JP2010038132A - 車両の電源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】イグニッションスイッチのオフ後における主電源の電力の消費により、エンジンの始動が不能である場合について、副電源によりエンジンを始動する。
【解決手段】車両の電源装置は、複数の車載電気負荷Rに電力を供給する主電源10と、主電源10を補助して電動パワーステアリング制御回路40に電力を供給する副電源50とを備えている。電動パワーステアリング制御回路40は、イグニッションスイッチ14がオフ状態からオン状態へ切換えられたとき、主電源10の電圧がエンジンを始動できるだけの電圧であるか否かを判定する。主電源10によりエンジンを始動できない場合にのみ、副電源50の電力を用いてエンジンを始動させる。イグニッションスイッチ14のオフ後に、副電源50の電力が不足しているかを判定して、不足していれば、主電源10から副電源50に充電しおく。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両の電源装置に係り、特に、主電源と副電源とを備えた車両の電源装置に関する。
従来から、エンジンを駆動するための車両の電源装置としては、下記特許文献1に記載されたものがある。この車両の電源装置は、エンジンを始動させるためのセルモータに電力を供給する主電源と、エンジンの点火装置に電力を供給する副電源とを備えている。また、この車両の電源装置は、主電源と副電源の間にダイオードを備えていて、このダイオードが副電源から主電源に電流が流れ込むことを禁止するため、主電源の電力がセルモータを駆動させるために大量に消費されても、副電源の電圧は下降しないようにしている。
特開平1−244167号公報
ところで、上記した特許文献1に記載されている車両の電源装置は、上記ダイオードによって副電源からセルモータに電流が流れることが禁止されるため、主電源にエンジンを始動するために必要な電力が不足している場合は、たとえ副電源に電力が確保されていてもエンジンを始動することができない。また、イグニッションスイッチをオフ状態に切換えたときに主電源に十分な電力が確保されていても、ヘッドライトの消し忘れなどにより電力が消費され、エンジンを次回に始動するときには主電源からの電力を用いてエンジンを始動できない場合がある。
本発明は、上記課題に対処するためになされたものであり、エンジンを始動する際において、主電源にエンジンを始動するために必要な電力が不足するとき、少なくとも副電源の電力を用いてエンジンを始動できるようにした車両の電源装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の特徴は、複数の車載電気負荷に電力を供給する主電源と、前記主電源から供給される電力により充電される副電源と、エンジンの作動を制御するエンジン制御手段とを備えた車両の電源装置において、前記主電源の電圧を検出する主電源電圧検出手段と、イグニッションスイッチがオフ状態からオン状態に切換えられたとき、前記主電源電圧検出手段により検出された主電源の電圧が所定の第1基準電圧よりも大きいことを条件に、エンジンを始動させるための電力を前記主電源から前記エンジン制御手段に供給し、前記主電源電圧検出手段により検出された主電源の電圧が前記第1基準電圧以下であることを条件に、エンジンを始動させるための電力を前記副電源から前記エンジン制御手段に供給する始動電源制御手段と、イグニッションスイッチがオフ状態であるとき、前記主電源電圧検出手段により検出された主電源の電圧が所定の第2基準電圧以下であることを条件に、前記主電源から前記副電源を充電する充電制御手段とを設けたことにある。
この場合、主電源は、エンジンへの電力供給だけでなく、例えば、照明装置であるヘッドライト等の複数の車載電気負荷への電力供給を共通して行う。したがって、エンジンの作動が停止しているときでも、例えばヘッドライトが点灯している場合は、主電源から大量の電力が消費され、主電源の電圧は降下する。副電源は、例えば、主電源とは別に特定の車載電気負荷(例えば、電動パワーステアリング装置)への電力供給を行うために設けられたものである。なお、副電源は、一つの装置にのみ限定して電力を供給するものである必要はなく、複数の装置に電力を供給可能であってもよい。また、エンジンの始動のためだけに設けてもよい。なお、第1基準電圧は、主電源がエンジンを始動させるために必要な電圧を有しているか否かを判断するための基準値である。また、第2基準電圧は、副電源の電圧がエンジンを始動させるのに必要な電圧になるまで副電源を充電できる電圧を主電源が有するか否かを判断するための基準値である。また、前記主電源は例えば鉛蓄電池であり、前記副電源は例えばキャパシタ型であるとよい。この副電源としてのキャパシタ型の電源は、大電流の充放電に対して劣化し難いものである。
上記のように構成した本発明の特徴においては、イグニッションスイッチがオフ状態からオン状態に切換えられたとき、主電源の電圧が所定の第1基準電圧よりも大きければ、主電源からの電力によりエンジンは始動され、主電源の電圧が所定の第1基準電圧以下であれば、副電源からの電力によりエンジンは始動される。このため、主電源にエンジンを始動させるために必要な電力が不足している場合であっても、副電源によりエンジンを始動することができる。また、イグニッションスイッチがオフ状態であるときに主電源の電圧が所定の第2基準電圧以下であると、主電源から副電源に充電する。したがって、主電源からエンジンを始動できない場合、または、できなくなる可能性が高い場合であっても、副電源にはエンジンを始動するために必要な電力が必ず確保される。これにより、イグニッションスイッチをオフ状態に切換えた後に、ヘッドライトの消し忘れなどにより主電源の電力が消費されても、エンジンの始動が必ず確保される。
また、本発明の他の特徴は、前記主電源、副電源、エンジン制御手段、主電源電圧検出手段および始動電源制御手段を備えた車両の電源装置において、前記副電源の電圧を検出する副電源電圧検出手段と、イグニッションスイッチがオン状態からオフ状態に切換えられたとき、前記副電源電圧検出手段により検出された副電源の電圧が所定の第3基準電圧以下であることを条件に、前記主電源から前記副電源を充電する充電制御手段とを設けたことにある。この場合、第3基準電圧は、副電源がエンジンを始動させるのに必要な電圧を有するか否かを判断するための基準値である。
この場合も、イグニッションスイッチがオフ状態からオン状態に切換えられたとき、主電源の電圧が所定の第1基準電圧よりも大きければ、主電源からの電力によりエンジンは始動され、主電源の電圧が所定の第1基準電圧以下であれば、副電源からの電力によりエンジンは始動される。このため、主電源にエンジンを始動させるために必要な電力が不足している場合であっても、副電源によりエンジンを始動することができる。また、イグニッションスイッチがオン状態からオフ状態に切換えられたとき、副電源の電圧が所定の第3基準電圧以下であると、主電源から副電源に充電する。したがって、主電源からエンジンを始動できない場合でも、副電源にはエンジンを始動させるために必要な電力が必ず確保される。これにより、イグニッションスイッチをオフ状態に切換えた後に、ヘッドライトの消し忘れなどにより電力が消費されても、エンジンの始動が必ず確保される。
また、本発明の他の特徴は、さらに、前記車載電気負荷に電力を供給するために前記主電源から放電される電流を検出する放電電流検出手段を設け、前記充電制御手段は、前記エンジンの作動を停止させて前記主電源から前記副電源に充電する際に、前記放電電流検出により検出された放電電流が大きくなるに従って、前記主電源から前記副電源への充電速度を速くする充電速度制御手段を含むことにある。
ヘッドライトを含む照明装置のような車載電気負荷の作動を停止させることなく、イグニッションスイッチをオフにしてしまうと、主電源から前記車載電気負荷に電力が供給され、エンジンの停止状態では主電源の電力が急速に消費される場合がある。このような場合、本発明の他の特徴においては、イグニッションスイッチのオフ後にエンジンの作動を停止させて主電源から副電源に充電する際、放電電流検出手段により検出された放電電流が大きくなるに従って主電源から副電源への充電速度が速められる。これにより、イグニッションスイッチのオフ後に電力が消費される場合でも、副電源の電力が確保され、副電源による次回のエンジン始動が確保される。また、急速放電による放電電流が小さいときには、充電速度が遅くなるので、急速放電による主電源の劣化も防止できる。
