JP2010034131A - 不揮発性半導体記憶装置およびその製造方法 - Google Patents

不揮発性半導体記憶装置およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電極間絶縁膜への電界集中を防止し、短絡用開口部形成の加工性の向上を図る。
【解決手段】シリコン基板1にトンネル絶縁膜4、多結晶シリコン膜5、電極間絶縁膜6および多結晶シリコン膜7の下層7aを形成し、平坦な状態の電極間絶縁膜6に短絡用開口部6aを形成する。多結晶シリコン膜7の中層7b、加工用絶縁膜を積層形成し、シリコン基板1に素子分離用溝1dを形成する。素子分離絶縁膜2を所定高さまで埋め込み平坦化する。多結晶シリコン膜7の上層7c、シリサイド膜8、シリコン窒化膜9を積層形成する。電極間絶縁膜6の加工性が向上し、且つ、電界集中を防止できる。
【選択図】図3

Description

本発明は、浮遊ゲート電極および制御ゲート電極を電極間絶縁膜を介して積層した構成のメモリセルトランジスタと同じ積層構造で浮遊ゲート電極と制御ゲート電極との間を短絡した構成の選択ゲートトランジスタおよび周辺回路とを備えた構成の不揮発性半導体記憶装置およびその製造方法に関する。
NAND型フラッシュメモリ装置に代表される不揮発性半導体記憶装置は、多数のメモリセルトランジスタとこれらを選択するための選択ゲートトランジスタを備えたメモリセル領域と、メモリセルトランジスタに対して読み出し、書き込み、消去などの動作を行なうためのトランジスタを備えた周辺回路とが設けられている。
メモリセルトランジスタは、シリコン基板上にゲート絶縁膜を介してゲート電極が形成されると共に、そのゲート電極の両側のシリコン基板表面に不純物を導入してソース/ドレイン領域が形成された構成である。メモリセルトランジスタのゲート電極は、浮遊ゲート電極、電極間絶縁膜、制御ゲート電極を積層した構成とされている。
また、選択ゲートトランジスタや周辺回路領域のトランジスタは、ゲート電極の膜構成としてメモリセルトランジスタと同様の積層構造を採用することで一括形成を行なうが、通常のトランジスタとして動作させるために、浮遊ゲート電極と制御ゲート電極との間の電極間絶縁膜に開口部を形成して両者を電気的に接触させて短絡させることで浮遊ゲート電極を持たない構成としている。特許文献1にはこのような構成を採用したものが開示されている。
しかしながら、特許文献1に示すものでは、メモリセルトランジスタのゲート電極を形成する工程として、シリコン基板にゲート絶縁膜を形成し、この後、ゲート電極の構成のうち浮遊ゲート電極となる導電層を形成した後シリコン窒化膜などを積層した状態で、素子分離の加工を行なっている。素子分離加工は、シリコン窒化膜をマスク材として導電層、ゲート絶縁膜、シリコン基板をエッチングして溝を形成し、溝内に素子分離絶縁膜を埋め込むことにより行なういわゆるSTI(shallow trench isolation)法による素子分離加工である。
この後、電極間絶縁膜、制御ゲート電極用の導電層などを積層するが、メモリセル領域について電極間絶縁膜を積層する前に、素子分離絶縁膜の上面の高さを浮遊ゲート電極の高さよりも低くなるように落とし込む処理を行っている。この結果、メモリセル領域においては、電極間絶縁膜は素子分離絶縁膜と浮遊ゲート電極との段差が形成された構成部分の形状に沿うように形成されることになる。
このため、前述したメモリセル領域の選択ゲートトランジスタおよび周辺回路領域のトランジスタについて電極間絶縁膜に開口部を形成する工程では、メモリセル領域に形成される選択ゲートトランジスタについては、上記した段差を有する部分に対してフォトリソグラフィ工程を実施して狭い開口部を形成するためのパターンニングを行なうことになる。
