JP2012070522A - 球面モータ - Google Patents

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譲 鈴木
Hiroyuki Furusaki
浩幸 古崎
Masaya Fujimoto
征也 藤本
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Abstract

【課題】重量増加や寸法を犠牲にせずに磁気飽和が発生し難い構造の球面モータを提供する。
【解決手段】略球状の殻構造を有したステータ101と、その内側に配置され、ステータ101に対して相対的に回転可能な略球状のロータを備え、ステータ101の内面には、コイルが巻かれた磁極部材102が配置されている。磁極部材102は、この磁極102が配置された部分においてステータ101と重なる重畳部105を備え、その部分における磁気飽和を回避する構造とされている。
【選択図】図1

Description

本発明は、コイルが巻かれる磁極の構造に特徴のある球面モータに関する。
内部が中空の球体状の構造(球殻構造)を有するステータと、その内側に配置された回転自在な球体状のロータを備えた球面モータが知られている(例えば、特許文献1参照)。球面モータは、球殻構造のステータの内側で球状のロータが3自由度以上に回転可能な構造を有している。この構造の球面モータは、球殻構造のステータの内面に、球の中心方向に向かって延在する極歯が複数設けられ、この極歯にステータコイル(マグネットワイヤ)が巻かれている。他方で、ロータは、球体の表面に複数のマグネット(永久磁石)が埋め込まれている。
以下、球面モータの原理を簡単に説明する。まず、球面モータの中心を通る面で切断した切断面を考える。この場合、ロータの回転位置に応じて複数のステータコイルに流す励磁電流の向きを適宜切り替えることで、ロータ側のマグネットとステータ側の磁極との間で生じる磁力の向きが切り替わり、ロータが上記切断面に垂直な方向を軸として回転する。これは、1自由度のブラシレスモータと同じ原理である。磁極が球殻構造のステータの内面において均等な位置に配置されていれば、上記の切断断面は任意の位置で考えることができ、ロータは任意の方向を軸として回転可能となる。言い換えると、回転軸の方向を変更しての回転が可能となる。
特開2010−60011号公報
ところで、上述した球面モータのステータ側の磁極は、球の中心方向を向いた磁束を生成する。このため、球殻構造のステータは、その内面でラジアル方向に向かう磁束を受ける状態となる。ステータのこの部分は、磁束が磁極の中心から周囲に向かって放射状に広がる状態となる。このため、ステータにおける磁極に近い部分は磁束密度が高くなる。したがって、球殻構造のステータの厚みが薄いと、ステータの磁極付近の部分で磁気飽和が発生し易い。磁気飽和が発生すると、磁路の磁気抵抗が増大するので、モータの性能(駆動トルクや効率)が低下する。
この問題を解決する方法として、球殻構造のステータの厚みを厚くする方法が考えられる。しかしながら、球殻構造のステータの厚みを厚くすると、全体の重量が増加する問題が発生する。また、外形の寸法を大きくせずにステータの厚みを厚くした場合、ステータ内側の領域が減少する。この場合、ステータコイルを巻くスペースが犠牲となり、出力低下の要因となる。
このような背景において、本発明は、重量増加や寸法を犠牲にせずに磁気飽和が発生し難い構造の球面モータを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、略球状の殻構造を有した外側部分と、前記外側部分の内側に配置され、前記外側部分に対して相対的に回転可能な略球状の外面構造を有した内側部分とを備え、前記外側部分および前記内側部分は互いに対向する面を有し、前記対向する面の一方には、複数の磁石が配置され、前記対向する面の他方は、コイルが巻かれた磁極部材が配置されると共に軟磁性材料により構成される磁極配置部を備え、前記磁極部材は、前記磁極配置部とラジアル方向で重なる重畳部を備えていることを特徴とする球面モータである。
本明細書で開示する発明が適用可能な球面モータには、(1)外側の球状の殻構造体がステータで、その内側に球状のロータが格納された構造であり、ステータの内面に球中心の方向に突出しコイルが巻かれた磁極部材が配置され、ロータの表面にマグネットが配置されている形態、(2)外側の球状の殻構造体がステータで、その内側に球状のロータが格納された構造であり、ステータの内面にマグネットが配置され、ロータの外面に外方向(球中心から外を向く方向、「球中心の方向」とは反対方向)に突出しコイルが巻かれた磁極部材が配置されている形態、(3)外側の球状の殻構造体がロータで、その内側に球状のステータが格納された構造であり、ロータの内面に球中心の方向に突出しコイルが巻かれた磁極部材が配置され、ステータの表面にマグネットが配置されている形態、(4)外側の球状の殻構造体がロータで、その内側に球状のステータが格納された構造であり、ステータの外面に外方向に突出しコイルが巻かれた磁極部材が配置され、ロータの内面にマグネットが配置されている形態、(5)外側の球状の殻構造体がステータで、その内側に球状のロータが格納された構造であり、ステータの内面に球中心の方向に突出しコイルが巻かれた磁極部材が配置され、ロータの表面に外方向に突出しコイルが巻かれた磁極部材が配置された形態、(6)外側の球状の殻構造体がロータで、その内側に球状のステータが格納された構造であり、ロータの内面に球中心の方向に突出しコイルが巻かれた磁極部材が配置され、ステータの表面に外方向に突出しコイルが巻かれた磁極部材が配置された形態、が含まれる。
