JP2010036712A - 車両用ファン装置 - Google Patents

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紀彦 友澤
Yuto Watanabe
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Abstract

【課題】ブレードの取付角度を変更できる車両用ファン装置において、構造の簡略化を図ること。
【解決手段】ブレード6の取付角度を変更するブレード取付角度変更機構7は、ブレード6の取付角度を、送風を形成する角度である送風時角度から、走行風を受けたときの抵抗が送風時角度のときよりも小さくなる角度である初期角度に向けて付勢する付勢手段を備え、かつ、ファン回転軸4の回転時に生じる力で、付勢手段の付勢力に抗して、ブレード6の取付角度を、初期角度から送風時角度に変更するようにしたことを特徴とする車両用ファン装置とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車のラジエータやコンデンサなどの熱交換器に送風を行うのに用いるのに適した車両用ファン装置に関する。
従来、車両用ファン装置において、走行状況に応じ、車両用ファン装置の送風が必要のない状況では、送風を停止するようにしたものが知られている。
さらに、車両用ファン装置の送風停止時に、ブレードの取付角度が送風時の角度のままであると、走行風の抵抗となるため、この抵抗を抑えるようにブレードの取付角度を変更するようにしたものが、例えば、特許文献1などにより知られている。
特開2005−291025号公報
しかしながら、従来の車両用ファン装置にあっては、ブレードの取付角度の変更に、ブレードを回転させるファンモータとは別個のモータを用いるようにしていた。
このように、ブレードの取付角度の変更には、専用の駆動手段と、駆動手段の駆動力を各ブレードに伝達する伝達機構が必要であり、部品点数が多くなり、コスト、重量、作動音、組付作業の手間の増加を招いていた。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、ブレードの取付角度を変更できる車両用ファン装置において、構造の簡略化を図ることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、ブレードの取付角度を変更するブレード取付角度変更機構が、ブレードの取付角度を、送風を形成する角度である送風時角度から、走行風を受けたときの抵抗が送風時角度のときよりも小さくなる角度である初期角度に向けて付勢する付勢手段を備え、かつ、ファン回転軸の回転時に生じる力で、付勢手段の付勢力に抗して、ブレードの取付角度を、初期角度から送風時角度に変更するようにしたことを特徴とする車両用ファン装置とした。
本発明では、ファン回転軸の非回転時には、ブレード取付角度変更機構の付勢手段の付勢力で、ブレードの取付角度が初期角度に配置される。
したがって、高速走行時などにおいて、ファン回転軸の回転を停止させた際には、ブレードの取付角度が、送風時角度よりも送風抵抗が小さくなる初期角度に変更され、送風角度のままの状態よりも送風抵抗を低く抑えることができる。
一方、ファン回転軸を駆動装置により回転させたときには、このファン回転軸の回転時に生じる力で、付勢手段の付勢力に抗してブレードの取付角度が、送風時角度に変更される。
したがって、ブレードが回転することで、送風を形成することができる。
このように、ブレードの取付角度を、送風時角度に変更するのは、ファン回転軸を回転させるときに生じる力により行うようにした。このため、ブレードの取付角度の変更用のアクチュエータやその駆動力をブレードに伝達する機構を設けたものと比較して、部品点数を抑えることが可能となり、コスト低減、重量軽減、騒音低減、取付手間の削減などを図ることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本実施の形態の車両用ファン装置は、車両の走行風を受ける位置に配置された車両用ファン装置であって、駆動装置(3)により回転されるファン回転軸(4)と、このファン回転軸(4)に連結され、回転時に送風を形成するブレード(6)と、このブレード(6)の取付角度を変更するブレード取付角度変更機構(7)と、を備え、前記ブレード取付角度変更機構(7)は、前記ブレード(6)の取付角度を、前記ブレード(6)が送風を形成する角度である送風時角度から、前記走行風を受けたときの抵抗が前記送風時角度のときよりも小さくなる角度である初期角度に向けて付勢する付勢手段(74)を備え、かつ、前記ファン回転軸(4)の回転時に生じる力で、前記付勢手段(74)の付勢力に抗して、前記ブレード(6)の取付角度を、前記初期角度から前記送風時角度に変更するようにしたことを特徴とする車両用ファン装置である。