また、従来構成のメモリセルトランジスタの浮遊ゲート電極には、上面部および側面部に沿って電極間絶縁膜が形成される構成となるため、これらメモリセルトランジスタの浮遊ゲート電極と素子分離絶縁膜との段差を埋め込むように電極間絶縁膜上に制御ゲート電極用の導電層が形成されることになる。この結果、浮遊ゲート電極の上面の両端の角部に電界が集中しやすくなるため、電極間絶縁膜の特性劣化を引き起こしやすくなるものであった。
特開2002−176114号公報
本発明は、選択ゲート電極などの浮遊ゲート電極を必要としない構造のゲート電極に対する電極間絶縁膜の加工性を向上させると共に、浮遊ゲート電極の上面での電極間絶縁膜への電界集中を低減できる不揮発性半導体記憶装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の不揮発性半導体記憶装置の製造方法の一態様は、メモリセル領域および周辺回路領域を有する半導体基板に第1のゲート絶縁膜、第1の電極膜、短絡用開口部を形成した第2のゲート絶縁膜、第2の電極膜、シリコン窒化膜、第1の加工用絶縁膜を順次積層形成する工程と、前記第1の加工用絶縁膜を溝形成用のマスクとして前記シリコン窒化膜、前記第2の電極膜、第2のゲート絶縁膜、第1の電極膜、第1のゲート絶縁膜および前記半導体基板を所定深さまでエッチング加工して素子分離溝を形成し、その後前記第1の加工用絶縁膜を剥離する工程と、前記溝内に素子分離絶縁膜を前記第2の電極膜の上面の高さまで埋め込む工程と、前記シリコン窒化膜を除去する工程と、前記第2の電極膜および前記素子分離絶縁膜の上面に第3の電極膜および第2の加工用絶縁膜を形成する工程と、前記第2の加工用絶縁膜をゲート電極形成用のマスクとして前記第3および第2の電極膜、第2のゲート絶縁膜、第1の電極膜を加工してゲート電極を分離形成する工程とを備えたところに特徴を有する。
また、本発明の不揮発性半導体記憶装置の一態様は、メモリセル領域および周辺回路領域を備え素子分離溝が形成された半導体基板と、前記素子分離溝に埋め込まれた素子分離絶縁膜と、前記素子分離絶縁膜で分離された前記半導体基板の素子形成領域に、第1のゲート絶縁膜、第1の電極膜、第2のゲート絶縁膜、第2の電極膜を積層してなるゲート電極を備えたメモリセルトランジスタと、前記メモリセルトランジスタの前記ゲート電極と同じ膜構造で且つ前記第2のゲート絶縁膜に短絡用開口部が形成され、前記第1の電極膜および第2の電極膜が電気的に短絡された構成のゲート電極を備えたトランジスタとを備え、前記素子分離絶縁膜は、前記第2のゲート絶縁膜の端面を覆うと共に前記第2の電極膜の側面の所定高さまで形成されているところに特徴を有する。
本発明によれば、選択ゲート電極や周辺回路領域のトランジスタのゲート電極などの浮遊ゲート電極を必要としない構造のゲート電極における第2のゲート絶縁膜の加工性の向上が図れ、浮遊ゲート電極の上面での第2のゲート絶縁膜の電界集中を低減できる。
以下、本発明をNAND型フラッシュメモリ装置に適用した場合の一実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号で表している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なる。
先ず、本実施形態のNAND型フラッシュメモリ装置の構成を説明する。図1は、NAND型のフラッシュメモリ装置のメモリセル領域に形成されるメモリセルアレイの一部を示す等価回路図である。
NAND型フラッシュメモリ装置のメモリセルアレイは、2個の選択ゲートトランジスタTrs1、Trs2と、当該選択ゲートトランジスタTrs1、Trs2間に直列接続された複数個(例えば8個:2のn乗個(nは正数))のメモリセルトランジスタTrmとからなるNANDセルユニット(メモリユニット)Suを有し、このNANDセルユニットSuが行列状に配置形成されるた構成である。NANDセルユニットSu内において、複数個のメモリセルトランジスタTrmは隣接するもの同士でソース/ドレイン領域を共有する構成である。
