JP2015219413A - インパルス応答生成装置、インパルス応答生成方法、インパルス応答生成プログラム - Google Patents

インパルス応答生成装置、インパルス応答生成方法、インパルス応答生成プログラム Download PDF

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【課題】予め与えられたインパルス応答と類似した音色を持ち、かつ互いに相関が低く設定した任意の残響時間を持つインパルス応答を多数生成する。【解決手段】本発明に係るインパルス応答生成装置は、インパルス応答を初期反射音と後部残響音とに分離する信号分離部10と、所定時間長の時間窓を複数回シフトして得られる窓関数を前記初期反射音及び前記後部残響音に乗ずる時間窓乗算部20と、前記初期反射音又は前記後部残響音の少なくとも一方に関する前記時間窓乗算部の出力を前記時間窓毎に削除又は複製して時間長を変更する時間設定部60と、前記初期反射音及び前記後部残響音に関する前記時間設定部の出力を加算する信号加算部50と、を備える。【選択図】図1

Description

この発明は、インパルス応答生成装置、インパルス応答生成方法、インパルス応答生成プログラムに関し、特に、予め与えられたインパルス応答から、予め与えられたインパルス応答と類似した音色を持ちかつ互いに相関が低く、設定した任意の残響時間を持つインパルス応答を多数生成するインパルス応答生成技術に関する。
映画やテレビの音響方式には、従来のステレオシステムや5.1chサラウンドシステム、7.1ch、8.2ch、10.2ch、次世代のテレビ方式として提案されている22.2マルチチャンネル音響方式などがある。22.2マルチチャンネル音響システムを始めとする多チャンネル音響方式によるコンテンツ制作のため、従来のステレオシステムや5.1chサラウンドシステム同様、空間の拡がり感や豊かな臨場感を付与するため、残響付加装置が用いられる。
残響付加装置には、空間の残響をシミュレーションで模擬したIIR(Infinite impulse response、無限インパルス応答)フィルタ型のものや、実空間で測定したインパルス応答を用いて残響を生成するFIR(Finite impulse response、有限インパルス応答)フィルタ型のものなど、様々なものがあるが、FIRフィルタ型のようにインパルス応答を音源に畳み込んで残響を付加する場合、再生方式のチャンネル数に応じた数のインパルス応答が必要となる。例えば22.2マルチチャンネル音響方式の場合は22ch分のインパルス応答が必要となる。さらに、それらのインパルス応答をコンサートホール等の拡散音場(各到来方向から音色が等しくかつ互いに無相関な音が到来する状態)で測定することを考えると、類似した音色を持ちかつ互いに相関が低いことが求められる。
このような多数のインパルス応答を実測により求めることもできるが、互いに充分に離れた点でインパルス応答を測定することが必要となるため、大規模な測定システムと長い測定時間を要することから容易ではない。
そこで、与えられた一つのインパルス応答から、類似した音色を持ちかつ互いに相関の低いインパルス応答を多数生成する装置が提案された(例えば特許文献1、非特許文献1参照)。特許文献1に記載の装置は、図5に例示するように、インパルス応答を初期反射音部分(直接音が到来してから約0.1秒までの間、床や天井、壁によって反射され、条件によっては各反射音を他の音から分離して聴くことができる部分)と後部残響音部分(直接音が到来してから約0.1秒以降、多次回反射を繰り返し、個々の音を分離して聴くことができない部分)とに分離する。そして、特許文献1に記載の装置は、図6の概略構成の通り、主に残響感や音に包まれた感じ(空間を満たす音に浸ったような感覚)に寄与すると言われている後部残響音部分のみに処理を加え、元のインパルス応答の初期反射音と合成して出力する。
特開平9−230877号公報
