JP2010035281A - 電動オイルポンプ用モータ制御装置 - Google Patents

電動オイルポンプ用モータ制御装置 Download PDF

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清 吉田
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Abstract

【課題】油温が変化した場合でも、必要な油圧または流量を確保できる電動オイルポンプ用モータ制御装置を提供することにある。
【解決手段】モータ制御装置3は、ポンプ回路に配置された電動オイルポンプ1を駆動するブラシレスモータ2の駆動を制御する。上位のAT制御装置4から入力する制御指令値は、電動オイルポンプ1の吐出油温が変化した場合でも、電動オイルポンプの吐出圧が変わらないように補正されたものである。モータ制御装置3の制御指令発生手段は、上位のAT制御装置4から入力する制御指令値に対して、ブラシレスモータの温度による出力の変動分を補正した上で、補正後の制御指令値を出力する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電動オイルポンプ用モータ制御装置に係り、特に自動車AT用オイルポンプ回路に設ける電動オイルポンプの駆動用として好適な電動オイルポンプ用モータ制御装置に関する。
自動車の燃費の向上や環境問題からガソリンエンジンと電動モータで駆動するハイブリッド車が開発されている。ハイブリット車は、車両停車時にエンジンを停止させるいわゆるアイドルストップ制御を行う。そのため、アイドルストップ時には、変速機用オイル潤滑系や変速機を動作させるクラッチ等のアクチュエータ駆動用油圧力確保のために、モータで駆動する電動オイルポンプ方式が採用されている。
モータで駆動する電動オイルポンプ方式のオイルポンプでは、オイルポンプの作動油は温度により粘性が変わるため、流量が変化し、油圧力も変わる。そのために、例えば、油温が変化しても作動油の流量が変らないようにするため、オイルポンプ駆動用モータのトルク制御値を変化させることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−161851号公報
一般に、電動オイルポンプ方式のオイルポンプでは、オイルポンプは、モータにより駆動される。モータの出力トルクや回転数は、モータ制御装置によって制御される。モータ制御装置には、上位のAT制御装置から、モータトルク指令若しくはモータ回転数指令が入力する。モータ制御装置は、入力したモータトルク指令に基づいて、モータの出力トルクが指令値と一致するように制御し、また、入力したモータ回転数指令に基づいて、モータの回転数が指令値と一致するように制御する。
ここで、特許文献1記載の方式では、上位のAT制御装置からモータ制御装置に対して、オイルポンプの作動油の温度の変化に対して補正された指令値を出力する。そのため、モータ制御装置は、この指令値となるように、モータ出力トルク若しくはモータ回転数を制御することで、オイルポンプの作動油の粘性が温度により変化し、油圧力が変化するのを防止することはできる。
しかしながら、特許文献1に記載のように、オイルポンプの駆動トルク、すなわち、ポンプを駆動するモータのトルク指令値を、作動油の油温に応じて決定する場合においては、例えば、モータが温度上昇した場合にはマグネットの減磁により出力トルクが低下するために、指令値とおりモータ出力トルクを一定にすることができないものである。
本発明の目的は、油温が変化した場合でも、必要な油圧または流量を確保できる電動オイルポンプ用モータ制御装置を提供することにある。
(1)上記目的を達成するために、本発明は、ポンプ回路に配置された電動オイルポンプを駆動するブラシレスモータの駆動を制御するものであり、上位のAT制御装置から入力する制御指令値が、前記電動オイルポンプの吐出油温が変化した場合でも、前記電動オイルポンプの吐出圧が変わらないように補正されたものであるブラシレスモータ制御装置であって、前記上位のAT制御装置から入力する制御指令値に対して、前記ブラシレスモータの温度による出力の変動分を補正した上で、補正後の制御指令値を出力する制御指令発生手段を備えるようにしたものである。
かかる構成により、油温が変化した場合でも、必要な油圧または流量を確保できるものとなる。
(2)上記(1)において、好ましくは、前記制御指令発生手段は、前記上位のAT制御装置から入力する制御指令値から前記ブラシレスモータの温度を算出し、この算出されたモータ温度に基づいて、前記ブラシレスモータの温度による出力の変動分を補正するようにしたものである。
(3)上記(1)において、好ましくは、前記制御指令発生手段は、前記電動オイルポンプの油温を検出する油温検出手段からの油温情報に基づいて、前記ブラシレスモータの温度による出力の変動分を補正するようにしたものである。
(4)上記(1)において、好ましくは、前記制御指令発生手段は、前記ブラシレスモータの温度をモータ温度検出手段からのモータ温度情報に基づいて、前記ブラシレスモータの温度による出力の変動分を補正するようにしたものである。
(5)上記(1)において、好ましくは、前記モータ制御装置への入力指令値は、前記AT制御装置から発生する油温で補正されたモータトルク指令値、または、モータ回転速度制御指令値である。
本発明によれば、油温が変化した場合でも、必要な油圧または流量を確保できるものとなる。
以下、図1〜図12を用いて、本発明の第1の実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置の構成について説明する。
最初に、図1を用いて、本実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置を適用するAT用油圧ポンプシステムの構成について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置を適用するAT用油圧ポンプシステムの構成を示すブロック図である。
変速機7やアクチェータ8に、オイルパン10のオイルを供給するオイルポンプとしては、機械式オイルポンプ6と電動オイルポンプ1とを備えている。機械式オイルポンプ6は、エンジンの出力により駆動される。したがって、通常のエンジンが回転している状態では、機械式オイルポンプ6が用いられる。ただし、エンジンが停止したアイドルストップ時には、機械式オイルポンプ6は駆動できないため、電動オイルポンプ1が用いられる。