また、本明細書で開示する発明が適用可能な球面モータは、ロータの回転角度範囲が制限されている形態であってもよい(勿論、制限なく繰り返し回転する形態であってよい)。また、ロータの回転が外部に出力されない形態であってもよい。また、対向する面の一方に配置された複数の磁石は、永久磁石であってもよいしコアにコイルを巻いた電磁石またはコアレスの(コイルのみからなる)電磁石であってもよい。
請求項1に記載の発明によれば、磁極部材の重畳部と磁極部材が取り付けられる部分(例えば、球殻構造を有するステータの殻構造の部分)とが重なるので、この部分において、軟磁性材料の厚みが厚くなる。このため、対向する磁石から磁極部材に流れ込む磁束および磁極部材に巻かれたコイルが生成する磁束のバックヨークとなる部分の磁路の断面積が確保され磁気抵抗が小さくなることにより、当該磁路における磁気飽和が生じ難い構造が得られる。この構造によれば、例えば、略球状の殻構造を有したステータ全体の厚みを厚くしなくても、対向する磁石から磁極部材に流れ込む磁束および磁極部材に巻かれたコイルが生成する磁束の磁気飽和が生じ難く、磁気飽和に起因する性能低下が少ない球面モータが得られる。また、磁気飽和対策のために略球状の殻構造を有したステータ全体の厚みを厚くしなくてもよいので、内側の寸法を犠牲にせずに磁気飽和のない軽量構造とできる。なお、ここでは、外側の球殻構造のステータ側に磁極部材が配置される場合を例に挙げ、発明を説明したが、磁極部材が内側の球体側に配置される形態も可能である。また、磁極部材がロータ側に配置される形態も可能である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記磁極配置部および前記重畳部は平坦な形状を有し、該平坦な形状の部分同士が重ねられていることを特徴とする。請求項2に記載の発明によれば、平坦な部分同士を重ねるので、球面状態同士を重ねるよりも寸法精度の確保が容易な部材作製ができ、隙間のないより確実な磁路を形成することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記磁極部材は、コイルが巻かれるコイルコア部と、前記コイルコア部の先端に設けられ、傘状の形状に開いた面を有する突極面とを備え、前記突極面の中央には開口が設けられ、前記開口から非磁性材料により構成されるベアリングボールの一部が突出することで軸受機構が構成されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、ステータに対するロータの回転自在な状態を維持する構造が、磁極部材を用いて構成される。このため、磁極の他にベアリングによる支持部を別に設けた軸受機構とする場合に比較して部品点数が削減され、また構造が簡素化される。このため、コスト削減や小型化に適した構造が得られる。また、磁界が発生する中心部、すなわち、磁気力が発生する中心部に軸受が設けられていることから、ロータが回転する際の安定性が向上する。また、ベアリングボールに非磁性な材料を用いることで、磁極が生成する磁束に磁極の中心に位置するベアリングボールが影響を与えない構造とできる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記コイルコア部は筒形状を有し、この筒形状の内側には、前記ベアリングボールを前記開口から突出させるための予圧を与えるバネ部材が収納されていることを特徴とする。このバネは、バネの力を磁石の吸引力と同一としたことを特徴とする。請求項4に記載の発明によれば、バネ部材の弾性により、ベアリングボールを突極面の中心から弾性的に突出させるので、ロータがステータに対して弾性的に、且つ、回転自在な状態で支持される構造が得られる。この構造によれば、ロータの円滑な回転が可能となる構造が提供される。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の発明において、前記磁極部材は、コイルコア部と、前記コイルが巻かれ、前記コイルからの配線が接続される端子を備える共に前記コイルコア部に装着されるコイルボビン部と、当該磁極部材を取り付ける対象部分を前記コイルコア部との間に挟んだ状態で前記コイルコア部と結合される結合部材とを備え、前記結合部材が前記重畳部として機能することを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、コイルを巻いたコイルボビン部をコイルコア部に通し、更にコイルコア部と結合部材とで、磁極部材を取り付ける対象部分(例えば、略球状の殻構造を有したステータの磁極が配置される部分)を挟んだ状態で、コイルボビンと結合部材とを結合させることで、コイルが巻回された磁極部材のステータまたはロータへの取り付けが行われる。この構成によれば、組立が簡単な構造が得られる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記コイルコア部には、螺子孔が設けられており、前記螺子孔を利用して前記コイルコア部と前記結合部材とが螺子により締結されていることを特徴とする。請求項6に記載の発明によれば、コイルコア部と結合部材を螺子で締結することで、コイルが巻回された磁極部材のステータまたはロータへの取り付けが行われる。この構成によれば、作業に特殊な治具を必要とせず、容易に組立が可能な構造が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、重量増加や寸法を犠牲にせずに磁気飽和が発生し難い構造の球面モータが提供される。
請求項2に記載の発明によれば、より確実な重畳構造が得られ、また加工が容易で、製造し易い構造とできる。
請求項3に記載の発明によれば、簡素化された軸受機構が得られる。
請求項4に記載の発明によれば、エアーの圧力を利用するような複雑で大掛かりな構造を利用せずにロータの弾性的な支持が行われる軸受機構が得られる。
請求項5および請求項6に記載の発明によれば、組立が用意な磁極部分の構造が提供される。
