JP2010035526A - 振掛け装置、振掛け方法および具材がトッピングされた食品の製造方法 - Google Patents

振掛け装置、振掛け方法および具材がトッピングされた食品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】付着性のある塊状のトッピング具材(具材)を分散させ振掛けることができ、さらに当該付着性のあるトッピング具材を商品の一定部分に振掛けることを防止することができる振掛け装置、振掛け方法および具材がトッピングされた食品の製造方法を提供することである。
【解決手段】モータ180、駆動ローラ160により、上部筒110全体が鉛直軸を回転軸として、水平に回転され、上部筒110のホッパー450からチーズCEが投入される。また、縦移動装置175により下部筒120が鉛直下方向に移動され、当該チーズCEが、エビグラタンSG上に誘導される。さらに、上部筒110全体が水平に回転されたときに、十字棒部材113および円錐形部材115によりチーズCEが上部筒110の内壁側に分散され、十字棒部材123および四角錐形部材125により、エビグラタンSGの略中央部にチーズCEの落下が防止される。
【選択図】図1

Description

本発明は、上方から付着性のあるトッピング具材を下方に配置されたベースとなる食品に振掛ける振掛け装置、振掛け方法および具材がトッピングされた食品の製造方法に関する。
従来、主にご飯用の粉末状、粒子状の調味料的副食物として、ふりかけが用いられている。現在においては、ふりかけとして商品化された市販品の種類も豊富になっている。また、欧米の食文化が導入されてから、ピッツア、グラタン、パスタ、ドリア等にも、ふりかけと同様に、チーズ、生野菜、ピクルス等がふりかけられている。
これらの食品を製造する食品業界においては、機械的に種々の具を振掛けるため、振掛け装置が用いられており、この振掛け装置については、種々の研究および開発が行われている。
例えば、特許文献1には、例えばピッツア製造時におけるピーマン片トッピングのように所定量の細長い具を自動的につまみ出し、食品上に盛り付けることを目的とした細長い具のふりかけ装置について開示されている。
特許文献1記載の細長い具のふりかけ装置においては、ホッパーの下部側壁に細長い具の取り出し口を設け、前記ホッパーの上部に前記具の補給手段を設け、前記ホッパー内には、前記具の上下揺動手段を設けると共に、前記取り出し口には、具のつまみ取り出し手段を対向設置したことを特徴とするものである。
また、特許文献2には、ベルトコンベア等により連続して移送されるおにぎり、その他の食物製品に対して上方から食塩その他の粉・粒子のふりかけ材料を散布する新規な散布装置に係り、その目的とするところ、散布状態を常に一定量、かつ均等に行い、食品の品質を一定に保ち、製造作業の効率化を図る食塩その他の粉・粒子のふりかけ材料の散布装置について開示されている。
特許文献2記載の食塩その他の粉・粒子のふりかけ材料の散布装置においては、支持台1に食塩その他の粉・粒子のふりかけ材料のホッパー2を起立し、該ホッパー下端面に一定隙間の放出口8をつくり、かつホッパーに対して偏心する回転盤5を形成し、前記回転盤5上に前記放出口8にふりかけ材料を送り出す掻出部9と回転盤5と同軸で掻出部9に対向する破砕羽11を設け、前記放出口8下面に下り勾配をもつ移送台10を配置し、該移送方向端下面に底に散布小孔18・・・を有する振り容器13を支持台1に軸支し、かつ駆動部16から延びる往復杆17に連結して振り子運動可能に形成し、該振り容器13内にふりかけ材料の容量を常時一定に保ちうる感知部を設けるとともに、該感知部と前記回転盤5の駆動部6を電気的に接続して成ることを特徴とするものである。
特開昭60−75269号公報 特開昭59−25652号公報
以上のように、特許文献1記載の細長い具のふりかけ装置においては、横棒11または底板10を用いて、食品上の全体に均等に具を分散させており、同様に特許文献2記載の食塩その他の粉・粒子のふりかけ材料の散布装置においては、破砕羽11を用いて、おにぎり、その他の食物製品の全体に均等に具を分散させるようにしている。
振掛けと一口にいっても、食塩やゴマのような粒がこまかくさらさらしたものやピーマンの千切りなどのように形に特徴があるものなど、振掛けるものによって異なる工夫が必要である。このような中、本発明は特にチーズのような塊状の付着性のあるトッピング具材を振掛けるのに適した装置を提供することを課題とする。
