JP4973315B2 - 音響障害除去方法及び音場支援システム - Google Patents
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Description
例えば、平行に対向する面を持つ音場では、該平行に対向する面の間で繰り返し反射する音が生じ、フラッターエコーなどの音響障害が発生することが知られている。また、ホールの後壁などから、一つの大きな反射音(反響音、エコー)がステージに戻ってくる場合がある。特に、スタジアムや体育館等の室容積が大きな空間(数万立米規模)では、各反射音が孤立して発生しやすいので、後壁や表示板等からの反射音が孤立した大きな反響音となり、音声の明りょう度や品質を下げることがある。
このような反射音に起因する音響障害を無くすために、部屋の形を工夫したり拡散又は吸音処理を施すことが行われている。
また、音響拡散板や音響ブロックを平行に対向する壁面に設置することにより、このような音響障害を建築的に防止する方法も提案されている(特許文献1、特許文献2)。
また、特許文献4には、実際のホールの音響特性と所望とする音響特性との差のインパルス応答を求め、該差のインパルス応答において微係数の符号が変化する極値Diとその発生時刻tiを算出し、絶対値|Di|の大きい順に所望する個数分だけDi、tiを求めて、反射音生成部のFIRフィルタに設定することが記載されている。
さらに、特許文献5には、周波数領域でのカラーレーションの低減と時間領域でのフラッターエコーの低減を両立させることを目的として、遅延時間の異なる複数の遅延回路を並列に設け、これらの遅延回路に入力信号を共通して印加し、これら遅延回路の出力信号を入力側にフィードバックするフィルタ構成が記載されている。
そこで、本発明は、音響帰還ループを利用した音場支援システムを用いてエコーやフラッターエコーなどの音響障害を除去する音響障害除去方法及び該音響障害除去方法が適用された音場支援システムを提供することを目的としている。
さらに、前記残響曲線にピークが複数存在しており、前記残響付加手段は、前記収音された信号に対し、前記複数のピークの時間間隔と前記音響帰還ループの遅延時間のうちの短い方の時間に対応する時間幅を有する残響音を付加するものものとされている。
さらにまた、前記残響付加手段は、前記音響帰還ループの遅延時間に応じた時間幅又は前記複数のピークの時間間隔と前記音響帰還ループの遅延時間のうちの短いほうの時間に対応する時間幅のランダムな信号を生成し、該生成したランダムな信号に前記対象室の残響曲線に対応する減衰特性に応じたゲインを乗算して出力するものとされている。
さらにまた、前記残響付加手段は、入力信号に対して互いに異なる遅延時間を与える並列に設けられた複数の遅延回路であって、前記遅延時間のうちの最大の遅延時間が発生する残響音の時間幅とされている複数の遅延回路と、前記複数の遅延回路にそれぞれ対応して設けられた複数の第1の乗算器であって、前記最大の遅延時間に対してそれに対応するビット数のM系列符号を対応させたときに、その第1の乗算器に対応する遅延回路の出力に、前記M系列符号における該対応する遅延回路の遅延時間に対応するビット位置の値に応じた係数を乗算する複数の第1の乗算器と、前記複数の第1の乗算器にそれぞれに対応して設けられ、前記複数の第1の乗算器の出力に対し、前記残響曲線に対応する減衰特性に応じた係数をそれぞれ乗算する複数の第2の乗算器と、前記複数の第2の乗算器の出力を加算する加算器とを有するものとされている。
また、音響障害の原因である反射音を残響音によって埋めてしまうことで、どのようなエコーに対しても対応することができる。
部屋10内にマイクロフォン11が設置されており、マイクロフォン11で収音された音響信号はヘッドアンプ12を介して、残響付加手段13に入力される。残響付加手段13は、所定の残響音を生成して入力信号に付加して出力する。残響付加手段13から出力された信号は、パワーアンプ14に入力され、所定のゲインで増幅された後、前記部屋10内に設置されたスピーカ15から放音される。放音された音が部屋内で反射を繰り返し、その一部が前記マイクロフォン11で再び収音され、上記動作が繰り返される。
