JP2010036912A - 合成樹脂製角形壜体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 角部を角取りした四角筒状の胴部を有し、この胴部に連続した略四角筒台形状の肩部を介して口筒部を起立設した合成樹脂製角形壜体において、胴部の側壁を構成する平坦壁の左右中央部に減圧吸収パネルを形成し、肩部の胴部との連設部分である肩下端部の平坦壁の左右中央部に対向する位置に凹状の肩リブを陥没形成し、胴部平坦壁の上端部の左右中央部から胴部と肩部の境界に周状に形成される肩稜線を跨いで肩下端部に至る領域に縦溝リブを陥没形成し、減圧吸収パネルの上端部の横幅Wpと、肩リブの横幅Wsと、縦溝リブの横幅Wcの大小関係が、Wp>Ws>Wcと成るように構成する。
【選択図】図1
Description
この図9に示される壜体101はPET樹脂製の2軸延伸ブロー成形されたものであって、上端にテーパー角筒形状をした肩部103を介して口筒部102を起立設し、下端に底部115を連設した胴部108は、角取りした正方形状の角筒構造であり、胴部108を平坦壁109と角取りした部分であるコーナー壁110で形成している。
角部を角取りした四角筒状の胴部を有し、この胴部に連続した略四角筒台形状の肩部を介して口筒部を起立設した合成樹脂製角形壜体において、
胴部の側壁を構成する平坦壁の左右中央部に減圧吸収パネルを形成し、
肩部の胴部との連設部分である肩下端部の、胴部平坦壁の左右中央部に対向する位置に凹状の肩リブを陥没形成し、
胴部平坦壁の上端部の左右中央部から胴部と肩部の境界に周状に形成される肩稜線を跨いで肩下端部に至る領域に縦溝リブを陥没形成し、
減圧吸収パネルの上端部の横幅Wpと、肩リブの横幅Wsと、縦溝リブの横幅Wcの大小関係が、Wp>Ws>Wcと成るように構成する、
と云うものである。
また、肩稜線を跨いで陥没形成される縦溝リブは肩稜線自体の反発性を高める機能を発揮して、上記肩リブの機能と相俟って肩稜線の永久変形を伴なう陥没変形をより効果的に抑制することができる。
また、肩リブと縦溝リブの陥没変形に係る作用効果は減圧時だけでなく、外部からの押圧力に対しても強い抗力を発揮する。
縦溝リブの横幅を平坦壁の上端を形成する肩稜線部分の横幅の10〜30%の範囲とする、と云うものである。
すなわち本発明の主たる構成を有するものにあっては、肩稜線の上下に配設される肩リブと縦溝リブの弾性的な復元力、すなわち反発性を高める機能が相俟って肩稜線の永久変形を伴なう陥没状変形をより効果的に抑制することができる。
図1〜4は、本発明による壜体の第1実施例を示すものであり、図1は全体正面図、図2は平面図、図3は図1中のA−A線に沿って切断矢視した部分拡大断面図、そして図4(a)は図1中の肩稜線5近傍を部分的に拡大した正面図、(b)は肩稜線5近傍での陥没変形の態様を説明するための(a)のB−B線に沿って示す部分平断面図である。
この壜体1はPET樹脂製の薄肉な(肩下端部4の平均肉厚0.2mm)2軸延伸ブロー成形品で、全高さが150mm、容量が350mlの比較的小型の角形壜体で、角部を角取りした略四角筒状の胴部8の上端に、略四角筒錐台形状の肩部3を連設し、この肩部3の上端に、外周面に螺条およびネックリングを設けた円筒状の口筒部2を起立設した形状である。
また、縦溝リブ13の平坦な底壁が内方に向かって凸状に変形しているのが特徴的であり、減圧状態が解消されると、まずこの縦溝リブ13の底壁が元の平坦な形状に弾性回復し、さらに肩リブ6の反発力も相俟って肩下端部4全体が元の平坦な形状に弾性回復する。
この比較例の壜体では、通常の肉厚の場合には問題がないが、軽量化のために使用する樹脂量を減らして肩部や胴部の壁の薄肉化を進めていくと、減圧吸収パネル12の陥没変形の進行に伴なって、図5(a)中の×印で示すように肩稜線5の左右中央部、あるいは左右端部(図中では中央部と左端部に×印を付けている。)で屈曲状の、永久変形を伴なう深い陥没変形が発生するようになる。
