JP2010034891A - 無線機及び制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】無線機10のスペクトラムアナライザ12の表示から変調方式、混信状況及び過渡現象を同時に読み取れるようにする。
【解決手段】局部発振器33は、上り階段型の掃引局部発振信号をミキサ32へ供給する。1次IF信号は、ミキサ32においてダウンコンバートされ、バンドパスフィルタ34を通過して、2次IF信号となる。各2次IF信号は、スペクトラムアナライザ12のスパンを区分した周波数区分に対応付けられ、A/D変換後、信号処理プロセッサ40へ供給される。局部発振器44は、下り階段型のステップ掃引局部発振信号をミキサ32へ供給する。ミキサ43は、2次IF信号を周波数軸方向へ周波数区分別にその周波数順に展開させる。バッファ加算器49は、展開後の周波数区分別のIF信号を合計し、パワースペクトラム算出部51は合計値に対してFFTを行う、FFTの結果に基づきパワースペクトラムが表示器54に表示される。
【選択図】図1

Description

本発明は、スペクトラムアナライザを装備する無線機及び制御方法に関する。
特許文献1は、表示器にスペクトラムアナライザを表示する無線機を開示する(特許文献1の図1)。
スペクトラムアナライザとは、或る測定周波数帯域(スパン)において横軸を周波数、縦軸を電力として表示装置に映し出し、入力された信号を観測する装置であり、測定の用途に一般的に使用されている。無線機のスペクトラムアナライザ機能とは、一般的な無線機の受信部にスペクトラムアナライザの装置を追加したものである。この機能では、無線機における交信に可能な周波数帯の中から予め設定可能なスパンにおいて、自局以外の無線局の送信信号の有無及び受信の電界強度を視覚的に確認することができ、予め送信信号があることを把握できるので、効率的に受信周波数の同調を行うことができる。特に、特定の送受信周波数(チャネル)が割り当てされていないアマチュア無線のように不特定の無線局を探して交信を行う目的においては、とても便利な機能である。
図9はスペクトラムアナライザ151を装備する従来の無線機150の構成図である。無線機150の素子の内、本発明の後述の実施例の無線機10の素子と同一のものは無線機10の素子に付けた符号と同一の符号で指示することにし、それらの説明は省略し、主要点について説明する。
1次IF信号は、第1ミキサ16から出力され、第2ミキサ32において第2局部発振器33からの2次局部発振信号と混合される。掃引制御部155は、電圧レベルが下限から上限の方へ時間軸に対して斜めの直線で上昇して、上限に達すると下限へ瞬時に戻るのこぎり波電圧を掃引周期で第2局部発振器33へ制御電圧として供給する。結果、第2ミキサ32の出力電圧は、スペクトラムアナライザ151のパワースペクトラムの下限周波数から上限周波数までの周波数範囲(スペクトラムアナライザ151のスパンに相当)を掃引周期で走査して検出したレベルであって、各周波数において検出したRF信号の電圧又は電力のレベルに対応するものとなる。
第2ミキサ32の出力は、ローパスフィルタ154において所定周波数以上の高周波数成分を除去されてから、アナログ−デジタル変換器35においてデジタル値へ変換されて、CPU又はDSP157へ供給される。CPU又はDSP157では、アナログ−デジタル変換器35からのデジタル値に対して、RBW(周波数分解能)フィルタ158でスペクトラムアナライザ151の分解能周波数に相当する周波数範囲内の成分のみ通過を許容され、絶対値算出器159において絶対値に変換され、さらに、LOGアンプ160において対数値に変換、増幅されてから、表示器54へ出力される。こうして、表示器54では、アンテナ15において現在、捕捉している所定周波数範囲(スパン)の電波についてのパワースペクトラムが表示される。
特開平6−252789号公報
無線機150は以下の問題点を含む。
(a)スペクトラムアナライザ表示のスペクトラム形状から変調方式を把握することができない。
(b)スペクトラムアナライザ表示のスペクトラム形状から混信状況の把握ができない。
(c)スペクトラムアナライザ表示が過渡現象に対応できないため、変調方式を把握することができない。
問題点(a)は、無線機150では、変調方式を把握できる十分な周波数解像度にてスペクトラムアナライザ表示を行うことができないことに起因する。したがって、無線機150では、或る周波数に対しての電界強度はおおよそ把握できるものの、使用者が所定の変調方式での無線局を探していた場合には、実際に復調周波数の同調を行って復調された音声信号を耳にするまで、表示のスペクトラムに対する変調方式を知ることができない。
問題点(b)は、混信状況を把握できる十分な周波数解像度にてスペクトラムアナライザ表示を行うことができないことに起因する。したがって、無線機150では、或る周波数に対しての電界強度はおおよそ把握できるが、その周波数近辺に複数の無線局の送信信号があるかどうかは、実際に復調周波数の同調を行って復調された音声信号を耳にするまで知ることができない。
問題点(c)は、無線局の送信信号の過渡現象を観測するために、十分な掃引速度でスペクトラムアナライザ表示を行うことができないことに起因する。したがって、無線機150では、スペクトラム表示上、例えばビートのような妨害波とCW変調信号(モールス信号)の見分けが付かず、実際に復調周波数の同調を行って復調された音声信号を耳にするまで知ることができない。
