JP2010032473A - 形状評価装置、形状評価方法および形状評価プログラム - Google Patents

形状評価装置、形状評価方法および形状評価プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】非球面形状の数式フィッティングとアライメント補正との両方の最適解を容易に得ること。
【解決手段】本発明は、軸対称非球面形状を設計形状とした被評価非球面形状の座標データを測定する測定部10と、測定部10によって測定して得た座標データから非球面式の各係数を求め、当該係数による非球面の形状について並進、回転の座標移動変換、c(曲率)、k(コーニック係数)の係数変更の少なくともひとつを実施し、設計形状との形状差を算出する座標変換計算部231と、座標変換計算部231によって算出される形状差が最小となる並進、回転、c、kの値を非線形最小二乗法によって求める非線形最小二乗計算部232と、非線形最小二乗計算部で並進、回転、c、kの値の少なくともひとつを変更するたびに、形状差が最小となるA(非球面係数)を線形最小二乗法によって算出する線形最小二乗計算部233とを有する形状評価装置である。
【選択図】図2

Description

本発明は、軸対象非球面形状の評価を行う形状評価装置、形状評価方法および形状評価プログラムに関する。
非球面レンズの設計においては、試作品や完成品レンズのレンズ面の曲線形状の解析が重要である。従来、被測定レンズのレンズ面の形状測定を行う場合には、測定原点を被測定レンズ面の中心点に設定するため、次のような作業を行っている。すなわち、被測定レンズが凸レンズであれば、被測定レンズの先端部で、z座標(レンズ面の高さ)を参照しながら、測定点をX−Y方向に移動して最適位置を設定する。また、被測定レンズが凹レンズであれば底部において、z座標を参照しながら、測定点をX−Y方向に移動して最適位置を設定している。しかしながら、この方法では最適位置を見つけるのに非常に多くの時間を要する。
一般的に、サブミクロンオーダーで形状を評価する高精度な非球面形状測定機においては、測定した形状を設計値と比較する場合、測定物を測定機に精度良く取り付けたとしても、測定機の座標系と測定物の取り付け位置とを完璧に合わせることは困難である。このため、ミクロンオーダーの位置ずれや、ごくわずかな傾きが発生する。
そこで、測定物を測定機の座標系と合わせるために、測定データをコンピュータで処理して、セッティング誤差を原因とした形状残差が最小になるようなシフト、チルトの座標変換量を計算で求めるのが一般的である。この座標変換を、アライメント補正とよぶ。
また、測定物が設計値からずれている場合、離散的な測定データのままでは評価しにくいため、測定形状を数式表現するために、最小二乗法を用いて測定形状に最も合う非球面式の係数を算出している。これをカーブフィットや、非球面係数フィットとよぶ。
ここで、特許文献1〜4では、測定データを用いたアライメント補正を実施し、その後カーブフィットを行う方法や、カーブフィットを実施してから、アライメント補正を行う方法や、一度、楕円曲線で近似してアライメント補正を行ってカーブフィットするというような様々な試みがなされている。
すなわち、特許文献1では、被測定レンズに対して初期原点を設定し、初期原点近傍の同一Y座標の2位置のXZ座標を測定し、初期原点の被測定レンズ面の中心(凸面では最上点、凹面では最下点)からのX座標方向のずれ量を求めている。そして、X座標の目標原点を得て、同一X座標の2位置のY−Z座標を測定し、初期原点の被測定レンズ面の中心からのY座標方向のずれ量を求めてY座標の目標原点を得て、得られたX座標の目標原点及びY座標の目標原点を、X−Y−Z座標における測定原点としている。
また、特許文献2では、非球面式のパラメータの最適値と並進の座標変換の最適値を推定し、その後、得られた最適並進移動で新たな測定原点を設定し、再度形状測定をするという方法が提案されている。
また、特許文献3では、設計値との形状残差を最小にするように、軸探索、軸傾斜、曲線パラメータという順番で、それぞれの値を確定してく方法が提案されている。
また、特許文献4では、測定形状のアライメントと非球面形状の係数フィットをできるだけ正確に実施する試みとして、中央部分における測定データのみを用いて2次多項式表現での最適円錐曲線を求めてから、補正式を算出するという方法が提案されている。