また、近年においては、顧客の潜在ニーズを引き出すため、主に商品のメイン具材の部位に振掛け物品(具材)をのせないことが望まれている。すなわち、メイン具材を顧客に視野させることにより顧客の購買意欲が惹起されるので、メイン具材を外観から認識できるようにしつつ、サブ具材(振掛ける物品)を振掛けることが望まれている。
本発明の目的は、付着性のある塊状のトッピング具材(具材)を分散させ振掛けることができ、さらに当該付着性のあるトッピング具材を商品の一定部分に振掛けることを防止することができる振掛け装置、振掛け方法および具材がトッピングされた食品の製造方法を提供することである。
(1)
本発明に係る振掛け装置は、上方からトッピング具材を下方に配置されたベースとなる食品上に振掛ける振掛け装置であって、トッピング具材を受け入れる上部筒と、上部筒の中央部の外周面に接触することにより上部筒の全体を、鉛直軸を回転軸として水平に回転させる駆動部と、を備え、上部筒の内部には、駆動部により上部筒全体が水平に回転されたときにトッピング具材を上部筒の筐体側に分散させる分散部が設けられているものである。
本発明に係る振掛け装置においては、駆動部により、上部筒全体が鉛直軸を回転軸として、水平に回転され、上部筒の上方から付着性のある塊状のトッピング具材が投入される。また、分散部により上部筒全体が水平に回転されたときに、塊状の付着性のあるトッピング具材が上部筒の筐体側に分散される。
この場合、上部筒全体が水平に回転されるので、分散部と上部筒との速度差が生じず、付着性のあるトッピング具材への傷を防止することができ、筐体側に均一に分散させることができる。すなわち、上部筒の内部(回転板またはプロペラ)のみが回転された場合、回転部と上部筒の筐体(側壁)との速度差が大きくなり、付着性のあるトッピング具材に傷をつけるが、一体回転させることにより純粋な遠心力で塊状の付着性のあるトッピング具材をほぐすことができ、ほぐされたトッピング具材の傷付きや損傷を防止することができる。
(2)
上部筒からのトッピング具材をベースとなる食品に誘導する下部筒と、下部筒を鉛直方向に移動させる移動部と、をさらに備え、移動部は、トッピング具材の落下時に、ベースとなる食品近傍に下部筒を下方移動させてもよい。
この場合、移動部により下部筒が鉛直方向に移動され、当該付着性のあるトッピング具材がベースとなる食品に誘導される。その結果、振掛ける付着性のあるトッピング具材がベースとなる食品外に散らばることを防止することができる。
(3)
上部筒の最下部、および下部筒の内部の少なくとも一方に、ベースとなる食品の略中央部において、上方からのトッピング具材の落下を防止する落下防止カバーが設けられてもよい。
この場合、落下防止カバーを設けることにより、ベースとなる食品の中央部に付着性のあるトッピング具材の落下を防止することができるので、ベースとなる食品の中央部のメイン具材(目立たせたい)部位を除いた周囲にのみ振掛ける付着性のあるトッピング具材を落下させることができる。
(4)
上部筒および下部筒の少なくとも一方は、主にステンレス鋼からなってもよい。
この場合、上部筒および下部筒の加工が容易となるので、製造コストを低減することができる。また、ステンレス鋼は、一般に汎用品として流通している素材であるので材料単価を低く抑えることができる。
(5)
落下防止カバーは、下部筒の中央部に頂点を有する凸形部材からなってもよい。
この場合、落下防止カバーは、下部筒の中央部に頂点を有する凸形部材からなるので、塊状の付着性のあるトッピング具材の落下時に、下部筒の途中で付着性のあるトッピング具材が止まることなく、円滑に付着性のあるトッピング具材をベースとなる食品上に落下させることができ、ベースとなる食品上に付着性のあるトッピング具材を均一に分散させることができる。
(6)
上部筒の分散部は、上部筒の内部に設けられた傾斜板からなってもよい。
この場合、上部筒の分散部は、上部筒の内部に傾斜板が設けられるので、駆動部により上部筒が鉛直軸を回転軸として水平に回転された場合に、傾斜板により塊状の付着性のあるトッピング具材が上部筒の筐体側(内壁側)に分散される。すなわち、塊状の付着性のあるトッピング具材の重力ベクトルを上部筒の筐体側に向けることができるので、塊状の付着性のあるトッピング具材に加わる遠心力を高めることができる。その結果、付着性のあるトッピング具材をベースとなる食品上に均一に落下させることができる。
(7)
上部筒の分散部は、上部筒の中央内部に設けられた略円錐形部材からなってもよい。
