JP2019057967A - ハウジング取付ユニット、モータ、および送風装置 - Google Patents

ハウジング取付ユニット、モータ、および送風装置 Download PDF

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丈典 川島
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裕人 大貫
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Abstract

【課題】モータの外径を小さくする。【解決手段】ハウジング取付ユニットは、ステータユニットと、前記ステータユニットを固定するハウジング固定部103と、を有し、前記ステータユニットの外周側にロータ15が配置される。前記ハウジング固定部は、前記ハウジングが固定されるハウジング固定台103aと、前記ハウジング固定台の前記ハウジングとの対向面から軸方向に突出する複数のハウジング固定ピンと、を有する。前記ハウジングは、前記ステータの外周面よりも径方向外側に突出し、前記ロータと軸方向に対向する複数のフランジ部を有する。前記ハウジング固定台は、前記ハウジングとの対向面から軸方向に突出する複数のハウジング固定ピンを有する。前記各フランジ部は、前記ハウジング固定ピンが挿入される第1孔部を有する。前記第1孔部の径方向位置は、前記ロータと軸方向に重なる位置である。【選択図】図2

Description

本発明は、ハウジング取付ユニット、ハウジング取付ユニットを備えたモータ、および送風装置に関する。
特開2002−243193号公報には、ファンとファンを駆動するモータで構成される空気調和機等の送風機構造が開示される。当該送風機構造は、固定子のステータがロータと対向するように配置される。ステータは、ステータ固定用治具を介して固定治具にネジ等を用いて固定される。また、固定治具はロータの中心軸に設けた軸受を回転自在に支持し、固定治具のステータと反対側の面に室内機制御基板が固定される。さらに室内機制御基板を囲うようにケースを配置し、ネジ等を用いてケースを固定治具に固定している。
特開2002−243193号公報
特許文献1の構成では、ステータと軸受の間にネジを挿入してステータ固定用治具を固定治具に固定している。しかし、ステータと軸受の間にネジを配置した場合、ステータコアの外径が大きくなるため、ロータの外径も大きくなる。その結果、ステータ固定治具の外径も大きくなり、送風機全体が大型化する。また、ステータと軸受の間にネジ等の金属部品を配置する場合、ステータとの電気的絶縁性を考慮してステータとネジとの間隔を所定距離以上開けておく必要があり、その分モータの外径が大きくなる。
本発明は、モータの外径を極力小さくできるハウジング取付ユニット、モータ、および送風装置を提供することを目的とする。
本発明の例示的なハウジング取付ユニットは、ステータユニットと、前記ステータユニットを固定するハウジング固定部と、を有し、前記ステータユニットの外周側にロータが配置される。前記ステータユニットは、ステータと、前記ステータを被覆する樹脂製のハウジングと、を有する。前記ハウジング固定部は、前記ハウジングが固定されるハウジング固定台と、前記ハウジング固定台の前記ハウジングとの対向面から軸方向に突出する複数のハウジング固定ピンと、を有する。前記ハウジングは、前記ステータの外周面よりも径方向外側に突出し、前記ロータと軸方向に対向する複数のフランジ部を有する。前記ハウジング固定台は、前記ハウジングとの対向面から軸方向に突出する複数のハウジング固定ピンを有する。前記各フランジ部は、前記ハウジング固定ピンが挿入される第1孔部を有する。前記第1孔部の径方向位置は、前記ロータと軸方向に重なる位置である。
例示的な本発明によれば、モータの外径を小さくするための技術を提供することができる。
