JP2010038314A - シール構造 - Google Patents

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芳一 廣田
Shoichi Hasegawa
章一 長谷川
Takashi Ishibashi
隆史 石橋
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Abstract

【課題】 繰り返しの高低する油圧作用を受けても、バックアップリングがシール部材における本体部に形成の切欠部から容易に分離されずして、所定のシール機能を保障し得る。
【解決手段】 軸受部材Cとこの軸受部材Cを貫通する軸部材Rとの間に配設されると共に軸受部材の内周側部に形成されて開口を軸部材に向けて開口させる環状凹溝に収装されるシール部材1がこのシール部材1より硬質となる環状に形成のバックアップリング10を有し、かつ、シール部材1が断面をほぼ矩形にしながら軸部材Rの径方向に形成されて一端部に内側リップ部3および外側リップ部4を一体に有する本体部2を有し、バックアップリング10がシール部材1における本体部2の他端部の内周側部に環状に形成の切欠部5に密着保持されてなるシール構造において、切欠部5がバックアップリング10の切欠部5に対する軸部材Rと同軸方向となる軸方向の密着保持状態を維持する軸方向係止部5aを有してなる。
【選択図】 図2

Description

この発明は、シール構造に関し、特に、軸受部材とこの軸受部材を貫通する軸部材との間に配設されるシール部材への具現化に向くシール構造の改良に関する。
軸受部材とこの軸受部材を貫通する軸部材との間に配設されるシール部材への具現化に向くシール構造としては、従来から種々の提案があるが、その中で、特許文献1には、シール部材が断面をU字状にする環状に形成されながらシール部材より硬質となる環状に形成のバックアップリングを有するシール構造の提案が開示されている。
すなわち、この文献開示のシール構造にあっては、シール部材は、Uパッキンからなり、断面をほぼ矩形にしながら軸部材の径方向に形成される本体部と、この本体部の一端部から軸部材の軸線方向に沿う内外の筒状に一体に延設される内側リップ部および外側リップ部とを有してなる。
そして、バックアップリングは、シール部材に比較すれば硬質材で形成され、シール部材における本体部にあって上記の内側リップ部を延設させる一端部の反対側部となる他端部の内周側部に位置決められ、一側面をシール部材における本体部の他端面に露呈させると共に他側面をシール部材における本体部の内周面に露呈させる。
それゆえ、この文献開示のシール構造を具現化するシール部材が、たとえば、油圧シリンダにおける軸受部材たるシリンダ体と軸部材たるロッド体との間に配設されて利用される場合には、シリンダ体の内周側部に形成されて開口をロッド体の外周に向けて開口させる環状凹溝に収装される。
このとき、シール部材は、本体部の一端部に一体に延設の内側リップ部および外側リップ部をシリンダ体内に向けた状態で環状凹溝に収装され、シリンダ体内からの油圧を内側リップ部と外側リップ部との間に作用させる。
したがって、環状凹溝内に収装されたシール部材にあっては、シリンダ体内からの油圧作用で内側リップ部と外側リップ部との間を拡開し、外側リップ部が対向部たる環状凹溝の底に密接し、内側リップ部が対向部たるロッド体の外周に密接して、シリンダ体内からの油圧が外側リップ部および内側リップ部を交わしてこのシール部材の背圧側たる背後側に回り込むいわゆる圧抜けを阻止する。
そして、バックアップリングは、シリンダ体内からの油圧作用で内側リップ部が必要以上に変形することを阻止して適正なシール性を保障すると共に、環状凹溝を形成するランド部の内周とロッド体の外周との間に出現する隙間に内側リップ部が挟み込まれることも阻止する。
特開2006‐57834公報(要約,特許請求の範囲の請求項1,請求項2,請求項3,請求項5,請求項7,明細書中の段落0028,同0033から同0038,図1参照)
しかしながら、上記した特許文献1に開示のシール構造にあっては、圧抜けを阻止する点で、基本的に問題がある訳ではないが、これを具現化するシール部材の長期に亘る利用の結果、バックアップリングのシール部材からの分離が危惧される。
すなわち、上記した文献開示のシール構造にあって、バックアップリングは、Uパッキンからなるシール部材における他端部の内周側部にこのバックアップリングの断面形状に相応する断面形状を有する環状に形成の切欠部内に嵌め込まれるが、このとき、接着材の利用や熱融で本体部に分離不能に一体化される。
