JP2005083686A - 冷蔵庫及び鮮度保持材 - Google Patents

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Abstract

【課題】
冷蔵庫において、小型で安価で省エネルギーな鮮度保持材により、抗酸化剤を貯蔵された食品に供給して、食品の酸化を抑制する。
【解決手段】
吸放湿性のある部材に水溶性抗酸化物質を含有させた鮮度保持材14a、14bを、野菜室6aまたは冷気通路13中に設け、冷蔵庫内を循環する冷気中の水分に抗酸化物質を溶出させることにより、庫内の食品に抗酸化物質を供給して酸化を抑制する。
【選択図】 図1

Description

本発明は冷蔵庫及び鮮度保持材に関する。
食品を保存するにあたっては、冷蔵庫に鮮度を保持する機能を設けたものがあり、食品の鮮度保持日数を大きく伸ばしている。
従来の鮮度保持機能を備えた冷蔵庫としては、例えば特開平8−261633号公報では、酸化防止剤と揮発性抗菌剤を混合した溶液を含浸した液保持材を貯蔵室天井等に配置し、貯蔵室内の防菌、防カビを図っている。
また、特開平10−160328号公報では、酸素排出ポンプにより酸素を排出することで貯蔵室内の酸素濃度を低下させ、食品の酸化を抑制している。
特開平8−261633号公報
特開平10−160328号公報
しかし、特許文献1に記載の技術においては、揮発性抗菌剤を用いており、冷蔵庫の寿命相当期間有効成分を揮発させるためには、冷蔵庫の寿命相当期間の揮発量を冷蔵庫の何れかの場所に貯蔵しておかなければならず、コンパクト性に欠ける。また、揮発量をコントロールするため蒸発量抑制剤等を用いて揮発しにくくした場合、必要時に温めて揮発させるために発熱装置等の搭載が必要となり、エネルギーコストの増加にもなる。また、特許文献1に記載の技術は、冷蔵庫内に浮遊する細菌やカビおよび食品に付着している細菌やカビの除去を目的とし、酸化剤防止剤は蒸発量抑制剤の酸化を防止するものであり、食品自身の栄養素の酸化劣化防止は考慮していない。
また、特許文献2に記載の技術においては、食品の酸化抑制をするのに酸素排出ポンプを用いているため、装置が大掛りになりコストが高くなる。また、貯蔵室を開けると酸素が浸入するので、その度に酸素排出が必要になる。
さらには、特許文献1及び2に記載の技術においては、ともに食品の乾燥を防止するという点については、一切考慮されていない。
本発明の目的は上記課題に際し、食品の乾燥を防止するとともに、小型、低コスト、省エネルギーで効果的な食品の抗酸化機能を備えた冷蔵庫を提供することである。また、この冷蔵庫に効果的な鮮度保持材を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、食品を冷やして保存する貯蔵室を有する冷蔵庫に水溶性抗酸化物質を含有する鮮度保持材を備えた。また、本発明の鮮度保持材は、吸放湿性を有し、水溶性鮮度保持物質を含有するものとした。
本発明によれば、食品の乾燥を防止するとともに、小型、低コスト、省エネルギーで効果的な食品の抗酸化機能を備えた冷蔵庫を提供することができる。また、この冷蔵庫に効果的な鮮度保持材を提供することができる。
本発明の冷蔵庫は、第一に、食品を冷やして保存する貯蔵室を有する冷蔵庫に水溶性抗酸化物質を含有する鮮度保持材を備えたことを特徴とする。
また、第二に、前記鮮度保持材は、水分を吸着及び放出する吸放湿材に水溶性抗酸化物質を含有してなることを特徴とする。
また、第三に、上記第一又は第二の特徴を有する冷蔵庫において、前記水溶性抗酸化物質は、ビタミンC又はビタミンC誘導体であることを特徴とする。
また、第四に、野菜室内に鮮度保持材を備え、
この鮮度保持材は、吸放湿性を持つ基材と、この基材に担持されて前記基材に吸着した水分に溶出する水溶性抗酸化物質とを有してなり、
前記溶出された水溶性抗酸化物質が前記基材に吸着した水分とともに野菜室内に拡散されることを特徴とする。
また、第五に、上記の第一から第四のいずれかの特徴を有する冷蔵庫において、前記冷蔵庫は冷蔵室、野菜室及び冷凍室を有し、前記鮮度保持材は前記野菜室内に備えられることを特徴とする。
また、第六に、上記の第五の特徴を有する冷蔵庫において、冷凍サイクルを構成する蒸発器で冷却された冷気を前記野菜室に導く冷気通路と、前記野菜室に設けられ前記冷気通路の冷気出口近傍に開口部を有する蓋体とを有し、
前記鮮度保持材は、前記開口部を塞ぐように備えられることを特徴とする。
また、第七に、上記の第一から第五のいずれかの特徴を有する冷蔵庫において、前記冷蔵庫は、冷凍サイクルを構成する蒸発器で冷却された冷気を前記貯蔵室に導く冷気通路を有し、前記鮮度保持材は前記冷気通路に備えられることを特徴とする。
