持する吸湿性繊維と前記貯蔵室内の悪臭成分を吸着もしくは分解して脱臭する消臭性繊維とで一体に形成されたことを特徴とする。
また、大気圧より低い圧力状態に減圧される貯蔵室と、前記貯蔵室を開閉する蓋部材とを有する冷蔵庫において、前記貯蔵室内の水分を吸着して保持し且つ保持した水分を放出すると共に前記貯蔵室内の悪臭成分を脱臭する脱臭部材を前記貯蔵室内に有し、前記脱臭部材は前記貯蔵室内の水分を吸着して保持すると共に保持した水分を放出する吸放湿性繊維と前記貯蔵室内の悪臭成分を吸着もしくは分解して脱臭する消臭性繊維とで一体に形成されたことを特徴とする。
また、前記消臭性繊維は架橋構造を有すると共に金属塩の微粒子を含有したものであることを特徴とする。
また、前記消臭性繊維は架橋繊維のカルボキシル基の少なくとも一部にAgイオンを結合させた後、アルカリ処理によってAgを繊維表面にナノサイズレベルの超微粒子状に析出固着させたものであることを特徴とする。
また、前記吸放湿性繊維はアクリレート系の吸放湿性繊維とし、前記消臭性繊維はアルカリ金属塩型カルボキシル基と架橋構造を有するアクリレート系繊維に酸化銀の微粒子を含有したものであることを特徴とする。
また、前記消臭性繊維または吸放出性繊維の少なくともいずれかに第4級アンモニウム塩を含浸させたことを特徴とする。
また、前記脱臭部材を構成する消臭性繊維の占める割合は21乃至50重量%であることを特徴とする。
また、大気圧より低い圧力状態に減圧される貯蔵室と、前記貯蔵室を開閉する蓋部材とを有する冷蔵庫において、前記貯蔵室内の水分を吸着して保持すると共に前記貯蔵室内の悪臭成分を脱臭する脱臭部材を有し、前記脱臭部材は前記貯蔵室内の水分を吸着して保持する吸湿性繊維と前記貯蔵室内の悪臭成分を吸着もしくは分解して脱臭する消臭性繊維とで一体的に板状に形成され、前記貯蔵室の空気排気口の近傍に配置したことを特徴とする。
本発明は、気体の移動が抑制されて、大気圧より低い圧力状態に減圧される貯蔵室内の脱臭効果を向上させた冷蔵庫を得ることができる。
以下、本発明の一実施形態の冷蔵庫について図を用いて説明する。
まず、図1及び図2を参照しながら冷蔵庫の構成に関して説明する。図1は、本実施形態の冷蔵庫の中央縦断面図である。図2は、図1の冷蔵室の最下段空間部分の断面斜視図である。
冷蔵庫は、冷蔵庫本体1及び扉6〜10を備えて構成されている。冷蔵庫本体1は、鋼板製の外箱11と樹脂製の内箱12との間にウレタン発泡断熱材13及び真空断熱材(図示せず)を有して構成され、上から冷蔵室2、冷凍室3,4,野菜室5の順に複数の貯蔵室を有している。換言すれば、最上段に冷蔵室2が、最下段に野菜室5が、それぞれ区画して配置されており、冷蔵室2と野菜室5との間には、これらの両室と断熱的に仕切られた冷凍室3,4が配設されている。冷蔵室2及び野菜室5は冷蔵温度帯の貯蔵室であり、冷凍室3,4は、0℃以下の冷凍温度帯(例えば、約−20℃〜−18℃の温度帯)の貯蔵室である。これらの貯蔵室2〜5は仕切り壁33,34,35により区画されている。
冷蔵庫本体1の前面には、貯蔵室2〜5の前面開口部を閉塞する扉6〜10が設けられている。冷蔵室扉6は冷蔵室2の前面開口部を閉塞する扉、冷凍室扉8は冷凍室3の前面開口部を閉塞する扉、冷凍室扉9は冷凍室4の前面開口部を閉塞する扉、野菜室扉10は野菜室5の前面開口部を閉塞する扉である。冷蔵室扉6は観音開き式の両開きの扉で構成され、冷凍室扉8,冷凍室扉9,野菜室扉10は、引き出し式の扉によって構成され、引き出し扉とともに貯蔵室内の容器が引き出される。
冷蔵庫本体1には、冷凍サイクルが設置されている。この冷凍サイクルは、圧縮機14、凝縮器(図示せず)、キャピラリチューブ(図示せず)及び蒸発器15、そして再び圧縮機14の順に接続して構成されている。圧縮機14及び凝縮器は冷蔵庫本体1の背面下部に設けられた機械室に設置されている。蒸発器15は冷凍室3,4の後方に設けられた冷却器室に設置され、この冷却器室における蒸発器15の上方に送風ファン16が設置されている。