実施形態の球面モータの外観図(A)とステータの内部構造図(B)である。 実施形態の球面モータのロータの分解図(A)、内部構造図(B)、分解図(C)、外観図(D)である。 実施形態の球面モータのステータの内部構造図(A)と外観図(B)である。 実施形態における磁極部材の分解図(A)と外観図(B)である。 実施形態の球面モータのステータの外観図(A)および(B)である。 実施形態における磁極部材の分解図である。 実施形態における磁極部材の分解図である。 実施形態の球面モータのステータの分解図である。 実施形態の球面モータの磁極部分の断面図である。 実施形態における磁極部材の分解断面図(A)と分解斜視図(B)である。 実施形態における磁極部材の分解斜視図である。 実施形態における磁極部材の分解断面図(A)と分解斜視図(B)である。 実施形態における磁極部材の分解斜視図である。 実施形態の球面モータの外観図である。 実施形態の球面モータの外観図(A)、ステータの分解図(B)、ロータの分解図(C)、全体の分解図(D)である。 実施形態の球面モータの外観図(A)、ステータの分解図(B)、ロータの分解図(C)、全体の分解図(D)である。 実施形態の球面モータの分解図(A)、ロータの分解図(B)である。
(1)第1の実施形態
(構成)
まず、本発明を利用した球面モータの基本的な構造について説明する。ここでは、外側の球状の殻構造体がステータで、その内側に球状のロータが格納された構造であり、ステータ側の内面に磁極部材(突極(極歯ともいう))が球の中心の方向に突出している形態の球面モータの一例を説明する。図1(A)には、球面モータ100の外観が、図1(B)には、球面モータ100の内部構造が示されている。球面モータ100は、ステータ101を備えている。ステータ101は、軟磁性材料により構成される球状の殻構造(球殻構造)を有している。ステータ101には、複数の磁極部材102が配置されている。
磁極部材102は、軟磁性材料により構成されており、コイルコア部103、突極面104、重畳部105を備えている。コイルコア部103は、ステータ101の内面から球構造の中心に向かって延在する円柱状の構造を有し、外周にマグネットワイヤが巻かれることで、コイルのコアとして機能する。突極面104は、コイルコア部103の球中心の方向の先端の部分に設けられ、傘状に開いた構造を有している。突極面104は、後述する図2のロータに隙間を隔てて対向した位置に配置される。突極面104のロータに対向する面は、球状のロータの外面の形状に沿った球面の一部を構成する形状とされている。突極面104は、通常(円筒1軸型)のインナーロータ型ブラシレスモータにおけるロータ側突極の先端部分に相当する。
重畳部105は、コイルコア部103の根本の部分であり、球殻構造のステータ101と球面モータ100におけるラジアル方向(球中心を基点とする放射方向)において重なる面状の構造を有している。この例では、ステータ101の重畳部105と重なる部分が磁極配置部となる。
図2には、図1のステータ101の内側に回転自在な状態で納められるロータの一例が示されている。図2には、ロータ110が示されている。ロータ110は、ステータ101の内側に納められ、ステータ101から隙間を隔てた状態で回転自在な状態とされる。ロータ110は、軟磁性材料で構成された内球部111、内球部111の表面に埋め込まれた複数のロータマグネット112、セラミックス等の非磁性材料により構成された外側を覆う外殻部113により構成されている。
(動作)
以下、球面モータ100の基本的な動作の一例を簡単に説明する。例えば、図1のX軸方向を回転軸として、ロータ111を回転させる場合を説明する。まず、図1の符号115の線で切断した断面を考える。この場合、この切断面に含まれるステータ101側の磁極のコイルに通常のブラシレスモータと同様の励磁電流が流される。この際、該当するステータ101の磁極の切り替わりに応じて、これら磁極とロータ110側のロータマグネット112との間で磁気吸引力および磁気反発力が切り替わり、球状のロータ111がX軸を回転軸として回転する。そして、ステータ101で利用する磁極の組み合わせを変えることで、同様の原理により、X軸とは異なる任意の方向の軸を回転軸として、ロータ110を回転させることができる。また、利用するステータ101側の磁極の組み合わせを切り替えつつ、ロータ110を回転させることで、回転軸の方向を変えながら、ロータ110の回転を行うような制御も可能となる。
(優位性)
コイルコア部103に巻かれたコイルが作る磁束およびロータマグネット112から流れる磁束は、コイルコア部103の延在方向を軸とする磁場を生成する。この磁場は、ステータ101を構成する材料内部において、磁極の部分から周囲に放射状に広がるので、ステータ101の磁極付近(断面積が小さくなる部位)の磁束密度は高くなる。本実施形態では、ステータ101の磁極付近で重畳部105が重ねられ、上記磁極から放射状に周囲に広がる磁路の断面積(バックヨークして機能する部分の実質的な厚み)は重畳部105が存在しない場合に比較して大きくなっている。このため、ステータ101の磁極付近では磁気抵抗が小さくなり磁気飽和が生じ難い。またこの磁気飽和が生じ難い構造でありながら、重畳部105が配置されているのは、ステータ101全体の表面積に比較して限られた部分であるので、ステータ101全体の厚みを厚くする場合に比較して、重量の増加が抑えられる。また、ステータ101の磁気飽和を抑えるために、ステータ101の内側の空間を狭めなくてよい構造とできる。
(その他)
図1、図2に示す球面モータ100では、ステータ101の内側でロータ110を回転自在な状態で保持する構造については図示省略されている。ステータ101の内側でロータ110を回転自在な状態で保持する構造は、後述する軸受機構(球面軸受)を利用することができる。
