JP2010035487A - 酵素又は微生物菌体固定化成形物の製造方法 - Google Patents

酵素又は微生物菌体固定化成形物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】酵素又は微生物菌体の固定化量が少なくても十分な活性を得ることができ、かつ、機械的物性に優れた固定化成形物を得る製造方法を提供する。
【解決手段】中心ノズルと該中心ノズルを略同心に囲む環状ノズルとを有する略同心多重ノズルをアルカリ金属イオン又は多価金属イオンを含有する水性媒体の液面の上方に配置する工程(I)と、
前記中心ノズルから流出される親水性光硬化性樹脂及び光重合開始剤を含んでなる水性液状組成物(A)と、前記環状ノズルから流出される親水性光硬化性樹脂、光重合開始剤、水溶性高分子多糖類及び酵素又は微生物菌体を含んでなる水性液状組成物(B)との併合液を前記水性媒体に没入させる工程(II)と、
前記水性媒体に没入された前記併合液をゲル化させゲルを得る工程(III)と、
前記工程(III)で得られるゲルに活性光線を照射して硬化させ固定化成形物を得る工程(IV)とを有する固定化成形物の製造方法。

【選択図】図1

Description

本発明は、酵素又は微生物菌体の固定成形物の製造方法に関する。
酵素または微生物菌体の固定化方法としては、従来から、包括法、物理的吸着法、共有結合法等多くの方法が知られている。包括法による固定化方法は、酵素自体とは強固な結合を起させることなく、ゲルの微細な格子の中へ酵素などを取り込むため、多くの種類の酵素や微生物菌体に普遍的に使用できる可能性があるとともに、固定化された酵素等の活性も高く、酵素等の固定化には極めて有用である。
特許文献1及び特許文献2には、多価金属イオンを含有する水性媒体と水溶性高分子多糖類を用いた粒状固定化成形物の製造方法に関する発明が開示されている。これら粒状固定化成形物の製造方法は、カラム等への充填作業が容易な粒状固定化物の製造を可能にすることができる。しかしながら、該製造方法では、酵素又は微生物菌体を粒状固定化物全体に包含することから、固定化に多くの酵素又は微生物菌体を要する。そのため、高価な酵素又は微生物菌体を用いる場合には、費用対効果の面で十分ではない。
また、特許文献3には、感光性樹脂を含有する皮膜組成物からなる被膜を有するシームレスカプセル及びその製造方法に関する発明が開示されている。このシームレスカプセルは、酵素や微生物をカプセルに封入してバイオリアクターとして利用することができる。しかしながら、このシームレスカプセルはカプセル構造をしているため、圧縮破壊強度等の物性が十分ではなく、水中攪拌機(エアレーター)の使用が困難であったり、担体の寿命が短くなる等の課題がある。
特開昭59−11182号公報 特開昭62−138193号公報 特開2003−325638号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は酵素又は微生物菌体の固定化量が少なくても十分な活性を得ることができ、かつ、圧縮破壊強度等の機械的物性に優れた固定化成形物を得ることができる製造方法を提供することである。
本発明者等は、前記課題を解決する方法について鋭意検討を重ねた結果、多重ノズルの中心ノズルから特定の水性液状組成物を、環状ノズルから酵素又は微生物菌体を含んでなる特定の水性液状組成物を流出させて併合液を得た後に、該併合液をゲル化、硬化させ酵素又は微生物菌体が固定化された固定化成形物とする製造方法により、前記課題を解決できることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、中心ノズルと該中心ノズルを略同心に囲む環状ノズルとを有する略同心多重ノズルをアルカリ金属イオン又は多価金属イオンを含有する水性媒体の液面の上方に配置する工程(I)と、
前記中心ノズルから流出される、(a)1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する親水性光硬化性樹脂、及び(b)光重合開始剤を含んでなる水性液状組成物(A)と、前記環状ノズルから流出される、(c)1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する親水性光硬化性樹脂、(d)光重合開始剤、(e)アルカリ金属イオン又は多価金属イオンとの接触によりゲル化する能力のある水溶性高分子多糖類、及び(f)酵素又は微生物菌体を含んでなる水性液状組成物(B)との併合液を、前記水性媒体に没入させる工程(II)と、
前記水性媒体に没入された前記併合液をゲル化させゲルを得る工程(III)と、
