JP2010035966A - 小型車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】二方向の傾斜面に対して搭乗部を略水平に制御することができる小型車両を提供する。
【解決手段】小型車両1は、少なくとも二つの平行リンク機構201、202が交差部分で相互の回転を拘束しないように連結されているフレーム部2と、フレーム部2の回転に連動可能な搭乗部3と、フレーム部2の姿勢を検出する車体姿勢検出部4と、車体姿勢検出部4の検出結果に基づいて、フレーム部2を回転駆動する駆動部5と、フレーム部2に設けられた車輪6と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、小型車両に関する。
近年、車椅子等の小型車両は、特許文献1乃至5に開示されているように、使用者の快適性を求めた構成とされている。特に、特許文献3乃至5には、比較的構成が簡易な平行リンク機構を用いて、使用者の快適性を求めた小型車両が開示されている。
特許文献3の小型車両は、枠体(フレーム部)に前後輪が左右方向に配置された平行リンク機構を介して設けられている。当該小型車両は、枠体から下方に突出するガイド部材を、平行リンク機構の縦リンクに当接させており、平行リンク機構の回転を搭乗部の姿勢変化に連動させている。
特許文献4、5の小型車両は、枠体に搭乗部が前後方向に配置された二つの平行リンク機構を介して設けられている。この平行リンク機構は、駆動部によって回転制御される構成とされている。当該小型車両は、使用者が乗降する際に、駆動部によって平行リンク機構を回転制御して、搭乗部を上昇させつつ、前方に移動させる。一方、当該小型車両は、走行する際に、駆動部によって平行リンク機構を回転制御して、搭乗部を下降させつつ、後方に移動させる。
ところで、特許文献6乃至8には、使用者の快適性を求めた小型車両ではないが、平行リンク機構を用いた技術が開示されている。
特開2000−116718号公報 特開2004−41821号公報 特開2001−299820号公報 特開2005−152049号公報 特開2002−345899号公報 特許第2954204号公報 特開2005−218830号公報 実開平5−33979号公報
特許文献3の小型車両は、使用者の荷重変動に平行リンク機構が連動してしまい、良好に搭乗部を水平に制御することは困難である。しかも、搭乗部の水平度を検出する車体姿勢検出部を備えていないので、さらに搭乗部を水平に制御することは困難である。
また、特許文献3の小型車両は、横傾斜面のみを考慮した構成である。つまり、特許文献3の小型車両は、縦傾斜面に対して搭乗部を水平に制御することは困難である。
特許文献4、5の小型車両は、傾斜面に対して搭乗部を水平に制御する構成ではない。
本発明は、二方向の傾斜面に対して搭乗部を略水平に制御することができる小型車両を提供することを目的とする。
本発明の小型車両は、少なくとも二つの平行リンク機構が交差部分で相互の回転を拘束しないように連結されているフレーム部と、前記フレーム部の回転に連動可能な搭乗部と、前記フレーム部の姿勢を検出する車体姿勢検出部と、前記車体姿勢検出部の検出結果に基づいて、前記フレーム部を回転駆動する駆動部と、前記フレーム部に設けられた車輪と、を備える。このような構成により、二方向の傾斜面に対して搭乗部を水平に制御することができる。そのため、使用者の快適性を向上させることができる。
前記フレーム部は、前後方向に配置された第1の平行リンク機構と、左右方向に配置された第2の平行リンク機構と、を備え、前記第2の平行リンク機構の横リンクにおける長手方向の略中央位置は、前記第1の平行リンク機構の後側の縦リンクに、各々の平行リンク機構の回転を拘束しないように連結されていること、が好ましい。
前記フレーム部は、さらに左右方向に配置された第3の平行リンク機構を備え、前記第3の平行リンク機構の横リンクにおける長手方向の略中央位置は、前記第1の平行リンク機構の前側の縦リンクに、各々の平行リンク機構の回転を拘束しないように連結されていること、が好ましい。このような構成により、四輪構造とすることができるので、左右方向に対して対転倒トルクが増し、より安全性を向上させることができる。しかも、走破性を向上させることができる。