なお、球面モータ100では、ロータ110の回転を外部に出力する構成が示されていない。ロータ110の回転を外部に出力する構成としては、例えば、ステータ101に開口を設け、この開口からロータ110に固定した出力軸を外部に突出させる構成が挙げられる。この場合、この開口の設けられた範囲において、出力軸が自在に動き、この出力軸が回転する構成が得られる。以下、この一例を説明する。
図14には、球面モータ700が示されている。球面モータ700は、外側の球殻構造を有したステータ701、内側の円球状のロータ702、ロータ702の回転軸703を備えている。ステータ701には、円形状に切り取られた開口704が設けられ、そこから回転軸703が外部に出ている構造とされている。ロータ702が3自由度以上に回転することで、回転軸703は、この開口704が設けられた範囲(つまり円錐705の範囲)で動かすことができる。また、この範囲において、回転軸703を回転させることもできる。この球面モータは、例えば、ロボットの関節部分の駆動機構や3自由度以上に回転が必要とされる非接触センサの回転駆動に利用することができる。
また、球面モータ100の用途としては、回転軸の向きを変えることが可能なスタビライザーのような形態を考えることもできる。この場合、出力軸をステータ101の外側に出す必要はない。ここで述べた球面モータに関する応用例は、以下に述べる全ての実施形態に適用が可能である。
(2)第2の実施形態
図3(A)には、球面モータ200の内部構造が示され、図3(B)には、球面モータ200のステータ201の外観が示されている。球面モータ200は、軟磁性材料により構成された略球状の殻構造を有するステータ201を有する。ステータ201は、その外周面に磁極配置部となる平坦部202が設けられている。そしてこの平坦部202の部分に開口203が設けられ、この開口203を利用してステータ側の磁極を構成する磁極部材204が取り付けられている。
図4(A)には、磁極部材204が分解された状態が示され、図4(B)には、磁極部材204の外観が示されている。磁極部材204は、軟磁性材料により構成されており、突極面206と一体化された円筒形状のコイルコア部205を備えている。また、磁極部材204は、差込軸部208と一体化され、平たい円板形状を有する重畳部207を備えている。突極面206は、図1の突極面104と同じ構造を有している。コイルコア部205の中心には、孔部が設けられ、そこに差込軸部208を差し込むことで、コイルコア部205と重畳部207とが結合される。
この例では、図示省略されているが、図3(B)に示すステータ201は、半分に割ることができる構造(必ずしも2等分割でなくてもよい、また、2分割に限らず3分割以上であってもよい)とされている。そして、ステータ201を半分に割った状態で、図4(A)の状態にあるコイルコア部205を、ステータ201の内側から開口203に差し込む。そして、ステータ201の外側から図4(A)の状態にある重畳部207の差込軸部208を、開口203から露出したコイルコア部205の孔部に差し込み、重畳部207とコイルコア部205とを結合する。この際、接着剤を塗布し、重畳部207とコイルコア部205を互いに固定し、一体化する。こうして、図3(A)に示すようにステータ201に磁極部材204を取り付けた状態を得る。
図3に示す構造では、ステータ201の平坦部202と重畳部207とがラジアル方向において重なる。この際、両者が重なって接触する部分が平面同士となる。このため、重畳部207の加工がより容易となるのに加えて、重畳部207とステータ201表面の平坦部202との接触状態を隙間のない良好な状態とできる。仮に、重畳部207とステータ201との間に隙間が生じると、その部分の磁気抵抗が増大するので、重畳部207を重ねることによる重畳構造としても、磁極部材204背後の磁路の磁気抵抗を下げる機能が低下する。図3に示す構造では、加工が容易であることに加えて、確実に磁極部材204背後の磁路の磁気抵抗を下げることができ、磁気飽和が生じ難い構造が得られる。
(3)第3の実施形態
図5(A)には、球面モータ300のステータ301の外観が示されている。図5(B)には、図5(A)に示す状態において、ステータ301に電極端子が付いた磁極部材320を取り付けた状態が示されている。なお、図示されていないが、ロータは図2に示すものが用いられる。
ステータ301は、図3のステータ201に電極端子部を通すための開口を設けた構造を有している。図5には、ステータ301が示されている。ステータ301は、円形の平坦部302を有し、その中心に磁極部材320を通すための開口303が設けられている。そして平坦部302の縁の部分に、磁極部材320と一体化された電極端子部304を内側から通すための矩形の開口305が設けられている。
図6には、磁極部材320を分解した状態が示されている。磁極部材320は、コイルコア部307、コイルボビン310、重畳部316を備えている。コイルコア部307は、軟磁性材料により構成され、同じく軟磁性材料により構成された突極面306と一体化されている。突極面306の反対側には、重畳部316と結合するための差込孔308が設けられている。
コイルボビン310は、樹脂等の非磁性な材料で構成され、コイル309が巻かれている。コイルボビン310の中央には、コイルコア部307が貫通する上下に貫通する開口311が設けられている。また、コイルボビン310には、コイル309の巻線の両端が接続された2本の電極端子313を支持する電極基部312が取り付けられている。なお、符号314が、後付される電極端子板である。重畳部316は、軟磁性材料により構成される平板形状の円板であり、差込孔308に差し込まれる差込軸部315と一体化されている。