前記工程(III)で得られるゲルに活性光線を照射して該ゲル中の光硬化性樹脂を硬化させ酵素又は微生物菌体が固定化された固定化成形物を得る工程(IV)とを有する固定化成形物の製造方法に関する。
本発明によれば、多重ノズルの中心ノズルから特定の水性液状組成物を、環状ノズルから酵素又は微生物菌体を含んでなる特定の水性液状組成物を流出させて併合液を得た後に、該併合液をゲル化、硬化させ固定化成形物とする製造方法により、酵素又は微生物菌体の固定化量が少なくても十分な活性を得ることができ、かつ、圧縮破壊強度等の機械的物性に優れた酵素又は微生物菌体が固定化された固定化成形物を得ることができる。
以下、図面を参照して本発明の製造方法の好適な実施の一態様を説明する。図1は本発明の製造方法で用いる略同心多重ノズルとその近傍の一態様を示すものである。また、図2は本発明の製造方法で用いる活性光線を照射する工程の一態様を示すものである。
工程(I)
本発明の工程(I)は、中心ノズルと該中心ノズルを略同心に囲む環状ノズルとを有する略同心多重ノズルをアルカリ金属イオン又は多価金属イオンを含有する水性媒体の液面の上方に配置する工程である。
図1において、符号1は、略同心多重ノズルを示している。略同心多重ノズル1は、下向きに開口する中心ノズル1aと該中心ノズル1aを略同心に囲む環状ノズル1bとを有している。前記略同心多重ノズル1は形成管2内のアルカリ金属イオン又は多価金属イオンを含有する水性媒体3の液面の上方に配置されている。
前記中心ノズル1aの開口の直径は、特に限定されるものではないが、0.5〜2.0mmが好ましく、0.8〜1.2mmがより好ましい。また、前記環状ノズル1bの開口の外径は、特に限定されるものではないが、2.0〜4.0mmが好ましく、2.4〜2.8mmがより好ましい。
前記中心ノズル1aの開口の直径と前記環状ノズル1bの開口の外径の比率は、前記中心ノズル1aの開口の直径に対する前記環状ノズル1bの開口の外径が1.5〜4.0の比率であることが好ましく、2.0〜3.0の比率であることがより好ましい。
また、前記中心ノズル1aのノズルの厚さは1.0mm以下であることが好ましい。
前記略同心多重ノズル1の開口は、前記水性媒体3の液面の上方10〜100mmに配置されていることが好ましい。この範囲であれば、併合液4を前記水性媒体3に没入させた際に前記水性媒体3が跳ねてノズルに付着することによるノズルの詰まりを抑制できる点並びに所望としない異形の併合液及びゲルが形成されることを抑制できる点で意義がある。
前記アルカリ金属イオン又は多価金属イオンを含有する水性媒体3におけるアルカリ金属イオンとしては、カリウムイオン、ナトリウムイオン等が挙げられる。多価金属イオンとしては、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、ストロンチウムイオン、バリウムイオン等のアルカリ土類金属イオン;或いはアルミニウムイオン、セリウムイオン、ニッケルイオン等の他の多価金属イオンが挙げられる。前記水性媒体3におけるアルカリ金属イオン又は多価金属イオンの濃度は水溶性高分子多糖類の種類等により異なるが、一般には0.01〜5モル/l、特に0.01〜3モル/lの範囲内である。
工程(II)
工程(II)は、前記中心ノズルから流出される水性液状組成物(A)と、前記環状ノズルから流出される水性液状組成物(B)との併合液を前記水性媒体に没入させる工程である。
図1において、略同心多重ノズル1の各ノズルへは、送液ポンプ等(図示せず)により各水性液状組成物が供給される。前記中心ノズル1aへは水性液状組成物(A)が供給され、該水性液状組成物(A)は中心ノズル1aから下向きに流出する。また前記環状ノズル1bへは水性液状組成物(B)が供給され、該水性液状組成物(B)は環状ノズル1bから下向きに流出する。
前記水性液状組成物(A)が前記中心ノズル1aから流出される際の流量は、特に限定されるものではないが、3.0〜10ml/minであることが好ましい。
前記水性液状組成物(B)が前記環状ノズル1bから流出される際の流量は、特に限定されるものではないが、3.0〜10ml/minであることが好ましい。
また前記水性液状組成物(A)と前記水性液状組成物(B)の流量は、水性液状組成物(A)の流量に対する水性液状組成物(B)の流量の比率が0.5〜3、好ましくは0.7〜1.5であることが、所望の二層構造を有する固定化成形物を安定して製造できる点から好ましい。
前記中心ノズル1aから流出される水性液状組成物(A)と前記環状ノズル1bから流出される水性液状組成物(B)は、各ノズルから流出した後に併合液4となる。
図1において前記併合液4は、前記水性媒体3に没入されるまでの間に球状となることが好ましい。