このような3つの問題点(a)〜(c)は、第2局部発振器33に対して掃引制御部155のようなのこぎり波の制御電圧を使用する掃引式スペクトラムアナライザの掃引の限界に起因している。
一般的に掃引式スペクトラムアナライザの掃引速度σは、周波数分解能をRbw(Hz)とすると、図10の式(11)で表すことができる。また、このときの掃引時間Stは掃引周波数帯域をSPAN(Hz)とすると、図10の式(12)で表される。なお、式(11)及び(12)のkの決まり方については、本発明の後述の実施例の式(1)及び(2)の所で後述する。
式(12)より、係数kが小さいほど掃引時間が小さくなるが、掃引時間を小さくするについて掃引式スペクトラムアナライザの特徴である以下の現象が顕著となる。
(d1)スペクトラムのピークレベルが実際より低くなる。
(d2)RBWフィルタ158の帯域幅が実際より広がってしまう。
(d3)ピークが高い周波数方向(掃引方向)に流れてしまう。
これらの現象は、掃引時間を小さくすると、表示スペクトラムの精度(分解能)が低下し、また、この精度を高めるためには、掃引時間を大きくすれば良いが、このとき表示スペクトラムの更新に時間を要し、過渡現象への対応が難しくなるという相反する特性である。問題点(a)〜(c)は、この相反する特性をそれぞれ向上させる必要があり、原理的に実現が難しい。
本発明の目的は、スペクトラムアナライザの周波数解像度の増大と掃引時間短縮とを両立させることができる無線機及び制御方法を提供することである。
本発明によれば、無線機のスペクトラムアナライザにおいて、高速フーリェ変換を使って、RF信号のパワースペクトラムを作成する。
本発明によれば、受信RF信号についての所定周波数範囲を複数の周波数区分に区分し、周波数区分別に順番にそのRF信号を、全周波数区分に対する共通周波数範囲のIF信号へ変換する。
本発明によれば、共通周波数範囲のIF信号をそれに対応する周波数区分別にダウンコンバートして、周波数軸方向への重なりを避けつつ、周波数区分の周波数順に展開し、展開後のIF信号に対して高速フーリェ変換を行う。
本発明の無線機は次のものを備えている。
受信RF信号についての所定周波数範囲を複数の周波数区分に区分して周波数区分別に順番にそのRF信号を、全周波数区分に対する共通周波数範囲のIF信号へ変換する共通範囲IF信号変換器、
前記共通周波数範囲のIF信号をそれに対応する周波数区分別にダウンコンバートして周波数軸方向への重なりを避けつつ周波数区分の周波数順に周波数軸方向へ展開するIF信号展開器、
展開後のIF信号に対して高速フーリェ変換を実施する高速フーリェ変換器、及び
高速フーリェ変換結果に基づき生成したRF信号のスペクトラムを表示器に表示するスペクトラム表示手段。
本発明の無線機制御方法は次のステップを備えている。
受信RF信号についての所定周波数範囲を複数の周波数区分に区分して周波数区分別に順番にそのRF信号を、全周波数区分に対する共通周波数範囲のIF信号へ変換する共通範囲IF信号変換ステップ、
共通周波数範囲のIF信号をそれに対応する周波数区分別にダウンコンバートして周波数軸方向への重なりを避けつつ周波数区分の周波数順に周波数軸方向へ展開するIF信号展開ステップ、
展開後のIF信号に対して高速フーリェ変換を実施する高速フーリェ変換ステップ、及び
高速フーリェ変換結果に基づき生成したRF信号のスペクトラムを表示器に表示するスペクトラム表示手ステップ。
本発明によれば、無線機のスペクトラムアナライザにおいて、高速フーリェ変換を使って、RF信号のスペクトラムを作成するので、スペクトラムアナライザの周波数分解能の増大と掃引時間短縮との両立を図ることができる。
バンドパスフィルタの通過帯域幅については、できる限り振幅特性(リップル)が一定で帯域が広くあることが望ましいが、通過帯域幅がスペクトラムアナライザのスパン全体となるバンドパスフィルタは、広いスパンに対して、スパン全体にわたり振幅特性が一定であるものを確保することは難しくなるとともに、コスト的に不利となる。本発明によれば、周波数区分別に順番にそのRF信号を、全周波数区分に対する共通周波数範囲のIF信号へ変換するので、バンドパスフィルタの通過帯域幅を該共通周波数範囲へ縮小することができる。
順番に出力されて来る共通周波数範囲の各IF信号を個々にスペクトラムを得るために高速フーリエ変換することは、高速フーリエ変換の回数の増大及び処理負荷の増大をもたらし、不利である。これに対して、本発明によれば、共通周波数範囲のIF信号をそれに対応する周波数区分別にダウンコンバートして、周波数軸方向への重なりを避けつつ周波数区分の周波数順に展開し、展開後のIF信号に対して高速フーリェ変換を行う。これにより、周波数方向へ十分に広く展開した周波数区分別のIF信号から一括でパワースペクトラムを得ることができるので、高速フーリェ変換の能率を高めることができる。
図1は無線機10の主要部の回路図である。無線機10は復調部11及びスペクトラムアナライザ12を備えている。電波は、アンテナ15において捕捉され、RF信号となって第1ミキサ16へ供給される。第1局部発振器17は、1次局部発振周波数の発振信号を生成して、第1ミキサ16へ供給する。これにより、RF信号は、その周波数を1次局部発振周波数だけダウンコンバートされた1次IF信号となって、復調部11及びスペクトラムアナライザ12へ供給される。