前記搭乗部は、前記第1の平行リンク機構の横リンクに支持軸を介して連結され、前記支持軸は、前記第1の平行リンク機構の縦リンクと平行状態を維持するように、前記第1の平行リンク機構の横リンクに回転可能に連結されていること、が好ましい。
前記フレーム部は、前後方向に配置された第1の平行リンク機構と、同じく前後方向に配置された第2の平行リンク機構と、左右方向に配置された第3の平行リンク機構と、を備え、前記第1の平行リンク機構及び前記第2の平行リンク機構の横リンクは、前記第3の平行リンク機構の縦リンクに、各々の平行リンク機構の回転を拘束しないように連結されていること、が好ましい。このような構成により、四輪構造とすることができるので、左右方向に対して対転倒トルクが増し、より安全性を向上させることができる。しかも、走破性を向上させることができる。
前記搭乗部は、前記第3の平行リンク機構の横リンクに支持軸を介して連結され、前記支持軸は、前記第3の平行リンク機構の縦リンクと平行状態を維持するように、前記第3の平行リンク機構の横リンクに回転可能に連結されていること、が好ましい。
前記フレーム部は、第1の平行リンク機構と第2の平行リンク機構とが、前記交差部分を通り、且つ前後方向に引かれた線を中心とする線対称に配置されていること、が好ましい。このような構成により、簡易な構成で、しかも安価に走破性の良い四輪構造を実現できる。
前記搭乗部は、前記交差部分に支持軸を介して連結されていること、が好ましい。
前記車体姿勢検出部は、前記フレーム部の姿勢として前記搭乗部の前後方向及び左右方向の傾きを検出し、前記駆動部は、当該検出結果に基づいて、前記搭乗部が略水平となるように、前記フレーム部を回転駆動すること、が好ましい。
前記車体姿勢検出部は、さらに前記小型車両の加減速及び旋回時に作用する力を検出し、前記駆動部は、当該検出結果に基づいて、前記小型車両の加減速及び旋回時に作用する力の向きと逆方向に前記搭乗部が傾くように、前記フレーム部を回転駆動すること、が好ましい。
前記車輪は、前記フレーム部にダンパー等の凹凸吸収機構を介して設けられていること、が好ましい。
本発明に係る小型車両は、二方向の傾斜面に対して搭乗部を略水平に制御することができる。
以下、本発明に係る小型車両の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。但し、本発明が以下の実施形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。ちなみに、本実施形態の小型車両は、車椅子などに好適に用いられる。
<実施形態1>
本実施形態の小型車両1は、フレーム部2、搭乗部3、車体姿勢検出部4、駆動部5、車輪6を備えている。
フレーム部2は、第1の平行リンク機構201と第2の平行リンク機構202とが、交差部分で相互の回転を拘束しないように、平面視T字状に連結されている。
第1の平行リンク機構201は、前後方向に配置されている。この第1の平行リンク機構201は、四本の横リンク201a、前後の縦リンク201bを備えている。
横リンク201aは、全て等しい長さとされている。横リンク201aの両端には、図示を省略したが、縦リンク201bとの連結軸を嵌め込む嵌合穴が形成されている。二本の横リンク201aは上下に配置されており、当該二本の横リンク201aを一組として、縦リンク201bを挟み込むように、当該縦リンク201bの左右両側に配置されている。
縦リンク201bの左右両側部からは、図示を省略したが、それぞれ上下方向に等しい間隔を開けて相対峙する配置で、横リンク201aとの連結軸が左右方向に突出している。この連結軸は、横リンク201aと縦リンク201bとの回転軸として、横リンク201aの嵌合穴に軸受け等を介して嵌め込まれている。
