JP2010037435A - スチールコード被覆用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

スチールコード被覆用ゴム組成物及び空気入りタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP2010037435A
JP2010037435A JP2008201913A JP2008201913A JP2010037435A JP 2010037435 A JP2010037435 A JP 2010037435A JP 2008201913 A JP2008201913 A JP 2008201913A JP 2008201913 A JP2008201913 A JP 2008201913A JP 2010037435 A JP2010037435 A JP 2010037435A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
steel cord
rubber composition
weight
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008201913A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5253915B2 (ja
Inventor
Takashi Yuri
貴史 由里
Hirofumi Hayashi
浩文 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Tire and Rubber Co Ltd filed Critical Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority to JP2008201913A priority Critical patent/JP5253915B2/ja
Publication of JP2010037435A publication Critical patent/JP2010037435A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5253915B2 publication Critical patent/JP5253915B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Tires In General (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】スチールコードとの接着性について初期接着性、耐熱接着性及び耐湿熱接着性の接着バランスに優れ、かつ耐酸化劣化性を向上することができるスチールコード被覆用ゴム組成物を提供する。
【解決手段】ジエン系ゴム100重量部に対して、カーボンブラック30〜80重量部と、シリカ0〜15重量部と、フェノール類化合物又はフェノール類化合物をホルムアルデヒドで縮合したフェノール系樹脂0.1〜10重量部と、そのメチレン供与体としてのヘキサメチレンテトラミン又はメラミン誘導体0.2〜20重量部と、BET法による窒素吸着比表面積が20m/g以上の活性亜鉛華5〜20重量部と、を含有するスチールコード被覆用ゴム組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、スチールコード被覆用ゴム組成物に関し、特に、空気入りタイヤのベルトやカーカス、チェーハー等のスチールコードを被覆するために好適に用いられるゴム組成物、及び、該ゴム組成物をスチールコードの被覆に用いた空気入りタイヤに関する。
近年の車両の高速化、高出力化に伴う高発熱下での劣化や、タイヤの長寿命化に伴う熱履歴による劣化、酸化劣化などにより、タイヤ使用中のゴム劣化条件がより過酷になっている。そのため、より高い水準でのゴムの耐老化性(耐酸化劣化性)が要求されている。
従来、例えば、乗用車用タイヤのベルト層や、トラック・バス用など大型タイヤのベルト層、カーカス層、チェーハー層などの補強材として、ブラスメッキされたスチールコードが用いられている。スチールコードでは、その周囲のゴムが劣化して耐ゴム破壊性能が低下すると、ゴム層内にクラックが発生しやすくなる。また、熱履歴に対する耐熱接着性の低下や、タイヤ使用中の水分浸透、タイヤ製造時及び保管時の吸湿と昇温による耐湿熱接着性の低下により、ゴムとスチールコードの界面も剥離しやすくなる。その結果として、セパレーションが生じるという問題がある。
ゴム組成物とスチールコードとの接着性を向上させる手法として、ゴム組成物に有機酸金属塩を配合したり、レゾルシン誘導体などのメチレン受容体とメラミン誘導体などのメチレン供与体を配合したりすることが知られている(例えば、下記特許文献1参照)。しかしながら、いずれの従来技術においても、個別の接着性は良好であるものの、初期接着性、耐熱接着性及び耐湿熱接着性の全ての接着性にバランスがとれ、同時に満足させるのは困難であった。
ところで、比表面積の高い亜鉛華をゴム組成物に配合する技術が下記特許文献2〜4に開示されている。しかしながら、特許文献2は、ポリサルファイドポリエーテルポリマーのような非ジエン系ゴムに対して、BET法による窒素吸着比表面積が20m/g以上の亜鉛華を配合する技術である。しかも、接着剤、シーリング材、コーキング材などとして用いられるものであり、スチールコード被覆用ゴムについては開示されていない。また、特許文献3及び4は、ジエン系ゴムに対して比表面積が10m/g以上又は20m/g以上の亜鉛華を配合することを開示するものの、トレッドゴムやサイドウォールゴムなどの非接着性のゴム組成物に用いるものであり、スチールコード被覆用ゴムとしての優れた効果については開示されていない。
下記特許文献5には、カーカス層とベルト層との間のショルダー部に配されるクッションゴムに、硫黄分に対して所定量以上の亜鉛華を配合したゴム組成物を用いることが開示されている。また、その亜鉛華として、粒子が微細な活性亜鉛華を用いてもよい点が開示されている。