近年では、ガラスモールド非球面レンズや、球面ガラスレンズに樹脂で非球面形状を形成した複合非球面レンズが多く用いられている。このようなレンズは、一度、仮金型で成形して、その型で成形した成形品を測定し、設計値からのズレを型形状補正して成形品の形状を合わせ込んでいくプロセスで製造される。このようなプロセスにおいては、最初の仮金型で成形したレンズについて、ほとんどの場合、設計値から大きく形状がずれている。
測定品の形状が設計値通りにできている場合は、最小二乗法を用いれば、アライメントは非常に正確に求めることができる。測定形状と設計値が完全に一致している場合は、答えが一意的に決まるためである。
一方、測定形状と設計形状とに差がある場合は、アライメントを計算する際に、形状残差が最小値になる値を求めても、それが本来の軸ではなく、本来の軸からシフト・チルトを大きくずらした位置に収束点があることもある。つまり、設計値からの形状ズレを、シフト・チルトを無理やり動かすことによって最小になるように調整することになる。
特公平7−69158号公報 特開平10−62142号公報 特開平3−33635号公報 特開平10−246624号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、測定物が設計形状から大きくずれている場合は、精度良く形状を評価することができないという問題がある。また、特許文献2に記載の技術では、測定物の置き方による傾きずれは考慮されていないので、測定物の水平出しを精度良く行っておかなければならない。測定レンズに製造上、面間のチルト偏芯が存在している場合は、測定ステージに単純に置いただけでは、測定面の水平出しが不十分となり、精度良く測定できないという問題がある。
また、特許文献3に記載の技術では、決定されたパラメータを変更することができないため、トータルでの最適化にはなっていない。また、特許文献4に記載の技術では、近軸付近で、非球面多項式が変曲点をもっている形状の場合、中心部分だけでシフト・チルト補正を行い、円錐曲線を求めてしまうと、その後、多項式を算出しても周辺部分にズレが生じてしまう。これにより、精度良く測定することが困難となっている。
本発明は、アライメント補正と形状ズレとを同時に評価しながら、最適解を探し出すことができる技術を提供することを目的とする。
本発明は、軸対称非球面形状を設計形状とした被評価非球面形状の座標データを測定する測定部と、測定部によって測定して得た座標データから下記(式1)による非球面式の各係数を求め、当該係数による非球面の形状について並進、回転の座標移動変換、c、kの係数変更の少なくともひとつを実施し、設計形状との形状差を算出する座標変換計算部と、座標変換計算部によって算出される形状差が最小となる並進、回転、c、kの値を非線形最小二乗法によって求める非線形最小二乗計算部と、非線形最小二乗計算部で並進、回転、c、kの値の少なくともひとつを変更するたびに、形状差が最小となる下記(式1)のAを線形最小二乗法によって算出する線形最小二乗計算部とを有する形状評価装置である。
また、本発明は、軸対称非球面形状を設計形状とした被評価非球面形状の座標データを取得する工程と、取得した前記座標データから下記(式1)による非球面式の各係数を求め、当該係数による非球面の形状について並進、回転の座標移動変換、c、kの係数変更の少なくともひとつを実施し、設計形状との形状差を算出する工程と、算出する形状差が最小となる並進、回転、c、kの値を非線形最小二乗法によって求める工程と、非線形最小二乗法で並進、回転、c、kの値を変更するたびに、形状差が最小となる下記(式1)のAを線形最小二乗法によって算出する工程とを有する形状評価方法である。
また、本発明は、軸対称非球面形状を設計形状とした被評価非球面形状の座標データを記憶部に取り込むステップと、記憶部に取り込んだ座標データから下記(式1)による非球面式の各係数を求め、当該係数による非球面の形状について並進、回転の座標移動変換、c、kの係数変更の少なくともひとつを実施し、設計形状との形状差を演算部で算出するステップと、算出する形状差が最小となる前記並進、回転、c、kの値を演算部で行う非線形最小二乗法によって求めるステップと、非線形最小二乗法で並進、回転、c、kの値を変更するたびに、形状差が最小となる下記(式1)のAを演算部で行う線形最小二乗法によって算出するステップとをコンピュータによって実行させる形状評価プログラムである。