以下、ステータ301に磁極部材320を取り付ける工程を説明する。なお、ステータ301は半分に割ることができる構造であるとする。まず、コイルボビン310にコイル309を巻き、巻線の両端を電極端子313に絡げ、半田付けにより固定する。次に、コイルコア部307にコイルボビン310を装着し、2分割した状態のステータ301の開口303の内側からコイルコア部307をステータ301に取り付ける。この際、コイルコア部307の差込孔308の部分が開口303から外側に露出し、更に電極端子313が開口305から外側に突出する。そして、ステータ301の外側から差込軸部315をコイルコア部307の差込孔308に差し込み、重畳部316をステータ301の平坦部302に押し付ける。そしてこの状態を接着剤によって固定する。
また、ステータコア301の外側に突出した電極端子部304に電極端子板314を取り付ける。これを全ての磁極部材において行い、さらに半割にされていたステータ301の内部に、図示しないロータを収める。そして、2分割されたステータ301を結合し、球体とする。こうして、図5(B)に示す状態を得る。
この態様によれば、磁極部材をステータに組み付けることで、コイルの取り付け、更にコイルへの配線を行うための端子も同時に取り付けられる。勿論、図3に示す態様と同様に重畳部の働きにより、磁気抵抗が下がり磁気飽和が生じ難い構造も得られる。
(変形例)
図7には、図6に示す磁極部材の結合構造の変形例が示されている。この例では、螺子により磁極部材の結合を行う。なお、ここで説明する構成は、螺子に接着剤を併用する方法や螺子を仮止め用とし、更に接着剤によって固定を行う方法に利用することもできる。
図7には、ステータの一部401が示されている。符号401によって示される部分は、図5に示すステータ301の一部である。ステータの一部401には、平坦部402が設けられている。平坦部402の中央には、開口403が設けられている。開口403の縁には、螺子を通すガイド404が設けられている。また、平坦部402の端の部分には、電極端子422が通る開口405が設けられている。
磁極部材400は、突極面411と挿入部412を備えたコイルコア部410、コイル421が巻かれ、電極端子422を備えたコイルボビン420、重畳部として機能する結合部材430から構成されている。ここで、コイルコア部410と結合部材430は、軟磁性材料により構成されている。結合部材430には、挿入部412が挿入される開口431と螺子孔432が設けられている。
以下、組み立て手順の一例を説明する。まず、コイル421を巻いたコイルボビン420を用意し、それをコイルコア部412に装着する。次に、挿入部412を開口403に内側から通し、開口403の外側に挿入部412を突出させる。この状態で、コイルコア部410の縁(端部)の段差部分が平坦部402に接触する。
そして、開口403から外側に突出した挿入部412に、結合部材430の開口431を合わせ、開口431の内側に挿入部412を収容した状態とする。その後、螺子440を螺子孔432およびガイド404に通し、突極面411に設けられた雌螺子部413にねじ込み固定する。こうして、コイルコア部410端部の段差部分と結合部材430の端面との間にステータの一部である平坦部402が挟み込まれた状態で、螺子440によってコイルコア部410と結合部材430とが結合された状態が得られる。
(4)第4の実施形態
図8には、実施形態の球面モータのステータの一例が示されている。図8に示すステータは、図5に示すステータに軸受機構を加えた構成である。また、図8には、ステータ301が半割りされ、半割りステータ301aと301bに分離された状態が示されている。なお、図8には、ロータは記載されていない。ロータは、図2に示すものを利用することができる。以下、図5と同じ部分については説明を省略し、図5と異なる部分について説明する。
この例で示す軸受機構は、球殻構造のステータがその内側において、球体状のロータを回転自在な状態で保持する機能を有する。図8には、軸受機構を構成する軸受機構部330が示されている。軸受機構部330は、球殻構造のステータの内周面に複数が配置されており、球中心の方向に突出した円筒部材331を備えている。円筒部材331の先端部分には、ベアリングボール332が保持されている。ベアリングボール332は、一部が僅かに突出し、回転自在な状態であり、且つ、球中心の方向にバネにより付勢された状態とされている。
符号333は、軸受機構部330の外側の構造部分であり、螺子334によって固定された蓋部335を備えている。蓋部335を外すと、図示しない開口部が現れ、その内部にベアリングボール332を押すバネが収められ、その先にベアリングボール332が収められている。軸受機構部330は、複数配置されており、複数の部分における点接触により、ステータ301の内側で図示しない球体状のロータ(例えば、図2に示すロータ110)を回転自在な状態で保持している。
(5)第5の実施形態
以下、ステータの磁極の部分を軸受機構として兼用する構造の一例を説明する。図9には、図5に示すステータ301に適用した磁極兼軸受機構部500が示されている。図10(A)には、磁極兼軸受機構部500を分解した断面図が示され、図10(B)には、磁極兼軸受機構部500を分解した斜視図が示されている。また、図11には、磁極兼軸受機構部500を分解した状態を別の角度から見た斜視図が示されている。
磁極兼軸受機構部500は、ステータ側の磁極としての機能と軸受機構としての機能を備えている。以下、磁極兼軸受機構部500について説明する。図10、図11には、コイルコア部501が示されている。コイルコア部501は、ロータ側に傘型に開き、ロータ側の面がロータの球面に合った曲面とされている突極面502を備えている。また、コイルコア部501の突極面502と反対側には、円筒形状の差込部503が設けられている。突極面502の中央には、円形の開口506が設けられている。開口506は、ベアリングボール505よりも径が小さく、突極面502からロータ側にベアリングボール505が僅かに突出することが可能な構造とされている。