この場合、上部筒の分散部は、上部筒の中央部に略円錐形部材が設けられるので、駆動部により上部筒が鉛直軸を回転軸として水平に回転された場合に、円錐形部材により塊状の付着性のあるトッピング具材が上部筒の筐体側(内壁側)に均等に分散される。すなわち、塊状の付着性のあるトッピング具材の重力ベクトルを上部筒の筐体側に向けることができるので、塊状の付着性のあるトッピング具材に加わる遠心力を高めることができる。その結果、付着性のあるトッピング具材をベースとなる食品上に均一に落下させることができる。
(8)
上部筒、分散部および下部筒の少なくとも一つは、トッピング具材との接触部位に凹凸加工処理が施されてもよい。
この場合、上部筒、分散部および下部筒と、付着性のあるトッピング具材との接触部位に凹凸加工処理、例えばエンボス処理等の表面処理が施されているので、塊状の付着性のあるトッピング具材の落下時におけるトッピング具材と、上部筒、分散部および下部筒との摩擦が少なくなり、振掛ける付着性のある塊状のトッピング具材への傷付きや損傷を防止することができる。
(9)
駆動部は、上部筒の外周面に接触し、上部筒の水平の回転をガイドする複数のガイドローラを含んでもよい。
この場合、駆動部は、複数のガイドローラにより支持されるので、上部筒の外周面に確実に駆動力を伝達することができ、円滑に上部筒を、鉛直軸を回転軸として水平(上部筒の円周方向)に回転させることができる。また、駆動部が、上部筒の外周面に設けられているので、バランス良く最小限の駆動力で上部筒を回転させることができる。
(10)
本発明に係る具材がトッピングされた食品の製造方法においては、請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の振掛け装置を用いて、トッピング具材をベースとなる食品上に振掛けるものである。
ここで、付着性のあるトッピング具材とは、ピザやグラタンなどにトッピングするカットされたチーズ、ソーセージなど、あるいは調味料で調理された具材などである。
この場合、具材がトッピングされた食品の製造方法においては、回転する分散部を設けることにより、それらを分散させ振掛けることができる。
(11)
トッピング具材は、チーズからなってもよい。
この場合、付着性のあるチーズを傷つけることなく振掛けることができる。また、トッピング具材は、シュレッドチーズからなってもよい。例えば、互いにくっつきやすいシュレッドチーズを均等に分散させることができる。すなわち、チーズの場合、シュレッドチーズというような名称で流通されており、小片にカットされているが、お互いがくっつきやすく、均等にばらまくのが容易ではないことに起因している。
(12)
本発明に係る振掛け方法は、付着性のあるトッピング具材をベースとなる食品上に振掛ける振掛け方法であって、トッピング具材を筒体の中央内部に設けられた回転する略円錐形部材上に上方から落下させることにより、トッピング具材を略円錐形部材に沿って、周辺下向き方向に散乱させ、筒体の下方に位置させたベースとなる食品上の周辺部に具材を振掛けるものである。
本発明に係る振掛け方法においては、トッピング具材を筒体の中央内部に設けられた回転する略円錐形部材上に上方から落下させることにより、トッピング具材を略円錐形部材に沿って、周辺下向き方向に散乱させ、筒体の下方に位置させたベースとなる食品上の周辺部に具材を振掛ける。なお、ここで、周辺部とは、食品の上でかつ中央を除くことを意味し、すなわち、ベースとなる食品の一定部分にトッピング具材を掛けたくない場合には、食品の上にドーナツ状(周辺部)に振掛けることを意味する。
(13)
ベースとなる食品の上方近傍に落下防止カバーを設け、トッピング具材が振掛かることを防止する場所にトッピング具材が振掛かることを防止してもよい。
この場合、落下防止カバーを設けることにより、ベースとなる食品の中央部に付着性のあるトッピング具材の落下を防止することができるので、ベースとなる食品の中央部のメイン具材(目立たせたい)部位を除いた周囲にのみ振掛ける付着性のあるトッピング具材を落下させることができる。
(14)
付着性のあるトッピング具材は、チーズからなってもよい。
この場合、付着性のあるチーズを傷つけることなく振掛けることができる。また、トッピング具材は、シュレッドチーズからなってもよい。例えば、互いにくっつきやすいシュレッドチーズを均等に分散させることができる。すなわち、チーズの場合、シュレッドチーズというような名称で流通されており、小片にカットされているが、お互いがくっつきやすく、均等にばらまくのが容易ではないことに起因している。
