JP2010038006A - モータジェネレータおよび汎用エンジン - Google Patents

モータジェネレータおよび汎用エンジン Download PDF

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Abstract

【課題】アキシャルギャップ型モータジェネレータをエンジン本体に取り付ける際の取り付け精度を向上して、発電効率の向上と小型化とを実現する。
【解決手段】汎用エンジンは、エンジン本体1と、エンジン本体1の出力軸3に取り付けられるモータジェネレータ2とを備える。出力軸3と一体回転する一対のロータ5,7間に、これら両ロータ5,7と離間状態を維持するステータ6は、支持部材4によって支持される。支持部材4は、エンジン本体1に固定される取付部4aと、エンジン本体1側に位置するロータ5の径方向外方において、上記取付部4aから上記ロータ5よりもステータ6側に突出する支持壁4bと、該支持壁4bのステータ6側に位置する先端に形成される支持部4cを備える。ステータ6は、上記ロータ5よりも径が大きく、ロータ5よりも外方に位置する突出部6cが、上記支持部材4の支持部4cに支持される。
【選択図】図6

Description

本発明は、アキシャルギャップ型モータジェネレータおよびモータジェネレータが一体化された汎用エンジンに関する。
従来、特許文献1に示すようなアキシャルギャップ型モータジェネレータが知られている。このアキシャルギャップ型モータジェネレータは、一対のロータが空隙を維持して回転軸に固定されている。また、これら一対のロータの対向面には、複数の磁石が周方向に整列して固定されている。
そして、上記ロータを収容するケースには、複数のコイルを有するステータが固定されており、このステータは、上記一対のロータの対向面間に、両ロータと非接触状態を維持しながら位置している。このような構成からなるアキシャルギャップ型モータジェネレータは、回転軸を回転させると、ロータとステータとが相対回転する。これにより、ロータに固定された磁石と、ステータに設けられたコイルとによって電磁誘導が生じ、コイルに誘導電流が流れて発電がなされる。
特開2005−261022号公報
上記のようなアキシャルギャップ型モータジェネレータを汎用エンジンに外付けする場合には、汎用エンジンの本体から突出する回転軸にロータを固定し、汎用エンジンの本体に、モータジェネレータのケースを介してステータが固定される。このとき、モータジェネレータのケースを汎用エンジンの本体に連結する連結部材が必要となる。これにより、ステータは、モータジェネレータのケース、および連結部材を介して汎用エンジンの本体に取り付けられることとなり、ロータに対するステータの位置精度がどうしても低下してしまう。このように、ステータが正確に取り付けられず、仮にロータに対して僅かでも傾いた状態でステータが取り付けられてしまうと、安定的に発電をすることができず、発電効率が低下してしまうという問題がある。
また、ロータとステータとの位置精度が低下するおそれがある上記のモータジェネレータを取り付ける場合には、若干の取り付け誤差を考慮して、ロータとステータとの間の隙間量、すなわち一対のロータ間の空隙を広めに確保する必要がある。なぜなら、ロータに対するステータの位置関係にずれが生じると、回転するロータがステータに接触して破損するおそれがあるからである。しかしながら、一対のロータ間の空隙を広くすると、それだけモータジェネレータが大型化するばかりか、両ロータ間に生じる磁力線が弱まってしまい、やはり発電効率が低下してしまう。このように、モータジェネレータをエンジン本体に取り付ける際の取り付け精度が低いことによって、汎用エンジンが大型化するとともに、発電効率が低下してしまうという問題がある。
本発明は、アキシャルギャップ型モータジェネレータをエンジン本体に取り付ける際の取り付け精度を向上して、発電効率の向上と小型化とを実現することを目的とする。