コイルコア部501の内側は、開口504とされている。開口504は、開口506に繋がっている。開口504の内側には、非磁性材料により構成された押圧部材507が収められる。押圧部材507は、円錐内面構造を有する窪み508を備え、この窪み508に一部が外側に突出した形でベアリングボール505が収まる。ベアリングボール505は、磁極が生成する磁束に影響を与えないように非磁性で、且つ、硬度と強度を有する材料により構成されている。このような材質としては、セラミックス・樹脂・非磁性金属等の非磁性素材が挙げられる。
押圧部材507は、後述する止めピン540のピン541が挿入される挿入部509が設けられている。押圧部材507のベアリングボール505を保持する部分以外の部分は、縮径されており、その部分の外周にコイルバネ511が装着されている。コイルバネ511の端部は、相対的に外径が拡径した部分の段差部510に接触している。コイルバネ511が装着された状態の押圧部材507は、開口504に収められる。
符号522は、コイルボビンである。コイルボビン522には、コイル522が巻かれている。また、コイルボビン522は、コイルコア部501を内側に納めるための開口523を有している。
符号540は、押圧部材507を球中心の方向に向かって押さえるための押ピンである。押ピン540は、挿入部509に挿入されるピン541、コイルバネ511を押さえるフランジ部542を備えている。なお、フランジ部542は、開口504に収容される構造とされている。符号530は、コイルコア部501と結合され、磁路を形成するための重畳部として機能する結合部材である。結合部材530もコイルコア部501と同様に軟磁性材料により構成されている。結合部材530は、コイルコア部501の差込部503を収容する凹部531を備えている。
以下、磁極兼軸受機構部500の部分を組み立てる手順の一例を説明する。まず、コイルバネ511を装着し、窪み508にベアリングボール505を保持した状態とした押圧部材507を、コイルコア部501の開口504に収める。次に、コイルコア部501の外側に、コイル521を巻いたコイルボビン522を装着する。この状態で差込部503をステータ301の内側から開口303(図5参照)に挿入し、開口303から外側に差込部503が突出した状態とする。この状態で、押しピン540のピン541を挿入部509に挿入し、更にフランジ部542によってコイルバネ511の端部を押さえる。そして、結合部材530の凹部531の内側に、コイルコア部501の差込部503が収容されるように、結合部材530をステータ301の外側から装着し、その状態を接着剤によって固定する。固定の方法としては、嵌入による方法も可能である。
こうして図9に示す状態を得る。図9に示す状態において、コイルコア部501の段差部501aと結合部材530との間にステータ301の平坦部302が挟まれ、ステータ301に磁極兼軸受機構部500が取り付けられた状態とされている。この構造では、結合部材530が重畳部として機能し、結合部材530と平坦部302が重なる部分で磁路の断面積が確保され、その部分での磁気飽和が生じ難い状態が得られる。また、磁極の中心から内側に突出したベアリングボール505は、コイルバネ511によって、ロータ110の方向(球の中心方向)に弾性力によって付勢されている。これにより、ステータ101内におけるロータ110の弾性的な保持が行われている。なお、図9に示す構成において、コイルコア部501の段差部501aと結合部材530との結合を、図7に示すような螺子によって行う構成も可能である。
(変形例)
図12および図13に、図10および図11の変形例を示す。図12(A)には、磁極兼軸受機構部600を分解した断面図が示され、図12(B)には、磁極兼軸受機構部600を分解した斜視図が示されている。また、図13には、磁極兼軸受機構部600を分解した状態を別の角度から見た斜視図が示されている。磁極兼軸受機構部600における磁極兼軸受機構部500と同じ符号の部分は、磁極兼軸受機構部500に関連して説明した部分と同じである。以下、磁極兼軸受機構部600における磁極兼軸受機構部500と異なる部分について説明する。
図12および図13に示す磁極兼軸受機構部600が、図10および図11に示す磁極兼軸受機構部500と異なるのは、コイルコア部の構造である。図12および図13には、コイルコア部601が示されている。コイルコア部601は、ロータ側に傘型に開き、そのロータ側の面がロータの球面に合った曲面とされている突極面602を備えている。また、コイルコア部601の突極面602と反対側には、円筒形状の差込部603を備えている。また、差込部603から突極面602の中央に貫通する開口604が設けられている。この開口604には、円筒形状の筒部605が収納される。筒部605は、外側の端面が開放され、球中心側の端面に円形の開口606が設けられている。開口606は、ベアリングボール505よりも径が小さく、突極面602からロータ側にベアリングボール505が僅かに突出することが可能な構造とされている。この構造では、内側に押圧部材507を収納した筒部605が開口604内に収められ、コイルコア部601に筒部605が固定される。機能および他の構造は、磁極兼軸受機構部600と同じである。
(6)その他の態様
(その他の態様1)
例えば、図1および図2に示す構造において、ロータとされているマグネットが配された内側の球体(内側部分)をステータとし、それに対して外側の球殻構造体(外側部分)が回転する形態も可能である。この場合、外側の球殻構造体への配線、および内側の球体を固定する構造が必要とされるため、回転する角度範囲が限定されるが、限定された角度範囲で3自由度以上の角度変位を行うモータとして機能させることができる。
(その他の態様2)