蒸発器15によって冷却された冷気は、送風ファン16によって冷蔵室2,冷凍室3,4及び野菜室5の各貯蔵室へと送られる。具体的には、送風ファン16によって送られる冷気は、開閉可能なダンパー装置を介して、その一部が冷蔵室2及び野菜室5の冷蔵温度帯の貯蔵室へと送られ、他の一部が冷凍室3,4の冷凍温度帯の貯蔵室へと送られる。
送風ファン16によって冷蔵室2,冷凍室3,4及び野菜室5の各貯蔵室へと送られる冷気は、各貯蔵室を冷却した後、冷気戻り通路を通って冷却器室へと戻される。このように、本実施形態の冷蔵庫は冷気の循環構造を有しており、各貯蔵室2〜5を適切な温度に維持する。
冷蔵室2内には、透明な樹脂板で構成される複数段の棚17〜20が取り外し可能に設置されている。最下段の棚20は、内箱12の背面及び両側面に接するように設置され、その下方空間である最下段空間21を上方空間と区画している。また、各冷蔵室扉6の内側には複数段の扉ポケット25〜27が設置され、これらの扉ポケット25〜27は冷蔵室扉6が閉じられた状態で冷蔵室2内に突出するように設けられている。冷蔵室2の背面には、送風ファン16から供給された冷気を通す通路を形成する背面パネル30が設けられている。
最下段空間21には、左から順に、冷凍室3の製氷皿に製氷水を供給するための製氷水タンク22,デザートなどの食品を収納するための収納ケース23,室内を減圧して食品の鮮度保持及び長期保存するための減圧貯蔵室24が設置されている。減圧貯蔵室24は、冷蔵室2の横幅より狭い横幅を有し、冷蔵室2の側面に隣接して配置されている。
製氷水タンク22及び収納ケース23は左側の冷蔵室扉6の後方に配置されている。これによって、左側の冷蔵室扉6を開くのみで、製氷水タンク22及び収納ケース23を引き出すことができる。また、減圧貯蔵室24は右側の冷蔵室扉6の後方に配置されている。これによって、右側の冷蔵室扉6を開くだけで、減圧貯蔵室蓋50を開き、減圧貯蔵室24の食品トレイ60を引き出すことができる。なお、製氷水タンク22及び収納ケース23は左側の冷蔵室扉6の最下段の扉ポケット27の後方に位置することとなり、減圧貯蔵室24は右側の冷蔵室扉6の最下段の扉ポケット27の後方に位置することとなる。ここで、蒸発器15によって冷却されて冷蔵室2へ送られた冷気が減圧貯蔵室24の周囲を通って減圧貯蔵室24の内部を間接冷却するようになっている。
製氷水タンク22の後方には、製氷水ポンプ28が設置されている。収納ケース23の後方で且つ減圧貯蔵室24の後部側方の空間には、減圧貯蔵室24を減圧するための減圧装置の一例である負圧ポンプ29が配置されている。負圧ポンプ29は、減圧貯蔵室24の側面に設けられたポンプ接続部に導管を介して接続されている。
減圧貯蔵室24は、食品出し入れ用開口部を有する箱状の減圧貯蔵室本体40と、減圧貯蔵室本体40の食品出し入れ用開口部を開閉する減圧貯蔵室蓋50と、食品を収納して減圧貯蔵室蓋50に出し入れする食品トレイ60とを備えて構成されている。減圧貯蔵室本体40で減圧貯蔵室蓋50の食品出し入れ用開口部を閉じることにより、減圧貯蔵室本体40と減圧貯蔵室蓋50とで囲まれた空間が減圧される低圧空間として形成される。食品トレイ60は、減圧貯蔵室蓋50の背面側に取り付けられ、減圧貯蔵室蓋50の移動に伴って前後に移動可能である。
減圧貯蔵室24の内部には、脱臭部材である脱臭シートが設置されている。換言すれば、野菜,肉魚などの生鮮食品を保存する減圧貯蔵室24に脱臭シート80が設置されている。この脱臭シート80は、図2に示すように、食品トレイ60の背壁部に着脱可能に設けられている。