図1中X方向(ワード線方向、ゲート幅方向に相当)に配列されたメモリセルトランジスタTrmは、ワード線(制御ゲート線)WLにより共通接続されている。また、図1中X方向に配列された選択ゲートトランジスタTrs1は選択ゲート線SGL1で共通接続され、選択ゲートトランジスタTrs2は選択ゲート線SGL2で共通接続されている。選択ゲートトランジスタTrs1のドレイン領域にはビット線コンタクトCBが接続されている。このビット線コンタクトCBは図1中X方向に直交するY方向(ゲート長方向、ビット線方向に相当)に延びるビット線BLに接続されている。また、選択ゲートトランジスタTrs2はソース領域を介して図1中X方向に延びるソース線SLに接続されている。
図2はメモリセル領域の一部のレイアウトパターンを示す平面図である。半導体基板としてのシリコン基板1に、素子分離絶縁膜としてのSTI(shallow trench isolation)2が図2中Y方向に沿って所定間隔で複数本形成され、これによって活性領域3が図2中X方向に分離形成されている。活性領域3と直交する図2中X方向に沿って所定間隔でメモリセルトランジスタのワード線WLが形成されている。また、図2中X方向に沿って一対の選択ゲートトランジスタの選択ゲート線SGL1が形成されている。一対の選択ゲート線SGL1間の活性領域3にはビット線コンタクトCBがそれぞれ形成されている。ワード線WLと交差する活性領域3上には第1のゲート電極であるメモリセルトランジスタのゲート電極MGが、選択ゲート線SGL1と交差する活性領域3上には第2のゲート電極である選択ゲートトランジスタのゲート電極SGが形成されている。
図3(a)、(b)は、それぞれ図2中切断線A−A、B−Bで切断した部分の断面図である。すなわち、図3(a)は、活性領域3に沿って示すゲート電極MGおよび選択ゲート電極SG部分であり、図3(b)は、ワード線WLに沿って示すSTI2および活性領域3部分である。
図3(a)において、シリコン基板1上には、第1のゲート絶縁膜であるトンネル絶縁膜4が形成されている。トンネル絶縁膜4の上にゲート電極MGおよびゲート電極SGが形成されている。各ゲート電極MG、SGは、第1の電極膜として浮遊ゲート電極用の多結晶シリコン膜5、第2のゲート絶縁膜としてONO(oxide-nitride-oxide)膜などからなる電極間絶縁膜6、第2の電極膜として制御ゲート電極用の多結晶シリコン膜7(下層7a、中層7b、上層7cから構成される)、シリサイド膜であるタングステンシリサイド(WSi)膜8およびシリコン窒化膜9が順次積層された構成となっている。
ゲート電極SGの電極間絶縁膜6には、多結晶シリコン膜5と多結晶シリコン膜7の中層7bの膜と導通するため、多結晶シリコン膜7の下層7aと共に開口された短絡用開口部6aが形成され、この短絡用開口部6a内に多結晶シリコン膜7の中層7bの膜が埋め込まれている。シリコン基板1のゲート電極MG−MG間、MG−SG間にはソース/ドレイン領域となる不純物拡散領域1aが形成され、ゲート電極SG−SG間には不純物拡散領域1aと同じく不純物拡散領域1bが形成されると共に、不純物拡散領域1bの中央部に後述するビット線コンタクトのコンタクト抵抗を下げるための不純物拡散領域1cが形成されている。
メモリセルトランジスタTrmは、ビット線方向に隣接するもの同士でソース/ドレインとして働く不純物拡散層1aを共有している。さらに、メモリセルトランジスタは、選択ゲートトランジスタ間に電流経路が直列接続されるように設けられ、選択トランジスタにより選択される。ここではメモリセルトランジスタの電流経路に接続されるべき他方の選択ゲートトランジスタの図示を省略している。さらに、選択トランジスタの間に直列接続されるメモリセルトランジスタの数は、例えば、8個、16個、32個等の複数であればよく、その数は限定されるものではない。