以下、本発明に係る実施の形態について図面を用いて説明する。本実施の形態においては、振掛け装置の一例として、ベースとなる食品にグラタンSGを適用し、グラタンSGに振掛ける付着性のある(塊状の)トッピング具材としてチーズCEを適用し、チーズCEを振掛ける振掛け装置について説明する。なお、本発明は、当該チーズ振掛け装置に限定されるものではなく、他の任意の商品にも適用することができる。
(一実施の形態)
図1は、本発明の一実施の形態に係るチーズ振掛け装置を含んだ製造装置の一例を示す模式的外観図である。
図1に示すように、製造装置500は、チーズ振掛け装置100、ホッパー450およびベルトコンベア400を含む。
図1のベルトコンベア400の中央部に、チーズ振掛け装置100が配設され、チーズ振掛け装置100の上方にホッパー450が配設される。ホッパー450には、作業者によりチーズCEが投入され、所定の間隔でホッパー450からチーズCEがチーズ振掛け装置100に投入される。また、ベルトコンベア400によりグラタンSGが、矢印X1の方向に間欠移動される。グラタンSGは、ベルトコンベア400によりチーズ振掛け装置100の下方において一時停止される。その際、チーズ振掛け装置100によりグラタンSGに対して、チーズCEが振掛けられる。その後、ベルトコンベア400によりチーズCEの振掛けられたグラタンSGが移送される。
図1に示すように、チーズ振掛け装置100は、主に上部筒110、下部筒120、複数のガイドローラ150、駆動ローラ160およびモータ180を含む。以下、チーズ振掛け装置100の構造について詳細説明を行う。
図2は、チーズ振掛け装置100の一例を示す模式図である。図2(a)は、チーズ振掛け装置100の平面を示し、図2(b)は、チーズ振掛け装置100の側面を示す。
まず、図2(a),(b)に示すように、上部筒110は、台170を貫通するよう配設され、下部筒120は、台170の鉛直下方向に配設されている。また、上部筒110は、主に円筒部材111および円板119から構成される。本実施の形態において、円筒部材111は、ステンレス鋼からなる。また、円板119は、円筒部材111の外周で、かつ円筒部材111の鉛直方向の中央部に固設されている。すなわち、円板119が、円板119の外周方向に回転した場合、円筒部材111も回転するように設けられている。
図2(a),(b)に示すように、当該円板119の近傍には、当該円板119の外周に接するように、駆動ローラ160が設けられ、さらに複数のガイドローラ150が設けられる。本実施の形態においては、5個のガイドローラ150が設けられる。5個のガイドローラ150のうち4個のガイドローラ150は、円板119に対して放射状に均等に配置され、残りの1個のガイドローラ150は、駆動ローラ160に対向する位置に設けられる。さらに図2(b)に示すように、駆動ローラ160の下方には、モータ180が設けられる。
モータ180により駆動ローラ160が矢印R1の方向に回転され、駆動ローラ160に接する円板119が矢印R1の逆方向(矢印−R1の方向)に回転される。円板119が回転されることにより、円筒部材111が矢印−R1の方向に回転され、上部筒110全体として、矢印−R1の方向に回転される。
この場合、4個のガイドローラ150は、円板119の回転を円滑にし、残りの1個のガイドローラ150は、駆動ローラ160の駆動力を円板119に確実に与える働きをする。また、図2(b)に示すように、下部筒120は、縦移動装置175の働きにより、鉛直方向に移動可能に設けられる。この縦移動装置175および下部筒120の詳細に関しては、後述する。
続いて、図3は、図1および図2の上部筒110および下部筒120の内部構造を説明するための模式図である。図3(a)は上部筒110の平面図を示し、図3(b)は上部筒110の断面図を示し、図3(c)は下部筒120の平面図を示し、図3(d)は下部筒120の断面図を示す。
図3(a),(b)に示すように、上部筒110は、主に円筒部材111および円板119からなる。円筒部材111の内部には、十字棒部材113および円錐形部材115が設けられる。十字棒部材113は、円筒部材111の略中央部に円筒部材111の内周(空間)を掛け渡すように設けられ、十字棒部材113の中央上部に円錐形部材115が設けられる。また、円筒部材111の内周面には、エンボス加工が施されている。さらに、円錐形部材115の表面にも同様に、エンボス加工が施されている。すなわち、円筒部材111の内周面および円錐形部材115の表面が、チーズCEとの接触部位に該当する。