アイドルストップ時に動作する電動オイルポンプ1は、直結されたブラシレスモータ2により駆動される。ブラシレスモータ2は、モータ制御装置3により、上位のAT制御装置4からの指令に基づいて制御される。モータ制御装置3は、ブラシレスモータ2を制御してオイルポンプ1を駆動し、電動オイル配管5のオイルを矢印FP2の方向へ流す。
一方、車両の通常運転時、すなわち、エンジン駆動中は、車両のエンジンにより駆動される機械式オイルポンプ6により、変速機7やアクチェータ8にオイル配管9を介してオイルパン10のオイルが矢印FP1の方向へ流れ、変速機7の潤滑やアクチェータ8の駆動を行う。その場合には、電動オイルポンプ1へのオイルは逆止弁11により遮断されて流れない。
アイドルストップすると、エンジン回転数が低下し、機械式ポンプ6も回転数が低下して行きオイル配管9の油圧力も低下する。アイドルストップと同時にAT制御装置4よりモータ起動の指令がモータ制御装置3へ発せられ、ブラシレスモータ2を駆動して電動オイルポンプ1を回転させて、電動オイル配管5に流れるオイルを矢印FP2の方向に流し、油圧を徐々に上昇させる。機械式オイルポンプ6の油圧力が低下し、逆止弁11により阻止されていた電動オイルポンプ1の油圧力がある閾値をこえると、オイルは電動オイル配管5、電動オイルポンプ1、逆止弁11、変速機7やアクチェータ8、オイルパン10の経路を通り循環する動作を行う。
油圧制御に用いるオイルは、温度依存性が大きく、高温時は粘性が低くなり油圧力を確保するためにポンプ1は高回転で運転される。一方、低温時には粘性が高くなりポンプ1の回転数は低くても油圧が確保される。その場合の油温を油温温度センサ12により検出し、油温の情報がAT制御装置4へ入力される。AT制御装置4は、油温情報に基づいて、オイルポンプの作動油の粘性が温度により変化して、油圧力が変化するのを防止するように、油温情報に基づいて補正されたモータの出力トルク若しくはモータの回転数の指令値を、モータ制御装置3に出力する。なお、AT制御装置4から出力される指令値は、オイルポンプの作動油の粘性が温度により変化して、油圧力が変化するのを防止する点を補正しただけであり、モータが温度上昇することでモータのマグネットの減磁により出力トルクが低下する点については、補正されていないものである。
ここで、図2〜図4を用い、本実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置を適用するAT用ポンプシステムにおいて、電動オイルポンプをブラシレスモータで駆動した場合の動作特性について説明する。
図2は、本発明の第1の実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置を適用するAT用油圧ポンプシステムにおいて、電動オイルポンプをブラシレスモータで駆動した場合の動作特性の説明図である。図3は、本発明の第1の実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置を適用するAT用油圧ポンプシステムにおいて、電動オイルポンプをブラシレスモータで駆動した場合のモータの温度変化によるモータ制御特性の説明図である。図4は、本発明の第1の実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置を適用するAT用油圧ポンプシステムにおいて、電動オイルポンプをブラシレスモータで駆動した場合の油温によるモータのトルク及び回転速度特性の変化の説明図である。
図2(a)において、横軸は油温度Tを示し、縦軸はモータの出力トルクとモータ回転速度を示している。ポンプ負荷の場合には、オイルの粘性が温度により大きく変わることによりモータの負荷としては温度により大きく変化する。その結果、モータの出力トルク及びモータ回転速度も図2(a)に示したように大きく変化する。
一方、モータ特性のトルク定数も図2(b)に示すようにモータ温度の高温時には低下する特性を示す。
この結果、図3(a),(b)に示すように、モータの制御特性は、高温時には、モータトルク及びモータ回転速度が低下する特性となる。
したがって、図4(a),(b)の点線の特性で示すように、油温に対するトルク特性とモータ回転速度特性は、入力指令値に対してさらに低下する特性となる。
次に、図5を用いて、本実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置を適用するAT用油圧ポンプシステムの要部の構成について説明する。
図5は、本発明の第1の実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置を適用するAT用油圧ポンプシステムの要部の構成を示すブロック図である。なお、図5において、図1と同一符号は、同一部分を示している。
AT制御装置4には、油温温度セン12で検出された、ポンプ1に流れるオイルの温度情報が入力する。モータ制御装置3には、制御指令として、AT制御装置4よりトルク指令値τc、若しくは回転速度指令値ωcを入力する。
モータ制御装置3は、入力の指令に応じて、トルク制御、あるいは、回転速度制御により、ブラシレスモータ2を駆動し、モータに直結された電動オイルポンプ1を廻し、オイル配管5の内部のオイルを循環させる。
次に、図6を用いて、本実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置により制御されるブラシレスモータ2の構成について説明する。
図6は、本発明の第1の実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置により制御されるブラシレスモータの構成を示す部分断面図である。なお、図6において、図1と同一符号は、同一部分を示している。
ブラシレスモータ2は、ステータコア21、ステータ巻線22、ロータのマグネット23、ベアリング24、モータシャフト25、ハウジング等で構成される。オイルポンプ1とブラシレスモータ2は、一体構造となっている。
したがって、オイルポンプ1とモータ2の温度は、オイルの温度と略同じ温度となる。その温度を検出するために、オイルポンプ1あるいは、オイル配管5の近傍には、オイル配管5内に流れるオイルの温度を検出する温度センサ12が設置されている。
