JP7287383B2 - ファンクラッチの制御装置 - Google Patents

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Description

本開示はファンクラッチの制御装置に係り、特に、車両のエンジンの回転駆動力をファンに選択的に伝達する断接制御可能なファンクラッチの制御装置に関する。
車両のエンジンの回転駆動力をファンに選択的に伝達するファンクラッチが公知である。一般的なファンクラッチは、純粋に機械的な粘性流体継手により形成され、バイメタルによりバルブを機械的に開閉することで流体の経路を切り替え、断状態と接状態に切り替え可能である。バイメタルは、ラジエータ通過後の空気の温度に感応して変形し、バルブを開閉する。
一方、これとは別に、バイメタルの代わりに電磁アクチュエータを用いてバルブの開閉を行う電子制御式ファンクラッチも公知である。このファンクラッチは、電磁アクチュエータを制御してバルブを電気的に開閉することにより、断状態と接状態に切り替え可能である。
特開2015-105598号公報
ところで、車両の停止中にエンジンを停止するアイドリングストップ可能な車両も知られている。この車両において、エンジンの高負荷運転状態からアイドリングストップ状態に移行したとき、アイドリングストップ中にファンによる送風が停止され、排気系部品の温度が上昇して熱害が発生する虞がある。
そこで本開示は、かかる事情に鑑みて創案され、その目的は、アイドリングストップ中の熱害を抑制することができるファンクラッチの制御装置を提供することにある。
本開示の一の態様によれば、
車両のエンジンの回転駆動力をファンに選択的に伝達する断接制御可能なファンクラッチの制御装置であって、
アイドリングストップの実行が予想される所定の予想条件が成立したとき、前記ファンクラッチを断状態に制御するように構成された制御ユニットを備える
ことを特徴とするファンクラッチの制御装置が提供される。
好ましくは、前記制御ユニットは、車速が所定のしきい値より高く、前記ファンクラッチが接状態であり、かつ前記予想条件が成立したとき、前記ファンクラッチを断状態に制御する。
好ましくは、前記制御ユニットは、前記予想条件が成立してからアイドリングストップの実行中まで、前記ファンクラッチを断状態に維持する。
本開示によれば、アイドリングストップ中の熱害を抑制することができる。
本実施形態の構成を示す概略側面図である。 ファンクラッチを示す縦断側面図である。 第1連通孔を開閉するバルブ本体を示す概略図である。 アイドリングストップ制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。 ファンクラッチ制御の概要を説明するためのタイムチャートである。 アイドリングストップ予想条件の成立の有無を判定する判定ルーチンを示すフローチャートである。 ファンクラッチ制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して本開示の実施形態を説明する。なお本開示は以下の実施形態に限定されない点に留意されたい。
図1は、本実施形態に係る車両のエンジン(内燃機関)の冷却系を示す。本実施形態の車両(図示せず)はトラックであり、エンジン1は車両に縦置き状態で搭載されたディーゼルエンジンである。但し車両およびエンジンの種類、形式、用途等に特に限定はなく、例えば車両は乗用車であってもよいし、エンジンは天然ガスエンジンもしくはガソリンエンジンであってもよい。
便宜上、前後左右上下の各方向を図示の通り定める。これら各方向は車両の各方向と概ね一致する。また、クランクシャフトの中心(クランク中心という)を符号Cで示す。以下特に断らない限り、クランク中心Cを基準とした軸方向、半径方向および周方向を単に軸方向、半径方向および周方向というものとする。軸方向の一端側(図中左側)が前、他端側(図中右側)が後である。
エンジン1と、エンジン冷却用ファン3との間には断接制御可能なファンクラッチ(もしくはファンカップリング)4が介設されている。エンジン1の回転駆動力はクランクシャフトからファンクラッチ4に伝達され、ファンクラッチ4からファン3に選択的に伝達される。ファンクラッチ4は、後述の制御装置によって電気的に断接制御される。
