JP2010037956A - 耐圧性能を向上させた半球型・バッファー・チューブの構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジンの排気管系において過給タービンを駆動する場合のように、大気圧より50kPa以上高い平均圧力において脈動を平滑化できるように小型バッフアー装置の耐圧性能を高めて、しかも実用条件で脈動減衰の効果を保ち得るような構造にすること。
【解決手段】脈動のある高温・高圧の管路系20において管路の側方に配置した脈動減衰のためのバッファー装置10として容器壁の少なくとも一部分を伸縮可能なゴム膜3で構成したゴム膜容器1を配置して内部容積が内部圧力に応じて変化して、脈動を吸収する半球(hemisphere)・バッファー・チューブ(HBT)としてゴム膜容器がその内部圧力が大気圧力と同等以上高い条件においてほぼ球形を形成しており、圧力に応じて内部容積がほぼ球形球状に拡大・収縮して大きな内部容積の変化を可能にする構成をして、内部圧力に対する膜面の応力が最小にできるほぼ球形曲面を形成する。
【選択図】 図2
Description
本発明は脈動のある容積型ポンプやレシプロエンジンなどの吸排気系に関するもので、排気ガス再循環(EGR)装置に関連しており、とくに過給エンジンの場合のEGRに密接に関係する。
シリンダ数4以下のレシプロエンジンでは排気および吸気管系の脈動が障害になることがあるが、排気ガスの一部を吸入系に戻して再循環させるEGRにおいて管路圧力の脈動が影響することがある。排気ガス清浄化技術の一つとしてEGRは重要であり、その場合は再吸入排気ガス流量の適正な制御が必要である。過給エンジンでは多くの場合エンジンの吸入側に排気タービンなどによる吸入空気の圧縮のあとに排気ガスの一部を混合してシリンダに吸入する方式を採っている。この場合に排気管圧力は平均的にも70kPa(G)以上に達し、しかも脈動は極めて大きい条件がある。吸排気管系に脈動がある状態での適正なEGR流量制御を行うために、排気ガスの全流量でなくても、環流する一部(35%程度以下)の流れと、吸気管系の脈動を減衰させる技術が流量測定・制御技術に要求されている。
管路系の脈動減衰にはバルーン・バッファー・チューブ(BBT、特願2006−216435)が効果的で高温の排気ガスにも適用可能である。このバルーン・バッファー・チューブ(BBT)101は500℃以上にも達する高温気体の管路において圧力や流速に脈動があるときにこれを平滑化するのに小型で効果的なバッファー部材で、図5に示すように、管路102、106の側方に大きな通路断面積をもつ側方管路107を配置しその管端部に耐熱性と弾性に富む薄膜で構成された平板状または凹状のゴム薄膜111を気密に配置して、内部圧力に応じて内部体積を十分に大きく変化できるようにバルーン状に変形させてゴム薄膜の伸びに対する体積変化を極めて効率的になるように構成し、バルーン状に膨張する薄膜を保護し制約する金属メッシュ112、パンチングメタル114などを管路内部および外部の適切な位置に配置して、必要な強度を確保しながら高温の管路と適切な距離を保つことにより必要な耐熱性が実現できるように構成したものである。しかし、大気圧との差が大きいと従来の技術ではゴム薄膜の強度と脈動抑制効果の両立が不十分であった。本発明では耐圧性能を従来のBBTよりも大幅に向上させ、少なくとも100kPa程度以上の内外差圧に耐えられるバッファー装置の構造を可能にしている。
エンジンの排気管系において過給タービンを駆動する場合のように、大気圧より50kPa以上高い平均圧力において脈動を平滑化できるように小型バッフアー装置の耐圧性能を高めて、しかも実用条件で脈動減衰の効果を保ち得るような構造にすることが課題である。
