JPH08261633A - 冷蔵庫 - Google Patents

冷蔵庫

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JPH08261633A
JPH08261633A JP6615595A JP6615595A JPH08261633A JP H08261633 A JPH08261633 A JP H08261633A JP 6615595 A JP6615595 A JP 6615595A JP 6615595 A JP6615595 A JP 6615595A JP H08261633 A JPH08261633 A JP H08261633A
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JP
Japan
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refrigerator
holding material
liquid holding
liquid
mixed
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Application number
JP6615595A
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English (en)
Inventor
Junichi Nakada
純一 中田
Yoshiro Murono
芳朗 室野
Takuya Matsumoto
卓也 松本
Shizu Hiramatsu
志津 平松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Refrigeration Co
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Publication date
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  • Cold Air Circulating Systems And Constructional Details In Refrigerators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 冷蔵庫の庫内に浮遊する細菌・かび、または
庫内の食品の表面に繁殖する細菌・かびを抑制し、食品
の鮮度を長期間保持する。 【構成】 酸化防止剤であるジブチルヒドロキシトルエ
ンと揮発性抗菌剤であるイソチオシアン酸エステルとを
混合した溶液を含浸させた液保持材8を、枠部品9によ
り冷蔵庫1の冷凍室や冷蔵室の天面10に配設した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鮮度保持機能を強化し
た冷蔵庫に関する。
【0002】
【従来の技術】食品は穀物、生鮮食品、加工食品の形態
で流通、消費されているが、穀類以外の農畜水産物は一
般に水分含有量が高いので、これを放置すると、物理
的、化学的及び酵素的な原因によって変質を受け、さら
に汚染している多種多様の微生物の増殖によって食品腐
敗、変敗してその商品価値を消失し、食中毒の恐れもで
てくる。
【0003】また、乾燥状態にある穀物にも多種類の微
生物が汚染しているので、高湿度環境にさらされたり、
あるいは結露したりして表面の水分が上昇する場合には
微生物による変質の恐れがある。
【0004】以下、図面を参照しながら説明を行う。ま
ず図5において、1は冷蔵庫であり、2は食品である。
一般的に食品を保存するために、このような冷蔵庫が広
く用いられている。冷蔵庫1は、食品2の環境温度が低
下させることで、食品2内で起きる酵素的あるいは化学
的反応を抑制し、食品汚染微生物の増殖速度も低下させ
る。
【0005】一般に病原性細菌も含めて食品汚染微生物
のうち好熱性、中温性の微生物は10℃以下ではほとん
ど増殖が抑制され、低温性あるいは好冷性菌でも9℃以
下になると急速に増殖が低下することが明らかである。
【0006】従って、食品2を低温に保つことによって
貯蔵期間を長期化させることが冷蔵庫1の機能となる。
つまり、食品2の貯蔵温度を−10℃以下にすると、す
べての微生物の食品2上での増殖を完全に抑制すること
ができる。