また、本発明の他の特徴は、さらに、前記副電源の電圧を検出する副電源電圧検出手段と、前記車載電気負荷に電力を供給するために前記主電源から放電される電流を検出する放電電流検出手段とを設け、前記充電制御手段は、前記主電源電圧検出手段により検出された主電源の電圧、前記副電源電圧検出手段により検出された副電源の電圧、および前記放電電流検出手段により検出された放電電流に基づいて、前記主電源の電圧が放電により低下してエンジンを始動できなくなる電圧に少なくとも達する前までに、前記副電源が前記主電源によりエンジンを始動させるために必要な電圧まで徐々に充電されるようにする充電速度制御手段を含むことにある。ここで、徐々に充電されるとは、主電源の負荷を低減できるように充電速度を遅くして副電源が充電されることをいう。例えば、主電源から副電源への充電電流が所定の電流以下になるように充電電流を設定することもできるし、主電源と副電源のいずれか一方がエンジンを始動できるだけの電圧を確保している間に、副電源の充電を完了するという条件を満たす可能な限り小さな電流に充電電流を設定することもできる。
上記のように構成した本発明の他の特徴においても、エンジンの作動を停止させて主電源から副電源に充電する際には、主電源の電圧が放電により低下してエンジンを始動できなくなる電圧に少なくとも達する前までに、副電源がエンジンを始動させるために必要な電圧まで主電源により徐々に充電される。したがって、前記のように、イグニッションスイッチのオフ後に、エンジンが停止した状態でヘッドライトを含む照明装置のような車載電気負荷に電力が供給され、主電源の電力が急速に消費される場合でも、主電源と副電源のいずれか一方がエンジンを始動できるだけの電圧を常に確保できる。また、主電源から副電源に充電する充電速度を可能な限り遅くできるので、主電源の劣化も防止できる。
a.第1実施形態
以下に、本発明の第1実施形態に係る車両の電源装置を図面に基づいて説明する。図1は、この第1実施形態による車両の電源装置を含む車両用制御装置の全体構成を概略的に示している。この車両用制御装置は、各種車載電気負荷に電力を供給する主電源10と、エンジンを駆動制御するエンジン制御回路20と、ステアリング機構30に備えられた電動モータMを駆動制御する電動パワーステアリング制御回路40とを備えている。なお、電動パワーステアリング制御回路40には、同制御回路40で駆動電力を必要としたときに、主電源10を補助する副電源50が設けられている。
主電源10は、定格出力電圧12Vの一般的な車載バッテリであり、エンジンの回転により発電する定格出力電圧14Vのオルタネータ12に並列に接続されている。主電源10およびオルタネータ12により、14V系の車載電源を構成している。なお、第1実施形態の主電源10は、鉛蓄電池を採用している。
主電源10は、エンジン制御回路20および電動パワーステアリング制御回路40だけでなく、他の車載電気負荷R(例えば、照明装置であるヘッドライト等)への電力供給も共通して行う。主電源10の電源端子(+端子)には、主電源供給ライン101が接続され、接地端子(−端子)には接地ライン102が接続される。主電源供給ライン101と接地ライン102との間には、電圧センサ13が設けられている。電圧センサ13は、主電源10の出力電圧(主電源供給ライン101と接地ライン102との間の電圧)を検出し、その検出値Ebを表す検出信号を電動パワーステアリング制御回路40に出力する。なお、図1に破線で示す電流センサ61は、第2実施形態に関係するもので、第1実施形態では主電源供給ライン101には介装されていない。
主電源供給ライン101は、制御系電源ライン103と駆動系電源ライン104とに分岐する。制御系電源ライン103には、イグニッションスイッチ14が介装されている。制御系電源ライン103は、イグニッションスイッチ14の制御系側(主電源10が備えられる電源系と反対側)にてエンジン制御回路20および電動パワーステアリング制御回路40の端子IGに接続されている。
駆動系電源ライン104には、電源リレー15が介装されている。この電源リレー15は、電動パワーステアリング制御回路40からリレーコイルへの通電によりオン状態に切換えられ、電動モータMへの電力供給回路を構成するものである。また、駆動系電源ライン104は、制御系側でエンジン制御回路20および電動パワーステアリング制御回路40の電源入力端子E+に接続されている。
エンジン制御回路20は、図2に示すように、昇圧回路21、駆動回路22およびエンジン制御ユニット23を備えている。昇圧回路21は、電源入力端子E+(駆動系電源ライン104)および接地端子E−(接地ライン102)に接続され、主電源10および副電源50から入力された電圧を高めて駆動回路22に出力する。駆動回路22は、エンジン制御ユニット23のエンジン制御部23aからの制御信号に応じて駆動電流をセルモータ24およびエンジン点火装置25に流して、セルモータ24およびエンジン点火装置25の駆動を制御する。なお、このエンジン制御回路20は周知であるとともに、その具体的作動内容は本発明に直接関係しないので、具体的な作動説明については省略する。
昇圧回路21と電源入力端子E+の間の駆動系電源ライン104には、主電源10から昇圧回路21への電力の供給をオン・オフするスイッチ回路26aが介装されている。このスイッチ回路26aと昇圧回路21の間の駆動系電源ライン104には副電源供給ライン105が接続され、この副電源供給ライン105には、副電源50から昇圧回路21への電力の供給をオン・オフするスイッチ回路26bが介装されている。これらのスイッチ回路26a,26bは、電動パワーステアリング制御ユニット43から出力される電源切換え信号SWによりオン・オフ動作が制御される。なお、電源切換え信号SWは、スイッチ回路26bには直接供給されるが、スイッチ回路26aにはインバータ26cを介して供給される。
エンジン制御ユニット23は、CPU、ROM、RAMおよびI/Fなどからなるマイクロコンピュータによって構成される。エンジン制御ユニット23のエンジン制御部23aには、アクセルポジションセンサ27、スロットルポジションセンサ28およびエンジン回転数センサ29が接続されている。アクセルポジションセンサ27は、アクセルペダルの踏み込み量Apを検出して、踏み込み量Apを表す検出信号を出力する。スロットルポジションセンサ28は、スロットルバルブの開度φを検出して、開度φを表す検出信号を出力する。エンジン回転数センサ29は、エンジン回転数Neを検出して、エンジン回転数Neを表す検出信号を出力する。エンジン制御部23aは、各センサ27,28,29から入力された検出信号に応じて、エンジンの回転を制御する制御信号を駆動回路22に出力する。なお、このエンジン制御ユニット23は、電動パワーステアリング制御ユニット43と相互に信号の授受ができるように構成される。
ステアリング機構30は、回動操作により左右前輪FWL、FWRを転舵する操舵ハンドル31を備え、同ハンドル31には操舵軸32の上端が固定されている。操舵軸32の下端部はステアリングギヤボックス33内にてラックバー34に噛合している。ラックバー34はステアリングギヤボックス33内に軸方向に変位可能に支持されるとともに、両端にてタイロッド35L、35Rおよびナックルアーム(図示省略)を介して左右前輪FWL、FWRを転舵可能に連結している。
電動モータMは、ラックバー34に組みつけられている。同電動モータMの回転軸は、ボールねじ機構36を介してラックバー34に動力伝達可能に接続されていて、その回転により左右前輪FWL、FWRに転舵力を付与して操舵操作をアシストする。ボールねじ機構36は、減速機および回転−直線変換器として機能し、電動モータMの回転を減速するとともに直線運動に変換してラックバー34に伝達する。
また、ステアリング機構30は、操舵トルクセンサ37、舵角センサ38および車速センサ39を備えている。操舵トルクセンサ37は、操舵軸32に組み付けられていて、操舵ハンドル31の回動操作によって操舵軸32に作用する操舵トルクTxを検出して、操舵トルクTxを表す検出信号を出力する。舵角センサ38は、電動モータMに組み込まれていて、電動モータMの回転子の回転角度位置により操舵角θxを検出して、操舵角θxを表す検出信号を出力する。なお、操舵トルクTxおよび操舵角θxは、操舵ハンドル31の左回転方向への操舵時における値を正とし、右回転方向への操舵時における値を負とする。車速センサ39は、左右前輪FWL,FWRを含む4輪の各車輪速を検出する車輪速センサにより車速Vxを検出し、車速Vxを表す検出信号を出力する。
電動パワーステアリング制御回路40は、図3に示すように、昇圧回路41、駆動回路42、副電源50および電動パワーステアリング制御ユニット43を備えている。昇圧回路41は、電源入力端子E+(駆動系電源ライン104)および接地端子E−(接地ライン102)に接続され、主電源10および副電源50から入力された電圧を高めて駆動回路42に出力する。駆動回路42は、MOSFETからなる6個のスイッチ回路により3層インバータ回路を有し、電動パワーステアリング制御ユニット43からの制御信号に応じて駆動電流をステアリング機構30に備えられた電動モータMに流して、電動モータMの回転を制御する。
