JP2014050781A - 油煙含有排気用脱臭フィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】油煙が含まれる排気を脱臭する脱臭フィルタにおいて、その脱臭性能を長期維持し、且つ油煙の自動酸化分解作用による腐敗臭の発生を抑制することができる油煙含有排気用脱臭フィルタを提供する。
【解決手段】油煙含有排気用脱臭フィルタは、吸着剤及び/又は脱臭剤と、油脂用酸化防止剤とが担体に担持されている。この油煙含有排気用脱臭フィルタは、例えば、分解触媒が担体に担持されているように構成しても良い。これにより、油煙を含む排気を脱臭しても、長期に亘って十分に高い脱臭性能を発揮することができ、且つ付着した油煙の自動酸化による腐敗臭の発生を抑制することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、飲食店において食材を調理する厨房又は金属等を切削する工程を有する産業工場等で発生する油煙が含まれた排気がもたらす臭気を脱臭する油煙含有排気用脱臭フィルタに関する。
飲食店の厨房では、調理時に食用油を使用することにより、厨房で発生する排気には、臭気に加え油煙が含まれる。また、金属等の切削を行っている産業工場では、切削時の摩擦を低減するために切削油を使用することにより、この産業工場で発生する排気には、臭気に加え油煙が含まれる。
この油煙が屋外に漏れることを防ぐために、特許文献1には、吸着剤であるゼオライト及び/又は活性炭と、マンガン酸化物触媒を、無機バインダによって、コルゲートハニカム基材に担持した厨房排気用脱臭フィルタが開示されている。この厨房排気用脱臭フィルタを、そのハニカム開口面が通風方向に向くように、厨房と屋外とを結ぶ排気の流路内に設置する。これにより、この従来技術は、吸着剤であるゼオライト及び/又は活性炭が、油煙及び臭気成分を吸着し、油煙及び臭気成分が屋外に漏れることを防止し、また、マンガン酸化物触媒が、油煙及び臭気分子を酸化分解し、厨房排気用脱臭フィルタの脱臭性能を高めると共に、この吸着剤及びマンガン酸化物触媒を担持する担体を、担体自体が薄くても担体強度を確保できるコルゲートハニカム基材にして、厨房排気用脱臭フィルタの高強度化及び小型化を図ろうとしたものである。
また、油煙が含まれた排気が、脱臭フィルタを通過する際、脱臭フィルタが油煙を吸着することにより、この油煙が脱臭フィルタの通気孔を塞いでしまい、脱臭フィルタの脱臭性能が低下する上、脱臭フィルタに付着した油煙が、自動酸化分解作用を受けて腐敗臭を発生する。このように、油煙が脱臭フィルタに付着すると、厨房又は産業工場で発生する排気が放つ臭気とは異なる臭気が発生し、厨房又は産業工場の近隣に居住する住民からの苦情の原因になっている。
油煙が脱臭フィルタの通気孔を塞ぐことを防止し、また脱臭フィルタに付着した油煙が自動酸化分解作用の一因となる微生物による酸化分解作用を受けて発生させる腐敗臭を除去するため、特許文献2には、孔の直径が4mm以上の通気孔を有する支持体の表面に、ゼオライト及び活性炭に代えて、吸着剤としてセピオライト又はパリゴルスカイトを担持させ、更に、微生物発生抑制材として、水酸化カルシウム又は水酸化ストロンチウムを担持させた脱臭フィルタが、厨房の調理台上のフードと屋外の排気口とを連結するダクト内に設置された厨房排気用脱臭装置が開示されている。この従来技術は、支持体が有する通気孔を4mm以上と大きくして、油煙により通気孔が塞がれてしまうことを防止し、吸着剤であるセピオライト又はパリゴルスカイトが、油煙及び臭気成分を吸着し、脱臭フィルタの脱臭性能を高めようとしたものである。更に、この従来技術は、支持体に担持された混合物に含まれる水酸化カルシウム又は水酸化ストロンチウムが、その強アルカリ性によって、微生物の発生を抑制し、付着した油煙の酸化分解による腐敗臭の発生を防止しようとしたものである。
特開2007−125466号公報 特開2001−218823号公報
特許文献1は、脱臭性能が高く、設置及びメンテナンスが簡便で、安価な厨房排気用脱臭フィルタを提供しようとするものであるが、脱臭フィルタによる脱臭の前処理として、グリスフィルタ、中性能フィルタ又は電気集塵機等を使用して、油煙等の粒子状物質を除去しても、粒径数μm以下の細かい成分を除去することはできず、この細かい成分が脱臭フィルタに付着してしまう。そして、この細かい油煙等の成分が、脱臭フィルタの表面を覆い、脱臭フィルタの脱臭性能が低下し、脱臭フィルタの脱臭性能の長期維持が難しい上、脱臭フィルタに付着した油煙が、自動酸化分解作用を受けて腐敗臭が発生する。
また、特許文献2は、脱臭フィルタの通気孔の直径が4mm以上と大きいため、排気に含まれる油煙物質等が、脱臭フィルタで吸着されることなく通過してしまい、排気と共に屋外に排出されてしまう虞がある。また、この特許文献2は、水酸化カルシウム又は水酸化ストロンチウムの強アルカリ性によって、脱臭フィルタに微生物が発生することを抑制し、油煙の酸化分解による腐敗臭の発生を防止しようとしたものであるが、その腐敗臭発生防止効果は、十分とはいえない。また、特許文献2は、脱臭フィルタの表面が、セピオライト又はパリゴルスカイトに吸着された油煙に覆われて、その脱臭性能が低下し、脱臭フィルタの脱臭性能を維持することが難しい。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、油煙が含まれる排気を脱臭する脱臭フィルタにおいて、その脱臭性能を長期維持し、且つ油煙の自動酸化分解作用による腐敗臭の発生を抑制することができる油煙含有排気用脱臭フィルタを提供することを目的とする。
本発明に係る油煙含有排気用脱臭フィルタは、脱臭剤と、油脂用酸化防止剤とが担体に担持されており、前記脱臭剤は、吸着剤及び/又は消臭剤であり、前記吸着剤は、ゼオライト、疎水性合成ゼオライト、天然ゼオライト、シリカ、アルミナ、石灰、石膏、苦土石灰、水酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト、パーライト、珪藻土、ポルトランドセメント、アルミナセメント、セピオライト、パリゴルスカイト、珪酸アルミニウム、活性白土、活性アルミナ、ベントナイト、タルク、カオリン、マイカ、活性炭、吸水性ポリマー、イオン交換樹脂、キレート材、黒鉛及び木炭からなる群から選択された1種又は2種以上の物質であり、前記消臭剤は、サイクロデキストリン、界面活性剤、ポリフェノール類、カテキン及び植物精油からなる群から選択された1種又は2種以上の物質であり、前記油脂用酸化防止剤は、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンA、カロテン、ポリフェノール類、没食子酸、クロロゲン酸、カテキン、ルチン、タンニン酸、エラグ酸、オイゲノール、ゲラニオール、チモール、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルクレゾール、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキノン、ノルジヒドログアカレチック酸、ローズマリー抽出物、クローブ抽出物、米ぬか抽出物、コーヒー抽出物、セージ抽出物、ハトムギ抽出物及びドクダミ抽出物からなる群から選択された1種又は2種以上の物質であることを特徴とする。