一方、図3(c),(d)に示すように、下部筒120は、主に円筒部材121および保持部材122からなる。本実施の形態において、下部筒120は、ステンレス鋼からなる。円筒部材121の内部には、十字棒部材123および四角錐形部材125が設けられる。十字棒部材123は、円筒部材121の略中央部に円筒部材121の内周を掛け渡すように設けられ、十字棒部材123の中央上部に四角錐形部材125が設けられる。また、円筒部材121の内周面には、エンボス加工が施されている。さらに、四角錐形部材125の表面にも同様に、エンボス加工が施されている。すなわち、円筒部材121の内周面および四角錐形部材125の表面が、チーズCEとの接触部位に該当する。
次に、図4は、チーズ振掛け装置100の動作を示す模式的説明図である。図4(a)はホッパー450(図1参照)からチーズCEが投入された直後の状態を示し、図4(b)はチーズ振掛け装置100の下方にグラタンSGがベルトコンベア400により間欠移送された状態を示す。
図4(a)に示すように、ホッパー450から一定間隔で上部筒110の内部にチーズCEが投入される。上部筒110は、モータ180および駆動ローラ160により鉛直軸を回転軸として水平に回転される。この場合、上部筒110全体が水平回転され、投入されたチーズCEが、十字棒部材113および円錐形部材115により分散される。具体的には、円錐形部材115に接触したチーズCEが、遠心力により上部筒110の筐体(内壁)側に運ばれる。この場合、遠心力により塊状のチーズCEが分散され、細かな個々のチーズCE片(以下、チーズCEと呼ぶ)に分散される。
続いて、図4(a),(b)に示すように、縦移動装置175により下部筒120が鉛直下方向(矢印Yの方向)に移動され、上部筒110から下部筒120に分散されたチーズCEが投入される。この場合、四角錐形部材125によりチーズCEが中央部から落下せず、中央部を除いた周囲に落下される。以下、四角錐形部材125の効果について説明する。
図5は、下部筒120とグラタンSGとの関係を説明するための模式図である。図5(a)は下部筒120が縦移動装置175により矢印Yの方向に移動される直前の状態を示し、図5(b)は下部筒120が縦移動装置175により矢印Yの方向に移動された状態を示し、図5(c)は図5(b)の状態における一部透視斜視を示す。
図5(a),(b)に示すように、下部筒120は、縦移動装置175により鉛直上下方向に移動可能に設けられる。すなわち、図5(a)に示すように、グラタンSGがベルトコンベア400により移送されてくる直前においては、下部筒120の下端部とグラタンSGの上端部との距離はL1であり、図5(b)に示すように、グラタンSGがチーズ振掛け装置100の下方に来た場合においては、下部筒120の下端部とグラタンSGの上端部との距離はL2である。ここで、距離L1および距離L2は、L1>L2の関係を有する。
この場合、図5(c)に示すように、下部筒120がグラタンSGに近接するので、下部筒120とグラタンSGとの間からチーズCEが飛び散ることを防止することができ、確実にグラタンSGの上部に散布することができる。
また、図5(c)に示すように、グラタンSGの中央部に四角錐形部材125が配設されるので、四角錐形部材125の下方には、チーズCEが散布されない。従って、メイン具材を四角錐形部材125の下方に配置させるようにすることで、メイン具材を外観から視認させ、かつチーズCEを振掛けることができる。
次いで、図6はチーズCEを振掛ける前のグラタンSGを説明するための模式図であり、図7は本発明に係るチーズ振掛け装置100を用いてチーズCEを振掛けたグラタンSGを説明するための模式図である。
図6に示すように、グラタンSGは、例えば、エビグラタンからなり(以下、エビグラタンSGと呼ぶ。)、エビグラタンSGの中央部には、複数の海老SPが配置されている。これらのエビグラタンにおいては、海老SPが入っていることを顧客にアピールするため、海老SPの上にチーズCEを振掛けず、3個の海老SPを視野させる必要がある。そのため、本実施の形態においては、エビグラタンSGの上部、すなわち海老SPの上方に四角錐形部材125による振掛け防止エリア125ARが設けられる。
それにより、図7に示すように、海老SPの上にチーズCEを振掛けることを防止することができ、エビグラタンSGの海老SPの周囲には、均一にチーズCEを振掛けることができる。したがって、このエビグラタンSGをオーブンで焼くことにより、チーズCEが溶けても海老SPを外観から視野することができる。
続いて、図8および図9は、上部筒110の他の例を示す模式図であり、図10は、下部筒120の他の例を示す模式図である。