小野一穂、小宮山摂、西口敏行、「共通の音色を持つ多数の残響音の生成法に関する一考察」、日本音響学会春季研究発表会講演論文集2-6-7、555-556、 1996
しかし、特許文献1に記載の装置では、与えられたインパルス応答と同じ残響時間(リバーブタイム)を持つインパルス応答しか生成されない。残響時間は、一般に室の容積が大きいほど長くなる傾向があり、あるインパルス応答から残響時間が異なるインパルス応答を生成することができれば、様々な空間印象を与えられる可能性がある。広く使用されているIIRフィルタ型の残響付加装置では、応答の残響時間を変えられることから、FIRフィルタ型の残響付加装置においても、残響時間の調整が可能なこと、もしくは様々な残響時間を持つインパルス応答が実装されていることが望ましいと考えられる。一般的に実測したインパルス応答の残響時間を自由に変更することは難しいため、できるだけ多くの空間で測定したインパルス応答が残響付加装置に実装されていることが望ましいが、それだけ多くの空間で測定を実施することは容易ではない。
したがって、かかる点に鑑みてなされた本発明の目的は、予め与えられたインパルス応答と類似した音色を持ち、かつ互いに相関が低く設定した任意の残響時間を持つインパルス応答を多数生成することが可能なインパルス応答生成装置、インパルス応答生成方法及びインパルス応答生成プログラムを提供することにある。
上述した諸課題を解決すべく、本発明に係るインパルス応答生成装置は、インパルス応答を初期反射音と後部残響音とに分離する信号分離部と、所定時間長の時間窓を複数回シフトして得られる窓関数を前記初期反射音及び前記後部残響音に乗ずる時間窓乗算部と、前記初期反射音又は前記後部残響音の少なくとも一方に関する前記時間窓乗算部の出力を前記時間窓毎に削除又は複製して時間長を変更する時間設定部と、前記初期反射音及び前記後部残響音に関する前記時間長変更後の出力を加算する信号加算部と、を備える。
時間シフト量を乱数により発生させる乱数発生部と、
前記時間シフト量に基づき、前記時間窓毎に、前記初期反射音に関する前記時間設定部の出力を前記初期反射音の時間範囲内で時間シフトし、前記後部残響音に関する前記時間設定部の出力を前記後部残響音の時間範囲内で時間シフトする時間シフト部と、を備える
上述したように本発明の解決手段を装置として説明してきたが、本発明はこれらに実質的に相当する方法、プログラム、プログラムを記録した記憶媒体としても実現し得るものであり、本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
例えば、上述した諸課題を解決すべく、本発明に係るインパルス応答生成方法は、インパルス応答生成装置におけるインパルス応答測定方法であって、前記インパルス応答生成装置による処理手順が、インパルス応答を初期反射音と後部残響音とに分離するステップと、所定時間長の時間窓を複数回シフトして得られる窓関数を前記初期反射音及び前記後部残響音に乗ずるステップと、前記初期反射音又は前記後部残響音の少なくとも一方に関する前記時間窓乗算後の出力を前記時間窓毎に削除又は複製して時間長を変更するステップと、前記初期反射音及び前記後部残響音に関する前記時間長変更後の出力を加算するステップと、を有する。
また、上述した諸課題を解決すべく、本発明に係るインパルス応答生成プログラムは、インパルス応答生成装置に、インパルス応答を初期反射音と後部残響音とに分離するステップと、所定時間長の時間窓を複数回シフトして得られる窓関数を前記初期反射音及び前記後部残響音に乗ずるステップと、前記初期反射音又は前記後部残響音の少なくとも一方に関する前記時間窓乗算後の出力を前記時間窓毎に削除又は複製して時間長を変更するステップと、前記初期反射音及び前記後部残響音に関する前記時間長変更後の出力を加算するステップと、を実行させるためのものである。