上記油煙含有排気用脱臭フィルタにおいては、例えば、前記脱臭剤は、Mn、Cu、Fe、Zn、Mg、K、Ca、Co、Ba、Sr、Ti、Si及びAlからなる群から選択された1種又は2種以上の元素を含む金属酸化物である分解触媒を含有する。
また、前記脱臭剤が前記吸着剤を含む場合に、前記吸着剤が、Si/Al比が20以上の疎水性合成ゼオライトであるように構成しても良い。
更に、前記脱臭剤は、フィルタ全量の5乃至80質量%であるように構成しても良い。
更にまた、前記脱臭剤が、フィルタ全量の35乃至65質量%であるように構成しても良い。
また、前記脱臭剤の総重量を1とすると、前記油脂用酸化防止剤の重量が、0.01乃至0.5であるように構成しても良い。
更に、前記脱臭剤の総重量を1とすると、前記油脂用酸化防止剤の重量が、0.05乃至0.2であるように構成しても良い。
更にまた、前記分解触媒が、マンガン酸化物又はマンガンを含む複合酸化物であり、BET比表面積が100m/g以上であるように構成しても良い。
また、前記脱臭剤が前記吸着剤を含む場合に、前記吸着剤の重量を1とすると、前記分解触媒の重量が、2以下であるように構成しても良い。
更に、前記脱臭剤が前記吸着剤を含む場合に、前記吸着剤の重量を1とすると、前記分解触媒の重量が、0.1乃至0.5であるように構成しても良い。
更にまた、前記担体が、ハニカム構造体であるように構成しても良い。
また、前記ハニカム構造体は、ハニカムを貫通する孔であるセルを、1平方インチあたり25乃至400個有するように構成しても良い。
本発明によれば、担体に担持された油脂用酸化防止剤が、吸着剤及び/又は消臭剤により除去された油煙物質が自動酸化することを抑制するため、油煙の自動酸化に起因して生成されるアルデヒド又は脂肪酸による腐敗臭の発生を抑制し、長期間脱臭フィルタを使用しても、その脱臭性能を維持することができる。また、更に、担体に分解触媒が含有されている場合、分解触媒が油煙を酸化分解して、油煙が脱臭フィルタの通気孔を塞ぐことを防止し、長期間にわたり、脱臭性能を維持することができる。そして、油脂用酸化防止剤が、油煙の自動酸化により生成されたハイドロパーオキサイドの酸化分解を阻止し、ハイドロパーオキサイドの酸化分解により生成されるアルデヒド又は脂肪酸による腐敗臭の発生を抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態について、具体的に説明する。本実施形態に係る油煙含有排気用脱臭フィルタは、担体に、脱臭剤と、油脂用酸化防止剤とが、担持されているものである。脱臭剤としては、吸着剤と、消臭剤とがあり、更に、分解触媒を添加しても良い。
吸着剤、消臭剤及び分解触媒並びに油脂用酸化防止剤を担持する担体は、圧力損失が低く、大風量を短時間で処理することができるハニカム構造体であることが好ましい。大風量を短時間で処理できるハニカム構造体は、排気に含まれる臭気成分及び油煙が、ハニカム構造体を担体とする脱臭フィルタに蓄積する速度が速く、吸着剤又は消臭剤に、分解触媒及び油脂用酸化防止剤を添加する際の脱臭効果が最も発揮されやすい。このハニカム構造体には、吸着剤、無機可塑剤又は有機可塑剤を混練し、鋳込み成型又は押出成型したもの、セラミック又はアルミペーパーをコルゲート加工又は展張したもの等が含まれる。このように、担体の材質は、セラミック又はアルミニウムの他に、紙、段ボール又は無機繊維等でもよく、特に、不燃性又は難燃性を有するものが好ましい。
また、担体がハニカム構造体である場合、ハニカム構造体は、ハニカムを貫通する孔であるセルを、1平方インチあたり25乃至400個有することが好ましい。セル数が、25セル/inchを下回ると、孔の大きさが大きくなるため、排気に含まれる油煙物質等が、脱臭フィルタで吸着されることなく通過してしまい、十分な脱臭効果が得られない。セル数が、400セル/inchを上回ると、油煙がハニカム端面に付着して目詰まりを引き起こす。更に好ましくは、ハニカム構造体は、セルを、1平方インチあたり80乃至350個有するものであり、これにより、価格に優れ、且つ高い脱臭効果を得ることができる。
次に、吸着剤について説明する。吸着剤の消臭メカニズムは、多孔質物質における孔に、悪臭となる臭気分子を物理的に吸着し、排気から、排気に含まれる臭気分子を除去するものである。本実施形態にて使用する吸着剤としては、ゼオライト、疎水性合成ゼオライト、天然ゼオライト、シリカ、アルミナ、石灰、石膏、苦土石灰、水酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト、パーライト、珪藻土、ポルトランドセメント、アルミナセメント、セピオライト、パリゴルスカイト、珪酸アルミニウム、活性白土、活性アルミナ、ベントナイト、タルク、カオリン及びマイカ等の無機多孔質体が挙げられる。また、本実施形態に係る油煙含有排気用脱臭フィルタの吸着剤としては、活性炭、吸水性ポリマー、イオン交換樹脂、キレート材、黒鉛及び木炭等の有機多孔質体が挙げられる。本実施形態においては、これらの無機多孔質体及び有機多孔質体の吸着剤から選択された1種又は2種以上の吸着剤を、担体に担持させる。
吸着剤は、食材を調理する厨房又は金属等を切削する産業工場で発生する油煙を含有する排気には、水分が比較的多く含有されるため、常温下で相対湿度が60乃至85Rh%である場合においても、アルデヒド類、脂肪酸、炭化水素、アルコール類、ケトン類又はエステル類といった臭気分子を、長期間にわたり高効率で吸着するために、Si/Al比が20以上である疎水性合成ゼオライトであることが好ましい。この疎水性合成ゼオライトは、不燃性無機材料であるため、厨房がある飲食店の火災を予防する観点からも好ましい。
