JP2953851B2 - 残響付加装置 - Google Patents

残響付加装置

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JP2953851B2
JP2953851B2 JP4032079A JP3207992A JP2953851B2 JP 2953851 B2 JP2953851 B2 JP 2953851B2 JP 4032079 A JP4032079 A JP 4032079A JP 3207992 A JP3207992 A JP 3207992A JP 2953851 B2 JP2953851 B2 JP 2953851B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は音楽会場の臨場感や拡が
り感を、一般家庭の室内や車室内などにおいて疑似的に
得る残響付加装置に関する。特に、本発明では該残響付
加装置においてFIR(Finite Impulse Response)フィ
ルタによる残響時間を変化させる場合に残響を円滑に変
化させることを目的とする。
【0002】
【従来の技術】従来このような残響付加装置に関する分
野の技術としては、特公平2−62875号公報に記載
されているものがあった。この公報では、IIR(Infi
nite Impulse Response)型のフィルタを用い、互いに遅
延時間の異なる複数の遅延回路を並列に設け、これら遅
延回路に入力信号を共通に印加し、これら遅延出力信号
の合成出力またはその一部出力を遅延回路の前記共通入
力側にフィードバックし、前記合成出力を残響信号とし
て取り出すようにしている。これによりカラレーション
の低減とフラッタエコーの低減を図るものである。
【0003】このカラレーション等の発生を生じさせな
いようなFIR(Finite Impulse Response)フィルタ型
の残響付加装置として、特開昭60−51895号公報
に記載されたものがあった。この公報では、一定のサン
プリング周期で入力信号データを格納するデイレイメモ
リと、前記デイレイメモリに格納された複数のデータに
係数付けをする第1の係数演算部と、前記第1の係数演
算部の演算結果を複数の集団に分配してたたみこむため
に加算する複数の分配加算部と、前記各分配加算部の出
力に係数付与する第2の係数演算部と、前記第2の係数
演算部の演算出力を加算して残響信号として出力する最
終加算部とを備えるようにしている。さらに各前記第2
の係数演算部は一つの遅延回路と二つの振幅調整器と加
算器とを有している。これにより係数パラメータの設
定、変更を容易にして、残響特性の設定操作が容易にな
るようにしている。
【0004】後者は前者に比較してカラレーション等を
確実に除去できる点で有利である。ところが後者のFI
Rフィルタ型の残響付加装置では、長時間の残響音を形
成しようとすると、係数を付与するための演算ステップ
が多くなるという問題が生じるので下記のような帰還方
式のものが提案される。図8は本発明の前提となる帰還
式FIRフィルタ型の残響付加装置を示す図である。本
図に示す残響付加装置は、その一方にディジタル信号v
i を入力する加算器1と、該加算器1からの信号を例え
ばサンプリング周期毎に遅延させるための、マルチタッ
プを有するRAM(Random Access Memory) 等からなる
デイレイメモリ2と、該デイレイメモリ2のマルチタッ
プに接続される複数の乗算器3と、該複数の乗算器3の
出力をたたみこむために加算して出力信号vo を形成す
る加算器4と、前記デイレイメモリ2の最終タップから
の信号の振幅を調整して調整された信号を前記加算器1
の他方の入力に帰還する乗算器5とを含む。
【0005】図9は図8の残響付加装置により得られる
残響パターンを示す図である。本図(a)に示すよう
に、デイレイメモリ2に入力した信号により、デイレイ
メモリ2で遅延され複数の乗算器3で振幅が調整されそ
れらの信号が加算器4でたたみ込まれて形成された残響
パターンが示されるが、本図(b)に示すように、デイ
レイメモリ2において遅延された信号のうち任意の点
(本図の例では複数の乗算器3に供給される最終点)の
遅延信号の振幅が乗算器5で調整され加算器1を介して
デイレイメモリ2の入力に帰還されて残響時間t1の残
響パターンが形成される。このような残響パターンは、
例えばコンサートホール、教会、ライブハウス等の音楽
会場の特性毎に複数の乗算器3、乗算器5の係数、ある
いは乗算器3の信号を取り出すデイレイメモリ2の各遅
延時間を設定することにより形成される。このようにし
てカラレーションを抑制しつつ、演算ステップが低減さ
れる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで本発明の前提
となる帰還式FIRフィルタ型の残響付加装置において
ユーザの好みにより残響時間を短くしたり、長くしたり
することが要請される場合がある。ここで残響時間は通
常振幅が定常状態から−60dBまで減衰するまでの時
間と定義される。残響時間を調整する場合には本図
(c)に示すように、乗算器5の係数を小さくすると残
響時間t2と短くなる。また本図(d)に示すように、
乗算器5の係数を大きくすると残響時間t3と長くな
る。
【0007】しかしながら本図(c)、(d)に示すよ
うに、帰還信号で残響パターンが形成されるときには、
残響パターンに段差が生じるという問題がある。このよ
うな残響パターンに生じる段差は不自然な音を再生する
ので好ましくない。したがって本発明は、上記問題点に
鑑み残響時間を調整する場合に残響パターンに段差が生
じるのが容易に防止できる残響付加装置を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は前記問題点を解
決するために、ディジタル信号を逐次遅延するデイレイ
メモリと、該逐次遅延された信号の振幅を調整してたた
み込んで残響音を形成する加算器とを有する残響付加装
置に、振幅調整用の可変乗算器、及び振幅調整用の複数
の可変乗算器とを設ける。前記振幅調整用の可変乗算器
は、前記デイレイメモリによって所定時間遅延した信号
をその入力に帰還し、残響時間を調整するために前記帰
還信号の振幅を調整する。前記振幅調整用の複数の可変
乗算器は、前記帰還信号の振幅調整に対応して該帰還信
号の前後で残響音の振幅を円滑に変化させるために前記
逐次遅延された信号の振幅を調整する。
【0009】またディジタル信号を逐次遅延する第1の
デイレイメモリと、該逐次遅延された信号の振幅を調整
してたたみ込んで残響音を形成する加算器とを有する残
響付加装置に、第2のデイレイメモリ、残響時間調整用
の複数の乗算器及び振幅調整用の複数の乗算器とを設け
る。前記第2のデイレイメモリは、前記加算器の出力信
号を逐次遅延する。前記残響時間調整用の複数の乗算器
は、任意の間隔で前記デイレイメモリから遅延信号を取
り出し、振幅を調整する。前記振幅調整用の複数の乗算
器は、該複数の乗算器の振幅調整に対応して各該複数の
乗算器の前後で残響音の振幅を円滑に変化させるために
前記デイレイメモリによって逐次遅延された信号の振幅
を調整する。該複数の乗算器の出力信号はたたみ込んで
残響音に形成される。
【0010】
【作用】本発明の残響付加装置によれば、前記振幅調整
用の可変乗算器により、前記デイレイメモリによって所
定時間遅延した信号をその入力に帰還し、残響時間を調
整するために前記帰還信号の振幅が調整される。前記振
幅調整用の複数の可変乗算器によって、前記帰還信号の
振幅調整に対応して該帰還信号の前後で残響音の振幅を
円滑に変化させるために前記逐次遅延された信号の振幅
が調整される。この調整は基本となる前記複数の可変乗
算器の係数に例えば帰還信号の振幅調整との関係で各可
変乗算器の信号遅延時間に対応した比例定数を乗算して
得られるので基本特性を変えることなく比較的簡単な処
理によって行われる。
【0011】また前記第2のデイレイメモリにより、前
記加算器の出力信号が逐次遅延される。前記残響時間調
整用の複数の乗算器により、任意の間隔で前記デイレイ
メモリから遅延信号が取り出され、振幅が調整される。
前記振幅調整用の複数の乗算器により、該複数の乗算器
の振幅調整に対応して各該複数の乗算器の前後で残響音
の振幅を円滑に変化させるために前記デイレイメモリに
よって逐次遅延された信号の振幅を調整する。該複数の
乗算器の出力信号はたたみ込んで残響音が形成される。
このような調整は前記と同様に基本となる前記複数の可
変乗算器の係数に例えば帰還信号の振幅調整との関係で
各可変乗算器の信号遅延時間に対応した比例定数を乗算
して得られるので基本特性を変えることなく簡単な処理
によって行われる。
【0012】
【実施例】以下本発明の実施例について図面を参照して
説明する。図1は本発明の第1の実施例に係る残響付加
装置を示す図である。本図に示す残響付加装置は、その
一方にディジタル信号vi を入力する加算器1と、該加
算器1からの信号を例えばサンプリング周期毎に遅延さ
せるための、マルチタップを有するRAM(Random Acc
ess Memory) 等からなるデイレイメモリ2と、該デイレ
イメモリ2のマルチタップに接続され後述する方法で係
数が変更される複数の可変乗算器31と、各該複数の可
変乗算器31の出力をたたみこむために加算して出力信
号vo を形成する加算器4と、前記複数の可変乗算器3
1への前記デイレイメモリ2の任意の遅延タップからの
信号の振幅を前記複数の可変乗算器31の係数変更と連
動して調整しこのように調整された信号を前記加算器1
の他方の入力に帰還する可変乗算器51とを含む。
【0013】残響時間を変化させる可変乗算器51の係
数がa・Gに設定されたとするとデイレイメモリ2への
帰還信号を考慮したその入力信号は下記のようになる。
ここでデイレイメモリ2に入力する信号vi の初期値を
vi (0)としサンプリング周期をτとするとデイレイ
メモリ2のマルチタップの出力信号はvi (τ)、vi
(2τ)、…、vi (nτ)となり、Gは基準の係数
で、aは残響時間を変更する度に補正する係数である。
デイレイメモリ2への帰還信号を考慮したその入力信号
は、帰還信号を取り出す遅延時間をnτとすると、下記
のようになる。
【0014】 vif=vi (τ)+vi (nτ)・(a・G)+vi (2nτ)・ (a・G)2 +…+vi (knτ)・(a・G)k +… …(1) 次に係数G及び補正係数aの関係を説明する。図2は可
変乗算器51の係数Gとその補正係数aの関係を説明す
る図である。本図に示すように、デイレイメモリ2の全
遅延時間Tは、T=nτであり、基準の残響時間をTR
1とし、この状態から残響時間がTR2に変化したとす
る。この場合の可変乗算器51の係数はGからa・Gに
変更される。残響時間は次のように定義される。
【0015】20LOG(G)k1=−60dB、したが
って、LOG(G)=−3/K1、ここで、K1=TR
1/T、また、LOG(a・G)=LOG(a)+LO
G (G)=−3/K2、ここで、K2=TR2/T、した
がって、LOG(a)=3(1/K1−1/K2)であ
る。またLOG(a・G)/LOG(G)=TR1/T
R2が成立する。かくして、 a=103(T/TR1-T/TR2)が得られる。
【0016】次にFIRフィルタはデイレイメモリ2、
複数の可変乗算器31及び加算器4で構成されるが、一
つの音楽会場の複数の可変乗算器31の係数がg
(1)、g(2)、…、g(n)で代表されるとする。
図3は窓かけ処理の様子を示す図であり、図4は可変乗
算器51の係数Gと可変乗算器31のある残響グループ
の係数g(m11)との関係を説明する図である。図3
に示すように、複数の可変乗算器31の係数により形成
されるそれぞれの残響信号は、規則正しく並んではいな
い。しかし残響信号はあるかたまりで一定の残響時間を
有している。したがって同一の残響時間を有する残響信
号をグループとして上記g(1)、g(2)、…、g
(n)を、 〔g(m1)・b(m1)、{g(m1)・b(m
1)}m12-m11 、{g(m1)・b(m
1)}m13-m11 、…、〕、〔g(m2)・b(m2)、
{g(m2)・b(m2)}m22-m21 、{g(m2)・
b(m2)}m23-m21 、…、〕、〔g(m3)・b(m
3)、{g(m3)・b(m3)}m32-m31 、{g(m
3)・b(m2)}m33-m31 …、〕、…と分類とし、b
(m1)、b(m2)、b(m3)、…を残響グループ
に対する補正係数とし、それぞれの残響時間をTm1、
Tm2、Tm3、…とする。この場合FIRフィルタの
残響パターンv1は、すなわち帰還を無視した加算器4
の出力信号は下記式で表せる。
【0017】 v1=〔vi (m11τ)・g(m1)・b(m1)+ vi (m12τ)・{g(m1)・b(m1)}m12-m11 + vi (m13τ)・{g(m1)・b(m1)}m13-m11 +…〕+ 〔vi (m21τ)・g(m2)・b(m2)+ vi (m22τ)・{g(m2)・b(m2)}m22-m21 + vi (m23τ)・{g(m2)・b(m2)}m23-m21 +…〕+ 〔vi (m31τ)・g(m31)・b(m3)+ vi (m32τ)・{g(m32)・b(m3)}m32-m31 + vi (m33τ)・{g(m33)・b(m3)}m33-m31 +…〕+ … …(2) ここでデイレイメモリ2から例えば1サンプリング周期
毎に取り出されて乗算器31へ供給されるが、図4に示
すようにm11<m12<m13、…は残響音グループ
m1におけるデイレイメモリ2から乗算器31の取り出
し順序を示す。例えばm12がm11対して1サンプリ
ング周期だけ進んでいるならm12−m11=1であ
り、m13がm11対して2サンプリング周期だけ進ん
でいるならm12−m11=2であるとする。
【0018】ここで例えば図2の残響時間がTR1に設
定されている場合を基準として、この場合には、b(m
1)=b(m2)=b(m3)=…=1.0に設定す
る。図4から、TR1=n1・T=nn1・Tm1とな
るように、n1、nn1を定める。次に20LOG
(G)n1=−60dB、したがって、LOG(G)=−
3/n1、同様にLOG(g(m11))=−3/nn
1が成立する。これらからn1=−3/LOG(G)、
nn1=−3/LOG(g(m11))となり、上記式
から−3T/LOG(G)=−3Tm1/LOG(g
(m11))が成立する。したがってLOG(g(m1
1))=(Tm1/T)LOG(G)が成立する。これ
を変形すると、g(m11)=10(Tm1/T)LOG(G) とな
る。したがって個々の残響グループではg(m11)と
Gが前記式の関係にあり残響グリープ全体の平均ではG
に一致する。したがってGが変化した場合にも、各残響
グループの係数が前記関係を維持できれば、従来のよう
に帰還毎に段差ができずかつ残響特性をそのまま維持す
ることもできる。すなわち、残響時間を調整するために
可変乗算器51の係数がa・Gに変更されたら、同様に
上記式からg(m11)・b(m1)=10
(Tm1/T)LOG(aG)である。このため残響時間がTR1から
TR2に変更された場合には、 g(m1)・b(m1)/g(m1)=10
(Tm1/T)LOG(aG)/10(Tm1/T)LOG (G) 、すなわちb(m
1)=10(Tm1/T)(LOG(aG)-LOG(G)) =10
(Tm1/T)(TR1/ TR2-1)LOG(G)が得られる。同様にして他の
係数b(m2)、b(m3)…も得られる。
【0019】以上から加算器4の出力vo は下記のよう
な演算で得られる。 vo =〔vi (m11τ)・g(m1)・b(m1)+ vi (m12τ)・{g(m1)・b(m1)}m12-m11 + vi (m13τ)・{g(m1)・b(m1)}m13-m11 +…〕+ 〔vi (m21τ)・g(m2)・b(m2)+ vi (m22τ)・{g(m2)・b(m2)}m22-m21 + vi (m23τ)・{g(m2)・b(m2)}m23-m21 +…〕+ 〔vi (m31τ)・g(m31)・b(m3)+ vi (m32τ)・{g(m32)・b(m3)}m32-m31 + vi (m33τ)・{g(m33)・b(m3)}m33-m31 +…〕+ …〕+ 〔〔vi ((n+m11)τ)・g(m1)・b(m1)+ vi ((n+m12)τ)・{g(m1)・b(m1)}m12-m11 + vi ((n+m13)τ)・{g(m1)・b(m1)}m13-m11 + …〕+ 〔vi ((n+m21)τ)・g(m2)・b(m2)+ vi ((n+m22)τ)・{g(m2)・b(m2)}m22-m21 + vi ((n+m23)τ)・{g(m2)・b(m2)}m23-m21 + …〕+ 〔vi ((n+m31)τ)・g(m31)・b(m3)+ vi ((n+m32)τ)・{g(m32)・b(m3)}m32-m31 + 〔vi ((n+m33)τ)・{g(m33)・b(m3)}m33-m31 +…〕+ …〕・a・G+ 〔〔vi ((2n+m11)τ)・g(m1)・b(m1)+ vi ((2n+m12)τ)・{g(m1)・b(m1)}m12-m11 + vi ((2n+m13)τ)・{g(m1)・b(m1)}m13-m11 +…〕+ 〔vi ((2n+m21)τ)・g(m2)・b(m2)+ vi ((2n+m22)τ)・{g(m2)・b(m2)}m22-m21 + vi ((2n+m23)τ)・{g(m2)・b(m2)}m23-m21 + …〕+ 〔vi ((2n+m31)τ)・g(m31)・b(m3)+ vi ((2n+m32)τ)・{g(m32)・b(m3)}m32-m31 + vi ((2n+m33)τ)・{g(m33)・b(m3)}m33-m31 +…〕+ …〕・(a・G)2 + … …(3) 図5は残響パターン補正部の構成を示す図である。本図
に示す残響パターン補正部は、ユーザから残響時間の変
更指示を受けて複数の可変乗算器31、可変乗算器51
の係数を変更する制御部100と、可変乗算器51に設
定すべき種々の基本係数g(1)、g(2)、…、g
(n)を記憶するFIRフィルタ係数記憶部101と、
残響時間の変更指示があったときにg(1)、g
(2)、…、g(n)を各残響音グループ毎に予め分類
処理して格納する残響分類処理部102と、残響時間の
変更指示にから可変乗算器51の帰還信号の係数a・G
を求める帰還信号補正部103と、前記帰還信号の係数
a・Gを基に各グループ残響音の残響時間とフィルタ全
体の遅延時間から新たな残響時間に対して各グループ残
響音を形成する係数を補正する残響補正部104とを含
む。
【0020】図6は第1の実施例によって補正される残
響パターンを示す図である。本図(a)に示すように、
所定の基本係数で動作している残響付加装置に、外部よ
り残響時間の変更指示があると、本実施例によれば本図
(b)、(c)に示すように可変乗算器51の係数を変
更するだけでなく、複数の可変乗算器31の係数も変更
し帰還毎に従来のように段差が生じることがなくなり、
しかも複数の可変乗算器31の係数の特性を保持ししか
も変更は簡単にできるので、自然な音を容易に再生でき
初期の目的を達成できる。
【0021】以上は乗算器31で形成される残響音を複
数のグループに分けて、それぞれの補正係数を求めた
が、近似的に一つの係数で補正を行うようにしてもよ
い。図7は本発明の第2の実施例に係る残響付加装置を
示す図である。本図に示す残響付加装置は、ディジタル
信号vi を例えばサンプリング周期毎に遅延させるため
の、マルチタップを有するRAM(Random Access Memo
ry) 等からなるデイレイメモリ2と、該デイレイメモリ
2のマルチタップに接続され後述する方法で係数が変更
される複数の可変乗算器31と、各該複数の可変乗算器
31の出力をたたみこむために加算する加算器4とから
なる第1のFIRフィルタと、前記加算器4から信号を
例えばサンプリング周期毎に遅延させるための、マルチ
タップを有するRAM(Random Access Memory) 等から
なるデイレイメモリ12と、該デイレイメモリ2のマル
チタップに接続され後述する方法で係数が変更される複
数の可変乗算器13と、各該複数の可変乗算器31の出
力をたたみこむために加算する加算器14とからなり、
第1のFIRフィルタとカスケード接続され残響時間を
決定する第2のFIRフィルタを含む。
【0022】第1の実施例ではFIRフィルタを帰還す
る形式のため、やはり多少のカラレーションが避けられ
ないため、第2の実施例のように各乗算器13の間隔を
少しずつずらす構成にするとカラレーションがなくかつ
従来のFIRフィルタだけによるものより以下に説明す
るように演算規模を小さくできる。残響時間を変更する
ために第2のFIRフィルタの乗算器の係数のみを変更
すると上記と同様に乗算器の前後で残響パターンに段差
が生じる。しかし後述するFIRフィルタによれば残響
時間を円滑に簡単に変更できる。先ず演算規模を小さく
できることを説明する。デイレイメモリ2において各複
数の可変乗算器31の間隔をサンプリング周期τとし、
前遅延時間をnτとする。デイレイメモリ12におい
て、各複数の乗算器13の時間間隔をm1τ、m2τ、
…、mkτとする。ここで次の近似が成立させるように
構成する。
【0023】n≒m1≒m2≒…≒mk このカスケード形のFIRフィルタによれば、上記式の
条件により、残響音が約n2 本形成される。これだけの
残響音を形成するための乗算器の数は約2n個である。
従来のカスケード型でない場合には単純に約n2 個の演
算器が必要であるから比率で約2n/n2 =2/nだけ
削減できることになる。したがって本カスケード型のF
IRフィルタによればカラレーションを防止しつつ演算
規模の低減が図れる。
【0024】次にこのようなカスケード型FIRフィル
タでの残響時間が円滑にかつ簡単に変更できることを説
明する。図7における複数の可変乗算器31の係数をg
(1)、g(2)、…、g(n)とし、これらの係数は
第1の実施例と同様に同一の残響時間を有するグループ
に分類する。複数の乗算器13の係数を1、a・G、
(a・G)2 、…、(a・G)k-1 順に設定する。この
乗算器13は、第1の実施例の帰還用の可変乗算器51
に対応するものである。
【0025】第1の実施例と同様にして残響時間の変更
指示により、乗算器13の補正係数aが得られ、可変乗
算器31の係数g(1)、g(2)、…、g(n)の補
正が行われる。第1及び第2のFIRフィルタを合成し
た残響パータンは図6に示すと同様に乗算器13の前後
で段差が生ぜず円滑なものになる。また上記信号の処理
は図5に示す簡単な残響パターン補正部で同様に行うこ
とができる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、F
IRフィルタにより得られる残響音を帰還によりまたは
又はカスケードにより長時間の残響音を形成する場合
に、残響時間を変更時に残響パターンに不連続な点がな
くなり円滑になるので、自然な音が形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る残響付加装置を示
す図である。
【図2】可変乗算器51の係数Gとその補正係数aの関
係を説明する図である。
【図3】窓かけ処理の様子を示す図である。
【図4】図4は可変乗算器51の係数Gと可変乗算器3
1のある残響グループの係数g(m11)との関係を説
明する図である。
【図5】残響パターン補正部の構成を示す図である。
【図6】第1の実施例によって補正される残響パターン
を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施例に係る残響付加装置を示
す図である。
【図8】本発明の前提となる帰還式FIRフィルタ型の
残響付加装置を示す図である。
【図9】図8の残響付加装置により得られる残響パター
ンを示す図である。
【符号の説明】
1、4、14…加算器 2、12…デイレイメモリ 31、13…複数の可変乗算器 51…可変乗算器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G10K 15/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディジタル信号を逐次遅延するデイレイ
    メモリ(2)と、該逐次遅延された信号の振幅を調整し
    てたたみ込んで残響音を形成する加算器(4)とを有す
    る残響付加装置において、 前記デイレイメモリ(2)によって所定時間遅延した信
    号をその入力に帰還し、残響時間を調整するために前記
    帰還信号の振幅を調整する振幅調整用の可変乗算器(5
    1)と、 前記帰還信号の振幅調整に対応して該帰還信号の前後で
    残響音の振幅を円滑に変化させるために前記逐次遅延さ
    れた信号の振幅を調整する振幅調整用の複数の可変乗算
    器(31)とを備えることを特徴とする残響付加装置。
  2. 【請求項2】 ディジタル信号を逐次遅延する第1のデ
    イレイメモリ(2)と、該逐次遅延された信号の振幅を
    調整してたたみ込んで残響音を形成する加算器(4)と
    を有する残響付加装置において、 前記加算器(4)の出力信号を逐次遅延する第2のデイ
    レイメモリ(12)と、 前記デイレイメモリ(12)から遅延信号を取り出し、
    振幅を調整する残響時間調整用の複数の乗算器(13)
    と、 該複数の乗算器(13)の振幅調整に対応して各該複数
    の乗算器(13)の前後で残響音の振幅を円滑に変化さ
    せるために前記デイレイメモリ(2)によって逐次遅延
    された信号の振幅を調整する振幅調整用の複数の乗算器
    (31)とを備え、 該複数の乗算器(13)の出力信号をたたみ込んで残響
    音を形成することを特徴とする残響付加装置。
  3. 【請求項3】 前記乗算器(31)における前記逐次遅
    延された信号のうち振幅の変化が一定である信号の振幅
    を共通に補正する請求項1又は2記載の残響付加装置。
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