第1の発明は、エンジン本体の出力軸に取り付け可能なモータジェネレータにおいて、上記出力軸と一体回転可能な第1ロータと、該第1ロータと空隙を維持して対向配置され、上記出力軸と一体回転可能な第2ロータと、上記第1ロータおよび第2ロータの対向面間にこれら両ロータと離間して配置され、上記第1ロータよりも上記出力軸に直交する方向に突出する突出部を有するステータと、該ステータを上記エンジン本体に固設可能な支持部材と、を備え、少なくとも上記第1ロータおよび第2ロータのいずれかには、上記ステータと対向する対向面に複数の磁石が設けられ、上記ステータには上記磁石に臨む複数のコイルが設けられ、上記支持部材は、上記エンジン本体に固定可能な取付部と、上記第1ロータの径方向外方において上記取付部から上記第1ロータよりもステータ側に突出する支持壁と、該支持壁のステータ側に位置する先端に形成され、上記ステータの突出部を支持する支持部と、を備えることを特徴とする。
第2の発明は、上記第1ロータおよび第2ロータのいずれかの外周近傍には点火用マグネットが設けられ、上記支持部材には、上記点火用マグネットが設けられたいずれかのロータの径方向外方であって、該点火用マグネットに臨む位置に、上記点火用マグネットとの相対回転変位によって電流を発生させるイグニッションコイルを固定可能な固定壁が設けられてなることを特徴とする。
第3の発明は、上記点火用マグネットは第2ロータの外周近傍に設けられ、上記支持部材に設けられた固定壁は上記ステータよりも第2ロータ側に突出してなることを特徴とする。
第4の発明は、上記固定壁には、ステータの外周面に接触する位置決め面が形成され、該位置決め面に上記ステータの外周面を密着させることで該ステータの位置決めがなされることを特徴とする。
第5の発明は、上記固定壁には、少なくとも一対の位置決め面が設けられ、これら位置決め面が異なる方向に面してなることを特徴とする。
第6の発明は、エンジン本体と、該エンジン本体の出力軸に取り付けられるモータジェネレータとを備える汎用エンジンにおいて、上記モータジェネレータは、上記出力軸と一体回転する第1ロータと、該第1ロータと空隙を維持して対向配置され、上記出力軸と一体回転する第2ロータと、上記第1ロータおよび第2ロータの対向面間にこれら両ロータと離間して配置され、上記第1ロータよりも上記出力軸に直交する方向に突出する突出部を有するステータと、該ステータを上記エンジン本体に固設する支持部材と、を備え、少なくとも上記第1ロータおよび第2ロータのいずれかには、上記ステータと対向する対向面に複数の磁石が設けられ、上記ステータには上記磁石に臨む複数のコイルが設けられ、上記支持部材は、上記エンジン本体に固定される取付部と、上記第1ロータの径方向外方において上記取付部から上記第1ロータよりもステータ側に突出する支持壁と、該支持壁のステータ側に位置する先端に形成され、上記ステータの突出部を支持する支持部と、を備えることを特徴とする。
第7の発明は、上記第1ロータおよび第2ロータのいずれかの外周近傍には点火用マグネットが設けられ、上記支持部材には、上記点火用マグネットが設けられたいずれかのロータの径方向外方であって、該点火用マグネットに臨む位置に、上記点火用マグネットとの相対回転変位によって電流を発生させるイグニッションコイルを固定する固定壁が設けられてなることを特徴とする。
第8の発明は、上記点火用マグネットは第2ロータの外周近傍に設けられ、上記支持部材に設けられた固定壁は上記ステータよりも第2ロータ側に突出してなることを特徴とする。
第9の発明は、上記固定壁には、ステータの外周面に接触する位置決め面が形成され、該位置決め面に上記ステータの外周面を密着させることで該ステータの位置決めがなされることを特徴とする。
第10の発明は、上記固定壁には、少なくとも一対の位置決め面が設けられ、これら位置決め面が異なる方向に面してなることを特徴とする。
本発明において、第1ロータと第2ロータとの対向面には、複数の磁石が固定されるが、複数の磁石は、第1ロータにのみ設けてもよいし、第2ロータにのみ設けてもよい。いずれか一方のロータにのみ磁石を設ける場合には、磁石が設けられていない方のロータを磁性体で構成することが望ましい。また、両ロータの対向面に磁石を設ける場合には、対向する磁石の対向面が異なる磁極となるように配置することが好ましい。