このように、スピーカ15とマイクロフォン11間の距離などに応じた遅延時間を有する音響帰還ループが形成されており、これを利用して効率的に、残響時間の延長、初期反射音のレベル増強と部屋内の音の均一化及び拡がり感の増強などを達成することができる。
ここで、本発明においては、エコーやフラッターエコーなどの反射音に起因する音響障害が存在している場合に、本発明の音響障害除去方法を用いて前記残響付加手段13で付加される残響音及び前記パワーアンプ14のゲインを調整することにより、その音響障害を除去するようにしている。
なお、図1におけるマイクロフォン11及びスピーカ15は、それぞれ1個の場合を例示したが、周波数特性の平坦化、音質の向上及びハウリングに対する安定性の向上を得るために、それぞれ複数のマイクロフォン及び複数のスピーカを配置しても良い。
以下、これらの工程について説明する。
A.反射音に起因する音響障害の有無の確認
A−1.現音場における残響曲線を作成する。すなわち、残響音の測定において、受音点(測定マイク)で収音された音響信号のRMS(Root Mean Square)波形(時定数5msec程度)を2乗して対数(10log10)をとることにより、残響音の音響エネルギーの減衰を示す残響曲線を取得する。
A−2.前記残響曲線に対する回帰直線を作成する。
A−3.前記残響曲線において、前記作成した回帰直線のレベルとの差が所定値(例えば、3dB)以上のピーク(極大点)を検出する。
A−4.ピークがなければ、反射音に起因する音響障害は無いものと判断する。また、隣同士のピークの間隔が所定値(例えば、10msec)以上の場合に人に聞えると判断し、その点が複数(例えば、3点以上)ある場合にはフラッターエコーが存在すると判断し、1個の場合にはエコーが存在すると判断する。
図中、2は、前記A−2で作成された回帰直線である。
図2に示す例では、残響曲線1に、回帰直線2のレベルとの差が所定値(3dB)以上あるピークが、3a、3b、3cで示す3点存在している(A−3)。そして、各ピークの間の時間Tは、人間の聴感上聞き分けることができる時間間隔である10msec以上あり、フラッタエコーが存在していると判断される(A−4)。なお、フラッターエコーの場合、検出された複数のピークの間隔(以下、「フラッターエコーの間隔」という。)Tはほぼ等しいものとなる。
このようにして、音響障害(この例では、フラッターエコー)が発生していると判断されると、次に、該音響障害を除去するための工程、すなわち、B.残響付加手段の設定、及び、C.ループゲインの設定の各工程が実行される。
本発明では、前記残響付加手段13により、前記ピークとピークの間を埋める残響音を生成することにより、聴感上フラッターエコーをマスクする。この残響音としては、種々の方法により生成したものを使用することができるが、フラットな周波数特性となるようにランダムな信号であることが望ましい。
前述のように、本発明の音響障害除去方法が適用される音場支援システムは、音響帰還ループを利用することにより豊富な残響音を生成するものであるため、前記残響付加手段13で生成する残響音の時間幅を、該音響帰還ループの遅延時間Dと前記A−4で検出されたフラッターエコーの間隔Tとを比較し、そのうちの時間が短い方の時間に対応する時間分の残響音を前記残響付加手段13で生成させるようにしている。これにより、フラッターエコーのピークの間を埋めるのに必要十分な残響音を生成することができる。
図3の(b)は、ループの遅延時間Dがフラッターエコーの間隔Tよりも長い(T<D)場合に前記残響付加手段により生成される残響音を示す図であり、この場合には、前記フラッターエコーの間隔Tに相当する時間分の残響音が前記残響付加手段13により生成される。また、ループの遅延時間Dよりもフラッターエコーの間隔Tの方が長い(T>D)の場合には、図3の(c)に示すように、ループの遅延時間Dに相当する時間分の残響音が前記残響付加手段13により生成される。なお、実際に計測したときに、フラッターエコーの間隔Tが別のピーク間で異なる値となったときは、最大の値をフラッターエコーの間隔Tとする。
また、図3の(b)及び(c)のいずれの場合でも、図示するように、残響付加手段13により生成される残響音は、前記図2における回帰直線2に対応する指数減衰特性を有する残響音が生成される。
このようにして、前記図3の(a)におけるフラッターエコーのピークとピークの間に前記残響付加手段13により生成された残響音が挿入されることとなる。
残響付加手段13により、上述の残響音を生成させるために、B.残響付加手段の設定の工程が行われる。
B−1.ループの遅延時間を計算
まず、この音場支援システムにおける音響帰還ループ(マイクロフォン11→ヘッドアンプ12→残響付加手段13→パワーアンプ14→スピーカ15→部屋10→マイクロフォン11)の遅延時間Dを計算する(B−1)。この遅延時間Dは、前記スピーカ15とマイクロフォン11間の伝搬遅延時間などに基づいて決定される。
B−2.発生させる残響音の時間幅を決定する。
次に、B−1で求めたループの遅延時間Dと、前記A−4で検出したピークとピークの間(3a−3b間、及び、3b−3c間)の時間間隔Tのうちの短い方の時間を残響付加手段13で発生させる残響音の時間幅として決定する。
例えば、FIRフィルタにより残響音を発生させる場合には、その時間幅に応じてFIRフィルタの使用するタップ位置を決定する。すなわち、ループの遅延時間Dがフラッターエコーの間隔Tよりも長い場合は、フラッターエコーの間隔Tに対応する遅延時間のタップまでの中から信号を出力するタップを決定する。逆の場合(ループの遅延時間D≦フラッターエコーの間隔T)には、ループの遅延時間Dに対応する遅延時間のタップまでの中から信号を出力するタップを決定する。
B−3.生成される残響音に回帰直線2に合わせた指数減衰特性に対応したゲインをかける。
FIRフィルタを用いる場合には、各タップからの出力信号に対して、指数減衰係数(exp((-cK/8Torg)×τ))に対応する係数を乗算する。ここで、c=音速(m/sec)、K=0.161、Torg=現音場の残響時間(sec)、τ=遅延時間(sec)である。
このように指数減衰特性を有する残響音とすることにより、聴感上違和感のない残響音とすることができる。
C.ループゲイン(LG)の設定
C−1.前記図2において、前記回帰直線2上の直接音が到来するタイミングの位置を通り、残響曲線1の全てのピーク(3a、3b、3c)にほぼ接する直線(いずれかのピークを通り他のピークの上を通る直線)のうち、最も残響時間が短くなる直線4(図2)を見つける。以下、このような直線を「ピークを隠すように引かれた直線」とよぶ。この直線4に相当する残響特性とすることにより、全てのエコーをマスクすることができる。
C−2.上記直線4に相当する残響時間(Tafc)(sec)を求める。
C−3.元(現音場)の残響時間(Torg)と、必要な残響時間(Tafc)の関係式から、必要なループゲイン(LG)を算出する。
すなわち、
Tafc/Torg=1/(1−f),LG=10×log10(f)
よりループゲイン(LG)を求める。
例えば、残響時間を1.0sec(=Torg)から2.0sec(=Tafc)にする必要があれば、f=1/2となり、LG=−3dBとなる。すなわち、ループゲインが−3dBとなるように、前記パワーアンプ14のゲインを設定する。
このような本発明の音響障害除去方法によれば、どのようなフラッターエコーについても対処することが可能となる。
この実施の形態の残響付加手段13は、図示するように、遅延時間τ0のイニシャル遅延を与える遅延回路21、前記遅延回路21の出力に対して並列に設けられ、それぞれ遅延時間τ1、τ2・・・τnの遅延を与えるn個の遅延回路22−1、遅延回路22−2・・・遅延回路22−n、前記n個の遅延回路22−1、22−2・・・22−nにそれぞれ対応して設けられ、それぞれ対応する遅延回路22−1、22−2・・・22−nの出力に対して第1のゲイン(Gain I 1〜Gain I n)を乗算する第1の乗算器群(乗算器23−1、23−2・・・23−n)、前記第1の乗算器群の乗算器23−1、23−2・・・23−nにそれぞれ対応して設けられ、対応する乗算器23−1、23−2・・・23−nの出力に対して第2のゲイン(Gain II 1〜Gain II n)を乗算する第2の乗算器群(乗算器24−1、24−2・・・24−n)、及び、前記第2の乗算器群の乗算器24−1、24−2・・・24−nの出力を加算する加算器25により構成されている。そして、前記加算器25の出力は、前記パワーアンプ14に入力され、ここで第3のゲイン(Gain III)を乗算されて、その出力は前記スピーカ15から出力される。該スピーカ15から出力された音の一部は、対象室の伝送特性h(t)を有する伝送路26を介して、前記マイクロフォン11にその入力信号の一部としてフィードバックされ、ヘッドアンプ12を介して残響付加手段13の前記遅延回路21に入力される。
n個の遅延回路22−1、22−2・・・22−nは、それぞれ、τi=(1/Fs)×i[sec]、(Fs=サンプリング周波数)(i=1,2,・・・,n)で示される遅延時間τiを与えるものである。ここで、サンプリング周波数Fsは、最大対象周波数に基づいて決定される。例えば、最大対象周波数が5kHzとされているときは、サンプリング周波数Fs=5kHz ×2=10kHzとなり、1/Fs=0.1[msec]となる。
また、nは、前記B−2において決定された生成する残響音の時間幅に対応して決定される。前述のように、生成する残響音の時間幅は、ループの遅延時間Dとフラッターエコーの間隔Tのうちの短い方の時間とされ、例えば、サンプリング周波数Fs=10kHz、ループの遅延時間D=30msec、フラッターエコーの間隔T=25msecのときには、フラッターエコーの間隔T=25msecに対応する時間とされる。
この実施の形態では、ランダムな残響音を生成するためにM系列符号を用いる構成とされており、前記フラッターエコーの間隔T以上となる最も短いM系列符号に対応する255(=28−1)を前記nの値として選択する(0.1[msec]×255=25.5[msec])。すなわち、前記遅延回路22−1、22−2・・・22−nとして、それぞれの遅延時間がτ1=0.1[msec]、τ2=0.2[msec]、τ3=0.3[msec]、・・・、τ255=25.5[msec]である255個の遅延回路が用いられる。
このようにM系列符号を用いてランダムな残響音を生成させることにより、周波数特性上のピーク、ディップが少ない残響音を生成させることができる。
第2の乗算器群の各乗算器24−1、24−2・・・24−nからの出力信号は、加算器25で加算され、加算器25からは、前記B−2で設定された時間幅を有する残響音が出力される。
前記加算器25の出力は、前記パワーアンプ14に供給され、ここで、前記C−3において決定された残響時間Tafcに対応するループゲインとなるようなゲイン(Gain III)が乗算される。
このようにして、聴感上違和感のない残響音を付与して、フラッターエコーを除去することができる。
図5は、この場合の減衰曲線1の例を示す図であり、図示するように1個のピーク5が存在している。例えば、ホールの後壁などからのエコー(反響音)が存在する場合にこのようなピークが検出される。
この場合には、前記残響付加手段13において、音響帰還ループの遅延時間Dに対応する時間幅の残響音を生成させる。また、前記パワーアンプ14のゲインは、図5に示すピーク5を隠すように引かれた直線6に対応する残響時間Tafcに対応するループゲインとなるようなゲインに設定される。
すなわち、前記残響付加手段13における複数の遅延回路22−1〜22−nのうち最大の遅延時間を有する遅延回路22−nは、ループの遅延時間Dに対応する遅延時間を有するものとされ、第1の乗算回路群23−1〜23−nは前述と同様に前記遅延時間Dに対応するビット数のM系列符号に応じた係数を乗算するものであり、第2の乗算回路群24−1〜24−nは図5に示した残響曲線に対応した減衰係数を乗算する。
そして、前記パワーアンプ14では、図5における直線6に対応する残響時間Tafcに対応するループゲインとなるゲインが乗算される。
このように、音場支援システムの有する音響帰還ループの遅延時間に対応する残響音を残響付加手段13により付加させることにより、音響帰還ループの作用により残響時間分継続する残響音とすることができ、ループゲインを上述のように設定することにより、前記ピーク5を残響音で埋めることができる。これにより、エコー(反響音)による音響障害を除去することができる。
さらに、前記第1の乗算器群(乗算器23−1、23−2・・・23−n)において、対応するM系列符号の「1」又は「0」をそのまま乗算するようにしても良い。
さらにまた、上記においてはM系列符号を用いたが、その他の疑似ランダム符号を用いても良い。
さらにまた、上述の実施の形態においては遅延回路の出力に疑似ランダム符号を乗算してランダムな信号を生成していたが、これに限られることはなく、ピンクノイズ等のランダム信号そのものをランダムな信号として用いることもできる。この場合には、前記音響帰還ループの遅延時間に応じた時間幅又は複数のピークの時間間隔と音響帰還ループの遅延時間のうちの短いほうの時間に対応する時間幅のピンクノイズ等のランダム信号に対して、前記残響曲線に対応する減衰特性に応じたゲインを乗算することにより得られた信号を、入力信号に付加する残響音とすればよい。
Claims (5)
- 対象室内で収音された信号に残響音を付加した信号を前記対象室内に放音し、該放音された音の一部が前記収音された信号に帰還する音響帰還ループを形成する音場支援システムにおける音響障害除去方法であって、
前記対象室における残響曲線を取得し、該残響曲線にピークが存在するか否かを判定する工程と、
前記残響曲線にピークが存在するときに、前記対象室内で収音された信号に、前記残響曲線に対応する減衰特性を有し、前記音響帰還ループの遅延時間に応じた時間幅を有する残響音を付加させるよう設定する工程と、
前記残響曲線におけるピークを隠す直線を決定し、前記音響帰還ループのゲインを、該決定された直線に対応する残響時間に応じたゲインとなるように設定する工程と
を有することを特徴とする音響障害除去方法。 - 対象室内で収音された信号に残響音を付加し、該残響音を付加した信号の出力を調整して前記室内に放音される信号を生成する信号処理手段を有し、前記放音される音が前記収音された信号に音響帰還する音響帰還ループを形成する音場支援システムであって、
前記信号処理手段は、
前記収音された信号に対し、前記対象室の残響曲線に対応する減衰特性を有し、前記音響帰還ループの遅延時間に応じた時間幅を有する残響音を付加する残響付加手段と、
前記音響帰還ループのゲインを、前記残響曲線におけるピークを隠す直線に対応する減衰時間に応じたゲインとなるように調整する増幅器と
を有することを特徴とする音場支援システム。 - 前記残響曲線にピークが複数存在しており、
前記残響付加手段は、前記収音された信号に対し、前記複数のピークの時間間隔と前記音響帰還ループの遅延時間のうちの短い方の時間に対応する時間幅を有する残響音を付加するものであることを特徴とする請求項2記載の音場支援システム。 - 前記残響付加手段は、前記音響帰還ループの遅延時間に応じた時間幅又は前記複数のピークの時間間隔と前記音響帰還ループの遅延時間のうちの短いほうの時間に対応する時間幅のランダムな信号を生成し、該生成したランダムな信号に前記対象室の残響曲線に対応する減衰特性に応じたゲインを乗算して出力するものであることを特徴とする請求項2又は3に記載の音場支援システム。
- 前記残響付加手段は、
入力信号に対して互いに異なる遅延時間を与える並列に設けられた複数の遅延回路であって、前記遅延時間のうちの最大の遅延時間が発生する残響音の時間幅とされている複数の遅延回路と、
前記複数の遅延回路にそれぞれ対応して設けられた複数の第1の乗算器であって、前記最大の遅延時間に対してそれに対応するビット数のM系列符号を対応させたときに、その第1の乗算器に対応する遅延回路の出力に、前記M系列符号における該対応する遅延回路の遅延時間に対応するビット位置の値に応じた係数を乗算する複数の第1の乗算器と、
前記複数の第1の乗算器にそれぞれに対応して設けられ、前記複数の第1の乗算器の出力に対し、前記残響曲線に対応する減衰特性に応じた係数をそれぞれ乗算する複数の第2の乗算器と、
前記複数の第2の乗算器の出力を加算する加算器と
を有するものであることを特徴とする請求項2又は3に記載の音場支援システム。
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