第1局部発振器17が発生する局部発振信号の周波数は、無線機10のユーザが復調部11において相手機の相手の声を聞く期間では、該相手機からの送信信号の周波数に対応するものにユーザにより調整される。また、無線機10のユーザがスペクトラムアナライザ12においてRF信号のパワースペクトラムをチェックする期間では、該パワースペクトラムのスパンに応じて又はスパンに関係なく一定値に固定される。第1局部発振器17が発生する局部発振信号の周波数がスパンに応じて変更される場合には、スパンが切替わっても、後述の第2局部発振器33及び第3局部発振器44の発振信号をスパンに関係なく固定することができる。
復調部11はSSB(Single-Sideband)、AM(Amplitude Modulation)、FM(Frequency Modulation)及びCW(Continuous Wave:モールス符号を使った無線通信)変調等の任意の復調方式に対応している。第1ミキサ16からの1次IF信号は、バンドパスフィルタ20を通過してから、アンプ21により増幅され、第2ミキサ22において第2局部発振器23からの2次局部発振周波数の発振信号と混合されて、周波数が2次局部発振周波数だけダウンコンバートされた2次IF信号へ変換される。該2次IF信号は、ローパスフィルタ24を通過してから、検波器25において検波され、スピーカ26において音に変換されて、出力される。
スペクトラムアナライザ12の具体的構成について説明する前に、FFT(Fast Fourier Transform:高速フーリェ変換)を用いるスペクトラムアナライザ12の利点について説明する。スペクトラムアナライザ12において、掃引速度σは、周波数分解能をRbw(Hz)、サンプリング周波数をfs(Hz)とすると、図6の(1)式で表される。また、このときの掃引時間Stは掃引周波数帯域をSPAN(Hz)とすると、図6の(2)式で表すことができる。
例えば、fs=200kHzのとき、図6の(2)式と図10の式(12)とを比較すると、Rbw=10kHz以下では、FFT方式のスペクトラムアナライザ12の掃引時間が小さくでき、過渡現象に対してより正確に対応できるようになる。変調方式を把握できる十分な周波数解像度は100〜250Hz程度であるので、無線機のスペクトラムアナライザとして掃引式の不満を解決できる適当な方式となる。
なお、式(1)、(2)におけるkは、スペクトラムアナライザ12のRBW(周波数分解能)を決める窓関数器50の特性から決定される。窓関数長を大きくすると、RBWは、よりシャープになるとともに、ダイナミックレンジが大きく取れるようになる。窓関数長をwin、周波数分解能をRBWとすると、k = win/RBWとなる。このように、スペクトラムアナライザ12における表示器54に求められるダイナミックレンジと周波数分解能から窓関数の種類と、窓関数長winを設定されることにより、kが決まる。
前述の図10の式(11)、(12)におけるkは、第2局部発振器が掃引可能な掃引速度である周波数可変速度とRBW FilterのRBWおよび、表示器54で観測できる見かけ上のRBWの仕様から決定される。kが小さくなるように第2局部発振器の周波数可変速度を上げると、見かけ上のRBWはRBW FilterのRBWより流れるように広がるため実使用上の適当な掃引速度を選ばなくてはならない。
さらに、スペクトラムアナライザ12の構成説明に先立って、スペクトラムアナライザ12の基本的原理について概略説明する。1度のFFTによって得られるスペクトラムの有効な帯域幅は、IF段のバンドパスフィルタ34の通過帯域幅となり、表示器54の観測周波数帯域(スパン)が通過帯域幅より大きい場合には、通過帯域幅(後述の図2のBpf2_passbw)をステップ周波数(後述の図3のStep2_freq)とする第2局部発振器33の掃引を行ってFFTを繰り返す。このような或る周波数間隔での掃引と、FFTを組み合わせた方式をFFT方式スペクトラムアナライザと呼ぶことにする。スペクトラムアナライザ12はFFT方式スペクトラムアナライザとなっている。
また、スペクトラムを得るためのIF段のバンドパスフィルタ34の通過帯域幅(後述のBpf2_passbw)においては、できる限り振幅特性(リップル)が一定で帯域が広くあることが望ましいが、特性が良いフィルタは無線機10に搭載する場合、コストが増大する。これに対して、複数のミキサ16,32によってダウンコンバートを行う場合には、そのミキサ16,32によって発生する歪みをできる限り低減するためにはIF段のバンドパスフィルタ34は帯域をできる限り狭くした方が良く、現実的には帯域の狭いフィルタを採用すれば、復調器11のバンドパスフィルタ20と同一のIF段のバンドパスフィルタ34を使うこともできる。
このような無線機の特性上、IF段のバンドパスフィルタ34の通過帯域幅(後述のBpf2_passbw)が狭い場合には、1度のFFTによって得られるスペクトラムの有効な帯域幅も狭くなり、ステップ掃引の回数が増える。この場合、信号処理プロセッサ40にとって負荷の重いFFT演算処理を繰り返すこととなり、高い性能の信号処理プロセッサが必要となる。またFFT演算処理においても一度で扱える帯域に対してバンドパスフィルタ34の通過帯域幅が狭く、FFT演算処理の効率が悪化する。
これに対処し、スペクトラムアナライザ12では、IF段のバンドパスフィルタ通過帯域幅(図2のBpf2_passbw)をステップ周波数(図3のStep2_freq)とする第2局部発振器33に加え、別のステップ周波数(図4のStep3_freq)を用いる第3局部発振器44による第3の周波数コンバータにてIF段のバンドパスフィルタ34の通過信号をFFTが扱える帯域内で同時に複数まとめて(図5の"第3IF段"の複数の台形周波数領域に対応する。)FFTすることにより、処理を効率化して、スペクトラムを得る。