図1は、本発明の実施形態に係るハウジング取付ユニットを含む送風装置100の全体構成を示す側面断面図である。 図2は、本発明の実施形態に係るハウジング取付ユニットを含むモータの外観斜視図である。 図3は、本発明の実施形態に係るハウジング取付ユニットを含むモータの分解斜視図である。 図4は、本発明の実施形態に係るハウジング取付ユニットを含むモータを軸方向に沿って切断した部分断面図である。 図5は、ステータユニットをロータ側から見た斜視図である。 図6は、ロータホルダをステータユニット側から見た斜視図である。 図7は、ハウジング固定台をハウジング側から見た斜視図である。 図8は、ハウジング固定カバーをハウジング側から見た斜視図である。 図9は、ハウジング固定カバーをロータ側から見た斜視図である。 図10は、本発明の実施形態に係るハウジング取付ユニットにおける、ハウジングのフランジ部に取り付けられた防振部材の斜視図である。 図11は、本発明の実施形態に係るハウジング取付ユニットおける、ハウジングとハウジング固定台の連結部分に取り付けられた防振部材の側面図である。 図12は、防振部材を開口部側から見た斜視図である。 図13は、本発明の実施形態に係るハウジング取付ユニットにおける、ハウジング固定カバーのカバー固定ピンを含む軸方向の断面図である。 図14は、図13におけるハウジング固定カバーのカバー固定ピンとハウジング固定台の第2孔部との固定部分の拡大図である。 図15は、本実施形態のハウジング取付ユニットをフレーム側から見た部分斜視図である。 図16は、本発明の実施形態に係るハウジング取付ユニットにおける、ハウジングとハウジング固定台の連結部分の部分断面図であって、第1孔部の径方向位置をロータの外周部よりも径方向内側とした変形例を示す図である。 図17は、本発明の実施形態に係るハウジング取付ユニットに用いる防振部材の変形例を示す斜視図である。 図18は、図17の防振部材が取り付けられたステータユニットをハウジング固定台に位置決めした状態を示す斜視図である。 図19は、図18の防振部材周辺を径方向外側から見た拡大図である。 図20は、ハウジング固定カバーのカバー固定ピンがハウジング固定台の第2孔部に挿入され、カバー固定ピンの溶着により固定された状態を示す断面図である。 図21は、図14に示した構成の変形例であって、ハウジング固定台にカバー固定ピンを設け、ハウジング固定カバーに第2孔部を設けた構成を示す断面図である。
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本明細書では、図1に示す中心軸Oに平行な方向を「軸方向」、中心軸Oと直交する方向を「径方向」、中心軸Oを中心とする円弧に沿う方向を「周方向」とそれぞれ称する。また、本明細書では、中心軸Oが延びる方向を水平方向とし、フレーム101側を下方向として各部の形状や位置関係を説明する。ただし、この上下方向の定義により、本発明に係るハウジング取付ユニットの使用時の向きを限定する意図はない。
<1.送風装置およびモータの構成>
図1は、本発明の実施形態に係るハウジング取付ユニット50を含む送風装置100の全体構成を示す側面断面図である。図2は、本発明の実施形態に係るハウジング取付ユニット50を含むモータ1の外観斜視図である。図3は、本発明の実施形態に係るハウジング取付ユニット50を含むモータ1の分解斜視図である。図4は、本発明の実施形態に係るハウジング取付ユニット50を含むモータ1を軸方向に沿って切断した部分断面図である。
図1に示すように、送風装置100は、モータ1と、ファン11と、フレーム101とを有する。モータ1は、ハウジング取付ユニット50と、ロータ15と、を有する。ハウジング取付ユニット50は、ステータユニット13と、ステータユニット13のハウジング13bが固定されるハウジング固定部103と、を有する。ロータ15はステータユニット13の外周側に配置される。ハウジング固定部103は、ハウジング固定台103aと、ハウジング固定カバー103bと、を有する。ハウジング固定台103aは、フレーム101に固定される。なお、ハウジング固定台103aとフレーム101は、同一の樹脂材料で形成された単一の部材としてもよい。ハウジング固定台103aをフレーム101と一体形成することにより、送風装置100の組み立て工数や部品点数を削減することができる。
ファン11は、ロータ15に固定される。ファン11は上下に延びる中心軸Oを中心として回転する。ファン11は、ロータ15の外側、即ちロータ15を挟んでステータ13の反対側に位置し、複数の羽根(図示せず)を有する。ファン11は、ロータ15と共に中心軸Oを中心として回転する。ロータ15の回転に伴いロータ15に固定されたファン11も回転し、ファン11の回転によって気流が発生する。ファン11は、例えば接着、圧入、又は、インサート成形等によって、ロータ15に固定される。
