JP2010032814A - インパルス応答加工装置、残響付与装置およびプログラム - Google Patents

インパルス応答加工装置、残響付与装置およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】残響音の後部における振幅の過度な低下を抑制しながら残響時間を変化させる
【解決手段】波形区分部32は、記憶装置14に格納されたインパルス応答Hを時間軸上で複数のブロックBaに区分する。窓掛部34は、各ブロックBaに窓関数wAを乗算することでブロックBbを生成する。時間調整部36は、相前後する各ブロックBbの時間差を、入力装置16から指示された倍率R(R<1)に応じて縮小する。振幅調整部42は、時間調整部36による調整後の各ブロックBbの時間差が小さいほど振幅が減少するように各ブロックBbの振幅を調整してブロックBcを生成する。波形合成部44は、振幅調整部42による処理後の各ブロックBcを加算することで新規インパルス応答HNEWを生成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、残響の付与に使用されるインパルス応答を加工する技術に関する。
インパルス応答の畳込み演算で音響信号に残響を付加する装置において、残響が継続する時間長(以下「残響時間」という)を変化させる技術が従来から提案されている。例えば特許文献1には、2種類のインパルス応答の各々に指数関数を乗算してから加算(線形結合)することで、所望の残響時間の新規なインパルス応答を生成する技術が開示されている。
特開2004−294712号公報
しかし、指数関数を乗算することでインパルス応答の強度を低減して残響時間を短縮する特許文献1の技術においては、加工後のインパルス応答の後部(残響音の最後尾の近傍)における振幅が過度に低減されて残響音の音量が不足する(さらには受聴者が聴取できない)という問題がある。以上の事項を考慮して、本発明は、残響音の後部における音量の過度な低下を抑制しながら残響時間を変化させることを目的とする。
以上の課題を解決するために、本発明に係るインパルス応答加工装置は、インパルス応答を時間軸上で複数のブロックに区分する波形区分手段と、相前後する各ブロックの時間差を短縮する時間調整手段と、時間調整手段による調整後の各ブロックを加算することで新規インパルス応答を生成する波形合成手段とを具備する。以上の構成においては、インパルス応答を区分した各ブロックの時間差を縮小することで残響時間が短縮されるから、インパルス応答の振幅を低下させることで残響時間を短縮する構成と比較して、後部まで充分な音量が維持された残響音の新規インパルス応答を生成できる。
本発明の好適な態様に係るインパルス応答加工装置は、窓幅の両端部に近いほど関数値が減少する第1窓関数(例えば窓関数wA)を各ブロックに乗算する窓掛手段を具備し、波形合成手段は、窓掛手段による処理後の各ブロックを使用して新規インパルス応答を生成する。以上の態様においては、波形区分手段による区分後の各ブロックが窓関数の乗算後に新規インパルス応答の生成に使用されるから、各ブロックが滑らかに連続する自然な残響音の新規インパルス応答を生成できるという利点がある。
本発明の好適な態様に係るインパルス応答加工装置は、時間調整手段による処理後の各ブロックの時間差が小さいほど当該各ブロックの振幅が減少するように各ブロックの振幅を調整する振幅調整手段を具備し、波形合成手段は、振幅調整手段による処理後の各ブロックを使用して新規インパルス応答を生成する。以上の態様においては、時間調整手段による処理後の各ブロックの時間差が小さいほど当該各ブロックの振幅が減少するように各ブロックの振幅が調整されるから、加工前のインパルス応答と新規インパルス応答との音量の差異を低減することが可能である。
本発明の好適な態様において、波形区分手段は、相前後する各ブロックの時間差がサンプルのN個分(Nは自然数)となるように2N個を単位としてインパルス応答を複数のブロックに区分し、時間調整手段は、各ブロックの時間差をサンプルのN・R個分(R<1)に縮小し、振幅調整手段は、第1窓関数における始点からN・R個のサンプルのうち第k番目(k=1,2,……,N・R)のサンプルを起点として周期N・Rの各位置のサンプルの合計値(例えば図5の合計値x(k))の逆数に応じて第k番目のサンプルの数値(例えば図5の数値h(k))が設定されたN・R個のサンプルの集合を繰返し配列した第2窓関数(例えば窓関数wB)を各ブロックに乗算する。以上の態様においては、第1窓関数の第k番目のサンプルを起点として周期N・Rの各位置のサンプルの合計値の逆数に応じて第k番目のサンプルの数値が設定された第2窓関数を各ブロックに乗算するから、加工前のインパルス応答の特性を精緻に維持したまま新規インパルス応答を生成することが可能となる。
本発明に係る残響付与装置は、以上の各態様に係るインパルス応答加工装置と、インパルス応答加工装置が生成した新規インパルス応答と音響信号との畳込み演算を実行する残響付与手段とを具備する。本発明の残響付与装置によれば、以上の各態様に係るインパルス応答加工装置と同様の作用および効果が実現される。
また、以上の各態様に係るインパルス応答加工装置は、インパルス応答の加工に専用されるDSP(Digital Signal Processor)などのハードウェア(電子回路)によって実現されるほか、CPU(Central Processing Unit)などの汎用の演算処理装置とプログラムとの協働によっても実現される。本発明に係るプログラムは、インパルス応答を時間軸上で複数のブロックに区分する波形区分処理と、相前後する各ブロックの時間差を短縮する時間調整処理と、時間調整処理の実行後の各ブロックを加算することで新規インパルス応答を生成する波形合成処理とをコンピュータに実行させる。本発明のプログラムによれば、以上の各態様に係るインパルス応答加工装置と同様の作用および効果が奏される。本発明のプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で利用者に提供されてコンピュータにインストールされるほか、通信網を介した配信の形態でサーバ装置から提供されてコンピュータにインストールされる。
図1は、本発明の実施の形態に係る残響付与装置のブロック図である。残響付与装置100には、音響(楽音や音声)の波形を表す音響信号Sが供給される。音響信号Sの供給元(図示略)は、例えば、周囲の音響に応じた音響信号Sを生成する収音機器や、記録媒体から順次に音響信号Sを取得して出力する再生装置である。残響付与装置100は、音響信号Sに残響を付加した残響音信号SRを生成および出力する。残響音信号SRは、スピーカ装置やヘッドホンなどの放音装置(図示略)に供給されることで音波として再生される。
図1に示すように、残響付与装置100は、演算処理装置12と記憶装置14と入力装置16とで構成されるコンピュータシステムである。記憶装置14は、演算処理装置12が実行するプログラムや演算処理装置12が使用するデータを記憶する。例えばインパルス応答Hの波形を表すサンプル系列(畳込み演算の係数列)が記憶装置14に記憶される。半導体記憶装置や磁気記憶装置などの公知の記録媒体が記憶装置14として任意に採用される。
演算処理装置12は、記憶装置14に格納されたプログラムを実行することで複数の要素(インパルス応答加工部22,残響付与部24)として機能する。なお、演算処理装置12の各要素を複数の装置(集積回路)に分散的に搭載した構成や、音響信号Sの処理に専用される電子回路(DSP)が各要素を実現する構成も採用される。
インパルス応答加工部22は、記憶装置14に格納されたインパルス応答Hを加工することで、インパルス応答Hとは特性(残響時間)が相違する新たなインパルス応答(以下「新規インパルス応答」という)HNEWの波形を表すサンプル系列を生成する。新規インパルス応答HNEWは、残響時間をインパルス応答HのR倍に短縮した波形の信号である(0<R<1)。残響付与部24は、インパルス応答加工部22が生成した新規インパルス応答HNEWを利用したフィルタ処理(畳込み演算)を音響信号Sに対して実行することで残響音信号SRを生成する。残響付与部24による残響音信号SRの生成には公知の技術が任意に採用される。
入力装置16は、残響付与装置100に対する指示の入力のために利用者が操作する操作子で構成される。利用者は、入力装置16に対する操作に応じて残響時間の倍率(縮小率)Rを可変に指定することが可能である。
図2は、インパルス応答加工部22のブロック図であり、図3は、インパルス応答加工部22による具体的な処理を説明するための概念図である。図2に示すように、インパルス応答加工部22は、波形区分部32と窓掛部34と時間調整部36と振幅調整部42と波形合成部44とを含んで構成される。
波形区分部32は、記憶装置14に格納されたインパルス応答Hを時間軸上で複数の区間(以下「ブロック」という)Ba(Ba[1],Ba[2],……)に区分する。図3の部分(A)に示すように、各ブロックBaはインパルス応答Hの2N個(例えばN=64)のサンプルで構成される。また、相前後する各ブロックBaの時間差はサンプルのN個分に相当する。したがって、相前後する各ブロックBaは部分的に重複する。さらに詳述すると、各ブロックBa[i](i=1,2,……)における後半のN個のサンプルと、直後のブロックBa[i+1]における前半のN個のサンプルとは共通する。
図2の窓掛部34は、波形区分部32が画定した各ブロックBaに窓関数wAを乗算することでブロックBb(Bb[1],Bb[2],……)を生成する。各ブロックBbは2N個のサンプルで構成される。両端部に接近するほど関数値が減少する関数(理想的には両端部で関数値がゼロとなる関数)が窓関数wAとして好適である。図3の部分(B)においては、窓関数wAの乗算後の各ブロックBbが、窓関数wAの形状を表す図形で代替的に図示されている。本形態においては式(1)で定義されるハニング窓w(n)を窓関数wAとして採用する。
w(n)=0.5−0.5cos(nπ/N) ……(1)
図2の時間調整部36は、窓掛部34による処理後の各ブロックBbを時間軸上で移動させる。本形態の時間調整部36は、相前後する各ブロックBbの時間差(間隔)が、サンプルのN個分(波形区分部32による区分の直後の時間差)から倍率Rに応じた時間長に縮小するように各ブロックBbの時間軸上の位置を調整する。さらに詳述すると、図3の部分(C)に示すように、ブロックBb[i]の時間軸上の中点C[i]と直後のブロックBb[i+1]の時間軸上の中点C[i+1]との間隔が、インパルス応答HのN個のサンプルに相当する時間長(調整前の時間差)に対して倍率Rを乗算した時間長(N・R)となるように、各ブロックBbの位置が調整される。
図2の振幅調整部42は、時間調整部36による処理後の各ブロックBb(Bb[1],Bb[2],……)の振幅を調整することでブロックBc(Bc[1],Bc[2],……)を生成する。図3の部分(D)に示すように、ブロックBc[i]は、ブロックBb[i]の各サンプルの数値(振幅)を調整した2N個のサンプルで構成される。なお、図3の部分(D)においては、部分(B)や部分(C)の表記と同様に、窓関数の形状を表す図形で各ブロックBcを代替的に図示した。なお、振幅調整部42による処理の具体例は後述する。
図2の波形合成部44は、図3の部分(E)に示すように、振幅調整部42による調整後の各ブロックBc(Bc[1],Bc[2],……)を加算することで新規インパルス応答HNEWを生成する。さらに詳述すると、波形合成部44は、時間軸上で重複する各ブロックBcについて、同じ時点に対応する各サンプルの数値を加算する。新規インパルス応答HNEWは、各ブロックBcのサンプルの加算値の時系列である。したがって、新規インパルス応答HNEWの残響時間はインパルス応答Hの残響時間のR倍となる。利用者は、入力装置16を操作して倍率Rを適宜に指示することで、残響音信号SRの再生音の残響時間を任意に調整することができる。
ところで、時間調整部36による調整後の各ブロックBbの時間差N・Rが小さい(倍率Rが小さい)ほど、各ブロックBbのうち数値(振幅)の大きいサンプル同士が波形合成部44にて加算されることになる。したがって、例えば、時間調整部36による調整の直後の各ブロックBbを加算することで波形合成部44が新規インパルス応答HNEWを合成する構成(すなわち振幅調整部42を省略した構成)においては、時間調整部36による調整後の各ブロックBbの時間差N・Rが小さいほど(時間軸上で重複する各ブロックBbの個数や各ブロックBbの重複する時間長が増加するほど)、新規インパルス応答HNEWの振幅が加工前のインパルス応答Hと比較して増加する。
以上のような振幅の変動を抑制するために、振幅調整部42は、時間調整部36による処理後の各ブロックBbの時間差N・Rが小さい(すなわち時間軸上で重複するブロックBbが多い)ほど振幅が減少するように各ブロックBbの振幅を調整することでブロックBcを生成する。本形態の振幅調整部42は、窓関数wBを各ブロックBb[i]に乗算することでブロックBc[i]を生成する。窓関数wBは、窓関数wAと倍率Rとに応じて設定された2N個のサンプルの系列である。窓関数wBの設定の方法を以下に例示する。
図4は、時間軸上に時間差N・Rで配置された複数の窓関数wAの模式図である。すなわち、図4は、各ブロックBbの総てのサンプルを共通の数値(例えば「1」)と仮定した場合における時間調整部36による調整後の各ブロックBbの振幅に相当する。図4に示すように、時間軸上の時点t0においては複数の窓関数wA(wA_1〜wA_6)が重複する。
いま、時点t0で重複する複数の窓関数wA(wA_1〜wA_6)を各々の波形が合致するように時間軸に沿って移動すると、図4に例示した時点t0での各窓関数wAのサンプルの数値は、図5に示すように、1個の窓関数wAの2N個のサンプルから周期N・Rで抽出された各サンプルの数値(w(k),w(k+N・R),w(k+2N・R),……)に合致する。したがって、窓関数wAの始点から計数してN・R個のサンプル(図5の区間Δ内のサンプル)のうち図4の時点t0に対応したサンプルを第k番目(k=1,2,……,N・R)とすると、図4の時点t0にて重複するサンプルの合計値x(k)は以下の式(2)で表現される。
x(k)=w(k)+w(k+N・R)+w(k+2N・R)+w(k+3N・R)+…
+w(k+α(k)・N・R) ……(2)
式(2)における係数α(k)は、「k+α(k)・N・R」が窓関数wAの窓幅(2N)の範囲内となる(k+α(k)・N・R<2N)ように数値kに応じて選定される。
また、窓関数wAは時間差N・Rで周期的に配置されるから、窓関数wAの各サンプルの合計値x(k)は時間長N・Rを単位として時間軸上で周期的に反復される。したがって、以下の式(3)が成立する。
x(k)=x(k+N・R)=x(k+2N・R)=x(k+3N・R)=… ……(3)
時間軸上で重複する複数のブロックBbの加算(複数の窓関数wAの加算)に起因した新規インパルス応答HNEWの振幅の増大を抑制するために、振幅調整部42が各ブロックBbに乗算する窓関数wBの2N個のサンプルの各数値は、相重複する各窓関数wAのサンプルの合計値x(k)の逆数に応じて設定される。さらに詳述すると、窓関数wB(2N個)のうち第1番目から第(N・R)番目までの各サンプルの数値h(k)は、以下に例示するように式(2)の合計値x(k)の逆数(1/x(k))に設定される。
h(1)=1/x(1)
=1/{w(1)+w(1+N・R)+w(1+2N・R)+…+w(1+α(1)・N・R)}
h(2)=1/x(2)
=1/{w(2)+w(2+N・R)+w(2+2N・R)+…+w(2+α(2)・N・R)}
h(N・R)=1/x(N・R)
=1/{w(N・R)+w(2N・R)+w(3N・R)+…+w((1+α(NR))・N・R)}
さらに、式(3)で表現されるように合計値x(k)は周期的に反復されるから、窓関数wBの各サンプルについては以下の式(4)が成立する。
h(k)=h(k+N・R)=h(k+2N・R)=h(k+3N・R)=… ……(4)
すなわち、図5に示すように、第1番目から第(N・R)番目までのN・R個のサンプル(h(1)〜h(N・R))の集合を時間軸に沿って反復的に連結することで窓関数wB(第1番目から第2N番目までのサンプルの集合)が設定される。
以上のように設定された窓関数wBをブロックBb[i]に乗算することでブロックBc[i]が生成されるから、各ブロックBbを時間差の縮小後に加算することで新規インパルス応答HNEWを生成する構成にも拘わらず、新規インパルス応答HNEWは加工前のインパルス応答Hと同等の振幅に調整される。
次に、インパルス応答Hに指数関数を乗算することで残響時間を短縮する構成を本形態との対比例として説明する。対比例における新規インパルス応答HNEWは、例えば式(5)で定義されるように、インパルス応答Hに対して指数関数a(t)を乗算することで生成される。対比例の構成においては、図6に示すように、インパルス応答Hの振幅(強度)に対する新規インパルス応答HNEWの振幅の低下率はインパルス応答Hの後部に至るほど指数的に増加する。したがって、新規インパルス応答HNEWの残響音のうち特に後部(残響音の最後尾の近傍)の音量が不足するという問題がある。
Figure 2010032814
対比例とは対照的に本形態においては、インパルス応答Hの振幅を倍率Rに応じて低下させるわけではなく、インパルス応答Hを区分した複数のブロックBa(Bb)の時間差を縮小する(インパルス応答Hを時間軸の方向に圧縮する)ことで残響時間が短縮されるから、新規インパルス応答HNEWの残響音の音量が不足するという対比例の問題が有効に防止される。しかも、窓関数wAの乗算で生成されるブロックBbにおいては両端部に接近するほどサンプルの数値が減少するから、各ブロックBcは時間軸上で連続的に連結される。したがって、各ブロックBcの端部にて新規インパルス応答HNEWの強度が不連続となる場合と比較して、自然な残響音の生成が可能な新規インパルス応答HNEWを生成できるという利点がある。
<変形例>
以上に例示した形態には様々な変形が加えられる。具体的な変形の態様を例示すれば以下の通りである。なお、以下の例示から2以上の態様を任意に選択して組合わせてもよい。
(1)変形例1
窓関数wAや窓関数wBを乗算する位置(時点)は適宜に変更される。例えば、時間調整部36による調整後の各ブロックBbに窓掛部34が窓関数wAを乗算する構成や、時間調整部36による調整前(窓関数wAの乗算前または乗算後)の各ブロックBaに振幅調整部42が窓関数wBを乗算する構成も採用される。
(2)変形例2
窓関数wAの内容は任意である。公知の各種の窓関数(例えばハミング窓や三角窓)が任意に窓関数wAとして使用される。窓関数wBの内容は、窓関数wAに応じて適宜に変更される。もっとも、窓関数wBの設定に窓関数wAを使用する構成は本発明において必須ではない。
(3)変形例3
窓関数wAの乗算(窓掛部34)は省略される。例えば、波形区分部32が区分した各ブロックBaの時間差を時間調整部36にて縮小したうえで波形合成部44で加算して新規インパルス応答HNEWを生成する構成も採用される。したがって、各ブロックBaの部分的な重複も本発明において必須ではない。
窓関数wAを使用しない構成では、各ブロックの重複する部分にて残響音が不連続となって音質が低下するけれども、窓関数wAの乗算以外の方法(例えば残響音における高音域の抑制)で残響音の不連続感を低減することは可能である。ただし、インパルス応答Hの音響的な特性を精緻に維持しながら各ブロックBbを自然に連結するという観点からすれば、部分的に重複するように各ブロックBaを画定したうえで窓関数wAを乗算する構成が格別に好適である。
窓関数wBの乗算(振幅調整部42)も本発明では必須の要件ではない。例えば、窓関数wAを使用しない構成では窓関数wBが省略される。また、窓関数wAを使用する場合であっても窓関数wBは省略され得る。以上の形態にて説明したように各ブロックBaを窓関数wAの乗算後に加算することで新規インパルス応答HNEWの振幅はインパルス応答Hと比較して増加するけれども、窓関数wBの乗算以外の方法(例えば、残響音信号SRの振幅の抑制)で残響音の音量を低下させれば新規インパルス応答HNEWの振幅の増加の影響は低減される。もっとも、インパルス応答Hの音響的な特性を精緻に維持しながら新規インパルス応答HNEWを生成するという観点からすれば、窓関数wAおよび倍率Rに応じた窓関数wBを乗算する構成が格別に好適である。
(4)変形例4
以上の形態においてはインパルス応答加工部22と残響付与部24とを具備する残響付与装置100を例示したが、図1の残響付与装置100から残響付与部24を省略したインパルス応答加工装置(インパルス応答加工部22)としても本発明は成立する。インパルス応答加工装置が生成した新規インパルス応答HNEWは、例えば、可搬型の記録媒体や通信網を介して別個の残響付与装置100(残響付与部24)に提供されて残響音の生成に使用される。
本発明の実施の形態に係る残響付与装置のブロック図である。 インパルス応答加工部のブロック図である。 インパルス応答加工部の動作を説明するための概念図である。 複数の窓関数の関係を説明するための概念図である。 振幅調整部の動作を説明するための概念図である。 対比例におけるインパルス応答の加工を説明するための概念図である。
符号の説明
100……残響付与装置、12……演算処理装置、14……記憶装置、16……入力装置、22……インパルス応答加工部、24……残響付与部、32……波形区分部、34……窓掛部、36……時間調整部、42……振幅調整部、44……波形合成部、S……音響信号、SR……残響音信号、Ba(Ba[i]),Bb(Bb[i]),Bc(Bc[i])……ブロック、H……インパルス応答、HNEW……新規インパルス応答、R……残響時間の倍率(R<1)。

Claims (6)

  1. インパルス応答を時間軸上で複数のブロックに区分する波形区分手段と、
    相前後する各ブロックの時間差を短縮する時間調整手段と、
    前記時間調整手段による調整後の各ブロックを加算することで新規インパルス応答を生成する波形合成手段と
    を具備するインパルス応答加工装置。
  2. 窓幅の両端部に近いほど関数値が減少する第1窓関数を各ブロックに乗算する窓掛手段を具備し、
    前記波形合成手段は、前記窓掛手段による処理後の各ブロックを使用して前記新規インパルス応答を生成する
    請求項1のインパルス応答加工装置。
  3. 前記時間調整手段による処理後の各ブロックの時間差が小さいほど振幅が減少するように各ブロックの振幅を調整する振幅調整手段を具備し、
    前記波形合成手段は、前記振幅調整手段による処理後の各ブロックを使用して前記新規インパルス応答を生成する
    請求項2のインパルス応答加工装置。
  4. 前記波形区分手段は、相前後する各ブロックの時間差がサンプルのN個分(Nは自然数)となるように2N個を単位として前記インパルス応答を前記複数のブロックに区分し、
    前記時間調整手段は、前記各ブロックの時間差をサンプルのN・R個分(R<1)に縮小し、
    前記振幅調整手段は、前記第1窓関数における始点からN・R個のサンプルのうち第k番目(k=1,2,……,N・R)のサンプルを起点として周期N・Rの各位置のサンプルの合計値の逆数に応じて第k番目のサンプルの数値が設定されたN・R個のサンプルの集合を繰返し配列した第2窓関数を前記各ブロックに乗算する
    請求項3のインパルス応答加工装置。
  5. 請求項1から請求項4の何れかのインパルス応答加工装置と、
    前記インパルス応答加工装置が生成した新規インパルス応答と音響信号との畳込み演算を実行する残響付与手段と
    を具備する残響付与装置。
  6. インパルス応答を時間軸上で複数のブロックに区分する波形区分処理と、
    相前後する各ブロックの時間差を短縮する時間調整処理と、
    前記時間調整処理の実行後の各ブロックを加算することで新規インパルス応答を生成する波形合成処理と
    をコンピュータに実行させるプログラム。
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