このような本発明では、軸対称非球面形状を設計形状とした被評価非球面形状の評価を行うにあたり、下記(式1)による非球面式の各係数のフィッティングとともに測定した座標データの並進、回転を同時に行うことができる。また、非球面係数については線形最小二乗法によって算出するため、計算時間の短縮化を図ることができる。
ここで、本発明は、並進、回転による座標変換後の新たな座標系にて、回転対称のz軸からの距離が予め設定された値よりも外にある測定点を、非線形最小二乗法および線形最小二乗法による計算から除外するものである。これにより、誤差の大きい周辺部分の座標データを排除して、的確なアライメントを行うことができるようになる。
本発明によれば、アライメント補正と、非球面形状の数式フィットとの両方の最適解を容易に得ることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図に基づき説明する。本実施形態では、軸対称非球面形状を設計形状とした被評価非球面形状を評価するものである。評価対象物としては、非球面レンズのほか、非球面レンズ成形用の金型や、その他の非球面形状物が挙げられる。本実施形態では、非球面レンズを評価対象物とした例を説明する。
図1は、非球面レンズのレンズ面形状の測定における座標系を説明する図である。評価対象の非球面レンズは、図示しないステージ上に載置される。このステージの載置平面がX,Y方向、ステージの載置平面に対して垂直な方向がZ方向となる。ステージ上に非球面レンズを載置する際、レンズ形状における高さ(レンズ高)がZ方向に対応する。
レンズ面形状の測定は、プローブとステージ上の非球面レンズとのX,Y方向に沿った相対的な移動によって、プローブの先端のZ方向位置の変化を座標データとして読み取ることで行われる。本実施形態では、X軸方向とY軸方向の2方向に沿った座標データを読み取っているが、必要に応じてさらに多くの方向に沿った座標データを取り込んでもよい。また、1方向に沿った座標データだけを取り込んでもよいが、その場合、測定方向と直交する方向の形状を評価できないため、最低でも走査方向が直交する2方向の座標データを測定するのが望ましい。
<形状評価装置>
図2は、本実施形態に係る形状評価装置を説明するブロック図である。すなわち、形状評価装置は、主として測定部と演算処理部とを備えている。測定部は、図1に示すプローブによって評価対象となる非球面レンズのレンズ面形状を測定する。プローブによる測定データは、ステージ上のX,Y座標とレンズ面形状に対応した高さのZ座標からなるX,Y,Zの座標データであり、演算処理部へ送られる。なお、通常は、予め測定する方向(走査方向)が設定されているため、測定部では走査ととともに所定のサンプリング期間で取り込んだZ座標のみを出力し、後段で走査方向およびサンプリングのタイミングに応じたX,Y座標と対応付けされることになる。
演算処理部は、測定データ記憶部、設計データ記憶部、最適係数算出部を備えている。測定データ記憶部は、測定部から送られてきたレンズ面形状の座標データを記憶する部分である。測定部から送られる座標データがZ座標のみの場合、予め設定されている走査方向およびサンプリングのタイミングに応じたX,Y座標と対応付けしてZ座標を記憶することになる。また、測定部からX,Y,Z全ての座標データが送られてくる場合には、それを順次格納することになる。
設計データ記憶部は、評価対象となっている非球面レンズの設計データを記憶する部分である。設計データは、下記(式1)に示す非球面式の各係数によって規定されるものである。
Figure 2010032473
最適係数算出部は、座標変換計算部、非線形最小二乗計算部、線形最小二乗計算部、偏差データ算出部を備えている。
座標変換計算部は、測定部によって測定して得たレンズ面形状の座標データから上記(式1)による非球面式の各係数を求める計算を行う。さらに、この係数による非球面の形状について並進(シフト)、回転(チルト)の座標移動変換、c(曲率)、k(コーニック係数)の係数変更の少なくともひとつを実施し、設計データによる形状との形状差を算出する計算を行う。