また前記各ノズルの径、水性液状組成物の粘度、水性液状組成物の流量、前記略同心多重ノズルの開口から前記水性媒体の液面までの距離等を適宜調節することにより、前記併合液の形状は、球状の他に円柱状、数珠繋ぎ状等の所望の形状とすることができる。
前記併合液の所望の形状が、最終的に製造される固定化成形物の形状となる。そのため、前記併合液の所望の形状は、前記水性媒体に没入される前に形成されることが好ましい。なぜなら、水性媒体に没入された後は、後述する工程(III)におけるゲル化により、形状が変化し難くなるからである。
前記併合液は、核若しくは内層が水性液状組成物(A)から形成され、外層が水性液状組成物(B)から形成された二層構造を有することが好ましい。図1においては、前記併合液4は、核が水性液状組成物(A)から形成され、外層が水性液状組成物(B)から形成された二層構造を有する。
なお、前記二層構造の界面は必ずしも明確に認識できるものである必要はなく、核若しくは内層と外層がその界面付近において混層していてもよい。
つづいて前記併合液4は前記形成管2内の前記水性媒体3に没入される。
水性液状組成物(A)
前記水性液状組成物(A)は、(a)1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する親水性光硬化性樹脂、及び(b)光重合開始剤を含んでなる。
1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する親水性光硬化性樹脂(a)としては、一般に、300〜30,000、好ましくは500〜20,000の範囲内の数平均分子量を有し、水性媒体中に均一に分散するのに充分なイオン性又は非イオン性の親水性基、例えば水酸基、アミノ基、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、エーテル結合等を含み、かつ光重合開始剤(b)の存在下で波長が約250〜約600nmの範囲内の活性光線を照射したとき、硬化して水に不溶性の樹脂に変わるものが好適に使用される。
ここで、本明細書において数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(東ソー(株)社製、「HLC8120GPC」)で測定した数平均分子量をポリスチレンの数平均分子量を基準にして換算した値である。カラムは、「TSKgel G−4000H×L」、「TSKgel G−3000H×L」、「TSKgel G−2500H×L」、「TSKgel G−2000H×L」(いずれも東ソー(株)社製、商品名)の4本を用い、移動相;テトラヒドロフラン、測定温度;40℃、流速;1ml/min、検出器;RIの条件で行ったものである。
前記親水性光硬化性樹脂としては、包括固定化用の固定化担体として既に知られているものを用いることができる(例えば、特公昭55−40号公報、特公昭55−20676号公報、特公昭62−19837号公報等参照)。代表的なものとしては以下に記載するものを挙げることができる。
(i)ポリアルキレングリコールの両末端に光重合可能なエチレン性不飽和基を有する化合物:例えば、
(i−1)分子量400〜6,000のポリエチレングリコール1モルの両末端水酸基を(メタ)アクリル酸2モルでエステル化したポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート類。
(i−2)分子量200〜4,000のポリプロピレングリコール1モルの両末端水酸基を(メタ)アクリル酸2モルでエステル化したポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート類。
(i−3)分子量400〜6,000のポリエチレングリコール1モルの両末端水酸基をトリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物2モルでウレタン化し、次いで(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル等の不飽和モノヒドロキシエチル化合物2モルを付加した不飽和ポリエチレングリコールウレタン化物。
(i−4)分子量200〜4,000のポリプロピレングリコール1モルの両末端水酸基をトリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物2モルでウレタン化し、次いで(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル等の不飽和モノヒドロキシ化合物2モルを付加した不飽和ポリプロピレングリコールウレタン化物、など。
(ii)高酸価不飽和ポリエステル樹脂:例えば、不飽和多価カルボン酸を含む多価カルボン酸成分と多価アルコールとのエステル化により得られる酸価が40〜200の不飽和ポリエステルの塩類など。