次に、図7及び図8を用いて、本実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置を適用するAT用油圧ポンプシステムの動作について説明する。
図7は、本実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置を適用するAT用油圧ポンプシステムにおける、モータをトルク制御で動作させた場合の電動オイルポンプの動作特性図である。図8は、本実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置を適用するAT用油圧ポンプシステムにおける、モータを回転速度制御で動作させた場合の電動オイルポンプの動作特性図である。
図7は、油温によりオイルポンプが必要とするトルクとなるように制御するとともに、モータの温度影響による特性変化を制御した場合の制御特性を示している。
図7の特性は、予め電動オイルポンプの特性より、油温に対するトルク制御に必要なトルク指令値を求めたものをグラフ化したものである。
例えば、モータの温度影響を考えない場合には、入力指令値Aの特性となり、AT制御装置からモータ制御装置3へは、油温To時に対してトルク指令値τ1を発生する。しかし、その場合には、モータの温度影響で、ポンプ必要とするモータトルクより低い値となる。
そこで、モータ制御装置3においては、油温To時のトルク指令値τ1が入力された場合には、指令値をτ2に変更する。すなわち、モータ温度補正後の指令値Bを指令値としてモータ2を駆動する。
図8は、油温によりオイルポンプが必要とする回転速度となるように制御するとともに、モータの温度影響による特性変化を制御した場合の制御特性を示している。
例えば、モータの温度影響を考えない場合には、入力指令値Aの特性となり、AT制御装置からモータ制御装置3へは、油温To時に対して回転速度指令値ω1を発生する。しかし、その場合には、モータの温度影響で、ポンプ必要とするモータ回転数より低い値となる。
そこで、モータ温度の影響を補償するために、モータの温度影響が補正されたモータ回転速度指令値ω2を指令値としてモータ2を駆動する。
以上の方法により、電動オイルポンプシステムにおいて、ポンプのオイルの温度変化による影響を防止し、ポンプが必要とする要求特性で動作させることが可能である。
次に、図9〜図12を用いて、本発明の第1の実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置の詳細構成及び動作について説明する。
最初に、図9を用いて、本発明の第1の実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置の全体構成について説明する。
図9は、本発明の第1の実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置の全体構成を示すブロック図である。なお、図1や図5と同一符号は、同一部分を示している。
モータ制御装置3には、上位AT制御装置からの制御信号のトルク指令値τc、または、回転速度指令値ωcが入力する。
モータ制御手段3は、制御指令発生手段31と、電流検出器32、33と、電流検出手段34と、電流制御手段35と、位置・速度制御演算手段36と、ブラシレス制御手段37と、PWM INV(PWMインバータ)手段38と、電流偏差演算器39とを備えている。
制御発生装置31は、トルク指令値τc、または、回転速度指令値ωcに応じて、ブラシレスモータのq軸電流Iq*を発生する。なお、上位のAT制御装置から発生したトルク指令値τcは、油温情報に基づいて、オイルポンプの作動油の粘性が温度により変化して、油圧力が変化するのを防止するように、油温情報に基づいて補正されたものである。制御指令発生装置31の詳細については、図10〜図12を用いて後述するが、制御発生装置31は、トルク指令値τc、または、回転速度指令値ωcに基づいて、モータ2の温度を算出し、この算出されたモータ温度に基づいて、モータ温度上昇によりマグネットの減磁が発生し、これにより出力トルクが低下する分を補正した上で、ブラシレスモータのq軸電流Iq*を発生する。なお、制御発生装置31は、後述するように、制御発生装置31は、モータの回転速度がオーバスペック領域に入らないように、ブラシレスモータのq軸電流指令値Iq*を制限する。
電流検出器32,33は、モータ2に供給される三相電流の二相の電流Iu,Iwを検出する。位置・速度検出演算手段36は、電流検出器32,33で検出されたブラシレスモータ電流Iu,Iwにより、磁極位置θmと、モータ回転速度ω1*を演算する。モータ回転速度ω1*は、制御発生手段31に入力する。
電流検出手段34は、電流検出器32,33によって検出された信号を入力して、磁極位置θmを用いて、ブラシレスモータのq軸電流Iqfを検出する。
電流制御手段35は、制御発生手段31が出力する電流指令値Iq*と、電流のフィードバック値Iqfより、電流偏差演算器39で得られた偏差値(Iq*−Iqf)を入力し演算して、第2の電流指令値Iq**を出力する。
ブラシレス制御手段37は、電流制御手段35の出力信号Iq**と、位置・速度検出演算手段36が出力する回転速度ω1*、及びブラシレスモータのd軸電流指令値Id(例えば、Id=0)を入力し、ベクトル演算を行い、3相電圧指令値Vu,Vv,Vwを出力する。
PWMインバータ手段(PWM・INV)38は、内部にスイッチング素子を備え、バッテリから供給される直流電力を3相交流電力に変換して、モータ2に供給する。PWMインバータ手段38は、ブラシレス制御手段37からの3相電圧指令値Vu,Vv,Vwに応じて、スイッチング素子をオンオフする。
電動オイルポンプ1は、PWMインバータ手段38により、電動オイルポンプ1に直結されたブラシレスモータ2で駆動される。
上記構成において、上位のAT制御装置よりモータ制御装置3へ制御指令が発生すると、制御指令発生手段31では、入力されたトルク指令値τc、あるいは、回転速度指令値ωc、及びフィードバック信号のモータ回転速度ω1*に基づいて、図7及び図8の特性となるよう後述する手段により電流指令値Iq*を出力する。
ブラシレス制御手段37は、ブラシレスモータの電流指令値Iq**とd軸電流指令値Id及び回転速度ω1*を入力し、ベクトル演算を行う。