したがって、設定外の利用状態におかれない限りには、シール部材は、バックアップリングの協働の下に所定のシール性能を発揮するが、利用の実際を看ると、シール部材とバックアップリングとの弾性が異なるから、内側リップ部が高低する繰り返しの油圧作用を受けながらロッド体の外周への摺接を継続することで、シール部材に対するバックアップリングの接着性が劣化し、甚だしいとき、バックアップリングがその配設位置たるシール部材に形成の切欠部で分離された状態になる。
その結果、シリンダ体内からの油圧がシール部材に形成の切欠部の内周とバックアップリングの外周との間に入り込み、油圧が篭ると共に、内側リップ部のシール性能が低下して、シリンダ体内からの油圧が内側リップ部を交わしてシール部材の他端部側たる背圧側に簡単に圧抜けする。
この発明は、上記した現状を鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、繰り返しの高低する油圧作用を受けても、バックアップリングがシール部材における本体部に形成の切欠部から容易に分離されずして、所定のシール機能を保障し得て、そのシール部材の汎用性の向上を期待するのに最適となるシール構造を提供することである。
上記した目的を達成するため、この発明によるシール構造の構成を、基本的には、軸受部材とこの軸受部材を貫通する軸部材との間に配設されるシール部材が上記の軸受部材の内周側部に形成されて開口を上記の軸部材に向けて開口させる環状凹溝に収装されると共に、上記のシール部材が断面をU字状にする環状に形成されながらこのシール部材より硬質となる環状に形成のバックアップリングを有し、かつ、上記のシール部材が断面をほぼ矩形にしながら上記の軸部材の軸線方向に沿う一端部に内側リップ部および外側リップ部を一体に有する本体部を有し、上記のバックアップリングが上記のシール部材における本体部の他端部の内周側部に環状に形成の切欠部に密着保持されてなるシール構造において、上記の切欠部が上記のバックアップリングのこの切欠部に対する上記の軸部材と同軸方向となる軸方向の密着保持状態を維持する軸方向係止部を有してなるとする。
それゆえ、この発明によれば、シール部材に形成されてバックアップリングを密着保持させる切欠部がバックアップリングのこの切欠部に対する上記の軸部材と同軸方向となる軸方向の密着保持状態を維持する軸方向係止部を有してなるから、バックアップリングがこの切欠部に密着状態に保持される場合には、このバックアップリングの密着保持状態を長期に亘って保障し得ることになる。
つまり、従前であれば、バックアップリングは、断面形状を矩形にするように形成され、したがって、シール部材における切欠部もその断面形状をバックアップリングの断面形状に一致する矩形にしていたから、シール部材における内側リップ部が高低する繰り返しの油圧作用を受けながら軸部材への摺接を継続することで、シール部材に対するバックアップリングの接着性が劣化する場合には、バックアップリングがその配設位置たるシール部材における切欠部から比較的簡単に分離される可能性があった。
それに対して、この発明のシール構造にあっては、シール部材に形成の切欠部がそこに密着保持されるバックアップリングの密着保持状態を維持する軸方向係止部を有してなるから、シール部材における内側リップ部が高低する繰り返しの油圧作用を受けながら軸部材への摺接を継続することで、シール部材に対するバックアップリングの接着性が劣化するとしても、バックアップリングの切欠部における密着保持状態が維持される。
以下に、図示した実施形態に基づいて、この発明を説明するが、この発明によるシール構造は、たとえば、図1に示すように、油圧シリンダにおける軸受部材たるシリンダ体Cと、このシリンダ体Cの軸芯部を貫通する軸部材たるロッド体Rとの間に配設されるシール部材1に具現化される。
なお、以下の説明にあって、「この発明を具現化するシール部材1」については、「この発明によるシール部材1」と称し、あるいは、単に、「シール部材1」と称する。
ちなみに、上記のシール部材1がシリンダ体Cとロッド体Rとの間に配設されるとき、このシリンダ体Cとロッド体Rとの間には、Uパッキンからなるさらなるシール部材Sがロッド体Rの軸線方向に沿うように直列状態に配設されるのが常態であり、シリンダ体Cの内側に向けて配設されるシール部材1が高圧用とされるとき、上記のさらなるシール部材Sがシリンダ体Cの外側に向けて配設されて低圧用とされる。