ここで、並進(シフト)とは、測定の走査方向とZ軸とで構成される面内での平行移動のことを言い、回転(チルト)とは、測定の走査方向とZ軸とで構成される面と直交する軸を中心とした回転移動のことを言う。
座標変換計算部は、先ず、測定部で取り込み測定データ記憶部に格納された座標データを読み込んで、複数点の座標データを用いて(式1)の各係数のフィッティングを行う。そして、座標データの並進、回転、(式1)の係数c、kのうち少なくともひとつを変更し、変更後の座標データと、設計データ記憶部から読み込んだ設計データのうち測定点と対応する座標データとの形状差を算出する。
具体的には、例えば、測定によって得た座標データから(式1)の各係数のフィッティングを行い、光軸に相当する位置の座標データと設計データとが一致するよう各座標データに並進や回転を施す座標変換を行ったり、座標変換後の座標データを用いて(式1)の各係数のフィッティングを再度行ったりする。
非線形最小二乗計算部は、座標変換計算部によって計算される変換後の各座標データと対応する各設計データとの形状差が最小となるよう、測定データの並進、回転、c、kの値を非線形最小二乗法によって求める部分である。
ここで、形状差が最小となる並進、回転の最適解を求めるために、多変数の非線形最小二乗法を用いる。例えば、修正ニュートン法のレーベンバーグ・マーカート法や、BFGS公式を用いた準ニュートン法等のアルゴリズムを用いて各パラメータの最適解を得ることができる。
この際、アライメントに用いられる並進、回転のパラメータ(アライメントパラメータ)だけではなく、数式において、曲率をあらわすcやコーニック係数kも変数として計算させると、形状差が最も小さくなるアライメントパラメータと係数c、kとを同時に求めることができる。
線形最小二乗計算部は、非線形最小二乗計算部で、並進、回転、c、kの値を変更するたびに、測定データと設計データとの形状差が最小となる上記(式1)のA(非球面係数)を線形最小二乗法によって算出する部分である。
偏差データ算出部は、上記非線形最小二乗計算部および線形最小二乗計算部によって測定データと設計データとの形状差が最小となるよう繰り返し計算によってパラメータフィッティングを行うにあたり、所定の閾値による収束判定を行う部分である。
<形状評価方法>
先ず、図1に示すプローブによって評価対象となる非球面レンズのレンズ面形状を測定し、測定によって座標データを得る。ここで、非球面レンズは、設計形状が(式1)によって定義される軸対称非球面形状となっている。評価対象となる非球面レンズのレンズ面形状をプローブによって測定するには、ステージ上に基準軸におおよそ合わせて評価対象物を載置し、プローブによって所定方向へ走査して、Z軸座標を取得する。
本実施形態では、X軸方向とY軸方向の2方向に走査してZ軸座標のデータを取り込んでいるが、さらに多くの走査方向によって断面形状を取り込んでも良い。なお、1断面だけのデータを用いても良いが、その場合、測定方向と垂直方向の形状を評価できないため、最低でも走査方向が垂直な2断面のデータを測定するのが望ましい。測定された複数の座標データは図2に示す演算処理部の測定データ記憶部に格納される。
次に、取得した座標データから(式1)による非球面式の各係数を求める。そして、この各係数による非球面の形状について並進、回転の座標移動変換、c、kの係数変更の少なくともひとつを実施し、設計形状との形状差を算出する。
その後、算出される形状差が最小となる並進、回転の値を非線形最小二乗法によって求め、その際のc、kの値を求める。さらに、並進、回転、c、kの値を変更するたびに、形状差が最小となる(式1)のA(非球面係数)を線形最小二乗法によって算出する。
ここで、ある1つの測定点の座標(x,y,z)について考える。測定点(x,y)を(式1)に代入し、設計値のZ座標を計算し、得られた値をzdesとすると、測定値zと設計値zdesとの形状差(z−zdes)をδとし、測定点全て(n個)について考えたとき、それぞれの点における形状差をδiのように添え字iをつけて表現する。そこで、アライメント補正を考える場合、形状差のRMS(root mean square)は、(式2)で表される。