PWMインバータ手段38は、ブラシレス制御手段37の出力電圧Vu,Vv,Vwを入力し、三相交流に変換後ブラシレスモータ2を回転させて電動オイルポンプ1を駆動する。
次に、図10を用いて、本実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置に用いる制御発生手段31の詳細構成について説明する。図10は、制御指令発生手段31がトルク制御方式で動作するものである。
図10は、本発明の第1の実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置に用いる制御指令発生手段の構成を示すブロック図である。なお、図9と同一符号は、同一部分を示している。
図10は、トルク制御方式で制御する場合であり、入力信号は、トルク指令値τcである。
制御指令発生手段31は、トルク補正係数算出手段311と、温度算出手段312と、定数変換手段313と、回転速度算出手段314と、速度偏差演算手段315と、速度制御手段316と、電流指令加算手段317と、乗算器319とを備えている。
温度算出手段312は、上位AT制御装置からの制御信号のトルク指令値τcを入力して、油温情報Tcを算出する。上位AT制御装置からの制御信号のトルク指令値τcは、本来、油温が一定であれば、一定値となっている。しかし、油温によって補正された値となっているため、油温に応じて変化する値となっている。したがって、温度算出手段312は、上位AT制御装置からの制御信号のトルク指令値τcから、油温情報Tcを算出することができる。モータ2の温度は、オイルの温度と略同じ温度となるため、油温情報Tcは、モータの温度とも言える。
トルク補正係数算出手段311は、温度算出手段312の油温情報Tcに基づいて、モータの温度が上昇したとき、マグネットの減磁により出力トルクが低下することを補正するための、トルク補正係数kτmを算出する。
乗算器319は、上位AT制御装置からの制御信号のトルク指令値τcに、トルク補正係数算出手段311が出力するトルク補正係数kτmを乗じて、トルク指令値τmを発生する。
定数変換手段313は、トルク指令値τmを電流指令値Iq1に変換する。回転速度算出手段314は、前もって計算、あるいは、実測で得られたトルクと回転速度の関係より、トルク指令値τmを入力し、回転速度指令値ω1を発生する。
速度偏差演算手段315は、回転速度指令値ω1とモータ実回転速度ω1*との偏差を演算する。速度制御手段316は、速度偏差演算手段315の出力を入力とし、電流指令値Iq2を出力する。
電流指令加算手段317は、速度制御手段316の出力の電流指令値Iq2と、前記電流指令値Iq1とを加算し、ブラシレスモータのq軸電流指令値Iq*を発生する。
次に、制御指令発生手段31の動作ついて説明する。
温度算出手段312は、トルクτcより油温情報Tcの最適値を演算または、テーブルマップより決定し油温Tcを出力する。温度算出手段312における演算は、例えば、図7に示したモータトルク指令値τcと油温Tとの関係から算出する。
トルク補正係数算出手段311は、図2(b)と図7より温度特性を考慮して得られたモータトルク値と温度算出手段312でえられた油温Tcとを基に、トルク補正係数kτmを算出する。そして、乗算器319により、トルク指令値τmを算出する。定数変換手段313は、トルク指令値τmを電流指令値Iq1に変換する。
次に、トルク制御方式における回転速度値の制限動作について説明する。
回転速度算出手段314においては、トルク補正係数算出手段311の出力のトルク指令値τmを入力し、トルク値に必要なモータ回転速度の最適値を演算、または、テープルマップより決定し回転速度指令値ω1を出力する。
回転速度算出手段314における演算は、例えば、図2(a)に示したモータトルクと回転速度との関係から速度指令値ω1を算出する。
速度制御手段316は、回転速度指令値ω1とモータ実回転速度ω1*とを速度偏差演算手段315で偏差演算し、速度制御演算後、第2の電流指令値Iq2を出力する。電流指令加算手段317は、前記電流指令値Iq1と第2の電流指令値Iq2を加算し電流指令値Iq*とする。
トルク制御動作中における回転速度の制限動作は、次のようになる。回転速度算出手段314でトルクから決定される回転速度の制限値ω1が出力されると、モータの実回転速度ω1*がω1より大きい場合には、速度偏差が零になるように速度偏差演算手段315の出力がマイナスとなり、速度制御手段316を介して、第2の電流指令値 Iq2により電流指令加算手段317を減算し、速度偏差演算手段315が零になるように働き、モータの実回転速度ω1*が回転速度の制限値ω1と一致するように動作し回転速度を制限する。一方、実回転速度ω1*が回転速度の制限値ω1より低い場合には回転速度を増加させる動作を行い必要回転速度に維持することができる。
次に、図11を用いて、本実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置に用いる制御発生手段31Aの詳細構成について説明する。図11は、制御指令発生手段31Aが回転速度制御方式で動作するものである。
図11は、本発明の第1の実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置に用いる制御指令発生手段の別の構成を示すブロック図である。なお、図9と同一符号は、同一部分を示している。
図11は、トルク制御方式で制御する場合であり、入力信号は、回転速度指令値ωcである。
制御指令発生手段31Aは、回転速度補正係数算出手段321と、温度算出手段322と、定数変換手段323と、トルク算出手段324と、速度偏差演算手段325と、速度制御手段326と、定数変換手段327と、電流制限手段328と、乗算器329とを備えている。
温度算出手段322は、上位AT制御装置からの制御信号の回転速度指令値ωcを入力して、油温情報Tcを算出する。回転速度補正係数算出手段321は、温度算出手段322の油温情報Tcに基づいて、モータの温度が上昇したとき、マグネットの減磁により出力トルクが低下することを補正するための、回転速度補正係数kωmを算出する。
乗算器329は、上位AT制御装置からの制御信号の回転速度指令値ωcに、回転速度補正係数算出手段321が出力する回転速度補正係数kωmを乗じて、回転速度指令値ω1を発生する。
