JP5461050B2 - タイヤビードフィラー用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

タイヤビードフィラー用ゴム組成物及び空気入りタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP5461050B2
JP5461050B2 JP2009094830A JP2009094830A JP5461050B2 JP 5461050 B2 JP5461050 B2 JP 5461050B2 JP 2009094830 A JP2009094830 A JP 2009094830A JP 2009094830 A JP2009094830 A JP 2009094830A JP 5461050 B2 JP5461050 B2 JP 5461050B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bead filler
bead
filler
rubber
tire
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009094830A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010242021A (ja
Inventor
貴志 櫻井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Tire and Rubber Co Ltd filed Critical Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority to JP2009094830A priority Critical patent/JP5461050B2/ja
Publication of JP2010242021A publication Critical patent/JP2010242021A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5461050B2 publication Critical patent/JP5461050B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Tires In General (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、空気入りタイヤに関し、特にタイヤビードフィラーに用いられるゴム組成物に関するものである。
トラックやバスなどの大型車に用いられる大型ラジアルタイヤ(重荷重用空気入りラジアルタイヤとも称される。)のビード部は、種々の部材が複雑に組み合わされて構成されている。
例えば、下記特許文献1には、タイヤビード部におけるカーカスプライ本体とその巻き上げ部との間に介在するビードフィラーを、ビードコアの全周を取り囲むようにしてビードコアと接触状態に設けたコアカバーとしての第1ビードフィラーと、該第1ビードフィラーのタイヤ径方向外方側においてビードコアに非接触かつ第1ビードフィラーに接触して設けた第2ビードフィラーとで構成したものが開示されている。前記第1ビードフィラーは、23℃でのゴム硬度が85以上と高硬度であるのに対し、第2ビードフィラーは、23℃でのゴム硬度が60〜75と低硬度に形成されている。
上記第2ビードフィラーは、カーカスプライの隣接部材であるため、耐接着破壊性が求められるとともに、走行中にカーカスプライによって繰り返し変形を受けるため熱が蓄積しやすく、従って、低燃費化の観点から低発熱性、即ち発熱しにくいという特性も求められる。
一般に、ゴム組成物の低発熱化は、カーボンブラックやオイルの配合量を減量することで可能となる。しかしながら、上記第2ビードフィラーは、そもそもポリマー比率が高いゴム部材であるため、カーボンブラックやオイルの配合量を減らすとゴム組成物中のポリマー分が更に増えてしまう。そのため、第2ビードフィラーを押出成形した際に、押し出し物の形状においてスウェルや表面肌などが悪くなり、押出成形性が低下してしまうという問題がある。
ところで近年では、地球環境に優しい材料がゴム組成物にも求められるようになっている。例えば、セルロース・ヘミセルロースとともに木材の主要成分であるリグニンは、パルプ生産時に副生される蒸解溶出液を原料として得られる自然界に豊富に存在する物質であり、リグニンの誘導体であるリグニンスルホン酸塩の利用が試みられている。
従来、リグニンスルホン酸塩をゴム組成物に配合する技術として、下記特許文献2には、特定のスチレンブタジエンゴムとポリブタジエンゴムからなるゴム成分に対しシリカとともにリグニンを配合して、リグニンによりシリカの分散性を向上させる点が開示されている。また、下記特許文献3には、ジエン系ゴムにシリカとともにリグニンスルホン酸塩を配合することにより、シリカ配合のゴム組成物のモジュラス向上、転がり抵抗の低減及び加硫速度の改善を図ることが開示されている。
特開2005−313735号公報 特開2007−119739号公報 特開2008−308615号公報