図1〜図5に基づき、この発明の最良の実施の形態の実施例1の車両用ファン装置Aについて説明する。
この実施例1の車両用ファン装置Aは、図1に示すように、車両前部のエンジンルームEGRにおいて、ラジエータ1やコンデンサ2の車両後方であって、矢印Wで示す車両前方から後方へ向かう走行風を受ける位置に搭載されている。また、この車両用ファン装置Aの駆動時には、走行風と同様に矢印Wで示す車両後方向きの送風を形成してラジエータ1やコンデンサ2などを冷却する。なお、図において矢印FRが車両前方を示し、矢印RSが車両右方向を示している。
車両用ファン装置Aは、図示のように、ファンモータ3、ファン回転軸4、ファンボス5、ブレード6、ブレード取付角度変更機構7を備えている。
なお、本実施例1の車両用ファン装置Aは、図2に示すように、車両左右方向に2個並設されている。
ファンモータ3は、ラジエータ1およびコンデンサ2の車両後方に設けられたシュラウド8に、その軸心のファン回転軸4を車両前後方向に向けて支持されている。このファンモータ3は、図1に示すように、コントローラ9により駆動および駆動停止を切り換えられる。
コントローラ9は、エンジン冷却水温センサ91、車速センサ92、エアコンスイッチ93からの信号に基づいて、ファンモータ3の駆動を制御する。この制御において、設定速度以上の高速走行時であって、エンジン冷却水温度が設定温度未満の場合には、ファンモータ3の駆動を停止させる。
ファン回転軸4は、ファンモータ3により車両前方から視て反時計回り方向に回転されるもので、その先端部には、ブレード6の基端部を支持するファンボス5が設けられている。
このファンボス5は、内側の第1ファンボス51と外側の第2ファンボス52とで二重構造に形成されている。
第1ファンボス51は、その内周部がファン回転軸4に固定されてファン回転軸4と一体に回転するもので、外周部に円筒部51aを備えている。
第2ファンボス52は、第1ファンボス51の円筒部51aの外周を覆う円筒部52aを備え、その内周部が、ファン回転軸4の外周に、周方向に回動可能であるとともに、軸方向にスライド可能に、緩く装着されている。
ファンボス5とブレード6との間には、ファン回転軸4に対するブレード6の取付角度を、図4(b)に示すようにファン回転軸4の軸方向に平行な初期角度と、図5(b)に示すようにファン回転軸4の軸方向に傾斜して車両後方に向かう送風を形成する送風時角度と、に変更させるブレード取付角度変更機構7が設けられている。
このブレード取付角度変更機構7は、前述のファンボス5を構成する第1ファンボス51および第2ファンボス52、第1結合ピン71、第2結合ピン72、スライドガイド溝73、リターンスプリング(付勢手段)74を備えている。
第1結合ピン71は、ブレード6の基端部の風上側の第1端部61から内径方向に突出され、第1ファンボス51の円筒部51aに、相対的に回動可能であるとともに、抜け止め状態で結合されている。
第2結合ピン72は、ブレード6の基端部の風下側の第2端部62から内径方向に突出され、第2ファンボス52の円筒部52aに、相対的に回動可能であるとともに、抜け止め状態で結合されている。
さらに、第1結合ピン71は、第2ファンボス52の円筒部52aに形成されたスライドガイド溝73に挿通されている。このスライドガイド溝73は、車両後方に進むに連れて周方向の車両前方から視て反時計回り方向に変位した略円弧状に形成されており、このスライドガイド溝73の車両前方側の端部は、第2結合ピン72に対して車両前方に重なる位置に配置されている。
そして、第1結合ピン71がスライドガイド溝73に挿通されて両者71,73が周方向に係合していることで、第2ファンボス52の、第1ファンボス51およびファン回転軸4に対する周方向へ回動量および軸方向へのスライド量が制限される。すなわち、ファン回転軸4の軸方向に対するスライドガイド溝73の傾斜角度をθとすると、第2ファンボス52の回動量がsinθに制限され、スライド量がcosθに制限される。