本発明ではゴム薄膜の伸縮による内部容積の変化を利用しているが、表面の応力変化に対する内容積の変化を最大にできる形状としては球形もしくはそれに近い形状が望ましい。半球の形状では変形の少ない固定面をもつことが可能で、この場合も膜の表面面積の変化に対する内部容積変化の効率も優れている構成にできる。ここでは基本的に初期形状として半球型のゴム膜を採用し、場合によりそれぞれの底面を合わせて球形とする手段を選んだ。
ゴム薄膜の伸びは100〜300%程度可能である材質が多く、伸びにより膜厚さは薄くなり初期が円形の平面膜でも張力は均一化し半球状になるのが普通である。伸びがある程度大きくなると膜厚さが薄くなるだけでなく曲面の曲率半径が増大して内部容積の増加に対応する内部圧力の増加は減少する。すなわちバッファー装置として等価容積が大きくできる条件がある。膜の強度と使用条件の差圧を適切に選択する手段を講じる。
ゴム膜としては半球型の全面が必ずしも均一な厚さに限定する必要はなく、例えば回転曲面の適当な部位に同質のある幅の帯状ゴム膜を接着などにより接合して部分的に内部圧力と伸びに変化を与えて、内部圧力と内部容積の静的な関係を適切に変更することがある限度内では可能である。こうした特徴を積極的に利用して帯状ゴム膜のベルトまたはその一部をゴム膜面の外側または内側に貼り付け接着して静的な圧力と容積変化の関係を選択する手段を選んだ。
貼り付けまたは接着するゴム膜は元のゴム膜と同じ曲率で同質であることが望ましいが厚さ及び幅と貼り付け部位を適切に選択して静的な圧力と容積変化の関係をできるだけ理想的特性に近づけるようにした。
初期から球状の曲面を持つ場合の方が小さい応力で均一に近い変形を可能にできる。伸びが破損限界にならないように変形を制約する接触面の滑らかな金属メッシュやパンチングメタルあるいは滑らかなリングを配置して、膜の張力の一部を固定物体に受けさせ耐圧性能を向上させる手段を併用できるようにした。
本発明のバッファー装置は外部圧力一定の条件で内部圧力の脈動を内部容積の変化で吸収するもので、効果の評価は例えば固定容積のタンク(サージタンク)と比較して脈動の振幅減衰を図ることが一つの手段となる。仮に100Lのサージタンクに初期圧力(絶対圧)100kPaとしてこれに1Lの同温同圧の気体を加えると101kPaになる。このとき、等価容積Ve(L)として初期圧力P1、付加容積ΔV、増加圧力ΔPとすると、ΔP=P1(ΔV/Ve)である。すなわち、等価容積はVe=P1(ΔV/ΔP)となる。バッファー装置に静的に付加容積を加えて圧力変化を測定すると静的な特性が判明する。図1は本発明の半球型のバッファー装置について一定容積の空気をその圧力条件で逐次加圧しながら付加して圧力を測定した例である。縦軸の圧力はゲージ圧であり、横軸の容積変化が吸収できる脈動の1周期の流動に対応する。ΔP/ΔVが小さいほど等価容積が大きくなる。すなわち勾配が小さい方が等価容積は大きいことを示す。
図1に示されるように、半球状のゴム膜によるバッファー装置ではゲージ圧がゼロ近傍の低い条件よりも、ある程度ゲージ圧の大きい条件で勾配が水平に近くなり等価容量は増加する特徴がある。この場合平均圧20〜23kPaにおいて等価容量が最大となっていて耐圧性を大きくできるだけでなく脈動抑制の効果も増すことが可能である。本発明では実使用条件において圧力と容積変化の関係を適切に選択することによりバッファー性能と耐圧性の向上が図れる効果がある。
耐圧性能を向上させるためにはゴム膜厚さを大きくする手段が一般的で効果があるが、それは一方で容積変化を小さくし等価容積を減少させる。使用条件に適切なゴム膜半径と膜厚さをゴム膜材質に応じて選択する必要がある。具体的にはゴム膜の半径と膜厚さを代表的な寸法に選び、図1のような静圧と内部容積変化の特性を基礎データとする。基礎データを検討して必要な内部容積変化と管路の平均的圧力に適応するゴム膜半径とゴム膜厚さを選択することである。