本実施形態の前側の縦リンク201bはL字形状に形成されている。縦リンク201bの垂直片の上下端部に、横リンク201aが連結軸を介して回転可能に連結されている。縦リンク201bの水平片の先端に、車輪6として自在式のキャスターが設けられている。後側の縦リンク201bは、下側の横リンク201aより下方に突出する突出部を備えている。この突出部の前後両側部からは、図示を省略したが、それぞれ相対峙する配置で第2の平行リンク機構202との連結軸が前後方向に突出している。さらに後側の縦リンク201bの前後両側部における上下の横リンク201aの間の部分からも、図示を省略したが、それぞれ相対峙する配置で第2の平行リンク機構202との連結軸が前後方向に突出している。
第2の平行リンク機構202は、左右方向に配置されている。この第2の平行リンク機構202は、四本の横リンク202a、左右の縦リンク202bを備えている。
横リンク202aは、全て等しい長さとされている。横リンク202aの両端には、図示を省略したが、縦リンク202bとの連結軸を嵌め込む嵌合穴が形成されている。さらに横リンク202aの長手方向の略中央位置には、図示を省略したが、第1の平行リンク機構201との連結軸を嵌め込む嵌合穴が形成されている。二本の横リンク202aは上下に配置されており、当該二本の横リンク202aを一組として、縦リンク202b及び第1の平行リンク機構201の後側の縦リンク201bを挟み込むように、当該縦リンク202b及び第1の平行リンク機構201の後側の縦リンク201bの前後両側に配置されている。第1の平行リンク機構201の後側の縦リンク201bから突出する連結軸は、第1の平行リンク機構201と第2の平行リンク機構202との回転軸として、横リンク202aの略中央位置の嵌合穴に軸受け等を介して嵌め込まれている。
縦リンク202bの前後両側部からは、図示を省略したが、それぞれ上下方向に等しい間隔を開けて相対峙する配置で、横リンク202aとの連結軸が前後方向に突出している。この連結軸は、横リンク202aと縦リンク202bとの回転軸として、横リンク202aの端部の嵌合穴に軸受け等を介して嵌め込まれている。
その結果、第1の平行リンク機構201は、第2の平行リンク機構202に拘束されることなく、前後方向に回転可能な構成となる。一方、第2の平行リンク機構202は、第1の平行リンク機構201に拘束されることなく、左右方向に回転可能な構成となる。
搭乗部3は、通例の車椅子の座面に相当する。搭乗部3は、フレーム部2の回転に連動する。具体的にいうと、搭乗部3は、第1の平行リンク機構201の上下の横リンク201aに支持軸301を介して連結されている。この支持軸301の上部及び下部の左右両側部からは、図示を省略したが、第1の平行リンク機構201の上下の横リンク201aとの連結軸が左右方向に突出している。第1の平行リンク機構201の横リンク201aにおける長手方向の略中央位置には、図示を省略したが、支持軸301から突出する連結軸を嵌め込む嵌合穴が形成されている。支持軸301は、縦リンク201bを挟み込むように、当該縦リンク201bの左右に配置された横リンク201aの間に挿入されている。支持軸301から突出する連結軸は、第1の平行リンク機構201の嵌合穴に軸受け等を介して嵌め込まれている。その結果、第1の平行リンク機構201が前後方向に回転すると、支持軸301と縦リンク201bとは平行状態を維持した状態で連動する。
車体姿勢検出部4は、フレーム部2の姿勢を検出する。車体姿勢検出部4は、図2に示すように姿勢センサー401、処理部402、バッテリー403を備えている。姿勢センサー401は、ジャイロセンサー又は加速度センサー等から成る。処理部402は、演算回路402a、記憶部402bを備えている。演算回路402aは、マイクロコンピュータ(CPU)から成る。記憶部402bは、プログラムメモリやデータメモリその他のRAMやROM等から成る。バッテリー403は、処理部402を駆動させる電源である。このバッテリー403は、駆動部5を駆動させる電源も兼ねている。
本実施形態の姿勢センサー401は、フレーム部2に設けられた搭乗部3の前後方向及び左右方向の傾斜を検出(感知)し、その検出信号を演算回路402aに出力する。演算回路402aは、記憶部402bに格納されているプログラムを呼び出して、搭乗部3の水平度を算出し、その算出結果を示す信号を駆動部5に出力する。