食品トレイ60に食品を載せて減圧貯蔵室蓋50を閉じることにより、減圧貯蔵室24の内部が密閉状態となり、ドアスイッチがオンされて負圧ポンプ29が駆動され、減圧貯蔵室24が大気圧より低い状態に減圧される。これにより貯蔵室13内の酸素濃度が低下するので、食品中の栄養成分の劣化を抑制することができる。更に、減圧貯蔵室24が密閉されて減圧された状態によって、減圧貯蔵室24の中に収納された食品からわずかに水分が蒸発することにより、減圧貯蔵室24の中は湿度100%になる。食品から発生する悪臭成分は水との親和性が高いため、脱臭シート80に含まれる吸放湿性繊維81に水分と悪臭成分が吸着する。そして、吸放湿繊維に吸着した悪臭成分は近傍の消臭性繊維82によって脱臭される。すなわち、減圧貯蔵室24は真空を保つ為に高い密閉構造を必要とし、電気配線を必要とする送風手段を設けることは困難であるが、前記脱臭シート80の吸放湿性繊維81により送風手段を設けることなく、悪臭成分を集めることが出来、脱臭できる。
そして、減圧貯蔵室蓋50を手前に引くことにより、減圧貯蔵室蓋50の一部に設けられた圧力解除バルブがまず動作して減圧貯蔵室24の減圧状態が解除されて大気圧の状態となり、減圧貯蔵室蓋50を開くことができる。これによって、簡単に減圧貯蔵室蓋50を開け、食品の出し入れが出来る。
脱臭部材である脱臭シート80の詳細について、図3を用いて更に説明する。図3は、脱臭シートを模式的に説明する図である。脱臭シート80は、主に繊維からなり、量産における組立性,取り扱い性を考慮してこれを板状に圧縮成形することにより剛性が付与されている。即ち、脱臭シート80は、機能性繊維の不織布から成る。この脱臭シート80を構成する繊維の種類は、吸放湿性能に優れたアクリレート系吸放湿性繊維、例えば日本エクスラン工業社製NX−72と、脱臭性能の優れた消臭性繊維、例えば、日本エクスラン工業社製の商品名ナノアタックと、剛性を持たせるために圧縮成形時に繊維を接着させるための熱融着性繊維、例えば熱融着性ポリエステル繊維とからなり、これらの繊維を混在または積層して一体的に形成されている。なお、本実施例では吸放湿性繊維を用いているが、本発明では水分を吸着して保持する機能の吸湿性繊維を含むものである。
そして、吸放湿性繊維NX−72は特開平5−132858号公報に記載されている方法で製造できる。具体的にはアクリル繊維へヒドラジン処理によって架橋構造が導入される。得られた架橋繊維はさらに苛性ソーダ溶液で加水分解を行うとNa塩型カルボキシル基が導入され、吸放湿性繊維が得られる。尚、カルボキシル基の塩型は、アルカリ金属であればよく、Naに限定されない。
また、消臭性繊維商品名ナノアタックは、特開2007−70748号公報に記載されている方法で製造できる。具体的には架橋繊維のカルボキシル基の少なくとも一部にAgイオンを結合させた後、アルカリ処理によって、Agを繊維表面にナノサイズレベルの超微粒子状に析出固着させることにより製造することが出来る。
前記脱臭シート80の吸放湿性繊維は、繊維内部に多くのアルカリ金属塩型カルボキシル基を含有するため、貯蔵室内の水分を多量に吸着して保持することが出来ると共に、繊維内部に架橋構造を有するため、保持した水分を放出する機能を有している。また、前記消臭性繊維は、貯蔵室内の悪臭成分を吸着もしくは分解して脱臭する機能を有しており、架橋構造を有すると共に金属塩の微粒子を含有したものであり、具体的には、架橋繊維のカルボキシル基の少なくとも一部にAgイオンを結合させた後、アルカリ処理によって、Agを繊維表面にナノサイズレベルの超微粒子状に析出固着させたものである。