図2は本発明による耐圧性を向上させた半球型・バッファー装置10を管路20に装着した説明図である。バッファー装置10は半球型・バッファー・チューブ42を有する。半球型・バッファー・チューブ42は半球型のゴム膜容器1を1個または向い合せに結合した2個用いて構成されている。ゴム膜容器1は外縁部の周辺に鍔2を備えており、気密に固定面に取付けできるように構成されている。管路に連結した連絡管路9に接続された円形基板4と締め付けフランジ5とにより鍔2を両面で挟み締め付けられている。ゴム膜容器1は外縁部の鍔2を固定され、その内部は機密を保ち管路20と連結される。
内部圧力が大きくなるとゴム膜3の張力が増して鍔2を引く力が1000N以上にもなることがあるので、気密性の確保と強い張力に対応できる鍔2と円形基板4の構成対策が必要になる。
内部圧力が大きくなるとゴム膜3の張力が増して鍔2を引く力が1000N以上にもなることがあるので、気密性の確保と強い張力に対応できる鍔2と円形基板4の構成対策が必要になる。
管路20の内部圧力(ゲージ圧)に応じてゴム膜容器1は変形する。正圧に対してはゴム膜容器1の容器壁を構成する半球型のゴム膜はほぼ均一に伸び、点線3に示したように固定された鍔2の部分を除き受圧面に直角な方向に広がり内部容積は増大する。内部圧力がある程度大きい条件ではゴム膜厚さは薄くなり、内部容積の増大に応じて曲率半径が大きくなることから小さな圧力増加で大きな容積増加が可能になる。図1に容積変化と圧力の静特性を例示したように圧力がある程度高いときの方が低い圧力の時より等価容積は比較的に大きくできるようになる。これは圧力の脈動をよりよく吸収できることを意味する。
適用条件の圧力に関連しては初期設定としてのゴム膜のゴム材質特性(強度、密度、弾性係数、許容伸び率など)や膜厚さ、初期曲率半径も耐圧性と脈動減衰能力を決定する大きな要素である。そして使用状態での例えば管路の平均圧力、温度、脈動の一周期の振幅や流量を考慮する必要がある。使用条件において内部圧力がある限度以上に大きくなると、囲周するパンチングメタル6やゴム膜容器1の頂部の伸びを制約する金属メッシュ7によりゴム膜容器1のゴム膜の変位は制限され内部容積の変化も影響を受け、内部圧力は制限に応じてかなり急に増大するようになる。
表面が滑らかでゴム膜との摩擦が比較的に小さいリング8が例えばパンチングメタル7に支持されてゴム膜に接するようになるとゴム膜の張力の一部はリング8に受けられる。ゴム膜容器1のゴム膜がパンチングメタル6や金属メッシュ7、リング8に接すると伸びは制約されるが、応力はあまり増加しなくなくなる。もちろん内部容積の増加も少なくなるが、圧力が一部固定壁などに受け止められるようになりゴム膜容器1の破損を防止する。
本発明による耐圧性を向上させた半球型・バッファー装置10は初期の内部容積の3〜4倍以上の内部容積増加が可能であり、設計条件を適切に選定すれば等価容量も実容積の20倍以上を実現することができ、耐圧性を100kPa以上にすることも可能である。
耐圧性を向上させた半球型・バッファー装置10におけるゴム膜の鍔2の取付において円形基板4に周方向に0―リング溝30を設けて鍔2の気密性を確保するために0−リング31を配置する。
図4に本発明による本発明の耐圧性を向上させた半球型・バッファー装置2個(10、10´)を、EGR装置を含めたターボ過給エンジンの吸気管系および排気管系に装着したシステムを例示する。半球型・バッファー装置10は吸気管系で吸気マニホールド11の近傍に装着する。別な半球型・バッファー装置10´は排気管系の排気マニホールド12の近傍に装着する。