つまり、シリンダ体1内からの油圧がシール部材1を交わしてさらなるシール部材Sの図中で右側となる上流側に流出する場合には、すなわち、圧抜けする場合には、シリンダ体C内の油圧がそのまま流出する訳ではなく、言わば減圧されてシール部材Sの上流側に流出する。
このことからすると、さらなるシール部材Sについては、これがシール部材1と同一の構造に形成されている必要はなく、通常は、図示するように、Uパッキンからなるシール部材Sにおける図中で左側面となる背圧面に環状に形成されたバックアップリングS1を展設させ、これで足りるとしている。
なお、油圧シリンダにあっては、上記のさらなるシール部材Sよりもさらにシリンダ体Cの外側部には、ダストシールDが配設されて、外部のダストのシリンダ体C内への侵入が阻止され、上記のシール部材1よりもさらにシリンダ体Cの内側部には、ブッシュBが配設されて、ロッド体Rのシリンダ体Cに対する摺動性が保障されている。
ところで、シール部材1は、図示するところでは、Uパッキンからなり、断面をU字状にする環状に形成されながら、このシール部材1より硬質となる環状に形成のバックアップリング10を有してなるのを基本とする。
少し説明すると、まず、シール部材1は、図1および図2中に破線で区切って示すように、断面をほぼ矩形にしながらロッド体Rの径方向に形成される本体部2と、この本体部2の図中で右端部となる一端部からロッド体Rの軸線方向に沿う内外の筒状に一体に延設される内側リップ部3および外側リップ部4とを有してなり、後述するバックアップリング10を有しながらシリンダ体Cの内周側部に形成されて開口をロッド体Rの外周に向けて開口させる環状凹溝C1に収装される。
一方、バックアップリング10は、シール部材1にあって内側リップ部3を一体に延設させる一端部の反対側部となる他端部の内周側部に環状に形成される切欠部5(図2参照)密着保持される。
そして、この切欠部5は、図2に示すように、基本的には、後述するバックアップリング10とほぼ一致する断面形状となる断面形状に形成されるが、バックアップリング10の切欠部5に対する密着保持状態を維持する軸方向係止部5aを有してなり、図示するところにあっては、バックアップリング10のロッド体Rの径方向となる切欠部5に対する密着保持状態を維持する径方向係止部5bをも有している。
ところで、シール部材1に形成の切欠部5に密着保持されるバックアップリング10の断面積については、前記した文献開示のバックアップリングの断面積とほぼ同一になるように設定するが、これは、バックアップリング10における剪断力等に対する機械的強度を保障するためであり、したがって、所定の機械的強度を具有する限りには、任意の断面積を有するように形成されて良い。
それゆえ、バックアップリング10が上記の切欠部5の断面形状に一致する断面形状を有するように成形されて、この切欠部5に密着保持される場合には、バックアップリング10が軸方向係止部5aに係止され、したっがて、バックアップリング10が切欠部5に密着保持される状態が維持される。
このとき、図示するところでは、切欠部5が径方向係止部5bをも有するから、バックアップリング10におけるシール部材1に対する接着面積が、すなわち、バックアップリング10の切欠部5における内側リップ部3側の面5cに対する接触面積が増え、その分、切欠部5からのバックアップリング10の分離可能性が低くなる。
すなわち、前記した文献開示のシール構造にあっては、バックアップリングが断面形状を矩形にするように形成され、それゆえ、シール部材における切欠部もその断面形状をバックアップリングの断面形状に一致する矩形に形成され、その結果、バックアップリングがその配設位置たるシール部材に形成の切欠部から比較的簡単に分離される可能性があった。
つまり、従前の断面を矩形にする切欠部およびバックアップリングにあっては、シール部材における内側リップ部が高低する繰り返しの油圧作用を受けながらロッド体への摺接を継続することで、シール部材に対するバックアップリングの接着性が劣化し易くなる。
それに対して、この発明のシール構造にあっては、シール部材1に形成の切欠部5がそこに密着保持されるバックアップリング10における密着保持状態を維持する軸方向係止部5aを有してなるから、シール部材1における内側リップ部3が高低する繰り返しの油圧作用を受けながらロッド体Rの外周への摺接を継続することで、仮に、シール部材1に対するバックアップリング10の接着性が劣化するとしても、バックアップリング10がその配設位置たるシール部材1に形成の切欠部5から簡単には分離されなくなる。