ちなみに、図示例の車体姿勢検出部4は、搭乗部3と支持軸301との間に配置されているが、当該支持軸301と連動する第1の平行リンク機構201の縦リンク201bに設けても良い。要するに、車体姿勢検出部4は、フレーム部2、しいては搭乗部3の水平度を検出できる位置に設けられていれば良い。
駆動部5は、車体姿勢検出部4の算出結果を示す信号に基づいて、搭乗部3が略水平となるように、平行リンク機構を回転駆動させる。駆動部5は、図2に示すように、第1の平行リンク機構201の駆動ユニット501a、第2の平行リンク機構202の駆動ユニット501b、駆動ユニット501aの制御回路502a、駆動ユニット501bの制御回路502bを備えている。駆動ユニット501a、501bは、一体化された減速機とモータとから成る。制御回路502a、502bは、当該算出信号を示す信号に基づいて、駆動ユニット501a、501bを制御する。
具体的にいうと、駆動ユニット501aは、第1の平行リンク機構201における下側の一方の横リンク201aと、搭乗部3の支持軸301との連結部分に配置されている。駆動ユニット501bは、第1の平行リンク機構201における後側の縦リンク201bと、第2の平行リンク機構202における上側の一方の横リンク202aとの連結部分に配置されている。
すなわち、第1の平行リンク機構201側の駆動ユニット501aは、搭乗部3の支持軸301の下端に設けられており、出力軸を左右方向に突出させている。当該出力軸は、第1の平行リンク機構201の下側の横リンク201aに連結されている。
第2の平行リンク機構202側の駆動ユニット501bは、第1の平行リンク機構201の後側の縦リンク201bにおける第2の平行リンク機構202との連結部分に設けられており、出力軸を前後方向に突出させている。当該出力軸は、第2の平行リンク機構202の上側の横リンク202aに連結されている。
このような駆動部5は、制御回路502a、502bが、車体姿勢検出部4から入力された当該算出結果を示す信号に基づいて、搭乗部3が略水平となるように、駆動ユニット501a、501bを制御して、平行リンク機構201、202を回転駆動させる。
車輪6は、前輪601、後輪602を備えている。前輪601は、上述したように自在式のキャスターであって、第1の平行リンク機構201の前側の縦リンク201bの下端に設けられている。後輪602は、第2の平行リンク機構202の左右の縦リンク202bの下端に回転可能に設けられている。ちなみに、本実施形態の後輪602は、モータ603によって駆動力が与えられる構成とされている。左右のモータ603は、例えば小型車両1を操縦するレバーからの操縦信号に基づいて制御され、左右輪の回転数を変えることによって当該小型車両1を旋回させる。但し、後輪602は、人力のよって駆動する構成とされていても良い。
このような構成の小型車両1は、平坦な路面を走行する際には、駆動部5によって、第1の平行リンク機構201及び第2の平行リンク機構202が略水平、すなわち直角四角形状に維持される。
一方、小型車両1は、図3に示すように、横傾斜面に差し掛かると、車体姿勢検出部4の姿勢センサー401が搭乗部3の傾きを検出し、その検出信号を処理部402に出力する。当該検出信号が入力された処理部402は、搭乗部3の水平度を算出し、その算出結果を示す信号を駆動部5の制御回路502bに出力する。当該算出結果を示す信号が入力された制御回路502bは、搭乗部3が略水平となるように駆動ユニット501bを制御し、第2の平行リンク機構202を回転駆動させる。
また、小型車両1は、図4に示すように、縦傾斜面に差し掛かると、車体姿勢検出部4の姿勢センサー401が搭乗部3の傾きを検出し、その検出信号を処理部402に出力する。当該検出信号が入力された処理部402は、搭乗部3の水平度を算出し、その算出結果を示す信号を駆動部5の制御回路502aに出力する。当該算出結果を示す信号が入力された制御回路502aは、搭乗部3が略水平となるように駆動ユニット501aを制御し、第1の平行リンク機構201を回転駆動させる。