さらに、上記第1ロータおよび第2ロータは、エンジンの出力軸の回転を安定化させるフライホイールとして機能させるとよい。
また、支持部材の支持部には、ボルトやネジあるいは接着剤等の固定手段を用いてステータが固定される。また、支持部材の取付部も、上記と同様の固定手段によってエンジン本体に固設される。ステータを支持する支持部は1点だけでもよいが、ステータを正確に支持するために、ある程度の間隔をもって複数箇所でステータを支持することが望ましい。これに加えて、ステータと支持部との接触面積を大きくすれば、長期の使用や温度変化によるがたつき、変形あるいは歪み等を低減し、ステータとロータとの位置関係を長期にわたって維持することができる。これと同様に、取付部をエンジン本体に固設する際にも、複数個所で支持部材を固定することが好ましい。
また、点火用マグネットは、ロータの外周面に設けてもよいし、また、ロータの平面に設けてもよい。ただし、ロータの平面に点火用マグネットを設ける場合には、当該点火用マグネットがイグニッションコイルに誘導電流を生じさせる位置、すなわち、ロータの外周近傍に設けるのが適切である。
第1〜第10の発明によれば、ステータを支持する支持部材が直接エンジン本体に固設されるので、エンジン本体に対する支持部材の取り付け精度が高く、これにより一対のロータ間にステータを精度よく位置させることができる。したがって、ロータとステータとの対向間隔、すなわち一対のロータの間隔を小さくすることが可能となり、エンジン出力軸の軸方向における小型化を実現するとともに、発電効率を高めることができる。
また、第1ロータよりもエンジンの出力軸に直交する方向に突出するステータの突出部において、当該ステータが支持されるので、ステータを第1ロータよりも僅かに突出させれば、当該ステータを確実に支持することができる。このようにすることで、モータジェネレータにおけるロータの径方向のサイズをも小型化することができる。
また、特に第2、第7の発明によれば、取り付け精度の高い支持部材にイグニッションコイルが固定されるので、ロータに設けられた点火用マグネットに対して、イグニッションコイルを精度よく位置させることができる。
また、特に第3、第8の発明によれば、モータジェネレータがエンジン本体に取り付けられたとき、ステータよりもエンジンの出力軸の軸方向外方において、イグニッションコイルが固定される。したがって、イグニッションコイルの取り付け作業や、点火コイルとの間隔を調整する調整作業が、エンジン本体やステータによって妨害されることなく容易となる。
また、特に第4、第9の発明によれば、イグニッションコイルを固定する固定壁によってステータの位置決めがなされるので、ステータを支持部材に取り付ける際の位置決めが容易となる。
また、特に第5、第10の発明によれば、異なる方向に面する一対の位置決め面が設けられるので、支持部材に対するステータの位置決めが一層容易となり、また、取り付け精度も向上する。
図1は、汎用エンジンを分解した状態の側面図である。
本実施形態の汎用エンジンは、エンジン本体1と、このエンジン本体1に取り付けられるアキシャルギャップ型モータジェネレータ2(以下「モータジェネレータ」という)とを備えている。エンジン本体1は、その駆動力によって回転する出力軸3を備えており、この出力軸3の出力軸部3aを一方の側部1aから突出させ、出力軸部3bを他方の側部1bから突出させている。この出力軸部3aには、上記モータジェネレータ2が取り付けられ、出力軸部3bには、オプションとして他の外部装置を取り付けることができる。
そして、上記出力軸部3aに取り付けられるモータジェネレータ2は、支持部材4、第1ロータ5、ステータ6、第2ロータ7、冷却ファン8を備えている。これらモータジェネレータ2の構成部材のうち、第1ロータ5、第2ロータ7および冷却ファン8が、上記出力軸部3aに固定され、出力軸3と一体となって回転する。一方、支持部材4は、エンジン本体1の側部1aに固定され、この支持部材4に上記ステータ6が固定される。これにより、ステータ6と、第1ロータ5および第2ロータ7が相対回転することとなるが、まず、出力軸3と一体回転する第1ロータ5、第2ロータ7および冷却ファン8について図2〜図4を用いて説明する。