ステータユニット13は、ステータ13aと、ハウジング13bとを有する。ステータ13aは、ステータコア14と、インシュレータ18と、複数のコイルとを有する。ステータコア14は、環状に配置されるコアバック16と、コアバック16から径方向外側に延びる複数のティース17と、を有する。インシュレータ18は、各々のティース17に設けられる。各ティース17にインシュレータ18を介して導線が巻かれることによって、複数のコイルが構成される。複数のコイルは、例えばU相、V相、W相の3相のコイルを有する。例えば、電磁鋼板が軸方向に積層された積層鋼板で構成される。
図5は、ステータユニット13をロータ15側から見た斜視図である。ハウジング13bは樹脂製であり、ステータ13aを被覆する。ハウジング13bはフランジ部30を有する。フランジ部30は、ステータ13aの外周面よりも径方向外側に突出する。フランジ部30は、ロータ15と軸方向に対向する。なお、本実施形態ではハウジング13bの外周縁の3箇所にフランジ部30を設けたが、2箇所若しくは4箇所以上にフランジ部30を設けてもよい。
フランジ部30は、それぞれ軸方向に延びる第1孔部31を有する。第1孔部31は、それぞれ3本のハウジング固定ピン110のいずれかに重なる位置に設けられる。ハウジング13bをハウジング固定台103aに組み付けたとき、ハウジング固定ピン110が第1孔部31に挿入される。ハウジング13bにはリード線導入部19が設けられている。図示しないリード線が、ハウジング13bの外部からリード線導入部19を介してステータ13aに接続される。
ステータユニット13は軸受部20を有する。軸受部20は、後述するロータ15のシャフト23を回転可能に支持する。軸受部20の径方向中心は中心軸Oと一致する。本実施形態では、軸受部20はスリーブ軸受である。ただし、軸受部20は、ボールベアリング等の他の構造の軸受であってもよい。
図6は、ロータホルダ21をステータユニット13側から見た斜視図である。ロータ15は、ロータホルダ21とシャフト23とを有する。ロータホルダ21は、外周縁21aが軸方向においてステータユニット13側に突出するカップ形状である。ロータホルダ21は、樹脂材で構成される。ただし、炭素鋼等の磁性材でも良い。ロータホルダ21の径方向中央部にはシャフト固定部21bが設けられている。
図4に示すように、ロータホルダ21はマグネット27を保持する。マグネット27は、ロータホルダ21の内周面に配置される。本実施形態では、マグネット27は単一の環状マグネットである。マグネット27の径方向内側の面には、N極とS極とが周方向に交互に着磁される。単一の環状マグネットに替えて、複数のマグネットがロータホルダ21の内周面に配置されてもよい。ロータホルダ21とマグネット27とが磁性体粉を配合した樹脂によって、単一の部材として構成されてもよい。なお、図4に示したロータホルダ21の外周縁21aからマグネット27の内周面までの部分を、ロータ15の外周部15aとする。
上記構成のモータ1において、ステータユニット13内のコイルに電力が供給されると、ティース17に磁束が生じる。そして、ティース17とマグネット27との間の磁束の作用により周方向のトルクが発生する。これにより、ロータ15がステータユニット13に対して中心軸Oを中心として回転し、モータ1の回転動作が開始される。コイルへの電力の供給が停止されると、ロータ15の回転が停止する。これにより、モータ1の回転動作が停止する。
<2.ハウジング取付ユニットの構成>
次に、本実施形態に係るハウジング取付ユニット50について詳細に説明する。図7は、ハウジング固定台103aをハウジング13b側から見た斜視図である。ハウジング固定台103aは、ハウジング固定ピン110と、台座部111と。フレーム固定部112と、を有する。ハウジング固定ピン110は、ハウジング固定台103aのハウジング13bとの対向面の3箇所から軸方向に突出する。台座部111は、ハウジング固定台103aのハウジング13bとの対向面の4箇所から軸方向に突出する。台座部111は、軸方向から見て円弧形状であり、内部が中空である。台座部111は、軸方向の先端面から内側に貫通する第2孔部121を有する。ハウジング固定ピン110と台座部111は略同一円周上に形成されている。フレーム固定部112は、ハウジング固定台103aのフレーム101に対向する端縁から軸方向に突出する。ハウジング固定台103aはフレーム固定部112によってフレーム101に固定される。ハウジング固定ピン110、台座部111およびフレーム固定部112とハウジング固定台103aは、同一の樹脂材料で形成された単一の部材である。なお、別部材のハウジング固定ピン110、台座部111またはフレーム固定部112をハウジング固定台103aに固定してもよい。