例えば、図1および図2に示す構造において、ロータとなる内側の球体にコイルが巻かれる磁極を複数配置し、ステータとなる外側の球殻構造体の内面にマグネットを配置した構造も可能である。ロータへの電力の供給は、配線による方法、電池による方法、電磁誘導による方法が可能である。例えば、配線により内側のロータへの給電を行う場合、配線の引き回しの関係でロータの回転する角度範囲が限定されるが、限定された角度範囲で3自由度以上の角度変位を行うモータとして機能させることができる。
(その他の態様3)
また、上記のその他の態様2において、ロータとステータの役割を入れ替えた構造も可能である。この場合、ステータとなる内側の球体にコイルが巻かれる磁極が複数配置され、ロータとなる外側の球殻構造体の内面にマグネットを配置した構造となる。この場合も内側のステータを固定して保持する構造が必要となるので、外側のロータの回転する角度範囲が限定されるが、限定された角度範囲で3自由度以上の角度変位を行うモータとして機能させることができる。この態様によれば、例えば、眼球を模したような動きを行う機構が可能となる。
以下、この態様の一例を説明する。図15は、実施形態の球面モータの外観図(A)、ステータの分解図(B)、ロータの分解図(C)、全体の分解図(D)である。図15には、球面モータ710が示されている。
球面モータ710は、内側の球体状のステータ711と外側の球殻構造のロータ712を備えている。ステータ711は、球殻構造を有するステータカバー717を備えている。ステータカバー717は、半球状の殻構造を有するステータカバー構成部材717a、717bに2分割が可能とされている。ステータカバー717の内側には、球殻形状のステータ本体713が収められている。ステータ本体713の表面には、外方向(球中心から外を向く方向、「球中心の方向」とは反対方向)に延在し、先端が傘型に開いた構造の複数の磁極714が配置されている。各磁極714は、本発明の重畳構造を有し、ステータコイル715が巻かれている。ステータカバー717には、磁極714をロータ側に露出するための開口716が設けられている。
ロータ712は、半球状の殻構造を備えるロータヨーク721、722により構成されている。ロータヨーク721、722の内側には、永久磁石により構成される複数のロータマグネット723が配置されている。複数のステータコイル715に流す電流の向きの組み合わせを制御することで、ステータ側の複数の磁極714とロータ側のロータマグネット723との間で作用する磁気吸引力および磁気反発力が切り替わり、内側のステータ711に対して外側のロータ712が3自由度以上に回転する。この構造では、回転する範囲が制限される回転の向きも存在するが、ロータ712を例えば眼球のように動かすことができる。
なお、ロータ712を可動状態でステータ711に対して支持する軸受機構については、説明を省略したが、軸受機構は、本明細書中で開示した他の実施形態におけるものを採用することができる。
図16には、図15の構造の変形例が示されている。図16には、球面モータ730が示されている。球面モータ730が、図15の球面モータ710と異なるのは、ロータの構造である。以下、図15の球面モータ710と同じ部分についての説明は省略し、図15の球面モータ710と異なる部分について説明する。
球面モータ730は、半球状の殻構造を有するロータ731を備えている。ロータ731は、ロータ構成部材731aと731bとに分離可能な構造とされている。ロータ構成部材731aと731bの内側には、複数のロータマグネット732が配置されている。他は、図15の球面モータ710と同じである。球面モータ730は、ロータ731が半球状に構成されていることから、ロータの移動範囲を容易に大きくすることができる。
(その他の態様4)
外側をステータ、内側をロータとした球面モータにおいて、両方に電磁石を配置した構造も可能である。例えば、図8に示すステータの構造は、内側に配置されるロータとして、その表面にマグネットを配置した構造(図2参照)のものを採用する場合の例として説明したが、図8に示すステータの構造で、内側に配置するロータとして、表面に電磁石を配置した構造のものを採用することも可能である。以下、この一例を説明する。
図17には、球面モータ740が示されている。球面モータ740は、ステータ70の内側にロータ741を3自由度以上に回転自在な状態で保持した構造を有している。ステータ70は、半割ステータ70aおよび70b、その内側に配置される内側ステータカバー71により構成されている。半割りステータ70aおよび70bは、図8に示す半割りステータ301aおよび301bにおいて、軸受機構部330を取り除いた構造を有している。内側ステータカバー71は、非磁性材料により構成された殻構造を有する球体であり、その内側の面が、ロータ741側の軸受機構を構成するベアリングボール744に接触する。これにより、ロータ741が内側ステータカバー71の内側で3自由度以上に回転可能な状態で保持される。
ロータ741は、ロータ本体750とロータカバー742により構成されている。ロータ本体750は、中心の球殻構造を有するロータヨーク746と、そこから外方向に延在し、先端が傘型に開いた構造の複数の磁極743を備えている。各磁極743は、本発明の重畳構造を有し、ロータコイル745が巻かれ、ロータコイル745からの引き出し線の端部が接続された給電用端子部747を備えている。また、各磁極743のステータへの対向面の中心には、図9〜図11において説明した磁極兼軸受機構を利用した軸受機構が配置されている。図には、この軸受機構を構成するベアリングボール744が示されている。また、ステータカバー742には、磁極743のロータ側の対向面を露出するために開口748が設けられている。なお、説明は省略するが、ロータ741への電力の供給は、配線による方法、電池による方法、電磁誘導による方法が可能である。