図1に戻り、スペクトラムアナライザ12の構成について詳説する。第1ミキサ16からスペクトラムアナライザ12へ供給された第1IF信号は、第1IFバンドパスフィルタ30を通過し、IFアンプ31にて増幅された後、第2ミキサ32及び第2局部発振器33で構成される周波数ダウンコンバータに入力されて、第2IF信号となる。第2局部発振器33には、CPU(Central Processing Unit)又はDSP(Digital Signal Processor)等の信号処理プロセッサ40(以下、「プロセッサ40」)内のステップ掃引制御部41より発振周波数情報(後述の図3のLo2_freqに対応する。)が供給される。
第2IF信号は、第2IFバンドパスフィルタ34を通過し、ADC(アナログ−デジタル変換器)35に入力され、サンプリング周波数fs(Hz)にてアナログ−デジタル変換され、デジタルデータとして、プロセッサ40に送られる。プロセッサ40内の処理はすべてデジタル処理となっている。
プロセッサ40では、第3ミキサ43及び第3局部発振器44で構成される周波数コンバータは、ADC35からのデジタル化された第2IF信号に対し、第3局部発振器44の第3局部発振周波数分だけダウンコンバートした第3IF信号を出力する。第3局部発振器44にはステップ掃引制御部42より発振周波数情報(後述の図4のLo3_freqに対応する。)が供給される。
第3IF信号は、ローパスフィルタ45にて高域周波数成分をカットされ、FFTに必要なポイント数Nの遅延データを保持する多重バッファ46にバッファされる。多重バッファ46は、ポイント数Nのバッファが何本(図1では、紙面の都合上、BUFF(1,N)〜BUFF(3,N)の3本。)か用意されるものであり、その本数は、表示スパンの帯域幅を満たすために、第2局部発振器33がプロセッサ40より発振周波数情報を与えられて切り替えられる発振周波数の個数(=図6の(3)式のM=後述の図4の段数)と同じである。
ここで、スペクトラム表示スパンをSPAN(Hz)、プロセッサ40より第2局部発振器33に与えられる発振周波数情報の周波数ステップをStep2_freq(Hz)とすると、多重バッファ46の本数Mは図6の(3)式にて求められる。
この多重バッファ46について、以降は多次元配列をイメージし、BUFF(m,n)と表記する。ただし、m=1,2,3,・・・,M−1,Mであり、 n=1,2,3,・・・,N−1,Nである。
BUFF(m,n)では、第2局部発振器33の1つの発振周波数(図3の各段の周波数に相当)において、BUFF(m, n)にポイント数N(n=1,2,・・・,N)の遅延データを保持する必要がある。つまり、第2局部発振器33に対してステップ掃引制御部41が発振周波数情報を更新する間隔は最低N/fs(秒)となり、BUFF(m,n)すべてに遅延データが蓄積するまでには、最低(N/Fs)・M(秒)の時間、バッファを行う。
BUFF(m,n)すべてに遅延データが蓄積された後、バッファ加算器49により多重バッファ46のBUFF(1, n)、BUFF(2,n)、BUFF(3, n)の対応ポイント同士の値を合計する。ただし、n=1,2,・・・,Nである。合計値をSUMBUFF(k)とすると、図6の(4)式にて求められる。
結果、ポイント数Nに等しいN個のSUMBUFF(k)が得られる。その後、窓関数器50にて窓関数Window(N)が適用され、窓関数器50のN個の出力データx(k)をパワースペクトラム算出部51にてFFTし、その出力結果よりパワースペクトラムを求める。図6の(5)式及び(6)式は周知のフーリエ変換式及びパワースペクトラムの算出式であり、(6)式の"*"は複素共役を意味する。
パワースペクトラムの周波数分解能は、FFTのポイント数Nによって決定され、サンプリング周波数がfs(Hz)であるとすると、その分解能はfs/N(Hz)となる。すなわち、1ビンが扱う帯域はfs/N(Hz)となる。また、有効な帯域はfs/2(Hz)であるので観測するパワースペクトラムはPowerSpectrum(k), k=1,2,・・・,N/2−1,N/2となる。
算出されたパワースペクトラムPowerSpectrum(k)はLOGスケール変換処理器52で対数変換された後、スペクトラム合成処理器53で必要なスペクトラムが抽出されてから、表示器54に送られ、パワースペクトラム表示が行われる。
ステップ掃引制御部41が第2局部発振器33に供給する発振周波数情報(図3のLo2_freqに対応する。)は、第1IFバンドパスフィルタ30又は第2IFバンドパスフィルタ34の通過特性によって決定される。図2は第2IFバンドパスフィルタ34の通過特性を示す。
第1IFバンドパスフィルタ30の通過帯域をBpf1_passbw(Hz)、第2IFバンドパスフィルタ34の通過帯域をBpf2_passbw(Hz)として、Bpf1_passbw>Bpf2_passbwとする。また、第2IFバンドパスフィルタ34の通過帯域の中心周波数をBpf2_centerとする。このとき、プロセッサ40で得られる表示スペクトラムとして有効な帯域は、Bpf2_passbwとなり、前述のステップ周波数Step2_freq(Hz)はStep2_freq≦Bpf2_passbwとなる。
表示器54におけるスペクトラム表示の観測周波数帯域の下限周波数をRF_L(Hz)、上限周波数をRF_H(Hz)とすると、第1ミキサ16における第1IF段では、第1局部発振器17の発振周波数をLo1_freq とした場合に、第2ミキサ32において掃引すべき第1IF周波数帯域は、RF_L − Lo1_freqからRF_H − Lo1_freqとなる。