図2は第1ロータ5の平面図、図3はモータジェネレータ2の組み付け状態を示す断面図、図4はモータジェネレータ2の分解斜視図である。ただし、図4においては、第1ロータ5が省略されている。
図2からも明らかなように、第1ロータ5は円形の平板部材からなり、その一方の平面に、複数の磁石5aが周方向に所定の間隔をもって固定されている。これらの各磁石5aは、第1ロータ5の軸心方向(図面上方)に交互に異なる磁極が向くようにして配列している。
また、第1ロータ5の中心には、エンジン本体1から突出する上記出力軸部3aが貫通可能な貫通孔5bが設けられている。さらに、第1ロータ5の平面には複数の通風孔5cが形成されており、後述する冷却ファン8によって送風される外気が通風するようにしている。
一方、図3に示すように、モータジェネレータ2の組み付け状態では、第1ロータ5と第2ロータ7とが、所定の空隙を維持して対向した状態で、出力軸部3aに固定される。この第2ロータ7には、第1ロータ5との対向面に、複数の磁石7aが周方向に固定されている。これら複数の磁石7aは、上記第1ロータ5と同数設けられており、また、その配列や隣り合う磁石7aの間隔も、上記第1ロータ5と同様である。そして、第1ロータ5に固定された磁石5aと、第2ロータ7に固定された磁石7aとが、互いに臨むようにして、両ロータ5,7が出力軸部3aに固定されている。ただし、両ロータ5,7を出力軸部3aに固定する際には、臨み合う磁石5aと磁石7aとにおいて、異なる磁極が対面するようにしている。これにより、対面する磁石5a,7a間で閉磁路が形成されるとともに、両ロータ5,7の周方向において、逆方向の磁力線が交互に形成されることとなる。
そして、第2ロータ7には、第1ロータ5に対向する面に隆起部7bが一体形成されており、この隆起部7bの中心に、第1ロータ5側へ向かって徐々に大径となるテーパ状の貫通孔7cを貫通させている。また、隆起部7bには、その先端を小径にした小径部7dが形成されており、この小径部7dの外周に、第1ロータ5の貫通孔5bにおける周縁を密着させている。このとき、第1ロータ5は、第2ロータ7との対向面を、第2ロータ7の隆起部7bの先端部7gに当接させ、ボルト等によって、両ロータ5,7が固定される。このように、第2ロータ7の隆起部7bは、第1ロータ5と第2ロータ7との間の空隙を所定に維持するスペーサとしての役割を担っている。
なお、隆起部7bによって維持される両ロータ5,7の空隙は、後述するステータ6が、第1ロータ5に固定された磁石5aおよび第2ロータ7に固定された磁石7aに対して、非接触状態となるように設けられている。ただし、発電効率を考慮した場合、ステータ6が磁石5aおよび磁石7aに対して非接触状態を維持する限りにおいて、空隙を小さくすることが望ましい。
そして、エンジン本体1から突出する出力軸部3aを、貫通孔7cに挿入して固定することで、第1ロータ5および第2ロータ7が、出力軸3と一体回転する。
なお、隆起部7bの外周には、第2ロータ7の回転によって風を生じさせるフィン7eが、周方向に複数形成されている。このフィン7eによって生じた風は、第1ロータ5の上記通風孔5cを介して、エンジン本体1側に送られる。
また、図3、図4からも明らかなように、第2ロータ7であって、第1ロータ5に対向する面とは反対側の面には、その外周近傍に点火用マグネット9が固定されている。この点火用マグネット9は、後述するイグニッションコイル17に高圧電流を発生させるものである。なお、第2ロータ7にも上記第1ロータ5と同様に、複数の通風孔7fが形成されている。