したがって、シール部材1における切欠部5にあって、前記した内周側の径方向係止部5bについては、その形成が省略されて、図2中の仮想線aで示すように、上記の面5cが段差のない平面に形成されても良く、この場合には、切欠部5の断面形状が、軸方向係止部5aと径方向係止部5bの二つの係止部を有する場合に比較して、一つの係止部たる軸方向係止部5aを有するのみとされて簡素化されから、その分、シール部材1に切欠部5を形成する際の作業性が向上される。
また、この一つの係止部5aを有する切欠部5に密着保持されるバックアップリング10にあっても、その断面形状が簡素化されるから、その製作時の効率を良くする。
なお、バックアップリング10は、シール部材1の本体部にあって、他端部の内周側部に環状に形成される切欠部5に密着保持されてなるから、原理的には、これがロッド体Rの径方向に移動することは、考慮されなくて良く、このことからしても、上記の径方向係止部5bの形成が省略されても、この発明が成立する。
もっとも、切欠部5に径方向係止部5bが形成される場合には、仮に、バックアップリング10における収縮の結果、内径が小さくなり、バックアップリング10の内周がロッド体Rの外周に接触する事態が懸念される場合に、バックアップリング10の内周がロッド体Rの外周に接触させないようにする上で有効となる。
図3に示すところは、この発明によるシール構造の他の実施形態を示すもので、シール部材1に形成される切欠部5が軸方向係止部5aだけでなく径方向係止部5bをも有してなる点では、前記した図2に示すところと基本的には同じであるが、切欠部5の断面形状、すなわち、バックアップリング10の断面形状が前記したところと異なるとしている。
すなわち、前記したところでは、軸方向係止部5aおよび径方向係止部5bがシール部材1を形成する本体部2のいわゆる外面側部に形成されるとしたが、この図3に示すところでは、本体部2のいわゆる奥側部に形成されてなるとしている。
それゆえ、この実施形態による場合には、軸方向係止部5aおよび径方向係止部5bが切欠部5のいわゆる外側部にある場合に比較して、バックアップリング10の切欠部5に対する嵌装操作を容易にする点で有利となる。
そして、この実施形態による場合にも、前記した実施形態の場合と同様に、内周側の径方向係止部5bについては、図3中の仮想線aあるいは仮想線bで示すように、その形成が省略されても良く、この場合に、前記したところと同様に、その分、シール部材1に切欠部5を形成する際の作業性が向上され、また、この切欠部5に密着保持されるバックアップリング10の製作にあっても、その効率を良くする。
以上のように形成されるシール部材1にあって、バックアップリング10を切欠部5に密着保持するについては、接着材が利用されたり、あるいは、溶着もしくは融着に依ったりするのが良い。
すなわち、バックアップリング10がシール部材1における切欠部5に嵌め込まれているだけで、接着材を利用するなどで一体性が保障されていない場合には、
切欠部5の内周とバックアップリング10の外周との間に作動油、すなわち、油圧が入り込む可能性がある。
そして、実際に切欠部5の内周とバックアップリング10の外周との間に作動油が入り込む場合には、バックそのアップリング10とシール部材1との一体性が失われているから、バックアップリング10が切欠部5から分離される状態になることが危惧される。
だとすれば、バックアップリング10は、切欠部5に接着材利用下などに密着保持されてシール部材1に一体化されているのが好ましく、このシール部材1とバックアップリング10との一体性の保障には、シール部材1およびバックアップリング10の形成素材の選択も含めて、任意の方策を選択できる。
シール部材1は、熱可塑性ポリウレタン系樹脂で構成され、他方、バックアップリング10は、ポリアミド系樹脂、たとえば、ナイロン12等で構成されるが、具体的には、アミド基を含有するものが好ましく、この場合に、樹脂には、樹脂組成物が含まれる。
シール部材1をUパッキンの形状に成形後、ポリアミド系樹脂を射出成形してシール部材1にバックアップリング10を融着、特に、熱融着して一体化してある。
具体的には、たとえば、シール部材1にあって、バックアップリング10が融着される部位に切欠部5を設け、さらに、このシール部材1を成形する型内にシール部材1を挿入しておき、この状態から切欠部5にバックアップリング10が一体化されるように、上記の型内にバックアップリング10の材料であるポリアミド系樹脂を200度から300度程度まで加熱して射出成形する。