(iii)高酸価不飽和エポキシ樹脂:例えば、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸化合物との付加反応物に残存するヒドロキシル基に酸無水物を付加して得られる酸価40〜200の不飽和エポキシ樹脂など。
(iv)アニオン性不飽和アクリル樹脂:例えば、酸基含有重合性不飽和化合物及び(メタ)アクリル酸エステルを必須モノマー成分とするモノマー混合物を共重合させて得られるカルボキシル基、リン酸基及び/又はスルホン酸基を含有する共重合体に光重合可能なエチレン性不飽和基を導入した樹脂など。
(v)不飽和ポリアミド:例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどのジイソシアネートとアクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのエチレン性不飽和ヒドロキシ化合物とのイソシアネート基含有付加物をゼラチンなどの水溶性ポリアミドに付加反応させた不飽和ポリアミドなど。
以上に例示した如き親水性光硬化性樹脂はそれぞれ単独で使用することができ、或いは2種若しくはそれ以上組み合わせて使用してもよい。
これらの親水性光硬化性樹脂のうち、本発明において特に有利に使用しうるものは、前記(i)に該当するポリアルキレングリコールの両末端に光重合可能なエチレン性不飽和基を有する化合物であり、代表的なものとしては、関西ペイント株式会社からENT−1000、ENT−2000、ENT−4000、ENTG−2000、ENTG−3800等の商品名で販売されているものを挙げることができる。
光重合開始剤(b)は、前記エチレン性不飽和結合を有する親水性光硬化性樹脂(a)の光重合を開始させるものであれば従来から知られているものを特に制限なく使用することができる。具体的には、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ベンゾフェノン、O−ベンゾイル安息香酸メチル、ヒドロキシベンゾフェノン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロ)−S−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジンなどが挙げられる。これらの光重合開始剤は単独で若しくは2種類以上を混合して使用することができる。
また、これらの光重合開始剤による光重合反応を促進させるために、光増感促進剤を光重合開始剤と併用してもよい。併用し得る光増感促進剤としては、例えば、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、ミヒラーケトン、4,4′−ジエチルアミノベンゾフェノン等の3級アミン系;トリフェニルホスフィン等のアルキルホスフィン系;β−チオジグリコール等のチオエーテル系などが挙げられる。これらの光増感促進剤はそれぞれ単独で若しくは2種類以上を混合して使用することができる。
また、前記水性液状組成物(A)は、後述するアルカリ金属イオン又は多価金属イオンとの接触によりゲル化する能力のある水溶性高分子多糖類(e)を含むことが好ましい。該水溶性高分子多糖類(e)を含むことにより、水性媒体中において、前記併合液の所望の形状(例えば、球状、円柱状、数珠繋ぎ状)が変形し難くなり、安定して所望の形状のゲルを得ることができる。
上記各成分を水に溶解ないし分散させることにより、前記水性液状組成物(A)が調製される。この水性液状組成物の固形分濃度は一般に5〜30質量%の範囲内が適当である。
前記水性液状組成物(A)の粘度は特に限定されるものではないが、液切れよく中心ノズルから流出させるという点から5〜1,000mPasが好ましく、100〜1,000mPasがさらに好ましい。ここで、前記水性液状組成物(A)の粘度は、RS−150(HAAKE社製)で測定した粘度である。測定時の温度は20℃、ずり速度は100s−1である。
水性液状組成物(B)
前記水性液状組成物(B)は、(c)1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する親水性光硬化性樹脂、(d)光重合開始剤、(e)アルカリ金属イオン又は多価金属イオンとの接触によりゲル化する能力のある水溶性高分子多糖類、及び(f)酵素又は微生物菌体を含んでなる。
