JP2010036558A - 充填物振動装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】樹脂製の鋳物の製造に際して樹脂からなる充填物400を振動させる充填物振動装置1であって、前記充填物400が充填される収容部200を支持する基台10と、前記基台10に設けられて、前記収容部200に充填された充填物400を、前記基台10を介して振動させるモータ20,30,40と、前記モータ20,30,40の駆動を制御する制御部60と、前記充填物400の重量を検出する検出部60,80とを備え、前記制御部60は、前記充填物400の重量と振動との関係を示す予め入力された振動情報と、前記検出部60,80の検出結果とに基づいて、前記モータ20,30,40の駆動を制御して前記基台10を介して前記充填物400を振動させることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
ここで、充填物として砂や樹脂が利用される場合があるが、砂は比重が大きく、収容部に充填されていくにしたがって、底にある砂が詰まってしまい動き難くなってしまうため、収容部を介してなるべく大きく砂を振動させる必要がある。それに対して、樹脂は砂に対して比重が小さく流動性が高いので、わずかな振動を加えるだけで流動し易い。
本発明は、樹脂製の鋳物の製造に際して、鋳型を含む収容部に収容された樹脂からなる充填物を振動させる充填物振動装置であって、前記収容部を支持する基台と、前記基台に設けられて、前記収容部に収容された充填物を、前記基台を介して振動させるモータと、前記モータの駆動を制御する制御部と、前記充填物の重量を検出する検出部とを備え、前記制御部は、前記充填物の重量と振動との関係を示す予め入力された振動情報と、前記検出部の検出結果とに基づいて、前記モータの駆動を制御して前記基台を介して前記充填物を振動させることを特徴とする。
以上より、充填物として樹脂を使用した場合であっても、製造者の熟練度などに依存することなく、充填物を迅速かつ高精度に収容部に充填することができる。
これにより、楕円振動などよりも、負荷に対する影響を小さくすることができ、効果的な振動を容易に発生させることができる。また、振動がラジアル方向であるため、回転軸を回転可能に支持する軸受に過大な負担を与えることを防止することができる。
これにより、上下及び左右成分の振動を確実に発生させることができる。
これにより、効果的な振動を容易に発生させることができる。
したがって、左右方向に向けられた凹部などの奥に充填物が充填された場合に、その充填物が凹部の奥から外方に戻されてしまうことを抑制することができ、充填物を高精度に充填することができる。
以下、本発明の実施形態における充填物振動装置について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態としての充填物振動装置を示したものである。
充填物振動装置1は、樹脂製の鋳物の製造に際して樹脂からなる充填物を振動させるための装置である。
最初に、本発明に係る充填物振動装置1において利用される枠体(収容部)200について説明する。
枠体200は、矩形箱型に形成された金型201からなるものである。
金型201は、中空状に形成されている。
また、金型201の内側面には、水平方向に向けられた凹凸が形成されている。
なお、符号201a,201bは、凹凸のうちの凹部を示している。
この金型201に、樹脂からなる充填物400が充填され、さらに充填物が固められた後、離型により、凹凸に応じた鋳物が形成されるようになっている。
充填物振動装置1は、枠体200を支持する基台10と、三つのモータ20,30,40と、これら三つのモータ20,30,40を基台10に取り付けるための取付部50a,50b,50cとを備えている。また、充填物振動装置1は、モータ20,30,40を制御する演算制御部60と、演算制御部60に接続された操作部70及びロードセル(検出部)80とを備えている。
基板部11の表面側には、枠体200が載置されて固定されるようになっている。
また、基板部11と脚部12とは、不図示の弾性部材を介して連結されており、弾性部材が弾性変形することにより、脚部12に対して基板部11の振動が許容されるようになっている。
これら三つのモータ20,30,40は、互いに水平方向に配置された二つのモータ30,40(基準モータ)と、これらモータ30,40の間の中心であって、モータ30,40よりも下方に配置されたモータ20(偏位配置モータ)とからなるものである。
すなわち、三つのモータ20,30,40は、図2に示すように、充填物振動装置1を正面視して、仮想的な三角形Tの各頂点部Ta,Tb,Tc(モータ20,30,40の軸心に相当する。)に配置されている。換言すれば、モータ20の軸心Taは、モータ30,40の軸心Tb,Tcを結ぶ線T1に対して偏位した位置に配置されている。
三角形Tは、三辺のうち、水平方向に延びる一辺T1を有するものである。また、頂点部Ta,Tbを通る辺と、水平線とのなす角θ1は、20度に設定されており、同様に、頂点部Ta,Tcを通る辺と、水平線とのなす角θ2も20度に設定されている。そして、なす角θ1,θ2が20度に設定されていることから、後述するように、傾斜振動時の傾斜角度が70度(図4及び図5に示すθ3,θ4)になるように設定されている。