また、第八に、上記第五又は第六の特徴を有する冷蔵庫において、前記鮮度保持材は、冷気が進行する方向に貫通する複数の穴を設けたことを特徴とする。
また、第九に、上記の第一から第八のいずれかの特徴を有する冷蔵庫において、前記鮮度保持材は、ポリフェノール化合物系成分を含有することを特徴とする。
また、第十に、上記の第一から第九のいずれかの特徴と有する冷蔵庫において、前記鮮度保持材はマイナスイオン発生体が混在されることを特徴とする。
また、第十一に、食品を冷やして保存する貯蔵室を備え、この貯蔵室内に抗酸化物質が拡散されることを特徴とする。
これらの構成により、小型、低コストで省エネルギーの鮮度保持材は長期間に渡り抗酸化物質を供給することができ、また、食品に到達した抗酸化物質の効果を長期間持続させることができる。また、吸放湿材内に抗酸化物質を含有しているので、吸着した水分に水溶性抗酸化物質を容易に流出させることができる。また、食品添加物質に活用されているビタミンCを用いて、極めて安全な抗酸化物質とすることができる。また、包装されずに保存されることが多い野菜室の野菜に抗酸化物質を供給し、効果的に野菜の酸化を抑えて鮮度を保つことができる。また、冷気通路を通る冷気に抗酸化物質を溶出させて冷蔵室内の食品に供給し、鮮度を保つことができる。また、庫内の抗菌と脱臭を行い、雑菌やカビの発生と臭気を抑えて食品の鮮度を保つことができる。また、マイナスイオンが鮮度保持材の周囲に冷気中の水分を引き寄せて湿度を高くするので、効果的に抗酸化物質を溶出させることができる。また、マイナスイオンが鮮度保持材の周囲に臭気を引き寄せるので、効果的に脱臭を行うことができる。
さらには、この構成により、冷蔵庫を開けたり、食品を冷蔵庫から取り出した場合でも、抗酸化効果を持続させることができる。
そして、小型、低コストで省エネルギーの鮮度保持材を用いて、長期間に渡り水溶性の鮮度保持物質を食品に供給して、食品の鮮度を保つことができる。
また、本発明の鮮度保持材は、吸放湿性を有し、水溶性鮮度保持物質を含有することを特徴としている。また、セラミックスの基板にリン酸アスコルビルマグネシウムとポリフェノール化合物系成分を含有させたことを特徴とする。
この低コストで省エネルギーの鮮度保持材を用いることによって、長期間に渡り水溶性の鮮度保持物質を食品に供給して、食品の鮮度を保つことができる。
以下、本発明の一実施例を図面に基づき説明する。
図1は、本発明の一実施例を示す冷蔵庫の縦断面図である。冷蔵庫本体1は、外郭を構成する外箱2、内箱3から構成されている。また、外箱2と内箱3との間には、ウレタン等の断熱材4が配置されている。内箱3の内部には食品を貯蔵する貯蔵室としての冷蔵室5a、野菜室6a及び冷凍室7a、7bを区画形成し、それぞれ扉5b、6b、7c、7dを設けている。
内箱3の内側で野菜室6aの背面側には、冷却室仕切り壁8を隔てて冷却室9aを設けてあり、内部には冷蔵室蒸発器10aが収容されている。冷蔵庫本体1下部の圧縮機11から送り出された冷媒は、凝縮器(図示せず)で凝縮し、その後冷蔵庫蒸発器10a内で気化して周囲の熱を奪う。そして、冷蔵室蒸発器10aにより冷却された冷却室9a内の冷気を冷蔵室ファン12aが送風し、送風された冷気は冷気通路13を通り冷蔵室5aに入り、その後野菜室6aを通って冷却室9aに戻り、冷蔵室蒸発器10aによって冷却される。すなわち、冷却室9で冷却された冷気は、図中矢印で示したように冷気通路13、冷蔵室5a、野菜室6aを通って再び冷却室9aへ戻ることとなっている。
なお、冷気通路13から冷蔵室5aへは冷気孔13a、13b、13c、13dによって冷気が供給される。また、冷蔵室5aから野菜室6aへは図中矢印で示したように冷気が流れるように冷気の通路が設けられ、冷気が送られる。上記の構成とすることにより、冷蔵室5a及び野菜室6aを所定の低温に冷却保持している。
また、冷凍室7aの背面側にも冷却室9bを設けてある。そして、冷却室9b内に設置された冷凍室蒸発器10bにより冷却された冷却室9b内の冷気を冷凍室ファン12bが送風し、送風された冷気は冷凍室7a、7bに入り、冷却室9bに戻ることにより、冷凍室7a、7bを所定の低温に冷却保持している。
冷蔵庫の貯蔵室に貯蔵された食品は、貯蔵中にさまざまな原因によりその鮮度を失っていく。例えば、冷蔵庫内の湿度が低く乾燥している場合には食品は水分を失い、空気中の酸素により食品が酸化されて食品中の栄養素が壊れ、空気中に浮遊する菌やカビにより食品が汚染される。そこで、本発明の冷蔵庫中には鮮度保持材14を備えることで、これらの原因を取り除き、食品の鮮度を保って貯蔵できるようにしてある。