本実施形態では、ファンクラッチ4の入力部である入力軸4Aが、クランクシャフト(図示せず)に直接的かつ同軸に取り付けられ、その入力軸4Aがクランクシャフトによって直接的に回転駆動される。しかしながら、ファンクラッチ4とクランクシャフトの間に別の回転体(プーリ、ギア等)を設け、この回転体を介してクランクシャフトからファンクラッチ4に駆動力を伝達してもよい。本実施形態では、ファン3とファンクラッチ4が、エンジン1の前方に、クランクシャフトと同軸に配置されている。ファン3は、ファンクラッチ4の出力部に周方向等間隔で複数設けられている。
ファン3およびファンクラッチ4の前方にはラジエータ5が配置される。ファン3はその回転時に前方の空気を吸引する。これにより前方から後方に向かう空気流Fが生成され、この空気流Fがラジエータ5を通過してエンジン冷却水を冷却すると共に、ファン後方のエンジン1を冷却する。
ラジエータ5とファン3を取り囲むシュラウド6が、ラジエータ通過後の空気流Fをファン3に効率よく案内する。
図2には、ファンクラッチ4の詳細を示す。ファンクラッチ4は基本的には粘性流体継手により構成されている。本実施形態の場合、ファンクラッチ4の中心はクランク中心Cと一致している。
ファンクラッチ4は、クランクシャフトに同軸に連結される入力部としての入力軸4Aと、入力軸4Aの前端部に嵌合固定された円盤状ロータ7と、このロータ7を収容し入力軸4Aに相対回転可能に取り付けられた出力部としてのクラッチケース8とを備える。クラッチケース8は、複数(本実施形態では二つ)のボールベアリング17を介して、入力軸4Aの周囲に同軸回転可能に取り付けられている。クラッチケース8の外周部には、放射状に延びる複数のファン3が取り付けられている。
クラッチケース8内は、隔壁9により前側の貯留室10と後側の作動室11に区分され、ロータ7は作動室11内に収容される。貯留室10にはシリコーンオイル等の粘性流体が貯留され、この粘性流体は作動室11にも流通可能である。隔壁9は円板状に形成され、クラッチケース8に固定されている。隔壁9はクランクシャフトと同軸に配置され、ロータ7に対し相対回転可能である。ロータ7と隔壁9の半径方向外側に、クラッチケース8との間の隙間18が形成される。
ロータ7の後面部と、クラッチケース8内の後面部とには、互いに隙間を隔てて噛合される歯型部12,13が形成される。これら歯型部12,13の隙間によりラビリンス14が形成される。
図3にも示すように、隔壁9には第1連通孔15が設けられ、ロータ7には第2連通孔16が設けられる。第1連通孔15は周方向に等間隔で二つ設けられる。第2連通孔16も同様である。第1連通孔15と第2連通孔16は半径方向のほぼ同位置に設けられる。第1連通孔15は第2連通孔16より小サイズとされる。本実施形態の第1連通孔15は四角形とされる。
二つの第1連通孔15を同時に開閉するバルブ本体19が、隔壁9の前面部に対し摺動可能に設けられる。バルブ本体19は、クランク中心Cを基準とした直径方向に延びる板状の部材により形成され、二つの第1連通孔15を同時に開閉可能である。
バルブ本体19の中心部にはバルブ軸20が固定され、バルブ軸20はクラッチケース8に回転可能に支持される。バルブ本体19およびバルブ軸20はクランク中心Cと同軸に配置される。これによりバルブ本体19は隔壁9に対し、クランク中心C回りに摺動回転し、二つの第1連通孔15を同時に開閉する。バルブ本体19とバルブ軸20と二つの第1連通孔15によりクラッチバルブ21が形成される。
図示しないが、クラッチバルブ21には、バルブ本体19を、第1連通孔15を開く方向、すなわちクラッチバルブ21の開弁方向に付勢するクラッチスプリングが設けられる。すなわちクラッチバルブ21はノーマルオープン式である。
バルブ軸20は、クラッチバルブ21を作動させる電磁アクチュエータの出力軸としても機能する。本実施形態の場合、電磁アクチュエータはサーボモータもしくは回転式電磁ソレノイドからなるモータ22である。モータ22は、バルブ軸20に同軸に設けられたロータ(回転子)23と、クラッチケース8に固定されたステータ(固定子)24とを有する。ステータ24には図示しないスリップリングを介して電力が選択的に供給される。
ファンクラッチ4を接状態すなわちオンにするときには、モータ22への給電が停止される。すると、図3に仮想線で示すように、バルブ本体19がクラッチスプリングに付勢されて第1連通孔15を開き、クラッチバルブ21を開弁する。
すると、クランクシャフトおよびロータ7の回転時、貯留室10の粘性流体が第1連通孔15および第2連通孔16を順に通じて作動室11に導入され、ラビリンス14に導入される。このラビリンス14の粘性流体の粘性により、クラッチケース8がロータ7に引っ張られて連れ回りし、ファン3がクランク中心C回りに回転される。そしてクランクシャフトの回転駆動力がファン3に伝達される。