そして、第2ロータ7であって、第1ロータ5に対向する面とは反対側の面には、冷却ファン8が固定される。この冷却ファン8は、第2ロータ7に対面する円形の薄板部8aの外周近傍に、複数のフィン8bが設けられており、このフィン8bよりも中心よりに複数の通風孔8cが形成されている。そして、これら各通風孔8cが、第2ロータ7の通風孔7cに臨むように、第2ロータ7に冷却ファン8が固定される。これにより、出力軸3が回転することによって、第2ロータ7と冷却ファン8が一体回転するとともに、冷却ファン8によって生じた風が、通風孔8cおよび通風孔7cを介して第1ロータ5側に導かれることとなる。このように、出力軸3の回転にともなって風を生じさせ、この風をエンジン本体1側に導くことによって、両ロータ5,7、ステータ6さらにはエンジン本体1を冷却するようにしている。
なお、図4に示すように、冷却ファン8であって、複数のフィン8bが設けられた面の中心には、リコイルプーリー10が固定される。また、モータジェネレータ2を収容するケース11には、上記リコイルプーリー10と連係するリコイル12が一体的に設けられている。また、リコイル12には吸気口12aが形成されており、冷却ファン8の回転によって、外気がケース10内に導かれるようにしている。
上記のようにして、エンジン本体1から突出する出力軸部3aには、第1ロータ5、第2ロータ7および冷却ファン8が固定され、これら第1ロータ5、第2ロータ7および冷却ファン8が、出力軸3と一体回転することとなる。これに対して、第1ロータ5と第2ロータ7との対向面間に位置するステータ6は、支持部材4を介してエンジン本体1に固定される。以下に、支持部材4とステータ6の構造について説明する。
図5は、支持部材4の斜視図である。この支持部材4は、エンジン本体1の側部1aに面接触状態で固定される平板状の取付部4aを有している。本実施形態においては、軽量化の目的から、取付部4aの形状を、円形の一部分を削いだ形状としているが、他の部材に干渉しなければ、取付部4aの形状や大きさはどのようなものでもよく、例えば円形や楕円形状、あるいは矩形状に構成してもよい。
そして、支持部材4の取付部4aには、エンジン本体1への取り付け用の孔13が4つ設けられている。この取り付け用の孔13は、エンジン本体1の側部1aに設けられたネジ穴(図示せず)に一致するもので、このネジ穴と孔13とを一致させて、支持部材4とエンジン本体1とをネジによって固定する。これにより、取付部4aはエンジン本体1と面接触状態となり、支持部材4がエンジン本体1の側部1aに固定される(図4参照)。
また、取付部4aの中心部分には、エンジン本体1から突出する出力軸部3aが貫通する貫通孔14を設けている。
さらに、支持部材4には、取付部4の外周縁から屈曲する支持壁4bが、取付部4と一体的に形成されている。この支持壁4bは、取付部4がなす平面と直交する方向に複数(図面では3箇所)突出しており、その突出量すなわち高さを、図中点線で示す第1ロータ5の厚さに磁石5aの厚さを加えた厚さ以上としている。つまり、支持壁4bは、第1ロータ5の径方向外方において、取付部4aから第1ロータ5の厚さ以上にステータ6側に突出している。したがって、後述のようにステータ6を支持部4cに取り付けたとき、第1ロータ5は、取付部4a、各支持壁4b、ステータ6に囲まれた範囲に非接触状態で収容される。
そして、支持壁4bの突出方向先端面には、ステータ6を支持して固定するためのネジ穴15が形成されている。
図6に示すように、ステータ6は、円形の平板部材からなり、複数のコイル6aを周方向に所定の間隔で整列させている。また、ステータ6の中心部分には、出力軸部3aが貫通する貫通穴6bが形成されている。この貫通穴6bは、上記した第1ロータ5に形成された貫通穴5bや、第2ロータ7に形成された貫通穴7bよりも大きく形成されている。これにより、冷却ファン8によって生じる風が、第2ロータ7側から第1ロータ5側へ通風しやすくなるとともに、軽量化にも寄与することとなる。
上記の構成からなるステータ6は、外周近傍に設けた孔6dを支持部4cのネジ穴15に一致させ、両者をネジ結合することで固定される。
ここで、図3からも明らかなように、ステータ6は、第1ロータ5よりも径が大きく、第1ロータ5側からステータ6を見た場合、ステータ6の外周近傍が露出する。この露出する部分がステータ6の突出部6cを構成しており、この突出部6cが、支持部材4の支持部4cによって支持されることとなる。