副電源50は、主電源10から供給される電流により充電され、駆動回路42で電力を必要としたときに、主電源10を補助して駆動回路42に電力を供給する蓄電装置である。この副電源50は、電源入力端子E+(駆動系電源ライン104)と接地端子E−(接地ライン102)を接続する充放電ライン106に介装されていて、主電源10と並列に配置されている。したがって、副電源50は、主電源10に相当する電圧を維持できるように複数の蓄電セルを直列に接続して構成される。なお、第1実施形態の副電源50は、キャパシタ(電気二重層コンデンサ)を採用したキャパシタ型である。
充放電ライン106には、副電源50の他に、充放電用スイッチ回路44および抵抗45が介装されている。充放電用スイッチ回路44は、そのオン・オフ動作が電動パワーステアリング制御ユニット43の電源制御部43aによって制御される。具体的には、ハイレベルの充放電制御信号が供給されるときにのみオンする。充放電ライン106上の副電源50と抵抗45の間にある接続点Pには、エンジン制御ユニット23に副電源50の電力を供給する副電源供給ライン105が接続される。副電源50の両端子間には、電圧センサ46が接続されている。電圧センサ46は、副電源50の出力電圧(接続点Pと接地ライン102との間の電圧)を検出し、その検出値Ecを表す信号を電動パワーステアリング制御ユニット43の電源制御部43aに出力する。
電動パワーステアリング制御ユニット43は、CPU、ROM、RAMおよびI/Fなどからなるマイクロコンピュータによって構成され、その機能から、電源制御部43aとアシスト制御部43bとに分けられる。
電源制御部43aには、主電源10と副電源50の出力電圧をそれぞれ検出する電圧センサ13,46が接続されており、電圧センサ13,46からの検出信号が入力される。電源制御部43aは、これらの検出信号に基づいて、エンジン制御回路20内のスイッチ回路26a,26bに電源切換え信号SWを出力し、両スイッチ回路26a,26bのオン・オフ動作を制御する。これにより、イグニッションスイッチ14がオン状態とされて、エンジンを始動させるためにセルモータ24に供給する電力の電源を主電源10にするか、副電源50にするかを切換えることができる。なお、副電源50から昇圧回路21および駆動回路22に電力を供給する場合を除き、電源切換え信号SWはローレベルであり、スイッチ回路26aにはインバータ26cを介してハイレベルの電源切換え信号SW(オン信号)が供給されており、またスイッチ回路26bにはローレベルの電源切換え信号SW(オフ信号)が供給されている。したがって、電源制御部43aがハイレベルの電源切換え信号SWを出力する以外の通常の状態では、スイッチ回路26bはオフ状態に保たれているとともに、スイッチ回路26aはオン状態に保たれている。また、電源制御部43aは、電源リレー15のリレーコイルへの通電・非通電も制御する。
アシスト制御部43bには、操舵トルクセンサ37、舵角センサ38および車速センサ39が接続され、操舵トルクTx、操舵角θxおよび車速Vxを表す検出信号が入力される。アシスト制御部43bは、これらのセンサ信号に基づいて、駆動回路42にPWM制御信号を出力して電動モータMを駆動制御し、運転者の操舵操作をアシストする。なお、このアシスト制御部43bは周知であるとともに、その具体的作動内容は本発明に直接関係しないので、具体的な作動説明については省略する。
次に、上記のように構成した第1実施形態に係る車両用制御装置の動作について説明する。イグニッションスイッチ14がオフ状態からオン状態に切換えられると、電動パワーステアリング制御ユニット43内の電源制御部43aは、イグニッションスイッチ14を介した電圧信号の入力に応答して、マイクロコンピュータのROM内に記憶されている図4のイグニッションオンプログラム(IGオン)の実行を開始する。なお、同プログラムは、エンジンの始動のための電力の供給を主電源10で行うか、副電源50で行うかを決定する制御プログラムである。
前記イグニッションオンプログラムの実行が開始されると、電源制御部43aは、ステップS11にて電源リレー15のリレーコイルに通電してリレースイッチをオン状態に切換える。これにより、主電源10の電圧は、駆動系電源ライン104を介してエンジン制御回路20および電動パワーステアリング制御回路40に供給され始める。次に、電源制御部43aは、ステップS12にて、ハイレベルの充放電制御用信号を副電源50の充放電用スイッチ回路44に供給して、充放電用スイッチ回路44をオン状態に切換える。これは、通常時には充放電用スイッチ回路44をオン状態に設定しておいて、副電源50への電力の供給および副電源50からの電力の出力を許容するためである。
前記ステップS12の処理後、電源制御部43aは、ステップS13にて電圧センサ13から主電源10の電圧Ebを表す検出信号を入力し、ステップS14にて前記入力した電圧Ebが主電源基準電圧Eb0よりも大きいか否かを判定する。ここで、主電源基準電圧Eb0は、主電源10がエンジンを始動させるために必要な最小限の電力を、主電源10の端子電圧で示す基準値である。
主電源10の電圧Ebが主電源基準電圧Eb0よりも大きい場合は、電源制御部43aは、ステップS14にて「Yes」と判定して、このイグニッションオンプログラムの実行を終了する。この場合、スイッチ回路26aがオン状態に保たれ続けるとともに、スイッチ回路26bはオフ状態に保たれ続けるために、エンジン制御回路20の昇圧回路21、駆動回路22およびエンジン制御ユニット23には、主電源10から電力が供給され続ける。一方、エンジン制御部23aは、前記イグニッションスイッチ14を介した電圧信号の入力に応答して、図示しないエンジン制御プログラムを実行して、主電源10から電力の供給を受けてセルモータ24を駆動するとともにエンジン点火装置25を制御して、エンジンを始動させる。その後、エンジン制御部23aは、セルモータ24の作動を停止して、エンジン点火装置25の作動を制御し続けて、イグニッションスイッチ14のオフ後のエンジン停止指示があるまでエンジンを作動させ続ける。
また、前記ステップS14にて「No」すなわち主電源10の電圧Ebが主電源基準電圧Eb0以下であると判定されると、電源制御部43aは、ステップS15にて、スイッチ回路26a,26bに向けてハイレベルの電源切換え信号SWを所定時間だけ出力し、所定時間経過後に前記電源切換え信号SWをローレベルに切換える。なお、この所定時間は、セルモータ24の駆動によりエンジンを始動させるために必要な予め決められた時間である。これにより、スイッチ回路26bは所定時間だけオン状態に切換えられる。一方、スイッチ回路26aに関しては、電源切換え信号SWがインバータ26cにより前記所定時間だけローレベルに変更されるため、スイッチ回路26aは前記スイッチ回路26bとは逆に所定時間だけオフ状態となる。これにより、イグニッションスイッチ14のオン状態への切換えから所定時間だけ、昇圧回路21および駆動回路22には副電源50のみからの電力が供給される状態となる。なお、後述する処理によって、副電源50には、エンジンを始動させるために必要な電力は必ず蓄積されている。
ステップS15の処理後、電源制御部43aは、図4のイグニッションスイッチオンプログラムの実行を終了する。この場合も、エンジン制御部23aの図示しないエンジン制御プログラムの実行により、エンジンは始動されるとともに、エンジン停止指示があるまでエンジンは作動し続ける。なお、前記所定時間の経過後には、主電源10からの電力が昇圧回路21、駆動回路22およびエンジン制御ユニット23に供給される。
また、電動パワーステアリング制御回路40のアシスト制御部43bは、電源制御部43aおよびエンジン制御部23aと同様に、前記イグニッションスイッチ14を介した電圧信号の入力に応答して、図示しないアシスト制御プログラムの実行を開始する。このアシスト制御プログラムにおいては、操舵トルクセンサ37、舵角センサ38および車速センサ39によって検出された操舵トルクTx、操舵角θxおよび車速Vxを表す検出信号を入力して、電動モータMを駆動制御する。このアシスト制御プログラムは、イグニッションスイッチ14がオフ状態に切換えられるまで繰り返し実行され、運転者の操舵操作をアシストする。
次に、イグニッションスイッチ14がオフ状態に切換えられたときの電源制御処理について説明する。イグニッションスイッチ14がオン状態からオフ状態に切換えられると、電源制御部43aは、イグニッションスイッチ14を介した電圧信号の入力の変化に応答して、マイクロコンピュータのROM内に記憶されている図5のイグニッションオフプログラム(IGオフ)の実行を開始する。なお、このイグニッションオフプログラムは、イグニッションスイッチ14がオフ状態に切換えられたときに副電源50の充電を行うか否かを決定する制御プログラムである。