これによって、シール部材1の材料である熱可塑性ポリウレタン系樹脂と、バックアップリング10の材料であるポリアミド系樹脂とが融着して分離不能に一体化される。
このとき、バックアップリング10の材料であるポリアミド系樹脂がアミド基を含有している場合には、このアミド基が熱可塑性ポリウレタン系樹脂に化学的に作用して通常の融着に比較して接合強度を高めることができ、シール部材1とバックアップリング10とを強固の接合して一体化することが可能になる。
逆に、バックアップリング10を先にポリアミド系樹脂で環状に成形しておき、後からシール部材1の材料である熱可塑性ポリウレタン系樹脂を200度から230度程度まで加熱して射出成形してシール部材1とバックアップリング10とを一体化させても良い。
なお、シール部材1の剥離試験をJIS K6250に従って行ったところでは、上記熱可塑性ポリウレタン系樹脂に200度まで加熱したアミノ基を含有するナイロン12を射出成形して熱融着した場合には、熱可塑性ポリウレタン系樹脂およびナイロン12の短冊状試験片(幅13〜14mm)は引張力450Nでも剥離せず(試験回数5回,誤差30N,平均450Nで試験片が破断し、剥離は認められなかった)、これに対して同じ材料を接着して同様の剥離試験を行ったことろ、およそ引張力60Nで剥離(試験回数5回,誤差30N,平均60N)したことからしても、通常の接着や溶着等に比較して接合強度が非常に高く、このことから、上記融着方法によりシール部材1とバックアップリング10とを一体化することで、過大な油圧力が作用しても剥離の心配が無いという利点がある。
また、上記したところでは、シール部材1の材料を熱可塑性ポリウレタン系樹脂とし、バックアップリング10の材料をポリアミド系樹脂としているが、他の実施の形態として、シール部材1の硬度よりバックアップリング10の硬度を硬く設定するうえで、シール部材1およびバックアップリング10の材料を同系の樹脂材料とする様にしても良い。
他の実施形態におけるシール部材1およびバックアップリング10の材料としては、具体的には、たとえば、熱可塑性ポリウレタン系樹脂とすると良く、また、シール部材1の硬度をA93(規準規格JIS K6253 デュロメータA硬さ)とし、バックアップリング10の硬度をA98(規準規格JIS K6253 デュロメータA硬さ)とすると良い。
なお、この他の実施形態におけるシール部材1とバックアップリング10の形状については、前記した実施形態と同様とされ、また、シール部材1とバックアップリング10の一体化に際しても、前記した実施形態と同様の製造方法を採用すれば良い。
そして、このように同系樹脂材料とされたシール部材1とバックアップリング10にあっては、同系樹脂材料であるがゆえに、互いの融着接合強度が高まり、シール部材1とバックアップリング10の剥離の可能性をより低くすることができる。
さらに、バックアップリング10が熱可塑性ポリウレタン系樹脂とされる場合には、一般にポリアミド系樹脂より柔らかいので、第1パッキンP1の環状凹溝C1内への嵌挿が容易となる利点がある。
つまり、環状凹溝C1内にシール部材1を嵌装する際には、シール部材1をこのシール部材1の外径より小さい内径を持つ開口を通過させる必要があるので、シール部材1を曲げて変形させる必要があるが、上記したように、柔らかい熱可塑性ポリウレタン系樹脂で形成されたバックアップリング10の方が変形しやすいため、シール部材1の環状凹溝C1内への嵌装が容易になる。
以上のように、この発明によれば、シール部材1に形成されてバックアップリング10を密着保持させる切欠部5がバックアップリング10のシール部材10に対する密着保持状態を維持する係止部5aを有してなるから、バックアップリング10がこの切欠部5から分離し難くなる。
すなわち、シール部材1とバックアップリング10との間へ作動油が侵入、蓄積されることはないので、シール部材1が環状凹溝C1の図1中右側壁に押し付けられバックアップリング10が環状凹溝C1の図1中左側壁に押し付けられることがなく、シール部材1にあって外側リップ部4が環状凹溝C1の底の密接されると共に、内側リップ部3がロッド体Rの外周に密接されるので、シリンダ体Cとロッド体Rとの間のシール性を向上させることができる。
そして、このシール構造にあっては、シール部材1におけるシール性の劣化を防止できるので、ロッド体Rの移動が長期間繰り返されてもシリンダ体C内を密封状態に維持できる。