以上のように、小型車両1は、二つの平行リンク機構を交差部分で相互の回転を拘束しないように連結した構成であるので、二方向の傾斜面に対して搭乗部3を水平に制御することができる。そのため、使用者の快適性を向上させることができる。
しかも、傾斜面に対して車体全体でバランスをとる構造である。すなわち、小型車両1が傾斜面に差し掛かった際に、搭乗部3を傾斜面の頂上側に移動させるので、傾斜面の谷側への転倒安定余裕を確保できる。
また、車体姿勢検出部4は搭乗部3の水平度を検出することができるので、直接に走行路面の傾きを検出する必要がない。
<実施形態2>
本実施形態の小型車両10は、図5に概略的に示すように、実施形態1の小型車両1と略同様の構成とされているが、四輪構造とされている。なお、実施形態1と重複する説明は省略する。
小型車両10のフレーム部20は、第1の平行リンク機構201及び第2の平行リンク機構202の加え、さらに左右方向に配置された第3の平行リンク機構203を備えている。
具体的にいうと、第1の平行リンク機構201の前側の縦リンク201bは、後側の縦リンク201bと同様に、下側の横リンク201aより下方に突出する突出部を備えている。この突出部の前後両側部からは、図示を省略したが、それぞれ相対峙する配置で第3の平行リンク機構203との連結軸が前後方向に突出している。さらに前側の縦リンク201bの前後両側部における上下の横リンク201aの間の部分からも、図示を省略したが、それぞれ相対峙する配置で第3の平行リンク機構203との連結軸が前後方向に突出している。
第3の平行リンク機構203は、四本の横リンク203a、左右の縦リンク203bを備えている。横リンク203aは、全て等しい長さとされている。横リンク203aの両端には、図示を省略したが、縦リンク203bとの連結軸を嵌め込む嵌合穴が形成されている。さらに横リンク203aの長手方向の略中央位置には、図示を省略したが、第1の平行リンク機構201との連結軸を嵌め込む嵌合穴が形成されている。二本の横リンク203aは上下に配置されており、当該二本の横リンク203aを一組として、縦リンク203b及び第1の平行リンク機構201の前側の縦リンク201bを挟み込むように、当該縦リンク203b及び第1の平行リンク機構201の前側の縦リンク201bの前後両側に配置されている。第1の平行リンク機構201の前側の縦リンク201bから突出する連結軸は、第1の平行リンク機構201と第3の平行リンク機構203との回転軸として、横リンク203aの略中央位置の嵌合穴に軸受け等を介して嵌め込まれている。
縦リンク203bの前後両側部からは、図示を省略したが、それぞれ上下方向に等しい間隔を開けて相対峙する配置で、横リンク203aとの連結軸が前後方向に突出している。この連結軸は、横リンク203aと縦リンク203bとの回転軸として、横リンク203aの嵌合穴に軸受け等を介して嵌め込まれている。そして、左右の縦リンク203bそれぞれの下端には、前輪611が回転可能に設けられている。ちなみに、本実施形態の前輪611は、後輪602と同様に、モータによって駆動力が与えられる構成とされている。左右のモータは、例えば小型車両1を操縦するレバーからの操縦信号に基づいて制御され、左右輪の回転数を変えることによって旋回する。但し、前輪611は、上記実施形態1と同様に、自在式のキャスターであっても良い。
このような構成の小型車両10は、四輪構造であるので、左右方向に対して対転倒トルクが増し、より安全性を向上させることができる。しかも、走破性を向上させることができる。
ちなみに、上記構成の小型車両10は、例えば右前輪(又は左前輪)611のみを浮かせようとすると、左後輪(又は右後輪)602が浮くような形態となる。この場合、搭乗部3を支持する支持軸301を、第1の平行リンク機構201の横リンク201aにおける長手方向の中央位置から後方にずれた位置に設けることで、左後輪(又は右後輪)602の浮き上がりを防止することができる。このように小型車両10の重心位置を工夫することによって、小型車両10は前輪の左右いずれかの一輪、又は後輪の左右いずれかの一輪のみを浮かせることができる構成とすることができ、凹凸面の走破性が向上すると共に、使用者の快適性も向上する。若しくは、図示を省略したが、上下方向に伸縮自在なダンパー等の凹凸吸収機構を介して、車輪6をフレーム部20に設けても、同様の効果を得ることができる。