上記のように従来技術において、リグニンスルホン酸塩は、充填剤として分散性に劣るシリカを主とした配合系において、その分散性を改善するために用いられており、カーボンブラックを主とした充填剤としかつポリマー比率の高い配合系において、リグニンスルホン酸塩を充填剤に対して所定比率で配合することにより、低発熱化を図りながら、押出成形性を改良できることは知られていなかった。
本発明は、以上の点に鑑み、タイヤビード部においてビードコア周りの高硬度の第1ビードフィラーとともにビードフィラーを構成する低硬度の第2ビードフィラーにつき、押出成形性を改良し、更に低発熱性に有利なゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明は、ビードコアに接触して配された第1ビードフィラーと、前記第1ビードフィラーのタイヤ径方向外方側において前記ビードコアに非接触かつ前記第1ビードフィラーに接触して配され前記第1ビードフィラーよりも低硬度の第2ビードフィラーとにより、ビード部におけるカーカスプライ本体と該カーカスプライの巻き上げ部との間に介在するビードフィラーが構成された空気入りタイヤにおいて、前記第2ビードフィラーを形成するためのゴム組成物であって、天然ゴムを50重量%以上含むジエン系ゴム100重量部に対して、カーボンブラック単独からなる充填剤を10〜50重量部含有するとともに、リグニンスルホン酸塩を前記充填剤に対して2〜15重量%含有し、更に、フェノール類化合物又はフェノール類化合物をホルムアルデヒドで縮合したフェノール系樹脂と、そのメチレン供与体としてのヘキサメチレンテトラミン又はメラミン誘導体を含有することを特徴とするタイヤビードフィラー用ゴム組成物を提供するものである。
本発明はまた、ビードコアに接触して配された第1ビードフィラーと、前記第1ビードフィラーのタイヤ径方向外方側において前記ビードコアに非接触かつ前記第1ビードフィラーに接触して配され前記第1ビードフィラーよりも低硬度の第2ビードフィラーとにより、ビード部におけるカーカスプライ本体と該カーカスプライの巻き上げ部との間に介在するビードフィラーが構成された空気入りタイヤであって、前記第2ビードフィラーに前記ゴム組成物を用いた空気入りタイヤを提供するものである。
本発明によれば、充填剤としてカーボンブラックを主とした配合系において、リグニンスルホン酸塩を前記充填剤に対して所定比率で配合したことにより、上記第2ビードフィラーを構成するゴム組成物において、低発熱化を図りながら、押出成形性を改良することができる。そのため、低発熱性によりタイヤの低燃費性や耐久性向上を図りつつ、該タイヤの製造時における加工性の向上を図ることができる。
実施形態に係る空気入りタイヤの半断面図である。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤ(1)を示したものである。このタイヤ(1)は、トレッド部(2)と、左右一対のビード部(3)と、トレッド部(2)とビード部(3)との間に介在する左右一対のサイドウォール部(4)とよりなる。トレッド部(2)の径方向内側には、スチールコードや高強度有機繊維コードをタイヤ径方向に配列した1層又は複数層からなるカーカスプライ(5)が配されている。カーカスプライ(5)は、トレッド部(2)から両側のサイドウォール部(4)を経てビード部(3)でビードコア(6)の内側から外側に巻き上げられることにより係止されている。また、トレッド部(2)におけるカーカスプライ(5)の径方向外側にはスチールコードよりなる複数枚のベルト(7)が配されている。ビードコア(6)は、被覆ゴムを有するビードワイヤを順次積層巻回することで環状に形成されている。なお、符号(R)は、タイヤ(1)が組み付けられるリムを示す。
ビード部(3)において、カーカスプライ本体(5A)とビードコア(6)にて巻き上げられた巻き上げ部(5B)との間には、ビードフィラー(8)が介設されている。ビードフィラー(8)は、ビードコア(6)の全周を取り囲むように配されることでビードコア(6)と接触して設けられた第1ビードフィラー(8A)と、そのタイヤ径方向外方側においてビードコア(6)と非接触かつ第1ビードフィラー(8A)と接触して設けられた第2ビードフィラー(8B)とにより構成されている。
第1ビードフィラー(8A)は、コアカバーないしビードカバーとも称されるゴム部材であり、この例では、断面の外形が略円形又は略楕円形状をなし、ビードコア(6)よりもタイヤ径方向外側部分がタイヤ径方向内側部分よりも厚肉に形成されている。第1ビードフィラー(8A)は、23℃でのゴム硬度(JIS K6253のタイプAデュロメータ硬さ、以下同じ。)が例えば85以上の高硬度ゴムからなり、ビードコア(6)の捩れ抑制効果を発揮している。
第2ビードフィラー(8B)は、第1ビードフィラー(8A)の上、即ちタイヤ径方向外方側に配されており、タイヤ径方向外方側ほど先細である断面略三角形状をなすゴム部材である。第2ビードフィラー(8B)は、その円弧状の底面が第1ビードフィラー(8A)と接し、内側面がカーカスプライ本体(5A)に接し、外側面が下側略半分の領域でカーカスプライの巻き上げ部(5B)に接し設けられている。第2ビードフィラー(8B)は、第1ビードフィラー(8A)よりも低硬度のゴムからなり、この例では、23℃でのゴム硬度が55〜65程度のゴムで構成されている。