なお、このような第2ファンボス52の所定以上の相対回動および相対スライドを制限する構造を、第1ファンボス51との間、あるいはファン回転軸4との間に別途設けてもよい。
リターンスプリング74は、第2ファンボス52を第1ファンボス51に対して、車両前方から視て反時計回り方向に回動付勢している。
すなわち、図3に示すように、ファンボス5の内側では、第1ファンボス51から突設された第1支持フランジ51fと、第2ファンボス52から突設された第2支持フランジ52fとが、周方向に対向して設けられている。そして、リターンスプリング74は、両支持フランジ51f,52fの間で、両者51f,52fが離反する方向、すなわち、車両前方から視て、第2ファンボス52が、第1ファンボス51に対して反時計回り方向に回動する方向に付勢している。
したがって、ブレード取付角度変更機構7にあっては、ファン回転軸4の非回転時には、リターンスプリング74が、第2ファンボス52を回動付勢し、このとき、第1結合ピン71は、図4(b)に示すように、スライドガイド溝73において車両前方側の端部に配置される。よって、第1結合ピン71と第2結合ピン72とが、ファン回転軸4の軸方向に重なって配置され、ブレード6のファンボス5に対する取付角度は、ブレード6がファン回転軸4の軸方向に沿って延在された初期角度に設定される。
一方、図5(b)に示すように、第2ファンボス52が、リターンスプリング74の付勢力に抗して、時計回り方向に回動されたときには、スライドガイド溝73の縁部が、第1結合ピン71を周方向に押し、その分力で、第1結合ピン71が車両後方に押される。これにより、第1結合ピン71が、スライドガイド溝73の車両後方側の端部に移動すると、ブレード6の取付角度は、図示のようにファン回転軸4の軸方向に対して傾いた送風時角度に変位する。この場合、ブレード6がファン回転軸4と一体的に回転したときには、車両後方向きの送風を形成する。
次に、実施例1の作用を説明する。
(ファンモータ停止時)
駐車時など、エンジンEngが非駆動状態で、エンジン冷却水が低温である場合、ファンモータ3は、停止されている。
この場合、ブレード取付角度変更機構7は、図4に示すように、ブレード6の取付角度を初期角度に配置している。すなわち、この場合、リターンスプリング74が、第2ファンボス52を回動付勢して、第1ファンボス51に対して車両前方から視て反時計回り方向に回動した位置に配置する。これにより、第1結合ピン71が、スライドガイド溝73の車両前方側の端部に配置され、ブレード6は、初期角度に配置される。
(ファンモータ駆動時)
車両走行時には、コントローラ9は、エンジン冷却水温センサ91、車速センサ92、エアコンスイッチ93からの読み込みに基づいて、車両用ファン装置Aにより送風を形成する必要がある場合には、ファンモータ3を駆動させる。なお、送風を形成する必要がある場合とは、例えば、低速走行時で、エンジン冷却水温が設定温度以上で、図外のコンプレッサ駆動時などである。
ファンモータ3を駆動させ、ファン回転軸4を、図5に示すように、車両前方から視て反時計回り方向に回転させたときには、第1ファンボス51が、ファン回転軸4と一体的に回転するのに対し、第2ファンボス52には、慣性力が作用する。この場合、第2ファンボス52は、第1ファンボス51に対し回転遅れ方向に位相がずれて回転し、リターンスプリング74の付勢力に抗して、車両前方から視て、時計回り方向に相対回動する。
この第2ファンボス52の回動により、ファンボス5の全周に設けられている各ブレード6では、第1結合ピン71が、図5(b)に示すように、スライドガイド溝73の車両後方側の端部へ移動し、全てのブレード6の取付角度が送風時角度に変更される。
よって、ブレード6の回転に伴って、車両後方へ向かう送風が形成され、ラジエータ1およびコンデンサ2が冷却される。
なお、上述のように第2ファンボス52が第1ファンボス51に対して回動し、スライドガイド溝73を第1結合ピン71が相対スライドした場合、両ボス51,52の間に軸方向の分力が発生し、第2ファンボス52は、第1ファンボス51およびファン回転軸4に対して、車両前方にスライドする。