1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する親水性光硬化性樹脂(c)は、一般に、300〜30,000、好ましくは500〜20,000の範囲内の数平均分子量を有し、水性媒体中に均一に分散するに充分なイオン性又は非イオン性の親水性基、例えば水酸基、アミノ基、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、エーテル結合等を含み、かつ波長が約250〜約600nmの範囲内の活性光線を照射したとき、硬化して水に不溶性の樹脂に変わるものが好適に使用される。具体例としては、前記成分(a)の説明で例示したものと同様のものが挙げられる。
光重合開始剤(d)は、前記エチレン性不飽和結合を有する親水性光硬化性樹脂(c)の光重合を開始させるものであれば従来から知られているものを特に制限なく使用することができる。具体例としては、前記光重合開始剤(b)の説明で例示したものと同様のものが挙げられる。
アルカリ金属イオン又は多価金属イオンとの接触によりゲル化する能力のある水溶性高分子多糖類(e)は、水溶性であり、水性媒体中でアルカリ金属イオン又は多価金属イオンと接触したときに水に不溶性又は難溶性のゲルに変化する能力のある高分子多糖類である。該高分子多糖類としては、一般に約3,000〜約2,000,000の分子量を有し、また、アルカリ金属イオン又は多価金属イオンと接触させる前の水溶性の状態で通常少なくとも約10g/l(25℃)の溶解度を示すものが好適に使用される。
前記水溶性高分子多糖類(e)の具体例としては、アルギン酸のアルカリ金属塩、カラギーナン等が包含される。
これら水溶性高分子多糖類(e)は水性媒体中に溶解した状態で、アルギン酸のアルカリ金属塩の場合は、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、ストロンチウムイオン、バリウムイオン等のアルカリ土類金属イオン;或いはアルミニウムイオン、セリウムイオン、ニッケルイオン等の他の多価金属イオン;のうちの少なくとも1種の多価金属イオンと接触するとゲル化しうる。また、カラギーナンの場合は、カリウムイオンまたはナトリウムイオン等のアルカリ金属イオンと接触するとゲル化しうる。
酵素又は微生物菌体(f)は、特に限定されるものではなく、目的に応じて適宜使用することができる。前記酵素の代表例としては、ラクテートヒドロゲナーゼ(1・1・2・3)、リパーゼ(3・1.1.3)、コレステロールエステラーゼ(3・1・1・13)、β−ガラクトシダーゼ(3・2・1・23)、A.T.P.アーゼ(3・6・1・3)等が挙げられる。また、前記微生物菌体としては、嫌気性微生物、好気性微生物のどちらでも用いることができ、微生物菌体の種類としては、例えば、アスパルギルス属、ペニシリウム属、フザリウム属などのカビ類、サッカロミセス属、ファフィア属、カンジダ属などの酵母類;ザイモモナス属、ニトロソモナス属、ニトロバクター属、パラコッカス属、ビブリオ属、メタノサルシナ属、バチルス属などの細菌類等が挙げられる。
上記各成分を水に溶解ないし分散させることにより、前記水性液状組成物(B)が調製される。この水性液状組成物の固形分濃度は一般に5〜30質量%の範囲内が適当である。
前記水性液状組成物(B)の粘度は特に限定されるものではないが、液切れよく環状ノズルから流出させるという点から5〜1,000mPasが好ましく、100〜1,000mPasがさらに好ましい。ここで、前記水性液状組成物(B)の粘度は、RS−150(HAAKE社製)で測定した粘度である。測定時の温度は20℃、ずり速度は100s−1である。
工程(III)
工程(III)は、前記水性媒体に没入された前記併合液をゲル化させゲルを得る工程である。
図1において、前記水性媒体3に没入された前記併合液4は、該併合液4に含有される前記水溶性高分子多糖類(e)と、前記形成管2内の前記水性媒体3に含有されるアルカリ金属又は多価金属イオンの作用によりゲル化されゲル5となる。
工程(IV)
工程(IV)は、前記工程(III)で得られるゲルに活性光線を照射して該ゲル中の光硬化性樹脂を硬化させ酵素又は微生物菌体が固定化された固定化成形物を得る工程である。ここで、ゲル中の光硬化性樹脂としては、前記親水性光硬化性樹脂(a)、前記親水性光硬化性樹脂(c)等が挙げられる。
図2において、前記ゲル5は、前記形成管2内で前記水性媒体3中に分散させた状態で、前記形成管2に併設された活性光線照射装置6から活性光線を照射される。前記ゲル5は、活性光線を照射されることにより、該ゲル5中の光硬化性樹脂が光硬化して酵素又は微生物菌体が固定化された固定化成形物7となる。
なお、前記ゲルは、前記水性媒体から分離した後、活性光線を照射されてもよい。