ゲート電極MG及びゲート電極SGのそれぞれの両側壁には、RTO(rapid thermal oxidation)処理による例えば4nm程度の膜厚のシリコン酸化膜およびLP−CVD法によるシリコン酸化膜が積層形成されシリコン酸化膜10として形成されている。ゲート電極MG−MG間、MG−SG間には、シリコン酸化膜10を介してLP−CVD法によるシリコン酸化膜11が埋め込み形成されている。一対のゲート電極SGの間においては、対向する側壁面にシリコン酸化膜10を介してシリコン酸化膜11と同じシリコン酸化膜からなるスペーサ11aが形成されている。
各ゲート電極MG、SGの上面、ゲート電極間のシリコン酸化膜11の上面、選択ゲート電極SG−SG間のスペーサ11aの表面およびトンネル絶縁膜4の上面には、これらを覆うようにバリア膜としてのシリコン窒化膜12が形成されている。このシリコン窒化膜12の上面で、選択ゲート電極SG−SG間の凹部にはTEOS酸化膜あるいはBPSG(boro-phospho-silicated glass)膜などの層間絶縁膜13が埋め込み形成され、上面はゲート電極MG、SG上のシリコン窒化膜12の上面と一致する高さに平坦化されている。そして、ゲート電極MG、SG上のシリコン窒化膜12の上面および層間絶縁膜13の上面には、TEOS酸化膜などのシリコン酸化膜からなる層間絶縁膜14が積層形成されている。
ゲート電極SG−SG間には、図示のように層間絶縁膜14からシリコン基板1の表面に達するコンタクトプラグ15が埋め込み形成されている。このコンタクトプラグ15は、層間絶縁膜14、13、シリコン窒化膜12、トンネル絶縁膜4を貫通し、シリコン基板1の表面に達するように形成されている。コンタクトプラグ15は、チタン(Ti)膜や窒化チタン(TiN)膜などのバリアメタル膜を介してタングステン(W)などの導体を埋め込み形成したもので、シリコン基板1に電気的に接続されている。
次に、図3(b)において、シリコン基板1には、所定間隔で素子分離溝1d(図7参照)が形成され、その素子分離溝1dの内側の表面に熱酸化によるシリコン酸化膜2aが形成され、その内部に素子分離溝1dを埋め込むようにシリコン酸化膜2bが形成され、これにより素子分離絶縁膜としてのSTI2が形成されている。STI2は、シリコン基板1の活性領域3の上面に形成されたゲート電極MGの多結晶シリコン膜7の中層7bの上面と同じ高さまで形成されている。
すなわち、活性領域3上のトンネル絶縁膜4、多結晶シリコン膜5、電極間絶縁膜6、多結晶シリコン膜7の下層7a、中層7bは、隣接するSTI2−2の間に挟まれた状態に形成されており、その上部の多結晶シリコン膜7の上層7cはSTI2の上を介して平坦な面で連続的に形成されている。さらに、その上部にはタングステンシリサイド膜8、シリコン窒化膜9、シリコン窒化膜12および層間絶縁膜14は平坦な状態で積層形成されている。
上記構成を採用しているので、メモリセルトランジスタのゲート電極MGにおいて、浮遊ゲート電極となる多結晶シリコン膜5の上面に形成される電極間絶縁膜6が、多結晶シリコン膜5の上面に全く同じ形状で形成されるので、浮遊ゲート電極として機能する場合に、電極間絶縁膜6の周辺部で電界が集中するなどの状態の発生が無くなり、特性劣化を抑制することができる。
次に、上記構成を製造する場合の製造工程について図4〜図15を参照して説明する。なお、図4〜図15の各分図(a)、(b)は、図3(a)、(b)と同じ部分を示している。