一方、下記特許文献6には、スチールコード被覆用ゴム組成物において、ジエン系ゴム100重量部に対し、硫黄5〜10重量部と、有機酸コバルト塩をコバルト含量として0.1〜0.8重量部と、亜鉛華1〜4重量部とを配合することが開示され、また、亜鉛華として粒度0.1μm程度の活性亜鉛華でもよいことが開示されている。しかしながら、この文献は、レゾルシン及びヘキサメチレンテトラミンを同時に配合するHRH系ゴム組成物を否定した上でなされたものであり、HRH系ゴム組成物に活性亜鉛華を配合することを意図したものではない。しかも、亜鉛華の配合量が少ないことから、仮にそれをHRH系ゴム組成物に配合したとしても、耐酸化劣化、特に耐破壊特性と接着性を高度に両立することはできない。
また、下記特許文献7には、スチールコード被覆用ゴム組成物において、ジエン系ゴムに、所定の比表面積のシリカと、シランカップリング剤と、平均粒径200μm以下の亜鉛華と、硫黄と、有機コバルトを配合することが開示されている。しかしながら、この文献は、石油資源由来の原材料を削減するためにシリカを主たる充填剤とする配合に関するものであり、初期接着性、耐熱接着性及び耐湿熱接着性の接着バランスについても沈黙している。
特開2001−234140号公報 特開平11−012467号公報 特開2003−055505号公報 特開2002−265674号公報 特開2008−037310号公報 特開昭60−115642号公報 特開2007−231190号公報
上記のように従来、20m/g以上の活性亜鉛華をゴムに配合することは知られていたものの、カーボンブラック系配合において、レゾルシン及びそのメチレン供与体とともに、組み合わせて用いることで、耐酸化劣化性と、初期接着性、耐熱接着性及び耐湿熱接着性の接着バランスとにおいて優れた効果が得られることは知られていなかった。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、スチールコードとの接着性について初期接着性、耐熱接着性及び耐湿熱接着性の接着バランスに優れ、かつ耐酸化劣化性を向上することができるスチールコード被覆用ゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記問題点に鑑み鋭意検討した結果、主たる充填剤をカーボンブラックとするジエン系ゴム組成物において、所定の比表面積を有する活性亜鉛華を、フェノール類化合物又はフェノール系樹脂及びヘキサメチレンテトラミン又はメラミン誘導体と組み合わせて所定量用いることにより、耐酸化劣化性を向上し、かつ、各々単独では得られない接着性能、特には初期接着性、耐熱接着性及び耐湿熱接着性をバランスよく向上できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係るスチールコード被覆用ゴム組成物は、ジエン系ゴム100重量部に対して、カーボンブラック30〜80重量部と、シリカ0〜15重量部と、フェノール類化合物又はフェノール類化合物をホルムアルデヒドで縮合したフェノール系樹脂と、そのメチレン供与体としてのヘキサメチレンテトラミン又はメラミン誘導体と、BET法による窒素吸着比表面積が20m/g以上の活性亜鉛華5〜20重量部と、を含有するものである。
また、本発明に係る空気入りタイヤは、前記のスチールコード被覆用ゴム組成物を、タイヤのベルト層、カーカス層、及びチェーハー層の少なくとも1つを補強するスチールコードの被覆ゴムに用いたものである。
本発明によれば、上記所定の比表面積を有する活性亜鉛華を所定量用いることにより、耐酸化劣化性を向上することができる。また、フェノール類化合物又はフェノール系樹脂とヘキサメチレンテトラミン又はメラミン誘導体を、上記活性亜鉛華と組み合わせて用いることにより、初期接着性はもちろん、耐熱接着性及び耐湿熱接着性もバランスよく向上することができる。そのため、ゴムの破壊特性とともに接着性に優れたスチールコード被覆用ゴム組成物を得ることができ、これを用いた耐久性能に優れた空気入りタイヤを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明に係るゴム組成物においては、ゴム成分としてジエン系ゴムが用いられる。ジエン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、及び/又はジエン系合成ゴムを用いることである。ジエン系合成ゴムとしては、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)などが挙げられる。これらジエン系ゴムは、いずれか一種単独で、又は2種以上ブレンドして用いることができる。この中でも、伸長結晶化しやすく破壊特性に優れるNRを主成分とすることが好ましく、即ち、NR単独、又は、NR60重量%以上とジエン系合成ゴム40重量%以下とのブレンドを用いることが好ましい。
本発明に係るゴム組成物は、補強性充填剤としてカーボンブラックを、ジエン系ゴム100重量部に対して30〜80重量部配合するものである。配合量が30重量部未満では、ゴム組成物の破壊特性を確保することが難しくなる。逆に、80重量部を超えると、硬度、モジュラスが高くなりすぎることにより、スチールコード被覆用ゴム組成物に必要とされる耐疲労性能が悪化する。一方、補強性充填剤として、シリカは配合しないか、配合してもせいぜい15重量部以下で用いる。シリカの配合量が15重量部を超えるとシランカップリング剤を配合しなければ分散性を確保することが難しくなる。
カーボンブラックの種類としては、特に限定されず、例えば、ISAF、HAF、FEFなどの各種グレードが挙げられる。また、シリカの種類としては、例えば、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、表面処理シリカなどが挙げられる。
本発明のゴム組成物には、メチレン受容体とメチレン供与体が配合される。メチレン受容体の水酸基とメチレン供与体のメチレン基とが硬化反応することで、ゴムとスチールコードの接着性を高めることができる。
メチレン受容体としては、フェノール類化合物、又はフェノール類化合物をホルムアルデヒドで縮合したフェノール系樹脂が用いられる。該フェノール類化合物としては、フェノール、レゾルシンまたはこれらのアルキル誘導体が含まれる。アルキル誘導体には、クレゾール、キシレノールといったメチル基誘導体の他、ノニルフェノール、オクチルフェノールといった比較的長鎖のアルキル基による誘導体が含まれる。フェノール類化合物は、アセチル基等のアシル基を置換基に含むものであってもよい。
また、フェノール類化合物をホルムアルデヒドで縮合したフェノール系樹脂には、レゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂(即ち、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂)、クレゾール樹脂(即ち、クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂)等の他、複数のフェノール類化合物からなるホルムアルデヒド樹脂が含まれる。これらは、未硬化の樹脂であって、液状又は熱流動性を有するものが用いられる。
これらの中でも、ゴム成分や他の成分との相溶性、硬化後の樹脂の緻密さ及び信頼性の見地から、メチレン受容体としてはレゾルシン又はレゾルシン誘導体が好ましく、特には、レゾルシン、又はレゾルシン−アルキルフェノール共縮合ホルマリン樹脂が好ましく用いられる。
これらフェノール類化合物又はフェノール系樹脂の配合量としては、ジエン系ゴム100重量部に対して0.1〜10重量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜4重量部である。
上記メチレン供与体としては、ヘキサメチレンテトラミン又はメラミン誘導体が用いられる。該メラミン誘導体としては、例えば、メチロールメラミン、メチロールメラミンの部分エーテル化物、メラミンとホルムアルデヒドとメタノールの縮合物等が用いられ、その中でもヘキサメトキシメチルメラミンが特に好ましい。
ヘキサメチレンテトラミン又はメラミン誘導体の配合量としては、ジエン系ゴム100重量部に対して0.2〜20重量部であることが好ましく、より好ましくは1〜8重量部である。
本発明に係るゴム組成物には、BET法による窒素吸着比表面積が20m/g以上の活性亜鉛華が配合される。ゴム用充填剤として従来一般に使用されている亜鉛華はBET法による窒素吸着比表面積が5m/g程度であるのに対し、20m/g以上の比表面積を有する微細な活性亜鉛華を用いることで、ゴムの耐酸化劣化性を向上することができ、また上記メチレン受容体及びメチレン供与体との組合せによる優れた接着性の向上効果が得られる。窒素吸着比表面積は、40m/g以上であることがより好ましい。窒素吸着比表面積の上限は特に限定されないが、通常は120m/g以下である。BET法による窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−89に規定されるBET法に準じて測定される。
上記活性亜鉛華の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対して5〜20重量部である。5重量部未満では、後述する実施例に示すように、耐酸化劣化性の向上効果が得られないばかりでなく、メチレン受容体及びメチレン供与体との併用効果としての接着性、とりわけ耐熱接着性及び耐湿熱接着性の向上効果も十分に得られない。逆に、20重量部を超えた場合、耐酸化劣化性の向上効果は得られるものの、接着性に劣る。
本発明に係るゴム組成物には、老化後のゴム物性及び接着性を向上するために、有機酸金属塩を配合してもよい。有機酸金属塩の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し、金属分換算で0.03〜0.40重量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜0.3重量部である。
有機酸金属塩としては、例えば、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、オレイン酸コバルト、ネオデカン酸コバルト、ロジン酸コバルト、ホウ酸コバルト、マレイン酸コバルトなどの有機酸コバルト塩の他に、有機酸ニッケル塩、有機酸モリブデン塩などが挙げられる。
本発明に係るゴム組成物には、加硫剤としての硫黄が通常配合される。硫黄の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し、1〜10重量部であることが好ましく、より好ましくは2〜8重量部である。硫黄としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、オイル処理硫黄などが挙げられ、特に限定されない。
本発明に係るゴム組成物には、加硫促進剤を配合することができる。加硫促進剤としては、特に限定されないが、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(CBS)、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(BBS)、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(OBS)、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(DPBS)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(DCBS)などのスルフェンアミド系加硫促進剤が好ましく用いられる。加硫促進剤の配合量としては、特に限定されないが、ジエン系ゴム100重量部に対して0.3〜2.0重量部であることが好ましい。
本発明に係るゴム組成物には、上記各成分の他、スチールコード被覆用ゴム組成物に一般に配合される各種配合剤を任意に配合することができる。そのような配合剤としては、例えば、ステアリン酸、ワックス、オイル、老化防止剤、加工助剤などが挙げられ、本発明の目的に反しない範囲で適宜配合することができる。
本発明のゴム組成物は、通常に用いられるバンバリーミキサーやニーダなどの混合機を用いて混練し作製することができ、各種スチールコードを被覆するためのゴム組成物として用いることができる。特には、空気入りタイヤのベルト層、カーカス層、チェーハー層などの補強材として使用されるスチールコードの被覆(トッピング)ゴムとして好ましく用いられ、常法に従いスチールカレンダーなどのトッピング装置によりスチールコードトッピング反を製造し、これをタイヤ補強部材として用いて、常法に従い成形加硫することにより空気入りラジアルタイヤを製造することができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
下記表1に記載の配合に従って、実施例及び比較例の各ゴム組成物を、密閉式バンバリーミキサーを用いて、常法に従い混練し調製した。表1の各成分の詳細は以下の通りである。
・天然ゴム:RSS#3、
・カーボンブラック:HAF、東海カーボン(株)製「シースト300」、
・シリカ:東ソー・シリカ(株)製「ニップシールAQ」、
・亜鉛華3号:三井金属鉱業(株)製「亜鉛華3号」(BET法による窒素吸着比表面積=5m/g)、
・活性亜鉛華A:井上石灰工業(株)製「META−Z102」(BET法による窒素吸着比表面積=25m/g)、
・活性亜鉛華B:ランクセス社製「Zinkoxyd aktiv」(BET法による窒素吸着比表面積=45m/g)、
・活性亜鉛華C:正同化学工業(株)製「AZO」(BET法による窒素吸着比表面積=60m/g)、
・老化防止剤:フレキシス社製「サントフレックス6PPD」、
・レゾルシン:住友化学工業(株)製「レゾルシン」、
・メラミン誘導体:ヘキサメトキシメチルメラミン、三井サイテック(株)製「サイレッツ963L」
・ステアリン酸コバルト:ジャパンエナジー(株)製「ステアリン酸コバルト」(Co含有率9.5重量%)、
・不溶性硫黄:フレキシス社製「ミュークロンHS OT−20」(80重量%が硫黄分)、
・加硫促進剤DCBS:N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、大内新興化学工業(株)製「ノクセラーDZ−G」、
・加硫促進剤BBS:N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、大内新興化学工業(株)製「ノクセラーNS−P」。
得られた各ゴム組成物について、耐酸化劣化性として耐破壊特性と耐硬化性を評価するとともに、接着性(初期接着性、耐熱接着性、耐湿熱接着性)を評価した。試験評価方法は、以下の通りである。
・耐破壊特性:150℃×30分の条件で加硫した試験片について、JIS K6251に準拠する引張試験法(3号ダンベル使用)に準じて、老化前破断伸びを測定した。次に、試験片を90℃のギヤーオーブン中、192時間老化させた後、同様にして老化後破断伸びを測定し、老化前破断伸びに対する保持率を求めた。値が大きいほど耐破壊特性に優れる。
・耐硬化性:上記の破断伸びの測定と同様にして、100%モジュラスを測定し、老化前100%モジュラスに対する老化後の100%モジュラスの保持率を求めた。値が小さいほど耐硬化性に優れる。
・初期接着性:黄銅メッキスチールコードを17本/25mm間隔で並べ、シーティングした評価ゴム(厚み=1mm)で挟み込んだコード部材を作成し、該コード部材を2枚重ねて、150℃×30分の条件で加硫して、25mm幅の評価用の試験片を作製した。得られた試験片を島津製作所(株)製オートグラフ「DCS500」を用いて2層のスチールコード間の剥離試験を行い、剥離後のスチールコードのゴム被覆率を目視にて観察し、0〜100%で評価した。数値が大きいほど初期接着性が良好である。
・耐熱接着性:上記試験片を100℃のオーブン中で96時間、老化させた後、上記初期接着性と同様の剥離試験を行い、剥離後のスチールコードのゴム被覆率を目視にて観察し、0〜100%で評価した。数値が大きいほど耐熱接着性が良好である。
・耐湿熱接着性:上記試験片を105℃の飽和蒸気内で96時間放置した後、上記初期接着性と同様の剥離試験を行い、剥離後のスチールコードのゴム被覆率を目視にて観察し、0〜100%で評価した。数値が大きいほど耐湿熱接着性が良好である。
Figure 2010037435
結果は表1に示す通りであり、比較例2〜4のようにレゾルシンとそのメチレン供与体を配合することで、比較例1に対して耐熱接着性と耐湿熱接着性の向上は認められたものの、接着性のレベルは依然として不十分であり、また、耐酸化劣化性にも劣っていた。
また、亜鉛華につき、従来一般的な亜鉛華3号を活性亜鉛華に代えたものの、レゾルシンとそのメチレン供与体を併用しなかった比較例5では、耐酸化劣化性の改善効果は認められたものの、接着性の改善効果は得られなかった。また、レゾルシン及びそのメチレン供与体とともに、活性亜鉛華を併用するも、その配合量が少ない比較例6では、耐酸化劣化性に劣るだけでなく、接着性についても比較例2よりも劣っていた。
これに対し、レゾルシン及びそのメチレン供与体とともに、上記活性亜鉛華を所定量組み合わせた実施例1〜6では、耐酸化劣化性に優れるとともに、初期接着性、耐熱接着性及び耐湿熱接着性の全ての接着性にバランスがとれ、優れた接着性効果が得られた。特に、活性亜鉛華を3重量部配合した比較例6では、これらの効果がほとんど得られなかったのに対し、活性亜鉛華を5重量部以上配合することで、顕著な効果が示されており、予測を超える優れた効果が確認された。
本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物は、空気入りタイヤの補強材であるスチールコード被覆用ゴムとして有用であり、このゴム組成物を用いたゴム−スチールコード複合体は、乗用車用タイヤのベルト層、トラック・バス用などの大型タイヤのベルト、カーカス、チェーハー層などに使用することができる。

Claims (3)

  1. ジエン系ゴム100重量部に対して、カーボンブラック30〜80重量部と、シリカ0〜15重量部と、フェノール類化合物又はフェノール類化合物をホルムアルデヒドで縮合したフェノール系樹脂と、そのメチレン供与体としてのヘキサメチレンテトラミン又はメラミン誘導体と、BET法による窒素吸着比表面積が20m/g以上の活性亜鉛華5〜20重量部と、を含有するスチールコード被覆用ゴム組成物。
  2. 前記ジエン系ゴム100重量部に対して、前記フェノール類化合物又はフェノール系樹脂を0.1〜10重量部と、前記ヘキサメチレンテトラミン又はメラミン誘導体を0.2〜20重量部含有する、請求項1記載のスチールコード被覆用ゴム組成物。
  3. 請求項1又は2記載のスチールコード被覆用ゴム組成物を、タイヤのベルト層、カーカス層、及びチェーハー層の少なくとも1つを補強するスチールコードの被覆ゴムに用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。
JP2008201913A 2008-08-05 2008-08-05 スチールコード被覆用ゴム組成物及び空気入りタイヤ Expired - Fee Related JP5253915B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008201913A JP5253915B2 (ja) 2008-08-05 2008-08-05 スチールコード被覆用ゴム組成物及び空気入りタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008201913A JP5253915B2 (ja) 2008-08-05 2008-08-05 スチールコード被覆用ゴム組成物及び空気入りタイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010037435A true JP2010037435A (ja) 2010-02-18
JP5253915B2 JP5253915B2 (ja) 2013-07-31

Family

ID=42010316

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008201913A Expired - Fee Related JP5253915B2 (ja) 2008-08-05 2008-08-05 スチールコード被覆用ゴム組成物及び空気入りタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5253915B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012031287A (ja) * 2010-07-30 2012-02-16 Toyo Tire & Rubber Co Ltd ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2014156667A (ja) * 2013-02-15 2014-08-28 Bridgestone Corp スチールコード−ゴム複合体
JP2014227532A (ja) * 2013-05-27 2014-12-08 電気化学工業株式会社 クロロプレンゴム組成物、加硫成形体及び防振ゴム
JP2018024743A (ja) * 2016-08-09 2018-02-15 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ
US11065914B2 (en) 2015-04-30 2021-07-20 Bridgestone Americas Tire Operations, Llc Rubber-covered textile cords, tires containing same, and related methods
CN114672075A (zh) * 2022-04-11 2022-06-28 泰凯英(青岛)专用轮胎技术研究开发有限公司 超低生热钢丝带束层包边胶组合物及其制备方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60115642A (ja) * 1983-11-28 1985-06-22 Yokohama Rubber Co Ltd:The スチ−ルコ−ド被覆用ゴム組成物
JP2003055505A (ja) * 2001-08-20 2003-02-26 Sumitomo Rubber Ind Ltd ゴム組成物およびそれを用いたタイヤ
JP2007231190A (ja) * 2006-03-02 2007-09-13 Sumitomo Rubber Ind Ltd スチールコード被覆用ゴム組成物
JP2007238728A (ja) * 2006-03-07 2007-09-20 Toyo Tire & Rubber Co Ltd ゴム組成物および空気入りタイヤ