他方、ファンクラッチ4を断状態すなわちオフにするときには、モータ22への給電が実行される。すると、図3に実線で示すように、バルブ本体19がクラッチスプリングに逆らって回転移動し、第1連通孔15を閉じ、クラッチバルブ21を閉弁する。
すると、クランクシャフトおよびロータ7の回転時、貯留室10の粘性流体が作動室11に実質的に導入されなくなる。よってラビリンス14にも粘性流体が実質的に導入されなくなり、クラッチケース8およびファン3は、クランクシャフトからの回転駆動力を実質的に受けなくなる。こうなるとクラッチケース8およびファン3は、回転を停止するか、あるいは惰性でしか回転できないようになる。そしてクランクシャフトからファン3への回転駆動力は実質的に断たれる。
本実施形態では、ファンクラッチ4が単純に完接か完断の2段階に制御可能である。接時には第1連通孔15が完全に開かれ、ファンクラッチ4が完接状態となり、クランクシャフトからファン3への駆動力伝達率は最大となり、ファンクラッチ4のスリップ率は最小となる。ここでスリップ率とは、ファンクラッチ4の入力部の回転数をN1、出力部の回転数をN2とすると(N1-N2)/N1(%)で表される値である。断時には第1連通孔15が完全に閉じられ、ファンクラッチ4が完断状態となり、クランクシャフトからファン3への駆動力伝達率は最小となり、ファンクラッチ4のスリップ率は最大となる。
しかしながら代替的に、ファンクラッチ4が接状態のときに中間接を選べるようにしてもよい。この場合、中間接時には第1連通孔15の一部のみが開かれ、クランクシャフトからファン3への駆動力伝達率は最大と最小の中間の値となり、ファンクラッチ4のスリップ率も最大と最小の中間の値となる。中間接時に第1連通孔15の開度を可変とし、駆動力伝達率を可変としてもよい。こうした中間接も接状態に含まれる。
本実施形態ではフェールセーフを考慮し、何等かの異常でモータ22への電源供給が絶たれたオフ時に、ファンクラッチ4を接状態とし、ファン3の回転を確保してエンジンのオーバーヒートを極力防止している。しかしながら、可能であればこれは逆でもよく、モータ22のオン時にファンクラッチ4を接状態としてもよい。
図1に示すように、ファンクラッチ4を制御するための制御装置が車両に搭載されている。制御装置は、ファンクラッチ4を制御するように構成された制御ユニット、回路要素(circuitry)もしくはコントローラをなす電子制御ユニット(ECU(Electronic Control Unit)という)100を備える。ECU100はエンジンも制御するように構成されている。
また制御装置は、エンジンの回転速度(具体的には毎分当たりのエンジン回転数(rpm))を検出するための回転速度センサ41と、アクセル開度を検出するためのアクセル開度センサ42と、エンジンの水温を検出するための水温センサ43と、ブレーキのオン・オフを検出するためのブレーキスイッチ44と、車速を検出するための車速センサ45と、車両の前方の景色を撮影するカメラ46と、車両の現在位置を検出し表示するカーナビゲーション装置47とを備える。これらはECU100に電気的に接続される。
ECU100は、図4に示す制御ルーチンに従ってアイドリングストップ制御を実行する。ここでアイドリングストップとは、車両停止中にエンジンを停止することをいう。図示するルーチンはECU100により所定の演算周期τ(例えば10msec)毎に繰り返し実行される。
まずステップS101において、ECU100は、アクセル開度センサ42より検出されたアクセル開度Acに基づき、アクセルオフか否か、すなわちアクセルペダルが解放されている状態か否かを判断する。本実施形態では便宜上、アクセル開度Acが0(%)のときにアクセルオフと判断するものとする。
アクセルオフと判断した場合、ECU100はステップS102に進み、ブレーキスイッチ44の出力に基づき、ブレーキオンか否か、すなわちブレーキペダルが踏み込まれブレーキが作動している状態か否かを判断する。本実施形態では、ブレーキスイッチ44がオンのときにブレーキオンと判断する。
ブレーキオンと判断した場合、ECU100はステップS103に進み、車速センサ45により検出された車速Vvが所定のしきい値Vvs以下か否かを判断する。本実施形態のしきい値Vvsは、停車直前の極低速の値(例えば5km/h)に設定されているが、停車時の値(0km/h)に設定されてもよい。
車速Vvがしきい値Vvs以下と判断した場合、ECU100はステップS104に進み、アイドリングストップ(IS)を実行する。すなわち、エンジンの燃料噴射を停止してエンジンを停止する。