まず、図4に示すように、シリコン基板1の上にトンネル絶縁膜4を成膜し、この後、第1の電極膜としての多結晶シリコン膜5、電極間絶縁膜6および制御ゲート電極(ワード線WL)となる多結晶シリコン膜7の下層7aを積層形成する。多結晶シリコン膜7の下層7aは、電極間絶縁膜6に短絡用開口部6aを形成する際に同時に加工されるものである。
次に、図5に示すように、フォトリソグラフィ処理によりフォトレジストをパターンニングして短絡用開口部6aを形成する部分を開口したパターンを形成する。この開口位置は、選択ゲート電極SGおよび周辺回路領域の各トランジスタのゲート電極に対応する位置である。RIE(reactive ion etching)法によりエッチング処理をして多結晶シリコン膜7の下層7aおよび電極間絶縁膜6を開口して多結晶シリコン膜5の上面を露出させ、短絡用開口部6aを形成する。
この場合、電極間絶縁膜6は、平坦な下地層である多結晶シリコン膜5の上面に形成されているので、上記した短絡用開口部6aの形成に際してフォトリソグラフィ処理の困難性はほとんど無く、従来の突出した浮遊ゲート電極に対応する多結晶シリコン膜と素子分離用絶縁膜との段差構造が存在しないので、加工性が高く、工程能力の低下を招くことがない。なお、図示の状態ではエッチング処理が多結晶シリコン膜5の上面で停止されているが、確実に電極間絶縁膜6をエッチングする条件を採用することで、多結晶シリコン膜5の表層も少しエッチングされて凹部が形成される場合もある。
続いて、図6に示すように、多結晶シリコン膜7の下層7a上に、多結晶シリコン膜7の中層7b、シリコン窒化膜16および第1の加工用絶縁膜としてのシリコン酸化膜17を積層形成する。この場合、多結晶シリコン膜7の中層7bは、電極間絶縁膜6の短絡用開口部6a部分を埋め込むように形成され、図示のように多結晶シリコン膜5と接触する状態に形成され、浮遊ゲート電極となる多結晶シリコン膜5と電気的に短絡された状態となる。
次に、図7に示すように、フォトリソグラフィ処理によりレジストをパターンニングしてSTI形成用のパターンを形成する。レジストをマスクとしてシリコン酸化膜17を加工し、パターンニングされたシリコン酸化膜17をマスクとしてシリコン窒化膜16、多結晶シリコン膜7の中層7b、下層7a、電極間絶縁膜6、多結晶シリコン膜5、トンネル絶縁膜4およびシリコン基板1を所定深さまでRIE法によりエッチング加工する。これにより、素子分離用溝1dが所定間隔で形成され、シリコン基板1の表層部は活性領域3が分離形成される。また、活性領域3の上面には、同じく分離形成されたトンネル絶縁膜4、多結晶シリコン膜5、電極間絶縁膜6、多結晶シリコン膜7の下層7a、中層7b、シリコン窒化膜16、シリコン酸化膜17が分離形成された状態となる。
続いて、図8に示すように、酸素(O)雰囲気中で熱処理をすることで素子分離用溝1dの内壁面に熱酸化による薄いシリコン酸化膜2aを形成し、この後、全面にHDP(high density plasma)法によるシリコン酸化膜2を形成し、素子分離溝1d内を埋め込むようにする。続いて、CMP(chemical mechanical polishing)法によりシリコン酸化膜2を平坦化し、その後、窒素(N)雰囲気中で熱処理を行い、素子分離溝1d内に素子分離絶縁膜としてのシリコン酸化膜2を残して他の部分を除去する。
次に、図9に示すように、シリコン酸化膜17を除去すると共に、素子分離絶縁膜としてのシリコン酸化膜2を所定深さまでRIE法によりエッチングする。これにより、シリコン窒化膜16は上面および素子分離用溝1dに面している側面が露出する状態となると共に、シリコン酸化膜2、2aがシリコン窒化膜16の下面の高さつまり多結晶シリコン膜7の中層7bの上面の高さまで除去された状態となる。
続いて、図10に示すように、シリコン窒化膜16を150℃のリン酸処理により除去する。これにより、多結晶シリコン7の中層7bの上面が露出した状態となり、また、その中層7bの上面の高さと素子分離絶縁膜であるシリコン酸化膜2の上面のと高さが同じになり、略平坦な状態になる。