本実施例では、鮮度保持材14は、冷気通路13と野菜室6aに備えられる。野菜室6aの鮮度保持材14aは、冷気の上流側に備えられることが望ましいため、後述するように容器蓋体に備えている。また、冷気通路に設けられる鮮度保持材14bは、冷却室9aからの冷気が分岐される最も上流側の冷気孔である冷気孔13aよりも上流側に設けることが望ましい。この位置に鮮度保持材を備えることによって、後述するように冷気孔13a、13b、13c、13dによって冷蔵室5aへ供給される冷気の全てにおいてこの冷気中の水分に抗酸化能を付与することができる。
以下、図3〜5を用いて、鮮度保持材14の構成について説明する。鮮度保持材14は、セラミックスの一種であるコージライトからなる吸放湿材としての基材14cに、安定化ビタミンC誘導体であるリン酸アスコルビルマグネシウムを含有させたものである。また、鮮度保持材14には、後述する天然鉱物由来のマイナスイオン発生体と緑茶由来のポリフェノールを含有させてもよい。
図3(a)は、鮮度保持材14の一実施例の斜視図であり、図3(b)はそのA−A´断面図である。図4は、図3(b)の丸14fの部分拡大図である。また、図5(a)は鮮度保持材14の別の一実施例の斜視図であり、図5(b)はそのB−B´断面図である。図3において鮮度保持材14は格子状に形成されており、この格子間に貫通した穴14dを複数あけたハニカム成形体としている。これによって、鮮度保持材14の表面積を大きくして、穴14dを通過する冷気と接触し易いようにしてある。また、鮮度保持部材14には、図4に示すように、穴14dよりもはるかに小さい細孔14eが数多く形成されており、細孔14eにより表面積を大きくし、さらに冷気と接触しやすいようになっている。
また、鮮度保持材14の形状は格子状に限られるものではない。例えば、セルロースのような紙状の高分子材料をダンボール断面の如く積層して基材を設ける場合には、図5に示すように、横方向に伸びた部材間に波形の部材を設けるようにしてもよい。この構成では、穴14dの側壁の面積が大きく、冷気通過時の圧力損失を低減することができ、水分の吸着と放出を効果的に行うことができ、また、成形も容易にできるという効果がある。
また、これらの穴14dは冷気進行方向にあわせて設けることによって、より効果的に水分の吸着と放出を行うことができる。
鮮度保持材14の基材14cは内部に水分を保持し、保持した水分を冷気中に放出する。また、同時に、冷気中の湿度に比例した量の水分を冷気から吸収する。したがって、鮮度保持材14は、冷気の湿度が高い時(例えば湿度100%)には、放出する水分量よりも吸収する水分量が大きくなり、全体としては水分を吸湿し、冷気の湿度が低い時(例えば湿度50%)には、吸収する水分量よりも放出する水分量が大きくなり、全体としては水分を放出する。つまり、水分を蒸散する食品が多量に収納されたときや扉開閉により暖気が庫内に侵入する等により庫内が所定湿度以上になったときには、庫内の余分な水分を吸湿し内部に水分を保持することにより、庫内の結露を防止する。また、貯蔵されている食品が少ないときや水分含有量の少ない食品が収納される等により庫内の湿度が低下したときには、保持した水分を蒸散させて食品保存に適した湿度に調整する。
また、鮮度保持材14は、水分を吸収した際、鮮度保持材14に含有させた水溶性抗酸化物質であるビタミンC誘導体を保持した水分に溶出させ、ビタミンC誘導体を溶出させた水分を庫内に蒸散させる。これにより、抗酸化物質であるビタミンCを庫内に拡散させて、貯蔵室内の食品とビタミンCを効果的に接触させて、食品の酸化防止を行うことができる。また、湿度変動がない場合でも、鮮度保持材14は、鮮度保持材14と冷気の間にはある量の水分のやりとりがあるので、鮮度保持材の内部または近傍を通過する冷気中の水分に抗酸化物質を溶出させることができる。
鮮度保持材14は、庫内を循環する高湿の冷気と効率良く接触することにより、冷気中の水分に抗酸化能を付与し食品の酸化劣化を防止する物である。したがって、鮮度保持材14は大きな表面積を有し、冷気の通路を塞がない形状で且つコンパクトな吸放湿材としなければならない。そこで鮮度保持材14の基材は、多くの細孔を持ち比表面積が大きく、ある程度の硬さがあり、冷蔵庫を組み立てる際にも作業性を低下させないものとして、セラミックス(例えばコージライト)とした。セラミックスは多くの細孔を持ち、比表面積が大きいため、水分を蒸散する食品が多量に収納されたとき、あるいは扉開閉により外部の暖気が低温の庫内に流入し所定湿度以上になった場合には、庫内の余分な水分を吸湿し保持することが出来る。また、貯蔵されている食品が少ないとき、水分含有量の少ない食品が負荷として収納されたとき、あるいは食品を長期間貯蔵したときなど貯蔵室内の湿度が低下した場合には、保持した水分を蒸散させて室内の食品の保存に適した湿度に調整することができる。