上記の光硬化に使用しうる活性光線の波長は、前記ゲル中に含まれる親水性光硬化性樹脂等の種類に応じて異なるが、一般には、約250〜約600nmの範囲内の波長の光を発する光源を照射に使用するのが有利である。そのような光源の例としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、蛍光灯、キセノンランプ、カーボンアーク灯、太陽光等が挙げられる。照射量は、光硬化性樹脂の種類等により適宜設定することができ、特に限定されるものではないが、一般には1200〜1800mJ/cmの範囲内とすることが好ましい。活性光線の照射が終った固定化成形物は水又は緩衝水溶液で洗浄し、そのままあるいは凍結乾燥して保存することができる。
前記酵素又は微生物菌体が固定化された固定化成形物は、前記併合液の所望の形状をほぼそのまま保持した形状となる。図2においては、前記酵素又は微生物菌体が固定化された固定化成形物7は、前記併合液4の形状と同じ二層構造を有する球状をしている。
得られた前記酵素又は微生物菌体が固定化された固定化成形物が球状の場合は、その直径が3〜5mmであることが、固定化成形物の水中での流動性がよい点から好ましい。
前記酵素又は微生物菌体が固定化された固定化成形物が円柱状である場合には、球状の場合と同様に円柱の直径が3〜5mmであることが固定化成形物の水中での流動性がよい点から好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。尚、「部」及び「%」は、別記しない限り「質量部」及び「質量%」を示す。
<製造例1>
親水性光硬化性樹脂ENTG−3800(商品名、関西ペイント社製、ポリアルキレングリコールの両末端に光重合可能なエチレン性不飽和基を有する化合物)100質量部に対して、光重合開始剤DAROCUR 1173(チバ・スペシャリティケミカルズ・ジャパン社製)0.4質量部を水の存在下で混合して、固形分濃度が20質量%、粘度が20mPasの水性液状組成物(A−1)を得た。
<製造例2>
親水性光硬化性樹脂ENTG−3800 100質量部に対して、光重合開始剤DAROCUR 1173 0.4質量部、アルギン酸ナトリウムB−1G(商品名、キミカ社製、アルギン酸ナトリウム)1.0質量部を水の存在下で混合して、固形分濃度が20質量%、粘度が200mPasの水性液状組成物(A−2)を得た。
<製造例3>
親水性光硬化性樹脂ENT−2000(商品名、関西ペイント社製、ポリアルキレングリコールの両末端に光重合可能なエチレン性不飽和基を有する化合物)100質量部に対して、光重合開始剤DAROCUR 1173 0.4質量部を水の存在下で混合して、固形分濃度が20質量%、粘度が18mPasの水性液状組成物(A−3)を得た。
<製造例4>
親水性光硬化性樹脂ENT−2000 100質量部に対して、光重合開始剤DAROCUR 1173 0.4質量部、アルギン酸ナトリウムB−1G 1.0質量部を水の存在下で混合して、固形分濃度が20質量%、粘度が190mPasの水性液状組成物(A−4)を得た。
<製造例5>
親水性光硬化性樹脂ENTG−3800 100質量部に対して、光重合開始剤DAROCUR 1173 0.4質量部、アルギン酸ナトリウムB−1G 1.0質量部、酵母Saccharomyces cereviae NBRC 0555(独立行政法人 製品評価技術基盤機構製、酵母)0.4質量部を水の存在下で混合して、固形分濃度が20質量%、粘度が200mPasの水性液状組成物(B−1)を得た。
<製造例6>
親水性光硬化性樹脂ENT−2000 100質量部に対して、光重合開始剤DAROCUR 1173 0.4質量部、アルギン酸ナトリウムB−1G 1.0質量部、酵母Saccharomyces cereviae NBRC 0555 0.4質量部を水の存在下で混合して、固形分濃度が20質量%、粘度が190mPasの水性液状組成物(B−2)を得た。
<実施例1>
開口の直径が1.0mmの中心ノズル(ノズルの厚みは0.4mm)と開口の外径が2.6mmの環状ノズルからなる略同心多重ノズルを塩化カルシウム水溶液(カルシウムイオン量0.27モル/l)からなる水性媒体の液面の上方20mmに配置した。続いて、中心ノズルからは3.7ml/minの流量で水性液状組成物(A−1)を流出させ、一方、環状ノズルからは3.7ml/minの流量で水性液状組成物(B−1)を流出させた。流出させて得られた水性液状組成物(A−1)と水性液状組成物(B−1)との併合液は、球状となり、前記水性媒体に没入した。没入した併合液は、水性媒体によりゲル化しゲルとなった。続いて該ゲルに紫外線を照射して光硬化性樹脂を硬化させ、二層構造をした粒径が4.2mmの球状の固定化成形物(1)を作成した。