図8は、ハウジング固定カバー103bをハウジング13b側から見た斜視図である。ハウジング固定カバー103bは環状であって、ハウジング13b側からハウジング固定台103aに固定される。ハウジング固定カバー103bは、径方向に延びる径方向部113と、径方向部113の外周縁から軸方向に延びる軸方向部115と、を有する。
図8に示すように、ハウジング固定カバー103bは、軸方向のハウジング13b側に突出する4本のカバー固定ピン120を有する。具体的には、カバー固定ピン120はハウジング固定カバー103bの径方向部113、即ち、軸方向部115の近傍からハウジング13b側に突出する。4本のカバー固定ピン120は、それぞれハウジング固定台103aの台座部111に設けられた第2孔部121のいずれかに重なる位置に設けられる。カバー固定ピン120とハウジング固定カバー103bは、同一の樹脂材料で形成された単一の部材である。
図9は、ハウジング固定カバー103bをロータ15側から見た斜視図である。図9に示すように、ハウジング固定カバー103bは、軸方向のロータホルダ21側に突出する環状の第1壁部123および第2壁部125を有する。第1壁部123は、径方向部113の外周縁から突出する。第2壁部125は、第1壁部123の径方向内側に所定の間隔を隔てて突出する。第1壁部123と第2壁部125との間に溝部127が形成される。第1壁部123および第2壁部125とハウジング固定カバー103bは、同一の樹脂材料で形成された単一の部材である。第1壁部123の周方向の一部には、軸方向に延びるスリット状の開口部129が設けられている。
図10は、本発明の実施形態に係るハウジング取付ユニット50における、ハウジング13bのフランジ部30に取り付けられた防振部材40の斜視図である。図11は、本発明の実施形態に係るハウジング取付ユニット50における、ハウジング13bとハウジング固定台103aの連結部分に取り付けられた防振部材40の側面図である。図12は、防振部材40を挿入口40a側から見た斜視図である。
ハウジング13bのフランジ部30には防振部材40が取り付けられている。図12に示すように、防振部材40は中空直方体状の部材であって、周方向に延びる一方の面に挿入口40aを有する。防振部材40の挿入口40aからフランジ部30が挿入される。挿入口40aの軸方向の端縁には円弧状の切り欠き40bが形成されている。
防振部材40は、高弾性材料である天然ゴム又は合成ゴム等で構成されることが好ましい。より詳細には、防振部材40は、シリコーンゴム又はCR(クロロプレンゴム)等で構成されることが好ましい。
ハウジング固定部103にハウジング13bを取り付ける場合、先ずハウジング13bのフランジ部30に防振部材40を取り付ける。このとき、防振部材40の切り欠き40bが第1孔部31に重なるため、第1孔部31が防振部材40によって塞がれるのを回避することができる。次に、フランジ部30の第1孔部31にハウジング固定台103のハウジング固定ピン110を挿入する。そして、ハウジング固定カバー103bをハウジング固定部103に固定する。これにより、ハウジング固定カバー103bとハウジング固定台103aとで防振部材40を挟み込むことでハウジング13bをハウジング固定部103aに固定する。
また、本実施形態のハウジング取付ユニット50によれば、ハウジング固定台103aにハウジング固定ピン110が設けられ、ハウジング13bのフランジ部30に第1孔部31が設けられる。そして、ハウジング固定ピン110が第1孔部31に挿入されることで、ステータユニット13がハウジング固定台103aに対して位置決めされる。ここで、図4に示すように、第1孔部31の径方向位置は、ロータ15の外周部15aと軸方向に重なる位置である。これにより、ハウジング13bの外径、およびハウジング固定台103aの外径をロータ15の外径と同一径に抑えることができ、モータ1、および送風装置100を小型化することができる。