図5(b)は上記のように薄肉化を進めた場合の肩稜線近傍の肩下端部4における陥没変形の態様の概要を説明するためのものであるが、一点鎖線は陥没変形のない状態、実線は左右中央部で陥没変形した状態、二点差線は左端部で陥没変形した状態を示す。
すなわち、第1実施例の壜体の場合は薄肉化を進めた場合にも、縦溝リブ13の作用により肩稜線5部分の陥没変形が左右中央部に集中し、上記比較例のように肩稜線5部分の左右端部には大きな陥没変形が発生しない点、また肩リブ6と縦溝リブ13の反発力に係る機能が相俟って肩稜線5部分の左右中央部を中心とした陥没変形が屈曲状にはならず、全体として緩やかに湾曲した状態となり、陥没深さも浅く抑制される点にある。
この壜体1は第1実施例の壜体と同様にPET樹脂製の薄肉な2軸延伸ブロー成形品で、全高さが150mm、容量が280mlのさらに小型の角形壜体である。
このように280mlと云うさらに小型の壜体においても、肩稜線5の直上に配設した肩リブ6と、肩稜線5を越えて、減圧吸収パネル12の上端部の左右中央部と上記肩リブ6の下端部の左右中央部を連結するように陥没形成された縦溝リブ13により、減圧時における肩稜線5の陥没状の変形を、左右中央部を中心とした永久変形のない緩やかな湾曲状の陥没変形とすることができる。
たとえば、肩リブの横幅Wsや縦溝リブの横幅WcはWp>Ws>Wcと云う要件や、Wcを肩稜線部分の横幅Weの10〜30%の範囲とすると云う要件を満たす範囲で、壜体の形状や壁の肉厚や減圧の程度等を考慮して、各リブの陥没深さや陥没形状と共に適宜に選択することができる。
また、縦溝リブの作用効果は基本的には肩稜線を跨いで形成されることで発揮されるので、必ずしも、上記の両実施例のように縦溝リブを、減圧吸収パネルの上端部の左右中央部と肩リブの下端部の左右中央部を連結する構成とする必要はない。
2 ;口筒部
3 ;肩部
3s;周段部
4 ;肩下端部
5 ;肩稜線
6 ;肩リブ
6b;底壁
6s;側壁
8 ;胴部
9 ;平坦壁
10;コーナー壁
11;段部
12;減圧吸収パネル
13;縦溝リブ
14;周溝
15;底部
101;壜体
102;口筒部
103;肩部
105;肩稜線
108;胴部
109;平坦壁
110;コーナー壁
112;減圧吸収パネル
115;底部
Wp;(減圧吸収パネルの上端部の)横幅
Ws;(肩リブの)横幅
Wc;(縦溝リブの)横幅
We;(肩稜線部分の)横幅
Claims (3)
- 角部を角取りした四角筒状の胴部(8)を有し、該胴部(8)に連続した略四角筒台形状の肩部(3)を介して口筒部(2)を起立設した壜体であり、前記胴部(8)の側壁を構成する平坦壁(9)の左右中央部に減圧吸収パネル(12)を形成し、前記肩部(3)の胴部(8)との連設部分である肩下端部(4)の前記平坦壁(9)の左右中央部に対向する位置に凹状の肩リブ(6)を陥没形成し、前記平坦壁(9)の上端部の左右中央部から胴部(8)と肩部(3)の境界に周状に形成される肩稜線(5)を跨いで前記肩下端部(4)に至る領域に縦溝リブ(13)を陥没形成し、前記減圧吸収パネル(12)の上端部の横幅(Wp)と、肩リブ(6)の横幅(Ws)と、縦溝リブ(13)の横幅(Wc)の大小関係が、Wp>Ws>Wcと成るように構成した合成樹脂製角形壜体。
- 縦溝リブ(13)を、減圧吸収パネル(12)の上端部の左右中央部と肩リブ(6)の下端部の左右中央部を連結する構成とした請求項1記載の合成樹脂製角形壜体。
- 縦溝リブ(13)の横幅(Wc)を平坦壁(9)の上端を形成する肩稜線(5)部分の横幅(We)の10〜30%の範囲とした請求項1または2記載の合成樹脂製角形壜体。
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