イグニッションスイッチ14がオフ状態に切換えられて上記プログラムが実行されると、電源制御部43aは、ステップS21にて、副電源50の充放電用スイッチ回路44に供給されているハイレベルの充放電制御用信号をローレベルに変更して、充放電用スイッチ回路44をオフ状態に一旦切換える。これにより、副電源50は、主電源10から切り離される。次に、電源制御部43aは、ステップS22にて、電圧センサ46により検出された副電源50の電圧Ecを入力する。そして、電源制御部43aは、ステップS23にて、副電源50の電圧Ecが副電源基準電圧Ec0よりも大きいか否かを判定する。副電源基準電圧Ec0は、エンジンを始動するために必要な副電源50における最低限の電力を、副電源50の端子電圧で示す基準値である。
副電源50の電圧Ecが副電源基準電圧Ec0よりも大きい場合には、電源制御部43aは、ステップS24にて、エンジン停止信号をエンジン制御ユニット23内のエンジン制御部23aに出力する。これにより、エンジン制御部23aは、図示しないエンジン停止制御プログラムを実行し、エンジンの作動を停止させる。前記ステップS24の処理後、電源制御部43aは、ステップS25にて、電源リレー15のリレーコイルへの通電を停止して、このイグニッションオフプログラムの実行を終了する。これにより、電源リレー15のリレースイッチはオフ状態に切換えられ、主電源10からエンジン制御回路20および電動パワーステアリング制御回路40への電力供給が停止する。
一方、副電源50の電圧Ecが副電源基準電圧Ec0以下である場合には、電源制御部43aは、ステップS23にて「No」と判定して、ステップS26,S27の処理を実行する。ステップS26においては、電圧センサ13から主電源10の電圧Ebを入力する。ステップS27においては、前記入力した主電源10の電圧Ebが主電源基準電圧Eb2よりも大きいか否かを判定する。主電源基準電圧Eb2は、主電源10から副電源50に充電しても、主電源10によってエンジンを始動できるとともに、充電された副電源50によってもエンジンを始動できる比較的大きな主電源10における残存電力を、主電源10の端子電圧で示す基準値である。この場合、主電源10の電圧Ebが主電源基準電圧Eb2よりも大きくなるまで、ステップS26,S27の循環処理が続けられる。なお、この状態では、エンジンは作動しており、主電源10はオルタネータ12によって充電される。主電源10の電圧Ebが主電源基準電圧Eb2よりも大きければ、電源制御部43aは、ステップS27にて「Yes」と判定して、前記ステップS24と同様なステップS28の処理により、エンジン停止信号をエンジン制御部23aに出力して、エンジンの作動を停止させる。
次に、電源制御部43aは、ステップS29〜S31からなる循環処理を実行する。この循環処理は、ヘッドライトなどの車載電気負荷Rによりイグニッションスイッチ14のオフ後に消費される電力を監視するもので、イグニッションスイッチ14のオフ後に継続して実行されるものである。ステップS29においては、前記ステップS26の処理と同様に、主電源10の主電源電圧Ebが入力される。ステップS30においては、前記入力した主電源10の電圧Ebが主電源基準電圧Eb1よりも大きいか否かが判定する。ステップS31においては、イグニッションスイッチ14がオフ状態からオン状態に切換えれたか否かが判定される。主電源基準電圧Eb1は、主電源10から副電源50に充電しておかないと、主電源10によってエンジンを始動できなくなる主電源10における残存電力であり、かつ充電により副電源50の電圧Ecを副電源基準電圧Ec0(副電源50でエンジンを始動するために必要な最低限の電圧)に確保できる主電源10における残存電力を、主電源10の端子電圧で示す基準値である。ここで、主電源基準電圧Eb0,Eb1,Eb2の大小関係について説明しておくと、主電源基準電圧Eb0,Eb1,Eb2は、Eb2>Eb1>Eb0の関係にある。
主電源10の電圧Ebが主電源基準電圧Eb1よりも大きければ、電源制御部43aは、ステップS30にて「Yes」と判定して、イグニッションスイッチ14がオフ状態からオン状態に切換えられるまで、ステップS29〜S31からなる循環処理を実行し続ける。すなわち、イグニッションスイッチ14のオフ後に、車載電気負荷Rによって電力が消費されずに、主電源10の電圧Ebが主電源基準電圧Eb1よりも大きい状態に保たれている限り、ステップS29〜S31からなる循環処理は実行され続ける。そして、イグニッションスイッチ14がオフ状態からオン状態に切換えられると、電源制御部43aは、ステップS31にて「Yes」と判定して、このイグニッションオフプログラムの実行を終了する。一方、このイグニッションスイッチ14のオン状態への切換えにより、電源制御部43aは、前述した図4のイグニッションオンプログラムを実行する。この場合、主電源の電圧Ebは主電源基準電圧Eb0よりも高いので、エンジンは主電源によって始動される。
一方、イグニッションスイッチ14のオフ後における車載掲載負荷Rの電力消費により、主電源10の電圧Ebが主電源基準電圧Eb1以下になると、電源制御部43aは、ステップS30にて「No」と判定して、ステップS30にプログラムを進める。ステップS32においては、前記図4のステップS12と同様な処理により、充放電用スイッチ回路44がオン状態に切換えられる。これにより、主電源10と副電源50との間は、主電源供給ライン101、駆動系電源ライン104および充放電ライン106を介して接続されるので、副電源50は主電源10から充電され始める。
前記ステップS32の処理後、電源制御部43aは、前記ステップS22,S23と同様なステップS33,S34の処理により、副電源50の電圧Ecを入力して、副電源50の電圧Ecが副電源基準電圧Ec0よりも大きいか否かを判定する。副電源50の電圧Ecが副電源基準電圧Ec0以下であれば、ステップS33,S34の循環処理が実行され続ける。この間、副電源50は、主電源10によって充電され続ける。そして、副電源50の電圧Ecが副電源基準電圧Ec0よりも大きくなると、電源制御部43aは、ステップS34にて「Yes」と判定する。そして、ステップS35にて、前記ステップS21の処理と同様に、充放電用スイッチ回路44をオフ状態に切換える。これにより、副電源50は駆動系電源ライン104から切り離されて、副電源50に充電された電力は保持される。前記ステップS35の処理後、電源制御部43aは、前述したステップS25の処理により、電源リレー15のリレースイッチをオフ状態に切換え、このイグニッションオンプログラムの実行を終了する。
以上説明したように、第1実施形態では、イグニッションスイッチ14がオン状態に切換えられたとき、主電源10の電力供給によりエンジンを始動させることができる場合は、主電源10によりエンジンを始動する(ステップS14)。主電源10によりエンジンを始動させることができない場合のみ、副電源50からの電力供給によりエンジンを始動する(ステップS14,S15)。したがって、原則として、エンジンの始動のために必要な電力は主電源10から供給される。そして、イグニッションスイッチ14のオフ後に、主電源10の電力が消費されて、エンジンを始動できない場合には、副電源50によってエンジンが始動されるので、エンジンは主電源10および副電源50のいずれかにより必ず始動される。
また、第1実施形態では、イグニッションスイッチ14がオフ状態に切換えられたとき、副電源50にエンジンを始動するための電力が蓄積されていれば、エンジンは即座に停止されるので、運転者に違和感を与えない(ステップS23,S24)。また、イグニッションスイッチ14がオフ状態に切換えられたとき、副電源50にエンジンを始動するための電力が蓄積されていなくても、エンジンを作動させ続けて、主電源10に充分な電力が蓄積される(ステップS26〜S28)。この主電源10への電力の蓄積後、イグニッションスイッチ14がオフされても、主電源10に蓄積された電力が次にイグニッションスイッチ14がオンされるまで監視され続ける(ステップS29〜S31)。そして、イグニッションスイッチ14のオフ後に、ヘッドライトの消灯忘れのように車載電気負荷Rによる電力消費により、主電源10の電力が、次にイグニッションスイッチ14をオン状態に切換えたときに、エンジンを始動できなくなりそうな場合には、主電源10から副電源50に充電されて、副電源50にはエンジンを始動するために必要な電力が確保される(ステップS30,S32〜S35)。したがって、イグニッションスイッチ14のオフ後における主電源10に蓄えられた電力が消費されても、副電源50によるエンジンの始動は確保される。
b.第2実施形態
次に、第2実施形態に係る車両の電源装置について説明する。この第2実施形態に係る車両の電源装置においては、主電源10が副電源50を充電する際の主電源10から副電源50に供給される充電電流を好適な大きさとするために電流センサ61を新たに設けたもので、他の構成については、第1実施形態と同一である。したがって、ここでは、その新たに追加した構成についてのみ説明し、他の共通する構成については図面に同一符号を付して説明を省略する。