【0007】しかしながら、冷蔵庫1による低温保存に
おいても食品2の抗菌・抗かび性は十分なものではな
い。冷蔵庫1庫内環境では食品汚染微生物の増殖速度を
低下させるが、微生物の増殖を停止するものではない。
【0008】また実使用時において、扉開閉の回数頻度
及び1回の扉開閉時間の影響で庫内温度は上昇し、その
温度変動で微生物は増殖を促進させる。
【0009】また、冷蔵庫1庫内に貯蔵されている食品
2より出る栄養物が微生物の増殖を助けるなど、現状の
冷蔵庫1では食品2が腐敗したり、かびが発生する場合
があり、一般家庭においても食品2の腐敗廃棄が日常的
に行われているのが実態である。
【0010】このような中で、従来ワサビ油中のイソチ
オシアン酸エステルはその成分が空気中に揮発し、抗菌
・抗かび作用、腐敗防止作用を発揮することは経験上知
られている(実開平3−129083号公報)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、冷蔵庫
1庫内を抗菌・抗かび化する手段として、冷蔵庫1庫内
の棚3や底4にイソチオシアン酸エステルの液体5を入
れた容器6や液体5を吸収させたシリカペレット7を配
設する方法が考えられるが、冷蔵庫1庫内のイソチオシ
アン酸エステルの揮発成分濃度を見てみると、冷蔵庫1
庫内の棚3や底4に配設する方法では容器6やシリカペ
レット7の周囲が高く、庫内全体ではかなり大きな揮発
成分の濃度分布が見られ、結果として庫内の抗菌度合に
大きな差が生じて、食品2の保鮮度合にも差が生ずると
いう問題があった。
【0012】本発明は上記課題に鑑み、庫内全体でより
均一な抗菌材濃度分布を実現し、庫内のどの位置の食品
保鮮に対しても効果を発揮する、抗菌・抗かび化構造の
冷蔵庫を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の冷蔵庫は、ジブチルヒドロキシトルエン等の
酸化防止剤をイソチオシアン酸エステル等の揮発性抗菌
剤に混合した混合液を液保持材に含浸させるとともに、
前記液保持材を装着固定する枠部品を冷凍室、冷蔵室ま
たは野菜室の天面に配設したのである。
【0014】また、ジブチルヒドロキシトルエン等の酸
化防止剤をイソチオシアン酸エステル等の揮発性抗菌剤
に混合した混合液を液保持材に含浸させるとともに、前
記液保持材を装着固定する枠部品を風路内または風路近
傍に配設したのである。
【0015】また、ジブチルヒドロキシトルエン等の酸
化防止剤をイソチオシアン酸エステル等の揮発性抗菌剤
に混合した混合液を液保持材に含浸させるとともに、発
熱素子コントロール部により発熱が制御される発熱素子
を前記液保持材中に埋設し、前記液保持材を装着固定す
る枠部品を風路内または風路近傍に配設したのである。
【0016】また、ジブチルヒドロキシトルエン等の酸
化防止剤をイソチオシアン酸エステル等の揮発性抗菌剤
に混合した混合液を液保持材に含浸させるとともに、前
記液保持材を装着固定する枠部品を庫内に配設し、さら
に、前記混合液を貯蔵する混合液貯蔵タンクを設け、前
記混合液貯蔵タンクの前記混合液をパイプにより前記液
保持材に供給するようにしたのである。
【0017】
【作用】本発明は、上記した構成によって、各庫内の天
面に配設したイソチオシアン酸エステル等の揮発性抗菌
剤が揮発した際に、冷蔵庫庫内の温度分布による対流に
よって、揮発性抗菌剤の拡散が促進され、冷蔵庫庫内全
体にわたる分布が生じ、その揮発成分により庫内空気の
抗菌が行われ、庫内に浮遊する細菌・かび、また食品の
表面に繁殖する細菌・かびを抑制し、庫内全体の食品の
鮮度を長時間にわたり維持できることとなる。
【0018】また、風路内または風路近傍の固定箇所に
配設したイソチオシアン酸エステル等の揮発性抗菌剤が
揮発した際に、風路を通ってきたファンの風によって、
揮発性抗菌剤の拡散が促進され、冷蔵庫庫内全体にわた
って均一な分布が生じ、その揮発成分により庫内空気の
抗菌が行われ、庫内に浮遊する細菌・かび、また食品の
表面に繁殖する細菌・かびを抑制し、庫内全体の食品の
鮮度を長時間にわたり維持できることとなる。
【0019】また、イソチオシアン酸エステル等の揮発
性抗菌剤の混合液中に埋設した発熱素子と、発熱素子コ
ントロール部とにより、風路を通ってきたファンの風に
よって、揮発性抗菌剤の拡散が促進されるだけでなく、
発熱素子のON−OFFで揮発性抗菌剤の拡散が促進さ