なお、後述の図5の最下段の"表示器におけるスペクトラム表示"には、RF_L及びRF_Hがスペクトラム表示の下限周波数及び上限周波数として示されている。さらに、スペクトラム表示において、RF_LからRF_Hまでの周波数範囲を"SPAN(スパン)"と定義している。
図3は第2局部発振器33が第2ミキサ32へ供給する局部発振信号(2次局部発振信号)の1周期分の時間変化を示している。2次局部発振信号は、最小値のRF_L − Lo1_freqから最大値のRF_H − Lo1_freq間での範囲で段階的に変化する。図3においてStep2_freqは、時間的に隣接する段間の段差に相当する周波数を意味している。
Step2_freq=Bpf2_passbw(図2参照)とするならば、Lo2_freqは図6の式(7)で表される。式(7)で、1〜Mは2次局部発振信号の各段に時間順に割り振った番号に対応する。
こうして、1次IF信号は、周波数が小さい方からStep2_freqの帯域幅でM個の区分に順番に分割され、各区分の1次IF信号は第2ミキサ32におけるダウンコンバートにより、次段のバンドパスフィルタ34の通過帯域に対応する周波数の2次IF信号へ周波数変換されてから、バンドパスフィルタ34を通過する。
図5は無線機10のスペクトラムアナライザ12における各部位の周波数変換の概念説明図である。図5において上から1番目の第1IF段及び第2IF段は第2ミキサ32の入力及び出力に対応する。
図4は第3局部発振器44が第3ミキサ43へ供給する局部発振信号(3次局部発振信号)の1周期分の時間変化を示している。なお、3次局部発振信号は、プロセッサ40におけるデジタル処理のためにデジタル値となっている。ステップ掃引制御部42が第3局部発振器44に供給する発振周波数情報Lo3_freqは、第2IFバンドパスフィルタ34の過渡特性によって決定される。
前述の図2に示すように、第2IFバンドパスフィルタ34の過渡減衰帯域をBpf2_attbw/2(Hz)とする。第2IFバンドパスフィルタ34の通過帯域Bpf2_passbwごとに後述のFFTを実施することは、FFTの対象周波数範囲が狭く、非能率となるので、多重バッファ46のBUFF(m,n)を総合して、FFTを行うことが有利である。その場合、各BUFF(m,n)の格納データの基になっている1次IF信号の各周波数区分に対して、周波数軸方向へ隣り合うバッファ、例えばBUFF(M−1, N)とBUFF(M, N)において、Bpf2_passbwの有効なスペクトラムと、不必要なBpf2_attbwのスペクトラムが周波数として重複しないように合成を行って、SUMBUFF(n)を求める必要がある。ただし、n=1,2,・・・,N。これに対処した概念は図5の"第2IF段"から"第3IF段"へのダウンコンバートにより示される。
各BUFF(m,n)のスペクトラムが重複しないようにするためのLo3_freqは図6の式(8)で表される。図6の式(8)のLo3_freqは図4の3次局部発振信号の周波数である。図4の3次局部発振信号が、図3の2次局部発振信号のように上り階段型ではなく、下り階段型になっている理由は、図5の"第3段IF"に示すように、周波数の低い周波数区分に対応する第2IF信号ほど、時間軸方向へ早く出現し、また、周波数の低い領域に展開させているからである。なお、逆に、図3の2次局部発振信号を下り階段型にして、図4の3次局部発振信号を上り階段型にすることもできる。
多重バッファ46のBUFF(m,n)がバッファ加算器49にて統合されたSUMBUFF(n)は、それを周波数領域に示すと、図5の"第3IF段のSUMBUFF(n)"に対応する。ただし、n=1,2,・・・,Nである。第2IFバンドパスフィルタ34における通過域は固定されており、図3の2次局部発振信号の供給に伴い、バンドパスフィルタ34からは、BUFF(1,n),BUFF(2,n),BUFF(3,n)の対応2次IF信号がその順番にN/fs時間ずつ出力される。
パワースペクトラム算出器51及びLOGスケール変換器52における処理を行った段階での有効なスペクトラムは、図5の"スペクトラム抽出"のスペクトラムとなっている。このとき、周波数軸方向へ隣接する有効なスペクトラム間にはBpf2_attbw/2の無効周波数区間が生じる。
スペクトラム合成器53では、この無効周波数期間を詰めて、表示器54のスペクトラム表示を生成し、表示器54において表示する。スペクトラム合成器53の処理後のスペクトラムは図5の最下段の"表示器におけるスペクトラム表示"に対応する。表示器54におけるスペクトラム表示画面には、RF段における観測周波数帯域(スパン)の下限周波数RF_L(Hz)及び上限周波数RF_H(Hz)が表示される。
無線機10のスペクトラムアナライザ12の利点は下記のとおりである。
(a)スペクトラムアナライザ12がFFT処理を用いるスペクトラムアナライザ機能であるため、従来のスペクトラムアナライザ151(図9)の掃引式スペクトラムアナライザ機能の問題である周波数解像度が低くてスペクトラム形状から各変調方式を把握することができないという問題が解決される。また同様に混信状況の把握ができない問題も解決される。
(b)スペクトラムアナライザ12は、FFT処理により掃引速度が高速化できるため、過渡現象に対応でき、表示スペクトラムの変化からSSB、AM、FM、CW信号等の変調方式を把握することができるようになる。