Figure 2010032473
そして、この値が最小となるよう測定データの座標(x,y,z)を各軸方向へシフトおよびチルトさせ、その際のシフト量、各軸のチルト量の値を求める。このシフト、チルトは、(式3)に示すようなアフィン変換行列Mを用いて表される。ここで、変換後の座標(x,y,z)は、変換前の元データ(xs,ys,zs)についてチルトのアファイン変換行列Mにより求めることができ、変換後の座標につき設計データとの形状差のRMSが最小になるように収束計算させる。
Figure 2010032473
本実施形態では、設計形状がZ軸の回転対称形状なので、Z軸まわりの回転には意味がないため固定しておく(Z軸まわりの回転計算を実施しない)。つまり、X軸、Y軸、Z軸方向に沿ったシフト、X軸、Y軸を中心とした回転の5自由度の最適化を行う。
このときZ軸方向へのシフトによって形状差のRMSを最小にするのは、シフト前の形状差の平均値を算出し、その分だけ反対側にシフトすれば良い。
ここで、シフト、チルトの最適解を求めるために、多変数の非線形最小二乗法を用いて算出する。例えば、修正ニュートン法のレーベンバーグ・マーカート法や、BFGS公式を用いた準ニュートン法等のアルゴリズムを用いて各パラメータの最適解を得ることができる。
また、この際、アライメントに用いられるシフト、チルトパラメータだけではなく、(式1)において、曲率をあらわすcやコーニック係数kも変数として計算させると、形状差のRMSが最も小さくなるアライメントパラメータとc、kを同時に求めることができる。
次に、さらに多項式の係数であるA(非球面係数)も変数として与えると、同時に全てのパラメータが求まることになる。
ここで、(式1)から多項式だけを取り出して考えた場合、測定ポイント(xi,yi)より求まるriを用いて書き直すと、(式4)のようになる。
Figure 2010032473
これは1次式であるので、線形最小二乗法の問題として反復計算による収束を行わなくても解を得ることができる。このような線形問題を非線形の最小二乗法を用いて解いた場合、求める係数が多く計算量が膨大となり、また収束判定条件を正しく設定しないと、正しい解との誤差が大きくなる。よって、非球面係数の多項式部分は線形最小二乗法で最適係数を算出するのが良い。
また、この計算によって、定数のA0も求めることが可能である。これはZ軸方向の最適シフト量を表わすことになるので、アライメント補正のZ軸シフトの値はここで求めることができる。
本実施形態では、以上の非線形最小二乗法と多項式の係数とを全て同時に計算させることで、アライメント補正と形状係数フィットとの同時最適化を行い、正しいアライメント結果を迅速に得るようになる。
具体的には、非線形最小二乗法の反復計算過程において、収束判定に用いる残差計算と、各パラメータのステップ量(次回計算させるために変化させる量)を決定するために用いる微係数を算出する際に、シフト、チルトさせる。そして、多項式以外の非球面形状を差し引いた残りの形状に対して係数多項式の計算を線形最小二乗法にて決定する。その最終的な残差に対して収束判定を行う。
微係数は多項式の形状がその都度変化するため、単純に一般式で解くことは困難であるので、数値計算的に算出する。つまり、パラメータを微小に変化させたときの残差の変化量から微係数を算出する。
以上のように、非線形最小二乗法の反復計算過程に線形最小二乗計算を内包させることによって、多項式の係数の計算精度を落とすことなく、非線形部分も収束させていくことができるようになる。特に、本実施形態のように、軸対称非球面形状の場合、軸対称の非球面形状の数式を変形させながらアライメント計算を実行するので、測定データと設計データとがずれていても、軸対称であることによって測定物の軸を精度よく見つけることができる。
<測定データの除外による評価精度の向上>
先に説明した実施形態でも十分な精度でアライメントと形状の係数フィットを行うことができるが、測定物を目分量でステージに置いて形状を計測した場合、アライメント計算の結果、測定器の座標と大きくずれていることがある。
このような場合、アライメントされた結果、測定の範囲(端部までの距離)はZ軸から等距離ではなくなってしまうということが起こる。一般的にガラスモールドやプラスティックモールドのような成形品は、周辺に行くほど形状の崩れが大きくなっている場合が多いので、周辺部分が設計値から大きくずれることになる。