この後、図11に示すように、多結晶シリコン膜7の中層7bの上面に、多結晶シリコン膜7の上層7c、タングステンシリサイド(WSi)膜8、第2の加工用絶縁膜であるシリコン窒化膜9を順次積層形成する。この場合、下地となる多結晶シリコン膜7の中層7bと素子分離絶縁膜2の上面とが略平坦に形成されていることから、積層する多結晶シリコン膜7の上層7c、タングステンシリサイド膜8、シリコン窒化膜9は図示のように平坦な状態に形成される。
次に、図12に示すように、ゲート電極MGおよび選択ゲート電極SGを分離形成する。まず、フォトリソグラフィ処理によりレジストをワード線WLのパターンとなるようにパターンニングする。レジストをマスクとしてシリコン窒化膜9をRIE法によりエッチングしてハードマスクを形成する。シリコン窒化膜9によるハードマスクを利用してタングステンシリサイド膜8、多結晶シリコン膜7、電極間絶縁膜6、多結晶シリコン膜5をエッチングすることによりゲート電極MG、選択ゲート電極SGを分離形成する。このとき、電極間絶縁膜6の短絡用開口部6aは選択ゲート電極SGの部分に残るように形成され、多結晶シリコン膜7と5とが短絡状態とされる。
次に、図13に示すように、RTO(rapid thermal oxidation)処理を用いて酸化処理を施し、4nm程度の熱シリコン酸化膜を形成すると共に、LP−CVD法により5nm程度のシリコン酸化膜を形成し、これにより、ゲート電極MGおよびゲート電極SGの側壁部にシリコン酸化膜10が形成される。また、メモリセルトランジスタおよび選択ゲートトランジスタのソース/ドレイン領域に相当する不純物拡散領域1a、1bを形成するためのイオン注入処理を実施する。
続いて、図14に示すように、LP−CVD(low pressure chemical vapor deposition)法を用いて所定膜厚のシリコン酸化膜11を全面に渡って形成する。このとき、シリコン酸化膜11は、ゲート電極MG−MG間およびMG−SG間は埋め込まれ、選択ゲート電極SG−SG間は空隙ができる程度の膜厚で形成される。この後、シリコン酸化膜11をRIE法によるドライエッチング処理でエッチバックし、ゲート電極MG、SG上のシリコン酸化膜11を除去すると共に、選択ゲート電極SG−SG間の対向する側壁面にスペーサ11aを形成する。また、このエッチングでは、選択ゲート電極SG−SG間のスペーサ11aよりも中央部側のシリコン基板1の上面のシリコン酸化膜11も除去される。
この後、スペーサ11bをマスクとしてゲート電極SG−SG間の部分にイオン注入処理を行って、不純物濃度が不純物拡散領域1bの不純物濃度より高く、シリコン基板1表面からの深さが不純物拡散領域1bのシリコン基板1表面からの深さより深い不純物拡散領域1cを形成しLDD(lightly doped drain)構造とする。
次に、図15に示すように、ゲート電極MG、SGの上部、ゲート電極MG−MG間、MG−SG間のシリコン酸化膜11の上面、ゲート電極SG−SG間の対向する側壁面のスペーサ11aの表面およびシリコン基板1のトンネル絶縁膜4の表面を覆うように、バリア膜としてのシリコン窒化膜12を形成する。このシリコン窒化膜12は、コンタクト形成時のストッパとして機能し、且つCMP処理のストッパとしても機能する。
続いて、図3に示すように、上記構成の上面にTEOS酸化膜あるいはBPSG膜などの層間絶縁膜13を埋め込み形成し、BPSG膜の場合には高温ウェット酸化雰囲気中でメルト処理を行ってから、CMP法によりシリコン窒化膜12をストッパとして平坦化処理を行う。これにより、層間絶縁膜13は、選択ゲート電極SG−SG間のシリコン窒化膜12が凹状に形成された部分に埋め込み形成された状態となり、その上面は、シリコン窒化膜12の上面と同じ高さに形成される。