(高速走行時)
設定速度を超えた高速走行時には、エンジン冷却水温度が設定温度以下の場合には、コントローラ9は、ファンモータ3の駆動を停止させる。
このファンモータ3の停止時には、ファン回転軸4の回転力が弱まると、第2ファンボス52は、作用する慣性力が弱まることから、リターンスプリング74の付勢力により反時計回り方向へ回動する。これにより、各ブレード6では、第1結合ピン71が、スライドガイド溝73の車両前方側の端部に戻り、全てのブレード6の取付角度が、初期角度に変更される。なお、この場合、第2ファンボス52は、第1ファンボス51に対して、反時計回り方向に回動するとともに、車両後方にスライドされる。
したがって、車両の走行に伴って、エンジンルームEGR内に、車両前方から車両後方に向かう走行風が形成された場合に、ブレード6は、走行風に沿って配置され、取付角度が送風時角度である場合と比較して、空気抵抗を抑えることができる。
以上説明したように、本実施例1の車両用ファン装置Aでは、以下に列挙する効果を得ることができる。
a)ファンモータ3の非回転時には、ブレード6の取付角度が、ファン回転軸4に軸方向に沿った初期角度に変更される。したがって、ブレード6が、送風を形成する送風時角度である場合と比較して、走行風に対する抵抗が軽減される。
b)ブレード6の取付角度を送風時角度と初期角度とに変更するブレード取付角度変更機構7は、リターンスプリング74の付勢力で初期角度に付勢し、一方、ファンモータ3の回転に伴って発生する第2ファンボス52の慣性力で、自動的に送風時角度に変更するようにした。
したがって、モータなどのアクチュエータを用いてブレード6の取付角度を変更させるものと比較して、アクチュエータおよび駆動力の伝達機構が不要となり、構成を簡略化でき、コスト低減、重量軽減、動作音低減、取付手間の削減を図ることができる。
c)ブレード取付角度変更機構7は、第2ファンボス52が第1ファンボス51に対して、相対的に回動することにより、全てのブレード6の取付角度が、初期角度と送風時角度とに変更されるようにした。
したがって、各ブレード6に対して、効率良く付勢力や慣性力を伝達することができ、各ブレード6の取付角度を、効率良く同期させて変更させることができる。
d)付勢手段としてコイルスプリング製のリターンスプリング74を、支持フランジ51f,52fの間に介在させた構成としたため、構造を単純にできる。
e)ファン回転軸4の回転時に生じる力を、第2ファンボス52に作用する慣性力としたため、構造を簡略化でき、いっそう、コスト低減、重量軽減、騒音低減、取付手間の削減などを図ることが可能となる。
加えて、ファン回転軸4の回転停止時には、第2ファンボス52に生じる慣性力が、リターンスプリング74による付勢力の作用方向に作用することから、第2ファンボス52を付勢力の作用方向に回動させるのがスムーズに行われる。
f)第2ファンボス52に生じる慣性力を、各ブレード6の第1結合ピン71に伝達させる手段として、スライドガイド溝73を用いたため、リンク機構などを介して第1結合ピン71に慣性力を伝達するものと比較して、構成が単純であるとともに、製造が容易であり、コスト、重量、製造手間の点で有利である。
g)ブレード6の取付角度を変更する際に、第1結合ピン71が軸方向に変位するのを吸収するのに、第2ファンボス52を、第1ファンボス51およびファン回転軸4に対してスライドさせるようにした。この第2ファンボス52は、元々、第1ファンボス51およびファン回転軸4に対して回動可能とするべく、ファン回転軸4に対して、緩く装着させているため、スライドを許容するようにするのも容易であり、構造の簡略化を図ることができる。
(他の実施例)
以下に、他の実施例について説明するが、これら他の実施例は、実施例1の変形例であるため、その相違点についてのみ説明し、実施例1あるいは他の実施例と共通する構成については共通する符号を付けることで説明を省略する。
図6に基づいて実施例2の車両用ファン装置Bについて説明する。
この実施例2では、ブレード取付角度変更機構207のリターンスプリング274の設置位置が、実施例1と異なる。
すなわち、実施例2では、リターンスプリング274は、第1ファンボス51と第2ファンボス52との間に設けられており、第2ファンボス52を、第1ファンボス51に対して車両後方へスライド付勢している。