(c)従来のスペクトラムアナライザ151(図9)における掃引式スペクトラムアナライザのハードウェアでは、高速に微小な周波数変化で掃引するためには、高性能のDDSデバイスが必要となる。これに対し、スペクトラムアナライザ12のFFT方式スペクトラムアナライザでは、IFバンドパスフィルタ34の通過域に合わせたステップ周波数での局部発振器33の周波数切替となるため、第3局部発振器44は復調部11の第2局部発振器23と同様のものを使用することができ、コストダウンとなる。
(d)細分化したBUFF(m,n)をバッファ加算器49にてSUMBUFF(n)に統合して、該SUMBUFF(n)に対してFFT処理を行うため、細分化したBUFF(n)を個々にFFT処理を行う必要が無くなり、プロセッサの処理能力が低減でき、コストダウンとなる。
スペクトラムアナライザ12では、第3ミキサ43、第3局部発振器44及びローパスフィルタ45をプロセッサ40内に構築しているが、第3ミキサ43、第3局部発振器44及びローパスフィルタ45は、アナログ素子として構成し、バンドパスフィルタ34とアナログ−デジタル変換器35との間に挿入してもよい。その場合、アナログ−デジタル変換器35の出力は、プロセッサ40の多重バッファ46へ供給される。また、アナログ−デジタル変換器35をIFアンプ31と第2ミキサ32との間に配置し、第2ミキサ32以降の素子をプロセッサ40内に構築してもよい。
図7は無線機70のブロック図である。図1の無線機10は無線機70の一例である。無線機70は、人に携帯される携帯型に限定されない。車載型や据え置き型であってもよい。無線機70は、共通範囲IF信号変換器71、IF信号展開器72、高速フーリェ変換器73及びスペクトラム表示手段74を必須の構成として備えている。
受信RF信号についての所定周波数範囲は複数の周波数区分に区分する。周波数区分の具体例は、図5の最上段の"第1IF段"の等脚台形周波数領域下辺の隣接目盛り間のIF信号領域に対応付けられたRF信号領域である。なお、複数の周波数区分の区分分けは典型的には等周波数間隔の等区分分けである。
共通範囲IF信号変換器71は、周波数区分別に順番にそのRF信号を、全周波数区分に対する共通周波数範囲のIF信号へ変換する。共通周波数範囲の具体例は、図5の"第2IF段"の等脚台形周波数領域である。IF信号展開器72は、共通周波数範囲のIF信号をそれに対応する周波数区分別にダウンコンバートして、周波数軸方向への重なりを避けつつ、周波数区分の周波数順に周波数軸方向へ展開する。この展開の具体例は、図5の"第3IF段"における複数の等脚台形周波数領域の並び配列である。
高速フーリェ変換器73は、展開後のIF信号に対して高速フーリェ変換を実施する。スペクトラム表示手段74は、高速フーリェ変換結果に基づき生成したRF信号のスペクトラムを表示器に表示する。スペクトラム表示手段74が表示器に表示するスペクトラムの具体例は、図5の最下段の"表示器におけるスペクトラム表示"のスペクトラムである。スペクトラムの縦軸は電力であっても電圧であってもよい。
こうして、RF信号のスペクトラムを、高速フーリェ変換を使って、算出することにより、適切な周波数分解能と、スペクトラムアナライザのスパンに対する適切な掃引速度とを両立して、ユーザは、該スペクトラムから十分な周波数分解能下の変調方式及び混信状況、並びに十分な掃引速度下の過渡現象を適切に把握することができる。
さらに、スペクトラムアナライザのスパン全体にわたるIF信号通過帯域を振幅特性が一定であるものにする必要があり、かつ広いIF信号通過帯域を振幅特性が一定であるバンドパスフィルタは高価となる事情に対して、共通範囲IF信号変換器71が、受信RF信号についての所定周波数範囲(例:スペクトラムアナライザのスパン)を複数の周波数区分に区分して周波数区分別に順番にそのRF信号を、全周波数区分に対する共通周波数範囲のIF信号へ変換するので、IF段のバンドパスフィルタとして通過帯域幅が狭いものを採用することが可能になる。
一方、各周波数区分別にIF信号を生成するのに伴い、各周波数区分別のIF信号ごとにFFTを実施することにすると、処理能率が低下するとともに、プロセッサの負荷を増大させるという問題が起きる。これに対して、無線機70では、IF信号展開器72が、共通周波数範囲のIF信号をそれに対応する周波数区分別にダウンコンバートして、周波数軸方向への重なりを避けつつ、周波数区分の周波数順に周波数軸方向へ展開し、高速フーリェ変換器73は展開後のIF信号に対して高速フーリェ変換を実施することにより、該問題を解消する。
好ましくは、無線機70は、共通周波数範囲のIF信号のアナログレベルを該IF信号に対応する周波数区分別にデジタル値へ変換するアナログ−デジタル変換器78を備える。これに対して、IF信号展開器72は、デジタル値へ変換されたIF信号に対するデジタル処理によりダウンコンバート及び展開を実施する。
アナログ−デジタル変換器78の具体例は無線機10のアナログ−デジタル変換器35である。IF信号のアナログからデジタルへの変換は高速フーリェ変換器73の処理の前に済まされていればよく、アナログ−デジタル変換器78は、共通範囲IF信号変換器71の出力ではなく、IF信号展開器72の出力をデジタル変換するものであってもよい。その場合、IF信号展開器72は周波数区分別のIF信号の展開をアナログ処理により実施することになる。アナログ−デジタル変換器78は、共通範囲IF信号変換器71の前におくこともできる。この場合は、共通範囲IF信号変換器71の処理もデジタル処理となる。