この後、シリコン窒化膜12および層間絶縁膜13の上面に全面にシリコン酸化膜による層間絶縁膜14を形成する。その後、フォトリソグラフィー処理により、ビット線コンタクトCBとなるコンタクトプラグ15形成の為のレジストパターンを形成する。この後、RIE法により層間絶縁膜14、13、シリコン窒化膜12、トンネル絶縁膜4を貫通し、シリコン基板1の表面を露出するようにコンタクトホールを形成する。続いて、コンタクトホール内に導体を埋め込みコンタクトプラグ15を形成する。コンタクトプラグ15は、例えばTiNなどのバリアメタルを成膜した後にタングステン(W)や銅(Cu)などの導体を成膜し、CMP処理などによりコンタクトホール内に埋め込んだ状態に形成される。以後、図示はしないが、この上層への多層配線プロセスへ続く。
このような本実施形態によれば、メモリセルトランジスタのゲート電極MGの構成として、浮遊ゲート電極となる多結晶シリコン膜5と同じ形状でその上面に電極間絶縁膜6を形成しているので、電極間絶縁膜6での周囲において電界が集中するなどの状態の発生が無くなり、特性劣化を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、電極間絶縁膜6に短絡用開口部6aの加工を行う場合に、シリコン基板1に素子分離用溝1dを形成する前に行うので、電極間絶縁膜6を平坦な状態に形成して加工を行えるので、段差が生じる従来の製造方法に比べて加工性が高く、工程能力の向上を図ることができる。
本発明は、上記実施例にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張できる。
素子分離絶縁膜2をエッチバックにより落とし込む深さは、実施形態においては多結晶シリコン膜7の中層7bの上面高さとしていたが、その高さを目安として多少の上下のずれは許容される。
本実施形態では、メモリセルのゲート電極MGの形成としてタングステンシリサイド膜8を適用した例として示したが、シリサイド膜としては、このほかにコバルト(Co)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)などの材料を用いることができる。
層間絶縁膜13は、BPSG膜を用いても良いし、TEOS酸化膜を用いても良い。TEOS酸化膜を用いる場合で、選択ゲート電極SG−SG間の凹部の埋め込み性を確保することができれば、層間絶縁膜13、14を同時にTEOS酸化膜により形成することもできる。
前記実施例の各膜の厚さについてはそれに限定されるものではない。また、電極間絶縁膜6に関しても特別な膜に限定されるものではなく、ONO膜以外に、NONON(nitride-oxide-nitride-oxide-nitride)膜を用いても良いし、High−k(高誘電体)膜を構成要素とした膜を用いても良い。
本発明の第1の実施形態におけるフラッシュメモリ装置のメモリセル領域の一部の電気的構成を概略的に示す図 メモリセル領域の一部構造を概略的に示す平面図 図2中切断線A−A、B−Bで示す部分の模式的な断面図 製造工程の一段階における模式的な断面図(その1) 製造工程の一段階における模式的な断面図(その2) 製造工程の一段階における模式的な断面図(その3) 製造工程の一段階における模式的な断面図(その4) 製造工程の一段階における模式的な断面図(その5) 製造工程の一段階における模式的な断面図(その6) 製造工程の一段階における模式的な断面図(その7) 製造工程の一段階における模式的な断面図(その8) 製造工程の一段階における模式的な断面図(その9) 製造工程の一段階における模式的な断面図(その10) 製造工程の一段階における模式的な断面図(その11) 製造工程の一段階における模式的な断面図(その12)
符号の説明