エンジン40のピストン21とシリンダ22の相対的な運動および吸気弁18と排気弁19の開閉作用により吸気マニホールド11と排気マニホールド12にはそれぞれの圧力脈動が発生している。エアーフィルタ25を通過してターボコンプレッサ24で過給加圧された空気はインタークーラ16で冷却されて吸気マニホールド11に導入されるが、排気マニホールド12から排気ガス流の一部が分岐されてEGRクーラ15で冷却され、EGR制御弁13で流量制御され吸気管14からの加圧空気と混合されて吸気マニホールド11に入る。
吸気マニホールド11の近傍に装着された半球型・バッファー装置10は脈動を吸収減衰させるので、吸気管14での脈動は小さくなる。一方排気管側では排気タービン23がターボコンプレッサ24を駆動するが、排気マニホールド12の近傍に装着した半球型・バッファー装置10´によって脈動を減衰させることができ、さらに分岐された管路17における脈動は小さくできる。EGR制御弁13の入り口出口の脈動が小さくできるので流量制御は極めて容易になる。
排気系に装着した半球型・バッファー装置10´は排気系側の脈動を減衰させる効果があるので、排気タービン23の効率を向上させるだけでなく、排気触媒26、DPF27、およびマフラー28の効率を向上させる効果がある。
吸気系に装着した半球型バッファー装置10による脈動減衰作用は吸気加圧のターボコンプレッサ24の効率向上に大きな効果があり、エンジン40全体の熱効率改善にも寄与できる。
半球型・バッファー・チューブ(HBT)においてゴム膜の外側または内側にゴム膜3と同質の伸縮可能な円環状の他のゴム膜44を半球の曲面に貼り付け内部容積と内部圧力との静的特性を均一なゴム膜の場合の特性から変更可能な構造となして、貼り付ける部位および貼り付ける膜の厚さと幅について選択して適切な静特性を実現できるようにし、耐圧性能を向上させる。
また半球型・バッファー・チューブ(HBT)において半球形のゴム膜を2個一組としてほぼ球形を構成し、入り口を設けて脈動のある管路に接続し、内部圧力によるゴム膜の伸縮に応じた球形の効果的な容積変化により脈動を吸収・減衰させる耐圧性能を向上させる。
また半球型・バッファー・チューブ(HBT)の構造において、内圧あるいは外圧を受けて円弧の回転曲面状に変形するゴム膜形状の一部または全部にほぼ沿った形状をもち、充分な強度を有する金属メッシュ7またはパンチングメタル6で囲周してバッファーとして容積変化をある限度内に抑制するとともに外部からの損傷を防護できるようにして耐圧性能を向上させる。
適用管路系の圧力が大気圧より20kPa以上の差がある場合に伸縮して内部容積を変化させるゴム薄膜の伸びを抑制するために表面が滑らかで摩擦の少ない円環(リング)8を1個以上配置し、ゴム膜にかかる力をリングの内部応力およびリング支持力で受けて耐圧性能を向上させる。
さらに、半球型・バッファー・チューブの構造において半球型ゴム膜の周辺に鍔を設けて管路に連結するときに取付基板と締め付けフランジを用いて気密性を保つ構造として、基板面に0-リング溝を設けて0-リングを嵌合させ、1mm以上の厚みのある半球型ゴム膜の鍔と基板面との気密性を確保できるようにする。
また半球型・バッファー・チューブ(HBT)において半球形のゴム膜を2個一組としてほぼ球形を構成し、入り口を設けて脈動のある管路に接続し、内部圧力によるゴム膜の伸縮に応じた球形の効果的な容積変化により脈動を吸収・減衰させる耐圧性能を向上させる。
また半球型・バッファー・チューブ(HBT)の構造において、内圧あるいは外圧を受けて円弧の回転曲面状に変形するゴム膜形状の一部または全部にほぼ沿った形状をもち、充分な強度を有する金属メッシュ7またはパンチングメタル6で囲周してバッファーとして容積変化をある限度内に抑制するとともに外部からの損傷を防護できるようにして耐圧性能を向上させる。