また、本実施形態にて使用する油脂用酸化防止剤としては、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンA、カロテン、ポリフェノール類、没食子酸、クロロゲン酸、カテキン、ルチン、タンニン酸、エラグ酸、オイゲノール、ゲラニオール、チモール、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルクレゾール、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキノン、ノルジヒドログアカレチック酸、ローズマリー抽出物、クローブ抽出物、米ぬか抽出物、コーヒー抽出物、セージ抽出物、ハトムギ抽出物及びドクダミ抽出物が挙げられる。本実施形態においては、これらの油脂用酸化防止剤から選択された1種又は2種以上の油脂用酸化防止剤を、担体に担持させる。この油脂用酸化防止剤としては、ビタミンE、ローズマリー抽出物又はその両方であることが好ましい。
次に、吸着剤と油脂用酸化防止剤とが、担体に担持された油煙含有排気用脱臭フィルタの動作について説明する。吸着剤は、食材を調理する厨房又は金属等を切削する産業工場で発生する油煙を含有する排気に多く含まれるアルデヒド類、脂肪酸、炭化水素、アルコール類、ケトン類又はエステル類といった臭気分子を高効率で吸着することができる。そして、この吸着剤は、臭気分子と共に油煙物質を吸着する。この油煙物質は、長期間空気にさらされると、湿気、熱、光、金属イオン、微生物又は酵素等の作用によって、空気中の酸素と結合し、酸化反応を起こす。この酸素は、油煙物質中の不飽和脂肪酸に吸収され、不安定な過酸化物(パーオキサイド)が生成され、これが転位して、不飽和のハイドロパーオキサイド(R−O−O−H)が生成される。この現象は、自動酸化といわれている。このハイドロパーオキサイドが更に酸化分解されると、アルデヒド又は脂肪酸が生成され、これらが腐敗臭を放つ。油脂用酸化防止剤は、油脂用酸化防止剤自体が酸化されることにより、油煙物質が酸化されることを防止する。これにより、油煙物質が酸化することによって発生する腐敗臭を抑制することができる。
次に、消臭剤について説明する。消臭剤の消臭メカニズムとして、化学脱臭法及びマスキングがある。化学脱臭法は、酸化、中和、付加反応及び包接作用等を利用する脱臭法であり、マスキングは、香料等の芳香を利用する脱臭法である。本実施形態に係る消臭剤としては、サイクロデキストリン、界面活性剤、ポリフェノール類、カテキン及び植物精油等が挙げられる。このうち、サイクロデキストリン、界面活性剤、ポリフェノール類及びカテキンは包接作用を有し、植物精油は、マスキング効果を有する。この植物精油には、例えば、ローズ又はミント等がある。本実施形態においては、これらの消臭剤から選択された1種又は2種以上の消臭剤を、担体に担持させる。
次に、消臭剤と油脂用酸化防止剤とが、担体に担持された油煙含有排気用脱臭フィルタの動作について説明する。消臭剤が、サイクロデキストリン、界面活性剤、ポリフェノール類及びカテキン等の包接作用を有する物質である場合、消臭剤は、排気に含まれる臭気分子を包み込む。そして、この消臭剤は、臭気分子と共に油煙物質を包み込む。また、消臭剤が、植物精油等のマスキング効果を有する物質である場合、消臭剤は、臭気分子の臭いよりも強い芳香成分で、その臭いを覆い隠すと共に、油煙物質を覆い隠す。油煙酸化防止剤は、油煙酸化防止剤自体が酸化されることにより、包み込んだ油煙物質又は覆い隠した油煙物質が、湿気、熱、光、金属イオン、微生物又は酵素等の作用によって、空気中の酸素と結合して酸化反応を起こすことを防止する。これにより、油煙物質が酸化することによって発生する腐敗臭を抑制することができる。
次に、脱臭剤の中に、分解触媒を混合した実施形態の脱臭フィルタについて、説明する。本実施形態にて使用する分解触媒としては、Mn、Cu、Fe、Zn、Mg、K、Ca、Co、Ba、Sr、Ti、Si及びAl等の金属酸化物が挙げられ、又は、Mn、Cu、Fe、Zn、Mg、K、Ca、Co、Ba、Sr、Ti、Si及びAl等から選択された2種以上の金属が複合体となった金属複合酸化物が挙げられる。本実施形態においては、これらの金属から選択された1種又は2種以上の元素からなる金属酸化物である分解触媒を、担体に担持させることが好ましい。更に、分解触媒は、常温下において、油の酸化分解力が高いマンガン酸化物であることが好ましく、そのBET比表面積が100m/g以上であることが好ましい。このマンガン酸化物触媒は、アルデヒド類の酸化分解効果が高く、脱臭性能に優れるものである。
次に、吸着剤及び/又は消臭剤と分解触媒と油脂用酸化防止剤とが、担体に担持された油煙含有排気用脱臭フィルタの動作について説明する。吸着剤は、食材を調理する厨房又は金属等を切削する産業工場で発生する油煙を含有する排気に多く含まれるアルデヒド類、脂肪酸、炭化水素、アルコール類、ケトン類又はエステル類といった臭気分子を高効率で吸着することができる。また、消臭剤は、サイクロデキストリン、界面活性剤、ポリフェノール類及びカテキン等の包接作用を有する物質の場合、排気に含まれる臭気分子を包み込む。そして、分解触媒は、この臭気分子を酸化分解することに加えて、油煙を酸化分解して低分子化する作用を有する。この分解触媒は、油煙の自動酸化作用により、油煙から水素が抜け、脱水素フリーラジカルが生成されることを促進し、この生成されたフリーラジカルが、他の分子から電子を奪って酸化させようとする。つまり、分解触媒は、脱水素フリーラジカルの生成を促進することによって、油煙の自動酸化反応を促進する。これにより、油煙は酸化されるので、油煙が脱臭フィルタの通気孔を塞ぐことが防止され、その結果、油煙が吸着剤の表面を覆い尽くすことを防止し、長期間にわたり、脱臭性能を維持することができる。また、油脂用酸化防止剤は、脱臭フィルタを使用していく間に油煙の自動酸化により生成されたハイドロパーオキサイド(R−O−O−H)の分解を阻止し、アルデヒド又は脂肪酸の生成が抑えられるため、油煙の自動酸化に起因するアルデヒド又は脂肪酸による腐敗臭の発生を抑制し、長期間脱臭フィルタを使用しても、その脱臭性能を維持することができると考えられる。
脱臭剤として、吸着剤及び/又は消臭剤を含み、更に、必要に応じて分解触媒を含む場合、その脱臭剤の各成分量を合計した総量が、フィルタ全量の5質量%を下回ると、脱臭フィルタの脱臭性能が著しく低下し、吸着剤、消臭剤及び分解触媒の各量を合計した総量が、フィルタ全量の80質量%を上回ると、吸着剤、消臭剤又は分解触媒が、例えばハニカム基材のような担体に、大量に添着し、吸着剤、消臭剤又は分解触媒が担体から剥離する原因となる。従って、吸着剤及び/又は消臭剤を含み、更に、必要に応じて分解触媒を含む脱臭剤の各量を合計した総量が、フィルタ全量の5乃至80質量%であることが好ましい。更に好ましくは、吸着剤、消臭剤又は分解触媒の各重量を合計した総量が、フィルタ全量の35乃至65質量%であり、これにより、価格に優れ、且つ高い脱臭効果を得ることができる。