他方、ステップS101でアクセルオンと判断した場合、またはステップS102でブレーキオフと判断した場合、またはステップS103で車速Vvがしきい値Vvsより高いと判断した場合、ECU100はステップS105に進み、アイドリングストップを解除する。
アクセルオンとはアクセルペダルが踏まれている状態をいう。本実施形態では、アクセル開度Acが0(%)より大きいときにアクセルオンと判断する。ブレーキオフとは、ブレーキペダルが解放されブレーキが作動されていない状態をいう。本実施形態では、ブレーキスイッチ44がオフのときにブレーキオフと判断する。
上記の説明で分かるように、本実施形態において、アイドリングストップは、所定のアイドリングストップ実行条件が成立したときに実行され、アイドリングストップ実行条件は、アクセルオフ、ブレーキオン、車速Vvがしきい値Vvs以下という3条件が成立したときに成立する。
次に、本実施形態のファンクラッチ制御について説明する。このファンクラッチ制御の主な特徴は、アイドリングストップの実行が予想される所定の予想条件(アイドリングストップ予想条件という)が成立したとき、ファンクラッチ4を断状態に制御する点にある。
本実施形態のファンクラッチ制御の概要を図5に基づいて説明する。なお、図5(D)、(G)の破線は、本実施形態と異なる比較例のものなので、詳しくは後述する。各図の実線が本実施形態の各値の推移を示す。
初期状態において、車両は走行中であり、エンジンは比較的高負荷で運転されているものとする。
この状態から、図5(A)に示すように、運転手が例えば前方の赤信号を認識して車両を停止させようとし、時刻t1でアクセルペダルを戻し始め、直後の時刻t2でアクセルペダルを解放したとする。すると、アクセル開度Acは時刻t1で減少し始め、時刻t2でゼロとなる。
図5(B)に示すように、ブレーキは、時刻t2の前はオフだが、時刻t2以降はオンとされる。
図5(C)に示すように、水温Twは、所定のファン作動しきい値Tws(例えば80℃)より常に高い。よってファンクラッチの基本制御に従い、図5(D)の時刻t2より前で示すように、ファンクラッチ4はオン、すなわち接状態に制御される。基本制御では、単純に、水温Twがファン作動しきい値Tws以上のときファンクラッチ4はオン、水温Twがファン作動しきい値Tws未満のときファンクラッチ4はオフすなわち断状態とされる。
図5(E)に示すように、車速Vvは、時刻t1で減少し始め、時刻t5でゼロに達する。
図5(F)に示すように、エンジン回転数Neは、時刻t1で減少し始め、時刻t3でアイドル回転数Neiに達する。そして時刻t4で、車速Vvがアイドリングストップ判定用しきい値Vvsに達したため、アイドリングストップ制御によりエンジンが停止され、エンジン回転数Neはゼロとなる。
時刻t2より前ではファンクラッチ4がオンである。そのため図5(G)に示すように、ファン3の回転がエンジン回転に連動し、ファン回転数Nfはエンジン回転数Neに対応もしくは比例した値となる。なおNfiは、ファンクラッチ4がオンでエンジンがアイドル回転数Neiのときのファン回転数Nfの値である。
ところで、図示例では、時刻t2で、アイドリングストップの実行が予想される所定の予想条件が成立している。そのため、時刻t2で、水温Twがファン作動しきい値Twsより高いにも拘わらず、ファンクラッチ4が強制的にオフ、すなわち断状態に制御される。
すると、ファン3がエンジン1から分断され、前者の回転が後者の回転に連動しなくなる。そしてファン3は惰性で回転するようになり、時刻t2以降、ファン回転数Nfはエンジン回転数Neよりもゆっくりと低下するようになる。
すると、時刻t4のエンジン停止後も、ファン3は惰性で回転し続ける。よって、アイドリングストップの実行中にファン3による送風を実行もしくは継続することができ、ファン風(空気流F)によって後方の排気系部品を冷却できる。よって、排気系部品の温度が上昇して熱害が発生することを抑制できる。
対照的に、破線で示す比較例の場合だと、時刻t2以降もファンクラッチ4がオンのままなので、ファン回転数Nfがエンジン回転数Neに追従して同じように低下する。すると、時刻t4以降のアイドリングストップ中に、ファン回転数Nfがゼロとなり、ファン3による送風が停止され、排気系部品の温度が上昇して熱害が発生する虞がある。しかし本実施形態によれば、こうした熱害を抑制することができる。