本発明に係るインパルス応答生成装置、インパルス応答生成方法及びインパルス応答生成プログラムは、インパルス応答の後部残響音部分だけでなく初期反射音部分も含めた処理を行い、予め与えられたインパルス応答と類似した音色を持ち、かつ互いに相関が低く設定した任意の残響時間を持つインパルス応答を多数生成することが可能となる。
本発明の一実施形態に係るインパルス応答生成装置の構成を示す図である。 残響時間を短くする場合の処理の概要を示す図である。 残響時間を長くする場合の処理の概要を示す図である。 時間シフトによる新たなインパルス応答生成の概要を示す図である。 残響音の初期反射音と後部残響音とを示す図である。 従来のインパルス応答生成装置の構成を示す図である。
以降、諸図面を参照しながら、本発明の実施態様を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るインパルス応答生成装置の構成を示す図である。本発明に係るインパルス応答生成装置は、インパルス応答を初期反射音と後部残響音とに分離する信号分離部10と、所定時間長の時間窓を複数回シフトして得られる窓関数を初期反射音及び後部残響音に乗ずる時間窓乗算部20と、インパルス応答を任意の時間長に変更する時間設定部60と、時間シフト量を乱数により発生させる乱数発生部30と、時間シフト量に基づき時間窓乗算部20の出力を時間シフトする時間シフト部40と、初期反射音及び後部残響音に関する時間シフト部40の出力を加算する信号加算部50と、を備える。インパルス応答生成装置の各機能部10〜60は、CPU等の好適なプロセッサや好適な電気回路により構成されるものである。
以降の説明のため、図5により、残響音の初期反射音と後部残響音とを概説する。スピーカなどの音源から発せられた音は、まず直接音として到来する。次に、直接音から数ms〜100ms程度遅れて、床や天井、壁によって反射された初期反射音が到来する。初期反射音部では、条件によっては各反射音を他の音から分離して聴くことができる。初期反射音は、その微細な構造(レベルや遅延時間、音の方向)が、みかけの音像の幅(直接音の到来方向に直接音と時間的にも空間的にも融合して知覚される音像の大きさ)に寄与することが知られている。さらに反射を繰り返した高次回反射音は、直接音から100ms程度以上遅れた後部残響音として続々と到来する。後部残響音になると反射音密度が急激に高くなり、あらゆる方向から到来する反射音が互いに重なり合って、全体として方向性を持たない拡散音となる。後部残響音は、個々の音を分離して聴くことができない部分であり、主に残響感や音に包まれた感じ(空間を満たす音に浸ったような感覚)に寄与すると言われている。このように残響音は、異なる性質を持つ初期反射音と後部残響音によって構成される。
なお、本実施形態は、入力されたインパルス応答を任意の残響時間のインパルス応答とするため、初期反射音及び後部残響音の両方の時間長を変更する構成にて説明を行うが、本発明はこれに限定されず、初期反射音又は後部残響音の少なくとも一方の時間長を変更することによりインパルス応答を任意の時間長に調整できるものである。
本実施形態において、時間窓乗算部20は、第1時間窓乗算部21及び第2時間窓乗算部22を備え、時間設定部60は、第1時間設定部61及び第2時間設定部62を備え、乱数発生部30は、第1乱数発生部31及び第2乱数発生部32を備え、時間シフト部40は、第1時間シフト部41及び第2時間シフト部42を備える。後述の通り、第1時間窓乗算部21、第1時間設定部61、第1乱数発生部31、及び第1時間シフト部41は、インパルス応答の初期反射音に対して処理を行い、第2時間窓乗算部22、第2時間設定部62、第2乱数発生部32、及び第2時間シフト部42は、インパルス応答の後部残響音に対して処理を行うものである。
信号分離部10は、入力されたインパルス応答h(t)を初期反射音e(t)と後部残響音r(t)とに分離する。信号分離部10は、例えば、インパルス応答h(t)の波形の特徴に基づき、初期反射音e(t)と後部残響音r(t)との境界を設定することができる。具体的には、図5に示す通り、初期反射音e(t)には局所的なピークが含まれるため、信号分離部10は、インパルス応答の振幅が所定の閾値を超える範囲の音を初期反射音e(t)とし、閾値以下の振幅が続く範囲の音を後部残響音r(t)とすることができる。また、信号分離部10は、直接音から所定の時間(例えば100ms)の音を初期反射音e(t)とし、所定時間以降の音を音後部残響音r(t)とすることができる。信号分離部10は、初期反射音e(t)を第1時間窓乗算部21に出力し、後部残響音r(t)を第2時間窓乗算部22に出力する。
これ以降、初期反射音e(t)に対する第1時間窓乗算部21、第1時間設定部61、第1乱数発生部31、及び第1時間シフト部41の処理について詳述する。
第1時間窓乗算部21は、所定時間長Twの時間窓We(t)を複数回(k回)シフトして得られる窓関数Wen(t) (n=1,2,…k)を初期反射音e(t)に乗じて出力en(t)=Wen(t)×e(t) (n=1,2,…k)を生成する。なお、時間窓は、窓の乗算による振幅周波数特性の変化の少ないハニング窓を用いることができる。また、窓としてハミング窓、ブラックマン窓等を用いても良い。窓関数Wen(t)が、時間窓We(t)を等間隔Tedでシフトして得られたものである場合、出力en(t)は、式(1)で表わされる。第1時間窓乗算部21は、出力en(t)を第1時間設定部61に出力する。
Figure 2015219413
第1時間設定部61は、入力されたインパルス応答h(t)の初期反射音e(t)(長さt0)に関する第1時間窓乗算部21の出力を時間窓毎に削除又は複製して長さteの新たな初期反射音e'(t)を生成する。第1時間設定部61は、残響時間を短くする場合(te<t0)には、元の初期反射音e(t)の窓関数乗算後のブロックを適宜削除し、また、残響時間を長くする場合(te>t0)には元の初期反射音e(t)の窓関数乗算後のブロックを適宜複製して、新たな初期反射音e'(t)を生成する。削除又は複製の方法については、例えば等間隔のブロックに対して行ってもよいし、ランダムに選択したブロックに対して行ってもよい。また、連続する任意の区間のブロックを削除または複製してもよい。
図2は、残響時間を短くする場合の処理の概要を示す図である。初期反射音e(t)をe1〜e12とした場合、新たな初期反射音e'(t)は例えばe2,e5,e8,e11が削除されたe1,e3,e4,e6,e7,e9,e10,e12により表わされる。これにより、第1時間設定部61は、元の長さの2/3の長さの新たな初期反射音e'(t)を生成することができる。
図3は、残響時間を長くする場合の処理の概要を示す図である。初期反射音e(t)をe1〜e12とした場合、新たな初期反射音e'(t)は例えばe3,e6,e9,e12が複製されたe1,e2,e3,e3,e4,e5,e6,e6,e7,e8,e9,e9,e10,e11,e12,e12により表わされる。これにより、第1時間設定部61は元の長さの4/3の長さの新たな初期反射音e'(t)を生成することができる。
第1乱数発生部31は、時間シフト量を乱数により発生させる。第1時間シフト部41は、当該時間シフト量に基づき、時間窓毎に、時間長変更後の初期反射音e'(t)に関する第1時間設定部61の出力e'n(t)を初期反射音e'(t)の時間範囲内で時間シフトして出力e''(t)を生成する。ここで、第1乱数発生部31が発生させる時間シフト量N*(n)を分布幅Nの整数値をとる一様分布の乱数とすると、式(1)で表わされる出力e'n(t)を時間シフトした出力e''(t)は式(2)により表わされる。
Figure 2015219413
第1時間シフト部41は、時間長変更後の初期反射音e'(t)に関する出力e'n(t)を初期反射音の時間範囲内で時間シフトするため、n+N*(n)が1≦n+N*(n)≦(Te-Tw+Ted)/Tedとなるように制御する。第1時間シフト部41は、e''(t)が初期反射音e'(t)の範囲外にsなった場合は、第1乱数発生部31に再び乱数による時間シフト量を発生させ、初期反射音e'(t)の時間範囲内で第1時間窓乗算部21の出力e'n(t)を時間シフトさせる。第1時間シフト部41は、生成したe''(t)を信号加算部50に出力する。
図4は、時間シフトによる新たなインパルス応答生成の概要を示す図である。図4(a)は、時間シフト前のインパルス応答h'(t)を示し、窓幅Twの窓関数が所定間隔Tedで配置された窓関数Wen(t)が初期反射音e'(t)に対して乗じられている。ここで、ハッチングで示すn番目の窓関数に対応する出力e'n(t)に対し、第1乱数発生部31は、例えば幅N=5の時間シフト量(−2,−1,0,1,2)を乱数により発生させる。第1時間シフト部41は、図2(b)の通り、時間シフト量(例えば−1)に基づき、n番目の窓関数に対応する出力e'n(t)を時間シフトする。このように、時間窓毎に乱数に基づき時間シフトすることにより、インパルス応答h'(t)の初期反射音e'(t)と類似した音色を持ち、かつ互いに相関の低い初期反射音e''(t)を持つインパルス応答h'(t)が生成されることになる。
後部残響音r(t)に対する第2時間窓乗算部22、第2時間設定部62、第2乱数発生部32、及び第2時間シフト部42の処理は、それぞれ初期反射音e(t)に対する第1時間窓乗算部21、第1乱数発生部31、及び第1時間シフト部41の処理と同様である。なお、窓関数の長さ(窓幅)や時間シフト量の乱数の範囲(分布幅)等のパラメータ値は、初期反射音e(t)及び後部残響音r(t)それぞれに適した値を個別に設定することができるものである。
第2時間窓乗算部22は、所定時間長Trの時間窓Wr(t)を複数個それぞれシフトして得られる窓関数Wrn(t) (n=1,2,…m)を後部残響音r(t)に乗じて出力rn(t) (n=1,2,…m)を生成する。第2時間設定部62は、入力されたインパルス応答h(t)の後部残響音r(t) (長さt1)に関する第2時間窓乗算部22の出力を時間窓毎に削除又は複製して長さtrの新たな後部残響音r'(t)を生成する。第2時間設定部62は、残響時間を短くする場合(tr<t1)には元の後部残響音r(t)のブロックを適宜削除し、また、残響時間を長くする場合(tr>t1)には元の後部残響音r(t)のブロックを適宜複製して、新たな後部残響音r'(t)を生成する。第2乱数発生部32は、時間シフト量を乱数により発生させる。第2時間シフト部42は、当該時間シフト量に基づき、時間窓毎に、時間長変更後の後部残響音r'(t)の各成分r'n(t)を後部残響音r'(t)の時間範囲内で時間シフトして出力r''(t)を生成する。第2時間シフト部42は、r''(t)が時間長変更後の後部残響音r'(t)の範囲外になる場合は、第2乱数発生部32に再び後部残響音r'(t)の範囲内となる時間シフト量を発生させる。第2時間シフト部42は、生成したr''(t)を信号加算部50に出力する。
信号加算部50は、初期反射音e(t)に関する第1時間シフト部41の出力e''(t)と、後部残響音r(t)に関する第2時間シフト部42の出力r''(t)とを加算し、新たなインパルス応答h''(t)を生成する。なお、本実施形態では、残響時間の長さを変更する時間設定部60の後段に、時間窓毎に残響成分をシフトさせる時間シフト部40を備える構成としているが、時間シフト部40及び関連する乱数発生部30を省略し、時間設定部60の出力からそのまま新たなインパルス応答h'(t)を生成する構成としても良い。この場合、信号加算部50は、初期反射音e(t)に関する第1時間設定部61の出力e'(t)と、後部残響音r(t)に関する第2時間設定部62の出力r'(t)とを加算し、新たなインパルス応答h'(t)を生成する。
このように、本実施形態によれば、信号分離部10は、インパルス応答を初期反射音と後部残響音とに分離し、時間窓乗算部20は、所定時間長の時間窓を複数回シフトして得られる窓関数を初期反射音及び後部残響音に乗じ、時間設定部60は、初期反射音又は後部残響音の少なくとも一方に関する時間窓乗算部20の出力を時間窓毎に削除又は複製して時間長を変更し、信号加算部50は、初期反射音及び後部残響音に関する時間長変更後の出力を加算して新たなインパルス応答を生成する。これにより、予め与えられたインパルス応答と類似した音色を持ち、かつ互いに相関が低く設定した任意の残響時間を持つインパルス応答を多数生成することが可能となり、多チャンネル音響方式における残響付加で使用するのに十分な品質かつ様々な種類のインパルス応答を提供することが可能となる。
また、乱数発生部30は、時間シフト量を乱数により発生させ、時間シフト部40は、時間シフト量に基づき、時間窓毎に、初期反射音に関する第1時間設定部61の出力を初期反射音の時間範囲内で時間シフトさせる。これにより、初期反射音の相関が低いインパルス応答を多数生成することが可能となり、インパルス応答を畳み込んだ際に同じ初期反射音のインパルス応答からは得られない拡がり感を得ることができる。
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部、各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部やステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
10 信号分離部
20 時間窓乗算部
21 第1時間窓乗算部
22 第2時間窓乗算部
30 乱数発生部
31 第1乱数発生部
32 第2乱数発生部
40 時間シフト部
41 第1時間シフト部
42 第2時間シフト部
50 信号加算部
60 時間設定部
61 第1時間設定部
62 第2時間設定部

Claims (4)

  1. インパルス応答を初期反射音と後部残響音とに分離する信号分離部と、
    所定時間長の時間窓を複数回シフトして得られる窓関数を前記初期反射音及び前記後部残響音に乗ずる時間窓乗算部と、
    前記初期反射音又は前記後部残響音の少なくとも一方に関する前記時間窓乗算部の出力を前記時間窓毎に削除又は複製して時間長を変更する時間設定部と、
    前記初期反射音及び前記後部残響音に関する前記時間長変更後の出力を加算する信号加算部と、を備えるインパルス応答生成装置。
  2. 時間シフト量を乱数により発生させる乱数発生部と、
    前記時間シフト量に基づき、前記時間窓毎に、前記初期反射音に関する前記時間設定部の出力を前記初期反射音の時間範囲内で時間シフトし、前記後部残響音に関する前記時間設定部の出力を前記後部残響音の時間範囲内で時間シフトする時間シフト部と、を備える請求項1に記載のインパルス応答生成装置。
  3. インパルス応答生成装置におけるインパルス応答測定方法であって、前記インパルス応答生成装置による処理手順が、
    インパルス応答を初期反射音と後部残響音とに分離するステップと、
    所定時間長の時間窓を複数回シフトして得られる窓関数を前記初期反射音及び前記後部残響音に乗ずるステップと、
    前記初期反射音又は前記後部残響音の少なくとも一方に関する前記時間窓乗算後の出力を前記時間窓毎に削除又は複製して時間長を変更するステップと、
    前記初期反射音及び前記後部残響音に関する前記時間長変更後の出力を加算するステップと、を有するインパルス応答生成方法。
  4. インパルス応答生成装置に、
    インパルス応答を初期反射音と後部残響音とに分離するステップと、
    所定時間長の時間窓を複数回シフトして得られる窓関数を前記初期反射音及び前記後部残響音に乗ずるステップと、
    前記初期反射音又は前記後部残響音の少なくとも一方に関する前記時間窓乗算後の出力を前記時間窓毎に削除又は複製して時間長を変更するステップと、
    前記初期反射音及び前記後部残響音に関する前記時間長変更後の出力を加算するステップと、を実行させるためのインパルス応答生成プログラム。
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