脱臭剤として、吸着剤及び/又は消臭剤を含み、更に、必要に応じて分解触媒を含む場合、その脱臭剤の各成分の重量を合計した総重量を1として、油脂用酸化防止剤の重量が0.01を下回ると、油煙の自動酸化分解を抑制する効果が発揮されず、油脂用酸化防止剤の重量が0.5を上回ると、吸着剤、消臭剤、分解触媒又は油脂用酸化防止剤が、例えばハニカム基材のような担体に添着される量には限界があり、油脂用酸化防止剤に対し吸着剤、消臭剤又は分解触媒の担体添着量が少ないため、脱臭フィルタの脱臭性能が著しく低下する。従って、吸着剤及び/又は消臭剤を含み、更に、必要に応じて分解触媒を含む脱臭剤の各重量を合計した総重量を1とすると、油脂用酸化防止剤の重量が、0.01乃至0.5であることが好ましい。更に好ましくは、吸着剤、消臭剤又は分解触媒の各重量を合計した総重量を1とすると、油脂用酸化防止剤の重量が、0.05乃至0.2であり、これにより、価格に優れ、且つ油脂の自動酸化による腐敗臭の発生の抑制効果を高めることができる。
また、脱臭剤が吸着剤を含む場合、例えば疎水性合成ゼオライトのような吸着剤の重量を1とすると、分解触媒の重量が2以下の割合であることが好ましい。吸着剤の重量を1として、分解触媒の重量が、2を上回ると、油煙を酸化分解して生成させるアルデヒド類の生成速度が速くなり過ぎ、吸着剤により吸着した油煙を、分解触媒により酸化分解して生成されるアルデヒド類の発生を、油脂用酸化防止剤で抑制することができず、吸着剤及び油脂用酸化防止剤の複合相乗効果を得ることができない。更に好ましくは、吸着剤の重量を1とすると、分解触媒の重量が0.1乃至0.5であり、これにより、脱臭性能を長期間維持しながら、油煙の自動酸化による腐敗臭の発生の抑制効果を高めることができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明の効果について説明する。
(実施例1)
200セル/inchのセラミックコルゲートハニカム基材に、疎水性合成ゼオライト(吸着剤)と、ビタミンEを主成分とする油脂用酸化防止剤とを、無機バインダと水に分散させて含浸添着した。次に、この含浸添着したものを100℃の電気乾燥炉で乾燥させ、油煙含有排気用脱臭フィルタを作製した。担体には、疎水性合成ゼオライトが36質量%含まれ、ビタミンEを主成分とする油脂用酸化防止剤が2質量%含まれる。
吸着剤、消臭剤及び分解触媒並びに油脂用酸化防止剤を、ハニカム基材のような担体に接着する際に使用するバインダは、吸着剤又は分解触媒等の表面を覆い尽くさずに、脱臭性能の劣化を最小限とする無機系が好ましく、無機バインダとしては、水を分散媒とするシリカゾル、アルミナゾル、ジルコニアゾル及びセリアゾルが挙げられる。
(実施例2)
実施例1と同様のセラミックコルゲートハニカム基材(200セル/inch)に、吸着剤として疎水性合成ゼオライトと、分解触媒としてマンガン酸化物と、油脂用酸化防止剤としてビタミンEを、無機バインダと水に分散させて含浸添着した。これを、電気乾燥炉(100℃)を用いて乾燥させ、脱臭フィルタを作製した。つまり、この実施例2は、担体にマンガン酸化物を加えて含浸添着したこと以外は、実施例1と同じである。担体には、疎水性合成ゼオライトが27質量%含まれ、マンガン酸化物が9質量%含まれ、ビタミンEを主成分とする油脂用酸化防止剤が2質量%含まれる。
(実施例3)
実施例1で使用したハニカム基材に、消臭剤としてサイクロデキストリンを使用し、これと、ビタミンEを主成分とする油脂用酸化防止剤とを、無機バインダと水に分散させて含浸添着した。次に、この含浸添着したものを100℃の電気乾燥炉で乾燥させ、油煙含有排気用脱臭フィルタを作製した。担体には、サイクロデキストリンが10質量%含まれ、ビタミンEを主成分とする油脂用酸化防止剤が2質量%含まれる。
(比較例1)
実施例1乃至3と同様に、ハニカムのセル数が1平方インチ当たり200個のセラミック製コルゲートハニカム基材に、吸着剤として疎水性合成ゼオライトのみを、無機バインダと水に分散させて含浸添着した。これを、実施例1乃至3と同様に乾燥させ、油煙含有排気用脱臭フィルタを作製した。担体には、疎水性合成ゼオライトが38質量%含まれる。
(比較例2)
上記の比較例1と同様のハニカム基材に、疎水性合成ゼオライトと、マンガン酸化物とを、無機バインダと水に分散させて含浸添着した。次に、この含浸添着したものを100℃の電気乾燥炉で乾燥させ、油煙含有排気用脱臭フィルタを作製した。つまり、この比較例2は、担体にマンガン酸化物を加えて含浸添着したこと以外は、比較例1と同じである。担体には、疎水性合成ゼオライトが27質量%含まれ、マンガン酸化物が9質量%含まれる。
(比較例3)
200セル/inchのセラミックコルゲートハニカム基材に、サイクロデキストリン(消臭剤)のみを、無機バインダと水に分散させて含浸添着し、これを100℃の電気乾燥炉で乾燥させ、油煙含有排気用脱臭フィルタを作製した。担体には、サイクロデキストリンが10質量%含まれる。
実施例1乃至3の脱臭フィルタと比較例1乃至3の脱臭フィルタとを、揚げ物調理が多い厨房からの排気の流路に設置し、この臭気成分を含む厨房からの排気において、実施例1乃至3の脱臭フィルタと比較例1乃至3の脱臭フィルタとの初期及び稼働2カ月後の臭気濃度による脱臭性能を測定した。臭気濃度は、三点比較式臭い袋法により測定し、脱臭性能は、次式にて算出した。
Figure 2014050781
測定結果を表1に示す。なお、フィルタ単位体積当たりの風速である空間速度SVは、32000h−1とした。
Figure 2014050781
表1に示すように、吸着剤と油脂用酸化防止剤とを含む実施例1は、吸着剤のみを含む比較例1よりも、稼働2カ月後の脱臭性能が高く、脱臭性能の維持性に優れていた。これは、油脂用酸化防止剤の添加によって、フィルタに付着した油煙の自動酸化を防止し、油煙の自動酸化による腐敗臭が低減されたためと考えられる。また、吸着剤と油脂用酸化防止剤に分解触媒を加えた実施例2は、実施例1及び比較例1よりも、初期脱臭性能が高い上、稼働2カ月後の脱臭性能も高く、脱臭性能及びその維持性に優れていた。これは、分解触媒と油脂用酸化防止剤の両方を添加したことによる相乗効果により、油煙の自動酸化による腐敗臭が低減されると共に、担体の細孔に添着した吸着剤の表面が油煙に覆い尽くされることなく、脱臭性能が長期的に維持されたためと考えられる。