このため、アライメント計算をする際に、シフトやチルトをさせながら残差を最小にするようにしていくと、測定結果をシフトさせることによって、測定範囲がZ軸に対して軸対称ではなくなる、つまりZ軸から端部までの距離が一定ではなくなる。
このため、Z軸から遠いほど、形状残差が大きくなる。このままRMSを最小にするように収束計算をしていくと、Z軸からの距離が遠い部分の残差を小さくするために、チルトで無理やり傾けて残差を小さくするように収束してしまう。残差が小さくなるので、計算上は正しい結果になるが、本来の目的であるアライメント補正という観点から考えると軸がずれてしまうことになる。
そこで、本実施形態では、このような結果にならないように、反復計算中にアライメントによって測定形状を座標変換した後、測定したデータの端点のZ軸からの距離がほぼ一定になるよう測定データの除外を行う。つまり、非線形の最小二乗法の反復計算の過程で、アライメント後の座標データについて、予め設定したZ軸からの距離(例えば、光線有効径)より遠い座標データはRMSの計算から除外するようにする。これにより、測定範囲の非対称性を回避できることになる。この方法を用いれば、データを最大限生かしたアライメント計算が正しく行える。
図3は、設計形状の例を示すプロファイル図である。この図3に示す設計形状をもとに成形されたレンズの面を測定し、設計値からの偏差を1000倍して設計形状と重ね合わせたものを図4に示す。
この測定例において、全ての座標データを用い、中心付近のみでアライメント計算を行った結果、すなわち、本実施形態を適用しない場合の結果を図5に示す。一方、本実施形態を適用し、Z軸から予め設定した距離より遠い座標データを計算対象から除外してアライメント計算を行った結果を図6に示す。本実施形態を用いれば、周辺部分まで対称にアライメントされていることが分かる。
<形状評価プログラム>
上記説明した形状評価方法は、所定のステップによってコンピュータに実行させる形状評価プログラムとして実現可能である。形状評価プログラムは、所定の記憶媒体(DVD−ROM等)に格納されていたり、コンピュータの記憶部(ハードディスクドライブ等)にインストールされ、CPUによる実行時に読み込まれたり、インターネット等のネットワークを介して配信されるものである。
図7は、本実施形態に係る形状評価プログラムを説明するフローチャートである。先ず、軸対称非球面形状を設計形状とした非球面レンズのレンズ面形状の座標データを記憶部に取り込む。次に、並進(シフト)、回転(チルト)、(式1)による非球面式の係数c、kの各パラメータの初期値ujを入力する(ステップS1)。基本的に初期値は全て0を入力すればよいが、あらかじめ測定位置のずれ量が推測できる場合は、その量を初期値として入力しておけば計算の収束が早く、また精度よく終了することが多い。
次に、その初期値を用いて算出した偏差のRMSを求め、Jとする(ステップS2)。そして、非線形最小二乗計算によって、座標データと設計データとの形状差が減少する並進(シフト)方向、回転(チルト)方向を求め、その求めた並進(シフト)量、回転(チルト)量だけ移動させた位置での最適係数c、kを線形最小二乗法を用いて求める。
具体的には、偏差Jの各パラメータにおける偏微分を計算し、各パラメータを正方向、負方向のどちらに変化させれば、偏差が小さくなるかを求め、その大きさから各パラメータを変化させる量Δujを決定し、新たなパラメータu’jとして、u’j=uj+Δujを計算する(ステップS3)。
また、並進(シフト)、回転(チルト)、c、kの値を更新するたびに、座標データと設計データとの形状差が最小となる(式1)のA(非球面係数)を線形最小二乗法によって算出する。具体的には、u’jを用いて多項式を除く形状を計算し、設計値との偏差形状を算出する(ステップS4)。その後、線形最小二乗法によって最適多項式係数Ajを決定する(ステップS5)。
そして、ujと先に決定した最適多項式係数Ajとを用いて算出した偏差のRMSをJ’とし(ステップS6)、収束判定値δとΔuとを比較して、Δu<δであれば収束したと判断し、uを出力する(ステップS7)。一方、Δu<δでなければ収束していないとして、ステップS3へ戻り、収束するまでステップS3〜ステップS6を繰り返す。
非球面レンズのレンズ面形状の測定における座標系を説明する図である。 本実施形態に係る形状評価装置を説明するブロック図である。 設計形状の例を示すプロファイル図である。 設計値からの偏差を1000倍して設計形状と重ね合わせた図である。 本実施形態を適用しない場合の結果を示す図である。 本実施形態を適用した場合の結果を示す図である。 本実施形態に係る形状評価プログラムを説明するフローチャートである。
符号の説明
10…測定部、11…プローブ、20…演算処理部、21…測定データ記憶部、22…設計データ記憶部、23…最適係数算出部、231…座標変換計算部、232…非線形最小二乗計算部、233…線形最小二乗計算部、234…偏差データ算出部

Claims (6)

  1. 軸対称非球面形状を設計形状とした被評価非球面形状の座標データを測定する測定部と、
    前記測定部によって測定して得た座標データから下記(式1)による非球面式の各係数を求め、当該係数による非球面の形状について並進、回転の座標移動変換、c、kの係数変更の少なくともひとつを実施し、前記設計形状との形状差を算出する座標変換計算部と、
    前記座標変換計算部によって算出される形状差が最小となる前記並進、回転、c、kの値を非線形最小二乗法によって求める非線形最小二乗計算部と、
    前記非線形最小二乗計算部で前記並進、回転、c、kの値の少なくともひとつを変更するたびに、前記形状差が最小となる下記(式1)のA(非球面係数)を線形最小二乗法によって算出する線形最小二乗計算部と
    を有する形状評価装置。
    Figure 2010032473
  2. 前記座標変換計算部での計算において、前記並進、回転座標変換後の新たな座標系にて、回転対称のz軸からの距離が予め設定された値よりも外にある測定点を前記非線形最小二乗計算部および前記線形最小二乗計算部での計算から除外する
    請求項1記載の形状評価装置。
  3. 軸対称非球面形状を設計形状とした被評価非球面形状の座標データを取得する工程と、
    取得した前記座標データから下記(式1)による非球面式の各係数を求め、当該係数による非球面の形状について並進、回転の座標移動変換、c、kの係数変更の少なくともひとつを実施し、前記設計形状との形状差を算出する工程と、
    算出する前記形状差が最小となる前記並進、回転、c、kの値を非線形最小二乗法によって求める工程と、
    前記非線形最小二乗法で前記並進、回転、c、kの値を変更するたびに、前記形状差が最小となる下記(式1)のA(非球面係数)を線形最小二乗法によって算出する工程と
    を有する形状評価方法。
    Figure 2010032473
  4. 前記並進、回転による座標変換後の新たな座標系にて、回転対称のz軸からの距離が予め設定された値よりも外にある測定点を前記非線形最小二乗法および前記線形最小二乗法での計算から除外する
    請求項3記載の形状評価方法。
  5. 軸対称非球面形状を設計形状とした被評価非球面形状の座標データを記憶部に取り込むステップと、
    前記記憶部に取り込んだ座標データから下記(式1)による非球面式の各係数を求め、当該係数による非球面の形状について並進、回転の座標移動変換、c、kの係数変更の少なくともひとつを実施し、前記設計形状との形状差を演算部で算出するステップと、
    算出する前記形状差が最小となる前記並進、回転、c、kの値を前記演算部で行う非線形最小二乗法によって求めるステップと、
    前記非線形最小二乗法で前記並進、回転、c、kの値を変更するたびに、前記形状差が最小となる下記(式1)のA(非球面係数)を前記演算部で行う線形最小二乗法によって算出するステップと
    をコンピュータによって実行させる形状評価プログラム。
    Figure 2010032473
  6. 前記並進、回転による座標変換後の新たな座標系にて、回転対称のz軸からの距離が予め設定された値よりも外にある測定点を前記非線形最小二乗法および前記線形最小二乗法での計算から除外する
    請求項5記載の形状評価プログラム。
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