本実施形態の場合、ファンクラッチ4は、時刻t2から、時刻t4以降のアイドリングストップ中まで、オフに維持される。よって、時刻t2における最も高いファン回転数Nfから、ファン回転数Nfを惰性で低下させることができる。よってアイドリングストップ中のより遅い時期まで、ファン3の回転を継続することができ、送風停止による熱害を一層抑制できる。
仮に時刻t2以降、ファンクラッチ4を一瞬でもオンしてしまうと、そのときにファン回転数Nfがエンジン回転数Neに追従しようとして一気に低下し、ファン3の回転の継続時間が短くなるが、本実施形態ではこれを防止できる。
図示しないが、本実施形態の場合、ファンクラッチ4は、アイドリングストップの解除と同時に基本制御に戻される。よってその時に水温Twがしきい値Tws以上であればファンクラッチ4はオンされる。
次に、本実施形態のファンクラッチ制御の詳細を説明する。
ECU100は、図6に示すような判定ルーチンに従って、アイドリングストップ予想条件が成立したか否かを判断する。ここでもECU100は、図示するルーチンを所定の演算周期τ毎に繰り返し実行する。
ステップS201において、ECU100は、カメラ46で撮影された画像のデータに基づき、前方の信号機(好ましくは自車に最も近い前方の信号機)の信号が赤または黄であるか否かを判断する。
信号が赤または黄であると判断した場合、ECU100はステップS203に進む。他方、信号が赤または黄でないと判断した場合、ECU100はステップS202に進む。
ステップS202において、ECU100は、カメラ46で撮影された画像のデータに基づき、前方の車両(好ましくは自車に最も近い前方の車両)すなわち前走車が停止しているか否かを判断する。停止していると判断した場合も、ECU100はステップS203に進む。
ステップS203において、ECU100は、アクセル開度センサ42より検出されたアクセル開度Acに基づき、アクセルオフか否かを判断する。
アクセルオフと判断した場合、ECU100はステップS204に進み、ブレーキスイッチ44の出力に基づき、ブレーキオンか否かを判断する。
ブレーキオンと判断した場合、ECU100はステップS205に進み、アイドリングストップ(IS)予想条件が成立したと判断する。
他方、ステップS202で前走車が停止していないと判断した場合、ステップS203でアクセルオンと判断した場合、またはステップS204でブレーキオフと判断した場合、ECU100はステップS206に進み、アイドリングストップ予想条件が成立してない(すなわち非成立)と判断する。
上記の説明で分かるように、本実施形態においては、信号が赤もしくは黄、または前走車が停止という第1条件と、アクセルオフという第2条件と、ブレーキオンという第3条件との3条件が成立したときに、アイドリングストップ予想条件が成立したと判断する。これにより、将来のアイドリングストップを的確に予想し、一定以上の予想確率を得ることが可能である。
アイドリングストップ予想条件が成立した場合とは、今後車両がアイドリングストップされる可能性が高いと思われる場合である。よってこの場合にファンクラッチ4を先行的にオフすることにより、高いファン回転数Nfの時点でファン3をエンジンから分断し、ファン3の惰性回転をアイドリングストップ中まで長時間継続することができる。
アイドリングストップ予想条件については、変更も可能であるが、一定以上の予想確率が得られるような最適な条件であることが好ましい。例えば、カーナビゲーション装置47から得られる道路情報および交通情報のうち少なくとも一方を加味した条件とすることも可能である。また条件の簡素化も可能であり、第1~第3条件のうち1つまたは2つを省略してもよい。第1条件のうち信号に関する条件(S201)と前走車に関する条件(S202)との一方を省略してもよい。
次にECU100は、図7に示すような制御ルーチンに従ってファンクラッチ制御を実行する。ここでもECU100は、図示するルーチンを所定の演算周期τ毎に繰り返し実行する。
まずステップS301において、ECU100は、後述するフラグがオフか否かを判断する。
オフと判断した場合、ECU100はステップS302に進み、車速センサ45により検出された車速Vvがしきい値Vvsより高いか否かを判断する。これは、アイドリングストップが実行されていないか否かを判断するのと同義である。
車速Vvがしきい値Vvsより高いと判断した場合、ECU100はステップS303に進み、ファンクラッチ4がオンすなわち接状態か否かを判断する。
ファンクラッチ4がオンと判断した場合、ECU100はステップS304に進み、アイドリングストップ(IS)予想条件が成立しているか否かを判断する。