また、疎水性合成ゼオライト(吸着剤)と分解触媒とを含む比較例2は、疎水性合成ゼオライト(吸着剤)のみを含む比較例1よりも、初期脱臭性能は高かったが、稼働2カ月後の脱臭性能は低下した。これは、分解触媒による油煙及び臭気成分の酸化分解によって脱臭フィルタ出口の臭気が増加したことにより、一時的に脱臭性能が低下したためと考えられる。また、サイクロデキストリン(消臭剤)と分解触媒とを含む実施例3は、サイクロデキストリン(消臭剤)のみを含む比較例3よりも、稼働2カ月後の脱臭性能が高く、脱臭性能の維持性に優れていた。
次に、実施例1乃至3の稼働2カ月後の脱臭フィルタと比較例1乃至3の稼働2カ月後の脱臭フィルタに、無臭に近い空気のみを通気し、その脱臭フィルタ出口の臭気において、GC−MS分析装置(島津製GC−MSQP−2010Plus)にて成分分析を実施した。厨房からの排気に含まれる臭気成分のうち、不快臭の多いアルデヒド類の一つであるヘキシルアルデヒドの濃度を、GC−MSクロマトグラムにより比較した。測定結果を表2に示す。
Figure 2014050781
表2に示すように、油脂用酸化防止剤が添加されていない比較例1乃至3よりも、油脂用酸化防止剤が添加されている実施例1乃至3は、ヘキシルアルデヒドの発生量が少ない。このことから、油脂用酸化防止剤の添加により、ヘキシルアルデヒドの発生が抑制されると考えられる。また、油脂用酸化防止剤が添加されておらず、分解触媒も添加されていない比較例1よりも、油脂用酸化防止剤が添加されておらず、分解触媒が添加されている比較例2は、ヘキシルアルデヒドの発生量が多い。これは、分解触媒による油煙の酸化分解によって、担体の細孔が油煙に塞がれることを防止してはいるが、油煙の酸化分解により発生するヘキシルアルデヒドの量が増加したためと考えられる。
一方、油脂用酸化防止剤と分解触媒とが添加された実施例2は、油脂用酸化防止剤が添加され、分解触媒が添加されていない実施例1よりも、ヘキシルアルデヒドの発生量は少なかった。これは、分解触媒によって油煙が酸化分解されて生成されるハイドロパーオキサイドR−O−O−Hが、油脂用酸化防止剤の添加により、更に分解されて不快臭となるアルデヒド又は脂肪酸になることが阻止されたためと考えられる。
次に、実施例1乃至3と同様のセラミックコルゲートハニカム基材(200セル/inch)に、吸着剤として、パリゴルスカイトを使用した脱臭フィルタを作製した。先ず、ハニカム基材に担持する物質を、パリゴルスカイト,Mn酸化物(分解触媒),ビタミンE(油脂用酸化防止剤)としたものを実施例4とした。含有量は、夫々パリゴルスカイトを27質量%、Mn酸化物を9質量%、ビタミンEを2質量%とした。そして、この実施例4と比較する対象として、担持物質を、パリゴルスカイトのみ(38質量%)としたものを比較例4とし、また、パリゴルスカイト(27質量%),Mn酸化物(9質量%)を担体に担持したものを比較例5とした。この実施例4と比較例4及び5とを、実施例1乃至3と同様に、厨房排気の流路に設置し、その初期及び稼働2カ月後の臭気濃度による脱臭性能を測定した。この測定結果を表3に示す。
Figure 2014050781
表3に示すように、吸着剤、分解触媒及び油脂用酸化防止剤を担持した実施例4は、比較例4(吸着剤のみ)及び比較例5(吸着剤及び分解触媒)よりも、2カ月稼働後の脱臭性能が高かった。このように、吸着剤としてパリゴルスカイトを選択した場合も、実施例1及び2において疎水性合成ゼオライトを使用した場合と同様に、油脂用酸化防止剤を添加することにより、脱臭維持性能を向上させることができた。
次に、脱臭フィルタに使用する消臭剤をカテキンとしたものを作製した。担体は、実施例1乃至3と同様に、200セル/inchのセラミックコルゲートハニカム基材とした。このハニカム基材に、カテキンを担持し、分解触媒としてMn酸化物を添加し、油脂用酸化防止剤としてビタミンEを添加して、実施例5とした。カテキンの含有量は、10質量%である。また、Mn酸化物を9質量%、ビタミンEを2質量%含有した。また、カテキンのみを10質量%担持したものを比較例6、カテキン(10質量%)とMn酸化物(9質量%)とを担持したものを比較例7とした。測定方法は、実施例1乃至3と同様である。測定結果を表4に示す。
Figure 2014050781
表4に示すように、カテキン(消臭剤)に、分解触媒及び油脂用酸化防止剤を添加した実施例5は、カテキンのみの比較例6及びカテキンに分解触媒を添加した比較例7よりも、稼働2カ月後の脱臭性能が良好であった。消臭剤としてサイクロデキストリンを使用した実施例3では、油脂用酸化防止剤の添加により、脱臭性能を維持できたが、この実施例5において、消臭剤としてカテキンを使用した場合も、サイクロデキストリンを使用した場合と同様に、脱臭性能を維持できた。
実施例1乃至5では、油脂用酸化防止剤として、ビタミンEを用いていたが、次に、油脂用酸化防止剤をゲラニオールとして、これを担体に担持させた脱臭フィルタを作製した。吸着剤として疎水性合成ゼオライトを担持させ、更にゲラニオールを担持させたものを実施例6とした。また、疎水性合成ゼオライトとMn酸化物(分解触媒)とゲラニオールとを担体に担持させたものを実施例7とした。使用する担体は、実施例1乃至3と同様に、セラミック製のコルゲートハニカム基材であり、そのハニカムのセル数が1平方インチ当たり200個のものである。なお、疎水性合成ゼオライトの含有量は、実施例6及び7のいずれも27質量%であり、ゲラニオールの含有量は、実施例6及び7のいずれも2質量%である。また、実施例7では、Mn酸化物の含有量を9質量%とした。この実施例6及び7を、実施例1乃至3と同様の測定方法で、その脱臭性能を測定した。測定結果を表5に示す。なお、比較のため、疎水性合成ゼオライトのみを担持させた比較例1の測定結果と、疎水性合成ゼオライトとMn酸化物とを担持させた比較例2の測定結果とを、合わせて表5に示す。
Figure 2014050781
表5に示すように、吸着剤(疎水性合成ゼオライト)にゲラニオールを添加した実施例6は、吸着剤のみの比較例1よりも、稼働2カ月後の脱臭性能に優れる。この脱臭性能を維持する効果は、吸着剤にビタミンEを添加した実施例1でも同様に得られたものである。また、吸着剤と分解触媒とゲラニオールを担持させた実施例7は、この実施例6,比較例1よりも、稼働2カ月後の脱臭性能が高かった。これも、吸着剤と分解触媒にビタミンEを添加した実施例2で得られた性能維持効果と同様である。このように、油脂用酸化防止剤としてゲラニオールを添加する場合も、ビタミンE添加の場合と同様に、脱臭維持性能を向上させることにおいて、高い効果が得られた。