カーカスプライ(5)の巻き上げ底部の外面には、ナイロン等の有機繊維コードを備えてなるチェーファー(9)が設けられている。チェーファー(9)は、タイヤ幅方向内方側ではカーカスプライ本体(5A)の内面に沿って設けられるとともに、タイヤ幅方向外方側ではカーカスプライの巻き上げ部(5B)との間で間隔をあけてタイヤ径方向外方側に延びている。そして、上記間隔を埋めるようにチェーファー(9)とカーカスプライの巻き上げ部(5B)との間には内側パッドゴム(10)が設けられている。また、チェーファー(9)のタイヤ幅方向外面側には外側パッドゴム(11)が設けられており、チェーファー(9)のタイヤ幅方向外方側の巻き上げ部を、上記内側パッドゴム(10)と外側パッドゴム(11)との間で挟み込むように構成されている。
上記第2ビードフィラー(8B)は、低燃費化を図るための低発熱性ゴム部材であり、本実施形態の空気入りタイヤ(1)では、この第2ビードフィラー(8B)に、天然ゴムを主成分とするジエン系ゴム100重量部に対して、カーボンブラックを主成分とする充填剤を10〜50重量部含有するとともに、リグニンスルホン酸塩を前記充填剤に対して2〜15重量%含有するゴム組成物が用いられる。
上記ゴム組成物において、ゴム成分として用いられるジエン系ゴムは、天然ゴム(NR)を主成分とするものである。すなわち、ジエン系ゴムは、天然ゴム単独、又は、天然ゴム50重量%以上とジエン系合成ゴム50重量%以下とのブレンドゴムからなる。天然ゴムとブレンドして用いることのできるジエン系合成ゴムとしては、特に限定されず、例えば、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、スチレン−イソプレンゴム、ブタジエン−イソプレンゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム、ニトリルゴムなどが挙げられる。
上記ゴム組成物において充填剤は、カーボンブラックを主成分とする。すなわち、充填剤は、カーボンブラック単独、又は、カーボンブラックとそれより少量のシリカとからなる。カーボンブラックを主成分とすることにより、引張特性などの補強性及び耐疲労性のバランスを確保することができる。一方、シリカは必須成分ではないが、シリカを配合することでゴム組成物の低発熱性を更に改善することができる。
上記充填剤の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対して10〜50重量部であり、より好ましくは20〜45重量部であり、更に好ましくは25〜40重量部である。充填剤の配合量が10重量部未満では補強性に劣り、逆に50重量部を超えると良好な低発熱性を発揮することができない。カーボンブラックの配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対して10〜50重量部であり、より好ましくは25〜40重量部である。また、シリカの配合量は、カーボンブラックの配合量よりも少なく、ジエン系ゴム100重量部に対して20重量部以下、即ち0〜20重量部であることが好ましく、より好ましくは0〜15重量部である。
上記カーボンブラックとしては、窒素吸着比表面積が25〜100m/gであるものが好ましく用いられる。このような粒径の比較的大きなカーボンブラックを用いることにより、低発熱性を向上することができる。このようなカーボンブラックとしては、HAF、FEF、GPF、SRFクラス(ASTMグレード)のものを用いることができる。カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、50〜100m/gであることが好ましく、より好ましくは70〜90m/gである。なお、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K6217−2に準拠して測定される値である。
上記シリカとしては、例えば、湿式シリカ(含水ケイ酸),乾式シリカ(無水ケイ酸),ケイ酸カルシウム,ケイ酸アルミニウム等が挙げられ、中でも湿式シリカが好ましい。なお、シリカを配合する場合、シランカップリング剤を併用してもよい。シリカとしては、窒素吸着比表面積が250m/g以下であるものが好ましく用いられる。このような粒径の大きなシリカを用いることにより、加工性を維持することができるとともに、低発熱性を向上することができる。なお、窒素吸着比表面積の下限は特に限定されないが、180m/g以上であることが好ましい。なお、シリカの窒素吸着比表面積はISO 5794に記載のBET法に準拠し測定される。
上記ゴム組成物にはリグニンスルホン酸塩が配合される。リグニンスルホン酸塩は、スルホン基、カルボキシル基、フェノール性水酸基等の官能基を有することから、これらが充填剤であるカーボンブラックとの間で何らかの相互作用をすることで、押出成形性を改良し、低発熱性の効果を発揮するものと考えられる。また、リグニンスルホン酸塩は、ポリフェノール構造を有するため、後記メチレン受容体としてのフェノール類化合物やフェノール系樹脂との親和性もよく、このことも押出成形性や低発熱性の改良に寄与しているものと推測される。