脱臭シート80は、図3に示すように吸放湿性繊維81,熱融着性繊維83とが混在して一体化されている吸放湿性シート84と、消臭性繊維82,熱融着性繊維83とが混在して一体化されている消臭性シート85を張り合わせた構成となっている。吸放湿性繊維81は、図3においてその1本を模式的に拡大して示すように、架橋結合86を有するアクリレート系繊維にNa塩型カルボキシル基87を含有している。消臭性繊維82は、図3においてその1本の断面を模式的に拡大して示すように、Ag89が架橋繊維90表面にナノサイズレベルの超微粒子状に析出固着している。この脱臭シート80が接する減圧貯蔵室24の空気中の悪臭成分、例えばメチルメルカプタンは、銀の微粒子により酸化分解されて脱臭されるものと考えられる。その反応式を次に示す。
(化1) Ag2O+CH3SH+3/2O2→Ag2S+CO2+2H2
ここで生成した水分88は、吸放湿性繊維81中のアルカリ金属塩型カルボキシル基に吸着し、調湿や悪臭成分の捕集に有効に活用される。
次に熱融着性繊維83の混率について表1を用いて説明する。
Figure 2010038493
脱臭シート80は、量産における組立性,取り扱い性を考慮してこれを板状に圧縮成形することにより強度(剛性)を付与することが望ましいが、そのためには熱融着性繊維83の混在が必要である。この熱融着性繊維83の混率による強度(剛性)の変化は表1に示す通りであり、熱融着性繊維83の混率が40重量%以下になると、強度が所定以下に低下することが判明した。従って、脱臭シート80を板状に圧縮成形するためには、熱融着性繊維83の混率を40重量%以上にすることが必要である。
次に、本発明の脱臭シート80における吸放湿性シート84と消臭性シート85の混合比と脱臭性能の関係について、図4を用いて説明する。
吸放湿性繊維81と消臭性繊維82は同一単価ではなく、消臭性繊維82の方が銀の使用や加工方法から、コスト高であることが判っている。脱臭シート80は最もコストの安い配合で最も高い脱臭性能を得られる配合が最も好ましい。そこで、最もコストの安い配合で最も高い脱臭性能を得られる配合を求めるために、コストを一定としたときの吸放湿性繊維81と消臭性繊維82の混合比と、冷蔵庫の悪臭成分の主成分であるイオウ系臭気の代表のメチルメルカプタンと、肉魚の腐敗臭の主成分であるチッソ系臭気の代表であるアンモニアの脱臭性能の関係を測定した。その結果を図4に示す。図4の横軸は吸放湿性繊維81と消臭性繊維82の混合比を、左縦軸には吸放湿性繊維81と消臭性繊維8の繊維量を、右縦軸にはメチルメルカプタンとアンモニアの残存率を示す。91は吸放湿性繊維81の繊維量を、92は消臭性繊維82の繊維量を、93はメチルメルカプタンの残存率を、94はアンモニアの残存率を、95はメチルメルカプタンの残存率93とアンモニアの残存率94の和で求めた総合脱臭性能を示す。
検討の結果、最もコストの安い配合で最も高い脱臭性能を得られる配合は、吸放湿性繊維81が25%以下で、消臭性繊維82が75%以上では、吸放湿性繊維81が100%のときより、脱臭性能が悪いことが判る。従って、吸放湿性繊維81と消臭性繊維82の最適な混合比は、吸放湿性繊維81が25%以上100%未満で、消臭性繊維82が75%以下である配合が好ましい。
減圧貯蔵室24内部に脱臭シート80を設置することにより、負荷多量時、あるいは扉開閉により外部の暖気が低温の減圧貯蔵室24内に流入した場合には、室内の余分な水分を吸湿する事によって結露の発生を防ぎ、負荷少量時あるいは水分含有量の少ない食品が負荷として収納される等により貯蔵室内の水分量が低下した場合には、保持した水分を蒸散させて室内の食品の保存および悪臭成分捕集に適した水分量に調整することができる。上述のような構成としたことにより、脱臭シート80は、食品貯蔵中には常に水分を保持することが出来、水分を吸着材として効果的に脱臭することができる。
更に、水分を常に保持しているため、菌の繁殖には優位な環境となるが、繊維の表面を例えば第4級アンモニウム塩の如き抗菌剤で覆うもしくは繊維に抗菌剤を化学的に含有させる等の加工を施し、脱臭シート80に抗菌剤を坦持せしめる事により、菌の繁殖を防ぐことができる。