ハウジング固定ピン110を用いずにハウジング13bをハウジング固定台103aに固定する方法としては、フランジ部30の外側でハウジング13bを固定する方法、或いはフランジ部30の第1孔部31にネジ等を挿入して固定する方法がある。しかし、フランジ部30の外側でハウジング13bを固定するとハウジング取付ユニット50が径方向に大型化する。一方、ネジを用いて固定する場合はネジの頭部がロータ15の近傍に位置することとなる。そのため、ロータ15をハウジング固定台103aから軸方向に遠ざけてロータ15とネジの頭部との干渉を回避する必要があり、ハウジング取付ユニット50が軸方向に大型化する。また、モータ1の振動によりネジが弛むおそれもある。
本実施形態のようにハウジング固定台103aとハウジング固定カバー103bとでフランジ部30を挟み込んで固定することにより、ハウジング13bとハウジング固定台103aとをコンパクトな構成で強固に固定することができる。
また、ハウジング固定ピン110が樹脂材料で形成されるため、ハウジング固定ピン110の近傍に配置されるロータ15のマグネット27の磁束の流れに影響を与えない。これにより、ティース17とマグネット27との間の磁束の作用により発生する周方向のトルクが安定するため、ロータ15の回転を安定させることができる。さらに、ハウジング固定ピン110をハウジング固定台103aと一体形成することにより、組み立て工数や部品点数を削減することができ、送風装置100の製造コストを低減することができる。
また、図11に示すように、フランジ部30に取り付けられた防振部材40がハウジング固定台103aに接触することにより、ハウジング13bがハウジング固定台103aに対し軸方向に所定の間隔dを隔てて固定される。これにより、ハウジング13bとハウジング固定台103aとはハウジング固定ピン110と第1孔部31のみで接触するため、ハウジング13bとハウジング固定台103aの接触面積が減少する。従って、ハウジング13bの振動がハウジング固定台103aを介してフレーム101に伝達され、送風装置100全体が振動することを抑制することができる。
図13は、本発明の実施形態に係るハウジング取付ユニット50における、ハウジング固定カバー103bのカバー固定ピン120を含む軸方向の断面図である。図14は、図13におけるハウジング固定カバー103bのカバー固定ピン120とハウジング固定台103aの第2孔部121との固定部分の拡大図である。カバー固定ピン120の先端には径方向外側に突出する固定爪120aが設けられている。また、第2孔部121は固定爪120aよりも大きく形成されている。
カバー固定ピン120を第2孔部121に挿入する際、固定爪120aの径方向外側の傾斜部分が第2孔部121の端縁に接触する。この状態でハウジング固定カバー103bをハウジング固定台103aに押し付けると、カバー固定ピン120が径方向内側に撓みながら第2孔部121に挿入される。
固定爪120aが第2孔部121を通過すると、径方向内側に撓んでいたカバー固定ピン120が復元力によって元の形状に戻る。その結果、図13に示すように固定爪120aが第2孔部121の端縁に引っ掛かる。即ち、カバー固定ピン120は、固定爪120aによりハウジング固定台103aに固定される。このとき、ハウジング固定カバー103bの軸方向部115の先端がハウジング固定台103aに当たる。これにより、ハウジング固定カバー103bがハウジング固定台103aに対して径方向および軸方向に位置決めされる。
本実施形態のハウジング取付ユニット50によれば、ハウジング固定カバー103bの径方向部113と軸方向部115とで防振部材40を挟み込む。これにより、ハウジング固定カバー103bとハウジング固定台103aとで防振部材40を径方向および軸方向から挟み込むことができ、ハウジング13bの径方向および軸方向へのずれを防止することができる。
また、本実施形態のハウジング取付ユニット50によれば、ネジ等の金属部品を使用せずにハウジング固定カバー103bを固定するため、ステータ13との電気的絶縁を考慮する必要がない。そのため、カバー固定ピン120および第2孔部121をステータ13の近傍に配置することができる。従って、モータ1の外径を小さくすることができる。特に、固定爪120と第2孔部121とを用いたスナップフィット構造によってハウジング固定カバー103bを固定する図11の構成は、固定のための工具を必要としないためハウジング取付ユニット50および送風装置100の組み立て工程を簡素化することができる。