なお、三角形Tは、一辺T1を底辺とする二等辺三角形であり、頂角が140度に設定されている。
回転軸21,31,41は、互いに平行に配されている。さらに、回転軸21,31,41は、モータ30,40の配列方向A(一辺T1の延びる方向)に水平面上において直交する方向に向けられている。すなわち、配列方向Aは、図2に対して左右方向であり、回転軸21,31,41は、図2に対して垂直方向に延ばされている。
このような構成のもと、回転軸21,31,41を回転させると、偏心錘22,32,42が回転軸21,31,41を中心として回転することによって振動が生じ、その振動が基板部11に加えられるようになっている。
ロードセル80は、基板部11と脚部12との間に設けられている。そして、ロードセル80は、基板部11及び枠体200などの重量を検出し、検出結果を演算制御部60に出力する。
演算制御部60は、種々の情報を記憶する記憶部61を備えている。そして、演算制御部60は、操作者による操作部6の操作により入力された、枠体200に充填される充填物400の総重量、枠体200の重量、及び、基板部11の重量などを記憶部61にあらかじめ記憶する。また、演算制御部60は、図6に示すように、充填物400の重量と振動モードとが対応付けられた対応テーブルを記憶部61に記憶する。そして、演算制御部60は、操作部70から出力された操作信号が入力されると、ロードセル80の検出結果を周期的に読み出し、当該検出結果に対応する振動モードを対応テーブルから取得し、各モータ20,30,40を選択的に回転駆動するようになっている。すなわち、演算制御部60は、モータ30,40のみを選択的に回転駆動する上下振動モードと、モータ20,30のみを選択的に回転駆動する左傾斜振動モード(第一の傾斜振動モード)と、モータ20,40のみを選択的に回転駆動する右傾斜振動モード(第二の傾斜振動モード)とを切り替えるようになっている。
まず、枠体200を基板部11の表面に載置して固定する。
そして、操作部6を操作して、充填物振動装置1をオンするとともに、排出口500(図3に示す。)を介して、枠体200の中に充填物400を充填していく。
演算制御部60は、操作部6からの操作信号(オン信号)が入力されると、ロードセル80の検出結果を周期的に読み出す。
なお、ロードセル80は、枠体200、充填物400及び基板部11の合計重量を検出して、所定の間隔で周期的に検出結果を演算制御部60に出力している。
なお、ロードセル80は、枠体200に充填された充填物400の重量を検出する検出部として機能するものである。また、演算制御部60は、制御部と検出部とを兼用するものである。
すると、モータ20が停止した状態で、モータ30,40のみが、回転駆動され、回転軸31,41のみが互いに異なる回転方向に回転する。これにより、基板部11には、上下方向UDの振動が加えられ、充填物400が上下に直線的に振動する。
そのため、充填物400の全体が上下にならされて、充填物400が、枠体200内で上下に均等に充填されていく。
すると、モータ40が停止した状態で、モータ20,30のみが回転駆動され、回転軸21,31のみが互いに異なる回転方向に回転する。これにより、基板部11には、左斜め方向LD(左斜め上とその反体下の方向)の振動が加えられ、充填物400が左斜めに直線的に振動する。すなわち、この振動により、鉛直方向の上下(縦)成分だけでなく、水平方向の左右(横)成分が加えられる。
そのため、充填物400の全体が、上下及び左方向にならされて、充填物400が、凹部201aの奥にまで送り込まれていく。
すると、モータ30が停止した状態で、モータ20,40のみが回転駆動され、回転軸21,41のみが互いに異なる回転方向に回転する。これにより、基板部11には、右斜め方向RD(右斜め上とその反体下の方向)の振動が加えられ、充填物400が右斜めに直線的に振動する。この振動により、鉛直方向の上下(縦)成分だけでなく、水平方向の左右(横)成分が加えられる。
そのため、充填物400の全体が、上下及び右方向にならされて、充填物400が、凹部201bの奥にまで送り込まれていく。
そのため、左傾斜振動モード及び右傾斜振動モードにおいて、左右方向成分よりも上下方向成分の振動が大きくなるため、凹部201a,201bの奥にまで送られた充填物400が外方側に戻されてしまうことを防止することができる。
なお、演算制御部60は、これら左傾斜振動モードと右傾斜振動モードとを交互に切り替えていく。
このようにして、充填物400が、上下の凹部201a,201bの高さにあるときには、左傾斜振動モード及び右傾斜振動モードにより、充填物400が振動し、それ以外のときには、上下振動モードにより充填物400が振動する。
また、演算制御部60は、充填物400の重量が300gを超えた場合であって、総重量500gに到達するまでに、所定の時間、充填物400の重量が変化しないと判定したときには、左傾斜振動モードと右傾斜振動モードとを交互に切り替える。
すなわち、充填物400が総重量500gに到達するまでに、所定の時間、充填物400の重量が変化しないということは、充填物400が、500gに到達しない状態で、枠体200の高さまで一杯になっているということになる。