次に、分解触媒として、Zn酸化物を使用した脱臭フィルタを作製した。担体は、実施例1乃至3と同様に、200セル/inchのセラミックコルゲートハニカム基材である。Zn酸化物、疎水性合成ゼオライト(吸着剤)及びビタミンE(油脂用酸化防止剤)を担体に担持させた実施例8と、この実施例8と比較するために、Zn酸化物及び疎水性合成ゼオライトを担持させた比較例8とを、厨房からの排気経路に設置し、実施例1乃至3と同様の測定を行った。含有量は、実施例8及び比較例8のいずれも、疎水性合成ゼオライトが27質量%、Zn酸化物が9質量%である。また、実施例8では、ビタミンEを2質量%含有した。この測定結果を表6に示す。なお、疎水性合成ゼオライトのみを担持させた比較例1も、本実施例と比較するために、表6に示す。
Figure 2014050781
表6に示すように、分解触媒としてZn酸化物を使用した場合、このZn酸化物とビタミンEを吸着剤に添加した実施例8は、吸着剤のみの比較例1及び吸着剤とZn酸化物とを担持させた比較例8と比較して、2カ月稼働した後の脱臭性能が良好であった。このように、分解触媒としてZn酸化物を選択しても、Mn酸化物を分解触媒とした実施例1と同様に、油脂用酸化防止剤を添加することによって、脱臭性能を維持することができた。
次に、吸着剤と消臭剤の両方を担体に担持させ、これに油脂用酸化防止剤を添加した脱臭フィルタを作製し、実施例1乃至3と同様の測定を行った。その際、吸着剤を疎水性合成ゼオライト(14質量%)、消臭剤をサイクロデキストリン(5質量%)とし、これらを担持させる担体を実施例1乃至3と同様のハニカム基材とした。油脂用酸化防止剤は、ビタミンEとし、これを2質量%含有した。このように作製した実施例9の測定結果を表7に示す。なお、比較のため、疎水性合成ゼオライトのみである比較例1とサイクロデキストリンのみである比較例3とを、表7に合わせて示す。
Figure 2014050781
表7に示すように、吸着剤と消臭剤の両方を含み、油脂用酸化防止剤を添加した実施例9は、比較例1及び3よりも、稼働2カ月後の脱臭性能が向上した。このように、油脂用酸化防止剤添加による脱臭性を維持させる効果は、吸着剤と消臭剤の両方を使用した脱臭フィルタにおいても、得ることができた。
次に、本発明の必須添加物質である吸着剤又は消臭剤を添加していない比較例を示す。先ず、油脂用酸化防止剤であるゲラニオールのみを2質量%担体に担持させた脱臭フィルタを比較例9とした。次に、担体に分解触媒のみを担持させた脱臭フィルタにおいて、分解触媒をマンガン酸化物(9質量%)としたものを比較例10とし、またこの分解触媒を亜鉛酸化物(9質量%)としたものを比較例11とした。これらの脱臭フィルタを実施例1乃至3と同様に、排気流路に設置して、その脱臭性能を測定した。この測定結果を表8に示す。なお、ゲラニオールと共に吸着剤(疎水性合成ゼオライト)を担持させた実施例6、Mn酸化物と共に吸着剤(疎水性合成ゼオライト)と油脂用酸化防止剤(ビタミンE)とを担持させた実施例2及びZn酸化物,吸着剤(疎水性合成ゼオライト),油脂用酸化防止剤(ビタミンE)を担持させた実施例8も、表8に示す。
Figure 2014050781
表8に示すように、油脂用酸化防止剤又は分解触媒を、単独で担持させた比較例9乃至11は、いずれもその脱臭性能が低い。これに対し、油脂用酸化防止剤に吸着剤を担持させた実施例6及び分解触媒に吸着剤と油脂用酸化防止剤とを担持させた実施例2,8は、初期脱臭性能が高い上、稼働2カ月後の脱臭性能も高いため、その脱臭性能の維持性が優れている。
次に、200セル/inchのセラミックコルゲートハニカム基材に、疎水性合成ゼオライト(吸着剤)と、マンガン酸化物(分解触媒)と、油脂用酸化防止剤とを、無機バインダと水に分散させて含浸添着したものにおいて、油脂用酸化防止剤の種類を変えて実施例10乃至16を得た。油脂用酸化防止剤の含有量は、いずれも2質量%であるが、実施例11においては、ビタミンE及びローズマリー抽出物を夫々1質量%含有し、合わせて2質量%とした。また、吸着剤の含有量は27質量%とし、分解触媒の含有量は9質量%とした。なお、油脂用酸化防止剤をビタミンEとするものは、前述の実施例2である。つまり、実施例10乃至16は、油脂用酸化防止剤の種類を変えたこと以外は、実施例2と同じである。この実施例10乃至16の脱臭フィルタを、厨房からの排気の流路に設置し、この臭気成分を含む厨房からの排気において、実施例10乃至16の初期及び稼働2カ月後の臭気濃度による脱臭性能を測定した。測定結果を表9に示す。なお、表9には、実施例2及び比較例2の測定結果も合わせて示す。
Figure 2014050781
表9に示すように、油脂用酸化防止剤が添加されている実施例2及び10乃至16は、油脂用酸化防止剤が添加されていない比較例2よりも、稼働2カ月後の脱臭性能は高く、油脂用酸化防止剤の添加効果が確認された。また、ビタミンEが添加された実施例2と、ローズマリー抽出物が添加された実施例10と、ビタミンE及びローズマリー抽出物が添加された実施例11は、実施例12乃至16及び比較例2よりも、稼働2カ月後の脱臭性能が顕著に高かった。従って、油脂用酸化防止剤として、ビタミンE、ローズマリー抽出物又はその両方を添加することが好ましい。
次に、実施例10乃至16の稼働2カ月後の脱臭フィルタに、無臭に近い空気のみを通気し、その脱臭フィルタ出口の臭気において、GC−MS分析装置(島津製GC−MSQP−2010Plus)にて成分分析を実施した。そして、ヘキシルアルデヒドの濃度を、GC−MSクロマトグラムにより比較した。測定結果を表10に示す。なお、表10には、実施例2及び比較例2の測定結果も合わせて示す。
Figure 2014050781
表10に示すように、油脂用酸化防止剤が添加されている実施例2及び実施例10乃至16は、油脂用酸化防止剤が添加されていない比較例2よりも、ヘキシルアルデヒドの発生量が著しく低く、様々な油脂用酸化防止剤について、ヘキシルアルデヒド発生を抑制する効果が確認された。また、ビタミンEが添加された実施例2と、ローズマリー抽出物が添加された実施例10と、ビタミンE及びローズマリー抽出物が添加された実施例11は、その他の油脂用酸化防止剤が添加された実施例12乃至16よりも、ヘキシルアルデヒドの発生量が著しく低かった。このように、ヘキシルアルデヒドの発生低減の観点からも、油脂用酸化防止剤として、ビタミンE、ローズマリー抽出物又はその両方を添加することが好ましい。