適用管路系の圧力が大気圧より20kPa以上の差がある場合に伸縮して内部容積を変化させるゴム薄膜の伸びを抑制するために表面が滑らかで摩擦の少ない円環(リング)8を1個以上配置し、ゴム膜にかかる力をリングの内部応力およびリング支持力で受けて耐圧性能を向上させる。
さらに、半球型・バッファー・チューブの構造において半球型ゴム膜の周辺に鍔を設けて管路に連結するときに取付基板と締め付けフランジを用いて気密性を保つ構造として、基板面に0-リング溝を設けて0-リングを嵌合させ、1mm以上の厚みのある半球型ゴム膜の鍔と基板面との気密性を確保できるようにする。
本発明はゴム膜などの伸縮による内部容積の変化と圧力変化の関係を利用したバッファー装置において、50kPa以上の耐圧性と、表面積変化に対する内容積変化の効率の点から、内部が正圧の場合は初期から球状もしく半球状の形状を持ったゴム膜がバッファー装置として最も適していることは明確である。管路に取り付けて内部流体を出入させる手段との組み合わせで具体的な構造には各種考えられる。第一の構造としては固定した底面に管路を設け、これに半球状の伸縮できるゴム膜などを気密に取付けて内部圧力に応じたゴム表面の伸縮による内部容積を変化させる構成にする。第二の構造としてはほぼ球状に何らかの方法で成型したゴム膜の一部に切裁面を設けて、これに管路を気密に接続してゴム膜の伸縮を利用して内部容積を圧力に応じて変化させる構造である。第三の構造としては従来のバルーン・バッファー・チューブ(BBT)特願2006−216435の初期構造としてゴム膜を半球状または一部分球状として成形し、さらにゴム膜の厚さを部分的に変更して内部圧力と外部圧力との差異に対応する充分な強度を有するように張り合わせなどによる膜厚さの全部あるいは部分的な変更手段による構造である。何れの構造においても耐圧性や安全性を確保し向上させるために、ゴム薄膜の外部に保護メッシュまたはパンチングメタル薄板を配置することが適切である。さらにまたゴム薄膜に接する表面が滑らかな円環状のパイプまたはリングを1個以上配置してゴム膜の変形を円環と保護メッシュの間に制約して、ゴム膜にかかる圧力の一部を円環により受けてゴム膜の伸びを抑制して、耐圧性能を向上させる構造も可能であり、バルーン・バッファー・チューブと類似した構造の耐圧性向上も可能である。
本発明は上記の内第一の構造を基本にしたもので、半球型に主眼を置いている。とくにこの構造においては、従来のサージチューブやバルーン・バッファー・チューブが内部圧力ゼロ(差圧・ゲージ圧)近傍において等価容量が大きくなり差圧増加により等価容量が減少するのと異なり、差圧がある程度大きい条件で等価容量が大きくなる特徴に注目して、この特質を活用する構成あるいは使用条件に組み入れるようにした。さらに実際には初期の半球状曲面にベルト状に厚さの変化を持たせる構造を採用してできるだけ使用条件における等価容量を大きくする方法を選んだ。
耐圧性を増大するにはゴム膜の厚さを大きくすることは必要で、それなりの効果はあるが、このことは内部圧力の変化に対する内部容積の変化の割合を減少させることにもなる。また形状を大きくすることもゴム膜強度との関係で必ずしも適切な手段にはならない。ゴム膜厚さ、半径など形状寸法にはそれぞれ限度があり、その制約内で必要な性能を確保する工夫が本発明の趣旨である。
本発明による耐圧性能を向上させた半球型・バッファー装置は内燃エンジンの吸排気系に適用して、ゲージ圧100kPa以上の管路において脈動減衰の効果を発揮できるだけでなく、汎用のコンプレッサを含む広い分野の流体機械に応用できるもので、従来のバッファー装置よりも小型軽量化が実現され広汎な産業分野で利用される可能性が大きい。