さらに、上記構成の小型車両10は、例えば前輪611の左右いずれかの一輪のみを浮かせて段差を越えようとすると、第2の平行リンク機構202と第3の平行リンク機構203とて回転角度が異なる。そのため、浮かせた側とは反対側の前輪611は、左右方向に地面を蹴って、小型車両10の進行方向が若干変化する。この場合、小型車両10の進行方向は、段差を避ける方向に変化する。よって、小型車両10は、段差を良好に回避しながら、走行することができ、使用者の快適性が一層向上する。
<実施形態3>
本実施形態の小型車両11は、図6に概略的に示すように、実施形態2の小型車両10と略同様の構成とされている。そのため、上記実施形態と重複する説明は省略する。
具体的にいうと、フレーム部21は、第1の平行リンク機構221、第2の平行リンク機構222が共に前後方向に配置され、第3の平行リンク機構223は左右方向に配置された構成とされている。つまり、本実施形態のフレーム部21は、実施形態2のフレーム20を1/2rad回転させた形態とされている。そして、第1の平行リンク機構221の前側の縦リンク221b及び第2の平行リンク機構222の前側の縦リンク222bに前輪621が設けられている。第1の平行リンク機構221の後側の縦リンク221b及び第2の平行リンク機構222の後側の縦リンク222bに後輪622が設けられている。
このような構成の小型車両11も、四輪構造であるので、左右方向に対して対転倒トルクが増し、より安全性を向上させることができる。しかも、走破性を向上させることができる。
ちなみに、上記構成の小型車両11も、例えば右前輪(又は左前輪)621のみを浮かせようとすると、左後輪(又は右後輪)622が浮くような形態となる。この場合、第3の平行リンク機構223を、第1の平行リンク機構221及び第2の平行リンク機構222における長手方向の中央位置から後方にずれた位置に連結することにより、搭乗部3を後方にずらせることで、左後輪(又は右後輪)622の浮き上がりを防止することができる。このように小型車両11の重心位置を工夫することによって、小型車両11は前輪の左右いずれかの一輪、又は後輪の左右いずれかの一輪のみを浮かせることができる構成とすることができ、凹凸面の走破性が向上すると共に、使用者の快適性も向上する。若しくは、図示を省略したが、上下方向に伸縮自在なダンパー等の凹凸吸収機構を介して、車輪6をフレーム部21に設けても、同様の効果を得ることができる。
さらに、上記構成の小型車両11は、当該小型車両11の前後バランスを、第1の平行リンク機構221の駆動ユニットと第2の平行リンク機構の駆動ユニットとでそれぞれ分割して調整することができる。
また、前輪621と後輪622とが同一の平行リンク機構に設けられているので、前輪621で段差を乗り越える際に、後輪622の駆動力を無駄なく前輪621に伝達することができ、段差をスムーズに乗り越えることができる。
<実施形態4>
本実施形態の小型車両12は、図7に示すように、二つの平行リンク機構を用いた四輪構造とされている。なお、上記実施形態と重複する説明は省略する。
具体的にいうと、フレーム部22は、第1の平行リンク機構231と第2の平行リンク機構232とが、交差部分Pを通り、且つ前後方向に引いた線Nを中心とする線対称に配置されている。すなわち、第1の平行リンク機構231と第2の平行リンク機構232とは支柱237を介して連結されている。支柱237の側部からは、第1の平行リンク機構231の回転を拘束しないように、第1の平行リンク機構231の横リンク231aとの連結軸が突出している。第1の平行リンク機構231の横リンク231aにおける長手方向の中央位置に、支柱237から突出する連結軸を嵌め込む嵌合穴が形成されている。図7では詳細な図示は省略したが、支柱237を挟み込むように、第1の平行リンク機構231の横リンク231aが配置され、支柱237から突出する連結軸が、第1の平行リンク機構231の横リンク231aの嵌合穴に軸受け等を介して嵌め込まれている。