トルク算出手段324ではトルク指令値τを入力して電流値に変換し、電流指令制限値Iq4を出力する。速度偏差演算手段325は、回転速度補正係数算出手段321が発生した回転速度指令値ω1と、モータ実回転速度ω1*との偏差演算を行う。速度制御手段326には、速度偏差演算手段325が出力する速度偏差を入力し、電流指令値Iq2を出力する。定数変換手段327は、速度制御手段326が出力する電流指令値Iq2を定数変換し、電流指令値Iq4を出力する。
電流制限手段328には、定数変換手段327が出力する電流指令値Iq3を入力し、トルク算出手段324より発生する電流指令制限値Iq4により、最終電流指令値Iq*を発生する。
次に、制御指令発生手段31Aの動作について説明する。
温度算出手段322は、回転速度ωcより油温情報Tcの最適値を演算または、テーブルマップより決定し油温Tcを出力する。温度算出手段322における演算は、例えば、図8に示したモータ回転速度指令値ωcと油温Tとの関係から算出する。
回転速度補正係数算出手段321は、図2(b)と図8より温度特性を考慮して得られたモータ回転速度指令値と温度算出手段322で得られた油温Tcとを基に回転速度指令値ω1を算出する。
速度偏差演算手段325は、回転速度指令値ω1とフィードバックされたモータの実回転速度ω1*との偏差をとる。速度制御手段326は、モータ実回転速度ω1*が回転速度指令値ω1と同じくなるよう速度制御を行なうための電流指令値Iq2を出力する。電流指令値Iq2は、定数変換手段327を介して電流指令値 Iq3を発生する。
ここで、速度制御におけるトルク制限動作は、次のような動作となる。
定数変換手段323では、回転速度補正係数算出手段321の出力の回転速度指令値ω1に対しての必要トルクτを演算、または、テーブルデータとりトルクτを求め出力し、トルク算出手段324により電流指令制限値Iq4に変換する。電流制限手段328は、入力電流指令値Iq3に対して電流制限値Iq4と比較し、電流指令値Iq3が電流制限値Iq4を越えないように制限をかける。その結果を最終の電流指令値Iq*として出力する。
次に、図12を用いて、本実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置による制御動作について説明する。
図12は、本発明の第1の実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置による制御動作の特性説明図である。
本実施形態の方法を用いれば、図12に示すごとく、電動オイルポンプ駆動ブラシレスモータシステムにおいて、油温が変化した場合において、また、モータの温度上昇にともないモータの出力トルクが低下した場合においても、オイルポンプの要求必要な特性となるように、モータの回転速度ωmとモータトルクτmが決定されるので、モータ及びオイルポンプが必要以上の出力での動作することを抑制するとともに、モータ温度上昇にともなうモータの出力トルクの変動も抑制することが可能であり、電動オイルポンプが必要とするモータの回転速度とモータ出力トルクとなるように最適に制御できるものとなる。
従来、上位のAT制御装置から発生したトルク指令値τcは、油温情報に基づいて、オイルポンプの作動油の粘性が温度により変化して、油圧力が変化するのを防止するように、油温情報に基づいて補正されたものである。しかしながら、モータ2の温度が上昇すると、マグネットの減磁が発生し、これによりモータの出力トルクが低下する。その結果、モータによって駆動されるポンプの吐出圧が、モータの温度が上昇すると、低下することになる。一方、電動オイルポンプに求められる特性としては、ポンプの吐出圧が所定圧以上となることを求められるため、従来は、モータの体格(モータの直径や、モータの軸方向の長さ)を大きくすることで、モータの出力トルクを大きくし、仮に、モータの温度が上昇した場合でも、所定圧以上の吐出圧が得られるようにしている。
それに対して、本実施形態では、制御発生装置31は、トルク指令値τc、または、回転速度指令値ωcに基づいて、モータ2の温度を算出し、この算出されたモータ温度に基づいて、モータ温度上昇によりマグネットの減磁が発生し、これにより出力トルクや回転速度の低下する分を補正するようにしているため、従来よりも、小型のモータを用いることができる。本実施形態では、モータの体格は従来用いていたものよりも、20〜30%小型化できる。この効果は、特に、オイルを供給するポンプをモータにより駆動する電動オイルポンプ駆動システム固有のものであり、ポンプが供給するオイルの温度変化の問題及びポンプを駆動するモータのオイルからの熱の影響の問題を複合的に解決することができる。
また、モータの温度上昇分を補正するには、モータの温度情報が必要となるが、本実施形態では、上位のAT制御装置から発生したトルク指令値τcや回転速度指令ωcに基づいて、油温を算出するようにしているため、モータの温度を検出するための温度センサを不要とでき、また、温度センサからの温度情報を入力するための信号線も不要となる。従来、一般に、モータ制御装置3の信号線は2本のみである。第1の信号線は、上位のAT制御装置から発生したトルク指令値τcや回転速度指令ωcを入力する信号線であり、第2の信号線は、モータ制御装置3の内部の異常等を、上位のAT制御装置に通知するための信号線である。一般に、上位のAT制御装置とモータ制御装置とを接続する信号線の数は予め決まっているため、新たに、温度センサからの温度信号を取り込むための信号線を追加することが難しい場合に、本実施形態は特に有効である。
以上説明したように、本実施形態によれば、油温が変化した場合でも、必要な油圧または流量を確保できる。したがって、従来よりも、小型のモータを用いることができる。
また、電動オイルポンプの油圧及び流量を必要特性に制御できるので、必要以上の出力の発生もなく、モータ及びコントローラの熱的損失を低減することもできる。
さらに、電動オイルポンプの異常回転上昇等による振動発生や異常音の発生等も低減できる。
次に、図13〜図16を用いて、本発明の第2の実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置を適用する電動オイルポンプ駆動システムの構成及び動作について説明する。
最初に、図13を用いて、本実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置を適用するAT用油圧ポンプシステムの要部の構成について説明する。