本発明は上記の内第一の構造を基本にしたもので、半球型に主眼を置いている。とくにこの構造においては、従来のサージチューブやバルーン・バッファー・チューブが内部圧力ゼロ(差圧・ゲージ圧)近傍において等価容量が大きくなり差圧増加により等価容量が減少するのと異なり、差圧がある程度大きい条件で等価容量が大きくなる特徴に注目して、この特質を活用する構成あるいは使用条件に組み入れるようにした。さらに実際には初期の半球状曲面にベルト状に厚さの変化を持たせる構造を採用してできるだけ使用条件における等価容量を大きくする方法を選んだ。
耐圧性を増大するにはゴム膜の厚さを大きくすることは必要で、それなりの効果はあるが、このことは内部圧力の変化に対する内部容積の変化の割合を減少させることにもなる。また形状を大きくすることもゴム膜強度との関係で必ずしも適切な手段にはならない。ゴム膜厚さ、半径など形状寸法にはそれぞれ限度があり、その制約内で必要な性能を確保する工夫が本発明の趣旨である。
本発明による耐圧性能を向上させた半球型・バッファー装置は内燃エンジンの吸排気系に適用して、ゲージ圧100kPa以上の管路において脈動減衰の効果を発揮できるだけでなく、汎用のコンプレッサを含む広い分野の流体機械に応用できるもので、従来のバッファー装置よりも小型軽量化が実現され広汎な産業分野で利用される可能性が大きい。
1 ゴム膜容器
1´ 膨張したゴム膜容器
2 鍔
3 ゴム膜
3´ 膨張したゴム膜
4 円形基板
5 締め付けフランジ
6 パンチングメタル
7 金属メッシュ
8 リング
9 連絡管路
10、10´半球型バッファー装置
11 吸気マニホールド
12 排気マニホールド
13 EGR制御弁
14 吸気管
15 EGRクーラー
16 インタークーラー
17 分岐された管路
18 吸気弁
19 排気弁
20 管路
21 ピストン
22 シリンダ
24 ターボコンプレッサ
25 エアーフィルタ
30 0−リング溝
31 0−リング
40 エンジン
101 バルーン・バッファー・チューブ(BBT)
102 管路
103 管路
107 側方管路
111 ゴム薄膜
112 金属メッシュ
114 パンチングメタル
1´ 膨張したゴム膜容器
2 鍔
3 ゴム膜
3´ 膨張したゴム膜
4 円形基板
5 締め付けフランジ
6 パンチングメタル
7 金属メッシュ
8 リング
9 連絡管路
10、10´半球型バッファー装置
11 吸気マニホールド
12 排気マニホールド
13 EGR制御弁
14 吸気管
15 EGRクーラー
16 インタークーラー
17 分岐された管路
18 吸気弁
19 排気弁
20 管路
21 ピストン
22 シリンダ
24 ターボコンプレッサ
25 エアーフィルタ
30 0−リング溝
31 0−リング
40 エンジン
101 バルーン・バッファー・チューブ(BBT)
102 管路
103 管路
107 側方管路
111 ゴム薄膜
112 金属メッシュ
114 パンチングメタル
Claims (8)
- 脈動のある高温・高圧の管路系において管路の側方に配置した脈動減衰のためのバッファー装置として伸縮可能なゴム膜容器を配置して内部容積が内部圧力に応じて変化して、脈動を吸収する半球(hemisphere)・バッファー・チューブ(HBT)としてゴム膜構造がその内部圧力が大気圧力と同等以上高い条件においてほぼ球形を形成しており、圧力に応じて内部容積がほぼ半球形状に拡大・収縮して大きな内部容積の変化を可能にする構成をして、内部圧力に対する膜面の応力が最小にできるほぼ球形曲面を形成して耐圧性能を向上させた半球型・バッファー・チューブの構造。
- 脈動のある気体管路系に接続するバッファー装置用の半球型・バッファー・チューブの構造であって、