なお、脱臭シート80に第4級アンモニウム塩を含浸させて抗菌性を付与する場合、その加工方法は問わない。即ち、該部材を構成する何れかの繊維に予め含浸処理を施しておいてから脱臭シート80を構成してもよいし、成形された脱臭シート80に含浸処理を施してもよい。
本発明の冷蔵庫においては、貯蔵室内の水分を吸着して保持する吸放湿性繊維81と悪臭成分を吸着もしくは分解して脱臭する消臭性繊維82とを混在させて一体的に形成して脱臭シート80としているので、コンパクトかつ安価な構成で、脱臭シート80に接する水分が吸放湿性繊維81に吸着されて保持されることにより減圧貯蔵室24内の結露を防止することができ、また、減圧貯蔵室24内に水分と共に存在している悪臭成分がこの吸着されて保持される水分と一緒に脱臭シート80内に集められ、この悪臭成分が保持されている水分と共に保持されることにより脱臭シート80内にとどめられ、このことにより消臭性繊維82により効果的に吸着もしくは分解されて脱臭され、これにより多量の悪臭を脱臭することができる。
そして、減圧貯蔵室24内の水分を吸着して保持すると共に保持している水分を放出する吸放湿性繊維81と貯蔵室内の悪臭成分を吸着もしくは分解して脱臭する消臭性繊維82とを一体的に形成して脱臭シート80としているので、コンパクトかつ安価な構成で、減圧貯蔵室24内の水分が吸放湿性繊維81に吸着されて保持されることにより、減圧貯蔵室24内の悪臭成分が水分と一緒に集められ、この悪臭成分が水分により保持されて脱臭シート80内にとどめられるため、悪臭成分を効果的に脱臭することが出来ると共に、保持された水分が放出され、その後に新たな水分が吸着されて保持されることにより、悪臭成分がこの新たに吸着される水分と一緒に集められて前述した効果的な脱臭が行われ、これが繰り返し行われることによりさらに多量の悪臭を脱臭することができる。また、減圧貯蔵室24は真空を保つ為に高い密閉構造を必要とし、電気配線を必要とする送風手段を設けることは困難であるが、前記脱臭シート80により送風手段を設けることなく、悪臭成分を集めることが出来、脱臭できる。
また、架橋構造を有すると共に、金属塩の微粒子を含有した消臭性繊維82を脱臭シート80に用いているので、より優れた脱臭効果を得ることができる。
さらには、消臭性繊維82は、架橋繊維のカルボキシル基の少なくとも一部にAgイオンを結合させた後、アルカリ処理によって、Agを繊維表面にナノサイズレベルの超微粒子状に析出固着しているので、より一層優れた脱臭効果を得ることができる。
さらには、アクリレート系の吸放湿性繊維81と、アルカリ金属塩型カルボキシル基と架橋構造を有する繊維に酸化銀の微粒子を含有させた消臭性繊維82を脱臭シート80に用いているので、より一層優れた調湿効果と脱臭効果を得ることができる。
また、脱臭シート80に第4級アンモニウム塩を含浸させているので、水分が保持されて菌の繁殖に適した環境にもかかわらず、脱臭シート80が菌等で汚染されるのを確実に防止することができる。尚、ここで言う第4級アンモニウム塩には例えばアルキルトリメチルアンモニウム塩やアルキルジメチルべンジルアンモニウム塩等がある。
さらに、脱臭シート80を構成する消臭性繊維82の占める割合を21〜50重量%にしているので、脱臭性能及び加工性に優れた脱臭シート80を得ることができる。
また、脱臭シート80を減圧貯蔵室24の空気排気口の近傍に配置しているので、減圧貯蔵室24内の空気中の悪臭成分を集中的に除去することができる。
以上のように、減圧貯蔵室は真空を保つ為に高い密閉構造を必要とするため、電気配線を必要とする送風手段を設けることなく、コンパクトかつ安価な構成で、減圧貯蔵室内の水分が吸湿性繊維に吸着されて保持されることにより貯蔵室内の結露を防止することができ、また、貯蔵室内の悪臭成分が水分と一緒に集められ、この悪臭成分が保持されている水分と共に保持されることにより脱臭シートにとどめられ、このことにより消臭性繊維により効果的に吸着もしくは分解されて脱臭され、これにより多量の悪臭を脱臭することができる冷蔵庫を得ることができる。