図13は、本発明の第2の実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置を適用するAT用油圧ポンプシステムの要部の構成を示すブロック図である。なお、図13において、図1及び図5と同一符号は、同一部分を示している。
図13に示した電動オイルポンプ駆動システムは、基本的な構成は、図5に示した構成と同様であるが、モータ制御装置3’に対する制御指令が、図5に示したものと異なるところは、次の点である。
すなわち、上位のAT制御装置4からの制御指令としては、トルク指令、または、回転速度指令に加えて、油温がある。
第1実施形態においては、油温を油温温度センサ12で検出し、温度信号をAT制御装置4に入力する。AT制御装置4は、検出した油温に応じた、トルク指令値、または、回転速度指令値をモータ制御装置3へ出力している。
そして、モータ制御装置3においては、油温により補正された制御信号、すなわち、制御指令のトルク指令値、または、回転速度指令値より温度情報を推定し、さらに、モータに対する出力トルク特性の温度影響を無くすために温度補正を行なっている。
一方、本実施形態においては、AT用油圧ポンプシステムの詳細の構成が異なる点は、次の通りである。
図13に示したごとく、油温センサ12で検出した油温情報をAT制御装置4より、モータ制御装置3’へ直接入力している。
次に、図14を用いて、本発明の第2の実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置の構成について説明する。
図14は、本発明の第2の実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置の構成を示すブロック図である。なお、図13において、図9と同一符号は、同一部分を示している。
本実施形態において、図9に示した実施形態と異なる点は、上位のAT制御装置4からのトルク指令τcまたは回転速度指令ωc、及び油温センサ12で検出した油温情報がモータ制御装置3’の制御指令発生手段31’に入力することである。
制御指令発生手段31’は、油温情報に基づいて、トルク指令τcまたは回転速度指令ωcを補正して、モータの温度上昇によるモータの出力トルクの低下分を補正して、トルク指令値τc、または、回転速度指令値ωcに応じて、ブラシレスモータのq軸電流Iq*を発生する。
その他の構成及び動作は、図9に示したものと同様である。
次に、図15を用いて、本実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置に用いる制御発生手段31’の詳細構成について説明する。図15は、制御指令発生手段31’がトルク制御方式で動作するものである。
図15は、本発明の第2の実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置に用いる制御指令発生手段の構成を示すブロック図である。なお、図10と同一符号は、同一部分を示している。
図15は、トルク制御方式で制御する場合であり、入力信号は、トルク指令値τcである。
制御指令発生手段31’は、トルク補正係数算出手段311と、定数変換手段313と、回転速度算出手段314と、速度偏差演算手段315と、速度制御手段316と、電流指令加算手段317と、乗算器319とを備えている。
図10の例では、温度算出手段312により、モータ温度を算出するようにしていたが、本実施形態では、油温センサ12で検出した油温情報が制御指令発生手段31’に入力するため、温度算出手段312が不要となる。
トルク補正係数算出手段311は、油温センサ12から入力した油温情報Tcに基づいて、モータの温度が上昇したとき、マグネットの減磁により出力トルクが低下することを補正するための、トルク補正係数kτmを算出する。
乗算器319は、上位AT制御装置からの制御信号のトルク指令値τcに、トルク補正係数算出手段311が出力するトルク補正係数kτmを乗じて、トルク指令値τmを発生する。
その他の各部の動作は、図10に示したものと同様である。
次に、図16を用いて、本実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置に用いる制御発生手段31’Aの詳細構成について説明する。図16は、制御指令発生手段31’Aが回転速度制御方式で動作するものである。
図16は、本発明の第2の実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置に用いる制御指令発生手段の別の構成を示すブロック図である。なお、図11と同一符号は、同一部分を示している。
図16は、回転速度制御方式で制御する場合であり、入力信号は、回転速度指令値ωcである。
制御指令発生手段31’Aは、回転速度補正係数算出手段321と、定数変換手段323と、トルク算出手段324と、速度偏差演算手段325と、速度制御手段326と、定数変換手段327と、電流制限手段328と、乗算器329とを備えている。
図11の例では、温度算出手段322により、モータ温度を算出するようにしていたが、本実施形態では、油温センサ12で検出した油温情報が制御指令発生手段31’Aに入力するため、温度算出手段312が不要となる。
回転速度補正係数算出手段321は、油温センサ12から入力した油温情報Tcに基づいて、モータの温度が上昇したとき、マグネットの減磁により出力トルクが低下することを補正するための、回転速度補正係数kωmを算出する。
乗算器329は、上位AT制御装置からの制御信号の回転速度指令値ωcに、回転速度補正係数算出手段321が出力する回転速度補正係数kωmを乗じて、回転速度指令値ω1を発生する。
その他の各部の動作は、図11に示したものと同様である。
本実施形態では、制御発生装置31’は、油温情報Tcに基づいて、モータ温度上昇によりマグネットの減磁が発生し、これにより出力トルクや回転速度の低下する分を補正するようにしているため、従来よりも、小型のモータを用いることができる。本実施形態では、モータの体格は従来用いていたものよりも、20〜30%小型化できる。この効果は、特に、オイルを供給するポンプをモータにより駆動する電動オイルポンプ駆動システム固有のものであり、ポンプが供給するオイルの温度変化の問題及びポンプを駆動するモータのオイルからの熱の影響の問題を複合的に解決することができる。