電流センサ61は、図1に破線で示すように、主電源供給ライン101における車載電気負荷Rよりも主電源供給ライン101側の位置に介装されている。この電流センサ61は、主電源10から出力される全ての電流を検出して、検出した電流を表す検出信号を電動パワーステアリング制御ユニット43の電源制御部43aに供給する。しかし、実際には、この検出電流値が利用されるのは、後述するように、エンジンおよびステアリング機構30内の電動モータMの作動制御が停止された後であるので、実質的には、他の車載電気負荷R(例えば、ヘッドライト等の照明装置)に流れる電流量を検出する。したがって、この電流センサ61を、主電源10から車載電気負荷Rに供給される電流のみを検出するように、主電源供給ライン101から分岐した車載電気負荷R側の電源ラインに介装させるようにしてもよい。
電源制御部43aは、エンジンを停止させて主電源10から副電源50を充電するとき、電圧センサ13,46および電流センサ61によって検出された各検出信号に応じてデューティ比の変化するパルス列信号を充放電用スイッチ回路44に出力する。これにより、主電源10から副電源50に供給される電流の大きさが変更され、主電源10から副電源50への充電速度が変更制御される。
以下、第2実施形態の作動を説明するが、この第2実施形態も上記第1実施形態とほぼ同様に動作するので、上記第1実施形態と同じ動作については説明を省略し、上記第1実施形態と異なる動作についてのみ説明する。この第2実施形態においては、イグニッションスイッチ14がオフ状態からオン状態に切換えられたときには、上述した図4のイグニッションオンプログラムが実行されて、上記第1実施形態と同様に動作する。
また、イグニッションスイッチ14がオン状態からオフ状態に切換えられたとき、電動パワーステアリング制御回路40の電源制御部43aは、上述した図5のイグニッションオフプログラムに代えて、図6のイグニッションオフプログラム(IGオフ)を実行する。この図6のイグニッションオフプログラムもマイクロコンピュータのROM内に記憶されたもので、上記図5のイグニッションオフプログラムのステップS32の処理を削除して、同ステップS32の代わりにステップS41,S42の処理を設けたものである。ステップS32の処理を削除した理由は、ステップS21の処理により充放電用スイッチ回路44は既にオフ状態に切換えられており、かつ充放電用スイッチ回路44を後述するステップS42の処理によってオン・オフ制御されるようにしたためである。
ステップS41においては、電源制御部43aは、充電電流探索ルーチンを実行する。この充電電流探索ルーチンは、エンジンを停止して、主電源10から副電源50を充電する際、充電電流の大きさを決定するためのものである。主電源10の劣化を防止するためには、小電流で長い時間をかけて副電源を充電するほうが望ましい。しかしながら、主電源10は、エンジンを停止している場合であっても、車載電気負荷R(例えば、ヘッドライト等の照明装置)に大電流を供給していることがあり、この場合、主電源10の電圧Ebは急速に低下する。したがって、長い時間をかけて小電流で副電源50を充電すると、副電源50に電力が十分に充電される前に、主電源10の電圧Ebが低下して、主電源10および副電源50のいずれの電源を用いてもエンジンを始動できなくなる場合がある。そこで、この充電電流探索ルーチンでは、主電源10の電圧Ebがエンジンを始動できなくなる前に副電源50の充電が完了できる条件の電流を充電電流とし、さらに、この条件の下でできる限り小さく設定できる充電電流を探索する。
充電電流探索ルーチンは、図7に詳細に示されており、電源制御部43aは、まず、ステップS51にて、電流センサ61によって検出された主電源10の放電電流Ir、電圧センサ13によって検出された主電源10の電圧Eb、および電圧センサ46によって検出された副電源50の電圧Ecを入力する。そして、入力した放電電流Ir、主電源10の電圧Ebおよび副電源50の電圧Ecをそれぞれ初期放電電流Ir1、初期主電源電圧Eb1および初期副電源電圧Ec1として設定する。なお、この状態では、ステップS28の処理によってエンジンは停止しているとともに、アシスト制御部43bによるステアリング機構30内の電動モータMの制御も停止しているので、エンジン制御回路20および電動パワーステアリング制御回路40による電力消費は無く又は極めて僅かであり、実質的には、前記放電電流Irは他の車載電気負荷Rに供給される電流である。この電流としては、ヘッドライトなどの消灯忘れに起因した電流が主な電流である。
前記ステップS51の処理後、電源制御部43aは、ステップS52にて、主電源10から副電源50に流される充電電流Icを所定の初期値Ic1に設定する。この場合、初期値は、標準的な大きさの充電電流を表す予め決められた値である(例えば、図8の充電電流Icの大きさ「中」)に設定する。なお、この初期値Ic1に設定された充電電流Icは、後述する充電電流の探索のために仮に設定されるものである。
ここで、図8のグラフについて説明しておく。図8のグラフは、初期副電源電圧Ec1と充電電流Icを種々に変更した場合における、副電源50の電圧Ecの変化(見方を変えれば、副電源50が副電源基準電圧Ec0に充電されるまでの上昇時間tc)と、初期副電源電圧Ec1および充電電流Icとの関係を示している。代表的な3種類の実線で示すように、初期副電源電圧Ec1が大きくなるに従って、すなわち初期副電源電圧Ecが副電源基準電圧Ec0に近づくに従って、上昇時間tcは短くなる。なお、実線は、充電電流Icの大きさが中程度の場合である。また、初期副電源電圧Ec1が同じであっても、初期副電源電圧Ec1が中程度である場合に限って一点鎖線、実線および破線で示すように、充電電流Icが大きくなるに従って上昇時間tcは短くなる。なお、図示しないが、初期副電源電圧Ecが前記中程度の初期副電源電圧Ec1より大きくなっても、小さくなっても、初期副電源電圧Ecが中程度である場合と同様に、充電電流Icが大きくなるに従って上昇時間tcは短くなる。
前記ステップS52の処理後、電源制御部43aは、ステップS53にて、副電源50を充電電流Icで充電した場合に、副電源50の電圧Ecが副電源基準電圧Ec0に上昇するまでの上昇時間tcを計算する。この上昇時間tcの計算においては、電動パワーステアリング制御ユニット43を構成するマイクロコンピュータ内のROMに設けた第1時間テーブルが参照されるとともに、線形補間法が利用される。第1時間テーブルは、図9に示すように、初期副電源電圧Ecが順次増加する電圧値E1,E2・・・Enである各場合に対して、順次増加する電流値I1,I2・・・Imの充電電流Icで副電源50をそれぞれ充電した場合における上昇時間tcを記憶したものである。電流値I1,I2・・・Imおよび電圧値E1,E2・・・Enはそれぞれ離散値であり、上昇時間tcは実験により予め定められた値である。なお、m、nは、「1」より大きな正の整数である。
前記第1テーブルの参照においては、図10に示すように、前記初期値Ic1に設定された充電電流Icに直近の両側の電流値Ij,Ij+1を示す両直線と、前記入力した初期副電源電圧Ecに直近の両側の電圧値Ek,Ek+1を示す両直線との各交点に相当する4つの上昇時間tc(j,k),tc(j+1,k),tc(j,k+1),tc(j+1,k+1)を第1時間テーブルから読み出す。なお、jは1ないしmのいずれかの整数であり、kは1ないしnのいずれかの整数である。そして、これらの上昇時間tc(j,k),tc(j+1,k),tc(j,k+1) ,tc(j+1,k+1)、前記電流値Ij,Ij+1、前記電圧値Ek,Ek+1、前記充電電流Icおよび前記初期副電源電圧Ecを用いて、線形補間により上昇時間tcを計算する。
例えば、上昇時間tc(j,k),tc(j+1,k)を電流値Ij,Ij+1および充電電流Icを用いて線形補間した上昇時間をtc1とすると、上昇時間tc1は下記数1により計算される。
Figure 2010038132
また、上昇時間tc(j,k+1),tc(j+1,k+1)を電流値Ij,Ij+1および充電電流Icを用いて線形補間した上昇時間をtc2とすると、上昇時間tc2は下記数2により計算される。
Figure 2010038132
そして、前記計算した上昇時間tc1,tc2を電圧値Ek,Ek+1および初期副電源電圧Ecを用いて線形補間した上昇時間をtcとすると、上昇時間tcは下記数3により計算される。
Figure 2010038132
これにより、上昇時間tcが計算される。なお、この上昇時間tcの計算において、線形補間以外の2次関数、3次間数、指数関数などの他の関数による補間演算を採用してもよい。