れ、庫内食品の入れ替え時等の菌・かびが多量に入って
きた時点でも、冷蔵庫庫内全体にわたって揮発性抗菌剤
の拡散の均一な分布が生じ、その揮発成分により庫内空
気の抗菌が行われ、庫内に浮遊する細菌・かび、また食
品の表面細菌・かび、また食品の表面細菌・かびを抑制
し、庫内全体の食品の鮮度を長期間にわたり維持できる
こととなる。
【0020】また、イソチオシアン酸エステル等の揮発
性抗菌剤が混合液貯蔵タンクに貯えられているため、冷
蔵庫の寿命期間に相当する期間にわたって揮発し、その
揮発成分により庫内空気の抗菌が行われ、庫内に浮遊す
る細菌・かび、また食品の表面に繁殖する細菌・かびを
抑制し、庫内全体の食品の鮮度を冷蔵庫の寿命期間に相
当する期間維持できることとなる。
【0021】
【実施例】本発明の実施例について図1から図5を用い
て説明するが、従来例と同一構成については同一符号を
付けてその詳細な説明は省略する。
【0022】まず、本発明の第1の実施例について説明
する。図1において、8は揮発性抗菌剤イソチオシアン
酸エステル60部に酸化防止剤ジブチルヒドロキシトル
エン0.02部を混合した混合液(図示せず)を含浸さ
せた軟質ウレタンフォーム、繊維、不織布、パテ等の液
保持材であり、9は液保持材8を装着固定する枠部品で
ある。この枠部品9は冷蔵庫1の冷凍室や冷蔵室の天面
10に配設されている。また各室の冷却器(図示せず)
は各室の壁面に埋設設置されている。
【0023】このような構成にあって、上記混合液を含
浸した液保持材8からは揮発性抗菌剤イソチオシアン酸
エステルが庫内中へ揮発していくが、枠部品9は冷蔵庫
1の冷凍室や冷蔵室の天面に配設しているため、揮発し
たイソチオシアン酸エステルはその比重が空気のそれよ
り大きいことと、冷蔵庫中の冷却気体の対流によって庫
内全体に拡散する。
【0024】従って、揮発したイソチオシアン酸エステ
ルによって、庫内空気の抗菌が行われ、庫内に浮遊する
細菌・かび、また食品の表面に繁殖する細菌・かびを抑
制することができる。
【0025】そして細菌・かびの抑制は、食品腐敗の初
期のきっかけを遅らせ、庫内全体の食品の鮮度を長期間
維持できるという効果がある。
【0026】冷蔵庫庫内の抗菌率を測定する方法は、直
径4cm円形の栄養培地を冷蔵庫内の代表点の被測定面に
3秒間付着させた後、25℃で24時間培養後、栄養培
地に生育していた菌数を測定するものである。
【0027】この方法で、上記混合液を含浸した液保持
材8を庫内空気を攪拌するファンのない直冷式冷蔵室等
の天面10に枠部品9にて配設した本実施例の場合(条
件1)と、冷蔵室等の底4に配設した場合(条件2)、
および混合液を配設しない場合(ブランク)の菌数比較
を行った。
【0028】その結果、本実施例による条件1の場合
は、図1において全棚の測定点に対してブランクに比較
し、抗菌率{(ブランク測定菌数−各条件測定菌数)/
ブランク測定菌数}で100%近い結果が得られたが、
一方条件2の場合は底4の混合液近傍のみ抗菌率100
%の結果で他の棚の抗菌度は極めて悪い結果であった。
【0029】このように第1の実施例の冷蔵庫は、天面
10に上記混合液を含浸した液保持材8を枠部品9で配
設しているため、揮発したイソチオシアン酸エステルが
庫内全体に拡散し、浮遊する細菌・かび、また食品の表
面に繁殖する細菌・かびを抑制し、庫内全体の食品の鮮
度を長期間維持できるという効果がある。
【0030】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。図2において、11は風路であり、ジブチルヒド
ロキシトルエン等の酸化防止剤をイソチオシアン酸エス
テル等の揮発性抗菌剤に混合した混合液を含浸させた液
保持材8と、液保持材8を装着固定する枠部品9とを、
風路内12または風路近傍13に固定している。また、
14は庫内空気を攪拌するファンであり、15は冷却器
である。
【0031】このような構成にあって、上記混合液から
は揮発性抗菌剤イソチオシアン酸エステルが庫内中へ揮
発していくが、枠部品9は冷蔵庫1の風路内12または
風路近傍13に配設しているため、揮発したイソチオシ
アン酸エステルはその比重が空気のそれより大きいけれ
ども、ファン14の攪拌する風によって庫内全体に拡散
することができる。
【0032】従って、揮発したイソチオシアン酸エステ
ルによって、庫内空気の抗菌が行われ、庫内に浮遊する