リグニンスルホン酸塩としては、リグニンスルホン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、又はそれらの変性体が挙げられ、これらの少なくとも一種を含んで使用されることが好ましい。塩の具体例としては、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、リチウム塩、バリウム塩などが挙げられ、これらの混合塩でもよい。
リグニンスルホン酸塩は、充填剤に対して所定の比率で配合され、即ち、上記充填剤に対して、2〜15重量%にて配合される。この配合量が2重量%未満では、押出成形性の改良効果がほとんどなく、逆に15重量%を超えると、充填剤に対して過剰投入となり、低発熱性の効果が損なわれる。リグニンスルホン酸塩の配合量は、より好ましくは、充填剤に対して、2〜10重量%である。
市販のリグニンスルホン酸塩の中には、単糖類や多糖類などの糖類を含有するものがあり、本発明ではそのような糖類を含有するものを用いてもよい。糖類としては、木材成分のセルロース、またセルロースの構成単位であるグルコース、またはグルコースの重合体、例えば、ヘキソース、ペントース、マンノース、ガラクトース、リボース、キシロース、アラビノース、リキソース、リボース、タロース、アルトロース、アロース、グロース、イドース、デンプン、デンプン加水分解物、デキストラン、デキストリン、ヘミセルロースなどをそれぞれ挙げることができる。糖類は、例えば、リグニンスルホン酸塩100重量部に対して、50〜80重量部にて組み合わせることができる。
上記ゴム組成物には、メチレン受容体とメチレン供与体とからなる接着樹脂を配合することが好ましい。メチレン受容体の水酸基とメチレン供与体のメチレン基とが硬化反応することで、カーカスプライとの接着強度を向上することができる。
メチレン受容体としては、フェノール類化合物、又はフェノール類化合物をホルムアルデヒドで縮合したフェノール系樹脂が用いられる。該フェノール類化合物としては、フェノール、レゾルシンまたはこれらのアルキル誘導体が含まれる。アルキル誘導体には、クレゾール、キシレノールといったメチル基誘導体の他、ノニルフェノール、オクチルフェノールといった比較的長鎖のアルキル基による誘導体が含まれる。フェノール類化合物は、アセチル基等のアシル基を置換基に含むものであってもよい。
また、フェノール類化合物をホルムアルデヒドで縮合したフェノール系樹脂には、レゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂(即ち、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂)、クレゾール樹脂(即ち、クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂)等の他、複数のフェノール類化合物からなるホルムアルデヒド樹脂が含まれる。これらは、未硬化の樹脂であって、液状又は熱流動性を有するものが用いられる。
これらの中でも、ゴム成分や他の成分との相溶性、硬化後の樹脂の緻密さ及び信頼性の見地から、メチレン受容体としてはレゾルシン又はレゾルシン誘導体が好ましく、特には、レゾルシン、又はレゾルシン−アルキルフェノール−ホルマリン樹脂が好ましく用いられる。
これらフェノール類化合物又はフェノール系樹脂の配合量としては、ジエン系ゴム成分100重量部に対して0.5〜2重量部であることが好ましい。
上記メチレン供与体としては、ヘキサメチレンテトラミン又はメラミン誘導体が用いられる。該メラミン誘導体としては、例えば、メチロールメラミン、メチロールメラミンの部分エーテル化物、メラミンとホルムアルデヒドとメタノールの縮合物等が用いられ、その中でもヘキサメトキシメチルメラミンが特に好ましい。
ヘキサメチレンテトラミン又はメラミン誘導体の配合量としては、上記メチレン受容体であるフェノール類化合物又はフェノール系樹脂の配合量の0.5〜2倍重量部であることが好ましい。
上記ゴム組成物には、上述した各成分の他に、タイヤ工業において通常に用いられる軟化剤、亜鉛華、ステアリン酸、ワックス、老化防止剤、加硫促進剤、加硫剤、加硫助剤などの各種配合剤を、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じ適宜配合し用いることができる。
上記ゴム組成物は、ジエン系ゴムに充填剤とリグニンスルホン酸塩を含む各種配合剤を配合しバンバリーミキサー、ロール、ニーダーなどの各種混練機を使用して常法に従い作製することができる。このようにして得られたゴム組成物は、押出成型機を用いて所定の形状に押し出され、これを上記第2ビードフィラー(8B)を形成する部材として生タイヤ(グリーンタイヤ)に組み込んで、常法に従い加硫成形することにより、上記空気入りタイヤ(1)を製造することができる。
以下に実施例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。なお、下記実施例5は参考例である。