したがって、ファン回転軸4の回転停止状態では、第2ファンボス52は、図6(a)に示すように、リターンスプリング274により車両後方へスライドされる。この場合、実施例1と同様に、第1結合ピン71と第2結合ピン72との車両前後方向の間隔が拡がり、第1結合ピン71は、スライドガイド溝73の車両前方の端部に配置される。したがって、ブレード6の取付角度は、図4(b)に示す初期角度となる。
一方、ファン回転軸4を車両前方から視て反時計回り方向に回転させたときには、第2ファンボス52に慣性力が作用して、第1ファンボス51に対して、時計回り方向に相対的に回動する。
さらに、第1結合ピン71とスライドガイド溝73とが相対移動することで、第2ファンボス52は、車両前方にスライドして、両結合ピン71,72の軸方向の間隔が狭まり、ブレード6の取付角度が、図5(b)に示す送風時角度に変更される。
なお、他の作用効果については、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、図7に基づいて、実施例3の車両用ファン装置について説明する。
図7は、実施例3の要部を示すもので、実施例3は、ファンモータ303の構造が実施例1のものと異なっている。
ファンモータ303は、実施例1で用いたファンボス5の内径方向に設置されており、図7に示すステータ310とロータ320とを備えている。
ステータ310は、本実施例3では、非磁性体製の仕切板313を挟んで、軸方向に第1ステータ部311と第2ステータ部312とを備えている。
各ステータ部311,312は、周方向に複数の電磁石311a,312aを備えており、第1ステータ部311と第2ステータ部312とでは、電磁石311a,312aが、周方向に位相をずらして配置されている。この位相のずらし量θaは、ブレード6の取付角度を、初期角度と送風時角度とに変更するのに必要な第2ファンボス52の回動量に一致する角度に設定されている。
ロータ320は、第1ステータ部311の外周に微小な間隔を空けて配置される第1ロータ321と、第2ステータ部312の外周に微小な間隔を空けて配置される第2ロータ322と、を備えている。
これら第1ロータ321および第2ロータ322は、それぞれの内周に、永久磁石321a,322aを備えている。これら永久磁石321a,322aは、周方向に間隔を空けて並べられている。
そして、これら第1ロータ321および第2ロータ322は、図示は省略するが、実施例1の第1ファンボス51と第2ファンボス52の内周に一体的に固定されている。
これら第1ロータ321と第2ロータ322とが、ブレード取付角度変更機構7の付勢手段に相当し、永久磁石321a,322aが吸引しあって軸方向に並んでいるときに、第1結合ピン71と第2結合ピン72とが、図4(b)に示すように、軸方向に並ぶように、両ファンボス51,52に対して配置されている。
次に、実施例3の作用を説明する。
(ファンモータ停止時)
ファンモータ303の停止時には、ステータ310は、非駆動状態となって、磁力を発生していない。この場合、第1ロータ321の永久磁石321aと第2ロータ322の永久磁石322aとが、吸引しあい、永久磁石321a,322aどうしがファン回転軸4の軸方向に重なって配置される。
このとき、第1ファンボス51と第2ファンボス52とは、第1結合ピン71と第2結合ピン72とが、図4(b)に示すように、軸方向に並ぶように配置されている。したがって、ブレード6は、初期角度に配置されており、走行風に対する抵抗が小さい。
(ファンモータ駆動時)
ファンモータ303の駆動時には、各ステータ部311,312の電磁石311a,312aに通電され、これにより生じる磁力と吸引し合うことで、各ロータ321,322が、各ファンボス51,52と一体的に回転する。
このとき、第1ステータ部311と第2ステータ部312とは、電磁石311a,312aに位相差が設定されていることから、両ステータ部311,312を同期駆動させたときに、第2ロータ322が固定された第2ファンボス52は、第1ファンボス51に対して、位相差の分だけ、車両前方から視て、時計回り方向に相対回動する。
したがって、ブレード6の取付角度が、初期角度から送風時角度に変更される。
よって、ブレード6の回転に伴って、車両後方へ向かう送風が形成され、ラジエータ1やコンデンサ2が冷却される。