また、モータの温度上昇分を補正するには、モータの温度情報が必要となるが、本実施形態では、油温センサによって検出された油温情報を用いるようにしている。従って、第1の実施形態のように、上位のAT制御装置から発生したトルク指令値τcや回転速度指令ωcに基づいて、油温を算出する場合に比べて、温度情報の精度が向上するため、モータの特性を油温に基づいて補正する際の補正精度が向上する。
以上説明したように、本実施形態によれば、油温が変化した場合でも、必要な油圧または流量を確保できる。したがって、従来よりも、小型のモータを用いることができる。
次に、図17及び図18を用いて、本発明の第3の実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置を適用する電動オイルポンプ駆動システムの構成及び動作について説明する。
最初に、図17を用いて、本実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置を適用するAT用油圧ポンプシステムの要部の構成について説明する。
図17は、本発明の第3の実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置を適用するAT用油圧ポンプシステムの要部の構成を示すブロック図である。なお、図17において、図1,図5及び図9と同一符号は、同一部分を示している。
図17に示した電動オイルポンプ駆動システムは、基本的な構成は、図5に示した構成と同様であり、モータ制御装置3”に対する制御指令も、図5に示したものと同様であるが、モータ制御装置3”に対する入力信号の点で異なる。
第1実施形態においては、油温を油温温度センサ12で検出し、温度信号をAT制御装置4に入力する。AT制御装置4は、検出した油温に応じた、トルク指令値、または、回転速度指令値をモータ制御装置3へ出力している。
そして、モータ制御装置3においては、油温により補正された制御信号、すなわち、制御指令のトルク指令値、または、回転速度指令値より温度情報を推定し、さらに、モータに対する出力トルク特性の温度影響を無くすために温度補正を行なっている。
一方、本実施形態においては、図17に示したごとく、モータ2’は、その内部に温度センサを備え、モータ温度の情報を出力し、モータ制御装置3”に入力している。モータ2’の内部の温度センサとしては、モータ2’の固定子コイルの近傍に配置されたサーミスタ等が用いられる。
次に、図18を用いて、本発明の第3の実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置の構成について説明する。
図18は、本発明の第3の実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置の構成を示すブロック図である。なお、図18において、図9と同一符号は、同一部分を示している。
本実施形態において、図9に示した実施形態と異なる点は、上位のAT制御装置4からのトルク指令τcまたは回転速度指令ωc、及びモータ2’において検出されたモータ温度の情報がモータ制御装置3”の制御指令発生手段31’に入力することである。
制御指令発生手段31’は、モータ温度情報に基づいて、トルク指令τcまたは回転速度指令ωcを補正して、モータの温度上昇によるモータの出力トルクの低下分を補正して、トルク指令値τc、または、回転速度指令値ωcに応じて、ブラシレスモータのq軸電流Iq*を発生する。
その他の構成及び動作は、図9に示したものと同様である。
制御発生手段31’の構成は、図15や図16に示したものと同様である。図15に示したトルク補正係数算出手段311は、モータ温度の情報Tmに基づいて、モータの温度が上昇したとき、マグネットの減磁により出力トルクが低下することを補正するための、トルク補正係数kτmを算出する。また、図16に示した回転速度補正係数算出手段321は、モータ温度の情報Tmに基づいて、モータの温度が上昇したとき、マグネットの減磁により出力トルクが低下することを補正するための、回転速度補正係数kωmを算出する。
本実施形態では、制御発生装置31は、トルク指令値τc、または、回転速度指令値ωcに基づいて、モータ2の温度を算出し、この算出されたモータ温度に基づいて、モータ温度上昇によりマグネットの減磁が発生し、これにより出力トルクや回転速度の低下する分を補正するようにしているため、従来よりも、小型のモータを用いることができる。本実施形態では、モータの体格は従来用いていたものよりも、20〜30%小型化できる。この効果は、特に、オイルを供給するポンプをモータにより駆動する電動オイルポンプ駆動システム固有のものであり、ポンプが供給するオイルの温度変化の問題及びポンプを駆動するモータのオイルからの熱の影響の問題を複合的に解決することができる。
また、モータの温度上昇分を補正するには、モータの温度情報が必要となるが、本実施形態では、油温センサによって検出された油温情報を用いるようにしている。従って、第1の実施形態のように、上位のAT制御装置から発生したトルク指令値τcや回転速度指令ωcに基づいて、油温を算出する場合に比べて、温度情報の精度が向上するため、モータの特性を油温に基づいて補正する際の補正精度が向上する。
本実施形態では、制御発生装置31’は、モータ温度の情報Tmに基づいて、モータ温度上昇によりマグネットの減磁が発生し、これにより出力トルクや回転速度の低下する分を補正するようにしているため、従来よりも、小型のモータを用いることができる。本実施形態では、モータの体格は従来用いていたものよりも、20〜30%小型化できる。この効果は、特に、オイルを供給するポンプをモータにより駆動する電動オイルポンプ駆動システム固有のものであり、ポンプが供給するオイルの温度変化の問題及びポンプを駆動するモータのオイルからの熱の影響の問題を複合的に解決することができる。
また、モータの温度情報は、モータの内部の温度センサから情報を用いるため、第1の実施形態のように、上位のAT制御装置から発生したトルク指令値τcや回転速度指令ωcに基づいて、油温を算出する場合や、第2の実施形態のように、油温で近似するに比べて、温度情報の精度が向上するため、モータの特性を補正する際の補正精度が向上する。