図8(a1),(b1)に示すように、上部筒110aは、円筒部材111aおよび円板119からなる。なお、円筒部材111aの内周には、エンボス加工が施されている。この場合、上部筒110aが水平回転されることにより、円筒部材111aの内周に施されたエンボス加工とチーズCEとの摩擦力と、円筒部材111aの回転による遠心力とによりチーズCEを傷付けることなく、均一に分散させることができる。
また、図8(a2),(b2)に示すように、上部筒110bは、円筒部材111bおよび円板119からなる。円筒部材111bの内部の中央部には、十字板部材113bが設けられる。なお、円筒部材111bの内周および十字板部材113bには、エンボス加工が施されている。この場合、上部筒110bが水平回転されることにより、円筒部材111bの内周および十字板部材113bに施されたエンボス加工とチーズCEとの摩擦力と、円筒部材111bの回転による遠心力とによりチーズCEを傷付けることなく、均一に分散させることができる。
また、図8(a3),(b3)に示すように、上部筒110cは、円筒部材111cおよび円板119からなる。円筒部材111cの内部の中央部には、板部材114cが設けられる。板部材114cは、円筒部材111cの上端近傍から中央近傍まで傾斜しつつ直径の1/2程度突出した状態で設けられる。なお、円筒部材111cの内周および板部材114cの表面には、エンボス加工が施されている。この場合、上部筒110cが水平回転されることにより、円筒部材111cの内周および板部材114cに施されたエンボス加工とチーズCEとの摩擦力と、円筒部材111cの回転による遠心力とによりチーズCEを傷付けることなく、均一に分散させることができる。
また、図9(a4),(b4)に示すように、上部筒110dは、円筒部材111dおよび円板119からなる。円筒部材111dの内部の中央部には、板部材114dが設けられる。板部材114dは、円筒部材111dの上端近傍から中央近傍まで傾斜しつつ直径の2/3程度突出した状態で設けられる。なお、円筒部材111dの内周および板部材114dの表面には、エンボス加工が施されている。この場合、上部筒110dが水平回転されることにより、円筒部材111dの内周および板部材114dに施されたエンボス加工とチーズCEとの摩擦力と、円筒部材111dの回転による遠心力とによりチーズCEを傷付けることなく、均一に分散させることができる。特に、図8(a3),(b3)の上部筒110cと比較して、遠心力を高めてチーズCEに与えられるので、上部筒110dの回転速度を低くしても、チーズCEを傷付けることなく、均一に分散させることができる。
また、図9(a5),(b5)に示すように、上部筒110eは、円筒部材111eおよび円板119からなる。円筒部材111eの内部の中央部には、十字板状部材113eが設けられる。十字板状部材113eは、板部材を十字に組み合わせて、鉛直軸方向に板部材の面が延在するように配設される。なお、円筒部材111eの内周および十字板状部材113eの表面には、エンボス加工が施されている。この場合、上部筒110eが水平回転されることにより、円筒部材111eの内周および十字板状部材113eに施されたエンボス加工とチーズCEとの摩擦力と、円筒部材111eの回転による遠心力とによりチーズCEを傷付けることなく、均一に分散させることができる。
さらに、図9(a6),(b6)に示すように、上部筒110fは、円筒部材111fおよび円板119からなる。円筒部材111fの内部の中央部には、十字棒部材113fおよび羽部材115fが設けられる。羽部材115fは、十字棒部材113fの中央部に配設される。なお、円筒部材111fの内周、十字棒部材113fおよび羽部材115fの表面には、エンボス加工が施されている。この場合、上部筒110fが水平回転されることにより、円筒部材111fの内周、十字棒部材113fおよび羽部材115fに施されたエンボス加工とチーズCEとの摩擦力と、円筒部材111fの回転による遠心力とによりチーズCEを傷付けることなく、均一に分散させることができる。
続いて、図10(a),(b)に示すように、下部筒120aは、主に円筒部材121aおよび保持部材122からなる。円筒部材121aの内部には、十字棒部材123aおよび円錐形部材125aが設けられる。十字棒部材123aは、円筒部材121aの略中央部に円筒部材121aの内周を掛け渡すように設けられ、十字棒部材123aの上部に円錐形部材125aが設けられる。また、円筒部材121aの内周面および円錐形部材125aの表面には、エンボス加工が施されている。その結果、チーズCEの落下時に、下部筒120aの途中でチーズCEが止まることなく、円滑にチーズCEをグラタンSGの中央部以外に落下させることができ、チーズCEを均一に分散させることができる。
