JP2010032490A - 抵抗測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】Qの高いバンドパスフィルタの使用を回避して高精度で抵抗値を測定する。
【解決手段】電圧注入部41は、基準クロックCLKに同期して振幅が変化する三角波信号Vtを交流電圧V1として生成し、これを第1巻線13に印加することで測定対象回路5に検査用交流信号Vxを注入する。コンパレータ71は二値化信号Sr0を生成し、DFF72は二値化信号Sr0を基準クロックCLKに同期させて基準信号Srとする。電流測定部42は、検査用交流信号Vxの注入に起因して第2巻線23に流れる検出電流I1を電圧信号Vb1,Vc1に変換して基準信号Srで同期検波し、同期検波によって得られた信号Vfに基づいて交流電流Ixの電流値を測定する。処理部43は検査用交流信号Vxの電圧値および交流電流Ixの電流値に基づいて測定対象回路5の抵抗値Rxを算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、測定対象回路の抵抗値を測定する抵抗測定装置に関するものである。
この種の抵抗測定装置として、下記の特許文献1に開示された抵抗測定装置が知られている。この抵抗測定装置は、測定回路網の接続導線をクリップして測定回路網(測定対象)に流れる第1周波数の電流と弁別し得る第2周波数の電流を測定回路網に注入する注入用変成器と、測定回路網に流れている上記の2種類の電流を接続導線にクリップして検出する検出用変成器と、検出用変成器の出力のうち第2周波数の成分を取り出す周波数選択回路と、周波数選択回路の出力を表示する表示手段を具備し、さらに、注入用変成器は、発振器の出力電圧が与えられて第2周波数の電流を測定回路網に注入する注入コイル、および帰還コイルを有し、帰還コイルに誘起する電圧が一定値に制御されるように注入コイルに供給される電圧を可変するようにした帰還ループを備えて構成されている。この抵抗測定装置では、帰還コイルに誘起する電圧を測定回路網の接続導線数(クリップされる本数。1本)に対する帰還コイルの巻線数の比で除算して得られる注入電圧についても一定値に制御されるため、検出用変成器に流れる電流に起因してこの検出用変成器に接続された抵抗に発生する電圧を検出することにより、この検出用変成器に接続された抵抗の抵抗値、この抵抗に発生する電圧、帰還コイルに発生する電圧、注入用変成器の巻数および検出用変成器の巻数に基づいて、測定回路網に接続された抵抗素子の値(被測定抵抗)を測定することが可能となっている。
特公平2−7031号公報(第1−4頁、第2図)
ところが、上記の抵抗測定装置には、以下の問題点が存在する。すなわち、この抵抗測定装置では、周波数選択回路において、検出用変成器の出力から不要な周波数成分を除去して第2周波数の成分を取り出している。この場合、第2の周波数の成分を高精度で取り出すためには、急峻なバンドパスフィルタ(Qの高いバンドパスフィルタ)で周波数選択回路を構成する必要があるが、このような周波数選択回路を実現するためには高精度の部品を使用しなければならず、このような高精度な部品は一般的に高価であるため、製品コストが上昇するという問題点が存在している。また、バンドパスフィルタでは、周囲温度の影響を受けて中心周波数がシフトすることは避けられないが、Qの高いバンドパスフィルタの場合には中心周波数のシフトの影響が極めて大きく、中心周波数のシフトが精度の大幅な低下をもたらすおそれがあるという問題点も存在している。
本発明は、かかる問題点を解決すべくなされたものであり、Qの高いバンドパスフィルタの使用を回避しつつ高精度で抵抗値を測定し得る抵抗測定装置を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載の抵抗測定装置は、注入コイルに交流電圧を印加することによって測定対象回路に検査用交流信号を注入する電圧注入部と、前記検査用交流信号の注入に起因して前記測定対象回路に流れる交流電流を検出コイルで検出して測定する電流測定部と、前記注入された検査用交流信号の電圧値および前記測定された交流電流の電流値に基づいて前記測定対象回路の抵抗値を算出する処理部とを備えた抵抗測定装置であって、前記電圧注入部は、基準クロックに同期して振幅が変化する階段波を生成すると共に当該階段波に基づく信号を前記交流電圧として印加し、前記交流電圧と同一周期の二値化信号を前記基準クロックに同期させて基準信号として出力する基準信号生成部を備え、前記電流測定部は、前記検査用交流信号の注入に起因して前記検出コイルに流れる電流を電圧信号に変換すると共に当該電圧信号を前記基準信号を用いて同期検波し、当該同期検波によって得られた信号に基づいて前記交流電流の電流値を測定する。
また、請求項2記載の抵抗測定装置は、請求項1記載の抵抗測定装置において、前記電圧注入部は、前記階段波をフィルタリング処理すると共に、当該階段波をフィルタリング処理した信号を前記交流電圧として前記注入コイルに印加する。
また、請求項3記載の抵抗測定装置は、請求項1または2記載の抵抗測定装置において、前記基準信号生成部は、前記二値化信号を前記基準クロックに同期させて前記基準信号として出力するフリップフロップを有している。
また、請求項4記載の抵抗測定装置は、請求項1から3のいずれかに記載の抵抗測定装置において、前記基準信号生成部は、前記交流電圧に基づいて前記二値化信号を生成するコンパレータを有している。
また、請求項5記載の抵抗測定装置は、請求項4記載の抵抗測定装置において、前記コンパレータは、ヒステリシス型のコンパレータで構成されている。
また、請求項6記載の抵抗測定装置は、請求項1から5のいずれかに記載の抵抗測定装置において、前記電圧注入部は、前記階段波に基づく前記信号を増幅して前記交流電圧を生成するD級アンプを備えている。
また、請求項7記載の抵抗測定装置は、請求項1から6のいずれかに記載の抵抗測定装置において、前記電圧注入部は、前記基準クロックに同期してカウント値を予め規定されたスタート値とエンド値との間で変化させるカウンタと、当該カウント値に基づいて前記階段波を生成するD/A変換回路とを備えている。