アイドリングストップ予想条件が成立していると判断した場合、ECU100はステップS305に進み、ファンクラッチ4をオフすなわち断状態に制御する。便宜上、このファンクラッチ4のオフを強制オフという。
そしてステップS306において、ECU100はフラグをオンする。これから分かるようにフラグは、ファンクラッチ4がオンからオフに切り替えられたときにオンとなるフラグである。この後ECU100はルーチンを終了する。
他方、ステップS301でフラグがオンと判断した場合、ステップS302で車速Vvがしきい値Vvs以下と判断した場合、ステップS303でファンクラッチ4がオフと判断した場合、またはステップS304でアイドリングストップ予想条件が成立していないと判断した場合、ECU100は直ちにルーチンを終了する。
このように本実施形態では、車速Vvがしきい値Vvsより高く、ファンクラッチ4が接状態であり、かつアイドリングストップ予想条件が成立したとき、ファンクラッチ4を断状態に制御する。そのため、アイドリングストップの実行が予想される状況下において、アイドリングストップの実行前に、接状態にあるファンクラッチ4を断状態に確実に切り替えることができる。
なお上記制御ルーチンによれば、ステップS305でファンクラッチ4が強制オフされると、ステップS306でフラグがオンされ、それ以降ステップS301がノーとなってファンクラッチ4の強制オフが継続される。ファンクラッチ4はその後、ファンクラッチ4の強制オフを解除する所定の解除条件が成立したとき、強制オフを解除され、基本制御に戻される。この解除条件は、アイドリングストップ予想条件が非成立(S206)となるか、アイドリングストップが解除(S105)されたときに成立する。
以上、本開示の実施形態を詳細に述べたが、本開示の実施形態は他にも様々考えられる。
(1)ファンクラッチ4の構造は変更可能である。例えば、クラッチバルブ21を作動させる電磁アクチュエータとして、回転式のモータ22の代わりに、往復動式の電磁ソレノイドを用いてもよい。
(2)ファンクラッチ4の中心は、クランク中心Cと同軸または平行であってもよいが、なくてもよい。例えば、エンジン横置きのFF車両等でファンクラッチ中心をクランク中心Cと垂直に配置してもよい。この場合、クランクシャフトからファンクラッチ入力部までの動力伝達方向を90°変換する変換機構が設けられる。
(3)前記実施形態のファンクラッチ制御では、ファンクラッチ4を強制オフするときのエンジンの運転条件を限定していない。よってアイドリングストップ予想条件の成立時、エンジンの運転状態に拘わらずファンクラッチ4が強制オフされる。しかしながら、そうしたエンジンの運転条件を限定してもよく、例えば高負荷運転時に限定してもよい。すなわちアイドリングストップ予想条件の成立時にエンジンが高負荷運転状態であればファンクラッチ4を強制オフするようにしてもよい。こうすると、エンジンが高負荷運転状態であればアイドリングストップ中にファン3を回転させることができる一方、エンジンが高負荷運転状態でなければファンクラッチ4を強制オフしないので、アイドリングストップ中に不必要にファン3を回転させることを防止できる。
本開示の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本開示の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本開示に含まれる。従って本開示は、限定的に解釈されるべきではなく、本開示の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
1 エンジン
4 ファンクラッチ
100 電子制御ユニット(ECU)

Claims (2)

  1. 車両のエンジンの回転駆動力をファンに選択的に伝達する断接制御可能なファンクラッチの制御装置であって、
    アイドリングストップの実行が予想される所定の予想条件が成立したとき、前記ファンクラッチを断状態に制御するように構成された制御ユニットを備え
    前記制御ユニットは、車速が所定のしきい値より高く、前記ファンクラッチが接状態であり、かつ前記予想条件が成立したとき、前記ファンクラッチを断状態に制御する
    ことを特徴とするファンクラッチの制御装置。
  2. 前記制御ユニットは、前記予想条件が成立してからアイドリングストップの実行中まで、前記ファンクラッチを断状態に維持する
    請求項に記載のファンクラッチの制御装置。
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