以上のように、本発明に係るチーズ振掛け装置100においては、上部筒110全体が水平に回転された場合に、十字棒部材113および円錐形部材115によりチーズCEが傷付けられることなく、上部筒110の内壁側に分散される。すなわち、上部筒110を一体回転させることにより純粋な遠心力で塊状のチーズCEをほぐすことができ、ほぐされたチーズCEの傷付きや損傷を防止することができる。
また、下部筒120に四角錐形部材125および十字棒部材123を設けることにより、エビグラタンSGの中央部にチーズCEの落下を防止することができるので、エビグラタンSGの海老SPの部位を除いたエビグラタンSGの周囲にのみチーズCEを落下させることができる。さらに、チーズ振掛け装置100においては、モータ180、複数のガイドローラ150および駆動ローラ160が、上部筒110の中央部の外周面に設けられているので、バランス良く最小限の駆動力で上部筒110を回転させることができる。
また、上部筒110および下部筒120は、主にステンレス鋼からなり、かつチーズCEと接触する内周面(内壁)にエンボス処理が施されているので、チーズCEの落下時におけるチーズCEと上部筒110および下部筒120との摩擦を少なくすることができ、チーズCEへの傷付きや損傷を防止することができ、かつステンレス鋼からなるので、エンボス処理の加工が容易である。その結果、製造コストを低減することができる。
また、下部筒120の四角錐形部材125および十字棒部材123は、下部筒120の中央部に頂点を有する四角錐形部材125からなるので、チーズCEの落下時に、下部筒120の途中でチーズCEが引っ掛かることなく、円滑にチーズCEをエビグラタンSG上に落下させることができる。また、四角錐形部材125は、中央部に頂点が形成されているので、チーズCEを均一に分散させることができる。
さらに、モータ180、複数のガイドローラ150および駆動ローラ160により上部筒110が鉛直軸を回転軸として水平に回転された場合に、上部筒110の十字棒部材113および円錐形部材115によりチーズCEの重力ベクトルを上部筒110の内壁側に向けることができるので、チーズCEに加わる遠心力を高めることができる。その結果、モータ180の回転速度を調整することにより、チーズCEをエビグラタンSG上に均一に落下させることができる。
本実施の形態においては、チーズCEが付着性のある(塊状の)トッピング具材に相当し、グラタンSGまたはエビグラタンSGがベースとなる食品に相当し、チーズ振掛け装置100が振掛け装置に相当し、上部筒110が上部筒に相当し、下部筒120が下部筒に相当し、モータ180、複数のガイドローラ150および駆動ローラ160が駆動部に相当し、縦移動装置175が移動部に相当し、十字棒部材113および円錐形部材115が分散部に相当し、四角錐形部材125および円錐形部材125aが落下防止カバーおよび凸形部材に相当し、エンボス加工が凹凸加工処理に相当し、板部材114cおよび板部材114dが傾斜板に相当し、円錐形部材115が円錐形部材に相当し、複数のガイドローラ150が複数のガイドローラに相当する。
なお、本実施の形態においては、エビグラタンSGを例として説明したが、これに限定されず、ミートソースグラタン、シーフードドリア、他の任意の商品にも適用することができる。
本発明の好ましい一実施の形態は上記の通りであるが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。また、本実施の形態においては、チーズ振掛け装置100について説明したが、これに限定されず、または他の任意の振掛け装置に適用することができる。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
本発明の振掛け装置は、上方から塊状の塊状の付着性のあるトッピング具材、例えば、チーズのみならず、調味料等、さらに食品の切れ片等に適用することができる。
本発明の一実施の形態に係るチーズ振掛け装置を含んだラインの一例を示す模式的外観図 チーズ振掛け装置の一例を示す模式図 上部筒および下部筒の内部構造を説明するための模式図 チーズ振掛け装置100の動作を示す模式的説明図 下部筒と商品との関係を説明するための模式図 チーズCEを振掛ける前の商品を説明するための模式図 本発明に係るチーズ振掛け装置を用いてチーズCEを振掛けた商品を説明するための模式図 上部筒の他の例を示す模式図 上部筒の他の例を示す模式図 下部筒の他の例を示す模式図