また、請求項8記載の抵抗測定装置は、請求項7記載の抵抗測定装置において、前記D/A変換回路は、ラダー抵抗回路で構成されている。
請求項1記載の抵抗測定装置では、電圧注入部が、基準クロックに同期して振幅が変化する階段波を生成すると共にこの階段波に基づく信号を交流電圧として注入コイルに印加する。これにより、検査用交流信号が測定対象回路に注入される。一方、同期回路部が交流電圧と同一周期の二値化信号を基準クロックに同期させて基準信号として出力する。電流測定部は、検査用交流信号の注入に起因して検出コイルに流れる電流を電圧信号に変換すると共にこの電圧信号を基準信号を用いて同期検波し、この同期検波によって得られた信号に基づいて測定対象回路に流れる交流電流の電流値を測定する。
したがって、この抵抗測定装置によれば、注入コイルに印加される交流電圧の基準クロックに対する位相が温度や湿度の変化に起因して変化したときであっても、その変化量が基準クロックの1周期以内であれば、基準信号の立ち上がりおよび立ち下がりを基準クロックの立ち上がり(または立ち下がり)に強制的に同期させることができる。このため、温度や湿度の変化に起因した基準信号の基準クロックに対する位相のずれを大幅に低減させることができる、つまり、基準信号のデューティ比のゆらぎを大幅に低減させることができる。したがって、この抵抗測定装置によれば、検出コイルに流れる電流から変換された電圧信号を基準信号を用いて精度良く同期検波できるため、Qの高いバンドパスフィルタの使用を回避しつつ、この同期検波によって得られた信号に基づいて、測定対象回路に流れる交流電流の電流値を高い精度で測定でき、これによって測定対象回路の抵抗値の測定精度を十分に向上させることができる。
また、請求項2記載の抵抗測定装置によれば、電圧注入部が階段波をフィルタリング処理すると共に、フィルタリング処理した階段波を交流電圧として印加することにより、階段波の基本周波数成分以外の周波数成分を減衰させた状態で注入コイルに印加することができる。
また、請求項3記載の抵抗測定装置によれば、二値化信号を基準クロックに同期させて基準信号として出力するフリップフロップを有して基準信号生成部を構成したことにより、二値化信号を基準クロックに確実に同期させて基準信号として出力することができる。
また、請求項4記載の抵抗測定装置によれば、交流電圧に基づいて二値化信号を生成するコンパレータを有して基準信号生成部を構成したことにより、簡易な構成で交流電圧から二値化信号を確実に生成することができる。
また、請求項5記載の抵抗測定装置によれば、ヒステリシス型のコンパレータを用いたことにより、ノイズの影響を低減して測定対象回路の抵抗値の測定精度をさらに向上させることができる。
また、請求項6記載の抵抗測定装置によれば、電圧注入部の電力増幅部をD級アンプで構成したことにより、増幅された交流電圧を低損失で生成することができる結果、装置の効率を十分に向上させることができる。また、D級アンプで電力増幅部を構成した場合には、高周波ノイズが交流電圧内に多く含まれることになる。しかしながら、電力増幅部で増幅される交流電圧および同期検波用の基準信号が共に基準クロックに同期して生成されるため、検査用交流信号の注入に起因して検出コイルに流れる電流が電圧に変換されてなる電圧信号を基準信号を用いて正確に同期検波できる結果、ノイズに対する耐性を高めることができる。
また、請求項7記載の抵抗測定装置によれば、基準クロックに同期してカウント値を予め規定されたスタート値とエンド値との間で変化させるカウンタと、このカウント値に基づいて階段波を生成するD/A変換回路とを用いて電圧注入部を構成したことにより、簡単な回路構成で所望の階段波を確実に生成させることができる。
また、請求項8記載の抵抗測定装置によれば、D/A変換回路をラダー抵抗回路で構成したことにより、D/A変換回路を安価に構成することができる。
抵抗測定装置1の構成を示す構成図である。 A/D変換部68を除く電流測定部42の回路図である。 電流測定部42の動作を説明するための波形図である。 抵抗測定装置1による抵抗測定処理を説明するためのフローチャートである。 階段波生成部51の回路図である。 階段波生成部51から出力される鋸歯状に変化する階段波である三角波信号Vtの波形図である。 階段波生成部51から出力される鋸歯状に変化する階段波である他の三角波信号Vtの波形図である。 階段波生成部51から出力される階段波である矩形波Vtの波形図である。 階段波生成部51から出力される階段波である擬似正弦波Vtの波形図である。
以下、本発明に係る抵抗測定装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
最初に、本発明に係る抵抗測定装置1の構成について、図面を参照して説明する。
図1に示す抵抗測定装置1は、クランプ部2、およびクランプ部2とケーブル3を介して接続された装置本体部4を備え、測定対象回路5の抵抗(ループ抵抗)の抵抗値Rxを測定可能に構成されている。
クランプ部2は、図1に示すように、注入クランプ部11、検出クランプ部21およびハウジング31を備えて構成されている。一例として、本例では、注入クランプ部11は、2つに分割された第1環状コア12、および第1環状コア12に巻回された注入コイルとしての第1巻線13(既知のターン数:N1)を有している。また、検出クランプ部21は、2つに分割された第2環状コア22、および第2環状コア22に巻回された第2巻線23(本発明における検出コイル(既知のターン数:N2))を有している。また、注入クランプ部11および検出クランプ部21は、先端が開閉自在なクランプ型の樹脂製のハウジング31に共に収容されて、このハウジング31の開閉動作に伴い、それぞれの第1環状コア12および第2環状コア22が同時に開閉するように構成されている。この構成により、ハウジング31を開状態としてその内側に測定対象回路5の一部を構成する配線5aを導入することで、開状態となった第1環状コア12および第2環状コア22のそれぞれの内側にも配線5aが導入され、この状態においてハウジング31を閉状態とすることで、閉状態となった第1環状コア12および第2環状コア22によって配線5aが同時にクランプされた状態、すなわちクランプ部2によって配線5aがクランプされた状態となる。この場合、配線5aは、第1環状コア12および第2環状コア22において1ターンの巻線として機能する。