細菌・かび、また食品の表面に繁殖する細菌・かびを抑
制することができる。そして細菌・かびの抑制は、食品
腐敗の初期のきっかけを遅らせ、庫内全体の食品の鮮度
を長期間維持できるという効果がある。
【0033】冷蔵庫庫内の抗菌率を測定する方法は、直
径4cm円形の栄養培地を冷蔵庫内の代表点の被測定面
に3秒間付着させた後、25℃で24時間培養後、栄養
培地に生育していた菌数を測定する方法である。
【0034】この方法で、上記混合液を含浸した液保持
材8と、液保持材8を装着固定する枠部品9とを、風路
11の内12または風路近傍13に固定している本実施
例の場合(条件1)と、冷蔵室等の底4に配設した場合
(条件2)、および混合液を配設しない場合(ブラン
ク)の菌数比較を行なった。その結果、本実施例による
条件1の場合は、図2において全棚の測定点に対してブ
ランクに比較し、抗菌率{(ブランク測定菌数−各条件
測定菌数)/ブランク測定菌数}で100%近い結果が
得られたが、一方条件2の場合は底4の混合液近傍のみ
抗菌率100%の結果で他の棚の抗菌度は極めて悪い結
果であった。
【0035】このように第2の実施例の冷蔵庫は、風路
内12または風路近傍13に上記混合液を含浸した液保
持材8を枠部品9で配設しているため、揮発したイソチ
オシアン酸エステルが庫内全体に拡散し、浮遊する細菌
・かび、また食品の表面に繁殖する細菌・かびを抑制
し、庫内全体の食品の鮮度を長期間維持できるという効
果がある。
【0036】次に、本発明の第3の実施例について説明
する。図3において、16は液保持材8中に埋設した発
熱素子であり、17は発熱素子の発熱量を制御する発熱
素子コントロール部である。枠部品9は風路内12また
は風路近傍13に配設されている。
【0037】このような構成にあって、上記混合液から
は揮発性抗菌剤イソチオシアン酸エステルが庫内中へ揮
発していくが、枠部品9は冷蔵庫1の風路内12または
風路近傍13に配設しているため、揮発したイソチオシ
アン酸エステルはその比重が空気のそれより大きいけれ
ども、ファン14の攪拌する風によって庫内全体に拡散
することができる。
【0038】また液保持材8中に埋設した発熱素子16
は発熱素子コントロール部17によって、例えば大量の
食品を投入した直後等に急速抗菌・抗かびをしたい場合
などに発熱させることによりイソチオシアン酸エステル
の揮発を促進することができる。
【0039】通常運転中の庫内温度は風路内12で約−
25℃であるので、発熱素子16の温度が40℃から6
0℃になるように加熱することでイソチオシアン酸エス
テルの揮発量は20から50倍まで増大させることがで
きる。
【0040】従って、揮発したイソチオシアン酸エステ
ルによって、庫内空気の抗菌が行われ、庫内に浮遊する
細菌・かび、また食品の表面に繁殖する細菌・かびを抑
制することができる。そして細菌・かびの抑制は、食品
腐敗の初期のきっかけを遅らせ、庫内全体の食品の鮮度
を長期間維持できるという効果がある。
【0041】冷蔵庫庫内の抗菌率を測定する方法は、直
径4cm円形の栄養培地を冷蔵庫内の代表点の被測定面
に3秒間付着させた後、25℃で24時間培養後、栄養
培地に生育していた菌数を測定する方法である。
【0042】この方法で、上記混合液を含浸した液保持
材8と、液保持材8を装着固定する枠部品9とを、風路
内12または風路近傍13に固定し、かつ発熱素子16
を液保持材8内に埋設した本実施例の場合(条件1)
と、冷蔵室等の底4に配設した場合(条件2)、および
混合液を配設しない場合(ブランク)の菌数比較を行っ
た。
【0043】その結果、本実施例による条件1の場合
は、図3において全棚の測定点に対してブランクに比較
し、抗菌率{(ブランク測定菌数−各条件測定菌数)/
ブランク測定菌数}で100%近い結果が得られ、かつ
規定量の大量の食品を投入した後6時間後の食品表面の
抗菌・抗かび効果の確認結果も抗菌率で100%近い結
果が得られた。が一方条件2の場合は底4の混合液近傍
のみ抗菌率100%の結果で他の棚の抗菌度は極めて悪
い結果であり、また規定量の大量の食品を投入した後6
時間後の食品表面の抗菌・抗かび効果もほとんどなかっ
た。
【0044】このように第3の実施例の冷蔵庫は、風路
内12または風路近傍13に上記混合液を含浸した液保
持材8を枠部品9で配設し、かつ発熱素子16を液保持