固定化成形物(1)に固定化された酵母の活性は、グルコースを酵母によりエタノールへ転化させる発酵試験により評価した。発酵試験はのグルコース溶液(グルコース濃度100g/l)50mlに対し、固定化成形物(1)を10g入れて30℃の雰囲気下で行った。50時間後、63時間後のグルコース濃度を定量しグルコースの転化率を求めたところ、グルコースの転化率は50時間後が54%、63時間後が98%であった。
次に、固定化成形物(1)の機械的物性を圧縮破壊強度試験により評価した。圧縮破壊強度試験は、鉛直方向に20mm/minの速度で固定化成形物(1)に歪みを与え、その際の最大応力を測定した。固定化成形物(1)の最大応力は7.0MPaであった。
<実施例2>
開口の直径が1.0mmの中心ノズル(ノズルの厚みは0.4mm)と開口の外径が2.6mmの環状ノズルからなる略同心多重ノズルを塩化カルシウム水溶液(カルシウムイオン量0.27モル/l)からなる水性媒体の液面の上方20mmに配置した。続いて、中心ノズルからは3.7ml/minの流量で水性液状組成物(A−2)を流出させ、一方、環状ノズルからは3.7ml/minの流量で水性液状組成物(B−1)を流出させた。流出させて得られた水性液状組成物(A−2)と水性液状組成物(B−1)との併合液は、球状となり、前記水性媒体に没入した。没入した併合液は、水性媒体によりゲル化しゲルとなった。続いて該ゲルに紫外線を照射して光硬化性樹脂を硬化させ、二層構造をした粒径が4.2mmの球状の固定化成形物(2)を作成した。
固定化成形物(2)に固定化された酵母の活性は、グルコースを酵母によりエタノールへ転化させる発酵試験により評価した。発酵試験はグルコース溶液(グルコース濃度100g/l)50mlに対し、固定化成形物(2)を10g入れて30℃の雰囲気下で行った。50時間後、63時間後のグルコース濃度を定量しグルコースの転化率を求めたところ、グルコースの転化率は50時間後が54%、63時間後が98%であった。
次に、固定化成形物(2)の機械的物性を圧縮破壊強度試験により評価した。圧縮破壊強度試験は、鉛直方向に20mm/minの速度で固定化成形物(2)に歪みを与え、その際の最大応力を測定した。固定化成形物(2)の最大応力は7.0MPaであった。
<実施例3>
開口の直径が1.0mmの中心ノズル(ノズルの厚みは0.4mm)と開口の外径が2.6mmの環状ノズルからなる略同心多重ノズルを塩化カルシウム水溶液(カルシウムイオン量0.27モル/l)からなる水性媒体の液面の上方20mmに配置した。続いて、中心ノズルからは3.7ml/minの流量で水性液状組成物(A−3)を流出させ、一方、環状ノズルからは3.7ml/minの流量で水性液状組成物(B−2)を流出させた。流出させて得られた水性液状組成物(A−3)と水性液状組成物(B−2)との併合液は、球状となり、前記水性媒体に没入した。没入した併合液は、水性媒体によりゲル化しゲルとなった。続いて該ゲルに紫外線を照射して光硬化性樹脂を硬化させ、二層構造をした粒径が4.2mmの球状の固定化成形物(3)を作成した。
固定化成形物(3)に固定化された酵母の活性は、グルコースを酵母によりエタノールへ転化させる発酵試験により評価した。発酵試験はグルコース溶液(グルコース濃度100g/l)50mlに対し、固定化成形物(3)を10g入れて30℃の雰囲気下で行った。50時間後、63時間後のグルコース濃度を定量しグルコースの転化率を求めたところ、グルコースの転化率は50時間後が53%、63時間後が98%であった。
次に、固定化成形物(3)の機械的物性を圧縮破壊強度試験により評価した。圧縮破壊強度試験は、鉛直方向に20mm/minの速度で固定化成形物(3)に歪みを与え、その際の最大応力を測定した。固定化成形物(3)の最大応力は6.7MPaであった。
<実施例4>
開口の直径が1.0mmの中心ノズル(ノズルの厚みは0.4mm)と開口の外径が2.6mmの環状ノズルからなる略同心多重ノズルを塩化カルシウム水溶液(カルシウムイオン量0.27モル/l)からなる水性媒体の液面の上方20mmに配置した。続いて、中心ノズルからは3.7ml/minの流量で水性液状組成物(A−4)を流出させ、一方、環状ノズルからは3.7ml/minの流量で水性液状組成物(B−2)を流出させた。流出させて得られた水性液状組成物(A−4)と水性液状組成物(B−2)との併合液は、球状となり、前記水性媒体に没入した。没入した併合液は、水性媒体によりゲル化しゲルとなった。続いて該ゲルに紫外線を照射して光硬化性樹脂を硬化させ、二層構造をした粒径が4.2mmの球状の固定化成形物(4)を作成した。
固定化成形物(4)に固定化された酵母の活性は、グルコースを酵母によりエタノールへ転化させる発酵試験により評価した。発酵試験はグルコース溶液(グルコース濃度100g/l)50mlに対し、固定化成形物(4)を10g入れて30℃の雰囲気下で行った。50時間後、63時間後のグルコース濃度を定量しグルコースの転化率を求めたところ、グルコースの転化率は50時間後が55%、63時間後が98%であった。