次に、200セル/inchのセラミックコルゲートハニカム基材に、吸着剤と、マンガン酸化物(分解触媒)と、ビタミンEを主成分とする油脂用酸化防止剤とを、無機バインダと水に分散させて含浸添着したものにおいて、吸着剤の種類を変えて実施例17乃至22を得た。このうち、実施例17乃至19は、吸着剤を疎水性合成ゼオライトとし、そのSi/Al比を変えている。なお、吸着剤を疎水性合成ゼオライトとし、そのSi/Al比が500以上であるものは、前述の実施例2である。含有量は、実施例17乃至22のいずれも、吸着剤:27質量%、分解触媒:9質量%、油脂用酸化防止剤:2質量%である。この実施例17乃至22の脱臭フィルタを、厨房からの排気の流路に設置し、この臭気成分を含む厨房からの排気において、実施例17乃至22の初期及び稼働2カ月後の臭気濃度による脱臭性能を測定した。測定結果を表11に示す。なお、表11には、実施例2の測定結果も合わせて示す。
Figure 2014050781
表11に示すように、吸着剤をSi/Al比が20以上の疎水性合成ゼオライトとする実施例2、17及び18は、Si/Al比が20を下回る疎水性合成ゼオライト又はその他の吸着剤を含む実施例19乃至22よりも、初期脱臭性能及び稼働2カ月後の脱臭性能が高かった。これは、Si/Al比の高さに応じて、吸着表面の疎水性が上昇するものであり、厨房からの排気のような油煙含有排気には、排気全体に水蒸気が多く含まれ、このような油煙含有排気には、水分影響を受けにくい高い疎水性を有する(Si/Al比が高い)吸着剤がもっとも適しているためと考えられる。
次に、吸着剤、分解触媒又は消臭剤の種類及び脱臭フィルタ全体に対する割合を変えて実施例23乃至40を得た。油脂用酸化防止剤の割合は、2質量%である。表における脱臭剤とは、吸着剤及び/又は消臭剤を含み、更に、必要に応じて分解触媒を含むものである。これは、以下の表においても同様である。この実施例23乃至40の脱臭フィルタを、厨房からの排気の流路に設置し、この臭気成分を含む厨房からの排気において、実施例23乃至40の初期及び稼働2カ月後の臭気濃度による脱臭性能を測定した。測定結果を表12に示す。また、表12には、脱臭剤と、それに含まれる物質の含有量も合わせて示す。
Figure 2014050781
表12に示すように、いずれの脱臭剤(吸着剤、消臭剤又は分解触媒)も、脱臭剤の割合が脱臭剤全体に対し5乃至80質量%である実施例26乃至37が、高い脱臭性能を示すことが確認された。特に、脱臭剤の割合が脱臭剤全体に対し35乃至65質量%である実施例29乃至34が、更に高い脱臭性能を示すことが確認された。
次に、脱臭剤(吸着剤、消臭剤又は分解触媒)の種類及び脱臭フィルタ全体に対する割合を変え、油脂用酸化防止剤の脱臭フィルタ全体に対する割合を変えて実施例41乃至64及び比較例12を得た。この実施例41乃至64及び比較例12の脱臭フィルタを、厨房からの排気の流路に設置し、この臭気成分を含む厨房からの排気において、実施例41乃至64及び比較例12の初期及び稼働2カ月後の臭気濃度による脱臭性能を測定した。測定結果を表13に示す。
Figure 2014050781
表13に示すように、脱臭剤(吸着剤、消臭剤又は分解触媒)の割合が脱臭剤全体に対し5乃至80質量%である場合、脱臭剤の各重量を合計した総重量を1とすると、油脂用酸化防止剤の重量が0.01乃至0.5である実施例42乃至45、実施例48乃至51、実施例54乃至57及び実施例60乃至63が、初期脱臭性能及び稼働2カ月後の脱臭性能のいずれも良好であった。特に、脱臭剤の各重量を合計した総重量を1とすると、油脂用酸化防止剤の重量が、0.05乃至0.2である実施例43,44、実施例49,50、実施例55,56、実施例61,62が、初期脱臭性能及び稼働2カ月後の脱臭性能のいずれも更に良好であった。
次に、200セル/inchのセラミックコルゲートハニカム基材に、疎水性合成ゼオライト(27質量%)と、分解触媒(9質量%)と、ビタミンEを主成分とする油脂用酸化防止剤(2質量%)とを、無機バインダと水に分散させて含浸添着したものにおいて、分解触媒の種類及びそのBET比表面積を変えて実施例65乃至71を得た。なお、分解触媒がマンガン酸化物であり、そのBET比表面積が200m/gであるものが、前述の実施例2である。この実施例65乃至71の脱臭フィルタを、厨房からの排気の流路に設置し、この臭気成分を含む厨房からの排気において、実施例65乃至71の初期及び稼働2カ月後の臭気濃度による脱臭性能を測定した。測定結果を表14に示す。なお、表14には、実施例2の測定結果も合わせて示す。
Figure 2014050781
表14に示すように、BET比表面積が100m/g以上のマンガン酸化物又はマンガンを含む複合酸化物を分解触媒とする実施例2及び65乃至67は、BET比表面積が100m/gを下回るマンガン酸化物を分解触媒とする実施例68、又はその他の金属酸化物を分解触媒とする実施例69乃至71よりも、初期脱臭性能及び稼働2カ月後の脱臭性能のいずれも良好であった。これは、分解触媒のBET比表面積の高さに応じて、分解触媒の酸化活性が高まるので、分解触媒は、マンガン酸化物又はマンガンを含む複合酸化物であり、そのBET比表面積が100m/g以上であるものが、厨房からの排気のような油煙含有排気の脱臭にもっとも適しているためと考えられる。
次に、吸着剤の脱臭フィルタ全体に対する割合を変え、分解触媒の吸着剤に対する割合を変えて実施例72乃至81を得た。油脂用酸化防止剤の割合は、2質量%である。この実施例72乃至81の脱臭フィルタを、厨房からの排気の流路に設置し、この臭気成分を含む厨房からの排気において、実施例72乃至81の初期及び稼働2カ月後の臭気濃度による脱臭性能を測定した。測定結果を表15に示す。
Figure 2014050781
表15に示すように、吸着剤の重量を1とすると、分解触媒の重量が2以下である実施例72乃至75及び実施例77乃至80が、初期脱臭性能及び稼働2カ月後の脱臭性能のいずれも高いことが確認された。特に、吸着剤の重量を1とすると、分解触媒の重量が0.1乃至0.5である実施例73及び74並びに実施例78及び79が、初期脱臭性能及び稼働2カ月後の脱臭性能が、いずれも更に向上することが確認された。
次に、200セル/inchの発砲ウレタンフォーム基材に、疎水性合成ゼオライト(吸着剤)と、マンガン酸化物(分解触媒)と、ビタミンEを主成分とする油脂用酸化防止剤とを、無機バインダと水に分散させて含浸添着した。次に、この含浸添着したものを100℃の電気乾燥炉で乾燥させ、実施例82の油煙含有排気用脱臭フィルタを作製した。なお、この実施例82は、担体がセラミックコルゲートハニカム基材ではなく、発砲ウレタンフォーム基材であること以外は、実施例2と同じである。この実施例82の脱臭フィルタを、厨房からの排気の流路に設置し、この臭気成分を含む厨房からの排気において、実施例82の初期及び稼働2カ月後の臭気濃度による脱臭性能を測定した。測定結果を表16に示す。なお、表16には、実施例2の測定結果も合わせて示す。本測定の際、実施例2及び82のフィルタ容積を、風量と圧力損失が等しくなるように調整した。