また、コンパクトかつ安価な構成で、貯蔵室内の水分が吸放湿性繊維に吸着されて保持されることにより、貯蔵室内の悪臭成分が水分と一緒に集められ、この悪臭成分が水分により保持されて脱臭シート内にとどめられるため、悪臭成分が消臭性繊維により効果的に脱臭することが出来ると共に、保持された水分が放出され、その後に新たな水分が吸着されて保持されることにより、悪臭成分がこの新たに吸着される水分と一緒に集められて前述した効果的な脱臭が行われ、これが繰り返し行われることによりさらに多量の悪臭を脱臭することができる冷蔵庫を得ることができる。
本発明の一実施形態の冷蔵庫の中央縦断面図である。 図1の冷蔵室の最下段空間部分の断面斜視図である。 脱臭シートを模式的に説明する図である。 脱臭シートの吸放湿性繊維と消臭性繊維の混合比と脱臭性能の関係を示す特性図。
符号の説明
24 減圧貯蔵室
50 減圧貯蔵室蓋
80 脱臭シート
81 吸放湿性繊維
82 消臭性繊維
83 熱融着性繊維
84 吸放湿性シート
85 消臭性シート
86 架橋結合
87 Na塩型カルボキシル基
88 水分
89 Ag
90 架橋繊維

Claims (8)

  1. 大気圧より低い圧力状態に減圧される貯蔵室と、前記貯蔵室を開閉する蓋部材とを有する冷蔵庫において、
    前記貯蔵室内の水分を吸着して保持すると共に前記貯蔵室内の悪臭成分を脱臭する脱臭部材を前記貯蔵室内に有し、該脱臭部材は前記貯蔵室内の水分を吸着して保持する吸湿性繊維と前記貯蔵室内の悪臭成分を吸着もしくは分解して脱臭する消臭性繊維とで一体に形成されたことを特徴とする冷蔵庫。
  2. 大気圧より低い圧力状態に減圧される貯蔵室と、前記貯蔵室を開閉する蓋部材とを有する冷蔵庫において、
    前記貯蔵室内の水分を吸着して保持し且つ保持した水分を放出すると共に前記貯蔵室内の悪臭成分を脱臭する脱臭部材を前記貯蔵室内に有し、前記脱臭部材は前記貯蔵室内の水分を吸着して保持すると共に保持した水分を放出する吸放湿性繊維と前記貯蔵室内の悪臭成分を吸着もしくは分解して脱臭する消臭性繊維とで一体に形成されたことを特徴とする冷蔵庫。
  3. 請求項1または2において、前記消臭性繊維は架橋構造を有すると共に金属塩の微粒子を含有したものであることを特徴とする冷蔵庫。
  4. 請求項1または2において、前記消臭性繊維は架橋繊維のカルボキシル基の少なくとも一部にAgイオンを結合させた後、アルカリ処理によってAgを繊維表面にナノサイズレベルの超微粒子状に析出固着させたものであることを特徴とする冷蔵庫。
  5. 請求項2において、前記吸放湿性繊維はアクリレート系の吸放湿性繊維とし、前記消臭性繊維はアルカリ金属塩型カルボキシル基と架橋構造を有するアクリレート系繊維に酸化銀の微粒子を含有したものであることを特徴とする冷蔵庫。
  6. 請求項5において、前記消臭性繊維または吸放出性繊維の少なくともいずれかに第4級アンモニウム塩を含浸させたことを特徴とする冷蔵庫。
  7. 請求項1または2において、前記脱臭部材を構成する消臭性繊維の占める割合は21乃至50重量%であることを特徴とする冷蔵庫。
  8. 大気圧より低い圧力状態に減圧される貯蔵室と、前記貯蔵室を開閉する蓋部材とを有する冷蔵庫において、
    前記貯蔵室内の水分を吸着して保持すると共に前記貯蔵室内の悪臭成分を脱臭する脱臭部材を有し、前記脱臭部材は前記貯蔵室内の水分を吸着して保持する吸湿性繊維と前記貯蔵室内の悪臭成分を吸着もしくは分解して脱臭する消臭性繊維とで一体的に板状に形成され、前記貯蔵室の空気排気口の近傍に配置したことを特徴とする冷蔵庫。
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