次に、固定化成形物(4)の機械的物性を圧縮破壊強度試験により評価した。圧縮破壊強度試験は、鉛直方向に20mm/minの速度で固定化成形物(4)に歪みを与え、その際の最大応力を測定した。固定化成形物(4)の最大応力は6.7MPaであった。
<比較例1>
開口の直径が2.4mmのノズルを塩化カルシウム水溶液(カルシウムイオン量0.27モル/l)からなる水性媒体の液面の上方20mmに配置した。続いて該ノズルから7.4ml/minの流量で水性液状組成物(B−1)を流出させた。流出した水性液状組成物(B−1)は球状となり、前記水性媒体に没入した。没入後は、該水性液状組成物(B−1)は水性媒体によりゲル化しゲルとなった。続いて該ゲルに紫外線を照射して光硬化性樹脂を硬化させ、粒径が4.2mmの球状の固定化成形物(5)を作成した。該固定化成形物(5)中の酵母の量は、実施例1の固定化成形物(1)中の酵母の量の2倍である。
固定化成形物(5)に固定化された酵母の活性は、グルコースを酵母によりエタノールへ転化させる発酵試験により評価した。発酵試験はグルコース溶液(グルコース濃度100g/l)50mlに対し、固定化成形物(5)を10g入れて30℃の雰囲気下で行った。50時間後、63時間後のグルコース濃度を定量しグルコースの転化率を求めたところ、グルコースの転化率は50時間後が56%、63時間後が98%であった。
次に、固定化成形物(5)の機械的物性を圧縮破壊強度試験により評価した。圧縮破壊強度試験は、鉛直方向に20mm/minの速度で固定化成形物(5)に歪みを与え、その際の最大応力を測定した。固定化成形物(5)の最大応力は6.9MPaであった。
<比較例2>
開口の直径が1.0mmの中心ノズル(ノズルの厚みは0.4mm)と開口の外径が2.6mmの環状ノズルからなる略同心多重ノズルを塩化カルシウム水溶液(カルシウムイオン量0.27モル/l)からなる水性媒体の液面の上方20mmに配置した。続いて、中心ノズルからは水を3.7ml/minの流量で流出させ、一方、環状ノズルからは3.7ml/minの流量で水性液状組成物(B−1)を流出させた。流出させて得られた水と水性液状組成物(B−1)との併合液は、カプセル状の球状となり、前記水性媒体に没入した。没入した併合液は、水性媒体によりゲル化しゲルとなった。続いて該ゲルに紫外線を照射して光硬化性樹脂を硬化させ、核が水からなるカプセル構造をした粒径が4.2mmの固定化成形物(6)を作成した。
固定化成形物(6)の機械的物性を圧縮破壊強度試験により評価した。圧縮破壊強度試験は、鉛直方向に20mm/minの速度で固定化成形物(6)に歪みを与え、その際の最大応力を測定した。固定化成形物(6)の最大応力は3.0MPa以下であった。

本発明の製造方法で用いる略同心多重ノズルとその近傍の一態様を示す図である。 本発明の製造方法で用いる活性光線を照射する工程の一態様を示す図である。
符号の説明
1:略同心多重ノズル
1a:中心ノズル
1b:環状ノズル
2:形成管
3:アルカリ金属イオン又は多価金属イオンを含有する水性媒体
4:併合液
5:ゲル
6:活性光線照射装置
7:固定化成形物

Claims (2)

  1. 中心ノズルと該中心ノズルを略同心に囲む環状ノズルとを有する略同心多重ノズルをアルカリ金属イオン又は多価金属イオンを含有する水性媒体の液面の上方に配置する工程(I)と、
    前記中心ノズルから流出される、(a)1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する親水性光硬化性樹脂、及び(b)光重合開始剤を含んでなる水性液状組成物(A)と、前記環状ノズルから流出される、(c)1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する親水性光硬化性樹脂、(d)光重合開始剤、(e)アルカリ金属イオン又は多価金属イオンとの接触によりゲル化する能力のある水溶性高分子多糖類、及び(f)酵素又は微生物菌体を含んでなる水性液状組成物(B)との併合液を、前記水性媒体に没入させる工程(II)と、
    前記水性媒体に没入された前記併合液をゲル化させゲルを得る工程(III)と、
    前記工程(III)で得られるゲルに活性光線を照射して該ゲル中の光硬化性樹脂を硬化させ酵素又は微生物菌体が固定化された固定化成形物を得る工程(IV)とを有する固定化成形物の製造方法。
  2. 前記固定化成形物が二層構造を有する球状である請求項1記載の固定化成形物の製造方法。
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