図面中、1はシリコン基板(半導体基板)、1dは素子分離用溝、2はシリコン酸化膜(素子分離絶縁膜)、4はトンネル絶縁膜(第1のゲート絶縁膜)、5は多結晶シリコン膜(第1の電極膜)、6は電極間絶縁膜(第2のゲート絶縁膜)、7は多結晶シリコン膜(第2の電極膜)、7aは下層、7bは中層、7cは上層、8はタングステンシリサイド膜(シリサイド膜)、9はシリコン窒化膜(第2の加工用絶縁膜)、12はシリコン窒化膜、16はシリコン窒化膜(第1の加工用絶縁膜)である。

Claims (5)

  1. メモリセル領域および周辺回路領域を有する半導体基板に第1のゲート絶縁膜、第1の電極膜、短絡用開口部を形成した第2のゲート絶縁膜、第2の電極膜、シリコン窒化膜、第1の加工用絶縁膜を順次積層形成する工程と、
    前記第1の加工用絶縁膜を溝形成用のマスクとして前記シリコン窒化膜、前記第2の電極膜、第2のゲート絶縁膜、第1の電極膜、第1のゲート絶縁膜および前記半導体基板を所定深さまでエッチング加工して素子分離溝を形成し、その後前記第1の加工用絶縁膜を剥離する工程と、
    前記溝内に素子分離絶縁膜を前記第2の電極膜の上面の高さまで埋め込む工程と、
    前記シリコン窒化膜を除去する工程と、
    前記第2の電極膜および前記素子分離絶縁膜の上面に第3の電極膜および第2の加工用絶縁膜を形成する工程と、
    前記第2の加工用絶縁膜をゲート電極形成用のマスクとして前記第3および第2の電極膜、第2のゲート絶縁膜、第1の電極膜を加工してゲート電極を分離形成する工程と
    を備えたことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
  2. 請求項1に記載の不揮発性半導体記憶装置の製造方法において、
    前記短絡用開口部を有する第2のゲート絶縁膜は、前記第1の電極膜上に前記第2のゲート絶縁膜および前記第2の電極膜の一部を形成した状態で、前記短絡用開口部を前記第2の電極膜の一部と共に前記第2のゲート絶縁膜を選択的に除去して形成されることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の不揮発性半導体記憶装置の製造方法において、
    前記第3の電極膜の形成は、電極用導電膜を形成すると共に、その上部にシリサイド膜を形成することを特徴とする不揮発性半導体装置の製造方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の不揮発性半導体記憶装置の製造方法において、
    前記第2のゲート絶縁膜は、前記短絡用開口部を前記メモリセル領域の選択ゲート電極および前記周辺回路領域のトランジスタのゲート電極に形成することを特徴とする不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
  5. メモリセル領域および周辺回路領域を備え素子分離溝が形成された半導体基板と、
    前記素子分離溝に埋め込まれた素子分離絶縁膜と、
    前記素子分離絶縁膜で分離された前記半導体基板の素子形成領域に、第1のゲート絶縁膜、第1の電極膜、第2のゲート絶縁膜、第2の電極膜を積層してなるゲート電極を備えたメモリセルトランジスタと、
    前記メモリセルトランジスタの前記ゲート電極と同じ膜構造で且つ前記第2のゲート絶縁膜に短絡用開口部が形成され、前記第1の電極膜および第2の電極膜が電気的に短絡された構成のゲート電極を備えたトランジスタとを備え、
    前記素子分離絶縁膜は、前記第2のゲート絶縁膜の端面を覆うと共に前記第2の電極膜の側面の所定高さまで形成されていることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
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