また、カバー固定ピン120がハウジング固定カバー103bの径方向部113からハウジング13b側に突出するため、軸方向部115が径方向外側に開きにくくなる。これにより、ハウジング固定台103aとハウジング固定カバー103bとでフランジ部30を強く挟むことができる。
また、第2孔部121は台座部111の上面に形成されており、カバー固定ピン120が第2孔部121の端縁、即ち台座部111の上面内側で固定される。これにより、カバー固定ピン120の突出長を短くすることができ、カバー固定ピン120が折れにくくなる。図9および図13に示すように、カバー固定ピン120の突出長を軸方向部115の突出長よりも短くしておくことで、軸方向部115によってカバー固定ピン120を保護することができる。
その後、ステータユニット13の軸受部20にロータ15のシャフト23を挿入することにより、ロータ15がステータユニット13に装着される。このとき、図13に示したように、ロータホルダ21の外周縁21aはハウジング固定カバー103bの第1壁部123と第2壁部125との間の溝部127に配置される。
例えば、空気調和機の室内機で用いられる場合は、熱交換器回りの結露によってモータ1に水が掛かる可能性がある。室外機で用いられる場合は、風雨によってモータ1に水が掛かる可能性がある。特に、本実施形態のようにステータユニット13の径方向外側にロータ15が配置されるアウターロータ型のモータ1においては、モータ1を覆うカバーが無いため、ステータユニット13とロータ15との隙間から軸受部20に水が浸入するおそれがある。軸受部20に水が浸入すると、軸受部20の潤滑油が劣化したり、金属製の軸受部20が錆びたりする可能性がある。
本実施形態の構成によれば、ハウジング固定カバー103bを装着することでステータユニット13に水が直接掛からないようにすることができる。また、ロータホルダ21の外周縁21aが第1壁部123および第2壁部125と共に軸方向に入り組んだ迷路形状を構成する。従って、ロータ15とハウジング固定カバー103bとの隙間から軸受部20に水が浸入し難い構造となる。
図15は、本実施形態のハウジング取付ユニット50をフレーム101側から見た部分斜視図である。図15に示すように、ハウジング固定カバー103bをハウジング固定台103aに装着した状態で、開口部129はフレーム101側、即ち第1壁部123の下端部に配置される。モータ1に掛かった水は、ロータ15の外周面、或いは第1壁部123の内周面に沿って下方向へ流れ、第1壁部123の下端部に配置された開口部129から排水される。これにより、モータ1とハウジング固定カバー103bとの間に水が溜まるのを抑制することができる。なお、ここでは開口部129を軸方向に延びるスリット状としたが、窓状の開口部129であってもよい。
なお、本実施形態ではフランジ部30に設けられた第1孔部31の径方向位置をロータ15の外周部15aと重なる位置としたが、例えば図16に示すように、第1孔部31の径方向位置をロータ15の外周部15aよりも径方向内側とすることもできる。この構成においても、ハウジング13bの外径、およびハウジング固定台103aの外径をロータ15の外径よりも小さく抑えることができ、モータ1、および送風装置100を小型化することができる。即ち、第1孔部31の径方向位置は、ロータ15と軸方向に重なる位置であればよい。
ただし、第1孔部31の径方向位置をロータ15の外周部15aよりも径方向内側とした場合、ハウジング固定ピン110がステータ13aと径方向に重なる位置に配置される。そのため、ハウジング固定ピン110がステータ13aのコイルと接触すると断線等の不具合が発生するおそれがある。そこで、図16に示すようにハウジング13bの軸方向の厚みを大きくして、ステータ13aとハウジング固定ピン110との軸方向距離を所定距離以上とすることが好ましい。
図17は、本発明の実施形態に係るハウジング取付ユニット50に用いる防振部材40の変形例を示す斜視図である。図17に示す防振部材40は円筒状であり、防振部材40の外周面には周方向に沿って延びる筒部40cが形成されている。防振部材40の上面中央部には底面まで貫通する貫通孔40dが設けられている。
