JP4816468B2 - 音響発生装置および信号処理方法 - Google Patents
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Description
図1は、本発明の第1実施形態に係る音響発生装置1の構成を示したブロック図であり、図2は、音響発生装置1の外観を示す斜視図である。音響発生装置1は、9台のスピーカ(放音手段)2−1、2−2、・・・、2−9を具備し、図2に示すように、縦横3台ずつ配置されている。スピーカ2−1、2−2、・・・、2−9は、それぞれ接続されているアンプ3−1、3−2、・・・、3−9において増幅された信号に基づき放音する。
本発明の第2実施形態に係る音響発生装置1の構成は、第1実施形態におけるフィルタ4−1、4−2・・・、4−9をFIRフィルタとしたものである。以下、第2実施形態においては、フィルタ4−1、4−2・・・、4−9は、FIRフィルタ4−1、4−2・・・、4−9と表記する。
図6は、本発明の第3実施形態に係る音響発生装置11の構成を示したブロック図である。音響発生装置11は、第1実施形態に係る音響発生装置1と同様に、9台のスピーカ(放音手段)2−1、2−2、・・・、2−9を具備し、図2に示すように、縦横3台ずつ配置されている。スピーカ2−1、2−2、・・・、2−9は、それぞれ接続されているアンプ3−1、3−2、・・・、3−9において増幅された信号に基づき放音する。
第1実施形態においては、フィルタ4−1、4−2、・・・、4−9の信号処理のパラメータである遅延時間はランダムに設定したが、遅延時間を予め一定の法則に基づいて作成してもよい。また、増幅率については、遅延時間に対して指数関数的に減少するような伝達特性としたが、一定の増幅率にして、時間に対して減少するようにしなくてもよい。また、遅延の種類の数、遅延時間および増幅率については、部屋の伝達特性として、音響シミュレーションを用いて計算した結果から決定してもよいし、所定の空間におけるインパルス応答を測定して決定したものを用いてもよい。この場合は、図9に示すように、遅延時間と増幅率の関係を示す情報を記憶する記憶手段を有する制御部7が、遅延時間と増幅率の関係に基づいて決定した値を任意に振り分けて各フィルタ4−1、4−2、・・・、4−9に設定すればよい。このようにすれば、より精度の高いリバーブ効果を得ることができる。
第1実施形態においては、各フィルタ4−1、4−2、・・・、4−9の信号処理のパラメータである遅延効果の遅延時間はランダムに設定したが、一定時間ごとに各フィルタの各遅延部に設定すべき遅延時間を新たにランダムな値として生成し、当該遅延部に設定されている遅延時間を更新することにより、遅延効果を時間変化させるようにしてもよい。そして、増幅率についても遅延時間に応じて変更すればよい。この場合、図9に示すように各フィルタに制御部7を接続し、遅延時間と増幅率を一定時間ごとに更新するように制御させるようにした音響発生装置21とすればよい。このようにすれば、本発明の効果を高めることができる。なお、遅延効果に時間変化をもたせることができれば、本変形例の効果を得られるため、遅延時間と増幅率の更新は一定時間ごとでなくてもよい。例えば、制御部7に最小時間と最大時間を設定しておき、制御部7は、更新を行った後、その設定された時間の範囲内において、ランダムに時間を選択し、その時間経過後に遅延時間と増幅率の更新を行うようにすればよい。また、制御部7は、設定されたパラメータを変更するだけでなく、音響発生装置1の電源を入れた後、各フィルタのパラメータを設定するようにしてもよい。
第1、2実施形態においては、図2に示すように9台のスピーカ2−1、2−2、・・・、2−9を配置し、それぞれ別のフィルタによって信号処理されたオーディオ信号に基づいて放音していたが、1つのフィルタによって信号処理されたオーディオ信号に基づいて放音するスピーカを複数台設けてもよい。例えば、図10に示すように、縦横に9台として81台のスピーカ2−1、2−2、・・・、2−81を用い、1つのフィルタによって信号処理されたオーディオ信号に基づいて放音するスピーカを9台として、ランダムに配置すればよい。この場合は、アンプ3−1、3−2、・・・、3−9に対して、それぞれスピーカを9台ずつ接続するようにすればよい。例えば、アンプ3−1は、スピーカ2−1、2−12、2−25、2−36、2−38、2−46、2−59、2−67、2−75の9台に接続される。このようにすると、さらに広範囲から放音され、本発明の効果を高めるとともに、音量を大きくすることもできる。なお、アンプ3−1、3−2、・・・、3−9にそれぞれ接続されている9台のスピーカを一定時間ごとに他のスピーカと変更するようにしてもよい。この場合は、図11に示すように接続スイッチ8をアンプ3−1、3−2、・・・、3−9とスピーカ2−1、2−2、・・・、2−81の間に設けるようにして、一定時間ごとに各アンプに接続される9台のスピーカが切り替わるようにした音響発生装置31とすればよい。また、81台のスピーカを平面状に配置したが、直線状に配置してもよいし、自在に位置を変更できるようになっていてもよい。
各実施形態においては、オーディオ信号はモノラルの信号を用いていたが、ステレオ、その他マルチチャンネルの信号に対応させてもよい。その場合は、それぞれのチャンネルごとに、第1、第2実施形態のような処理をするようにすればよい。また、第1実施形態の場合は、フィルタ4−1、4−2、・・・、4−9の遅延時間などのパラメータを互いに相関が小さくなるように設定してディレイ効果やリバーブ効果を与えることで、より空間感を大きくすることができる。
第1実施形態においては、各フィルタに設定された10種の遅延効果の遅延時間はランダムに決められていたが、所定の時間(例えば初期の50ms程度)までに含まれる初期の数種の遅延効果の遅延時間については、ランダムに決定するのではなく、全てのスピーカから同時に放音されるように全てのフィルタに同じ遅延時間を設定しておき、以降の遅延効果の遅延時間についてはランダムに決めるようにしてもよい。このようにすると、音量を確保し、明瞭な音として放音することができる。なお、全てのスピーカでなく、複数のスピーカが同時に放音されるようになっていればよい。また、初期の数種の遅延効果でなく、全体の遅延効果のうち数種の遅延効果が同時に放音されるようにしてもよい。
第1実施形態においては、フィルタ4−1、4−2、・・・、4−9それぞれに対して、遅延時間などのパラメータを設定していたが、所定のアルゴリズムで遅延時間、増幅率を示すパラメータの組を生成して伝達特性を決定してから、伝達特性を時間軸方向に分割してフィルタ4−1、4−2、・・・、4−9に分配し、各フィルタの遅延部と乗算器に設定するようにしてもよい。この場合、図12のように、パラメータ生成部9を設けた音響発生装置41とし、音響発生装置41の電源を入れたときに、パラメータ生成部9は、それぞれのパラメータをランダムに生成し、フィルタ4−1、4−2、・・・、4−9に対してランダムに分配して、各フィルタの遅延部と乗算器にパラメータを設定すればよい。このようにすると、使用の度に異なった放音状況とすることができる。
第3実施形態においては、信号入力部5から入力されたオーディオ信号に対して、フィルタ14においてディレイ効果やリバーブ効果を与えたが、一般のリバーブ等を用いた音源等を用いてもよい。この場合は、当該音源等の出力信号を信号分配部6に供給するようにすればよい。
第2実施形態においては、FIRフィルタ4−1、4−2・・・、4−9は、所定の音響効果を持つ部屋のインパルス応答を入力されたオーディオ信号Saに対して畳み込むフィルタであったが、必ずしもサンプリング周期ごとに処理を行うFIRフィルタある必要は無い。この場合には、サンプリング周期ごとのデータであるインパルス応答のかわりに、離散時間のデータである伝達特性を用いれば、同様に切り出して処理を行うことが可能である。
Claims (3)
- 入力される信号に対して設定された遅延時間の遅延を行う複数の遅延手段、前記各遅延手段の出力信号に対して設定された増幅率の増幅を各々行う複数の増幅手段、および前記各増幅手段の出力信号を加算する加算手段を有する信号処理手段と、
前記信号処理手段の出力信号を放音する放音手段と
を有する遅延放音系を複数具備し、
前記各遅延放音系の一の遅延手段に設定される遅延時間と、当該遅延手段の出力信号に対して増幅を行う増幅手段に設定される増幅率との組は、所定の伝達特性を時間軸方向に分割して切り出すことにより生成した遅延時間と増幅率との組であって、前記各遅延放音系に設定される各組の態様は、他の遅延放音系に対して異なるように設定されていることを特徴とする音響発生装置。 - 入力される信号に対して設定された遅延時間の遅延を行う複数の遅延手段、前記各遅延手段の出力信号に対して設定された増幅率の増幅を各々行う複数の増幅手段、および前記各増幅手段の出力信号を加算する加算手段を有する信号処理手段と、前記信号処理手段の出力信号を放音する放音手段とを有する遅延放音系を複数具備する音響発生装置において、
所定の伝達特性を時間軸方向に分割して切り出すことにより、複数の遅延時間と増幅率とを組にして生成する生成過程と、
前記各遅延放音系の一の遅延手段に設定される遅延時間と、当該遅延手段の出力信号に対して増幅を行う増幅手段に設定される増幅率との組に、前記各遅延放音系に設定される各組の態様が他の遅延放音系に対して異なるように、前記生成過程によって生成した遅延時間と増幅率との組を設定する設定過程と
を備えることを特徴とする信号処理方法。 - 複数の放音手段と、
入力される信号を設定された重み付け係数に基づいて前記入力される信号の振幅を重み付けして時間軸方向に分割し、順次切り出すことにより、複数の信号を生成する信号切り出し手段と、
前記信号切り出し手段によって順次切り出された各信号を前記切り出された信号ごとに前記複数の放音手段から選択した放音手段に出力する選択手段と
を具備し、
前記信号切り出し手段に設定された重み付け係数は、前記切り出された複数の信号を加算することにより元の信号と同等になるように設定され、
前記各放音手段は、前記選択手段から出力された信号を放音することを特徴とする音響発生装置。
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