さらに第1の平行リンク機構231が回転した際に、第2の平行リンク機構232に干渉しないように、第2の平行リンク機構232が支柱237に連結されている。本実施形態では、第1の平行リンク機構231の上下の横リンク231aの間に、第2の平行リンク機構232の下側の横リンク232aを通した形態で、第2の平行リンク機構232が支柱237に連結されている。ここでも、支柱237の側部からは、第2の平行リンク機構232の回転を拘束しないように、第2の平行リンク機構232の横リンク232aとの連結軸が突出している。第2の平行リンク機構232の横リンク232aにおける長手方向の中央位置に、支柱237から突出する連結軸を嵌め込む嵌合穴が形成されている。支柱237を挟み込むように、第2の平行リンク機構232の横リンク232aが配置され、支柱237から突出する連結軸が、第2の平行リンク機構232の横リンク232aの嵌合穴に軸受け等を介して嵌め込まれている。
当該交差部分の支柱237には、支持軸301を介して搭乗部3が連結されている。そのため、本実施形態の搭乗部3も、平行リンク機構の回転に連動する構成となる。
このような小型車両12は、二つの平行リンク機構で四輪構造を実現しているので、平行リンク機構の駆動部も二つで良い。そのため、簡易な構成で、しかも安価に走破性の良い四輪構造を実現できる。
<実施形態5>
なお、上記実施形態1〜4の小型車両は、駆動部が搭乗部3を略水平となるようにフレーム部2を回転駆動させているが、姿勢センサー401がジャイロセンサーだけでなく、加速度センサーも備えている場合は、フレーム部2の水平度だけでなく、さらに小型車両に作用する力を検出することが好ましい。この場合、姿勢センサー401は、小型車両の加減速及び旋回時に作用する力を検出し、その検出信号を処理部402に出力する。処理部402は、当該検出信号に基づいて、小型車両の加減速及び旋回時に作用する力の向き、大きさを算出し、その算出結果を示す信号を駆動部5に出力する。駆動部5は、当該算出結果を示す信号に基づいて、当該作用する力の向きと逆方向に搭乗部3が傾くように、フレーム部2を回転駆動させる。この場合、搭乗部3の角度は、予めシミュレーション等によって当該作用する力と当該搭乗部3の傾斜角度との関係を算出しておき、その算出結果に基づいて決定される。これにより、当該作用する力を打ち消すことができ、使用者の快適性をより向上させることができる。
以上、本発明に係る小型車両の実施形態を説明したが、上記の構成に限らず、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で、変更することが可能である。例えば、駆動部5の配置位置は、上記実施形態に限定されない。要するに、平行リンク機構の横リンクと縦リンクとの連結部に設けられていれば良い。また、駆動部5の駆動ユニットはモータと減速機との組み合わせに限らない。例えば、駆動部5をボールネジとモータとの組み合わせ、又は油圧シリンダなどの直動アクチュエータ等で構成し、当該駆動部5を対角線方向に隣接する横リンクと縦リンクとの連結部相互を連結するように配置しても良い。
上記実施形態の小型車両は、フレーム部を平面視T字状、H字状、X字状に構成したが、この限りでない。ロの字形状に四つの平行リンク機構を連結しても良く、連結する平行リンク機構の個数は特に限定されない。要するに、複数個の平行リンク機構が相互の回転を拘束しないように連結されていれば良い。
本発明に係る実施形態1の小型車両を概略的に示した斜視図である。 車体姿勢検出部及び駆動部を示したブロック図である。 小型車両が横傾斜面を走行する際のフレーム部の回転を概略的に示した図である。 小型車両が縦傾斜面を走行する際のフレーム部の回転を概略的に示した図である。 本発明に係る実施形態2の小型車両を概略的に示した斜視図である。 本発明に係る実施形態3の小型車両を概略的に示した斜視図である。 本発明に係る実施形態4の小型車両を概略的に示した斜視図である。
符号の説明
1、10、11、12 小型車両
2、20、21、22 フレーム部
201、221、231 第1の平行リンク機構
201a、231a 横リンク
201b。221b 縦リンク