図18は、図17の防振部材40が取り付けられたステータユニット13をハウジング固定台103aに位置決めした状態を示す平面図である。図19は、図18の防振部材40周辺を径方向外側から見た拡大図である。図19に示すように、フランジ部30には第1孔部31に連通する切り欠き部30aが形成されている。防振部材40をフランジ部30に取り付ける際は、防振部材40の筒部40cを切り欠き部30aから第1孔部31に嵌め込む。その後、図7に示したハウジング固定台103aのハウジング固定ピン110を防振部材40の貫通孔40dに挿入する。これにより、ステータユニット13がハウジング固定台103aに位置決めされる。
図17に示した防振部材40を用いた場合、防振部材40がハウジング固定ピン110と第1孔部31との間にも介在する。従って、防振部材40はハウジング13bからハウジング固定ピン110に伝達される振動を吸収することができ、モータ1の振動がハウジング固定ピン110を介してハウジング固定台103aに伝達されるのを抑制することができる。
図20は、本発明の実施形態に係るハウジング取付ユニット50の変形例を示す図であって、ハウジング固定カバー103bのカバー固定ピン120がハウジング固定台103aの第2孔部121に挿入され、カバー固定ピン120の溶着により固定された状態を示す断面図である。
カバー固定ピン120を第2孔部121に挿入すると、ハウジング固定カバー103bの軸方向部115の先端がハウジング固定台103aに当たる。このとき、カバー固定ピン120の先端がハウジング固定台103aの軸方向の反対側に突出する。この状態で、カバー固定ピン120の先端を加熱することにより、第2孔部121の内径よりも大きい溶着部120bを形成する。これにより、ハウジング固定カバー103bがハウジング固定台103aに対して径方向および軸方向に位置決めされる。
なお、上記の構成に代えて、図21に示すように、ハウジング固定台103aにカバー固定ピン120を設け、ハウジング固定カバー103bに第2孔部121を設けてもよい。図21の構成においても、図14に示した構成と同様の作用、効果を得ることができる。また、ハウジング固定カバー103bの固定は図20に示したスナップフィットに代えて図20に示した溶着固定を採用することもできる。
さらに、カバー固定ピン120を用いずにハウジング固定カバー103bをハウジング固定台103aに固定してもよい。例えば、ハウジング固定台103aの外周縁、またはハウジング固定カバー103bの軸方向部115の内側面のいずれか一方に雄ネジ部を設け、他方に雌ネジ部を設けることにより、ハウジング固定カバー103bをハウジング固定台103aにネジ作用で嵌め合わせて固定することができる。
<3.留意点>
本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。また、本明細書中に示される複数の実施形態及び変形例は可能な範囲で組み合わせて実施されてよい。
以上においては、本発明のハウジング取付ユニットが送風装置におけるモータの取り付けに適用される構成を例示した。ただし、本発明の取付構造は送風装置に限らず、冷蔵庫や空気調和機の室外機等のモータを使用する他の機器にモータを取り付ける際に広く適用することができる。
本発明は、例えば送風装置に対するモータの取付構造に利用することができる。
1・・・モータ
11・・・ファン
13・・・ステータユニット
13a・・・ステータ
13b・・・ハウジング
15・・・ロータ
15a・・・外周部
20・・・軸受部
21・・・ロータホルダ
21a・・・外周縁
23・・・シャフト
27・・・マグネット
30・・・フランジ部
31・・・第1孔部
40・・・防振部材
50・・・ハウジング取付ユニット
100・・・送風装置
101・・・フレーム
103・・・ハウジング固定部
103a・・・ハウジング固定台
103b・・・ハウジング固定カバー
110・・・ハウジング固定ピン
111・・・台座部
113・・・径方向部
115・・・軸方向部
120・・・カバー固定ピン
120a・・・固定爪
120b・・・溶着部
121・・・第2孔部
123・・・第1壁部
125・・・第2壁部
127・・・溝部
129・・・開口部
O・・・中心軸

Claims (15)