バンバリーミキサーを使用し、下記表2に示す配合に従い、各成分を添加混合して、第2ビードフィラー用ゴム組成物を調製した。リグニンスルホン酸塩としては、下記表1に示すリグニンスルホン酸ナトリウム塩(リグニンスルホン酸塩1,2)を用いた。
Figure 0005461050
リグニンスルホン酸塩を除く表2中の各成分の詳細は以下の通りである。
・天然ゴム:RSS#3
・カーボンブラック:キャボットジャパン(株)「ショウブラックN330T」(窒素吸着比表面積:75m/g)
・シリカ:東ソー・シリカ(株)製「ニップシールAQ」(窒素吸着比表面積=205m/g)
・オイル:(株)ジャパンエナジー製「JOMOプロセスP−200」
・レゾルシン誘導体:住友化学工業(株)製「スミカノール620」(レゾルシン−アルキルフェノール−ホルマリン樹脂)
・メラミン誘導体:三井サイテック(株)製「サイレッツ963L」(ヘキサメトキシメチルメラミン)。
各ゴム組成物には、共通配合として、ジエン系ゴム100重量部に対し、亜鉛華(三井金属鉱業(株)製「亜鉛華3号」)5重量部、ステアリン酸(花王(株)製「ルナックS25」)2重量部、老化防止剤6C(フレキシス社製「サントフレックス6PPD」)2重量部、硫黄(細井化学工業(株)製「粉末硫黄150メッシュ」)4重量部、及び、加硫促進剤CZ(大内新興化学工業(株)製「ノクセラーCZ−G」)1重量部をそれぞれ配合した。
得られた各ゴム組成物について、押出成形性を評価するとともに、150℃×30分で加硫した試験片について、硬度を測定し、また引張特性と低発熱性を評価した。各測定・評価方法は以下の通りである。
・硬度:JIS K6253のタイプAデュロメータ硬さ試験に準拠して23℃で測定したゴム硬度。
・押出成形性:ASTM D2230−96に準拠して、プラストミル(東洋精機社製)に押し出し機を取り付け、ASTM法、いわゆるガーベイダイを用いて、シリンダー温度:100℃、ダイ温度:100℃、ヘッド温度:100℃、スクリュー回転数:45rpmに設定して押出成形を行い、各ゴム組成物の押し出し物の外観を評価することにより行った。評価は、採点法Aにより行い、押し出し物におけるスウェル(押出形状に対する膨らみ)、エッジ(押出形状における鋭角部の形状変化)、表面肌(押し出し物の表面の滑らかさ)、及びコーナー(押出形状における角部の形状変化)の各状態を、1段階(押出成形性悪い)〜4段階(押出成形性良い)で評価した。
・引張特性:JIS K6251に準拠した引張試験(ダンベル3号)を行って、M300(300%伸び時における引張応力、MPa)の値を求め、比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が大きいほど、M300が大きいことを示す。
・低発熱性:東洋精機製の粘弾性試験機を使用し、周波数10Hz、静歪み10%、動歪み1%、温度60℃の条件で損失係数tanδを測定し、比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が小さいほどtanδが小さく、発熱しにくいこと、即ち低発熱性に優れることを示す。
Figure 0005461050
結果は表2に示すとおりであり、コントロールである比較例1に対し、カーボンブラックを減量した比較例2では、低発熱性は改良されたものの、引張特性が低下し、また、押出成形性が損なわれていた。逆にカーボンブラックを増量した比較例3では、押出成形性は改良されたものの、低発熱性が悪化した。また、オイルを添加した比較例4でも、押出成形性は改良されたものの、低発熱性が悪化した。一方、リグニンスルホン酸塩の配合量が多すぎる比較例5では、押出成形性は改良されたものの、低発熱性が損なわれた。リグニンスルホン酸塩の配合量が少なすぎる比較例6では、押出成形性及び低発熱性の双方で改良効果は認められなかった。
これに対し、リグニンスルホン酸塩を、カーボンブラックを主とした充填剤に対して所定の比率で配合した実施例1〜5であると、引張特性を損なうことなく、また低発熱性を向上しながら、押出成形性が改良されていた。そのため、これらのゴム組成物を用いて上記第2ビードフィラーを形成すれば、押出成形性に優れることから、タイヤ製造時における加工性を向上することができ、また、低発熱性に優れることから、タイヤの低燃費性や耐久性向上に寄与することができる。
なお、実施例4は、比較例1に対してカーボンブラックの配合量が少ないため、引張特性に劣るが、カーボンブラックの配合量が同等の比較例2との対比では、引張特性を維持しつつ、低発熱性と押出成形性が改良されていた。また、実施例5は、カーボンブラックとシリカの併用であるため、比較例1に対しては引張特性が劣るが、充填剤が同等の比較例7との対比では、引張特性を維持しつつ、低発熱性と押出成形性が改良されていた。
本発明は、各種空気入りタイヤに適用することができ、特に、トラックやバスなどに用いられる重荷重用空気入りタイヤに好適に利用することができる。
1…空気入りタイヤ、2…トレッド部、3…ビード部、4…サイドウォール部
5…カーカスプライ、5A…カーカスプライ本体、5B…巻き上げ部
6…ビードコア、7…ベルト
8…ビードフィラー、8A…第1ビードフィラー、8B…第2ビードフィラー
9…チェーファー、10…内側パッドゴム、11…外側パッドゴム