前記ステップS53の処理後、電源制御部43aは、ステップS54にて、主電源10の電力を放電電流Ib(=Ir+Ic)で放電した場合に、主電源10の電圧Ebが主電源基準電圧Eb0まで下降する下降時間tbを計算する。この下降時間tbの計算においては、電動パワーステアリング制御ユニット43を構成するマイクロコンピュータ内のROMに設けた第2時間テーブルが参照されるとともに、線形補間法が利用される。
ここで、初期主電源電圧Eb1と充電電流Icを種々に変更した場合における、主電源10の電圧Ebの変化(見方を変えれば、主電源10の電圧Ebが主電源基準電圧Eb0に放電されるまでの下降時間tb)と、初期主電源電圧Eb1および放電電流Ibとの関係を説明すると、図11はこの関係をグラフにより示している。ここで、放電電流Ibは、前記入力した他の車載電気負荷Rに対する放電電流Irと副電源50への充電電流Icの和Ir+Icである。代表的な3種類の実線で示すように、初期主電源電圧Eb1が大きくなるに従って、すなわち初期主電源電圧Ebが主電源基準電圧Eb0から離れるに従って、下降時間tbは長くなる。なお、実線は、放電電流Ib(=Ir+Ic)の大きさが中程度の場合である。また、初期主電源電圧Eb1が同じであっても、初期主電源電圧Ebが中程度である場合に限って一点鎖線、実線および破線で示すように、放電電流Ib(=Ir+Ic)が前記中程度の初期主電源電圧Eb1より大きくなるに従って下降時間tbは短くなる。なお、図示しないが、初期主電源電圧Eb1が前記中程度の初期主電源電圧Eb1より大きくなっても、小さくなっても、初期主電源電圧Eb1が中程度である場合に限り示すように、放電電流Ibが大きくなるに従って下降時間tbは短くなる。
また、第2時間テーブルは、図12に示すように、初期主電源電圧Ebが順次増加する電圧値E1,E2・・・Enである各場合に対して、順次増加する電流値I1,I2・・・Inの放電電流Ibで主電源10からそれぞれ放電した場合における下降時間tbを記憶したものである。電流値I1,I2・・・Imおよび電圧値E1,E2・・・Enはそれぞれ離散値であり、下降時間tbは実験により予め定められた値である。なお、m,nは、「1」より大きな正の整数である。
前記第2テーブルの参照においては、前述した図10に括弧書きで示すように、前記放電電流Ib(すなわち、前記初期値Ic1に設定された充電電流Icと前記入力した放電電流Irとの和Ir+Ic)に直近の両側の電流値Ij,Ij+1を示す両直線と、前記入力した初期主電源電圧Ebに直近の両側の電圧値Ek,Ek+1を示す両直線との交点に相当する4つの下降時間tb(j,k),tb(j+1,k),tb(j,k+1),tb(j+1,k+1)を第2時間テーブルから読み出す。この場合も、jは1ないしmのいずれかの整数であり、kは1ないしnのいずれかの整数である。そして、これらの下降時間tb(j,k),tb(j+1,k),tb(j,k+1) ,tb(j+1,k+1)、前記電流値Ij,Ij+1、前記電圧値Ek,Ek+1、前記放電電流Ibおよび前記初期主電源電圧Ebを用いて、線形補間により下降時間tbを計算する。
例えば、下降時間tb(j,k),tb(j+1,k)を電流値Ij,Ij+1および放電電流Ibを用いて線形補間した下降時間をtb1とすると、下降時間tb1は下記数4により計算される。
Figure 2010038132
また、下降時間tb(j,k+1),tb(j+1,k+1)を電流値Ij,Ij+1および放電電流Ibを用いて線形補間した下降時間をtb2とすると、下降時間tb2は下記数5により計算される。
Figure 2010038132
そして、前記計算した下降時間tb1,tb2を電圧値Ek,Ek+1および初期主電源電圧Ebを用いて線形補間した下降時間をtbとすると、下降時間tbは下記数6により計算される。
Figure 2010038132
これにより、下降時間tbが計算される。なお、この下降時間tbの計算においても、線形補間以外の2次関数、3次間数、指数関数などの他の関数による補間演算を採用してもよい。
前記ステップS54の処理後、電源制御部43aは、ステップS55にて、主電源10の電圧の下降時間tbと副電源50の電圧の上昇時間tcの時間差である絶対値|tb−tc|が、所定時間Δt以下であるか否かを判定する。所定時間Δtは、主電源10の電圧の下降時間tbと副電源50の電圧の上昇時間tcがほぼ同じ時間とみなせる程度の微小な値である。絶対値|tb−tc|が所定時間Δt以下である場合は、電源制御部43aは、ステップS55にて「Yes」と判定して、ステップS56にて現在設定されている充電電流Icを目標充電電流Ic*として設定する。
一方、ステップS55において、「No」すなわち前記絶対値|tb−tc|が所定時間Δtより大きいと判定された場合には、電源制御部43aは、ステップS57にて、上昇時間tcが下降時間tb以下であるか否かを判定する。上昇時間tcが下降時間tb以下であれば、電源制御部43aは、ステップS57にて「Yes」と判定して、ステップS58にて、充電電流Icから所定値αを減算する。この所定値αは、このステップS58および後述するステップS60の充電電流Icの減少または増加による充電電流Icの更新処理が繰り返し行われても、ステップS57の「Yes」および「No」との判定処理が交互に行われることはなく、充電電流Icの減少または増加中にステップS55にて「Yes」すなわち前記絶対値|tb−tc|が|tb−tc|≦Δtの範囲内に必ず収まるように設定された微小な正の値である。前記ステップS58の処理によって充電電流Icを減少させた結果、図13(a)(b)に示すように、両時間tb,tcは共に長くなるが、その長くなる度合いは副電源50の電圧の上昇時間tcの方が大きい。したがって、上昇時間tcが下降時間tbより小さい場合に、充電電流Icを小さくすることにより副電源50の電圧の上昇時間tcと主電源10の電圧の下降時間tbの差を縮めて最終的に収束させることができる。
ステップS58の処理後、電源制御部43aは、ステップS59にて、充電電流Icが所定の最小電流値Icmin以下であるか否かを判定する。そして、充電電流Icが所定の最小電流値Icmin以下でなければ、電源制御部43aは、ステップS59にて「No」と判定して、プログラムをステップS53に戻して、前述したステップS53,S54の処理を実行する。ステップS53,S54においては、前記ステップS58の処理によって更新された充電電流Icを用いて、前記と同様にして副電源50の電圧の上昇時間tcおよび主電源10の電圧の下降時間tbを計算する。そして、ステップS55にて、下降時間tbと上昇時間tcの時間差である絶対値|tb−tc|が、所定時間Δt以下であるか否かを再び判定する。絶対値|tb−tc|が、所定時間Δt以下でなければ、充電電流Icが所定の最小電流値Icmin以下にならない限り、ステップS57〜S59,S53〜S55の処理が再び実行される。このようなステップS57〜S59,S53〜S55の繰り返し処理により、充電電流Icが減少されて、副電源50の電圧の上昇時間tcと主電源10の電圧の下降時間tbとの差が縮められる。そして、絶対値|tb−tc|が所定時間Δt以下となると、電源制御部43aは、ステップS55にて「Yes」と判定して、前述のように、ステップS56にて現在の充電電流Icを目標充電電流Ic*として設定する。
また、前記ステップS53〜S55,S57〜S59の循環処理中に、充電電流Icが所定の最小電流値Icmin以下になると、電源制御部43aは、ステップS59にて「Yes」と判定して、プログラムをステップS56に進める。これは、主電源10から他の車載電気負荷Rへの放電電流Irが極めて小さい場合、すなわち放電電流Irが「0」に近い場合には、主電源10の電圧の下降時間tbが極めて大きくなり、前記前記ステップS53〜S55,S57〜S59の循環処理が長時間実行され続けること、および充電電流Icが極めて小さくなること(言い換えれば、下降時間tbおよび上昇時間tcが長くなり過ぎること)を回避するためである。したがって、この場合には、充電電流Icが所定の最小電流値Icmin以下になった時点の充電電流Icが目標充電電流Ic*として設定されることなる。
次に、ステップS57において、「No」すなわち副電源50の電圧の上昇時間tcが主電源10の電圧の下降時間tbよりも大きい場合について説明する。この場合、電源制御部43aは、ステップS60にて、充電電流Icに所定値αを加算する。この場合には、図14に示すように、充電電流Icが増加されると、両時間tb,tcは共に短くなるが、その短くなる度合いは副電源の電圧の上昇時間tcの方が大きい。したがって、上昇時間tcが下降時間tbより大きい場合には、充電電流Icを大きくすることにより副電源50の電圧の上昇時間tcと主電源10の電圧の下降時間tbとの差を縮めて最終的に収束させることができる。