共通範囲IF信号変換器71は1次ダウンコンバータ82及び2次ダウンコンバータ83を備えることができる。1次ダウンコンバータ82は、受信RF信号を1次IF信号へダウンコンバートする。2次ダウンコンバータ83は、受信RF信号についての所定周波数範囲に対応する1次IF信号周波数範囲を網羅して、1次IF信号を共通周波数範囲の2次IF信号へダウンコンバートする。バンドパスフィルタ84は、2次IF信号に対して共通周波数範囲内の周波数成分に限定して通過させる。
1次ダウンコンバータ82の具体例は第1ミキサ16及び第1局部発振器17を含む装置部分である。2次ダウンコンバータ83の具体例は第2ミキサ32及び第2局部発振器33を含む装置部分である。バンドパスフィルタ84の具体例はバンドパスフィルタ34である。
2次ダウンコンバータ83は、好ましくは、段階型掃引式局部発振器87及び混合器88を備えている。段階型掃引式局部発振器87は、発振周波数が、周波数区分の周波数幅を段階周波数として段階的に変化するとともに、各段階では発振周波数が所定時間(例:図3のN/fs)持続する。混合器88は、段階型掃引式局部発振器87からの発振周波数と1次IF信号とを混合して、2次IF信号を生成する。
IF信号展開器72は段階型掃引式局部発振器92及び混合器93を備えることができる。段階型掃引式局部発振器92は、発振周波数が、周波数区分の周波数幅と所定の離隔周波数との和(例:図4のStep3_freq)で段階的に変化するとともに、各段階では発振周波数が所定時間持続する。混合器93は、段階型掃引式局部発振器92からの発振周波数と共通範囲IF信号変換器からのIF信号とを混合して、該IF信号をそれに対応する周波数区分別にダウンコンバートし、周波数軸方向への重なりを避けつつ周波数区分の周波数順に周波数軸方向へ展開する。
段階型掃引式局部発振器92及び混合器93の具体例はそれぞれ第3局部発振器44及び第3ミキサ43である。周波数区分の周波数幅とは例えば図6の(8)式のBpf2_passbwであり、所定の離隔周波数とは例えば図6の(8)式のBpf2_attbw/2である。各段階で発振周波数が所定時間持続する場合の該所定時間は例えば図4のN/fsに対応する。
好ましくは、無線機70はさらに合計レベル算出器97を備える。合計レベル算出器97は、混合器による展開後の周波数区分別IF信号であって時間的に対応する周波数区分別IF信号同士のレベルを合計した合計レベル(例:SUMBUFF(1)=BUFF(1,1)+BUFF(2,1)+BUFF(3,1))を算出する。これに対し、高速フーリェ変換器73は、複数の合計レベル(例:SUMBUFF(1)+SUMBUFF(2)+・・・+SUMBUFF(N))に対して高速フーリェ変換を実施する。合計レベル算出器97の具体例はバッファ加算器49である。
好ましくは、スペクトラム表示手段74は、高速フーリェ変換器73が、展開後のIF信号に対して実施した高速フーリェ変換によるスペクトラムから、周波数区分に対応するスペクトラム部分のみを抽出し、隣接する抽出スペクトラム部分同士を連結した補正スペクトラムを生成し、該補正スペクトラムを前記表示器に表示する。
スペクトラム表示手段74が周波数区分に対応するスペクトラム部分のみを抽出した時のスペクトラムの状態例は図5の"スペクトラム抽出"のものである。また、スペクトラム表示手段74が、隣接する抽出スペクトラム部分同士を連結した補正スペクトラムの状態例は図5の"表示器におけるスペクトラム表示"のものである。
図8は無線機制御方法110のフローチャートである。無線機制御方法110は無線機70に適用される。S111では、受信RF信号についての所定周波数範囲を複数の周波数区分に区分して、周波数区分別に順番にそのRF信号を、全周波数区分に対する共通周波数範囲のIF信号へ変換する。
S112では、共通周波数範囲のIF信号をそれに対応する周波数区分別にダウンコンバートして、周波数軸方向への重なりを避けつつ、周波数区分の周波数順に周波数軸方向へ展開する。S113では、展開後のIF信号に対して高速フーリェ変換を実施する。S114では、高速フーリェ変換結果に基づき生成したRF信号のスペクトラムを表示器に表示する。
S111〜S114の処理は、無線機70(図7)の共通範囲IF信号変換器71〜スペクトラム表示手段74の処理にそれぞれ対応している。したがって、共通範囲IF信号変換器71〜スペクトラム表示手段74の処理について述べた具体的態様はそれぞれS111〜S114の処理についての具体的態様としても適用可能である。無線機制御方法110では、また、無線機70のアナログ−デジタル変換器78及び合計レベル算出器97の処理に対応する処理を実行するステップを適宜、追加可能である。アナログ−デジタル変換器78に対応するステップは、S111とS112との間に挿入するとともに、アナログ−デジタル変換器78について述べた具体的態様を適用することができる。合計レベル算出器97に対応するステップは、S112とS113との間に挿入するとともに、合計レベル算出器97について述べた具体的態様を適用することができる。
本明細書は様々な範囲及びレベルの発明を開示している。それら発明は、本明細書で説明した様々な技術的範囲及び具体的レベルの各装置及び各方法だけでなく、当業者の自明の範囲内で、各装置及び各方法から独立の作用、効果を奏する1つ又は複数の要素を抽出したものや、1つ又は複数の要素を自明の範囲で変更したものや、さらに、各装置間及び各方法間で1つ又は複数の要素の組合せを入れ換えたものを含む。