次に、鮮度保持材14が含有する水溶性抗酸化物質について説明する。本発明の鮮度保持材14は、庫内を循環する高湿の冷気と効率良く接触することにより冷気中の水分に抗酸化能を付与し食品の酸化劣化を抑制するものである。含有する抗酸化物質は水溶性の高いビタミンCが好ましい。このビタミンCはそのままではすぐに空気中の酸素と結合して酸化劣化してしまうため、抗酸化物質はビタミンC誘導体(例えばリン酸アスコルビルマグネシウム)とした。またビタミンC誘導体の水への溶出量をコントロールし、且つ基材14cへ含有しやすくするため、ビタミンCとセラミックスとをハイブリッド化したものとした。
鮮度保持材14の内部または近傍を高湿の冷気が通過することにより冷気中に抗酸化物質が溶出し抗酸化能をもった冷気になることは、鮮度保持材14を通過した冷気のヨウ素還元能を測定することにより判る。測定の結果を図6に示す。図6は湿度と温度が調整できる低温恒温恒湿容器を用いて、容器内の温度と湿度を鮮度保持材14を通過する冷気の条件に近い5℃、90%に設定し、この中で鮮度保持材14に恒温室内の冷気が循環するように実験装置を作製し、鮮度保持材14を通過した冷気をヨウ素溶液中に通すバブリングを行い、ヨウ素の濃度変化を測定したものである。即ち、鮮度保持材14を通過した冷気をヨウ素溶液を通過させ、ヨウ素溶液と接触した冷気中に抗酸化物質であるビタミンCが含まれていればビタミンCとヨウ素が反応し沃化カリウムを生成する為、ヨウ素溶液中のヨウ素の減少量を測定すればビタミンC含有量がわかる。図6の(1)は鮮度保持材13から抗酸化物質のみを除去した物を通過させた冷気のヨウ素還元能、(2)は鮮度保持材14を通過させた冷気のヨウ素還元能を示す。図6のグラフは(1)よりも(2)のほうがビタミンCの溶出量は多いことを示しており、鮮度保持材14を通過することにより鮮度保持材14が含有するビタミンCが冷気中の水分へ溶出していることが判る。
本実施例では水溶性抗酸化物質としてビタミンC(ビタミンC誘導体)を用いている。ビタミンCは食品添加剤に活用されている極めて安全性の高い物質であるからである。しかし、水溶性抗酸化物質はビタミンCに限らなくてもよく、水分に溶出する抗酸化物質ならばローズマリー、セージ、クローブ、ステビア、ゼラチン等でもよい。
本発明の一実施例は、食品を貯蔵する5a、6a、7a、7bを備え、食品を冷やして保存する冷蔵庫において、水溶性抗酸化物質を含有すると共に、水分を吸着して保持し、保持した水分を放出する鮮度保持材14を備えたことを特徴とする。
この構成により、小型、低コストで省エネルギーの鮮度保持材は長期間に渡り抗酸化物質を供給することができ、また、食品表面に到達した抗酸化物質も効果を長期間持続させることができる。
本発明の一実施例は、鮮度保持材14は、水分を吸着すると共に水分を放出する吸放湿材14cと、吸放湿材に含有した水溶性抗酸化物質とを有することを特徴とする。
この構成により、吸放湿材14c内に抗酸化物質を含有しているので、吸着した水分に水溶性抗酸化物質を容易に流出させることができ、基材に担持された水溶性抗酸化物質を水分とともに庫内に拡散することができる。
本発明の一実施例は、水溶性抗酸化物質は、ビタミンCまたはビタミンC誘導体であることを特徴とする。
この構成により、食品添加物質に活用されているビタミンCを用いて、極めて安全な抗酸化物質とすることができる。
本発明の一実施例は、食品を貯蔵する貯蔵室5a、6a、7a、7bを備え、冷気により食品を冷やして保存する冷蔵庫において、抗酸化物質を貯蔵室5a、6a内の食品に供給することを特徴とする。
この構成により、小型、低コストで省エネルギーの鮮度保持材は長期間に渡り抗酸化物質を供給することができ、また、食品に到達した抗酸化物質の効果を長期間持続させることができる。
鮮度保持材14は、野菜室6a及び冷蔵室5aの内の食品に抗酸化物質を供給するものであり、それぞれ野菜室6a、冷蔵室5a専用の鮮度保持材14を備えている。
まず、野菜室6中の食品に抗酸化物質を供給する方法について説明する。図2は、野菜室6aの縦断面図である。野菜室6aは密閉性を高めて間接冷却すべく、野菜容器6cと、その上面の蓋体6dとを備え、野菜室6a内を高湿に出来るようになっている。鮮度保持材14aは、この野菜容器蓋体6dの後部中央部に設けられた開口部を塞ぐように配置され、野菜容器6c内外に面するように設けられている。この鮮度保持材14aが配置される位置は、高湿の野菜室6aに冷気が吐出される部分6eの真下またはその近傍である。冷気吐出部分6eから吐出された冷気は、鮮度保持材14aの内部または近傍を通って野菜容器6c内に入る。このとき、冷気が図3、4に示す穴に沿って縦方向に通るように鮮度保持材14を配置することで、鮮度保持材14を通過する冷気の通気抵抗を小さくすることができる。野菜容器6c内に入った多くの冷気は鮮度保持材を通過して抗酸化物質を多量に含んだものとなっており、冷気中の水分が野菜等の食品に付着したり、食品の持つ水分に水溶性抗酸化物質が溶出したりすることで、食品に抗酸化物質を供給することができる。