ステップS60の処理後、電源制御部43aは、プログラムをステップS54に戻して、前述したステップS53,S54の処理を実行する。ステップS53,S54においては、前記ステップS60の処理によって更新された充電電流Icを用いて、前記と同様にして副電源50の電圧の上昇時間tcおよび主電源10の電圧の下降時間tbを計算する。そして、ステップS55にて、下降時間tbと上昇時間tcの時間差である絶対値|tb−tc|が、所定時間Δt以下であるか否かを再び判定する。絶対値|tb−tc|が、所定時間Δt以下でなければ、ステップS57,S60,S53〜S55の処理が再び実行される。このようなステップS57,S60,S53〜S55の繰り返し処理により、充電電流Icが増加されて、副電源50の電圧の上昇時間tcと主電源10の電圧の下降時間tbとの差が縮められる。そして、絶対値|tb−tc|が所定時間Δt以下となると、電源制御部43aは、ステップS55にて「Yes」と判定して、前述のように、ステップS56にて現在の充電電流Icを目標充電電流Ic*として設定する。
前述のようにして、目標充電電流Ic*が設定されると、充電電流探索ルーチンの処理は終了する。そして、電源制御部43aは、図6のステップS42にて、目標充電電流Ic*に応じたデューティ比のパルス列信号を充放電用スイッチ回路44に出力して、充放電用スイッチ回路44をこのパルス列信号によりオン・オフ制御する。この場合、電源制御部43aは、電動パワーステアリング制御ユニット43を構成するマイクロコンピュータ内のROMに設けたデューティ比テーブルを参照して、目標充電電流Ic*に対応したデューティ比を決定する。このデューティ比は、図15に示すように、目標充電電流Ic*にほぼ比例する。これにより、主電源10から副電源50に充放電用スイッチ回路44を介して前記デューティ比に比例した電流すなわち目標充電電流Ic*が流れて、副電源50が充電され始める。前記ステップS42の処理後、電源制御部43aは、上記第1実施形態と同様に、副電源50の電圧Ecが副電源基準電圧Ec0よりも大きくなるまでステップS33,S34の処理を繰り返し実行する。そして、電圧Ecが副電源基準電圧Ec0よりも大きくなると、電源制御部43aは、ステップS34にて「Yes」と判定して、上記第1実施形態と同様なステップS35,S25の処理により、充放電用スイッチ回路44をオフ状態に切換えて副電源50を駆動系電源ライン104から切り離した後、電源リレー15をオフ状態に切換えて、イグニッションオフプログラムの実行を終了する。これにより、主電源10から副電源50への充電も終了する。
以上説明したように、本発明の第2実施形態では、エンジンを停止して、主電源10から副電源50に充電する際、他の車載電気負荷Rに流れる電流を考慮して、初期主電源電圧Eb1が主電源基準電圧Eb0まで下降する下降時間tbと初期副電源電圧Ec1が副電源基準電圧Ec0まで上昇する上昇時間tcとが同程度になるように充電電流を決定する(ステップS53〜S60)。このため、第2実施形態では、主電源10と副電源50のいずれか一方がエンジンを始動できるだけの電圧を確保している間に、副電源50の充電を完了することができる。さらに、上記条件を満たした上で選択できる充電電流Icを可能な限り小さな電流とすることができ、主電源10の劣化の防止をすることができる。
なお、上記第2実施形態において、充放電用スイッチ回路44を目標充電電流Ic*に応じたデューティ比のパルス列で充放電用スイッチ回路44をオン・オフ制御して、副電源50への充電電流Icの大きさを変化させて副電源50への充電時間を変更制御するようにした。しかし、これに代えて、充放電ライン106に設けた抵抗45を可変抵抗に換え、この可変抵抗の抵抗値を目標充電電流Ic*に応じて変更することにより、副電源50に対する充電電流の大きさを変化させて主電源10から副電源50への充電時間を変更制御するようにしてもよい。この場合、目標充電電流Ic*が大きくなるに従って、可変抵抗を小さくするようにする。
また、上記第2実施形態では、主電源10の放電電流Ir、主電源10の電圧Eb、および副電源50の電圧Ecを用いて目標充電電流Ic*を決定するようにした。しかし、これに代えて、主電源10の電圧Ebおよび副電源50の電圧Ecに関しては変動がないものとして扱い、主電源10の放電電流Irすなわちヘッドライトなどの照明装置を含む他の車載電気負荷Rによって消費される電力のみを考慮して、目標充電電流Ic*を決定して、この決定した目標充電電流Ic*に応じて副電源50への充電時間(充電速度)を変更制御するようにしてもよい。この場合、主電源10の放電電流Irが大きくなるに従って、目標充電電流Ic*が大きくなるようにして、副電源50への充電時間が短くなる、すなわち充電速度が速くなるようにするとよい。
c.第3実施形態
次に、第3実施形態に係る車両の電源装置について説明する。この第3実施形態は、イグニッションスイッチ14のオフ後に、主電源10の蓄積電力を長時間にわたって監視することなく、副電源50の蓄積電力を確保するようにしたものである。構成的には上記第1実施形態と同一である。第1実施形態と異なる点は、イグニッションスイッチ14がオン状態からオフ状態に切換えられたとき、電源制御部43aが、上記第1実施形態の図5のイグニッションオフプログラムに代えて、図16のイグニッションオフプログラムを実行する点である。したがって、この図16のイグニッションオフプログラムに関する事項のみ説明する。
この図16のイグニッションオフプログラムもマイクロコンピュータのROM内に記憶されたもので、ステップS21〜S25の処理については上記第1実施形態と同じである。このイグニッションオフプログラムにおいては、図5のステップS26,S27の処理に代えて、図5のステップS29,S30の処理を実行するようにしている。このステップS29,S30の処理により、主電源10の電圧Ebが主電源基準電圧Eb1以下であれば、エンジンを作動させ続け、主電源10の電圧Ebが主電源基準電圧Eb1よりも大きくなった状態で、上記第1実施形態と同じステップS28の処理によりエンジンを停止させるようにしている。そして、上記第1実施形態と同じステップS32〜S34の処理により、副電源50の電圧Ecが副電源基準電圧Ec0になるまで充電して、ステップS25にて電源リレー15のリレースイッチをオフして、このイグニッションオフプログラムの実行を終了する。
この第3実施形態においては、イグニッションスイッチ14のオフ後、副電源50にはエンジンを始動できるだけの電力が必ず蓄積されるので、少なくとも副電源50によりエンジンは次回に必ず始動される。また、この第3実施形態においては、イグニッションスイッチ14のオフ後に長時間にわたって主電源10の電力を監視する必要がなくなる。
なお、この第3実施形態においては、ステップS30にて主電源10の電圧Ecが主電源基準電圧Eb1よりも大きいか否かを判定するようにした。しかし、主電源10の蓄積電力に余裕をもたせるために、前記主電源基準電圧Eb1に代えて、前記主電源基準電圧Eb1よりも大きな主電源基準電圧Eb2を用いてもよい。
d.第4実施形態
次に、第4実施形態に係る車両の電源装置について説明する。この第4実施形態に係る車両の電源装置においては、上記第2実施形態と同様に、主電源10から副電源50に供給される充電電流を好適な大きさとするもので、上記第3実施形態の構成に上記第2実施形態と同様な電流センサ61が設けられている。第3実施形態と異なる点は、電源制御部43aが、イグニッションスイッチ14がオン状態からオフ状態に切換えられたとき、上記第1実施形態の図16のイグニッションオフプログラムに代えて、図17のイグニッションオフプログラムを実行する点である。したがって、この図17のイグニッションオフプログラムに関する事項のみ説明する。
この図17のイグニッションオフプログラムもマイクロコンピュータのROM内に記憶されたもので、上記第3実施形態に係る図16のステップS32の処理に代えて、上記第2実施形態と同様なステップS41,S42の処理が設けられている。これらのステップS41,S42の処理に関しては上記第2実施形態で説明したとおりである。したがって、この第4実施形態においても、主電源10から副電源50への充電電流Icを適切にすることができ、主電源10の劣化の防止をすることができる。
なお、上記第4実施形態においても、上記第2実施形態の変形例の場合と同様に、充放電ライン106に設けた抵抗45を可変抵抗に換え、この可変抵抗の抵抗値を目標充電電流Ic*に応じて変更することにより、副電源50に対する充電電流の大きさを変化させて主電源10から副電源50への充電時間を変更制御するようにしてもよい。この場合も、目標充電電流Ic*が大きくなるに従って、可変抵抗を小さくするようにする。