ここで、枠体200には、充填物400が500g充填されることがあらかじめ分かっているのであるから、充填物400が500gに到達しない状態で、高さ一杯になってしまうということは、凹部201a,201bの奥にまで、充填物400が送り込まれていないということが考えられる。
そこで、このような場合に、左傾斜振動モードと右傾斜振動モードとを交互に切り替えて、左右方向の振動を発生させることにより、凹部201a,201bの奥まで、充填物400を送り込むことができ、鋳物の品質を向上させることができる。
さらに、モータの回転方向を互いに異なるようにしていることから、直線振動を発生させることができ、楕円振動などに対して、負荷に対する影響が小さくなる。
そのため、基台2に支持される枠体200の形状、重量などが変わることにより負荷が変わることになっても、すべての負荷に対して迅速かつ容易に効果的な振動を発生させることができる。
また、傾斜振動時の傾斜角度が70度に設定されていることから、左右方向の振動成分よりも上下方向の振動成分の方が大きくなり、充填物400の左右方向の移動が抑えられる。したがって、凹部300a,300bなどの奥に充填物が充填された場合に、その充填物が凹部300a,300bの奥から外方に戻されてしまうことを抑制することができ、充填物400を高精度に充填することができる。
また、なす角θ1,θ2を20度とし、なす角θ3,θ4を70度としたが、これに限ることはなく、それら傾斜角度は適宜変更可能である。例えば、なす角θ1,θ2を0度超から45度未満の範囲に設定することにより、なす角θ3,θ4を45度超から90度未満の範囲に設定することができる。特に、なす角θ1,θ2を30度に設定することもできる。このとき、なす角θ3,θ4は、60度になる。
また、充填物400の重量に応じて、モータ20,30,40の回転数(周波数)を変更してもよい。例えば、演算制御部60が、重量が軽い場合には回転数を下げ、重量が重くなると、回転数を上げるようにしてもよい。これにより、充填物400を重量に応じて確実に振動させることができる。また、演算制御部60が、上下振動モードの場合に回転数を高くし、左傾斜振動モード及び右傾斜振動モードの場合に、回転数を低くするように切替制御を行ってもよい。
また、枠体200に充填された充填物400の重量に応じて、投入制御部が充填物400の投入量を制御するようにしてもよい。この場合も、充填物400の重量と投入量とを対応付けた対応テーブルなどを記憶することにより、投入量を高精度に制御することができる。
また、制御部は、モータ20,30,40を互いに反対方向に回転させるとしたが、これに限ることはなく、互いに同方向に回転させてもよい。
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
10 基台
20 モータ(基準モータ)
30 モータ(偏位配置モータ)
21,31,41 回転軸
40 モータ(水平用モータ)
60 演算制御部(演算制御部、検出部)
80 ロードセル(検出部)
200 枠体(収容部)
400 充填物
Claims (5)
- 樹脂製の鋳物の製造に際して、鋳型を含む収容部に収容された樹脂からなる充填物を振動させる充填物振動装置であって、
前記収容部を支持する基台と、
前記基台に設けられて、前記収容部に収容された充填物を、前記基台を介して振動させるモータと、
前記モータの駆動を制御する制御部と、
前記充填物の重量を検出する検出部と
を備え、
前記制御部は、
前記充填物の重量と振動との関係を示す予め入力された振動情報と、前記検出部の検出結果とに基づいて、前記モータの駆動を制御して前記基台を介して前記充填物を振動させることを特徴とする充填物振動装置。 - 前記モータは、
水平面上において互いに平行に配置された軸心を有する二つの基準モータと、
前記二つの基準モータの間において前記二つの基準モータの軸心に平行に配置され、かつ前記二つの基準モータの軸心を結ぶ線から偏位した位置に配置された軸心を有する一つの偏位配置モータとからなっていることを特徴とする請求項1に記載の充填物振動装置。 - 前記制御部は、
前記二つの基準モータを回転駆動して、前記基台を介して前記充填物を上下方向に震動させる上下振動モードと、
前記二つの基準モータの一方のモータと前記偏位配置モータとを回転駆動して、前記基台を介して前記充填物を一の傾斜方向に振動させる第一の傾斜振動モードと、
前記二つの基準モータの他方のモータと前記偏位配置モータとを回転駆動して、前記基台を介して前記充填物を他の傾斜方向に振動させる第二の傾斜振動モードとを、前記振動情報と前記検出結果とに基づいて切り替えることを特徴とする請求項2に記載の充填物振動装置。 - 前記制御部は、
前記上下振動モード、前記第一の傾斜振動モード、及び前記第二の傾斜振動モードにおいて、互いのモータを反対方向に回転駆動することを特徴とする請求項3に記載の充填物振動装置。 - 前記第一の傾斜振動モードにおいて生じる一の傾斜方向の水平線に対する傾斜角度と、前記第二の傾斜振動モードにおいて生じる他の傾斜方向の水平線に対する傾斜角度とが45度超から90度未満になるように設定されていることを特徴とする請求項4に記載の充填物振動装置。
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