本発明の一実施例は、冷蔵庫は冷蔵室6a、野菜室7a及び冷凍室8aを有し、鮮度保持材14aは野菜室7a内に設けたことを特徴とする。
この構成により、包装されずに保存されることが多い野菜室の野菜に抗酸化物質を供給し、効果的に野菜を酸素から守って鮮度を保つことができる。
次に冷蔵室5a中の食品に抗酸化物質を供給する方法について説明する。冷蔵室ファン12aを駆動することにより、冷蔵室5aおよび野菜室6aの外周空気は冷却室9aに吸込まれ、冷却室9aで冷却された後、冷気通路13を介して冷蔵室5aや野菜室6aの外周へ戻され、冷蔵室5aや野菜室6aが冷却される。これにより、冷蔵室5a内の空気はすべて冷気通路13を介して循環することになる。したがって、冷気通路13は冷蔵室2内の冷気が集中する箇所であり、冷蔵室ファン12aの下流の冷気通路13内に鮮度保持材14bを設置することにより、通過する冷気が抗酸化物質を含有するようになり、冷気は冷蔵室5aに貯蔵された食品と接触し効果的に抗酸化物質を供給して食品の酸化を抑制し鮮度保持することができる。
本発明の一実施例は、冷蔵庫は、蒸発器10aで冷却された冷気を冷蔵室6aに導く冷気通路13を有し、鮮度保持材は冷気通路内に設けたことを特徴とする。
この構成により、冷気通路を通る冷気に抗酸化物質を溶出させて冷蔵室内の食品に供給し、鮮度を保つすることができる。
次に、鮮度保持材14が含有するポリフェノール化合物系成分について説明する。本発明の鮮度保持材14は、庫内を循環する高湿の冷気と効率良く接触することにより冷気中の水分に抗酸化能を付与して食品の酸化劣化を防止すると供に、扉開閉等により流入した空気中の浮遊菌を除去し、食品への菌の付着を防止し、また、庫内の悪臭を除去する物である。これらのうち、抗菌と脱臭を行うのはポリフェノール化合物系成分である。このポリフェノール化合物系成分については、茶粉末、茶抽出物、茶カテキン、茶サポニン等茶由来成分は良好な抗菌性を有することが知られており、この緑茶由来成分を活用することが好ましい。これにより製品イメージの向上につながる。
更に、脱臭機構について説明する。ポリフェノールは、多くのOH基を持ち、例えば野菜の腐敗臭の主成分であるメチルメルカプタン(CHSH)と次式のように化学反応をし、脱臭をする。
ROH+CHSH+2HO→ROSH+CO+4H
同様に、ポリフェノールは、魚や肉の腐敗臭の主成分であるアンモニアとは次式のように化学反応し、脱臭を行なう。
ROH+NH→RONH
ポリフェノール化合物系成分のOH基の数には限界があり、所定量のポリフェノール化合物系成分が分解できる臭気や有機物の量に限界がある。しかし、臭気や有機物と化学反応し消費されたポリフェノールのOH基は、水分と反応して再生を行う。メチルメルカプタンと化学反応したポリフェノール化合物系成分の再生を次式に示す。
ROSH+2HO→ROH+硫黄酸化物+2H
また、アンモニアと化学反応したポリフェノール化合物系成分の再生を次式に示す。
RONH+HO→ROH+NHOH
ポリフェノール化合物系成分は、冷蔵庫内には食品から発生する多くの水分が存在する為に再生可能であり、何度も再生して臭気や有機物の分解を行うので、高湿の冷蔵庫に適した脱臭抗菌物質である。
本発明の一実施例は、鮮度保持材14にポリフェノール化合物系成分を含有させて形成したことを特徴とする。
この構成により、庫内の抗菌と脱臭を行い、雑菌やカビの発生と臭気を抑えて食品の鮮度を保つことができる。
次に、鮮度保持材14が含有する鉱物由来のマイナスイオン発生体について説明する。本発明の鮮度保持材14は、庫内を循環する高湿の冷気と効率良く接触することにより、冷気中の水分に抗酸化能を付与し食品の酸化劣化を防止する物である。したがって、鮮度保持材14は、効率良く冷気中の水分を集める必要がある。そのために、本発明では、鮮度保持材14中に、鉱物由来のマイナスイオン発生体(例えば、トルマリン、ガーネット等)を有している。マイナスイオンの発生は、冷蔵庫内における湿度の変動に影響せず、常に自発的に発生しているため、鮮度保持材14の周囲は常にマイナスイオンで覆われた状態となる。マイナスイオンの性質には空気中の水分と吸着し易いということがあり、マイナスイオンに覆われた鮮度保持材14の周囲は水分の多い環境となる。そしてコージライトからなる鮮度保持材14は、活性炭のようにたくさんの細孔を持ち大きな比表面積を有することから、周囲の水分を物理吸着し、抗酸化物質が溶出する媒体である水分を常に鮮度保持材14に供給することが可能となり、抗酸化物質が溶出した水分を食品表面まで到達させ、鮮度保持効果を発揮する冷蔵庫を提供できる。