Claims (3)

  1. ビードコアに接触して配された第1ビードフィラーと、前記第1ビードフィラーのタイヤ径方向外方側において前記ビードコアに非接触かつ前記第1ビードフィラーに接触して配され前記第1ビードフィラーよりも低硬度の第2ビードフィラーとにより、ビード部におけるカーカスプライ本体と該カーカスプライの巻き上げ部との間に介在するビードフィラーが構成された空気入りタイヤにおいて、前記第2ビードフィラーを形成するためのゴム組成物であって、
    天然ゴムを50重量%以上含むジエン系ゴム100重量部に対して、カーボンブラック単独からなる充填剤を10〜50重量部含有するとともに、リグニンスルホン酸塩を前記充填剤に対して2〜15重量%含有し、更に、フェノール類化合物又はフェノール類化合物をホルムアルデヒドで縮合したフェノール系樹脂と、そのメチレン供与体としてのヘキサメチレンテトラミン又はメラミン誘導体を含有する
    ことを特徴とするタイヤビードフィラー用ゴム組成物。
  2. 前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積が25〜100m/gであることを特徴とする請求項記載のタイヤビードフィラー用ゴム組成物。
  3. ビードコアに接触して配された第1ビードフィラーと、前記第1ビードフィラーのタイヤ径方向外方側において前記ビードコアに非接触かつ前記第1ビードフィラーに接触して配され前記第1ビードフィラーよりも低硬度の第2ビードフィラーとにより、ビード部におけるカーカスプライ本体と該カーカスプライの巻き上げ部との間に介在するビードフィラーが構成された空気入りタイヤであって、前記第2ビードフィラーに、請求項1又は2に記載のゴム組成物を用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。
JP2009094830A 2009-04-09 2009-04-09 タイヤビードフィラー用ゴム組成物及び空気入りタイヤ Expired - Fee Related JP5461050B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009094830A JP5461050B2 (ja) 2009-04-09 2009-04-09 タイヤビードフィラー用ゴム組成物及び空気入りタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009094830A JP5461050B2 (ja) 2009-04-09 2009-04-09 タイヤビードフィラー用ゴム組成物及び空気入りタイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010242021A JP2010242021A (ja) 2010-10-28
JP5461050B2 true JP5461050B2 (ja) 2014-04-02