Figure 2014050781
表16に示すように、セラミックコルゲートハニカム基材を担体とする実施例2は、発泡ウレタンフォーム基材を担体とする実施例82よりも、初期脱臭性能が高かった。これは、セラミックコルゲートハニカム基材を担体とする実施例2は、発泡ウレタンフォーム基材を担体とする実施例82よりも、同じ風量下において、圧力損失が著しく低いことによって、その容積を大きくすることができるためである。更に、稼働2か月後においても、セラミックコルゲートハニカム基材を担体とする実施例2は、高い脱臭性能を維持しているため、吸着剤、消臭剤、分解触媒又は油脂用酸化防止剤が添加された油煙含有排気用脱臭フィルタは、その担体がハニカム構造体であることがもっとも好ましい。
次に、200セル/inchのセラミックコルゲートハニカム基材に、疎水性合成ゼオライト(吸着剤)と、マンガン酸化物(分解触媒)と、ビタミンEを主成分とする油脂用酸化防止剤とを、無機バインダと水に分散させて含浸添着したものにおいて、ハニカムを貫通する孔であるセルの数を変えて実施例83乃至89を得た。これらの実施例は、いずれも、疎水性合成ゼオライトの含有量が23質量%であり、またマンガン酸化物の含有量が12質量%であり、合わせて35質量%である。また、ビタミンEは、2質量%含有している。この実施例83乃至89の脱臭フィルタを、厨房からの排気の流路に設置し、この臭気成分を含む厨房からの排気において、実施例83乃至89の初期及び稼働2カ月後の臭気濃度による脱臭性能と、圧力損失を測定した。この圧力損失の測定の際、風速を1.5m/s、フィルタ厚みを60mmtとした。測定結果を表17に示す。
Figure 2014050781
表17に示すように、セル数が、25セル/inchを下回る実施例83は、孔の大きさが大きいため、排気に含まれる油煙物質等が、脱臭フィルタで吸着されることなく通過してしまい、出口臭気濃度が高くなり、初期脱臭性能及び稼働2カ月後の脱臭性能のいずれも低くなった。一方、セル数が、400セル/inchを上回る実施例89は、油煙がハニカム端面に付着して目詰まりを引き起こし、稼働2カ月後の圧力損失は著しく上昇していた。従って、ハニカム構造体のセル数は、25乃至400セル/inchであることが好ましい。特に、セル数が、80乃至350セル/inchである実施例85乃至87が、脱臭性能が高く、且つ圧力損失が低く抑えられていた。

Claims (12)

  1. 脱臭剤と、油脂用酸化防止剤とが担体に担持されており、
    前記脱臭剤は、吸着剤及び/又は消臭剤であり、
    前記吸着剤は、ゼオライト、疎水性合成ゼオライト、天然ゼオライト、シリカ、アルミナ、石灰、石膏、苦土石灰、水酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト、パーライト、珪藻土、ポルトランドセメント、アルミナセメント、セピオライト、パリゴルスカイト、珪酸アルミニウム、活性白土、活性アルミナ、ベントナイト、タルク、カオリン、マイカ、活性炭、吸水性ポリマー、イオン交換樹脂、キレート材、黒鉛及び木炭からなる群から選択された1種又は2種以上の物質であり、
    前記消臭剤は、サイクロデキストリン、界面活性剤、ポリフェノール類、カテキン及び植物精油からなる群から選択された1種又は2種以上の物質であり、
    前記油脂用酸化防止剤は、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンA、カロテン、ポリフェノール類、没食子酸、クロロゲン酸、カテキン、ルチン、タンニン酸、エラグ酸、オイゲノール、ゲラニオール、チモール、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルクレゾール、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキノン、ノルジヒドログアカレチック酸、ローズマリー抽出物、クローブ抽出物、米ぬか抽出物、コーヒー抽出物、セージ抽出物、ハトムギ抽出物及びドクダミ抽出物からなる群から選択された1種又は2種以上の物質であることを特徴とする油煙含有排気用脱臭フィルタ。
  2. 前記脱臭剤は、Mn、Cu、Fe、Zn、Mg、K、Ca、Co、Ba、Sr、Ti、Si及びAlからなる群から選択された1種又は2種以上の元素を含む金属酸化物である分解触媒を含有することを特徴とする請求項1に記載の油煙含有排気用脱臭フィルタ。
  3. 前記脱臭剤が前記吸着剤を含む場合に、前記吸着剤が、Si/Al比が20以上の疎水性合成ゼオライトであることを特徴とする請求項1又は2に記載の油煙含有排気用脱臭フィルタ。
  4. 前記脱臭剤は、フィルタ全量の5乃至80質量%であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の油煙含有排気用脱臭フィルタ。
  5. 前記脱臭剤が、フィルタ全量の35乃至65質量%であることを特徴とする請求項4に記載の油煙含有排気用脱臭フィルタ。
  6. 前記脱臭剤の総重量を1とすると、前記油脂用酸化防止剤の重量が、0.01乃至0.5であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の油煙含有排気用脱臭フィルタ。
  7. 前記脱臭剤の総重量を1とすると、前記油脂用酸化防止剤の重量が、0.05乃至0.2であることを特徴とする請求項6に記載の油煙含有排気用脱臭フィルタ。
  8. 前記分解触媒が、マンガン酸化物又はマンガンを含む複合酸化物であり、BET比表面積が100m/g以上であることを特徴とする請求項2に記載の油煙含有排気用脱臭フィルタ。
  9. 前記脱臭剤が前記吸着剤を含む場合に、前記吸着剤の重量を1とすると、前記分解触媒の重量が、2以下であることを特徴とする請求項2又は8に記載の油煙含有排気用脱臭フィルタ。
  10. 前記吸着剤の重量を1とすると、前記分解触媒の重量が、0.1乃至0.5であることを特徴とする請求項9に記載の油煙含有排気用脱臭フィルタ。
  11. 前記担体が、ハニカム構造体であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の油煙含有排気用脱臭フィルタ。
  12. 前記ハニカム構造体は、ハニカムを貫通する孔であるセルを、1平方インチあたり25乃至400個有することを特徴とする請求項11に記載の油煙含有排気用脱臭フィルタ。
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