以上説明したように、実施例3にあっても、実施例1と同様に、ファンモータ303の駆動停止時には、ブレード6の取付角度が、走行抵抗の小さい初期角度に付勢されている。一方、ファンモータ303の駆動時には、ファンモータ303のステータ310で生じる磁力によって、自動的にブレード6の取付角度が、送風を形成できる送風時角度に変更される。
このように、ブレード6の取付角度が、ファンモータ303の駆動時に発生される力により、自動的に最適に変更されるため、ブレード6の取付角度を変更させるアクチュエータやその駆動力を伝達する機構を廃止できる。
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態および実施例1〜3を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態および各実施例1〜3に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、実施例1〜3では、ファン回転軸4を回転させる駆動装置としてファンモータ3,303を示したが、これに限定されず、エンジンEngで回転させるものを用いてもよい。この場合、エンジンEngから回転を伝達する機構の途中に、回転伝達状態と非伝達状態とに切り換えるクラッチを追加する。
また、実施例1〜3では、付勢手段として、リターンスプリング74,274および永久磁石321a,322aを示したが、これに限定されない。例えば、弾性力を用いて付勢する手段としては、コイルスプリング以外の板ばね、皿ばね、ぜんまいばねを用いることができるほか、ゴムや樹脂などの弾性体を用いたり、流体ばねなどを用いたりすることもできる。
また、付勢手段として、実施例1では、第2ファンボス52を回動付勢するリターンスプリング74を示し、実施例2では、第2ファンボス52をスライド付勢するリターンスプリング274を示したが、これらリターンスプリング74,274を並設してもよい。この場合、両スプリング74,274の付勢力は、各実施例1,2で示したものよりも弱くする。
あるいは、実施例1〜3では、両結合ピン71,72の軸方向への相対変位を吸収するために、第2ファンボス52をファン回転軸4に対して軸方向にスライド可能とした例を示したが、これに限定されない。例えば、第1ファンボス51をファン回転軸4に対して、スプライン結合などを用いて、回転は伝達するが相互に軸方向にスライド可能に形成してもよい。この場合、第2ファンボス52は、第1ファンボス51およびファン回転軸4に対して回動するが、ファン回転軸4に対してスライドを規制した構造とする。また、第2実施例で示したように、スライド付勢するリターンスプリング274を設ける場合、このリターンスプリング274は、ファン回転軸4と第1ファンボス51との間に設け、第1ファンボス51を車両前方にスライド付勢する。このような構造では、ファン回転軸4を回転すると、第2ファンボス52が第1ファンボス51に対して回動するのに伴い、第1ファンボス51が、付勢力に抗してファン回転軸4に沿って車両後方にスライドする。
また、実施例1〜3では、第1ファンボス51と第2ファンボス52とを二重構造に形成した例を示したが、それぞれ、独立してブレード6の第1結合ピン71と第2結合ピン72とを支持していれば、これに限定されない。例えば、図8に示すように、第1ファンボス851と第2ファンボス852とファン回転軸4の軸方向に並設してもよい。このように、両ファンボス851,852を軸方向に並設した場合には、第2ファンボス852に第1結合ピン71を貫通させる穴が不要になるため、スライドガイド溝73を廃止してもよい。この場合、ブレード6が、初期角度および送風時角度となった時点で、第2ファンボス8512の回動を規制する構造を、第2ファンボス852とファン回転軸4との間あるいは第1ファンボス851との間に、別途設ける。なお、図8において(a)はブレード6を初期角度に配置した状態を示し、(b)はブレード6を送風時角度に配置した状態を示している。
また、実施例1〜3では、ブレード6の初期角度が、ファン回転軸4の軸方向に沿う角度とした例を示したが、送風時角度よりも走行風に対する抵抗が少ない角度であれば、これに限定されない。