Family

ID=43095395

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009094830A Expired - Fee Related JP5461050B2 (ja) 2009-04-09 2009-04-09 タイヤビードフィラー用ゴム組成物及び空気入りタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5461050B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5301338B2 (ja) * 2009-04-09 2013-09-25 東洋ゴム工業株式会社 重荷重用タイヤトレッドゴム組成物及び重荷重用空気入りタイヤ
JP5393740B2 (ja) * 2011-08-08 2014-01-22 東洋ゴム工業株式会社 空気入りラジアルタイヤ
ITRM20130070A1 (it) * 2013-02-08 2014-08-09 Bridgestone Corp Strato di gommatura di tele rinforzanti di pneumatici
US20160230008A1 (en) * 2013-10-16 2016-08-11 Sumitomo Bakelite Co., Ltd. Resin composition, rubber composition, and cured article
JPWO2019070084A1 (ja) * 2017-10-06 2020-10-22 株式会社ブリヂストン タイヤ用ビード部材、タイヤ、及びタイヤ用ビード部材の製造方法
WO2019070085A1 (ja) * 2017-10-06 2019-04-11 株式会社ブリヂストン タイヤ用ビード部材、タイヤ、及びタイヤ用ビード部材の製造方法
JP2020203574A (ja) * 2019-06-17 2020-12-24 株式会社ブリヂストン ランフラットタイヤ
JP2020203649A (ja) * 2019-06-19 2020-12-24 株式会社ブリヂストン タイヤ
CN115181342B (zh) * 2022-08-22 2023-09-26 四川远星橡胶有限责任公司 一种高回弹性高模量低生热胎唇护胶及其制备方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0637583B2 (ja) * 1986-09-26 1994-05-18 東洋ゴム工業株式会社 ビ−ド耐久性にすぐれたタイヤ
JP3966799B2 (ja) * 2002-10-30 2007-08-29 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ
JP2008308615A (ja) * 2007-06-15 2008-12-25 Yokohama Rubber Co Ltd:The タイヤ用ゴム組成物
JP5242324B2 (ja) * 2007-10-12 2013-07-24 東洋ゴム工業株式会社 ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2010111785A (ja) * 2008-11-06 2010-05-20 Toyo Tire & Rubber Co Ltd タイヤ用ゴム組成物及びランフラットタイヤ
JP2010241368A (ja) * 2009-04-09 2010-10-28 Toyo Tire & Rubber Co Ltd ベルト下ゴム部材用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5301338B2 (ja) * 2009-04-09 2013-09-25 東洋ゴム工業株式会社 重荷重用タイヤトレッドゴム組成物及び重荷重用空気入りタイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010242021A (ja) 2010-10-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5461050B2 (ja) タイヤビードフィラー用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5662977B2 (ja) ランフラットタイヤのサイドウォール補強層用ゴム組成物およびランフラットタイヤ
JP5270395B2 (ja) スチールコード被覆用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5416190B2 (ja) ビードエイペックス用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP6068987B2 (ja) キャンバスチェーファー用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5850201B2 (ja) 重荷重空気入りタイヤ
JP2010248282A (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2010111785A (ja) タイヤ用ゴム組成物及びランフラットタイヤ
JP2009035683A (ja) タイヤ用ゴム組成物
JP2015129239A (ja) 空気入りタイヤ
JP2009046547A (ja) タイヤ用ゴム組成物
JP5335252B2 (ja) スチールコード接着用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2010241368A (ja) ベルト下ゴム部材用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2012046611A (ja) キャンバスチェーファー用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5253915B2 (ja) スチールコード被覆用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5356047B2 (ja) スチールコード被覆用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2010111776A (ja) ブレーカートッピング又はバンドトッピング用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5389479B2 (ja) 有機繊維材被覆用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2009046576A (ja) ブレーカーエッジカバリング用ゴム組成物およびそれを用いたブレーカーエッジカバリングを有するタイヤ
JP5061016B2 (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP4747054B2 (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP5313743B2 (ja) インナーライナー用ゴム組成物及びタイヤ
JP5421024B2 (ja) インナーライナー用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP7172099B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2009035674A (ja) ベーストレッド用ゴム組成物およびそれを用いたベーストレッドを有するタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111014

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130619

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130625

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130806

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140107

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140115

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5461050

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees