JP2010034414A - 熱硬化性ソルダーレジスト用組成物及び電子回路基板 - Google Patents

熱硬化性ソルダーレジスト用組成物及び電子回路基板 Download PDF

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Abstract

【課題】狭ピッチ回路の基板に使用でき、高絶縁性でしかも低誘電率、低誘電損失等の良好な電気的特性を有するソルダーレジスト用の組成物及び該ソルダーレジストが基板表面に形成された電子回路基板の提供。
【解決手段】回路基板上に配置されるソルダーレジストを形成するための熱硬化性ソルダーレジスト用組成物であって、芳香族基を有するポリシルセスキオキサンを含有し、形成されたソルダーレジストがレーザー照射による分解能を有することを特徴とする熱硬化性ソルダーレジスト用組成物;電子回路基板表面に、かかるソルダーレジスト用組成物を塗布し、更に加熱硬化してソルダーレジスト膜を形成して得られることを特徴とする電子回路基板。
【選択図】なし

Description

本発明は、プリント基板等の電子回路基板表面に、保護及び絶縁性確保のために設けられるソルダーレジスト、特に、芳香族基を有するポリシルセスキオキサンを含むことにより、電子部品の実装や配線の取り出しを行うために所望部位を穿孔できるレーザー加工性を有し、かつ、絶縁性、電気特性及び物理的強度に優れたソルダーレジストの形成に好適な、熱硬化性ソルダーレジスト用組成物に関する。また、該ソルダーレジストが基板表面に形成された電子回路基板に関する。
電子回路基板は、一般的に絶縁材料上に形成された配線パターンを有し、小型化のために基板が複層構造となっている場合がほとんどである。通常、このような基板の最外層表面は、ソルダーレジストといわれる保護膜で被覆されている。ソルダーレジストは、本来、基板表面に設けられた回路の保護、回路外部との絶縁などの目的で設けられている。同時に、回路基板作製工程において、ソルダーレジストの一部を何らかの方法で除去して基板回路を露出させ、該露出部位で部品を実装したり、外部配線への接続を行うことも多い。この際、ソルダーレジストの使用で、ハンダが配線間に付着して短絡する、いわゆるハンダブリッジも防止できる。すなわち、ソルダーレジストは、回路保護という役割だけではなく、部品実装や配線取り出し工程などの製造工程にも密着した種々の機能を発揮することが期待されている。
近年の各種コンピュータ、デジタルディスプレイ、デジタル家電、カーエレクトロニクス、電子エンターテイメント機器などの普及・発展に伴い、電子回路基板保護層であるソルダーレジストへの要求がより厳しくなっている。特に、近年は回路の狭ピッチ化に伴い、ソルダーレジストにはより高い絶縁性、良好な電気的特性(低誘電率・低誘電損失など)や、過酷な条件下での使用にも耐える性能が求められ始めている。
一般的なソルダーレジストには、複数の種類がある。
一つはポリイミドやポリエステルのフィルムに接着剤が設けられ、これを回路基板に貼り付けるようにしたものであり、フィルムソルダーレジストと呼ばれる場合がある。フィルムの材質としては、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)等が一般的である。フィルムソルダーレジストは、元々均一なフィルム状であるために、ピンホールなどの欠損も起こりにくく、物性調整等も容易なため、安定したソルダーレジストとして使用できる。このようなソルダーレジストは、部品実装や配線取り出しが必要な場合、該当部分を切除し、該切除部が回路上の所望の位置に重なるように位置合わせを行って貼付する。しかしながら、位置合わせの精度を確保するのが困難であるため、実際には、粗いパターンの基板に対する使用に限定される。
もう一つのタイプとしては、熱硬化性樹脂を表面に塗布した後、硬化させたものが挙げられる。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、可溶性ポリイミド等が使用される場合が多い。特にエポキシ樹脂は、技術が成熟しており、比較的安価で、各種物性の制御も容易なので、ソルダーレジストとして好適に使用される。このタイプの場合、部品実装部や配線取り出し部を、印刷により除去してソルダーレジスト組成物を塗布(印刷法)したり、マスクを設けてその上から均一にソルダーレジスト組成物を塗布する(マスク法)ことが一般的である。しかし、印刷法は、印刷精度(位置合わせの精度)に限界があるため、粗いパターンの基板等に適用される場合が多い。マスク法も同様であり、さらに、工程が複雑であるため、実際にはあまり行われていない。
近年の狭ピッチ回路の作製に対応したソルダーレジストとして、感光性材料を使用したもの(以下、感光性ソルダーレジストと略記する)がある。感光性ソルダーレジストは、高品質回路基板の標準的なソルダーレジストであり、最も開発が盛んに行われている材料系である(特許文献1参照)。
感光性ソルダーレジストも大きく分けて、フィルム状で回路基板上にラミネートするタイプ、及び液状で回路基板に塗布するタイプの二種類がある。
感光性ソルダーレジストの材料は、エポキシアクリレート樹脂を主としたものと、感光性ポリイミドを主としたものがある。いずれも、炭酸ナトリウム水溶液などのアルカリ水溶液で現像が可能な、ネガ型のフォトレジストが主流である。感光性ソルダーレジストを使用して回路基板上にソルダーレジストを設けるための概略工程は以下の通りである。すなわち、洗浄した回路基板上に感光性ソルダーレジスト組成物を塗布又はラミネートし、その後、部品実装部や配線取り出し部が遮光できるフォトマスクを介して紫外線などを照射し、所望の部分のみ光硬化させる。マスクの位置合わせの精度は、前述のフィルム切り取りや印刷を伴う方法等における位置合わせの精度よりも非常に高いので、高性能な狭ピッチ基板においては、専らこの方法が適用されている。その後、炭酸ナトリウム水溶液などの現像液で処理し、マスクした部分を洗浄し、開口部を形成する。さらに、パターン形成された感光性ソルダーレジストを熱処理し、硬化・安定化させる。特にエポキシアクリレート系の樹脂においては、この熱処理により、残存カルボン酸をエポキシ基等で封止することを目的として行われるため、重要である。この熱処理工程により、パターニングされたソルダーレジストが形成される。その後、レジストスカムの処理・洗浄、導体及びソルダーレジストの表面処理、ハンダ付け及び実装の各工程へと進む。
特開平10−246960号広報
このように、狭ピッチ回路を備えた高性能基板の作製には、感光性ソルダーレジストが使用される。しかし、近年の回路基板、ひいてはソルダーレジストに対する要求の高さから、感光性ソルダーレジストが、必ずしも全ての要求を満たさなくなってきており、特に、絶縁性、電気的特性等の一層の向上が求められるようになってきている。
例えば、ソルダーレジストに絶縁性が必要であることは自明であるが、最近では特に、絶縁性に関してより厳しい要求がなされている。それは、回路基板上の配線が狭ピッチ化するのに伴い、配線間のスペースが狭くなり、ごく近距離で配線同士が隣り合うケースが増えているからである。近距離で配線同士が隣り合った場合、絶縁性能が高くなければ配線間で信号のコンタミネーションや、最悪の場合は短絡が起こってしまう。
一方、感光性ソルダーレジストは、前述したように、一般的にはアルカリ水溶液で現像される。そのためには、感光性ソルダーレジスト組成物がカルボン酸等の酸基を有することが必要になる。例えば、エポキシアクリレート系樹脂であれば、酸基としてカルボン酸を有することが一般的であり、カルボン酸は最終的な熱処理でエポキシ基と反応させ、封止する。
しかし、封止が完全に行われないために、最終的なソルダーレジスト中にはカルボン酸が残留する。このカルボン酸がイオン伝導を起こすため、高度な絶縁性を確保することが本質的に困難となっている。特に、高温高湿度で絶縁性を評価すると、極端に絶縁性が低くなり、配線間の絶縁が取れなくなるケースが多い。これを回避する方法として、感光性ソルダーレジスト組成物中に、カルボン酸に対して十分な量のエポキシ化合物を含有させ、熱処理によりカルボン酸を封止することが考えられる。しかし、この方法では、エポキシ化合物を多量に含有させた組成物の現像性が悪く、回路の狭ピッチ化への対応が困難となるため、実際的ではない。
これは、感光性ポリイミドを使用した場合でも同様である。例えば、ポリイミド前駆体であるポリアミック酸を感光性ソルダーレジスト組成物として使用した場合、残留のカルボン酸が問題となる。また、ポリイミド自体が分子鎖同士の電荷移動錯体を形成するために、吸水性を有し、その結果、絶縁性が低下する。有機溶剤等による現像が可能なソルダーレジストの場合、このような問題が生じない可能性もあるが、溶剤を多量に使用する工程は環境負荷増加の原因となり、設備面でも有機溶剤による現像処理は困難である。
また、電気的特性、具体的には誘電率及び誘電損失についても、現在の感光性ソルダーレジストでは満足する性能が得られない。すなわち、前述したように、感光性ソルダーレジスト組成物は、アルカリ水溶液で現像できるように酸基などの極性基を有しているが、これは熱処理により硬化及び安定化後もソルダーレジスト中に存在する。そのため、誘電率及び誘電損失を低く抑えることが困難であり、その結果、高周波を回路に印加した場合、伝達遅延や信号損失が生じたりする。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、狭ピッチ回路の基板に使用でき、高絶縁性でしかも低誘電率、低誘電損失等の良好な電気的特性を有するソルダーレジスト用の組成物及び該ソルダーレジストが基板表面に形成された電子回路基板を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、芳香族基を有する特定のポリシルセキオキサンを原料とするソルダーレジストを使用することで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、上記課題を解決するため、
請求項1にかかる発明は、回路基板上に配置されるソルダーレジストを形成するための熱硬化性ソルダーレジスト用組成物であって、芳香族基を有するポリシルセスキオキサンを含有し、形成されたソルダーレジストがレーザー照射による分解能を有することを特徴とする熱硬化性ソルダーレジスト用組成物である。
請求項2にかかる発明は、前記ポリシルセスキオキサンが、下記一般式(1)で表されることを特徴とする請求項1に記載の熱硬化性ソルダーレジスト用組成物である。
Figure 2010034414
(式中、mは3〜300の整数であり;nは0〜300の整数であり;Rは芳香族基を有する有機基であり、m個のRはそれぞれ同一でも異なっていても良く;Rは炭素数12以下の一価の有機基であり、nが2以上である場合にはn個のRはそれぞれ同一でも異なっていても良く;R及びRはそれぞれ独立に加水分解又は縮合可能な基、あるいは炭素数12以下の一価の有機基であり、m個のRはそれぞれ同一でも異なっていても良く、nが2以上である場合にはn個のRはそれぞれ同一でも異なっていても良く、ただしm個のR及びn個のRからなる群から選択される少なくとも一つは加水分解又は縮合可能な基であり;R及びRはそれぞれ独立に水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基又はアセチル基である。)
請求項3にかかる発明は、前記芳香族基がフェニル基であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱硬化性ソルダーレジスト用組成物である。
請求項4にかかる発明は、前記Rがフェニル基であり、前記Rがメチル基であり、前記R及びRがメトキシ基であり、前記R及びRがメチル基であることを特徴とする請求項2に記載の熱硬化性ソルダーレジスト用組成物である。
請求項5にかかる発明は、さらに、芳香族基を有さないポリシルセスキオキサンを含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱硬化性ソルダーレジスト用組成物である。
請求項6にかかる発明は、前記芳香族基を有さないポリシルセスキオキサンが、下記一般式(2)で表されることを特徴とする請求項5に記載の熱硬化性ソルダーレジスト用組成物である。
Figure 2010034414
(式中、lは3〜300の整数であり;Rは炭素数12以下の一価の有機基であり、l個のRはそれぞれ同一でも異なっていても良く;Rは加水分解又は縮合可能な基、あるいは炭素数12以下の一価の有機基であり、l個のRはそれぞれ同一でも異なっていても良く、ただしl個のRの少なくとも一つは加水分解又は縮合可能な基であり; Rは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基又はアセチル基である。)
請求項7にかかる発明は、前記加水分解又は縮合可能な基が、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基又はアルキルカルボニルオキシ基であることを特徴とする請求項2又は6に記載の熱硬化性ソルダーレジスト用組成物である。
請求項8にかかる発明は、前記R及びRがメチル基であり、前記Rがメトキシ基であることを特徴とする請求項6に記載の熱硬化性ソルダーレジスト用組成物である。
請求項9にかかる発明は、さらに、希釈剤及び硬化触媒からなる群から選択される一種以上を含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の熱硬化性ソルダーレジスト用組成物である。
請求項10にかかる発明は、前記硬化触媒が有機酸であることを特徴とする請求項9に記載の熱硬化性ソルダーレジスト用組成物である。
請求項11にかかる発明は、電子回路基板表面に、請求項1〜10のいずれか一項に記載のソルダーレジスト用組成物を塗布し、更に加熱硬化してソルダーレジスト膜を形成して得られることを特徴とする電子回路基板である。
本発明によれば、狭ピッチ回路の基板に使用でき、高絶縁性でしかも低誘電率、低誘電損失等の良好な電気的特性を有するソルダーレジストを形成できる。また、該ソルダーレジストが基板表面に形成された電子回路基板を提供できる。
以下、本発明について詳しく説明する。
<熱硬化性ソルダーレジスト用組成物>
本発明の熱硬化性ソルダーレジスト用組成物(以下、「組成物」と略記することがある)は、電子回路基板の最外層に配置されるソルダーレジストを形成する熱硬化性ソルダーレジスト用組成物であって、芳香族基を有するポリシルセスキオキサンを含有し、形成されたソルダーレジストがレーザー照射による分解能を有することを特徴とする。
通常は、モノマーをそのままソルダーレジスト用組成物の原料として使用した場合には、硬化時の収縮が大きく、例えば、厚みが10μmを超えるようなソルダーレジストを形成すると、割れや剥がれが発生することがある。また、ソルダーレジスト塗料として使用すると、粘度がほとんど無く、ソルダーレジスト膜の形成が困難となり、塗工装置が制限される。これに対し、ポリシルセスキオキサンを組成物の原料として使用することで、このような不具合が抑制できる。
[芳香族基を有するポリシルセスキオキサン]
本発明において、「芳香族基」とは、いわゆるヒュッケル則に則った4n+2(nは0以上の整数)のπ電子を有する芳香族化合物から一つ以上の水素原子を除いた基を示す。そして、前記芳香族化合物としては、単環式及び多環式のいずれでも良く、ベンゼン、ナフタレンなどの炭化水素化合物であるベンゼン系芳香族化合物や、その芳香族環を構成する炭素原子がヘテロ原子で置換された、チオフェン、ピロール、フランなどの複素芳香族化合物が例示できる。
前記芳香族基はπ共役により、紫外光から可視光領域にかけて光吸収能を有する。すなわち、芳香族基は紫外光領域から可視光領域のレーザーを吸収し、生じたエネルギーにより結合切断や局所温度の上昇などを生じ、ソルダーレジストを分解に導く。このように、本発明の組成物は、これを熱硬化して得られるソルダーレジストに優れたレーザー加工性を付与するものである。レーザー加工能は、組成物中の芳香族基の種類及び比率を適宜調整することで調整できる。
前記芳香族化合物としては、ベンゼン系芳香族化合物が好ましく、具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、テトラセン、ピレン及びアズレンが例示できる。これらの中でも、ベンゼンが特に好ましい。例えば、フェニルアルコキシシランは汎用品のため容易に入手可能であり、これを原料としてポリシロキサン、ポリシルセスキオキサンを容易に合成できるし、ポリマーも市販されている。
前記芳香族基は、置換基を有していても良い。ここで置換基としては、不対電子対を有する助色団と言われる基が好ましく、具体的には、アルコキシアルキル基、水酸基、アミノ基、ニトリル基、スルホン酸基、カルボン酸基、ハロゲン原子が例示できる。
前記アルコキシアルキル基は、直鎖状及び分岐鎖状のいずれでも良く、その炭化水素部位が環状であるか又は環状構造を有していても良い。なかでも、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましく、直鎖状であることがより好ましい。また、直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシアルキル基は、炭素数が2〜6であることが好ましく、環状のアルキル基は炭素数が5〜7であることが好ましい。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が例示できる。
前記置換基としては、アルコキシアルキル基、ニトリル基又はハロゲン原子が特に好ましい。これら以外の、水酸基、アミノ基、スルホン酸基及びカルボン酸基はいずれも活性プロトンを有しており、これが絶縁性材料中に存在することは好ましくないため、これら活性プロトンを有する基を導入する場合には、その導入量を少なくすることが好ましい。
本発明において、ポリシルセスキオキサンとは、ケイ素原子にアルコキシ基等の加水分解及び縮合が可能な活性基が三つ結合したシリル化合物(例えば、トリアルコキシシリル基を有する化合物)を原料とし、水及び触媒等の使用量や反応温度等を調整することで、加水分解及び縮合を制御して反応させることにより得られるポリマー状又はオリゴマー状の化合物である。ポリシルセスキオキサンには、ランダム状、ラダー状及びかご状の各構造体が知られている。
本発明において、ポリシルセスキオキサンは、組成物を塗布後、熱硬化させて強靱な膜を形成できることが好ましく、そのためには、熱硬化性に優れるランダム状の構造体であることが好ましい。ポリシルセスキオキサンにラダー状又はかご状の構造体が含まれていても良いが、熱硬化性を著しく低下させない含有量であることが好ましい。
芳香族基を有するポリシルセスキオキサンは、下記一般式(1)で表される(以下、化合物(1)と略記する)ものが好ましい。
Figure 2010034414
(式中、mは3〜300の整数であり;nは0〜300の整数であり;Rは芳香族基を有する有機基であり、m個のRはそれぞれ同一でも異なっていても良く;Rは炭素数12以下の一価の有機基であり、nが2以上である場合にはn個のRはそれぞれ同一でも異なっていても良く;R及びRはそれぞれ独立に加水分解又は縮合可能な基、あるいは炭素数12以下の一価の有機基であり、m個のRはそれぞれ同一でも異なっていても良く、nが2以上である場合にはn個のRはそれぞれ同一でも異なっていても良く、ただしm個のR及びn個のRからなる群から選択される少なくとも一つは加水分解又は縮合可能な基であり;R及びRはそれぞれ独立に水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基又はアセチル基である。)
式中、mは3〜300の整数であり、5〜200であることが好ましく、10〜100であることがより好ましい。
また、nは0〜300の整数であり、0〜200であることが好ましく、0〜100であることがより好ましい。
式中、Rは芳香族基を有する有機基であり、該芳香族基は先に述べたものと同様である。
の芳香族基を有する有機基は、前記芳香族基のみからなる基でも良いし、前記芳香族基が他の有機基に結合した基でも良い。
前記芳香族基が他の有機基に結合した基は、例えば、分子末端に前記芳香族基を有するものや、分子末端以外の分子中に前記芳香族基を有するものが例示できる。
前記有機基は、本発明の効果を妨げない範囲内において任意に選択し得る。そして、好ましいものとして具体的には、前記芳香族基のみからなる基、アルキル基の末端の炭素原子に前記芳香族基が結合した基、アルキル基中の末端以外の炭素原子が前記芳香族基で置換された基が例示できる。
前記有機基におけるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでも良い。
前記直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基の炭素数は、1〜5であることが好ましく、1〜3であることがより好ましい。
前記環状のアルキル基は、単環式及び多環式のいずれでも良いが、単環式であることが好ましい。また、炭素数は5〜10であることが好ましく、5〜7であることがより好ましい。
前記有機基におけるアルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましく、直鎖状であることがより好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基が例示できる。
また、前記有機基におけるアルキル基は、例えば、前記直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基中の一部の水素原子が、前記環状のアルキル基で置換されたものや、前記環状のアルキル基中の一部の水素原子が、前記直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基で置換されたものでも良い。
は、前記芳香族基のみからなる基であることが好ましく、前記ベンゼン系芳香族化合物から一つ以上の水素原子を除いた基であることがより好ましく、フェニル基であることが特に好ましい。
式中、Rは炭素数12以下の一価の有機基である。このような有機基としては、本発明の効果を妨げない範囲内において任意に選択し得る。そして、好ましいものとして具体的には、置換基を有していても良いアルキル基が例示できる。
におけるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでも良い。
前記直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基の炭素数は、1〜20であることが好ましく、1〜16であることがより好ましく、1〜12であることが特に好ましい。
前記環状のアルキル基は、単環式及び多環式のいずれでも良いが、単環式であることが好ましい。また、炭素数は5〜10であることが好ましく、5〜7であることがより好ましい。
におけるアルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましく、直鎖状であることがより好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基が例示でき、メチル基であることが特に好ましい。
また、Rにおけるアルキル基は、例えば、前記直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基中の一部の水素原子が、前記環状のアルキル基で置換されたものや、前記環状のアルキル基中の一部の水素原子が、前記直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基で置換されたものでも良い。
におけるアルキル基は、置換基を有していても良い。ここで「置換基を有する」とは、例えば、アルキル基の水素原子の一部又は全部が置換基で置換されていることを指す。また、ここで「置換基」とは、一つの原子でも良いし、複数の原子で構成される基でも良い。
前記アルキル基が有する置換基としては、酸素原子、ハロゲン原子、アミノ基等が例示できる。
置換基として酸素原子を有する前記アルキル基としては、二つの炭素原子に結合している水素原子が一つずつ同一の炭素原子で置換されたエポキシ基、又は一つの炭素原子に結合している水素原子二つが同一の炭素原子で置換されたカルボニル基を有するものが例示できる。エポキシ基を有する置換基としては、好ましいものとして、グリシドキシプロピル基、2−(エポキシシクロヘキシル)エチル基が例示できる。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が例示できる。置換基としてハロゲン原子を導入した場合、難燃性等を付与できるが、ハロゲン原子が遊離した場合には絶縁性や電気的特性を悪化させ、また燃焼時に有毒ガスを発生することがあるので、目的に応じて導入量を適宜調整することが好ましい。
また、置換基としてアミノ基を導入した場合には、密着性等を向上させることができるが、絶縁性や電気的特性を悪化させる可能性があるため、組成物の性能を考慮して導入量を決定することが好ましい。
における炭素数12以下の一価の有機基は、組成物の必須成分ではなく、ソルダーレジストを所望の物性に調整するためのものであり、目的に応じて適宜選択すれば良い。
nが2以上である場合には、n個のRはそれぞれ同一でも異なっていても良い。
式中、R及びRは、それぞれ独立に加水分解又は縮合可能な基、あるいは炭素数12以下の一価の有機基である。
及びRにおける加水分解又は縮合可能な基としては、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基又はアルキルカルボニルオキシ基であることが好ましい。
前記アルコキシ基、アリールオキシ基及びアルキルカルボニルオキシ基は、酸等の触媒の作用で加水分解可能なものであればいずれでも良い。
前記アルコキシ基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでも良い。
前記直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基の炭素数は1〜10であることが好ましく、1〜7であることがより好ましく、1〜4であることが特に好ましく、メトキシ基であることが最も好ましい。
前記環状のアルコキシ基は、単環式及び多環式のいずれでも良いが、単環式であることが好ましい。また、炭素数は5〜10であることが好ましく、5〜7であることがより好ましい。
前記アルコキシ基は、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましく、直鎖状であることがより好ましい。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基又はn−ブトキシ基が例示できる。
前記アリールオキシ基は、単環式であることが好ましく、フェノキシ基が特に好ましい。
前記アルキルカルボニルオキシ基は、これを構成するアルキル基が、前記アルコキシ基を構成するアルキル基と同様のものが例示でき、直鎖状のものが好ましく、アセトキシ基が特に好ましい。
及びRにおける炭素数12以下の一価の有機基は、Rにおける炭素数12以下の一価の有機基と同様である。
これらの中でも、R及びRは、加水分解可能な基であることが好ましく、アルコキシ基、アリールオキシ基又はアルキルカルボニルオキシ基であることがより好ましく、アルコキシ基又はアリールオキシ基であることが特に好ましく、アルコキシ基であることが特に好ましい。
化合物(1)においては、R及びRとして水酸基の数が少ないほど好ましい。これは、水酸基が徐々に縮合反応を起こすことで、組成物の保存性が悪くなる傾向にあるからである。
また、アルキルカルボニルオキシ基は、例えば、アルコキシ基よりも加水分解されやすいため、塗工条件などを考慮して選択することが好ましい。
m個のRは、それぞれ同一でも異なっていても良い。
nが2以上である場合には、n個のRはそれぞれ同一でも異なっていても良い。
ただし、m個のR及びn個のRからなる群から選択される少なくとも一つは、前記加水分解又は縮合可能な基である。
式中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基又はアセチル基である。これらの中でも、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基であることが好ましく、メチル基又はエチル基であることがより好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
本発明においては、ポリシルセスキオキサンとして、芳香族基を側鎖に有するものを主として使用するが、芳香族基を主鎖に有するものを使用しても良い。このような、芳香族基を主鎖に有するポリシルセスキオキサンを使用することで、ソルダーレジストのレーザーに対する分解感度を向上させることができる。
芳香族基を主鎖に有するポリシルセスキオキサンとは、ケイ素原子同士が芳香族基を有する二価の有機基を介して結合した構造を、少なくとも主鎖の一部に有するポリシルセスキオキサンのことを指す。ここで、芳香族基を有する二価の有機基としては、特に限定されないが、前記芳香族基が分子末端に結合していない二価の有機基が好ましく、アルキレン基の一つ以上の炭素原子が前記芳香族基で置換された基が例示できる。
前記アルキレン基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでも良い。
前記直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基の炭素数は、3〜20であることが好ましく、3〜10であることがより好ましく、4〜7であることが特に好ましい。そして、前記芳香族基で置換される炭素原子は、分子末端以外の炭素原子であることが好ましい。
前記環状のアルキル基は、単環式及び多環式のいずれでも良いが、単環式であることが好ましい。また、炭素数は5〜10であることが好ましく、5〜7であることがより好ましい。
前記アルキレン基は、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましく、直鎖状であることがより好ましく、具体的には、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が例示でき、ペンチル基であることが特に好ましい。
なお、本発明において前記nが0の場合、すなわち2π電子系の場合には、化合物(1)が吸収する光の波長は200nm未満の短波長となり、特別なレーザー装置等が必要となる。ただし、芳香族基に対して共役する形で分子中に、2π電子系である炭素−炭素二重結合;炭素−酸素二重結合;炭素−窒素二重結合;窒素−窒素二重結合;窒素−酸素二重結合;これらが酸化されたもの;ニトロ基等が含まれる場合には、吸収波長が長波長側にシフトするので好ましい。具体例としては、スチリル基が挙げられる。
芳香族基を主鎖に有するポリシルセスキオキサンの使用量は、芳香族基を側鎖に有するポリシルセスキオキサン100質量部に対して、40〜80質量部であることが好ましく、50〜75質量部であることがより好ましく、60〜70質量部であることが特に好ましい。40質量部以上とすることで、芳香族基を主鎖に有するポリシルセスキオキサンの奏する効果が十分に得られ、60質量部以下とすることで、芳香族基を側鎖に有するポリシルセスキオキサンの奏する効果が十分に得られる。
芳香族基を有するポリシルセスキオキサンの重合度は、ソルダーレジストの用途や塗工工程に応じて適宜調整すれば良いが、通常、3〜600であることが好ましく、5〜300であることがより好ましく、10〜100であることが特に好ましい。重合度が3以上であることにより、硬化収縮を低減し、組成物の粘度を容易に調整できるより高い効果が得られ、容易にソルダーレジスト膜を形成できる。また、重合度が300以下であることにより、組成物の保存安定性がより向上し、粘度を適性に維持できるので容易に塗工できる。
芳香族基を有するポリシルセスキオキサンの質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算値で5000〜60000であることが好ましく、6000〜50000であることがより好ましく、6000〜40000であることが特に好ましい。
芳香族基を有するポリシルセスキオキサンは、「−Si−O−」結合が直鎖状であっても良いし、分岐鎖状又は環状であっても良い。また、ブロック共重合体及びランダム共重合体のいずれでも良い。
芳香族基を有するポリシルセスキオキサンは、一種を単独で使用しても良いし、二種以上を併用しても良い。二種以上を併用する場合には、その組み合わせ及び比率は、目的に応じて適宜設定すれば良い。例えば、硬化反応を効率的に行うために、より反応性が高い、芳香族基を有するポリシルセスキオキサンを併用しても良い。
なお、ここで、芳香族基を有するポリシルセスキオキサンは、例えば、少なくとも、R〜Rの一つ以上が同じでない場合、あるいはm及び/又はnが同じでない場合に、種類が異なるものとして取り扱うものとする。
芳香族基を有するポリシルセスキオキサンは、対応するモノマーを縮合することで得られる。また、対応するモノマーを縮合して得られたオリゴマー及びポリマー、並びに前記モノマーからなる群から選択される一種以上を使用して、縮合することでも得られる。ただし、所望の構造が容易に得られる点と、製造コストが低減できる点から、前記モノマーのみを縮合する方法が好ましい。
縮合時には、原料モノマーが加水分解して水酸基(シラノール基)を生じることが多い。そこで、縮合時に予め所定量の水を添加することで、水酸基の量を調整することが好ましい。
また、原料モノマーとして、一部、ジアルコキシシリル化合物を使用しても良い。ポリシルセスキオキサン中にジアルコキシシリル化合物由来のシロキサン結合が含まれることにより、ソルダーレジストに良好な可撓性を付与できる。ただし、ジアルコキシシリル化合物の使用量が多過ぎると、加熱硬化が不十分になることがあり、この場合、ソルダーレジストの強度が不十分になる。そこで、ジアルコキシシリル化合物の使用量は、可撓性と硬化性を考慮すると、通常、原料モノマー中80mol%以下であることが好ましく、50mol%以下であることがより好ましく、20mol%以下であることが特に好ましい。
芳香族基を主鎖に有するポリシルセスキオキサンは、ケイ素原子同士が芳香族基を有する二価の有機基を介して結合したモノマーを併用して縮合することで得られる。前記モノマーとしては、好ましいものとして、1,4−ビス(2−モノメトキシシリルエチル)ベンゼン、1,4−ビス(2−ジメトキシシリルエチル)ベンゼン、1,4−ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ベンゼンが例示できる。また、前記モノマーを縮合して得られた、ケイ素原子同士が芳香族基を有する二価の有機基を介して結合した構造を少なくとも主鎖の一部に有するオリゴマー及びポリマー、並びに前記モノマーからなる群から選択される一種以上を使用して、縮合することでも、芳香族基を主鎖に有するポリシルセスキオキサンが得られる。ただし、所望の構造が容易に得られる点と、製造コストが低減できる点から、前記モノマーのみを縮合する方法が好ましい。
縮合反応の条件は、使用するモノマーに応じて適宜調整すれば良いが、通常、反応温度は50〜90℃であることが好ましく、60〜80℃であることがより好ましい。
反応時間は反応温度によって異なるが、通常、2〜10時間であることが好ましく、3〜8時間であることがより好ましい。
反応時には、有機溶媒を使用することが好ましく、該有機溶媒としては、後記する組成物の希釈剤と同様のものが例示できる。有機溶媒の使用量は、使用するモノマー100質量部に対して130〜300質量部であることが好ましく、150〜250質量部であることがより好ましい。
また、反応は酸共存下で行うことが好ましく、該酸としては、後記する組成物の硬化触媒としての酸と同様のものが例示できる。
さらに、反応は少量の水共存下で行っても良い。
反応終了後は、適宜必要に応じて公知の手法で後処理を行って良いし、後処理を行わずにそのままポリシルセスキオキサンとして使用しても良い、
芳香族基を有するポリシルセスキオキサンは、耐熱性を有し、加熱により架橋して高強度となり、絶縁性も良好である。また、電気的特性も良好であり、特に、有機基を含むことから誘電率も低く、高周波回路基板用の高性能ソルダーレジストの形成に極めて好適ある。
[その他の含有成分]
本発明の組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、前記芳香族基を有するポリシルセスキオキサン以外に、その他の成分を含有していても良い。その他の成分として特に好ましいものとしては、芳香族基を有さないポリシルセスキオキサン及びアルキレン型トリアルコキシシリル化合物が例示できる。
(芳香族基を有さないポリシルセスキオキサン)
本発明の組成物に、芳香族基を有さないポリシルセスキオキサンを含有させることで、ソルダーレジストに要求される諸性能、特に塗液特性、硬化特性及び機械特性を向上させることができる。
具体例を挙げると、塗液特性の向上とは、塗液の粘度が塗工方法に適したものとなることを指す。塗液の粘度は、組成物の粘度に依存する。芳香族基を有するポリシルセスキオキサンだけを使用しても、塗液の粘度調整を行うことは可能であるが、例えば、芳香族基の種類によっては、分子の剛直性や分子量が制限され、必ずしも塗液の粘度が所望の塗工方法に適さないことがある。しかし、芳香族基を有さないポリシルセスキオキサンを併用して、組成物の設計自由度を高めることにより、塗液の粘度も容易に調整できる。一例を挙げれば、芳香族基を有するポリシルセスキオキサンの反応性が低く、重合度が十分に高く(式中のm及び/又はnが、300以下の範囲内において十分に大きく)ならない場合、一般的には、塗液の粘度が低くなり、塗工が困難になる可能性がある。これに対し、芳香族基を有さないポリシルセスキオキサンとして、分子量が大きい(式中のlが、300以下の範囲内において十分に大きい)ものを併用することで、所望の塗工方法に適した、十分な粘度の塗液が得られるようになる。
塗液の粘度は、公知の粘度調整剤を併用しても調整できる。ここで、粘度調整剤としては、有機高分子や無機微粒子等が例示できる。
しかし、有機高分子を併用する場合には、芳香族基を有するポリシルセスキオキサンとの相溶性が低いものは使用すべきではなく、粘度調整剤の選択の自由度がかなり制限されてしまう。また、粘度調整剤としての有機高分子としては、シリコンアクリレートが例示できるが、塗膜の耐熱性及び電気特性を低下させる傾向があるため、本発明の効果を損なわないよう、種類及び使用量を制限することが必要となる。一方、その他の粘度調整剤としての有機高分子は、通常、ポリシルセスキオキサンとは反応しないため、組成物の架橋密度を十分に大きくすることが困難であり、強靱な塗膜を得ることが困難である。
芳香族基を有さないポリシルセスキオキサンは、目的に応じて適宜選択すれば良い。なかでも好ましいものとして、下記一般式(2)で表されるものが例示できる。
Figure 2010034414
(式中、lは3〜300の整数であり;Rは炭素数12以下の一価の有機基であり、l個のRはそれぞれ同一でも異なっていても良く;Rは加水分解又は縮合可能な基、あるいは炭素数12以下の一価の有機基であり、l個のRはそれぞれ同一でも異なっていても良く、ただしl個のRの少なくとも一つは加水分解又は縮合可能な基であり; Rは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基又はアセチル基である。)
式中、lは3〜300の整数であり、5〜200であることが好ましく、10〜100であることがより好ましい。
式中、Rは炭素数12以下の一価の有機基であり、前記Rと同様であり、メチル基であることが特に好ましい。そして、l個のRはそれぞれ同一でも異なっていても良い。
式中、Rは加水分解又は縮合可能な基、あるいは炭素数12以下の一価の有機基であり、前記R及びRと同様であり、メトキシ基であることが特に好ましい。そして、l個のRはそれぞれ同一でも異なっていても良く、ただしl個のRの少なくとも一つは加水分解又は縮合可能な基である。
式中、Rは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基又はアセチル基であり、前記R及びRと同様であり、メチル基であることが特に好ましい。
芳香族基を有さないポリシルセスキオキサンとしては、好ましいものとして、前記R及びRがメチル基であり、前記Rがメトキシ基であるものが例示できる。このようなものは、適度な反応性を有するので硬化特性を向上させ、重合度を調整して塗液の粘度制御を容易にすると共に、ソルダーレジストに適度な柔軟性を付与できる。
芳香族基を有さないポリシルセスキオキサンの使用量は、その種類に応じて適宜調整すれば良いが、通常、芳香族基を有するポリシルセスキオキサン100質量部に対して、70〜130質量部であることが好ましく、80〜120質量部であることがより好ましく、90〜110質量部であることが特に好ましい。このような範囲とすることで、芳香族基を有するポリシルセスキオキサン及び芳香族基を有さないポリシルセスキオキサンを使用することによる効果を、それぞれバランス良く発現させることができる。
芳香族基を有さないポリシルセスキオキサンは、一種を単独でも使用しても良いし、二種以上を併用しても良い。二種以上含有する場合には、その種類の組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に調整し得る。ここで、芳香族基を有さないポリシルセスキオキサンは、例えば、少なくとも、R〜Rの一つ以上が同じでない場合、あるいはlが同じでない場合に、種類が異なるものとして取り扱うものとする。
さらに、芳香族基を有さないポリシルセスキオキサンと芳香族基を有するポリシルセスキオキサンとの組み合わせ及び比率も、目的に応じて任意に調整し得る。
芳香族基を有さないポリシルセスキオキサンの質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算値で10000〜70000であることが好ましく、15000〜60000であることがより好ましく、20000〜50000であることが特に好ましい。
芳香族基を有さないポリシルセスキオキサンは、一種を単独で使用しても良いし、二種以上を併用しても良い。二種以上を併用する場合には、その組み合わせ及び比率は、目的に応じて適宜設定すれば良い。
芳香族基を有さないポリシルセスキオキサンは、「−Si−O−」結合が直鎖状であっても良いし、分岐鎖状又は環状であっても良い。また、ブロック共重合体及びランダム共重合体のいずれでも良い。
芳香族基を有さないポリシルセスキオキサンは、対応するモノマーを縮合することで得られる。また、対応するモノマーを縮合して得られたオリゴマー及びポリマー、並びに前記モノマーからなる群から選択される一種以上を使用して、縮合することでも得られる。ただし、所望の構造が容易に得られる点と、製造コストが低減できる点から、前記モノマーのみを縮合する方法が好ましい。
縮合反応の条件及び反応後の処理方法は、芳香族基を有するポリシルセスキオキサンの場合と同様である。
(アルキレン型トリアルコキシシリル化合物)
本発明の組成物には、二つのトリアルコキシシリル基のケイ素原子同士が、アルキレン基を介して結合したアルキレン型トリアルコキシシリル化合物を含有させても良い。これらを併用することで、硬化反応の反応性を高めることで、効率的に反応させることができる。ここで、一分子中において、二つのトリアルコキシシリル基は互いに同一でも異なっていても良いが、互いに同一であるものの方が、容易に入手できる点で好ましい。
前記アルキレン型トリアルコキシシリル化合物としては、なかでもアルキレン型トリメトキシシリル化合物及びアルキレン型トリエトキシシリル化合物が好ましい。具体的には、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン、1,4−ビス(トリメトキシシリル)ブタン、1,4−ビス(トリエトキシシリル)ブタン、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、1,6−ビス(トリエトキシシリル)ヘキサン、1,8−ビス(トリメトキシシリル)オクタン、1,8−ビス(トリエトキシシリル)オクタン、1,9−ビス(トリメトキシシリル)ノナン、1,9−ビス(トリエトキシシリル)ノナン、1,10−ビス(トリメトキシシリル)デカン、1,10−ビス(トリエトキシシリル)デカン、1,12−ビス(トリメトキシシリル)ドデカン、1,12−ビス(トリエトキシシリル)ドデカンが例示できる。
アルキレン型トリアルコキシシリル化合物は、一種を単独で使用しても良いし、二種以上を併用しても良い。二種以上を併用する場合には、その組み合わせ及び比率は、目的に応じて適宜設定すれば良い。
アルキレン型トリアルコキシシリル化合物の使用量は、芳香族基を有するポリシルセスキオキサン100質量部に対して、20〜60質量部であることが好ましく、30〜55質量部であることがより好ましく、40〜50質量部であることが特に好ましい。20質量部以上とすることで、アルキレン型トリアルコキシシリル化合物の奏する効果が十分に得られ、60質量部以下とすることで芳香族基を有するポリシルセスキオキサンの奏する効果が十分に得られる。
(粘度調整剤)
本発明の組成物には、必要に応じて上記のように、有機高分子や無機微粒子等の公知の粘度調整剤を含有させても良い。
前記有機高分子としては、シリコンアクリレートが例示できる。
前記無機微粒子としては、公知のものを使用でき、具体的には、シリカ、チタニア、アルミナ、クレイ、硫酸バリウム及び水酸化アルミニウム等の微粒子が例示できる。これら無機微粒子の粒径は、1nm〜100μmであることが好ましく、5nm〜10μmであることがより好ましく、10nm〜1μmであることが特に好ましい。粒径が100μmであることで、ソルダーレジストをレーザーで穿孔して配線を露出させ、部品を実装する時に、その操作を容易に行うことができる。また、粒径が1nmであることで、組成物の粘度やソルダーレジストの強靱性がより向上する。
前記無機微粒子は、シランカップリング処理などの表面処理が施されていても良い。
このように、前記無機微粒子を併用することで、組成物の粘度調整に加え、ソルダーレジストの物性調整も可能となる。
粘度調整剤は、一種を単独で使用しても良いし、二種以上を併用しても良い。二種以上を併用する場合には、その組み合わせ及び比率は、目的に応じて適宜設定すれば良い。
(希釈剤)
本発明の組成物には、必要に応じて希釈剤を含有させても良い。希釈剤は、ポリシルセスキオキサンの保存時の重合反応を抑制する。また、組成物の粘度調整剤としても機能する。
前記希釈剤は、公知のもので良く、組成物を溶解できるものの中から目的に応じて適宜選択すれば良いが、加熱により揮発可能なものが好ましい。この場合、ソルダーレジスト用組成物をスプレー等の公知の手法で基板上に塗布し、加熱することで、ソルダーレジストには希釈剤が残留しないようにすることができる。
なかでも、30〜200℃で揮発するものが好ましく、50〜180℃で揮発するものがより好ましく、60℃〜150℃で揮発するものが特に好ましい。このようなものとして具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−プロパノール、ブタノール等のアルコール類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル等のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステルエーテル類;N−メチルピロリドン等のピロリドン類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類が例示できる。
希釈剤としては、上記の中でもアルコール類が好ましく、メタノール又はエタノールがより好ましく、メタノールが特に好ましい。
また、希釈剤としては、上記以外にクロロホルムやトリクロロエタン等のハロゲン化溶媒も使用できるが、ソルダーレジスト中にハロゲンが残留し易い点や、環境負荷の観点から、使用量を制限することが好ましい。
希釈剤は、一種を単独で使用しても良いし、二種以上を併用しても良い。二種以上を併用する場合には、その組み合わせ及び比率は、目的に応じて適宜設定すれば良い。
希釈剤の使用量は、組成物の所望の粘度及び塗工方法、並びにソルダーレジストの膜厚を考慮して、適宜選択すれば良い。通常は、組成物中の不揮発成分100質量部に対して、50〜2000質量部であることが好ましい。50質量部以上とすることで、ポリシルセスキオキサンの保存時の重合反応を抑制し、組成物の粘度を容易に調整できる高い効果が得られる。また、2000質量部以下とすることで、粘度を低下させ過ぎることなく適度に調整して、より均一なソルダーレジスト膜を形成できる。
(硬化触媒)
本発明の組成物には、必要に応じて硬化触媒を含有させても良い。
硬化触媒としては、酸、塩基又は水が例示できる。
酸は硬化反応の触媒となるものであり、塗布後、熱硬化させる際に使用することが好ましい。酸は組成物の含有成分であるポリシルセスキオキサン類(主成分である芳香族基を有するポリシルセスキオキサン;芳香族基を有さないポリシルセスキオキサン等、その他のポリシルセスキオキサン)と初めから共存させておいても良いが、この場合には組成物の貯蔵安定性が低下することがあるため、冷蔵保存することが好ましい。また、酸を別途用意し、ソルダーレジストを形成する直前に組成物と混合しても良い。すなわち、一液性のソルダーレジストではなく、二液性のソルダーレジストとすることで、保存温度によらず、組成物の貯蔵安定性を向上させることができる。
硬化触媒としての酸は、無機酸及び有機酸のいずれでも良い。
無機酸としては、塩酸、硫酸、硝酸が例示できる。
有機酸としては、ギ酸、酢酸及びプロピオン酸が例示でき、酢酸が特に好ましい。
ただし、無機酸の場合には、その種類によっては腐食性が高く、使用する塗布装置に錆防止等の施策が必要であり、さらに、ソルダーレジスト内に無機酸又は共役塩基が残留することがあり、この場合は電気特性、特に絶縁性を悪化させる可能性があるため、使用量及び使用方法等に留意が必要である。
一方、有機酸の場合には、通常無機酸よりも腐食性が低く、さらに、組成物の加熱硬化時に蒸発するものであれば、ソルダーレジスト中に残留することなく、絶縁性等の電気特性を悪化させない点で好適である。
硬化触媒としての塩基は、無機塩基及び有機塩基のいずれでも良い。これら塩基は、モノマーの硬化反応に通常使用される公知のものの中から、適宜選択すれば良い。
無機塩基としては、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムが例示できる。
有機塩基としては、ピリジン、アニリン等の芳香族アミン;n−ブチルアミン、n−ブチルメチルアミン、トリエチルアミン等のアルキルアミンが例示できる。
これら塩基触媒は、最終的なソルダーレジスト中に残留すると絶縁性を悪化させるため、揮発可能なものが好ましい。揮発可能なものとしては、無機塩基であればアンモニアが例示できる。また、先に例示したモノアミン類である有機塩基はいずれも揮発可能である。
硬化触媒は、組成物製造時にその他の含有成分と混合しても良いが、前記ポリシルセスキオキサン類等の含有成分の調製時に使用し、これら含有成分と共存している酸、塩基又は水を除去することなく、そのまま組成物の硬化触媒として使用しても良い。
硬化触媒は、一種を単独で使用しても良いし、二種以上を併用しても良い。二種以上を併用する場合には、その組み合わせ及び比率は、目的に応じて適宜設定すれば良い。
硬化触媒の使用量は特に限定されず、含有成分の種類に応じて適宜設定すれば良い。通常は、0.1〜5質量%であることが好ましく、0.3〜3質量%であることが好ましい。
(芳香族化合物)
本発明の組成物には、必要に応じて組成物の物性調整のために、前記芳香族基を有するポリシルセスキオキサンとは直接結合しない芳香族化合物を含有させても良い。
前記芳香族化合物は、低分子芳香族化合物及び高分子芳香族化合物のいずれでも良い。ここで「高分子芳香族化合物」は分子量が1000以上のものを指し、「低分子芳香族化合物」は分子量が1000未満のものを指すものとする。
低分子芳香族化合物は、ソルダーレジストを長期に渡り使用した場合に、該ソルダーレジストから滲み出す(ブリードアウト)ことがあり、その場合、電気的特性のうち、誘電損失を悪化させるので、使用量は少量であることが好ましい。
一方、高分子芳香族化合物はブリードアウトを生じることがほとんどないため、その使用量は、本発明の効果を妨げない範囲で任意に設定し得る。
芳香族化合物の使用量は、ソルダーレジストの強度や耐熱性等を考慮し、組成物の不揮発分全量に対して、50質量%未満であることが好ましい。
前記芳香族化合物は、一種を単独で使用しても良いし、二種以上を併用しても良い。二種以上を併用する場合には、その組み合わせ及び比率は、目的に応じて適宜設定すれば良い。
(顔料)
本発明の組成物には、必要に応じて顔料を含有させても良い。
樹脂組成物中に顔料を含有させ、照射したレーザーを吸収させて生じる熱により、照射部近傍の樹脂を除去する、いわゆるアブレーション技術が知られている(例えば、特開2003−101244号広報参照)。しかし、この技術では、含有させる顔料の種類、分散度、配合量等によりレーザー加工性が異なり、その制御が困難であるため、アブレーション技術のみでレーザー加工性を付与した場合、ソルダーレジストの性能を安定化させることは、通常困難である。
一方、本発明の組成物は、必須成分として、レーザー吸収能を有する、芳香族基を有するポリシルセスキオキサンを含有し、ソルダーレジストの性能が安定化されているので、さらに顔料を含有させることで、ソルダーレジストの性能を調整できる。
顔料は、一種を単独で使用しても良いし、二種以上を併用しても良い。二種以上を併用する場合には、その組み合わせ及び比率は、目的に応じて適宜設定すれば良い。
顔料の使用量は特に限定されず、目的に応じて適宜設定すれば良い。
本発明の組成物の保存温度は、含有成分の劣化を抑制するために、0〜25℃であることが好ましく、0〜10であることがより好ましく、0〜5であることが特に好ましい。
本発明の組成物は、上記構成を採用することにより、体積固有抵抗を好ましくは1×1014Ω・cm以上、より好ましくは4×1014Ω・cm以上、特に好ましくは8×1014Ω・cm以上とすることができる。また、容量法による誘電率を好ましくは、3.5以下、より好ましくは3.3以下、特に好ましくは3.2以下とすることができる。さらに、誘電正接を好ましくは0.04以下、より好ましくは0.03以下、特に好ましくは0.02以下とすることができる。
<熱硬化性ソルダーレジスト用組成物の製造方法>
本発明の組成物は、芳香族基を有するポリシルセスキオキサンと、必要に応じてその他の成分とを混合することで製造できる。混合は、撹拌翼を使用した撹拌等、公知の方法で行えば良く、特に限定されない。混合時の温度は、含有成分を考慮してこれらが安定な範囲とすれば良い。
<電子回路基板>
本発明の電子回路基板は、電子回路基板表面に、上記本発明の組成物を塗布し、更に加熱硬化してソルダーレジスト膜を形成して得られることを特徴とする。
硬化温度の上限は、150℃であることが好ましく、130℃であることがより好ましく、110℃であることが特に好ましい。硬化温度を上限値以下とすることで、硬化が過度に進行することにより、レーザー加工が困難とならないようにできる。
また、硬化温度の下限は、硬化が十分に進行する限り特に限定されないが、組成物中に、希釈剤や硬化触媒等の揮発成分が含有される場合には、これら揮発成分を揮発させて除去でき、十分に乾燥させることができる温度に設定することが好ましい。
硬化時間は、硬化温度に応じて適宜調節すれば良いが、通常、20〜180分であることが好ましく、30〜120分であることがより好ましく、40〜90であることが特に好ましい。そして、硬化が十分に進行し、組成物が揮発成分を含有する場合には、その除去が十分に行われる範囲内において、硬化時間は短いほど好ましい。
加熱硬化は公知の方法で行えば良く、加熱送風、赤外線照射等、揮発成分を除去するための種々の乾燥方法が例示できる。
ソルダーレジストは、より具体的には、以下のように形成できる。
例えば、本発明の組成物を保護対象である電子回路基板等の回路基板上の所定箇所、通常は、回路基板上の最外層に塗布する。塗布方法は公知の方法で良く、例えば、ドクターブレード、カーテンコート、スプレーコート、スクリーン印刷、フレキソ印刷、ロールコートが例示でき、目的に応じて適宜選択すれば良い。塗布時に、配線あるいは実装部分を設けるために、マスクを使用したり、部分印刷を行ったりしても良い。
塗布後、必要に応じて希釈剤や硬化触媒等の揮発成分を、好ましくは上記条件で除去し、固体のソルダーレジストを形成させる。
ソルダーレジストの厚みは、目的に応じて適宜設定すれば良いが、通常は、3〜200μmであることが好ましく、5〜30μmであることがより好ましい。3μ以上とすることで、回路を保護するための十分な強度を確実に維持できる。また、200μm以下とすることで、配線の取り出しや部品実装の際、ソルダーレジスト表面から回路までの距離が大き過ぎることがなく、接続の際の信頼性確保が容易となる。
次いで、ソルダーレジストの回路取り出し部、部品実装部等の所望の箇所を、必要に応じて穿孔等により除去する。除去は、前述のようにレーザー照射で行うことが好ましく、特に炭酸ガスレーザー、エキシマレーザー、YAGレーザー等が好適であるが、これらに限定されるものではない。また、印刷等の他のパターン形成方法をレーザー照射による除去と併用しても良い。
除去後、必要に応じて基板の洗浄や表面処理を行う。次いで、さらに、150℃〜250℃で加熱硬化(安定化)させることが好ましい。このようにすることで、ソルダーレジストを一層安定化できる。硬化温度を150℃以上とすることで、ソルダーレジストを十分に硬化させることができる。また、250℃以下とすることで、回路基板にダメージを与えることがなくなる。加熱方法及び加熱時間は、前記組成物の加熱硬化の場合と同様で良い。
なお、ソルダーレジストの穿孔等により除去は、加熱硬化による安定化後に行っても良いが、加工性が優れる点で、安定化前に行うことが好ましい。
このようにしてソルダーレジストを形成した回路基板は、引き続き、目的に応じて所望の工程に使用できる。
従来の感光性ソルダーレジストは、感光性(アルカリ現像性)を有することで、先に述べたように、本質的に絶縁性や電気特性を悪化させている。また、部品実装部や配線取り出し部でソルダーレジストを除去する場合には、従来、印刷法やマスク法が適用されてきたが、高精細パターンには対応が困難である。
これに対し、本発明におけるソルダーレジストは、感光性を有さず、レーザー加工性に優れ、所望の部位を除去して高精細なパターンも容易に形成できる。しかも良好な電気的特性を有する。また、従来の感光性ソルダーレジストとは異なり、露光及び現像プロセスが不要なので、現像液の排出が不要であり、環境負荷も小さい。さらに、ドライプロセスのため、製造装置も比較的簡便なもので済み、工程数も大きく削減できる。
したがって、本発明におけるソルダーレジストは、狭ピッチ回路の基板に使用でき、高絶縁性でしかも低誘電率、低誘電損失等の良好な電気的特性を有するので、回路基板は、例えば、高周波等を取り扱っても良好な性能を発揮するものである。また、工程が簡便なので、回路基板を安価に提供できる。
以下、具体的実施例により、本発明についてさらに詳しく説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
なお、本実施例では、特に断りのない限り、試薬として和光純薬株式会社製のものを精製せずに使用した。
また、ソルダーレジスト膜の厚みは、株式会社ミツトヨ製ダイヤルゲージID−C112Cをコンパレータスタンドに設置した膜厚計を使用して測定した。
さらに、下記各重合体の質量平均分子量(Mw)は、下記GPC測定により算出した。
(GPC測定)
高速液体クロマトグラフシステム(株式会社島津製作所製)を使用し、テトラヒドロフラン(THF)を移動相として、カラム温度を40℃、流速を1.0ml/分に設定して測定を行った。検出器としては「RID−10A」を使用し、カラムとしてはShodex「KF−804L」(排除限界分子量400000)を2本直列に接続して使用した。標準ポリスチレンとしては、「TSKスタンダードポリスチレン」(東ソー株式会社製)を使用し、質量平均分子量=354000、189000、98900、37200、17100、9830、5870、2500、1050、500のものをそれぞれ使用して較正曲線を作成し、分子量を算出した。
[合成例1]
(ポリシルセスキオキサンAの合成)
フェニルトリメトキシシラン9.9g、メチルトリメトキシシラン6.8gをメタノール30gに溶解した。この溶液に、蒸留水0.6g、酢酸1.0gを徐々に加え、室温にて1時間撹拌した後、70℃オイルバスにて緩やかに6時間乾留させた後、室温に冷却し、更に冷蔵庫内で保存した。得られた若干粘度のある液体をポリシルセスキオキサンAとした。
得られたポリシルセスキオキサンAの質量平均分子量は、26000であった。
[合成例2]
メチルトリメトキシシラン13.6gをメタノール30gに溶解した。この溶液に、蒸留水0.6g、酢酸1.0gを徐々に加え、室温にて1時間撹拌した後、70℃オイルバスにて緩やかに6時間乾留させた後、室温に冷却し、更に冷蔵庫内で保存した。得られた若干粘度のある液体をポリシルセスキオキサンBとした。
得られたポリシルセスキオキサンBの質量平均分子量は、31000であった。
[合成例3]
フェニルトリメトキシシランとメチルトリエトキシシランを等モル量使用し、触媒として微少量の塩酸、メトキシ基に対して0.1当量の水を加え、メタノール溶媒中で4時間、乾留温度にて反応させることで、前記式(1)において、Rがフェニル基、Rがメチル基、R及びRがメトキシ基、R及びRがメチル基であるポリシルセスキオキサンを得た。
得られたポリシルセスキオキサンの質量平均分子量は、6800であった。
[実施例1]
バーコーター(テスター産業社製、♯26)を使用して、ポリシルセスキオキサンA2.0gを、10cm角の銅貼り積層板の銅面に塗布し、100℃オーブンにて1時間加熱し、溶媒及び触媒を除去すると共に、ソルダーレジスト膜を形成した。ソルダーレジスト膜の厚みは20μmであった。
得られたソルダーレジスト膜の表面層は紫外部に吸収を有し、エキシマレーザー(波長308nm)で穿孔可能であることが確認された。
また、高絶縁測定装置(ハイレスタGP、三菱化学社製)を使用して、ソルダーレジスト膜の絶縁性を測定したところ、体積固有抵抗は7.1×1015Ω・cmであった。また、容量法(アジレントテクノロジー社、E8801A,100MHz)により誘電率を測定したところ、誘電率は3.15、誘電正接は0.016であった。
以上より、絶縁性及び電気特性が良好なソルダーレジスト膜を形成できることが確認された。
[実施例2]
ポリシルセスキオキサンA1.0g及びポリシルセスキオキサンB1.0gを混合し、バーコーター(テスター産業社製、♯26)を使用して、得られた混合物を10cm角の銅貼り積層板の銅面に塗布し、100℃オーブンにて1時間加熱し、溶媒及び触媒を除去すると共に、ソルダーレジスト膜を形成した。ソルダーレジスト膜の厚みは17μmであった。
得られたソルダーレジスト膜の表面層は紫外部に吸収を有し、エキシマレーザー(波長308nm)で穿孔可能であることが確認された。
また、実施例1と同様に、ソルダーレジスト膜の絶縁性及び電気特性を測定したところ、体積固有抵抗は2.8×1015Ω・cm、誘電率は3.01、誘電正接は0.008であった。
以上より、絶縁性及び電気特性が良好なソルダーレジスト膜を形成できることが確認された。
[実施例3]
ポリシルセスキオキサンA1.2g及び1,4−ジ(2−トリメトキシシリルエチル)ベンゼン0.8gを混合した混合物を使用したこと以外は、実施例2と同様にしてソルダーレジスト膜を形成した。ソルダーレジスト膜の厚みは18μmであった。
その結果、得られたソルダーレジスト膜の表面層は紫外部に吸収を有し、エキシマレーザー(波長308nm)で穿孔可能であった。
また、体積固有抵抗は4.4×1015Ω・cm、誘電率は2.93、誘電正接は0.006であった。
以上より、絶縁性及び電気特性が良好なソルダーレジスト膜を形成できることが確認された。
[実施例4]
ポリシルセスキオキサンA1.4g、1,8−ビス(トリエトキシシリル)オクタン0.6gを混合した混合物を使用したこと以外は、実施例2と同様にしてソルダーレジスト膜を形成した。ソルダーレジスト膜の厚みは19μmであった。
その結果、得られたソルダーレジスト膜の表面層は紫外部に吸収を有し、エキシマレーザー(波長308nm)で穿孔可能であった。
また、体積固有抵抗は1.0×1015Ω・cm、誘電率は2.79、誘電正接は0.001であった。
以上より、絶縁性及び電気特性が良好なソルダーレジスト膜を形成できることが確認された。
上記実施例から明らかなように、本発明の組成物から得られたソルダーレジストは、従来のエポキシアクリレート樹脂や感光性ポリイミド樹脂からなる感光性レジスト(抵抗値:1012〜1013Ω・cm)よりも、圧倒的に絶縁性が高かった。また、従来のエポキシアクリレート樹脂や感光性ポリイミド樹脂からなる感光性レジストは、誘電率が3.5を超えるものがほとんどであるのに対し、本発明の組成物から得られたソルダーレジストは、良好な電気特性を有していた。
以上より、本発明の組成物は、高周波・高精細回路基板への使用に好適であることが明らかとなった。
本発明は、電子回路基板表面の保護及び絶縁性確保に利用可能である。

Claims (11)

  1. 回路基板上に配置されるソルダーレジストを形成するための熱硬化性ソルダーレジスト用組成物であって、
    芳香族基を有するポリシルセスキオキサンを含有し、形成されたソルダーレジストがレーザー照射による分解能を有することを特徴とする熱硬化性ソルダーレジスト用組成物。
  2. 前記ポリシルセスキオキサンが、下記一般式(1)で表されることを特徴とする請求項1に記載の熱硬化性ソルダーレジスト用組成物。
    Figure 2010034414
    (式中、mは3〜300の整数であり;nは0〜300の整数であり;Rは芳香族基を有する有機基であり、m個のRはそれぞれ同一でも異なっていても良く;Rは炭素数12以下の一価の有機基であり、nが2以上である場合にはn個のRはそれぞれ同一でも異なっていても良く;R及びRはそれぞれ独立に加水分解又は縮合可能な基、あるいは炭素数12以下の一価の有機基であり、m個のRはそれぞれ同一でも異なっていても良く、nが2以上である場合にはn個のRはそれぞれ同一でも異なっていても良く、ただしm個のR及びn個のRからなる群から選択される少なくとも一つは加水分解又は縮合可能な基であり;R及びRはそれぞれ独立に水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基又はアセチル基である。)
  3. 前記芳香族基がフェニル基であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱硬化性ソルダーレジスト用組成物。
  4. 前記Rがフェニル基であり、前記Rがメチル基であり、前記R及びRがメトキシ基であり、前記R及びRがメチル基であることを特徴とする請求項2に記載の熱硬化性ソルダーレジスト用組成物。
  5. さらに、芳香族基を有さないポリシルセスキオキサンを含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱硬化性ソルダーレジスト用組成物。
  6. 前記芳香族基を有さないポリシルセスキオキサンが、下記一般式(2)で表されることを特徴とする請求項5に記載の熱硬化性ソルダーレジスト用組成物。
    Figure 2010034414
    (式中、lは3〜300の整数であり;Rは炭素数12以下の一価の有機基であり、l個のRはそれぞれ同一でも異なっていても良く;Rは加水分解又は縮合可能な基、あるいは炭素数12以下の一価の有機基であり、l個のRはそれぞれ同一でも異なっていても良く、ただしl個のRの少なくとも一つは加水分解又は縮合可能な基であり; Rは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基又はアセチル基である。)
  7. 前記加水分解又は縮合可能な基が、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基又はアルキルカルボニルオキシ基であることを特徴とする請求項2又は6に記載の熱硬化性ソルダーレジスト用組成物。
  8. 前記R及びRがメチル基であり、前記Rがメトキシ基であることを特徴とする請求項6に記載の熱硬化性ソルダーレジスト用組成物。
  9. さらに、希釈剤及び硬化触媒からなる群から選択される一種以上を含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の熱硬化性ソルダーレジスト用組成物。
  10. 前記硬化触媒が有機酸であることを特徴とする請求項9に記載の熱硬化性ソルダーレジスト用組成物。
  11. 電子回路基板表面に、請求項1〜10のいずれか一項に記載のソルダーレジスト用組成物を塗布し、更に加熱硬化してソルダーレジスト膜を形成して得られることを特徴とする電子回路基板。
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