なお、モータジェネレータ2の組み付け状態では、ステータ6が、両ロータ5,7間に、これら両ロータ5,7と離間した状態を維持して位置する。つまり、ステータ6は、両ロータ5,7と離間した状態で対向することとなるが、このとき、各コイル6aが、第1ロータ5の磁石5aおよび第2ロータ7の磁石7aに臨むようにしている。これにより、両ロータ5,7が回転すると、磁石5a、7a間に生じる磁力線が各コイル6aを横切り、コイル6aに誘導電流が生じることとなる。
また、図5、図6に示すとおり、支持部材4には、ステータ6よりもさらに第2ロータ7側に突出する一対の固定壁16,16が、支持壁4bと一体成形されている。そして、この固定壁16,16には、ステータ6の外周面に当接する位置決め面16a,16aが形成されている。この位置決め面16a,16aは、ステータ6の径方向における位置決めの役割を担うもので、ステータ6の外周面を両位置決め面16a,16aに密着させたとき、ステータ6の軸心が、出力軸部3aおよび両ロータ5,7の軸心と一致する。これにより、ステータ6の径方向の位置決めが容易となり、取り付け作業を容易にすることができる。
さらに、上記固定壁16,16の先端面には、ネジ穴16b,16bが形成されており、固定壁16,16にイグニッションコイル17を固定可能にしている。図7は、エンジン本体1にモータジェネレータ2を取り付けた状態の斜視図で、冷却ファン8を省略した図である。この図に示すように、固定壁16,16に固定されたイグニッションコイル17は、第2ロータ7の径方向外方に位置する。したがって、第2ロータ7を回転させれば、点火用マグネット9がイグニッションコイル17に臨む位置を通過することとなり、両者の相対回転変位よってイグニッションコイル17の周囲に磁束変化が生じる。これにより、イグニッションコイル17に電流が生じて、エンジン本体1が始動することとなる。
なお、図8は、モータジェネレータ2を第2ロータ7側から見た正面図である。イグニッションコイル17は、一対の調整部材18,18に固定されており、この調整部材18,18に形成された調整孔18a,18aが、固定壁16,16のネジ穴16b,16bに臨むようにしている。ただし、調整孔18a,18aは、ネジ穴16b,16bよりも僅かに大径に形成されており、ネジ止めする際の遊びを有するようにしている。これにより、イグニッションコイル17を固定する際に、点火用マグネット9との距離を微調整することが可能となる。
次に、上記の構成からなるモータジェネレータ2を、エンジン本体1に取り付ける際の取り付け手順について、図4を参照して説明する。
まず、エンジン本体1の側部1aに、支持部材4の取付部4aを面接触させるとともに、取付部4aの孔13を、側部1aに形成されたネジ穴に一致させて、両者をネジで固定する。そして、支持部材4の支持壁4bに囲まれた範囲内に第1ロータ5が収容されるように、第1ロータ5(不図示)を出力軸部3aに仮止めする。この状態で、ステータ6を支持部材4に固定することとなるが、このとき、ステータ6の外周面を位置決め面16a,16aに密着させることで、ステータ6の位置決めが容易となる。したがって、エンジン本体1に設けられたさまざまな部材によって、取り付け作業が困難な環境下にあっても、ステータ6を正確に取り付けることが可能となる。
そして、ステータ6の外方から、第2ロータ7の貫通孔7cに出力軸部3aを挿通しながら、第1ロータ5と第2ロータ7とを一体的に出力軸部3aに固定する。このように、第2ロータ7を出力軸部3aに固定したら、支持部材4の固定壁16にイグニッションコイル17を固定する。すでに説明したとおり、イグニッションコイル17を固定する際には、調整部材18によって、イグニッションコイル17を第2ロータ7の径方向に移動させ、第2ロータ7すなわち点火用マグネット9との距離を調整する。