装置本体部4は、図1に示すように、電圧注入部41、電流測定部42、処理部43、出力部44および基準信号生成部45を備えている。電圧注入部41は、階段波生成部51、ローパスフィルタ(以下、「LPF」ともいう)52、電力増幅部53および注入クランプ部11を備えて構成されている。この場合、階段波生成部51は、所定周期T(周波数f)の三角波信号Vtを生成して出力する。この三角波信号Vtは、本発明における階段波の一例であって、同図に示すように、基準クロックCLKの周期Tcで段階的(ステップ的)に振幅が変化しつつ、全体として三角波の形状となる信号である。
この階段波生成部51は、一例として、図5に示すように、基準クロックCLKに同期して作動すると共に、アップカウント動作およびダウンカウント動作の一方を選択的に実行可能なカウンタ(アップダウンカウンタ。一例として4ビットバイナリアップダウンカウンタ)51aと、このカウンタ51aに対してアップカウント動作およびダウンカウント動作を繰り返し実行させるためのフリップフロップ(一例としてDフリップフロップ)51bと、カウンタ51aの各カウンタ出力端子D3〜D0から出力されるカウント値に基づいて(具体的にはカウンタ値をD/A変換して)階段波Vt0を生成するD/A変換回路51cと、階段波Vt0に含まれる直流成分をカットするコンデンサ51dとで構成されている。
この場合、カウンタ51aは、例えば74HCT191と、そのリップルクロックを反転して出力するインバータ(例えば74HCT04)とで構成されて(いずれも図示せず)、クロック入力端子CPに入力される基準クロックCLKに同期して、アップダウン制御端子UDに入力されている信号のレベルに応じたカウント動作(レベル「Low」のときにはダウンカウント動作、レベル「High」のときにはアップカウント動作)を実行する。また、カウンタ51aは、アップカウント動作時において各カウンタ出力端子D3〜D0から出力されているカウント値が「1111」(バイナリ)となったとき、およびダウンカウント動作時において各カウンタ出力端子D3〜D0から出力されているカウント値が「0000」(バイナリ)となったときに、リップルクロック端子RCから出力されるリップルクロックのレベルを「Low」から「High」に移行させる。フリップフロップ51bは、図5に示すように、反転出力端子Q2とデータ入力端子Dとが接続され、かつ非反転出力端子Q1がカウンタ51aのアップダウン制御端子UDに接続され、かつクロック入力端子CPがカウンタ51aのリップルクロック端子RCに接続されている。
この構成により、フリップフロップ51bがクロック入力端子CPにリップルクロックが入力される都度、その立ち上がりに同期して、各出力端子Q1,Q2から出力されている出力信号のレベルをそれぞれ反転させるため、カウンタ51aは、アップカウント動作時において各カウンタ出力端子D3〜D0から出力されているカウント値が「1111」となったときに、そのアップダウン制御端子UDに入力される信号のレベルが「High」から「Low」に変化させられてダウンカウント動作に移行する。これにより、カウンタ51aは、カウント値を「1111」からデクリメントさせる。その後、カウンタ51aは、カウント値が「0000」となったときに、そのアップダウン制御端子UDに入力される信号のレベルが「Low」から「High」に変化させられて、再度、アップカウント動作に移行する。これにより、カウンタ51aは、カウント値を「0000」からインクリメントさせる。このようにして、カウンタ51aは、基準クロックCLKが入力されている間、基準クロックCLKに同期して、予め規定されたスタート値(本例では「0000」)とエンド値(本例では「1111」)との間でアップ・ダウンカウント動作を繰り返す。
D/A変換回路51cは、図5に示すように、一例としてラダー抵抗回路(図5において、「R」および「2R」はそれぞれ抵抗値を示すものであり、「2R」は「R」の二倍の抵抗値であることを示している)で構成されて、直流信号としての階段波Vt0を生成する。コンデンサ51dは、この階段波Vt0に含まれる直流成分をカットして、交流信号としての階段波Vtを出力する。LPF52は、三角波信号Vtを入力してその基本周波数成分(周波数f)を主として通過させ、それ以外の周波数成分を減衰させることにより(基本周波数成分を選択的に通過させることにより)、図3に示す交流電圧(擬似正弦波信号)Vaに変換して出力する。
電力増幅部53は、本例では一例としてD級アンプとして構成されて、この交流電圧Vaを所定の増幅率で増幅して予め規定された電圧値(本例では電圧実効値)の交流電圧V1を生成すると共に、生成した交流電圧V1を注入クランプ部11の第1巻線13に印加する。図示はしないが、電力増幅部53は、一例として、一定周波数の鋸歯状信号を生成する信号発生回路と、この鋸歯状信号と交流電圧Vaとを比較して、交流電圧Vaの振幅に比例してパルス幅(デューティ比)が変化する所定周期のパルス信号(PWM信号)を生成するPWM信号生成回路と、このPWM信号を電力増幅するD級電力増幅回路と、D級電力増幅回路からの出力信号に対してフィルタリング処理することで交流電圧V1を生成するローパスフィルタ回路とで構成されている。これにより、注入クランプ部11を介して測定対象回路5に所定の周波数fで、かつ所定の電圧実効値の検査用交流信号Vxが注入される。この場合、上記したように配線5aが第1環状コア12において1ターンの巻線として機能するため、測定対象回路5に注入される検査用交流信号Vxは、その電圧値が交流電圧V1をターン数N1で除算して得られる電圧値(Vx=V1/N1)となる。検出クランプ部21は、第2環状コア22において配線5aが1ターンの巻線として機能するため、測定対象回路5に流れる交流電流Ixを検出して、その第2巻線23に検出電流(本発明における検出コイルに流れる電流)I1(=Ix/N2)を出力する。