202、222、232 第2の平行リンク機構
202a、232a 横リンク
202b、222b 縦リンク
203、223 第3の平行リンク機構
203a 横リンク
203b 縦リンク
3 搭乗部、301 支持軸
4 車体姿勢検出部
5 駆動部
6 車輪
601、611、621 前輪
602、622 後輪
P 交差部分

Claims (11)

  1. 少なくとも二つの平行リンク機構が交差部分で相互の回転を拘束しないように連結されているフレーム部と、
    前記フレーム部の回転に連動可能な搭乗部と、
    前記フレーム部の姿勢を検出する車体姿勢検出部と、
    前記車体姿勢検出部の検出結果に基づいて、前記フレーム部を回転駆動する駆動部と、
    前記フレーム部に設けられた車輪と、
    を備える小型車両。
  2. 前記フレーム部は、前後方向に配置された第1の平行リンク機構と、左右方向に配置された第2の平行リンク機構と、を備え、
    前記第2の平行リンク機構の横リンクにおける長手方向の略中央位置は、前記第1の平行リンク機構の後側の縦リンクに、各々の平行リンク機構の回転を拘束しないように連結されていることを特徴とする請求項1に記載の小型車両。
  3. 前記フレーム部は、さらに左右方向に配置された第3の平行リンク機構を備え、
    前記第3の平行リンク機構の横リンクにおける長手方向の略中央位置は、前記第1の平行リンク機構の前側の縦リンクに、各々の平行リンク機構の回転を拘束しないように連結されていることを特徴とする請求項2に記載の小型車両。
  4. 前記搭乗部は、前記第1の平行リンク機構の横リンクに支持軸を介して連結され、
    前記支持軸は、前記第1の平行リンク機構の縦リンクと平行状態を維持するように、前記第1の平行リンク機構の横リンクに回転可能に連結されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の小型車両。
  5. 前記フレーム部は、前後方向に配置された第1の平行リンク機構と、同じく前後方向に配置された第2の平行リンク機構と、左右方向に配置された第3の平行リンク機構と、を備え、
    前記第1の平行リンク機構及び前記第2の平行リンク機構の横リンクは、前記第3の平行リンク機構の縦リンクに、各々の平行リンク機構の回転を拘束しないように連結されていることを特徴とする請求項1に記載の小型車両。
  6. 前記搭乗部は、前記第3の平行リンク機構の横リンクに支持軸を介して連結され、
    前記支持軸は、前記第3の平行リンク機構の縦リンクと平行状態を維持するように、前記第3の平行リンク機構の横リンクに回転可能に連結されていることを特徴とする請求項5に記載の小型車両。
  7. 前記フレーム部は、第1の平行リンク機構と第2の平行リンク機構とが、前記交差部分を通り、且つ前後方向に引かれた線を中心とする線対称に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の小型車両。
  8. 前記搭乗部は、前記交差部分に支持軸を介して連結されていることを特徴とする請求項7に記載の小型車両。
  9. 前記車体姿勢検出部は、前記フレーム部の姿勢として前記搭乗部の前後方向及び左右方向の傾きを検出し、
    前記駆動部は、当該検出結果に基づいて、前記搭乗部が略水平となるように、前記フレーム部を回転駆動することを特徴とする請求項1に記載の小型車両。
  10. 前記車体姿勢検出部は、さらに前記小型車両の加減速及び旋回時に作用する力を検出し、
    前記駆動部は、当該検出結果に基づいて、前記小型車両の加減速及び旋回時に作用する力の向きと逆方向に前記搭乗部が傾くように、前記フレーム部を回転駆動することを特徴とする請求項9に記載の小型車両。
  11. 前記車輪は、前記フレーム部にダンパー等の凹凸吸収機構を介して設けられていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の小型車両。
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