材8中に埋設しているので、揮発したイソチオシアン酸
エステルが庫内全体に拡散し、浮遊する細菌・かび、ま
た食品の表面細菌・かびを抑制し、庫内全体の食品の鮮
度を長期間維持できるという効果があり、かつ大量の食
品を投入した後6時間後の食品表面の抗菌・抗かび効果
も認められるものである。
【0045】次に、本発明の第4の実施例について説明
する。図4に示すように、本実施例ではジブチルヒドロ
キシトルエン等の酸化防止剤をイソチオシアン酸エステ
ル等の揮発性抗菌剤に混合した混合液を含浸させた液保
持材8と、液保持材8を装着固定する枠部品9と、液保
持材8に上記混合液を供給するパイプ18と、約1リッ
トル混合液の入った混合液貯蔵タンク19とを備えてい
る。
【0046】このような構成にあって、上記混合液を含
浸させた液保持材8からは揮発性抗菌剤イソチオシアン
酸エステルが庫内中へ揮発していくが、直接冷却式冷蔵
庫の場合でも間接冷却式冷蔵庫の場合でも、揮発したイ
ソチオシアン酸エステルは第1、第2の実施例で述べた
仕様であれば庫内全体に拡散することができ、揮発した
イソチオシアン酸エステルによって、庫内空気の抗菌が
行われ、庫内に浮遊する細菌・かび、また食品の表面に
繁殖する細菌・かびを抑制することができる。
【0047】そして細菌・かびの抑制は、食品腐敗の初
期のきっかけを遅らせ、庫内全体の食品の鮮度を長期間
維持できるという効果がある。
【0048】また、この冷蔵庫は、上記した構成によっ
てイソチオシアン酸エステルが混合液貯蔵タンク19に
貯えられているため、冷蔵庫の寿命期間に相当する期間
の間にわたって揮発し、その揮発成分により庫内空気の
抗菌が行われ、庫内に浮遊する細菌・かび、また食品の
表面細菌・かびを抑制し、庫内全体の食品の鮮度を冷蔵
庫の寿命期間に相当する期間維持できるという効果があ
る。具体的には約100ccの上記混合液で約1年間の
連続使用が可能である。
【0049】冷蔵庫庫内の抗菌率を測定する方法は、直
径4cm円形の栄養培地を冷蔵庫内の代表点の被測定面
に3秒間付着させた後、25℃で24時間培養後、栄養
培地に生育していた菌数を測定する方法である。
【0050】この方法で、上記混合液を供給するパイプ
18と、混合液貯蔵タンク19とを備えた枠部品9とそ
の中の液保持材8を備えた本実施例の場合(条件1)
と、混合液貯蔵タンク19のない場合(条件2)で、菌
数の時系列比較を行った。その結果、本実施例による条
件1の場合は、約1リットルの上記混合液が混合液貯蔵
タンク19にあるため、約10年間の間測定点の抗菌率
{(ブランク測定菌数−各条件測定菌数)/ブランク測
定菌数}で100%近い結果が得られる。一方条件2の
場合は枠部品9中の液保持材8中の混合液のみであり、
約100cc・約1年間の使用の計算で効果が無くな
る。
【0051】このように第4の実施例の冷蔵庫は、混合
液を供給するパイプ18と、約1リットル混合液の入っ
た混合液貯蔵タンク19とを液保持材8に加えて備えて
いるため、イソチオシアン酸エステルが庫内全体に拡散
しても、長期間の間混合液の補給が不要であり、浮遊す
る細菌・かび、また食品の表面に繁殖する細菌・かびを
抑制し、庫内全体の食品の鮮度を長期間維持できるとい
う効果がある。
【0052】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明で
は、ジブチルヒドロキシトルエン等の酸化防止剤をイソ
チオシアン酸エステル等の揮発性抗菌剤に混合した混合
液を液保持材に含浸させるとともに、前記液保持材を装
着固定する枠部品を冷凍室、冷蔵室または野菜室の天面
に配設したので、各庫内の天面に配設した揮発性抗菌剤
が揮発した際に、冷蔵庫庫内の温度分布による対流によ
って、揮発性抗菌剤の拡散が促進され、冷蔵庫庫内全体
にわたる分布が生じ、その揮発性抗菌剤の揮発成分によ
り庫内空気の抗菌が行われ、庫内に浮遊する細菌・か
び、また食品の表面に繁殖する細菌・かびを抑制し、庫
内全体の食品の鮮度を長期間にわたり維持できるという
効果がある。
【0053】また、ジブチルヒドロキシトルエン等の酸
化防止剤をイソチオシアン酸エステル等の揮発性抗菌剤
に混合した混合液を液保持材に含浸させるとともに、前
記液保持材を装着固定する枠部品を風路内または風路近
傍に配設したので、風路内または風路近傍に配設したイ
ソチオシアン酸エステル等の揮発性抗菌剤が揮発した際