また、上記第4実施形態でおいても、上記第2実施形態の変形例の場合と同様に、主電源10の電圧Ebおよび副電源50の電圧Ecに関しては変動がないものとして扱い、主電源10の放電電流Irすなわちヘッドライトなどの照明装置を含む他の車載電気負荷Rによって消費される電力のみを考慮して、目標充電電流Ic*を決定して、この決定した目標充電電流Ic*に応じて副電源50への充電時間(充電速度)を変更制御するようにしてもよい。この場合も、主電源10の放電電流Irが大きくなるに従って、目標充電電流Ic*が大きくなるようにして、副電源50への充電時間が短くなる、すなわち充電速度が速くなるようにするとよい。
さらに、この第4実施形態においても、ステップS30の主電源基準電圧Eb1に代えて、主電源10の蓄積電力に余裕をもたせるために、前記主電源基準電圧Eb1よりも大きな主電源基準電圧Eb2を用いてもよい。
以上、本発明の車両の電源装置に係る第1ないし第4実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。
例えば、上記第1および第2実施形態においては、副電源50として電動パワーステアリング制御回路40に備えられたものを採用したが、車両に搭載される電気制御装置であるブレーキ装置、サスペンション装置などに副電源を設けて、この副電源を第1および第2実施形態の副電源50の代わりに用いてもよい。また、副電源はエンジン制御回路専用に設けたものであってもよい。
また、例えば、上記第1ないし第4実施形態においては、副電源50は主電源10から直接供給される電力により充電されるようにした。しかし、これに代え、主電源10と副電源50を接続する電源ラインに昇圧回路を設けて、この昇圧回路によって高められた電力によって副電源50を充電できるようにしてもよい。この場合、副電源50は、昇圧回路の昇圧電圧相当の電圧を維持できるように複数の蓄電セルを直列に接続して構成する。
また、例えば、上記第1および第2実施形態においては、主電源10として、大電流の充放電によって劣化し易い化学電池である鉛蓄電池を採用したが、この主電源10を大電流で充放電し難い物理電池で構成してもよい。これとは反対に、上記第1および第2実施形態において採用した物理電池であるキャパシタ型の副電源50を、前記化学電池で構成してもよい。
本発明の第1および第2実施形態に係る車両の電源装置を含む車両制御装置の全体概略図である。 図1に示したエンジン制御回路の構成図である。 図1に示した電動パワーステアリング制御回路の構成図である。 第1および第2実施形態に係り、図3の電源制御部によって実行されるイグニッションオンプログラム(IGオン)を示すフローチャートである。 第1実施形態に係り、図3の電源制御部によって実行されるイグニッションオフプログラム(IGオフ)を示すフローチャートである。 第2実施形態に係り、図3の電源制御部によって実行されるイグニッションオフプログラム(IGオフ)を示すフローチャートである。 図6および図17の充電電流探索ルーチンを詳細に示すフローチャートである。 副電源の充電特性を表したグラフである。 副電源の電圧の上昇時間を記憶した第1時間テーブルの内容を説明する説明図である。 電圧の上昇時間および下降時間を決定するために用いる線形補間法についての説明図である。 主電源の放電特性を表したグラフである。 主電源の電圧の下降時間を記憶した第2時間テーブルの内容を説明する説明図である。 (a)は主電源から副電源に充電する充電電流を小さくした場合における主電源の電圧の下降時間が長くなる状態を説明するための説明図であり、(b)は主電源から副電源に充電する充電電流を小さくした場合における副電源の電圧の上昇時間が長くなる状態を説明するための説明図である。 (a)は主電源から副電源に充電する充電電流を大きくした場合における主電源の電圧の下降時間が短くなる状態を説明するための説明図であり、(b)は主電源から副電源に充電する充電電流を大きくした場合における副電源の電圧の上昇時間が短くなる状態を説明するための説明図である。 目標充電電流とデューティ比との関係を示すグラフである。 第3実施形態に係り、図3の電源制御部によって実行されるイグニッションオフプログラム(IGオフ)を示すフローチャートである。 第4実施形態に係り、図3の電源制御部によって実行されるイグニッションオフプログラム(IGオフ)を示すフローチャートである。
符号の説明
10…主電源、13…電圧センサ、14…イグニッションスイッチ、20…エンジン制御回路、23…エンジン制御ユニット、23a…エンジン制御部、26a,26b…スイッチ回路、30…ステアリング機構、40…電動パワーステアリング制御回路、43…電動パワーステアリング制御ユニット、43a…電源制御部、43b…アシスト制御部、46…電圧センサ、50…副電源、44…充放電用スイッチ回路、61…電流センサ、R…車載電気負荷、M…電動モータ

Claims (5)

  1. 複数の車載電気負荷に電力を供給する主電源と、前記主電源から供給される電力により充電される副電源と、エンジンの作動を制御するエンジン制御手段とを備えた車両の電源装置において、
    前記主電源の電圧を検出する主電源電圧検出手段と、
    イグニッションスイッチがオフ状態からオン状態に切換えられたとき、前記主電源電圧検出手段により検出された主電源の電圧が所定の第1基準電圧よりも大きいことを条件に、エンジンを始動させるための電力を前記主電源から前記エンジン制御手段に供給し、前記主電源電圧検出手段により検出された主電源の電圧が前記第1基準電圧以下であることを条件に、エンジンを始動させるための電力を前記副電源から前記エンジン制御手段に供給する始動電源制御手段と、
    イグニッションスイッチがオフ状態であるとき、前記主電源電圧検出手段により検出された主電源の電圧が所定の第2基準電圧以下であることを条件に、前記主電源から前記副電源を充電する充電制御手段と
    を設けたことを特徴とする車両の電源装置。
  2. 複数の車載電気負荷に電力を供給する主電源と、前記主電源から供給される電力により充電される副電源と、エンジンの作動を制御するエンジン制御手段とを備えた車両の電源装置において、
    前記主電源の電圧を検出する主電源電圧検出手段と、
    前記副電源の電圧を検出する副電源電圧検出手段と、
    イグニッションスイッチがオフ状態からオン状態に切換えられたとき、前記主電源電圧検出手段により検出された主電源の電圧が所定の第1基準電圧よりも大きいことを条件に、エンジンを始動させるための電力を前記主電源から前記エンジン制御手段に供給し、前記主電源電圧検出手段により検出された主電源の電圧が前記第1基準電圧以下であることを条件に、エンジンを始動させるための電力を前記副電源から前記エンジン制御手段に供給する始動電源制御手段と、
    イグニッションスイッチがオン状態からオフ状態に切換えられたとき、前記副電源電圧検出手段により検出された副電源の電圧が所定の第3基準電圧以下であることを条件に、前記主電源から前記副電源を充電する充電制御手段と
    を設けたことを特徴とする車両の電源装置。
  3. 請求項1または2に記載した車両の電源装置において、さらに、
    前記車載電気負荷に電力を供給するために前記主電源から放電される電流を検出する放電電流検出手段を設け、
    前記充電制御手段は、前記エンジンの作動を停止させて前記主電源から前記副電源に充電する際に、前記放電電流検出により検出された放電電流が大きくなるに従って、前記主電源から前記副電源への充電速度を速くする充電速度制御手段を含むことを特徴とする車両の電源装置。
  4. 請求項1に記載した車両の電源装置において、さらに、
    前記副電源の電圧を検出する副電源電圧検出手段と、
    前記車載電気負荷に電力を供給するために前記主電源から放電される電流を検出する放電電流検出手段とを設け、
    前記充電制御手段は、前記主電源電圧検出手段により検出された主電源の電圧、前記副電源電圧検出手段により検出された副電源の電圧、および前記放電電流検出手段により検出された放電電流に基づいて、前記主電源の電圧が放電により低下してエンジンを始動できなくなる電圧に少なくとも達する前までに、前記副電源が前記主電源によりエンジンを始動させるために必要な電圧まで徐々に充電されるようにする充電速度制御手段を含むことを特徴とする車両の電源装置。
  5. 請求項2に記載した車両の電源装置において、さらに、
    前記車載電気負荷に電力を供給するために前記主電源から放電される電流を検出する放電電流検出手段を設け、
    前記充電制御手段は、前記主電源電圧検出手段により検出された主電源の電圧、前記副電源電圧検出手段により検出された副電源の電圧、および前記放電電流検出手段により検出された放電電流に基づいて、前記主電源の電圧が放電により低下してエンジンを始動できなくなる電圧に少なくとも達する前までに、前記副電源が前記主電源によりエンジンを始動させるために必要な電圧まで徐々に充電されるようにする充電速度制御手段を含むことを特徴とする車両の電源装置。
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