  1. ステータユニットと、前記ステータユニットを固定するハウジング固定部と、を有し、前記ステータユニットの外周側にロータが配置されるアウターロータ型のハウジング取付ユニットであって、
    前記ステータユニットは、
    ステータと、
    前記ステータを被覆する樹脂製のハウジングと、
    を有し、
    前記ハウジング固定部は、
    前記ハウジングが固定されるハウジング固定台と、
    前記ハウジング固定台の前記ハウジングとの対向面から軸方向に突出する複数のハウジング固定ピンと、
    を有し、
    前記ハウジングは、前記ステータの外周面よりも径方向外側に突出し、前記ロータと軸方向に対向する複数のフランジ部を有し、
    前記各フランジ部は、前記ハウジング固定ピンが挿入される第1孔部を有し、
    前記第1孔部の径方向位置は、前記ロータと軸方向に重なる位置である、ハウジング取付ユニット。
  2. 前記フランジ部に装着される防振部材をさらに有し、
    前記防振部材が前記ハウジング固定台に接触することにより、前記ハウジングが前記ハウジング固定台に対し軸方向に所定の間隔を隔てて固定される、請求項1に記載のハウジング取付ユニット。
  3. 前記防振部材は、前記ハウジング固定ピンと前記第1孔部との間にも介在する、請求項2に記載のハウジング取付ユニット。
  4. 前記ハウジング固定部は、前記ハウジング側から前記ハウジング固定台に固定されるハウジング固定カバーをさらに有し、
    前記ハウジング固定カバーは環状であって、前記ハウジング固定カバーと前記ハウジング固定台とで前記防振部材を挟み込むことで前記ハウジングを固定する、請求項2または請求項3に記載のハウジング取付ユニット。
  5. 前記ハウジング固定台および前記ハウジング固定カバーのいずれか一方は、
    前記ハウジング側に突出するカバー固定ピンを有し、
    前記ハウジング固定台および前記ハウジング固定カバーの他方は、
    前記カバー固定ピンが挿入される第2孔部を有する、請求項4に記載のハウジング取付ユニット。
  6. 前記ハウジング固定カバーは、
    径方向に延びる径方向部と、
    前記径方向部の外周縁から軸方向に延びる軸方向部と、
    を有し、
    前記防振部材は、前記径方向部と前記ハウジング固定台とに挟み込まれて軸方向に固定され、前記軸方向部と前記フランジ部とに挟み込まれて径方向に固定される、請求項5に記載のハウジング取付ユニット。
  7. 前記カバー固定ピンは、前記ハウジング固定カバーの前記径方向部から前記ハウジング側に突出する、請求項6に記載のハウジング取付ユニット。
  8. 前記ハウジング固定台は、前記ハウジング側に突出する中空状の台座部を有し、
    前記台座部は、軸方向の先端面から内側に貫通する前記第2孔部を有する、請求項7に記載のハウジング取付ユニット。
  9. 前記カバー固定ピンの先端に固定爪が設けられ、前記ハウジング固定カバーは前記固定爪により前記ハウジング固定台に固定される、請求項5から8のいずれか1項に記載のハウジング取付ユニット。
  10. 前記ハウジング固定カバーは、外周縁から前記ロータ側に突出する環状の第1壁部と、前記第1壁部1の径方向内側に所定の間隔を隔てて突出する環状の第2壁部と、を有し、
    前記第1壁部と前記第2壁部とで形成された溝部に前記ロータの外周縁が配置される、請求項4から9のいずれか1項に記載のハウジング取付ユニット。
  11. 前記ハウジング固定カバーは、前記第1壁部に開口部が設けられる、請求項10に記載のハウジング取付ユニット。
  12. 前記ハウジング固定ピンと前記ハウジング固定台は、同一の樹脂材料で形成された単一の部材である、請求項1から11のいずれか1項に記載のハウジング取付ユニット。
  13. 請求項1から12のいずれか1項に記載のハウジング取付ユニットと、
    前記ロータと、
    を備えたモータ。
  14. 請求項13に記載のモータと、
    前記ロータに固定されるファンと、
    前記ハウジング固定台を有するフレームと、
    を備えた送風装置。
  15. 前記ハウジング固定台と前記フレームは、同一の樹脂材料で形成された単一の部材である、請求項14に記載の送風装置。
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