また、シール部材1のシール機能が長期間に亙り劣化せず維持されるので、このシール部材1に直列するさらなるシール部材S1におけるシール性も長期間に亙り維持され、結果的に両シール部材1,S1の耐久性を向上できる。
さらに、さらなるシール部材S1における摺接圧を異常に高めないから、このさらなるシール部材S1のロッド体Rに対する摺接抵抗が必要以上に大きくなることがなく、ロッド体Rの摺動せいを低下させない。
この発明によるシール構造を具現化するシール部材が油圧シリンダにおけるシリンダ体とロッド体との間に配設された状態を示す部分縦断面図である。 この発明によるシール構造を具現化するシール部材の拡大断面図である。 他の実施形態によるバックアップリングの切欠部への密着保持状態を拡大して示す部分縦断面図である。
符号の説明
1 シール部材
2 本体部
3 内側リップ部
4 外側リップ部
5 切欠部
5a 軸方向係止部
5b 径方向係止部
10 バックアップリング
C 軸受部材たるシリンダ体
C1 環状凹溝
R 軸部材たるロッド体

Claims (7)

  1. 軸受部材とこの軸受部材を貫通する軸部材との間に配設されるシール部材が上記の軸受部材の内周側部に形成されて開口を上記の軸部材に向けて開口させる環状凹溝に収装されると共に、上記のシール部材が断面をU字状にする環状に形成されながらこのシール部材より硬質となる環状に形成のバックアップリングを有し、かつ、上記のシール部材が断面をほぼ矩形にしながら上記の軸部材の軸線方向に沿う一端部に内側リップ部および外側リップ部を一体に有する本体部を有し、上記のバックアップリングが上記のシール部材における本体部の他端部の内周側部に環状に形成の切欠部に密着保持されてなるシール構造において、上記の切欠部が上記のバックアップリングのこの切欠部に対する上記の軸部材と同軸方向となる軸方向の密着保持状態を維持する軸方向係止部を有してなることを特徴とするシール構造。
  2. 上記の切欠部が上記のバックアップリングのこの切欠部に対する上記の軸部材の径方向と同軸方向となる径方向の密着保持状態を維持する径方向係止部を有してなる請求項1に記載のシール構造。
  3. 上記のシール部材と上記のバックアップリングとが接着もしくは溶着もしくは融着により一体化されてなる請求項1または請求項2に記載のシール構造。
  4. 上記のシール部材が熱可塑性ポリウレタン系樹脂で構成された樹脂部材であって、上記のバックアップリングがポリアミド系樹脂で構成された樹脂部材であり、上記のシール部材と上記のバックアップリングとが融着により一体化されてなる請求項1,請求項2または請求項3に記載のシール構造。
  5. 上記のシール部材と上記のバックアップリングとが同系樹脂で構成された樹脂部材であって、上記のシール部材より上記のバックアップリングが硬い部材で形成され、上記のシール部材と上記のバックアップリングとが融着により一体化されてなる請求項1,請求項2または請求項3に記載のシール構造。
  6. 上記のバックアップリングを有する上記のシール部材を成型する型内にあらかじめ上記のバックアップリングが融着される部位に切欠部を設けた上記のシール部材を挿入し、上記のバックアップリングを形成する樹脂材料を上記の切欠部内に加熱して射出することで上記のシール部材上記のバックアップリングとが一体化されてなる請求項1,請求項2,請求項3,請求項4または請求項5に記載のシール構造。
  7. 上記のバックアップリングを有する上記のシール部材を成型する型内にあらかじめ上記のバックアップリングを挿入し、上記のシール部材を形成する樹脂材料を上記の型内に加熱して射出することで上記のシール部材と上記のバックアップリングとが一体化されてなる請求項1,請求項2,請求項3,請求項4または請求項5に記載のシール構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015194217A (ja) * 2014-03-31 2015-11-05 カヤバ工業株式会社 シールリング

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JP2015194217A (ja) * 2014-03-31 2015-11-05 カヤバ工業株式会社 シールリング

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