ここで、点火用マグネット9は必ずしも第2ロータ7に設ける必要はなく、第1ロータ5に点火用マグネット9を設けてもよい。ただし、第1ロータ5に点火用マグネット9を設けた場合には、イグニッションコイル17を第1ロータ5の外周に臨む位置に固定しなければならず、イグニッションコイル17の取り付け作業が困難となる。なぜなら、本発明においては、エンジン本体1側に位置する第1ロータ5よりもステータ6が大きいため、イグニッションコイル17の取り付け作業や調整作業の際に、ステータ6が邪魔になるからである。また、特に小型化が要求される汎用エンジンであれば、エンジン本体1のさまざまな部材や配線が、モータジェネレータ2の周囲に位置しており、エンジン本体1に近い場所での作業が必然的に困難となる。したがって、イグニッションコイル17の取り付け作業を考慮した場合には、エンジン本体1側に位置する第1ロータよりも、外方に位置する第2ロータ7に点火用マグネット9を設けることが望ましい。
そして、イグニッションコイル17を固定壁16に固定したら、冷却ファン8およびリコイルプーリー10を第2ロータ7に固定し、リコイル12を一体化したケース11をエンジン本体1に固定して、モータジェネレータ2を収容する。
以上のように、本実施形態の汎用エンジンは、ステータ6を支持する支持部材4が直接エンジン本体1に固定されるので、エンジン本体1に対する支持部材4の取り付け精度が高く、これにより一対のロータ5,7間にステータ6を精度よく位置させることができる。したがって、ロータ5,7とステータ6との対向間隔、すなわち一対のロータ5,7の間隔を小さくすることが可能となり、エンジンの出力軸3の軸方向における小型化を実現するとともに、発電効率を高めることができる。
また、ステータ6を第1ロータ5よりも僅かに大径とすれば、当該ステータ6を確実に支持することができ、モータジェネレータ2の出力軸3に直交する方向のサイズを小型化することができる。
また、本実施形態においては、取り付け精度の高い支持部材4にイグニッションコイル17が固定されるので、第2ロータ7に設けられた点火用マグネット9に対して、イグニッションコイル17を精度よく位置させることができる。
さらに、イグニッションコイル17を固定する固定壁16は、ステータ6の位置決め機能をも有しており、ステータ6を支持部材4に取り付ける際の位置決めを容易に行うことができる。
なお、上記実施形態においては、ステータ6を円形とし、また、ステータ6を位置決めする位置決め面16aを、ステータ6の外周面と同一の曲率を有する円弧面としている。この場合には、位置決め面16aを必ずしも一対設ける必要はなく、一つの位置決め面を設けておけば、上記と同様の位置決め機能を発揮することができる。ただし、ステータ6の外周を、例えば直線状に形成した場合には、少なくとも、異なる方向に面する一対の位置決め面を設けることが望ましい。
また、エンジンの構造やイグニッションコイルの構造自体は、本発明の特徴とは関係ないため、具体的な説明は省略しているが、これらの構造は特に限定されることはなく、どのような構造であっても本発明を広く適用することが可能である。
汎用エンジンの分解側面図である。 第1ロータの平面図である。 モータジェネレータの組み付け状態の断面図である。 汎用エンジンの分解斜視図である。 支持部材の斜視図である。 支持部材にステータを固定した状態の斜視図である。 汎用エンジンの斜視図である。 モータジェネレータの正面図である。
符号の説明
1 エンジン本体
2 モータジェネレータ
3 出力軸
4 支持部材
4a 取付部
4b 支持壁
4c 支持部
5 第1ロータ
5a 磁石
6 ステータ
6a コイル
6c 突出部
7 第2ロータ
7a 磁石
9 点火用マグネット
16 固定壁
16a 位置決め面
17 イグニッションコイル

Claims (10)