無線機の主要部の回路図である。 第2IFバンドパスフィルタの通過特性を示す図である。 第2局部発振器が第2ミキサへ供給する局部発振信号の1周期分の時間変化を示す図である。 第3局部発振器が第3ミキサへ供給する局部発振信号の1周期分の時間変化を示す図である。 無線機のスペクトラムアナライザにおける各部位の周波数変換の概念説明図である。 無線機のスペクトラムアナライザに関連する各種計算式を示す図である。 無線機のブロック図である。 無線機制御方法のフローチャートである。 スペクトラムアナライザを装備する従来の無線機の構成図である。 従来の無線機のスペクトラムアナライザに関連する各種計算式を示す図である。
符号の説明
70:無線機、71:共通範囲IF信号変換器、72:IF信号展開器、73:高速フーリェ変換器、74:スペクトラム表示手段、78:アナログ−デジタル変換器、82:1次ダウンコンバータ、83:2次ダウンコンバータ、84:バンドパスフィルタ、87:段階型掃引式局部発振器、88:混合器、92:段階型掃引式局部発振器、93:混合器、97:合計レベル算出器、110:無線機制御方法。

Claims (8)

  1. 受信RF信号についての所定周波数範囲を複数の周波数区分に区分して周波数区分別に順番にそのRF信号を、全周波数区分に対する共通周波数範囲のIF信号へ変換する共通範囲IF信号変換器、
    前記共通周波数範囲のIF信号をそれに対応する周波数区分別にダウンコンバートして周波数軸方向への重なりを避けつつ周波数区分の周波数順に周波数軸方向へ展開するIF信号展開器、
    展開後のIF信号に対して高速フーリェ変換を実施する高速フーリェ変換器、及び
    高速フーリェ変換結果に基づき生成したRF信号のスペクトラムを表示器に表示するスペクトラム表示手段、
    を備えることを特徴とする無線機。
  2. 前記共通周波数範囲のIF信号のアナログレベルを該IF信号に対応する周波数区分別にデジタル値へ変換するアナログ−デジタル変換器、及び
    デジタル値へ変換されたIF信号に対するデジタル処理によりダウンコンバート及び展開を実施する前記IF信号展開器、
    を備えることを特徴とする請求項1記載の無線機。
  3. 前記共通範囲IF信号変換器は、
    受信RF信号を1次IF信号へダウンコンバートする1次ダウンコンバータ、
    受信RF信号についての前記所定周波数範囲に対応する1次IF信号周波数範囲を網羅して、1次IF信号を前記共通周波数範囲の2次IF信号へダウンコンバートする2次ダウンコンバータ、及び
    前記2次IF信号に対して前記共通周波数範囲内の周波数成分に限定して通過させるバンドパスフィルタ、
    を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の無線機。
  4. 前記2次ダウンコンバータは、
    発振周波数が、前記周波数区分の周波数幅を段階周波数として段階的に変化するとともに各段階では発振周波数が所定時間持続する段階型掃引式局部発振器、及び
    前記段階型掃引式局部発振器からの発振周波数と前記1次IF信号とを混合して前記2次IF信号を生成する混合器、
    を備えることを特徴とする請求項3記載の無線機。
  5. 前記IF信号展開器は、
    発振周波数が、前記周波数区分の周波数幅と所定の離隔周波数との和で段階的に変化するとともに各段階では発振周波数が所定時間持続する段階型掃引式局部発振器、及び
    前記段階型掃引式局部発振器からの発振周波数と前記共通範囲IF信号変換器からのIF信号とを混合して該IF信号をそれに対応する周波数区分別にダウンコンバートして周波数軸方向への重なりを避けつつ周波数区分の周波数順に周波数軸方向へ展開する混合器、
    を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の無線機。
  6. 前記IF信号展開器の前記混合器による展開後の周波数区分別IF信号であって時間的に対応する周波数区分別IF信号同士のレベルを合計した合計レベルを算出する合計レベル算出手段を備え、
    前記高速フーリェ変換器は、複数の前記合計レベルに対して高速フーリェ変換を実施することを特徴とする請求項5記載の無線機。
  7. 前記スペクトラム表示手段は、前記高速フーリェ変換器が、展開後のIF信号に対して実施した高速フーリェ変換によるスペクトラムから、前記周波数区分に対応するスペクトラム部分のみを抽出し、隣接する抽出スペクトラム部分同士を連結した補正スペクトラムを生成し、該補正スペクトラムを前記表示器に表示することを特徴とする請求項5記載の無線機。
  8. 受信RF信号についての所定周波数範囲を複数の周波数区分に区分して周波数区分別に順番にそのRF信号を、全周波数区分に対する共通周波数範囲のIF信号へ変換する共通範囲IF信号変換ステップ、
    共通周波数範囲のIF信号をそれに対応する周波数区分別にダウンコンバートして周波数軸方向への重なりを避けつつ周波数区分の周波数順に周波数軸方向へ展開するIF信号展開ステップ、
    展開後のIF信号に対して高速フーリェ変換を実施する高速フーリェ変換ステップ、及び
    高速フーリェ変換結果に基づき生成したRF信号のスペクトラムを表示器に表示するスペクトラム表示手ステップ、
    を備えることを特徴とする無線機制御方法。
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