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60115642A (ja) * 1983-11-28 1985-06-22 Yokohama Rubber Co Ltd:The スチ−ルコ−ド被覆用ゴム組成物
JP2003055505A (ja) * 2001-08-20 2003-02-26 Sumitomo Rubber Ind Ltd ゴム組成物およびそれを用いたタイヤ
JP2007231190A (ja) * 2006-03-02 2007-09-13 Sumitomo Rubber Ind Ltd スチールコード被覆用ゴム組成物
JP2007238728A (ja) * 2006-03-07 2007-09-20 Toyo Tire & Rubber Co Ltd ゴム組成物および空気入りタイヤ

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012031287A (ja) * 2010-07-30 2012-02-16 Toyo Tire & Rubber Co Ltd ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2014156667A (ja) * 2013-02-15 2014-08-28 Bridgestone Corp スチールコード−ゴム複合体
JP2014227532A (ja) * 2013-05-27 2014-12-08 電気化学工業株式会社 クロロプレンゴム組成物、加硫成形体及び防振ゴム
US11065914B2 (en) 2015-04-30 2021-07-20 Bridgestone Americas Tire Operations, Llc Rubber-covered textile cords, tires containing same, and related methods
JP2018024743A (ja) * 2016-08-09 2018-02-15 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ
CN114672075A (zh) * 2022-04-11 2022-06-28 泰凯英(青岛)专用轮胎技术研究开发有限公司 超低生热钢丝带束层包边胶组合物及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5253915B2 (ja) 2013-07-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5270395B2 (ja) スチールコード被覆用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5377454B2 (ja) バンドトッピング用ゴム組成物、ブレーカーエッジストリップ用ゴム組成物、及び空気入りタイヤ
JP5727989B2 (ja) スチールコード被覆、スチールコード隣接ストリップ又はタイガム用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5662977B2 (ja) ランフラットタイヤのサイドウォール補強層用ゴム組成物およびランフラットタイヤ
EP1731332A2 (en) Pneumatic tire having a base tread rubber composition containing a thermosetting resin
JP5079243B2 (ja) ゴム組成物および空気入りタイヤ
JP5253915B2 (ja) スチールコード被覆用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP6682949B2 (ja) 乗用車用タイヤ
JP5901508B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5461050B2 (ja) タイヤビードフィラー用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5356047B2 (ja) スチールコード被覆用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2009051897A (ja) スチールコード被覆用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5242247B2 (ja) スチールコード被覆用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2012177021A (ja) ゴム組成物および空気入りタイヤ
JP2021195415A (ja) ゴム−スチールコード複合体及び空気入りタイヤ
JP2009248770A (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP5421024B2 (ja) インナーライナー用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5478809B2 (ja) ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2011241364A (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
JP2010280782A (ja) トレッドクッション用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2009035674A (ja) ベーストレッド用ゴム組成物およびそれを用いたベーストレッドを有するタイヤ
JP5512454B2 (ja) ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2012077136A (ja) ベルト層補強コード被覆用ゴム組成物および空気入りタイヤ
JP5198137B2 (ja) スチールコード接着用ゴム組成物
JP2010037390A (ja) スチールコード接着用ゴム組成物及び空気入りタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110228

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121218

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130204

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130409

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130417

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5253915

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160426

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees