JP5155533B2 - 補正プログラム、及び測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は補正プログラム及び測定装置、特にスタイラスの運動による測定誤差を補正する際に用いられる補正パラメータの設定手法の改良に関する。
従来より、ワークの形状を測定するため、形状測定機等の精密測定機器が用いられている。
このような精密測定機器では、スタイラスの測定子によるワーク上のトレース位置を測定軸方向に移動すると、ワークの高さに応じて円弧運動するスタイラスのピックアップ機構を備える。そして、スタイラス先端の測定子でワーク上をトレースし、ピックアップ機構より、ワーク上の座標値情報を取得している。ワーク上の座標値情報から、ワークの形状を求めている。
また、精密測定機器では、トレース位置を測定軸方向に移動すると、ワークの高さに応じて直線運動する直動スタイラスのピックアップ機構を備えるものもある。
ところで、精密測定機器では、一般的な測定機器に比較し高精度な測定が要求される。
しかしながら、ピボット式スタイラスのピックアップ機構を備えた精密測定機器は、スタイラスアームが円弧運動するので、測定結果に誤差が生じる。このため、これを、適切に低減することが非常に重要である。
このような要望に応えるため、従来は、ピボット式スタイラスで測定されたデータを、例えば特許文献1〜5等に記載の補正方法で補正し、ピボット式スタイラスの円弧運動による測定誤差の影響の低減化を試みることが考えられる。
また、直動スタイラスのピックアップ機構を備えた精密測定機器でも、直動スタイラスの直線運動の真直度による測定誤差の影響を低減することが非常に重要である。
特許第2727067号公報 特許第3215325号公報 特表2003−500675号公報 特開平03−115902号公報 米国特許第5150314号明細書
しかしながら、前記従来方式にあっても、スタイラスで測定されたデータの、補正精度に関しては、より一層の改善が望まれていたものの、従来は、これを解決することのできる適切な技術が存在しなかった。
本発明は前記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、スタイラスで測定されたデータを高精度に補正することのできる、補正プログラム及び測定装置を提供することにある。
本発明者らが、ピボット式スタイラスの円弧運動による測定誤差の低減化について検討を重ねた結果、ピボット式スタイラスで測定されたデータを多層構造アルゴリズムで補正することにより、従来方式、つまり高さ方向の測定範囲全域において同じ値の補正パラメータを設定していたものに比較し、より適切に、ピボット式スタイラスの実際の円弧運動の理想的な円弧運動からの外れまでをモデル化することができるので、より高精度な補正処理を行うことができることを見出し、本発明を完成するに至った。
また、本発明者らが、直動スタイラスの直線運動の真直度による測定誤差の低減化についても検討を重ねた結果、前記ピボット式スタイラスと同様、直動スタイラスで測定されたデータを多層構造アルゴリズムで補正することにより、従来方式に比較し、より高精度な補正処理を行うことができることを見出し、本発明を完成するに至った。
補正プログラム
すなわち、前記目的を達成するために、本発明にかかる補正プログラムは、ワークの高さに追従して運動するスタイラスの測定子でワーク上を測定軸方向にトレースして得られたデータの測定誤差を補正する補正プログラムにおいて、
前記測定誤差は、測定軸方向と高さ方向とで規定される補正対象面内での前記スタイラスの運動により生じ、該補正対象面内での該スタイラスの高さ方向位置に応じた測定子位置のずれを対象とするものであり、
校正測定工程と、補正パラメータ設定工程と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
ここで、前記校正測定工程は、前記補正対象面内で前記スタイラスを運動させ、該スタイラスの高さ方向位置に応じた測定子位置のずれ情報を含む校正測定データを得る。
また、前記補正パラメータ設定工程は、前記校正測定工程で得られた校正測定データに含まれる前記測定子位置のずれ情報を補正するのに最適な、予め所定数に分割された高さ方向測定範囲の各領域毎の補正パラメータの値を同時に求める。
なお、本発明にかかる補正プログラムにおいて、前記校正測定工程は、前記スタイラスを前記補正対象面内で運動させるため、基準形状を有する基準ワーク上を該スタイラスの測定子で測定軸方向にトレースしている。また、該校正測定工程は、該スタイラスの高さ方向位置に応じた測定子位置のずれ情報を得るため、該基準ワークを該スタイラスでトレースし、該補正対象面方向の断面形状情報を得ている。前記補正パラメータ設定工程は、前記補正パラメータの値を求めるため、前記補正対象面内で、前記校正測定データと前記基準ワークの有する基準情報とを比較することが好適である。
また、本発明にかかる補正プログラムにおいて、前記補正パラメータ設定工程は、前記校正測定データに基づいて前記スタイラスが前記補正対象面内で実際に描く実動作軌跡を推定する。また、該補正パラメータ設定工程は、前記基準ワークの有する基準形状に基づいて該スタイラスの該補正対象面内での理想的な動作軌跡を推定する。前記補正パラメータ設定工程は、前記実動作軌跡と前記理想的動作軌跡とを比較することにより、前記スタイラスの高さ方向位置に応じた測定子位置のずれ情報を推定する。該補正パラメータ設定工程は、該推定されたずれ情報を補正するのに最適な補正パラメータの値を求めることが好適である。
本発明にかかる補正プログラムにおいて、前記測定誤差は、前記補正対象面内で円弧運動するピボット式スタイラスの円弧運動による測定誤差を対象としていることが好適である。
本発明にかかる補正プログラムにおいて、前記測定誤差は、前記補正対象面内で直線運動する直動スタイラスの直線運動の真直度による測定誤差を対象としていることが好適である。
本発明にかかる補正プログラムにおいては、前記補正パラメータ設定工程の前段に設けられた測定範囲分割工程を備えることが好適である。
ここで、前記測定範囲分割工程は、前記高さ方向の測定範囲を、所定数の複数領域に分割する。
本発明にかかる補正プログラムにおいて、前記校正測定工程は、前記基準ワークとして、表面が精密に仕上げられた真球に近い基準球をトレースし、前記校正測定データを得ることが好適である。
本発明にかかる補正プログラムにおいて、前記補正パラメータ設定工程は、前記校正測定手段で得られた校正測定データと前記基準ワークの有する基準情報とを比較し、前記補正パラメータの値を全て同時に求めることが好適である。
本発明にかかる補正プログラムにおいては、前記高さ方向の測定範囲の分割数Nを、10以上、50以下とすることが好適である。
すなわち、高さ方向の測定範囲の分割数Nが、10よりも少なくと、十分な補正結果が得られないことがあり、逆に、この分割数Nが、50よりも多いと、計算結果の安定性が損なわれることがあるからである。
本発明にかかる補正プログラムにおいて、前記高さ方向の測定範囲の分割位置は、前記ピボット式スタイラスが前記測定軸方向と平行になる位置に基づき定められることが好適である。
本発明にかかる補正プログラムにおいては、前記補正パラメータ設定工程の後段に設けられたデータ補正工程を備えることが好適である。
ここで、前記データ補正工程は、測定ワークを前記スタイラスの測定子でトレースして得られた測定データを、前記補正パラメータの値で補正する。該データ補正工程は、該測定データの高さ方向値に基づき特定された該測定データの属する領域において最適な補正パラメータの値を、前記補正パラメータ設定工程で設定された補正パラメータの値の中から選択している。該データ補正工程は、該選択された補正パラメータの値を、該測定データを補正するのに最適な前記補正パラメータの値としている。
<多層構造アルゴリズムの高安定化>
本発明にかかる補正プログラムにおいては、本発明の多層構造アルゴリズムの更なる安定化のため、前記補正パラメータ設定工程が、ロバスト推定法を用いて、前記校正測定データに含まれる異常点データの、前記補正パラメータ値を求める際に寄与する度合いが最小限となるように、該補正パラメータ値を推定することが好適である。
本発明にかかる補正プログラムにおいては、本発明の多層構造アルゴリズムの更なる安定化のため、前記補正パラメータ設定工程が、前記補正パラメータ値を求める際、隣接する前記領域間の補正パラメータ値に所定値以上の差を生じさせないように、該領域間の補正パラメータ値に対して制約条件を付加し該領域間の補正パラメータ値を連携させることが好適である。
本発明にかかる補正プログラムにおいては、本発明の多層構造アルゴリズムの更なる安定化のため、前処理工程を備えることが好適である。
ここで、前記前処理工程は、前記補正パラメータ設定工程の前段に設けられ、外部から与えられる設計値を最適化する。
そして、前記補正パラメータ設定工程は、前記前処理工程で最適化された設計値を初期値として、前記補正パラメータの値を求める。
測定装置
また、前記目的を達成するために、本発明にかかる測定装置は、ワークの高さに追従して変位するスタイラスと、該スタイラスの少なくとも高さ方向位置を検出するピックアップ機構とを備えた測定装置において、前記スタイラスの測定子でワーク上を測定軸方向にトレースして得られたデータの測定誤差を補正する補正機構を備える。前記測定誤差は、測定軸と高さ方向とで規定される補正対象面内での前記スタイラスの運動により生じ、該補正対象面内での該スタイラスの高さ方向位置に応じた測定子位置のずれを対象とするものである。
該測定装置は、前記補正機構が、校正測定手段と、補正パラメータ設定手段と、データ補正手段と、備えることを特徴とする。
ここで、前記校正測定手段は、前記補正対象面内で前記スタイラスを運動させ、該スタイラスの高さ方向位置に応じた測定子位置のずれ情報を含む校正測定データを得る。
また、前記補正パラメータ設定手段は、前記校正測定手段で得られた校正測定データに含まれる前記測定子位置のずれ情報を補正するのに最適な、予め所定数に分割された高さ方向測定範囲の各領域毎の補正パラメータの値を同時に求める。
前記データ補正手段は、測定ワークを前記測定子でトレースして得られた測定データの高さ方向値に基づき特定された該測定データの属する領域において最適な補正パラメータの値を、前記補正パラメータ設定手段で求められた補正パラメータの値の中から選択している。該データ補正手段は、該選択された補正パラメータの値を使って、該測定データを補正する。
なお、本発明にかかる測定装置において、前記スタイラスは、前記補正対象面内で円弧運動するピボット式スタイラスである。前記補正機構は、前記ピボット式スタイラスの前記補正対象面内での円弧運動による測定誤差を補正することが好適である。
また、本発明にかかる測定装置において、前記スタイラスは、前記補正対象面内で直線運動する直動スタイラスである。前記補正機構は、前記直動スタイラスの直線運動の真直度による測定誤差を補正することが好適である。
ここにいう予め所定数に分割された高さ方向測定範囲とは、基準ワークを測定子でトレースして得られた校正測定データの結果に基づき特定された高さ方向測定範囲を複数領域に分割したものと、装置の性能により決まる高さ方向測定範囲を複数領域に分割したものとを含めていう。
またここにいう校正測定データと前記基準ワークの有する基準形状情報とを比較し、前記スタイラスの運動による測定誤差を補正するのに最適な補正パラメータの値を求めるとは、校正測定データを、補正パラメータの値で補正した補正処理済みデータが、基準ワークの有する基準形状情報と最も近似する補正パラメータの値をいう。
ここにいう各領域毎の補正パラメータの値を同時に求めるとは、補正パラメータの計算処理を各領域毎に別々に行うのでなく一緒に行うこと、つまり各領域ごとの補正パラメータはその領域に属するデータのみに依存する形で求めるが、共通パラメータは全データに依存する形で求めることをいう。
すなわち、求めたい補正パラメータは、各領域ごとのパラメータがあり、例えば一例として各領域(層)ごとにゲインg、スタイラスアーム長l、スタイラスエッジ長hの3つがあり、領域数(層数)をN個とすると、合計で3×N個になる。また、求めたい補正パラメータは、前記各領域ごとの補正パラメータに加え、各領域に共通のパラメータがあり、基準ワークが例えば基準球の場合、その中心座標(X,Y)と測定子半径r(または基準球の半径R)との3個が共通のパラメータとして存在する。
ここで、各領域ごとに別々に計算処理を行った場合、共通のパラメータも別々に求まることになるが、領域(層)に分割した場合、円のほんの一部だけのデータになってしまうので、共通パラメータである基準球の中心座標X,Yと測定子半径r(または、基準球の半径R)は正確に求まらない。例えば基準ワークが基準球の場合、各領域ごとに別々に計算処理を行うと、データは円の一部なので、ノイズがあると直線だか円弧だかわからなくなり、もっと悪い場合には、円弧の凹凸を逆に判定してしまうことも起こるからである。
ここにいう測定ワークとは、形状未知であり、これから形状測定を行う対象をいう。
<多層構造アルゴリズムの高安定化>
本発明にかかる測定装置においては、本発明の多層構造アルゴリズムの更なる安定化のため、前記補正パラメータ設定手段が、ロバスト推定法を用いて、前記校正測定データに含まれる異常点データの、前記補正パラメータ値を求める際に寄与する度合いが最小限となるように、該補正パラメータ値を推定することが好適である。
また、本発明にかかる測定装置においては、本発明の多層構造アルゴリズムの更なる安定化のため、前記補正パラメータ設定手段が、前記補正パラメータ値を求める際、隣接する前記領域間の補正パラメータ値に所定値以上の差を生じさせないように、該領域間の補正パラメータ値に対して制約条件を付加し該領域間の補正パラメータ値を連携させることも好適である。
また、本発明にかかる測定装置においては、本発明の多層構造アルゴリズムの更なる安定化のため、前処理手段を備えることが好適である。
ここで、前記前処理手段は、前記補正パラメータ設定手段の前段に設けられ、外部から与えられる設計値を最適化する。
そして、前記補正パラメータ設定手段は、前記前処理手段で最適化された設計値を初期値として、前記補正パラメータの値を求める。
本発明にかかる補正プログラムによれば、スタイラスの高さ方向測定範囲を複数に分割した各領域毎の補正パラメータを同時に推定する補正パラメータ設定工程をコンピュータに実行させることとしたので、スタイラスで測定されたデータを、より高精度に補正することができる。
なお、本発明にかかる補正プログラムにおいては、前記補正パラメータ設定工程が、ピボット式スタイラスの高さ方向測定範囲を複数に分割した各領域毎の補正パラメータを同時に推定することにより、ピボット式スタイラスで測定されたデータを、より高精度に補正することができる。
また、本発明にかかる補正プログラムにおいては、前記補正パラメータ設定工程が、直動スタイラスの高さ方向測定範囲を複数に分割した各領域毎の補正パラメータを同時に推定することにより、直動スタイラスで測定されたデータを、より高精度に補正することができる。
本発明にかかる補正プログラムにおいては、校正測定工程において基準球を使った校正測定を行うことにより、前記スタイラスで測定されたデータの高精度な補正を、より効率的に行うことができる。
本発明にかかる補正プログラムにおいては、補正パラメータ設定工程において前記スタイラスによる測定誤差を補正するのに必要な補正パラメータの値を全て同時に求めることにより、前記スタイラスで測定されたデータの高精度な補正を、より効率的に行うことができる。
本発明にかかる補正プログラムにおいては、前記高さ方向測定範囲の分割数を、10以上、50以下とすることにより、補正パラメータの良好な推定結果を得ることができるので、前記補正を更に高精度に行うことができる。
また、本発明にかかる補正プログラムにおいては、前記高さ方向測定範囲の分割位置を前記ピボット式スタイラスが前記測定軸方向と平行になる位置に基づき定めることにより、補正パラメータを更に適切に設定することができるので、前記ピボット式スタイラスで測定されたデータに対する補正を、更に高精度に行うことができる。
また、本発明にかかる測定装置によれば、高さ方向の測定範囲を複数領域に分割する測定範囲分割手段と、該各領域毎の補正パラメータを同時に推定する補正パラメータ設定手段と、を備えることとしたので、スタイラスで測定されたデータを、より高精度に補正することができる。
なお、本発明にかかる測定装置においては、前記スタイラスとしてピボット式スタイラスを含むことにより、ピボット式スタイラスで測定されたデータを、より高精度に補正することができる。
また、本発明にかかる測定装置においては、前記スタイラスとして直動スタイラスを含むことにより、直動スタイラスで測定されたデータを、より高精度に補正することができる。
また、本発明にかかる補正プログラム及び測定装置においては、ロバスト推定法を用いて、校正測定データに含まれる異常点が補正パラメータ値を求める際に寄与する度合いを最小限にすることにより、本発明において特徴的な多層構造アルゴリズムの更なる安定化を図ることができるので、前記補正結果の信頼性向上を、さらに図ることができる。
また、本発明にかかる補正プログラム及び測定装置においては、補正パラメータ値を求める際、隣接する領域間の補正パラメータ値に対して制約条件を付加することにより、前記多層構造アルゴリズムの更なる安定化を図ることができるので、前記補正結果の信頼性向上を、さらに図ることができる。
また、本発明にかかる補正プログラム及び測定装置においては、前記補正パラメータ設定前の前処理として、外部から与えられる初期値を最適化しておくことにより、前記多層構造アルゴリズムの更なる安定化を図ることができるので、前記補正結果の信頼性向上を、さらに図ることができる。
第一実施形態(ピボット式スタイラス)
以下、図面に基づき本発明の好適な一実施形態について説明する。
図1には本発明の第一実施形態にかかる円弧運動補正方法を行うための測定装置の概略構成が示されている。なお、本実施形態では、スタイラスとしてピボット式スタイラスを想定し、ピボット式スタイラスの円弧運動による測定誤差を補正する場合について説明する。
同図に示す形状測定機(測定装置)10は、XZ平面内(補正対象面内)で円弧運動するピボット式スタイラス(スタイラス)12のピックアップ機構14を備える。
この形状測定機10は、スタイラスアーム16の円弧運動による測定誤差を補正する補正機構18を備える。
ピックアップ機構14は、Z軸検出器20と、送り装置22と、X軸検出器24と、を備える。
ここで、Z軸検出器20は、送り装置22によりピボット式スタイラス12の先端に設けられた測定子25によるワーク26(36)上のトレース位置をX軸方向(測定軸方向)に移動すると、支点28を中心にワーク26(36)の高さに追従して円弧運動するピボット式スタイラス12のZ軸方向(高さ方向)変位量を検出する。このために本実施形態においては、Z軸検出器20が、スタイラスアーム16のZ位置を検出している。
また、送り装置22は、ピボット式スタイラス12の測定子25によるワーク26(36)上のトレース位置をX軸方向に送り移動する。このために本実施形態においては、ピボット式スタイラス12の支点28をX軸方向に送り移動している。
X軸検出器24は、ピボット式スタイラス12の測定子25によるワーク26(36)上のトレース位置のX軸線方向への移動量を検出する。このために本実施形態においては、ピボット式スタイラス12の支点28のX軸方向への移動量を検出している。
形状測定機10では、例えばスタイラスアーム長l、スタイラスエッジ長h、円弧歪等、X軸検出器24よりのX軸方向移動量、Z軸検出器20よりのZ軸方向変位量等に基づいて、測定子25のXZ座標値情報が求められる。測定子25のXZ座標値情報に基づいて、ワーク26(36)上の点のXZ座標値情報が求められる。このようにして求められたXZ座標値情報に基づいて、ワーク26(36)の必要とする形状が求められる。
本発明において第一に特徴的なことは、ピボット式スタイラス12で測定されたデータを高精度に補正するため、多層構造アルゴリズムによる補正機構18を備えたことである。
このために本実施形態においては、補正機構18が、校正測定工程を行うためのピックアップ機構(校正測定手段)14と、Zレンジ分割工程(測定範囲分割工程)を行うためのZレンジ分割手段(測定範囲分割手段)30と、補正パラメータ設定工程を行うための補正パラメータ設定手段32と、測定データ補正工程を行うための測定データ補正手段34と、を備える。
なお、本実施形態においては、ピックアップ機構(校正測定手段)14が、校正測定工程では基準ワーク26を測定している。
また、本実施形態においては、ピックアップ機構(測定手段)14が、形状測定の対象となる(形状が未知の)測定ワーク36を測定する測定工程では、基準ワーク26に代えて、測定ワーク36を測定している。
本実施形態においては、形状解析手段40を含む。形状解析手段40は、測定データ補正手段34で得られた補正処理済みデータに基づき、測定ワーク36の形状を解析する。
そして、本実施形態においては、補正プログラム42が、各工程をコンピュータ38に実行させている。
本実施形態にかかる形状測定機10は概略以上のように構成され、以下にその作用について説明する。
本発明において特徴的なことは、ピボット式スタイラス12の円弧運動による測定誤差を高精度に補正するため、ピボット式スタイラス12のZ軸測定範囲を複数領域に分割した各領域毎に最適な補正パラメータの値を用いたことである。
このために本実施形態においては、補正プログラム42が、図2(A)に示されるような、校正測定工程(S10)と、Zレンジ分割工程(S12)と、補正パラメータ設定工程(S14)と、をコンピュータ38に実行させている。
校正測定工程(S10)では、送り装置22により、ピボット式スタイラス12の接触子25による基準球26上のトレース位置をX軸方向に移動しながら、測定子25のX軸方向移動量情報、及びそのZ軸方向変位量情報とを同時に取得している。本実施形態では、このような測定子25のX軸方向移動量情報及びZ軸方向変位量情報を、ピックアップ機構14からのX軸方向移動量情報及びZ軸方向変位量情報に基づいて得ている。より具体的には、X軸検出器24よりのX軸方向移動量、及びZ軸検出器20よりのZ軸方向変位量に基づき、ピボット式スタイラス12のX軸方向移動量情報、及びZ軸方向変位量情報が求められる。
この基準球26は、表面が精密に仕上げられた真球に近い半径値既知のものを用いている。このようにして得られたピボット式スタイラス12のX軸方向移動量及びZ軸方向変位量から、ピボット式スタイラス12のXZ座標値を求め、そのXZ座標値から、校正測定データを得ている。
本実施形態においては、基準球26のみを使った校正測定を行うことにより、校正測定の高速化、校正治具の簡略化による低価格化、さらに使い勝手の向上が図られる。
また、Zレンジ分割工程(S12)では、ピボット式スタイラス12で測定可能なZレンジ(高さ方向の測定範囲)を、複数の領域に分割する。
本実施形態においては、ピボット式スタイラス12を備えたピックアップ機構14の円弧運動モデルを採用しても、本発明において特徴的な多層構造アルゴリズムを採用することにより、例えばZレンジ分割工程(S12)等を含むことにより、ピボット式スタイラス12の実際の円弧運動が、理想的な円弧運動から逸脱している状況までを適切にモデル化することができる。
したがって、本実施形態においては、ピボット式スタイラス12の実際の円弧運動の、Z軸方向からのずれによる測定誤差を、より正確に求めることができるので、このような測定誤差を、より適切に補正することができる。
補正パラメータ設定工程(S14)では、XZ平面内において、校正測定工程(S10)で得られた校正測定データと基準球の有する基準形状情報である円とを比較し、ピボット式スタイラス12の円弧運動による測定誤差を補正するのに最適な、Zレンジ分割工程(S12)で分割された各領域毎の補正パラメータの値、及び各領域に共通の補正パラメータの値を同時に推定して設定している。
本実施形態においては、非線形最小二乗法により、校正測定データと基準球の基準形状情報とを比較し、ピボット式スタイラス12の円弧運動による測定誤差を補正する際に必要な補正パラメータの値を全て同時に算出することができる。
このように本実施形態においては、一度の基準球の校正測定で、補正に必要な全ての補正パラメータの値を同時に算出することができるので、補正の際の効率化を図ることができる。
補正パラメータ設定工程(S14)では、各領域においてそれぞれ最適な補正パラメータの値を設定することができる。
また、本実施形態においては、補正プログラム42が、同図(B)に示されるような、ワーク測定工程(S16)と、測定データ補正工程(S18)と、形状解析工程(S20)と、をコンピュータ38に実行させている。
ここで、ワーク測定工程(S16)では、基準ワーク26に代えて形状測定の対象となる測定ワーク36を形状測定機10にセットし、ピックアップ機構14で測定する。
また、測定データ補正工程(S18)では、各領域毎に最適な補正パラメータで、ワーク測定工程(S16)で得られた測定データを補正する。
すなわち、測定データ補正工程(S18)では、ピックアップ機構14よりの測定データのZ座標値情報に基づき測定データの属する領域iを特定する。測定データ補正工程(S18)では、特定された領域iにおいて最適な補正パラメータの値を、補正パラメータ補正工程(S14)で求められた補正パラメータの値の中から選択している。測定データ補正工程(S18)では、このようにして選択された特定領域iにおいて最適な補正パラメータの値で、ピックアップ機構14よりの測定データ(X ,Z )を補正し、補正処理済みデータ(X ,Z )を得ている。
このように本実施形態においては、ピボット式スタイラス12で測定されたデータを、Zレンジの各領域に対してそれぞれ最適な補正パラメータで補正することができるので、従来方式、つまりZレンジの全域において同じ値の補正パラメータを用いたものに比較し、より高精度に、正しい測定位置からの誤差を補正することができる。
これは、本発明の多層構造アルゴリズムの効果によるものである。本実施形態においては、ピボット式スタイラス12の実際の円弧運動が理想的な円弧運動から逸脱している状況までをより適切にモデル化することができる。したがって、本実施形態においては、補正パラメータによる測定データの補正を高精度に行うことができる。
形状解析工程(S20)では、測定データ補正工程(S18)の補正処理済みデータから、ワーク36の形状を求めることができる。
本実施形態においては、多層構造アルゴリズムの採用により、ピボット式スタイラス12の円弧運動による測定誤差が適正に補正処理されたデータから、測定ワーク36の形状を求めているので、形状解析を、より高精度に行うことができる。
このような極めて優れた効果は、本発明の多層構造アルゴリズム、つまりZ軸測定範囲を複数領域に分割した各領域毎に最適な補正パラメータの値を設定することによりはじめて得られるものである。
これに対し、従来方式、つまりZ軸レンジの全域において同じ値の補正パラメータを用いた補正方法では、本発明のように十分な補正効果を得るのが困難である。
すなわち、ピボット式スタイラス12のピックアップ機構14では、スタイラスアーム16の円弧運動を考慮した補正を行う必要がある。
特許文献1,2に記載の補正方法においても、スタイラスアーム長、スタイラスエッジ長に設計値を使うのでなく、校正測定によって得られた実効値を使うことで対処してきた。
ところが、実際のピボット式スタイラスは、支点部位の遊びやスタイラスアームのたわみにより、理想的な円弧運動を描くわけではない。
このため、特許文献3〜5等に記載の方法や、C.Lee(An algorithm for stylus instruments to measure aspheric surfaces, Meas. Sci. Technol., vol.16, pp.1215-1222,2005)に記載の補正方法では、補正式を下記の数式1で表わせる多項式とし、理想的なピボット式スタイラスの円弧運動からの外れを多項式の係数としてモデル化している。
Figure 0005155533
ここで、(x,z)は測定された座標値、(x´,z´)は補正された座標値である。
数式1で表わせる多項式によるモデル化が、現在のところ最も効果的であるが、非球面のような高い測定精度を要求される状況では、まだ十分な補正効果を与えるに至ってない。
このように従来においても、ピボット式スタイラスの円弧運動による測定誤差を補正することが考えられる。しかしながら、従来においては、測定されたデータに対し、Zレンジの全域において同じ値の補正パラメータを用いた補正処理を行うのが常套手段であり、更なる補正精度の向上は困難であった。
これに対し、本発明は、更なる補正精度の向上のため、多層構造アルゴリズムという解決手段に至った。
まず、本発明の多層構造アルゴリズムを適用するモデルについて説明する。
すなわち、ピボット式スタイラス12のピックアップ機構14を使って得られる測定データ(x,z)は、図3に示されるようなスタイラスアーム16の円弧運動の影響のため、正しい測定位置(x,z)とは異なった値となる。このため、ピボット式スタイラス12のピックアップ機構14を使って得られる測定データ(x,z)に対しては、適切な補正処理を行う必要がある。
Z軸のゲイン係数をgとすると、スタイラス12で得られた測定データのZ座標値zは、下記の数式2で与えられる。
Figure 0005155533
真のZ座標値は、下記の数式3で与えられる。
Figure 0005155533
真のX座標値Xと測定データのX座標値Xとは、下記の数式4で表わせる関係が成り立つ。
Figure 0005155533
したがって、正しい測定位置(x,z)は、下記の数式5で表わせる。
Figure 0005155533
次に、前記モデルに本発明の多層構造アルゴリズムを適用した例について説明する。
すなわち、多層構造アルゴリズムの基本概念は、前記図3に示したモデルにおいて図4に示されるような多層構造モデルを採用することにある。つまり、本発明においては、ピボット式スタイラス12で測定可能なZレンジを複数領域(領域1,領域2,…領域N)に分割し、各領域(領域1,領域2,…領域N)毎に、最適な補正パラメータの値を設定している。
例えば前記数式5等で表わせるピックアップ機構14の円弧運動モデルを適用する場合には、スタイラスアーム長l、スタイラスエッジ長h、ゲイン係数gが補正パラメータとなり、各領域毎に、各補正パラメータを設定することになる。
本実施形態によれば、前記数式5等で表わせるモデルにおいて、本発明の多層構造アルゴリズムを採用しても、多層化の効果により、ピボット式スタイラス12の実際の円弧運動が理想的な円弧から逸脱している状況までを、より的確にモデル化することができる。このため、本実施形態によれば、特許文献3〜5等に記載の方法と同等以上の補正効果が得られる。
次に、前記図3に示したモデルに、図4に示した本発明の多層構造アルゴリズムを適用し、補正パラメータの推定を行う例について説明する。
すなわち、補正パラメータを推定するために、基準球を使った校正測定を行う。
以下、基準球は、表面が精密に仕上げられた真球に近い半径値Rが既知のワークとし、
また、ピボット式スタイラス12の先端形状(測定子25の形状)は球とし、また、ZレンジはN個の複数領域(領域1,領域2,…領域N)に分割すると仮定する。ただし、この領域の分割は等分割である必要はない。
ピボット式スタイラス12で基準球を測定して得られた校正測定を(x ,z )k=1,2,…nとし、基準球との誤差の二乗和が最小になるように補正パラメータの値を推定する。
基準球の半径をRとし、基準球の中心座標を(x,z)とし、ピボット式スタイラス12の測定子25の半径をrとすると、評価量φは、下記の数式6で表わせる。
Figure 0005155533
ただし、補正値(x ,z )は、測定データ(x ,z )の補正値であり、補正パラメータl、h、gを使って、下記の数式7で表わせる。
Figure 0005155533
また、補正値(x ,z )は、ZレンジをN個に分割したうちの領域iに存在するものとし、補正パラメータl、h、gは、それぞれ領域iにおけるスタイラスアーム長、スタイラスエッジ長、ゲイン係数とする。
非線形最小二乗法
次に、前記補正パラメータの推定に用いるのに好適な非線形最小二乗法について説明する。