本発明の最良の実施の形態の実施例1の車両用ファン装置Aの構成説明図である。 実施例1の車両用ファン装置Aを示す斜視図である。 実施例1の車両用ファン装置Aの要部を示す一部を切り欠いた状態の斜視図である。 実施例1の車両用ファン装置Aにおいてブレード6の取付角度を初期角度とした状態の説明図であり(a)は、断面図、(b)はブレード6の先端から内径方向を視た状態を示す平面図(c)はリターンスプリング74を示す説明図である。 実施例1の車両用ファン装置Aにおいてブレード6の取付角度を送風時角度とした状態の説明図であり(a)は、断面図、(b)はブレード6の先端から内径方向を視た状態を示す平面図(c)はリターンスプリング74を示す説明図である。 実施例2の車両用ファン装置Bを示す断面図であり、(a)は第2ファンボス52が付勢されてブレード6の取付角度が初期角度となった状態を示し、(b)は第2ファンボス52が付勢力に抗してスライドされてブレード6の取付角度が送風時角度となった状態を示している。 実施例3のファンモータ303を示す分解斜視図である。 本発明の他の実施例の要部を示す説明図であり、(a)はブレード6を初期角度に配置した状態を示し、(b)はブレード6を送風時角度に配置した状態を示している。
符号の説明
3 ファンモータ
4 ファン回転軸
5 ファンボス
6 ブレード
7 ブレード取付角度変更機構
51 第1ファンボス
52 第2ファンボス
74 リターンスプリング(付勢手段)
207 ブレード取付角度変更機構
274 リターンスプリング(付勢手段)
303 ファンモータ
321 第1ロータ(付勢手段)
322 第2ロータ(付勢手段)

Claims (4)

  1. 車両の走行風を受ける位置に配置された車両用ファン装置であって、
    駆動装置により回転されるファン回転軸と、
    このファン回転軸に連結され、回転時に送風を形成するブレードと、
    このブレードの取付角度を変更するブレード取付角度変更機構と、
    を備え、
    前記ブレード取付角度変更機構は、前記ブレードの取付角度を、前記ブレードが送風を形成する角度である送風時角度から、前記走行風を受けたときの抵抗が前記送風時角度のときよりも小さくなる角度である初期角度に向けて付勢する付勢手段を備え、かつ、前記ファン回転軸の回転時に生じる力で、前記付勢手段の付勢力に抗して、前記ブレードの取付角度を、前記初期角度から前記送風時角度に変更するようにしたことを特徴とする車両用ファン装置。
  2. 前記ブレード取付角度変更機構が、前記ファン回転軸と一体的に回転可能に設けられた第1ファンボスと、この第1ファンボスに対して周方向に回動可能に設けられた第2ファンボスと、前記第1ファンボスと前記ブレードの基端部の第1端部とを相対回動可能に結合する第1結合部と、前記第2ファンボスと前記ブレードの基端部の第2端部とを相対回動可能に結合する第2結合部と、を備え、前記第1ファンボスと第2ファンボスとの相対回動でブレードの取付角度を変更可能に構成されており、
    前記付勢手段が、前記第2ファンボスを前記第1ファンボスに対し、前記ブレードの取付角度を前記送風時角度から初期角度とするよう回動付勢し、一方、前記ファン回転軸の回転時に発生する力が、前記付勢手段の付勢力に抗して前記第2ファンボスを回動させるよう作用するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の車両用ファン装置。
  3. 前記付勢手段が、弾性力により前記第2ファンボスを前記第1ファンボスに対して前記初期角度を形成する方向に回動付勢する手段であり、
    前記ファン回転軸および前記第1ファンボスの回転時に前記第2ファンボスに生じる慣性力で、前記付勢力に抗して第2ファンボスを回動させることを特徴とする請求項2に記載の車両用ファン装置。
  4. 前記付勢手段が、磁力により前記第2ファンボスを前記第1ファンボスに対して前記初期角度を形成する方向に吸引する手段であり、
    前記ファン回転軸および前記第1ファンボスの回転時に、前記第2ファンボスに作用する前記駆動装置としてのファンモータに生じる電磁力で、前記付勢力に抗して前記第2ファンボスを回動させることを特徴とする請求項2に記載の車両用ファン装置。
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