また、本発明のマイナスイオン発生体は、天然鉱物由来のマイナスイオン発生体であり、コージライト基材への含有が可能であるため、高湿の冷蔵庫には最適な鮮度保持材を提供するものである。
また、マイナスイオンにより効率良く集められた水分は、鮮度保持材14の表面にある臭気と反応したポリフェノールの再生反応にも有効に活用できるものである。これにより、鮮度保持材14は、臭気成分の吸着、再生を繰り返す、長寿命なメンテナンスフリーの脱臭抗菌機能を持つ。
また、水分は臭気と吸着し易い為、マイナスイオンには間接的に臭気を集める効果もある。
本発明の一実施例は、鮮度保持材14に鉱物由来のマイナスイオン発生体を混在させて形成したことを特徴とする。
この構成により、マイナスイオンが鮮度保持材14の周囲に冷気中の水分を引き寄せて湿度を高くするので、効果的に抗酸化物質を溶出させることができる。また、マイナスイオンが鮮度保持材の周囲に臭気を引き寄せるので、効果的に脱臭を行うことができる。
本実施例内では、冷気中の水分に水溶性抗酸化物質を溶出して食品の酸化を抑制するものとして説明したが、冷気中に溶出させるものは抗酸化物質に限られるわけではなく、水溶性を示し食品に付着しても安全な物質ならば、抗菌剤、脱臭剤等の他の鮮度保持物質に適用してもよい。また、新製の冷蔵庫に配置するのみならず、既存の冷蔵庫の貯蔵室中の冷気が通る位置に新たに配置するようにしてもよい。
本発明の一実施例は、食品を貯蔵する貯蔵室5a、6a、7aを備え、食品を冷やして保存する冷蔵庫において、水分を吸着して保持し、保持した水分に水溶性鮮度保持物質を溶出させ、水溶性鮮度保持物質が溶出させた水分を放出する鮮度保持材14を備えたことを特徴とする。
この構成により、小型、低コストで省エネルギーの鮮度保持材を用いて、長期間に渡り水溶性の鮮度保持物質を食品に供給して、食品の鮮度を保つことができる。
本発明の一実施例は、吸放湿性を有し、水分を吸着して保持し、保持した水分を放出する鮮度保持材14において、水溶性抗酸化物質を含有したことを特徴とする。
この構成により、小型、低コストで省エネルギーの鮮度保持材を用いて、長期間に渡り水溶性の鮮度保持物質を食品に供給して、食品の鮮度を保つことができる。
以下、本発明の鮮度保持材14の他の実施例を説明する。
この実施例では鮮度保持材14は主に機能性繊維の不織布からなっている。そして、量産における組立性、取り扱い性を考慮して、不織布を板状に圧縮成形することにより、剛性が付与されている。
本実施例の鮮度保持材14は、(a)吸放湿性能に優れたアクリレート系吸放湿性繊維(例えば、日本エクスラン工業社製NX−72)と、(b)脱臭性能の優れたアクリレート系消臭性繊維(例えば、日本エクスラン工業社製NX−82G)と、(c)ビタミンC誘導体を含有する繊維と、(d)天然鉱物由来のマイナスイオン発生体を含有する繊維と、(e)剛性を持たせるために圧縮成形時に繊維を接着させるための熱融着性繊維(例えば、熱融着性ポリエステル繊維)と、(f)その他の繊維とからなり、これらの繊維を混在して一体的に形成されている。その他の繊維とは、特別の機能を有しない一般繊維(例えば、アクリル繊維)である。なお、本実施例では吸放湿性繊維を用いているが、水分を吸着して保持する吸湿性繊維でもよい。
(a)吸放湿性繊維NX−72について説明する。吸放湿性繊維NX−72は特開平5−132858号公報に記載されている方法で製造できる。具体的には、まず、アクリル系繊維にへヒドラジン架橋処理によって架橋構造が導入される。そして、得られた架橋構造を有する繊維にさらに苛性ソーダ溶液で加水分解を行うと、Na塩型カルボキシル基が導入され、吸放湿性繊維が得られる。尚、カルボキシル基の塩は、アルカリ金属であればよく、Naに限定されない。
(b)消臭性繊維NX−82Gについて説明する。消臭性繊維NX−82Gは、特開平9−241967号公報に記載されている方法で製造できる。具体的には、まず、アクリル系繊維にへヒドラジン架橋処理によって架橋構造が導入される。得られた架橋構造を有する繊維は、さらに苛性ソーダ溶液で加水分解を行うとカルボキシル基が導入され、次いで硝酸銀水溶液処理を行い、カルボキシル基の塩が銀イオンに置換された繊維となる。得られた繊維を苛性ソーダ水溶液で処理を行って銀イオンを微粒子として析出させると、Na塩型カルボキシル基と酸化銀微粒子とを含有する消臭性繊維が得られる。消臭機能は酸化銀によるものである。