本発明の第1の実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置を適用するAT用油圧ポンプシステムの構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置を適用するAT用油圧ポンプシステムにおいて、電動オイルポンプをブラシレスモータで駆動した場合の動作特性の説明図である。 本発明の第1の実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置を適用するAT用油圧ポンプシステムにおいて、電動オイルポンプをブラシレスモータで駆動した場合のモータの温度変化によるモータ制御特性の説明図である。 本発明の第1の実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置を適用するAT用油圧ポンプシステムにおいて、電動オイルポンプをブラシレスモータで駆動した場合の油温によるモータのトルク及び回転速度特性の変化の説明図である。 本発明の第1の実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置を適用するAT用油圧ポンプシステムの要部の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置により制御されるブラシレスモータの構成を示す部分断面図である。 本実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置を適用するAT用油圧ポンプシステムにおける、モータをトルク制御で動作させた場合の電動オイルポンプの動作特性図である。 本実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置を適用するAT用油圧ポンプシステムにおける、モータを回転速度制御で動作させた場合の電動オイルポンプの動作特性図である。 本発明の第1の実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置の全体構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置に用いる制御指令発生手段の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置に用いる制御指令発生手段の別の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置による制御動作の特性説明図である。 本発明の第2の実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置を適用するAT用油圧ポンプシステムの要部の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置に用いる制御指令発生手段の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置に用いる制御指令発生手段の別の構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置を適用するAT用油圧ポンプシステムの要部の構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施形態による電動オイルポンプ用モータ制御装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1…電動オイルポンプ
2…ブラシレスモータ
3…モータ制御装置
4…AT(自動変速機)制御装置
5…電動オイル配管
6…機械式オイルポンプ
7…変速機
8…アクチュエータ
9…オイル配管
10…オイルパン
11…逆止弁
12…油温温度センサ
21…ステータコア
22…ステータ巻線
23…ロータのマグネット
31…制御指令発生手段
32、33…電流検出器
34…電流検出手段
35…電流制御手段
36…位置・速度検出演算手段
37…ブラシレス制御手段
38…PWMインバータ手段
39…電流偏差演算手段
311…トルク補正係数算出手段
312…温度算出手段
313…定数変換手段
314…回転速度算出手段
315…速度偏差演算手段
316…速度制御手段
317…電流指令加算手段
321…回転速度補正係数算出手段
322…温度算出手段
323…定数変換手段
324…トルク算出手段
328…電流制限手段

Claims (5)

  1. ポンプ回路に配置された電動オイルポンプを駆動するブラシレスモータの駆動を制御するものであり、
    上位のAT制御装置から入力する制御指令値が、前記電動オイルポンプの吐出油温が変化した場合でも、前記電動オイルポンプの吐出圧が変わらないように補正されたものであるブラシレスモータ制御装置であって、
    前記上位のAT制御装置から入力する制御指令値に対して、前記ブラシレスモータの温度による出力の変動分を補正した上で、補正後の制御指令値を出力する制御指令発生手段を備えることを特徴とする電動オイルポンプ用モータ制御装置。
  2. 請求項1記載の電動オイルポンプ用モータ制御装置において、
    前記制御指令発生手段は、前記上位のAT制御装置から入力する制御指令値から前記ブラシレスモータの温度を算出し、この算出されたモータ温度に基づいて、前記ブラシレスモータの温度による出力の変動分を補正することを特徴とする電動オイルポンプ用モータ制御装置。
  3. 請求項1記載の電動オイルポンプ用モータ制御装置において、
    前記制御指令発生手段は、前記電動オイルポンプの油温を検出する油温検出手段からの油温情報に基づいて、前記ブラシレスモータの温度による出力の変動分を補正することを特徴とする電動オイルポンプ用モータ制御装置。
  4. 請求項1記載の電動オイルポンプ用モータ制御装置において、
    前記制御指令発生手段は、前記ブラシレスモータの温度をモータ温度検出手段からのモータ温度情報に基づいて、前記ブラシレスモータの温度による出力の変動分を補正することを特徴とする電動オイルポンプ用モータ制御装置。
  5. 請求項1記載の電動オイルポンプ用モータ制御装置において、
    前記モータ制御装置への入力指令値は、前記AT制御装置から発生する油温で補正されたモータトルク指令値、または、モータ回転速度制御指令値であることを特徴とする電動オイルポンプ用モータ制御装置。
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