この構成では、ステータおよびロータの両方の磁極が電磁石を用いているので、モータの出力に応じて、電磁石が生成する磁力を調整できる。このため、低出力条件から高出力条件まで、効率の良い動作を行わすことができる。
図17に示す例では、外側(外側部分)をステータ、内側(内側部分)をロータとした球面モータの例を説明したが、同様な磁極の構造において、外側をロータ、内側をステータとした球面モータも可能である。
本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本発明の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
本発明は、球面モータに利用することができる。
100…球面モータ、101…ステータ、102…磁極部材、103…コイルコア部、104…突極面、105…重畳部、110…ロータ、111…内球部、112…ロータマグネット、113…外殻部、200…球面モータ、201…ステータ、202…平坦部、203…開口、204…磁極部材、205…コイルコア部、206…突極面、207…重畳部、208…差込軸部、300…球面モータ、301…ステータ、301a…反割りステータ、301b…反割りステータ、302…平坦部、303…開口、304…電極端子部、305…開口、306…突極面、307…コイルコア部、308…差込孔、309…コイル、310…コイルボビン、311…開口、312…電極基部、313…電極端子、314…電極端子板、315…差込軸部、316…重畳部、320…磁極部材、330…軸受機構部、331…円筒部材、332…ベアリングボール、333…軸受機構部の外側の構造部分、334…螺子、335…蓋部、340…内側ステータカバー部、400…磁極部材、401…ステータの一部、402…平坦部、403…開口、404…ガイド、405…開口、410…コイルコア部、411…突極面、412…挿入部、413…雌螺子部、420…コイルボビン、421…コイル、422…電極端子、430…結合部材、431…開口、432…螺子孔、440…螺子、500…磁極兼軸受機構部、501…コイルコア部、501a…段差部、502…突極面、503…差込部、504…開口、505…ベアリングボール、506…開口、507…押圧部材、508…窪み、509…挿入部、510…段差部、511…コイルバネ、521…コイル、522…コイルボビン、523…開口、530…結合部材、531…凹部、540…押ピン、541…ピン、542…フランジ部、601…コイルコア部、602…突極面、603…差込部、604…開口、605…筒部、606…開口、700…球面モータ、701…ステータ、702…ロータ、703…回転軸、704…開口、705…回転軸703が動く範囲、710…球面モータ、711…ステータ、712…ロータ、713…ステータ本体、714…磁極、715…コイル、716…開口、717…ステータカバー、717a、717b…ステータカバー構成部材、721、722…ロータヨーク、723…ロータマグネット、731…ロータ、731a、731b…ロータ構成部材、732…ロータマグネット、740…球面モータ、70…ステータ、70a、70b…反割りステータ、71…内側ステータカバー71、741…ロータ、742…ロータカバー、743…磁極、744…ベアリングボール、745…ロータコイル、746…ロータヨーク、747…給電用端子部、748…開口、750…ロータ本体。

Claims (6)

  1. 略球状の殻構造を有した外側部分と、
    前記外側部分の内側に配置され、前記外側部分に対して相対的に回転可能な略球状の外面構造を有した内側部分と
    を備え、
    前記外側部分および前記内側部分は互いに対向する面を有し、
    前記対向する面の一方には、複数の磁石が配置され、
    前記対向する面の他方は、コイルが巻かれた磁極部材が配置されると共に軟磁性材料により構成される磁極配置部を備え、
    前記磁極部材は、前記磁極配置部とラジアル方向で重なる重畳部を備えていることを特徴とする球面モータ。
  2. 前記磁極配置部および前記重畳部は平坦な形状を有し、該平坦な形状の部分同士が重ねられていることを特徴とする請求項1に記載の球面モータ。
  3. 前記磁極部材は、
    コイルが巻かれるコイルコア部と、
    前記コイルコア部の先端に設けられ、傘状の形状に開いた面を有する突極面と
    を備え、
    前記突極面の中央には開口が設けられ、
    前記開口から非磁性材料により構成されるベアリングボールの一部が突出することで軸受機構が構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の球面モータ。
  4. 前記コイルコア部は筒形状を有し、
    この筒形状の内側には、前記ベアリングボールを前記開口から突出させるための予圧を与えるバネ部材が収納されていることを特徴とする請求項3に記載の球面モータ。
  5. 前記磁極部材は、
    コイルコア部と、
    前記コイルが巻かれ、前記コイルからの配線が接続される端子を備える共に前記コイルコア部に装着されるコイルボビン部と、
    当該磁極部材を取り付ける対象部分を前記コイルコア部との間に挟んだ状態で前記コイルコア部と結合される結合部材と
    を備え、
    前記結合部材が前記重畳部として機能することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の球面モータ。
  6. 前記コイルコア部には、螺子孔が設けられており、
    前記螺子孔を利用して前記コイルコア部と前記結合部材とが螺子により締結されていることを特徴とする請求項5に記載の球面モータ。
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