なお、酸化銀は微粒子であるが、架橋構造とアルカリ金属塩型カルボキシル基を含有する構造の繊維にすることにより、酸化銀の微粒子を繊維内部に保持させることができる。また、カルボキシル基の塩については、上記と同様に他のアルカリ金属でもよい。
鮮度保持材14の吸放湿性繊維は、繊維内部に多くのアルカリ金属塩型カルボキシル基を含有するため、貯蔵室内の水分を多量に吸着して保持することが出来る。また、繊維内部に架橋構造を有するため、保持した水分を放出する機能を有している。また、消臭性繊維は、架橋構造を有すると共に金属塩の微粒子を含有することで、貯蔵室内の臭気成分を吸着もしくは分解して脱臭する機能を有している。
冷蔵庫内の臭気成分、例えばメチルメルカプタンは、この酸化銀の微粒子により酸化分解されて脱臭される。その反応式を次に示す。
2AgO+2CHSH+3O→2AgS+2CO+4H
ここで生成した水分は、吸放湿性繊維中のアルカリ金属塩型カルボキシル基もしくは一部残存した消臭性繊維内部のアルカリ金属塩型カルボキシル基に吸着し、調湿に有効に活用される。
また、鮮度保持材14は、吸放湿性繊維が水分を保有し、その水分が集める臭気成分を消臭性繊維が化学吸着もしくは化学分解し、脱臭効果を発揮するようにするものであるため、吸放湿性繊維と消臭性繊維は近接するように配置することが必要である。
(c)ビタミンC誘導体を含有する繊維について説明する。ビタミンCは、貯蔵室中の食品の酸化を防止する抗酸化物質としての役目を果たす。貯蔵室または冷気通路内に鮮度保持材14を設置することにより、負荷多量時、あるいは扉開閉により外部の暖気が低温の貯蔵室内に流入した場合には、室内の余分な水分を吸湿する事によって結露の発生を防ぎ、貯蔵室内が所定湿度以上の時には内部に水分を保持し、ビタミンC誘導体を含有する繊維から溶出する抗酸化物質であるビタミンCが吸湿した水分中に溶出し、負荷少量時あるいは水分含有量の少ない食品が負荷として収納される等により貯蔵室内の湿度が低下した場合には、抗酸化物質が溶出した水分を蒸散させて室内の食品の保存に適した湿度に調整するとともに、食品の酸化を防止し、食品の鮮度を保持することができる。上述のような構成としたことにより、鮮度保持材14には、食品貯蔵中には常に水分を保持することが出来、水分を吸着材として効果的に脱臭することができる。
(d)天然鉱物由来のマイナスイオン発生体を含有する繊維について説明する。鮮度保持材14は、冷蔵庫内における湿度の変動に影響せず、常に自発的にマイナスイオンを発生する天然鉱物由来のマイナスイオン発生体を含有する繊維を含有するため、鮮度保持材14の周囲の環境は常にマイナスイオンで覆われた状態となり、マイナスイオンの性質として空気中の水分と吸着し易いことから、本発明の鮮度保持材14の周囲は水分の多い環境となるため、常に抗酸化物質が溶出する媒体である水分を鮮度保持材に供給することが可能となり、抗酸化物質が溶出した水分を食品まで到達させ、常に鮮度保持効果を発揮する冷蔵庫を提供できる。
これらの(a)〜(d)の繊維に、(e)剛性を持たせるために圧縮成形時に繊維を接着させるための熱融着性繊維と、(f)その他の繊維を混ぜ、圧縮形成することにより、本実施例の鮮度保持材14が得られる。
なお、鮮度保持材14は水分を常に保持しているため、菌の繁殖には優位な環境となるが、繊維の表面を例えば第4級アンモニウム塩の如き抗菌剤で覆うもしくは繊維に抗菌剤を化学的に含有させる等の加工を施し、脱臭部材に抗菌剤を坦持せしめることにより、菌の繁殖を防ぐことができる。
なお、脱臭部材に第4級アンモニウム塩を含浸させて抗菌性を付与する場合、その加工方法は問わない。即ち、該部材を構成する何れかの繊維に予め含浸処理を施しておいてから脱臭部材としてもよいし、成形された脱臭板に含浸処理を施してもよい。ここで言う第4級アンモニウム塩には例えばアルキルトリメチルアンモニウム塩やアルキルジメチルべンジルアンモニウム塩等がある。
本発明の冷蔵庫においては、貯蔵室内の水分を吸着して保持する吸湿性繊維と臭気成分を吸着もしくは分解して脱臭する消臭性繊維と天然鉱物由来のマイナスイオン発生体を含有する繊維とビタミンC誘導体を含有する繊維とを混在させて一体的に形成して鮮度保持材14としているので、コンパクトかつ安価な構成で、鮮度保持材14に接する水分が効率良く吸湿性繊維に吸着されて保持されることにより貯蔵室内の湿度を下げることができる。また、貯蔵室内に水分と共に存在している臭気成分が、水分と一緒に鮮度保持材14内に集められ、臭気成分が鮮度保持材14内にとどめられて消臭性繊維により効果的に吸着もしくは分解されて脱臭される。そして、庫内の湿度が低下したときには、吸放湿性繊維が、臭気が吸着または分解されてビタミンCが溶出した水分を放出する。これを繰り返し行うことによって、庫内の湿度を調湿し、臭気を脱臭し、抗酸化物質を食品に供給することができる。