  1. エンジン本体の出力軸に取り付け可能なモータジェネレータにおいて、上記出力軸と一体回転可能な第1ロータと、該第1ロータと空隙を維持して対向配置され、上記出力軸と一体回転可能な第2ロータと、上記第1ロータおよび第2ロータの対向面間にこれら両ロータと離間して配置され、上記第1ロータよりも上記出力軸に直交する方向に突出する突出部を有するステータと、該ステータを上記エンジン本体に固設可能に支持する支持部材と、を備え、少なくとも上記第1ロータおよび第2ロータのいずれかには、上記ステータと対向する対向面に複数の磁石が設けられ、上記ステータには上記磁石に臨む複数のコイルが設けられ、上記支持部材は、上記エンジン本体に固定可能な取付部と、上記エンジン本体に固定された状態で、上記第1ロータの径方向外方において上記取付部から上記第1ロータよりもステータ側に突出する支持壁と、該支持壁のステータ側に位置する先端に形成され、上記ステータの突出部を支持する支持部と、を備えることを特徴とするモータジェネレータ。
  2. 上記第1ロータおよび第2ロータのいずれかの外周近傍には点火用マグネットが設けられ、上記支持部材には、上記点火用マグネットが設けられたいずれかのロータの径方向外方であって、該点火用マグネットに臨む位置に、上記点火用マグネットとの相対回転変位によって電流を発生させるイグニッションコイルを固定可能な固定壁が設けられてなることを特徴とする請求項1記載のモータジェネレータ。
  3. 上記点火用マグネットは第2ロータの外周近傍に設けられ、上記支持部材に設けられた固定壁は、上記エンジン本体に固定された状態で、上記ステータよりも第2ロータ側に突出してなることを特徴とする請求項2記載のモータジェネレータ。
  4. 上記固定壁には、ステータの外周面に接触する位置決め面が形成され、該位置決め面に上記ステータの外周面を密着させることで該ステータの位置決めがなされることを特徴とする請求項3記載のモータジェネレータ。
  5. 上記固定壁には、少なくとも一対の位置決め面が設けられ、これら位置決め面が異なる方向に面してなることを特徴とする請求項4記載のモータジェネレータ。
  6. エンジン本体と、該エンジン本体の出力軸に取り付けられるモータジェネレータとを備える汎用エンジンにおいて、上記モータジェネレータは、上記出力軸と一体回転する第1ロータと、該第1ロータと空隙を維持して対向配置され、上記出力軸と一体回転する第2ロータと、上記第1ロータおよび第2ロータの対向面間にこれら両ロータと離間して配置され、上記第1ロータよりも上記出力軸に直交する方向に突出する突出部を有するステータと、該ステータを上記エンジン本体に固設する支持部材と、を備え、少なくとも上記第1ロータおよび第2ロータのいずれかには、上記ステータと対向する対向面に複数の磁石が設けられ、上記ステータには上記磁石に臨む複数のコイルが設けられ、上記支持部材は、上記エンジン本体に固定される取付部と、上記エンジン本体に固定された状態で、上記第1ロータの径方向外方において上記取付部から上記第1ロータよりもステータ側に突出する支持壁と、該支持壁のステータ側に位置する先端に形成され、上記ステータの突出部を支持する支持部と、を備えることを特徴とする汎用エンジン。
  7. 上記第1ロータおよび第2ロータのいずれかの外周近傍には点火用マグネットが設けられ、上記支持部材には、上記点火用マグネットが設けられたいずれかのロータの径方向外方であって、該点火用マグネットに臨む位置に、上記点火用マグネットとの相対回転変位によって電流を発生させるイグニッションコイルを固定する固定壁が設けられてなることを特徴とする請求項6記載の汎用エンジン。
  8. 上記点火用マグネットは第2ロータの外周近傍に設けられ、上記支持部材に設けられた固定壁は、上記エンジン本体に固定された状態で、上記ステータよりも第2ロータ側に突出してなることを特徴とする請求項7記載の汎用エンジン。
  9. 上記固定壁には、ステータの外周面に接触する位置決め面が形成され、該位置決め面に上記ステータの外周面を密着させることで該ステータの位置決めがなされることを特徴とする請求項8記載の汎用エンジン。
  10. 上記固定壁には、少なくとも一対の位置決め面が設けられ、これら位置決め面が異なる方向に面してなることを特徴とする請求項9記載の汎用エンジン。




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