電流測定部42は、検出クランプ部21、第1増幅部61、第1バンドパスフィルタ(以下、「第1BPF」ともいう)62、第1切替部63、第2増幅部64、第2バンドパスフィルタ(以下、「第2BPF」ともいう)65、第2切替部66、第3増幅部67およびA/D変換部68を備えている。この場合、第1増幅部61は、第2巻線23の一端に接続されて、この一端に発生する検出電流I1を第1電圧信号Vb1に変換して出力する。また、第1増幅部61は、一例として、図2に示すように、第1演算増幅器61a、抵抗61b,61c,61dおよび第1コンデンサ61eを備えて構成されている。この場合、第1演算増幅器61aは、その反転入力端子が第2巻線23の一端に直接接続され、反転入力端子と出力端子との間に抵抗61bが帰還抵抗として接続され、非反転入力端子が抵抗61cを介して接地されて(基準電圧(グランド)が入力される一例)、入力した検出電流I1を電圧信号Vb(振幅が検出電流I1の電流値に比例して変化する信号)に変換して出力する。第1コンデンサ61eは、第1演算増幅器61aの後段に配設されて(本例では、その一端が第1演算増幅器61aの出力端子に直接接続されて)、電圧信号Vbに含まれる直流成分を除去する。また、第1コンデンサ61eは、その他端が抵抗61dを介して接地されている。これにより、第1コンデンサ61eにおいて直流成分が除去された電圧信号Vbは、その直流レベルが接地電位(ゼロボルト)に規定されて、ゼロボルトを中心として変化する交流信号である第1電圧信号Vb1として第1増幅部61から出力される。
第1BPF62は、入力した第1電圧信号Vb1に含まれている交流電圧Vaの高調波成分を除去して(フィルタリング処理して)、第1電圧信号Vb2として出力する。具体的には、第1BPF62は、第1電圧信号Vb1に含まれている交流電圧Vaの基本周波数成分(周波数fの成分。検査用交流信号Vxの基本周波数成分でもある)を選択的に(主として)通過させることで、第1電圧信号Vb2を出力する。第1切替部63は、例えばアナログスイッチで構成されて、基準信号生成部45から出力される基準信号Sr(交流電圧Vaに同期し(同位相で)、かつデューティ比が0.5のパルス信号)に同期して、図3に示すように、第1電圧信号Vb2と第2BPF65から出力される後述の第2電圧信号Vc2とを半周期ずつ切り替えて出力する(同期検波動作する)。これにより、第1切替部63は、第1電圧信号Vb2の正側波形および第2電圧信号Vc2の正側波形で構成される脈流信号である正極性信号Vdを生成して出力する。
第2増幅部64は、第2巻線23の他端に接続されて、この他端に発生する検出電流I1を第2電圧信号Vc1に変換して出力する。また、第2増幅部64は、一例として図2に示すように、第2演算増幅器64a、抵抗64b,64c,64dおよび第2コンデンサ64eを備えて、第1増幅部61と同一に構成されている。この場合、第2演算増幅器64aは、その反転入力端子が第2巻線23の他端に直接接続され、反転入力端子と出力端子との間に抵抗64bが帰還抵抗として接続され、非反転入力端子が抵抗64cを介して接地されて(基準電圧(グランド)が入力される一例)、入力した検出電流I1を電圧信号Vc(振幅が検出電流I1の電流値に比例して変化し、かつ電圧信号Vbと逆極性の信号)に変換して出力する。第2コンデンサ64eは、第2演算増幅器64aの後段に配設されて(本例では、その一端が第2演算増幅器64aの出力端子に直接接続されて)、電圧信号Vcに含まれる直流成分を除去する。また、第2コンデンサ64eは、その他端が抵抗64dを介して接地されている。これにより、第2コンデンサ64eにおいて直流成分が除去された電圧信号Vcは、その直流レベルが接地電位(ゼロボルト)に規定されて、ゼロボルトを中心として変化する交流信号である第2電圧信号Vc1として第2増幅部64から出力される。ここで、第2巻線23の他端に発生する検出電流I1は、一端に発生する検出電流I1と位相が反転したものとなる。このため、第2演算増幅器64aは、入力した検出電流I1を電圧信号Vbと位相が反転した電圧信号Vcに変換して出力する。これにより、第2増幅部64は、ゼロボルトを中心として変化し、かつ第1電圧信号Vb1と位相が反転した交流信号である第2電圧信号Vc1を生成して出力する。
第2BPF65は、第1BPF62と同様のバンドパスフィルタに構成されて、入力した第2電圧信号Vc1に含まれている交流電圧Vaの高調波成分を除去して(フィルタリング処理して)、第2電圧信号Vc2として出力する。第2切替部66は、第1切替部63と同一の構成を備えて、基準信号Srに同期して、図3に示すように、第1電圧信号Vb2と第2電圧信号Vc2とを半周期ずつ切り替えて出力することにより、第1電圧信号Vb2の負側波形および第2電圧信号Vc2の負側波形で構成される脈流信号である負極性信号Veを生成して出力する。
第3増幅部67は、正極性信号Vdおよび負極性信号Veを入力して、これらの信号Vd,Veの差分を出力する。本例では、第3増幅部67は、一例として、図2に示すように、演算増幅器67a、第1切替部63と演算増幅器67aの非反転入力端子との間に接続された抵抗67b、第2切替部66と演算増幅器67aの反転入力端子との間に接続された抵抗67c、演算増幅器67aの反転入力端子と出力端子との間に接続された抵抗67d、および演算増幅器67aの非反転入力端子と基準電圧(この例ではグランド)との間に接続された抵抗67eとを備えて、差動増幅部として構成されている。この構成により、第3増幅部67は、図3に示すように、正極性信号Vdおよび負極性信号Veに同期し、かつ正側波形で構成される脈流信号である差分信号Vfを、信号Vd,Veの上記差分として演算して出力する。この差分信号Vfは、振幅が検出電流I1の電流値にそれぞれ比例する電圧信号Vb,Vcに基づいて上記のように生成されるため、差分信号Vfの振幅も検出電流I1の電流値に比例したものとなっている。A/D変換部68は、この差分信号Vfをデジタルデータに変換して電流データDiとして出力する。したがって、A/D変換部68から出力される電流データDiは、検出電流I1を表すデータとなる。
基準信号生成部45は、コンパレータ71およびD型フリップフロップ(本発明における同期回路部の一例であって、以下、「DFF」ともいう)72を備え、交流電圧V1に基づいて基準信号Srを生成して出力する。具体的には、コンパレータ71は、比較用電圧値Vrefがゼロボルトに規定されると共に、本例では、一例としてヒステリシス型に構成されている。この構成により、コンパレータ71は、擬似正弦波信号である交流電圧V1と、比較用電圧値Vrefとを比較することにより、交流電圧V1のゼロクロスで極性が反転し、かつデューティ比が0.5のパルス信号を二値化信号Sr0として生成して出力する。また、コンパレータ71がヒステリシス型のため、交流電圧V1の電圧値が比較用電圧値Vrefを超えたときには、比較用電圧値Vrefがゼロボルトよりも低下することで、交流電圧V1に重畳しているノイズによって二値化信号Sr0の極性の不要な反転を回避することができる結果、ノイズの影響を低減して抵抗値Rxの測定精度がより向上されている。DFF72は、D入力端子に入力される二値化信号Sr0をクロック端子CKに入力される基準クロックCLKに同期させて(二値化信号Sr0の立ち上がりおよび立ち下がりを基準クロックCLKの立ち上がり(または立ち下がり)に一致させて)基準信号Srとして出力する。この場合、DFF72で同期回路部を構成したことにより、二値化信号Sr0を基準クロックCLKに確実に同期させて生成された基準信号Srが出力される。
処理部43は、CPUおよびメモリ(いずれも図示せず)を備えて構成されて、抵抗測定処理を実行する。出力部44は、一例としてモニタ装置などで構成されて、抵抗測定処理の結果を表示する。
次に、抵抗測定装置1による抵抗測定処理100について、図4を参照して説明する。
この抵抗測定処理100では、処理部43は、まず、所定の周波数fの検査用交流信号Vxを測定対象回路5に注入する注入処理を実行する(ステップ101)。具体的には、この注入処理において、処理部43は、電圧注入部41に対して交流電圧Vaの生成を開始させるため、基準クロックCLKの出力を開始する。この基準クロックCLKは、階段波生成部51およびDFF72に出力される。これにより、電圧注入部41では、階段波生成部51が、基準クロックCLKに同期した三角波信号Vtの生成、および生成した三角波信号Vtの出力を開始し、LPF52が三角波信号Vtを交流電圧Vaに変換する。電力増幅部53は、D級増幅動作を行って、入力した交流電圧Vaを所定の増幅率で増幅して予め規定された電圧実効値の交流電圧V1を生成すると共に、生成した交流電圧V1を注入クランプ部11の第1巻線13に印加する。これにより、注入クランプ部11から測定対象回路5に検査用交流信号Vx(周波数f)が注入される。このため、測定対象回路5には、検査用交流信号Vxの注入に起因して、周波数fの交流電流Ixが流れる。一方、基準信号生成部45では、コンパレータ71が、交流電圧V1と比較用電圧値Vrefとを比較することにより、交流電圧V1のゼロクロスで極性が反転し、かつデューティ比が0.5の二値化信号Sr0の生成を開始する。また、DFF72が、この二値化信号Sr0を基準クロックCLKに同期させて基準信号Srとして出力する処理を開始する。これにより、基準信号生成部45から電流測定部42の各切替部63,66に対して基準信号Srの供給が開始される。
この周波数fの検査用交流信号Vxが測定対象回路5へ注入されている状態において、電流測定部42は、交流電流Ixを検出して電流データDiを生成する処理を実行する。具体的には、電流測定部42では、検出クランプ部21が、測定対象回路5に流れる交流電流Ixを検出して、その第2巻線23から検出電流I1を出力し、第1および第2増幅部61,64が、この検出電流I1を第1および第2電圧信号Vb1,Vc1に変換して出力する。この場合、この電流測定部42では、従来の構成(検出コイルとしての第2巻線23をシングルエンドで使用し、電流検出のための抵抗を直列に接続する構成)とは異なり、第2巻線23の各端部を演算増幅器61a,64aの反転入力端子に接続する構成としたことにより、ゲインの低下や周波数特性の劣化を招くおそれのある電流検出用の抵抗(シャント抵抗)を不要とすることができ、十分な検出ゲインを維持しつつ良好な周波数特性が確保されている。
次いで、第1および第2BPF62,65が、対応する電圧信号Vb1,Vc1に含まれている高調波成分を除去して、第1および第2電圧信号Vb2,Vc2として出力し、各切替部63,66が、この第1および第2電圧信号Vb2,Vc2を基準信号Srに同期して切り替えることにより、正極性信号Vdおよび負極性信号Veを生成して出力する。この場合、基準信号Srは、基準信号生成部45のDFF72を介して出力される。このため、交流電圧V1の基準クロックCLKに対する位相が温度や湿度の変化に起因して変化した場合であっても、その変化量が基準クロックCLKの1周期以内であれば、基準信号Srは、その立ち上がりおよび立ち下がりが基準クロックCLKの立ち上がり(または立ち下がり)にDFF72によって強制的に同期させられる。したがって、温度や湿度の変化に起因した基準信号Srの基準クロックCLKに対する位相のずれが大幅に低減される、つまり基準信号Srのデューティ比のゆらぎが大幅に低減される。このため、各切替部63,66がこの基準信号Srに基づいて第1および第2電圧信号Vb2,Vc2を安定して切り替えることができる結果、各切替部63,66による正極性信号Vdおよび負極性信号Veの生成の精度が高められている。また、ノーマルモードノイズが検出電流I1に含まれていたとしても、各切替部63,66による基準信号Srに同期した各信号Vb2,Vc2に対する上記の切替動作により、このノーマルモードノイズが除去される。
続いて、第3増幅部67が、この正極性信号Vdおよび負極性信号Veの差分を演算して差分信号Vfを生成し、A/D変換部68が、この差分信号Vfをデジタルデータに変換して電流データDiとして処理部43に出力する。この場合、電流測定部42では、第2巻線23の各端部に接続された第1増幅部61と第2増幅部64とが、それぞれが接続された第2巻線23の端部に発生する検出電流I1に基づいて、互いの位相が反転する第1電圧信号Vb1と第2電圧信号Vc1とを出力し、第3増幅部67が、これらの信号Vb1,Vc1に基づいて各切替部63,66で生成される正極性信号Vdおよび負極性信号Veの差分を演算して差分信号Vfを生成する。このため、検出電流I1にコモンモードノイズが重畳していたとしても、第3増幅部67が差分演算を行うことにより、このノイズがキャンセルされる。
次いで、処理部43は、周波数がfのときの測定対象回路5の抵抗値Rxを算出する算出処理を実行する(ステップ102)。具体的には、この算出処理において、処理部43は、まず、電流データDiに基づいて検出電流I1の電流値(本例では電流実効値)を算出し、次いで、交流電圧V1の電圧実効値および第1巻線13のターン数(N1)に基づいて検査用交流信号Vxの電圧実効値を算出すると共に、算出した検出電流I1の電流実効値および第2巻線23のターン数(N2)に基づいて交流電流Ixの電流値(本例では電流実効値)を算出する。続いて、処理部43は、算出した検査用交流信号Vxおよび交流電流Ixの各実効値に基づいて、検査用交流信号Vxの周波数がfのときの測定対象回路5の抵抗値Rxを算出すると共に、算出した抵抗値Rxを周波数fに対応させてメモリに記憶する。本例では一例として、処理部43は、この抵抗値Rxの算出に際して、抵抗値Rxを複数回算出すると共に、これらの平均(一例として移動平均)を算出して、最終的な抵抗値Rxとする。これにより、抵抗値Rxの算出処理が完了する。最後に、処理部43は、算出した抵抗値Rxを出力部44に出力させる(ステップ103)。これにより、抵抗測定処理が完了する。
このように、この抵抗測定装置1では、電圧注入部41が、基準クロックCLKに同期して変化する三角波信号Vtを生成すると共にこの三角波信号VtをLPF52でフィルタリング処理することによって交流電圧V1を生成し、さらに、この交流電圧V1を第1巻線13に印加することにより、検査用交流信号Vxを測定対象回路5内に生成させる。また、基準信号生成部45のコンパレータ71が交流電圧V1に基づいて二値化信号Sr0を生成すると共に、基準信号生成部45のDFF72が二値化信号Sr0を基準クロックCLKに同期させて基準信号Srとして出力する。また、電流測定部42が、検査用交流信号Vxの注入に起因して第2巻線23に流れる検出電流I1を各電圧信号Vb2,Vc2に変換すると共に各電圧信号Vb2,Vc2を基準信号Srを用いて同期検波し、この同期検波によって得られた差分信号Vfに基づいて検出電流I1の電流値(すなわち、検出電流I1の電流値に比例する交流電流Ixの電流値)を測定する。
したがって、この抵抗測定装置1によれば、交流電圧V1の基準クロックCLKに対する位相が温度や湿度の変化に起因して変化したときであっても、その変化量が基準クロックCLKの1周期以内であれば、基準信号Srの立ち上がりおよび立ち下がりを基準クロックCLKの立ち上がり(または立ち下がり)に強制的に同期させることができるため、温度や湿度の変化に起因した基準信号Srの基準クロックCLKに対する位相のずれを大幅に低減させることができる、つまり、基準信号Srのデューティ比のゆらぎを大幅に低減させることができる。したがって、この抵抗測定装置1によれば、各切替部63,66がこの基準信号Srに基づいて第1および第2電圧信号Vb2,Vc2を安定して切り替えることができ、これによって各切替部63,66による正極性信号Vdおよび負極性信号Veの生成の精度を高めることができる結果、Qの高いバンドパスフィルタの使用を回避しつつ、抵抗値Rxの測定精度を十分に向上させることができる。
また、この抵抗測定装置1によれば、DFF71で本発明における同期回路部を構成したことにより、二値化信号Sr0を基準クロックCLKに確実に同期させて基準信号Srとして出力することができる。
また、この抵抗測定装置1によれば、ヒステリシス型のコンパレータ71を用いたことにより、ノイズの影響を低減して測定対象回路5の抵抗値Rxの測定精度をさらに向上させることができる。
また、この抵抗測定装置1によれば、電圧注入部41の電力増幅部53をD級アンプで構成したことにより、低損失で交流電圧Vaを交流電圧V1に増幅することができる結果、装置の効率についても十分に向上させることができる。また、D級アンプで電力増幅部53を構成した場合には、高周波ノイズが交流電圧V1内に多く含まれることになる。しかしながら、電力増幅部53で増幅される交流電圧V1および同期検波用の基準信号Srが共に基準クロックCLKに同期して生成されるため、検査用交流信号Vxの注入に起因して検出コイルとしての第2巻線23に流れる検出電流I1が電圧に変換されてなる各電圧信号Vb2,Vc2を基準信号Srを用いて正確に同期検波できる結果、抵抗測定装置1のノイズに対する耐性を高めることができる。
なお、本発明は、上記の構成に限定されない。例えば、上記の構成では、各演算増幅器61a,64aの後段にコンデンサ61e,64eをそれぞれ配設しているが、各演算増幅器61a,64aのオフセット電圧が極めて少ないときには、コンデンサ61e,64eを配設しない構成とすることもできる。この構成では、各抵抗61d,64dについても不要とすることができる。また、抵抗値Rxの測定精度の向上のために第1および第2PF62,65を使用する構成について上記したが、必要とされる測定精度が確保できるときには、第1および第2BPF62,65を配設しない構成を採用することもできる。また、電力増幅部53をD級アンプに代えて、A級やAB級のアンプで構成することもできる。また、本発明における同期回路部をDFF71以外の各種デジタル回路で構成することもできる。さらに、ヒステリシス型のコンパレータ71を用いているが、ヒステリシスを有しないコンパレータを用いることもできる。
また、第1電圧信号Vb2および第2電圧信号Vc2を基準信号Srでそれぞれ同期検波する構成の一例として、各切替部63,66を使用した構成について上記したが、乗算器を使用して同期検波する構成を採用することもできる。また、検査用交流信号Vxの電圧値としての電圧実効値と交流電流Ixの電流値としての電流実効値とに基づいて抵抗値Rxを算出する例について上記したが、電圧値は電圧実効値に限定されるものではなく、また電流値も電流実効値に限定されるものではない。具体的には、検査用交流信号Vxの電圧値としての電圧平均値と交流電流Ixの電流値としての電流平均値とに基づいて抵抗値Rxを算出する構成や、検査用交流信号Vxの電圧値としてのピークtoピーク値(電圧振幅)と交流電流Ixの電流値としてのピークtoピーク値(電流振幅)とに基づいて抵抗値Rxを算出する構成や、検査用交流信号Vxの電圧値としての電圧ピーク値と交流電流Ixの電流値としての電流ピーク値とに基づいて抵抗値Rxを算出する構成を採用することもできる。
また、電力増幅部53から出力される交流電圧V1に基づき、コンパレータ71とDFF72とを有する基準信号生成部45で基準信号Srを生成する構成について上記したが、階段波生成部51から出力される三角波信号VtおよびLPF52から出力される交流電圧(擬似正弦波信号)Vaのうちのいずれかに基づき、基準信号生成部45が基準信号Srを生成する構成を採用することもできる。また、基準信号Srを生成する基準信号生成部45をコンパレータ71を用いて構成することにより、簡易な構成で交流電圧V1から二値化信号Sr0を確実に生成し得るようにした例について上記したが、入力値(交流電圧V1の電圧値)をしきい値(比較用電圧値Vref)と比較して、その比較結果(二値化信号Sr0)を出力するものであれば、コンパレータ71に限定されず、種々の回路を採用することができる。また、DFF72に代えて、JKフリップフロップや、RSフリップフロップなどを使用する構成を採用することもできる。
また、上記の例では、アップダウン制御端子UDに入力される信号のレベルを「High」から「Low」へ、次いで「Low」から「High」へというように周期的(T/2の周期毎に)に変化させて、階段波生成部51を構成するカウンタ51aに対してアップカウント動作およびダウンカウント動作を繰り返させ、これにより、階段波生成部51から三角波状(振幅がスタート値からエンド値まで階段状に増加する波形とエンド値からスタート値まで階段状に減少する波形とで構成される三角波状)に変化する階段波である三角波信号Vt(周期T)を出力させて、電力増幅部53から高調波成分のより少ない交流電圧V1を出力させる構成を採用しているが、これに限らない。例えば、図5において、アップダウン制御端子UDに入力されている信号のレベルを「High」に固定してカウンタ51aに対してアップカウント動作(スタート値からエンド値までカウント値をインクリメントすると共に、エンド値に達したときにカウント値をスタート値にリセットするカウント動作)を周期Tで繰り返させることにより、階段波生成部51から図6に示す鋸歯状に変化する階段波である三角波信号Vtを出力させる構成や、図5において、アップダウン制御端子UDに入力されている信号のレベルを「Low」に固定してカウンタ51aに対してダウンカウント動作(スタート値からエンド値までカウント値をデクリメントすると共に、エンド値に達したときにカウント値をスタート値にリセットするカウント動作)を周期Tで繰り返させることにより、階段波生成部51から図7に示す鋸歯状に変化する階段波である三角波信号Vtを出力させる構成を採用することもできる。これらの構成によれば、図5に示す三角波信号Vtを階段波生成部51から出力させる構成と比較して、電力増幅部53から出力される交流電圧V1に含まれる高調波成分が若干増加するものの、フリップフロップ51bを省くことができるため、部品点数を低減することができ、ひいては製品コストを低下させることができる。また、上記した各例のように、カウンタ51aとD/A変換回路51cとを用いて階段波生成部51を構成することにより、簡単な回路構成で所望の階段波を確実に生成させることができる。
また、図5に示すように三角波状に変化する階段波である三角波信号Vtや、図6,7に示すように鋸歯状に変化する階段波である三角波信号Vtに代えて、図8に示すように、基準クロックCLKに同期して振幅が変化する1段の階段波である矩形波(周期Tでデューティ比0.5の矩形波)Vt1を階段波生成部51で生成させて、LPF52に出力する構成を採用することもできる。この構成の階段波生成部51は、図示はしないが、基準クロックCLKに同期して基準クロックCLKを分周する分周回路と、矩形波の直流成分をカットするコンデンサとで実現することができる。この構成によれば、階段波生成部51から鋸歯状に変化する階段波である三角波信号を出力させる構成と比較して、電力増幅部53から出力される交流電圧V1に含まれる高調波成分がさらに増加するものの、D/A変換回路51cを省くことができるため、部品点数を一層低減することができ、製品コストを一層低下させることができる。
また、回路構成は逆に複雑化するものの、階段波生成部51にDDS(Direct Digital Synthesizer。図示せず)を使用する構成を採用することもできる。この構成よれば、三角波信号Vtよりもさらに正弦波に近い図9に示すような階段波を擬似正弦波Vt2として階段波生成部51から出力させることができるため、電力増幅部53から一層高調波成分の少ない交流電圧V1を出力させることができる。
また、処理部43とは別個に、階段波生成部51および基準信号生成部45を設ける構成について上記したが、CPU、A/DコンバータおよびD/Aコンバータを少なくとも含むDSP(Digital Signal Processor)で処理部43を構成することにより、階段波生成部51および基準信号生成部45の少なくとも1つの生成部を処理部43に含める構成を採用することもできる。この構成において、CPUに対して、基準クロックCLKに同期したアップカウント動作、ダウンカウント動作、およびアップダウンカウント動作のいずれかのカウント動作を繰り返させ、そのカウント値をD/Aコンバータに出力させることにより、階段波生成部51を構成することができる。また、DSP内または外部に設けたメモリに波形用データを記憶させて、この波形用データをCPUが読み出してD/Aコンバータに出力することによっても構成することができる。また、基準信号生成部45については、CPUが、上記のカウント動作におけるスタート値とエンド値との中間値を基準として、この中間値をカウント値が横切るタイミングを検出し、検出されたタイミングに同期して立ち上がりと立ち下がりとが交互に繰り返す信号を、基準信号Srとして生成することにより構成することができる。
また、図1の構成において、各切替部63,66を省いて、第1および第2BPF62,65から出力される第1および第2電圧信号Vb2,Vc2を第3増幅部67に直接入力する構成を採用することもできる。この構成では、図2に示すように差動増幅器として構成された第3増幅部67が、第1および第2電圧信号Vb2,Vc2の差分を増幅することにより、例えば利得が1倍のときには第1および第2電圧信号Vb2,Vc2の2倍の振幅の交流信号を差分信号Vfとして出力する。この差分信号Vfは、A/D変換部68によってデジタルデータに変換されて電流データDiとして処理部43に入力される。このため、少なくとも基準信号生成部45をDSP内に設けておくことにより、各切替部63,66が実行していた同期検波については、CPUが、上記のようにして生成している基準信号Srの半周期における電流データDiに基づいて、検出電流I1の電流値(本例では電流実効値)を算出することで実現される。以上のようにして、処理部43をDSPで構成して、階段波生成部51および基準信号生成部45の少なくとも1つを処理部43に含めたり、さらには同期検波回路の機能を処理部43に持たせたりすることにより、部品点数をさらに削減できるため、製品コストのさらなる低減を図ることができる。
また、上記の例では、階段波生成部51から出力される三角波信号Vtなどの階段波をLPF52に入力して、その基本周波数成分(周波数f)以外の周波数成分を減衰させる好ましい構成を採用したが、基本周波数成分(周波数f)以外の周波数成分が多く含まれていても問題のない場合には、LPF52を省略する構成、つまり階段波に対するフィルタリング処理を実行しない構成を採用することもできる。また、階段波生成部51に含めるD/A変換回路51cを安価なラダー抵抗回路で構成して、製品コストを低減し得る例について上記したが、抵抗ストリング形、電流出力形またはデルタシグマ形の変換回路で構成することもできる。
1 抵抗測定装置
5 測定対象回路
13 第1巻線(注入コイル)
23 第2巻線(検出コイル)
41 電圧注入部
42 電流測定部
43 処理部
45 基準信号生成部
71 コンパレータ
72 DFF
I1 検出電流
Ix 交流電流
Rx 抵抗
Sr 基準信号
V1 交流電圧
Vt 三角波信号
Vt1 矩形波
Vt2 擬似正弦波
Vx 検査用交流信号

Claims (8)

  1. 注入コイルに交流電圧を印加することによって測定対象回路に検査用交流信号を注入する電圧注入部と、前記検査用交流信号の注入に起因して前記測定対象回路に流れる交流電流を検出コイルで検出して測定する電流測定部と、前記注入された検査用交流信号の電圧値および前記測定された交流電流の電流値に基づいて前記測定対象回路の抵抗値を算出する処理部とを備えた抵抗測定装置であって、
    前記電圧注入部は、基準クロックに同期して振幅が変化する階段波を生成すると共に当該階段波に基づく信号を前記交流電圧として印加し、
    前記交流電圧と同一周期の二値化信号を前記基準クロックに同期させて基準信号として出力する基準信号生成部を備え、
    前記電流測定部は、前記検査用交流信号の注入に起因して前記検出コイルに流れる電流を電圧信号に変換すると共に当該電圧信号を前記基準信号を用いて同期検波し、当該同期検波によって得られた信号に基づいて前記交流電流の電流値を測定する抵抗測定装置。
  2. 前記電圧注入部は、前記階段波をフィルタリング処理すると共に、当該階段波をフィルタリング処理した信号を前記交流電圧として前記注入コイルに印加する請求項1記載の抵抗測定装置。
  3. 前記基準信号生成部は、前記二値化信号を前記基準クロックに同期させて前記基準信号として出力するフリップフロップを有している請求項1または2記載の抵抗測定装置。
  4. 前記基準信号生成部は、前記交流電圧に基づいて前記二値化信号を生成するコンパレータを有している請求項1から3のいずれかに記載の抵抗測定装置。
  5. 前記コンパレータは、ヒステリシス型のコンパレータで構成されている請求項4記載の抵抗測定装置。
  6. 前記電圧注入部は、前記階段波に基づく前記信号を増幅して前記交流電圧を生成するD級アンプを備えている請求項1から5のいずれかに記載の抵抗測定装置。
  7. 前記電圧注入部は、前記基準クロックに同期してカウント値を予め規定されたスタート値とエンド値との間で変化させるカウンタと、当該カウント値に基づいて前記階段波を生成するD/A変換回路とを備えている請求項1から6のいずれかに記載の抵抗測定装置。
  8. 前記D/A変換回路は、ラダー抵抗回路で構成されている請求項7記載の抵抗測定装置。
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