内部圧力が大気圧力と同等以上の高い条件において内部圧力に応じて内部容積がほぼ半球状に拡大・収縮して内部容積を変化させて脈動を吸収可能に構成したゴム膜容器またはそのゴム膜容器の一部分を伸縮可能なゴム膜構造で構成した前記ゴム膜容器を備えたことを特徴とする半球型・バッファー・チューブの構造。 - 請求項1または2の半球型・バッファー・チューブ(HBT)において、適用する管路の平均的圧力に対応するゴム膜の伸びがある程度大きくなる適切な膜厚さを選択して、必要な耐圧性を確保するとともに使用状態におけるゴム膜の伸びを活用して、内部容積の変化に対する圧力変化が少なくできるゴム膜の変形と差圧条件の選択を可能にした耐圧性能を向上させた半球型・バッファー・チューブの構造。
- 請求項1、2または3の半球型・バッファー・チューブ(HBT)においてゴム膜の外側または内側にゴム膜と同質の伸縮可能な円環状の他のゴム膜を半球の曲面に貼り付け内部容積と内部圧力との静的特性を均一なゴム膜の場合の特性から変更可能な構造となして、貼り付ける部位および貼り付ける膜の厚さと幅について選択して適切な静特性を実現できるようにし、耐圧性能を向上させた半球型・バッファー・チューブの構造。
- 請求項1、2、3または4の半球型・バッファー・チューブ(HBT)において、半球形のゴム膜を2個一組としてほぼ球形を構成し、入り口を設けて脈動のある管路に接続し、内部圧力によるゴム膜の伸縮に応じた球形の効果的な容積変化により脈動を吸収・減衰させる耐圧性能を向上させた半球型・バッファー・チューブの構造。
- 請求項1、2、3、4または5の半球型・バッファー・チューブ(HBT)の構造において、内圧あるいは外圧を受けて円弧の回転曲面状に変形するゴム膜形状の一部または全部にほぼ沿った形状をもち、充分な強度を有する金属メッシュまたはパンチングメタル板で囲周してバッファーとして容積変化をある限度内に抑制するとともに外部からの損傷を防護できるようにした耐圧性能を向上させた半球型・バッファー・チューブの構造。
- 請求項1、2、3、4、5または6の半球型・バッファー・チューブ(HBT)の構造において、脈動のある管路系において、脈動減衰のためのバッファー装置として半球型・バッファー・チューブ(HBT)を適用するときに、適用管路系の圧力が大気圧より20kPa以上の差がある場合に伸縮して内部容積を変化させるゴム薄膜の伸びを抑制するために表面が滑らかで摩擦の少ない円環(リング)を1個以上配置し、ゴム膜にかかる力をリングの内部応力およびリング支持力で受けて耐圧性能を向上させた半球型・バッファーチューブの構造。
- 請求項1、2、3、4、5、6または7の耐圧性能を向上させた半球型・バッファー・チューブの構造において半球型ゴム膜の周辺に鍔を設けて管路に連結するときに取付基板と締め付けフランジを用いて気密性を保つ構造として、基板面に0-リング溝を設けて0-リングを嵌合させ、1mm以上の厚みのある半球型ゴム膜の鍔と基板面との気密性を確保できるようにしたことを特徴とする耐圧性能を向上させた半球型・バッファー・チューブの構造。
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WO2011105057A1 (en) | 2010-02-23 | 2011-09-01 | Casio Computer Co., Ltd. | Multifrequency antenna |
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2008
- 2008-07-31 JP JP2008198554A patent/JP2010037956A/ja active Pending
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