符号の説明
100 チーズ振掛け装置
110 上部筒
113 十字棒部材
114c,114d 板部材
115 円錐形部材
125 四角錐形部材
125a 円錐形部材
120 下部筒
150 複数のガイドローラ
160 駆動ローラ
175 縦移動装置
180 モータ
CE チーズ
SG グラタン,エビグラタン

Claims (14)

  1. 上方からトッピング具材を下方に配置されたベースとなる食品上に振掛ける振掛け装置であって、
    前記トッピング具材を受け入れる上部筒と、
    前記上部筒の中央部の外周面に接触することにより前記上部筒の全体を、鉛直軸を回転軸として水平に回転させる駆動部と、を備え、
    前記上部筒の内部には、前記駆動部により前記上部筒全体が水平に回転されたときに前記トッピング具材を前記上部筒の筐体側に分散させる分散部が設けられていることを特徴とする振掛け装置。
  2. 前記上部筒からのトッピング具材を前記ベースとなる食品に誘導する下部筒と、
    前記下部筒を鉛直方向に移動させる移動部と、
    をさらに備え、
    前記移動部は、前記トッピング具材の落下時に、前記ベースとなる食品近傍に前記下部筒を下方移動させることを特徴とする請求項1記載の振掛け装置。
  3. 前記上部筒の最下部、および前記下部筒の内部の少なくとも一方に、前記ベースとなる食品の略中央部において、上方からの前記トッピング具材の落下を防止する落下防止カバーが設けられたことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の振掛け装置。
  4. 前記上部筒および前記下部筒の少なくとも一方は、主にステンレス鋼からなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の振掛け装置。
  5. 前記落下防止カバーは、前記下部筒の中央部に頂点を有する凸形部材からなることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の振掛け装置。
  6. 前記上部筒の分散部は、前記上部筒の内部に設けられた傾斜板からなることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の振掛け装置。
  7. 前記上部筒の分散部は、前記上部筒の中央内部に設けられた略円錐形部材からなることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の振掛け装置。
  8. 前記上部筒、前記分散部および前記下部筒の少なくとも一つは、前記トッピング具材との接触部位に凹凸加工処理が施されたことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の振掛け装置。
  9. 前記駆動部は、前記上部筒の外周面に接触し、前記上部筒の水平の回転をガイドする複数のガイドローラを含むことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の振掛け装置。
  10. 前記請求項1ないし前記請求項9のいずれか1項に記載の振掛け装置を用いて、トッピング具材をベースとなる食品上に振掛けることを特徴とする具材がトッピングされた食品の製造方法。
  11. 前記トッピング具材は、チーズからなることを特徴とする請求項10記載の具材がトッピングされた食品の製造方法。
  12. 付着性のあるトッピング具材をベースとなる食品上に振掛ける振掛け方法であって、
    前記トッピング具材を筒体の中央内部に設けられた回転する略円錐形部材上に上方から落下させることにより、前記トッピング具材を略円錐形部材に沿って、周辺下向き方向に散乱させ、筒体の下方に位置させたベースとなる食品上の周辺部に具材を振掛けることを特徴とする振掛け方法。
  13. ベースとなる食品の上方近傍に落下防止カバーを設け、前記トッピング具材が振掛かることを防止する場所に前記トッピング具材が振掛かることを防止することを特徴とする請求項12に記載の振掛け方法。
  14. 前記付着性のあるトッピング具材は、チーズからなることを特徴とする請求項13に記載の振掛け方法。
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