本明細書にて述べた実施例は、抗酸化物質を食品表面に到達させ、食品の持つ栄養素の酸化劣化を抑制するものである。水溶性抗酸化物質であるビタミンCを有効に且つ長期間蒸散させる為に、まず、水分を吸放湿材に吸湿させ、吸放湿材と近接して混在一体となっている水溶性のビタミンCを吸湿した水分に溶出し、抗酸化能が付与された水分を食品表面に放湿して食品の乾燥の防止とともに、栄養素の酸化を防止する。
そして、食品表面に有効成分であるビタミンCを到達させるための媒体である水は例えば冷蔵庫に貯蔵される食品から鮮度保持材に供給されるため、容積や重量が大きい水を貯蔵タンク等を設けて保持させておく必要が無い。したがって、冷蔵庫の寿命相当期間必要なビタミンCのみを吸放湿材に含有させればよいので、コンパクトな鮮度保持材とすることが出来る。
また、吸放湿材は扉開閉や貯蔵量の変化によって変動する庫内の湿度に対応して吸放湿を繰り返すため、あらためて加熱装置等の搭載が必要無く、ビタミンCを徐放させるためのエネルギーを必要とせず、省エネルギーな鮮度保持材を提供することが出来る。
また、抗酸化物質は、食品に付着して周囲の酸素から食品を守るため、冷蔵庫を開けたり、食品を冷蔵庫から取り出した後も抗酸化効果が持続する。
本発明の実施例にかかる冷蔵庫の縦断面図である。 本発明の実施例にかかる冷蔵庫の野菜室の縦断面図である。 本発明の実施例にかかる鮮度保持材の斜視図と横断面図である。 図3の部分拡大図である。 本発明の実施例にかかる鮮度保持材の斜視図と横断面図である 鮮度保持材を通過した空気のヨウ素還元能を測定した実験結果である。
符号の説明
1…冷蔵庫本体、5a…冷蔵室、6a…野菜室、6c…野菜容器、6d…野菜容器蓋体、7a・7b…冷凍室、10a・10a…蒸発器、12a、12b…ファン、13…冷気通路、14a、14b…鮮度保持剤。

Claims (12)

  1. 食品を冷やして保存する貯蔵室を有する冷蔵庫に水溶性抗酸化物質を含有する鮮度保持材を備え、
    前記鮮度保持材は、水分を吸着及び放出する吸放湿材に水溶性抗酸化物質を含有してなることを特徴とする冷蔵庫。
  2. 前記水溶性抗酸化物質は、ビタミンC又はビタミンC誘導体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の冷蔵庫。
  3. 野菜室内に鮮度保持材を備え、
    この鮮度保持材は、吸放湿性を持つ基材と、この基材に担持されて前記基材に吸着した水分に溶出する水溶性抗酸化物質とを有してなり、
    前記溶出された水溶性抗酸化物質が前記基材に吸着した水分とともに野菜室内に拡散される冷蔵庫。
  4. 前記冷蔵庫は冷蔵室、野菜室及び冷凍室を有し、前記鮮度保持材は前記野菜室に備えられることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の冷蔵庫。
  5. 食品を冷やして保存する冷蔵室及び野菜室と、
    冷凍サイクルを構成する蒸発器で冷却された冷気を前記冷蔵室及び前記野菜室に導く冷気通路と、
    前記野菜室に設けられ前記野菜室に冷気を導く冷気通路の冷気出口近傍に開口部を有する蓋体と、
    前記開口部を塞ぐように配置され、吸放湿性を持つ基材とこの基材に吸着した水分に溶出する前記基材に担持される水溶性抗酸化物質とを有する鮮度保持材とを備えた冷蔵庫。
  6. 前記冷蔵庫は、冷凍サイクルを構成する蒸発器で冷却された冷気を前記貯蔵室に導く冷気通路を有し、前記鮮度保持材は前記冷気通路に備えられることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の冷蔵庫。
  7. 前記鮮度保持材は、冷気が進行する方向に貫通する複数の穴を設けたことを特徴とする請求項6又は7に記載の冷蔵庫。
  8. 前記鮮度保持材は、ポリフェノール化合物系成分を含有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の冷蔵庫。
  9. 前記鮮度保持材はマイナスイオン発生体が混在されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の冷蔵庫。
  10. 食品を冷やして保存する貯蔵室を備え、この貯蔵室内に抗酸化物質を拡散する冷蔵庫。
  11. 吸放湿性を有し、水溶性鮮度保持物質を含有する鮮度保持材。
  12. セラミックスの基板にリン酸アスコルビルマグネシウムとポリフェノール化合物系成分を含有させた鮮度保持材。
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