に、風路を通ってきたファンの風によって、揮発性抗菌
剤の拡散が促進され、冷蔵庫庫内全体にわたって均一な
分布が生じ、その揮発成分により庫内空気の抗菌が行わ
れ、庫内に浮遊する細菌・かび、また食品の表面に繁殖
する細菌・かびを抑制し、庫内全体の食品の鮮度を長期
間にわたり維持できるという効果がある。
【0054】また、ジブチルヒドロキシトルエン等の酸
化防止剤をイソチオシアン酸エステル等の揮発性抗菌剤
に混合した混合液を液保持材に含浸させるとともに、発
熱素子コントロール部により発熱が制御される発熱素子
を前記液保持材中に埋設し、前記液保持材を装着固定す
る枠部品を風路内または風路近傍に配設したので、発熱
素子のON−OFFでイソチオシアン酸エステル等の揮
発性抗菌剤の拡散が促進され、庫内食品の入れ替え時等
の菌・かびが多量に入ってきた時点でも、冷蔵庫庫内全
体にわたって揮発性抗菌剤の均一な分布が生じ、その揮
発成分により庫内空気の抗菌が行われ、庫内に浮遊する
細菌・かび、また食品の表面に繁殖する細菌・かびを抑
制し、庫内全体の食品の鮮度を長期間にわたり維持でき
るという効果がある。
【0055】また、ジブチルヒドロキシトルエン等の酸
化防止剤をイソチオシアン酸エステル等の揮発性抗菌剤
に混合した混合液を液保持材に含浸させるとともに、前
記液保持材を装着固定する枠部品を庫内に配設し、さら
に、前記混合液を貯蔵する混合液貯蔵タンクを設け、前
記混合液貯蔵タンクの前記混合液をパイプにより前記液
保持材に供給するようにしたので、その揮発成分により
庫内空気の抗菌が行われ、庫内に浮遊する細菌・かび、
また食品の表面に繁殖する細菌・かびを抑制し、庫内全
体の食品の鮮度を冷蔵庫の寿命期間に相当する期間維持
できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す冷蔵庫の断面図
【図2】本発明の第2の実施例を示す冷蔵庫の断面図
【図3】本発明の第3の実施例を示す冷蔵庫の断面図
【図4】本発明の第4の実施例を示す冷蔵庫の断面図
【図5】従来例を示す冷蔵庫の断面図
【符号の説明】
1 冷蔵庫 8 液保持材 9 枠部品 10 天面 12 風路内 13 風路近傍 16 発熱素子 17 発熱素子コントロール部 18 パイプ 19 混合液貯蔵タンク
フロントページの続き (72)発明者 平松 志津 大阪府東大阪市高井田本通4丁目2番5号 松下冷機株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジブチルヒドロキシトルエン等の酸化防
    止剤をイソチオシアン酸エステル等の揮発性抗菌剤に混
    合した混合液を含浸させた液保持材と、冷凍室、冷蔵室
    または野菜室の天面に配設され前記液保持材を装着固定
    する枠部品とを備えた冷蔵庫。
  2. 【請求項2】 ジブチルヒドロキシトルエン等の酸化防
    止剤をイソチオシアン酸エステル等の揮発性抗菌剤に混
    合した混合液を含浸させた液保持材と、風路内または風
    路近傍に配設され前記液保持材を装着固定する枠部品と
    を備えた冷蔵庫。
  3. 【請求項3】 ジブチルヒドロキシトルエン等の酸化防
    止剤をイソチオシアン酸エステル等の揮発性抗菌剤に混
    合した混合液を含浸させた液保持材と、前記液保持材中
    に埋設した発熱素子と、前記発熱素子の発熱を制御する
    発熱素子コントロール部と、風路内または風路近傍に配
    設され前記液保持材を装着固定する枠部品とを備えた冷
    蔵庫。
  4. 【請求項4】 ジブチルヒドロキシトルエン等の酸化防
    止剤をイソチオシアン酸エステル等の揮発性抗菌剤に混
    合した混合液を含浸させた液保持材と、庫内に配設され
    液保持材を装着固定する枠部品と、前記混合液を貯蔵す
    る混合液貯蔵タンクと、前記混合液貯蔵タンクの前記混
    合液を前記液保持材に供給するパイプとを備えた冷蔵
    庫。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005083686A (ja) * 2003-09-10 2005-03-31 Hitachi Home & Life Solutions Inc 冷蔵庫及び鮮度保持材

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