すなわち、本発明においては、前記補正パラメータの推定に、非線形最小二乗法を利用することで、評価量φを最小にする補正パラメータの組(l、h、g)(i=1,2…N)、基準球の中心座標(x,z)、測定子の半径rを同時に求めることができる。
従来は、段差標準、ピンゲージを使って校正していたゲイン係数、ピボット式スタイラス先端の測定子半径rも、本発明では、基準球を測定するだけで、校正値を得ることができる。
次に非線形最小二乗法で重要な初期値の設定について説明する。
すなわち、非線形最小二乗法による補正パラメータの推定を適正に行うためには、補正パラメータの初期値の設定は非常に重要であり、最適な補正パラメータの初期値を与えなければならない。もしこの補正パラメータの初期値の与え方が悪いと、収束に長い時間がかかり、場合によっては全く異なった解を与えてしまうからである。
このために下記の初期値を補正パラメータの初期値として非線形最小二乗法を行うことが好ましい。
例えば測定子25の半径r,スタイラスアーム長l(i=1,2,…,N)、スタイラスエッジ長 (i=1,2,…,N)は、初期値として設計値を使うことが好ましい。
Z軸のゲイン係数g(i=1,2,…,N)は、1を初期値とすることが好ましい。
基準球の中心座標(x,z)は、下記の数式8で表わせる評価量とする最小二乗法による円あてはめにより求めた値を初期値とすることが好ましい。
Figure 0005155533
具体的には、下記の数式9を解いて、中心座標(x,z)の初期値を得ることができる。
Figure 0005155533
ここで、上記の数式9は、下記の数式10で表わせる関係があるから、解くべき方程式は、下記の数式11で表わせる。
Figure 0005155533
Figure 0005155533
ただし、上記の数式11は、下記の数式12を満たす。
Figure 0005155533
また、非線形最小二乗法によるパラメータの推定を効率的に行うためには、以下のLevenberg−Marqurdt法を用いることができる。
非線形最小二乗法の計算にLevenberg−Marqurdt法を使う場合、評価量を、ヤコビアン行列をJ、ダンピングファクターをμとして下記の数式13を解くことで、未知パラメータの更新量ベクトルΔXを求めることができる。
Figure 0005155533
ここで、Iは単位行列である。未知パラメータの更新は、更新量ベクトルΔXが十分小さい、あるいは評価量の変化が十分小さいといった収束条件を満たした時点で終了すればよい。
具体的には、下記の数式14として、ヤコビアン行列の各要素は、下記の数式15により求めることができる。
Figure 0005155533
Figure 0005155533
ただし、上記の数式15において、下記の数式16とおいた。
Figure 0005155533
さて、未知パラメータは、繰り返し計算のm回目に得られる更新ベクトルΔX(m)を使って、下記の数式17によって、収束条件を満足するまで、逐次更新していくことで求めることができる。
Figure 0005155533
ここで、X(0)は、未知パラメータの初期値とする。
以下に、本実施形態にかかる補正方法の有用性を検証するために行った実験の結果の一例を示す。
図5は、補正方法の違いによる補正精度を検証するため、直径1インチの基準球を使った校正測定データに各種補正方法を適用し、各補正方法における補正パラメータを算出し、同じ測定データに対して行った補正処理後の誤差の結果を示す。
なお、同図(A)は、従来例、つまり数式5を用いて、異なる校正手順で補正を行った場合の誤差である。同図(B)は、従来例、つまり数式1で表わせる、特許文献3〜5等に記載の方法を適用した場合の誤差である。同図(C)は、本実施形態、つまり数式7で表わせる補正式において分割数N=20とした場合の誤差である。
この結果、同図(C)に示される本実施形態にかかる補正方法(数式7で表わせる補正式において分割数N=20とした場合)は、同図(A)に示される従来例(数式5を用いて、異なる校正手順で補正を行った場合)、及び同図(B)に示される従来例(数式1で表わせる特許文献3〜5等に記載の方法を用いた場合)に比較し、大幅に誤差が低減されているので、補正結果が高精度であることが理解される。
次に、本実施形態にかかる補正方法の、分割数の違いによる効果の違いを検証するため、領域の分割数の違いによる誤差を比較した結果を図6に示す。
同図には、直径1インチの基準球を使った本実施形態による校正結果が示されており、分割数の違いによる変化を示す。
なお、同図(A)は、本実施形態にかかる補正方法(数式7で表わせる補正式)において分割数N=5とした場合の誤差である。同図(B)は、本実施形態にかかる補正方法(数式7で表わせる補正式)において分割数N=10とした場合の誤差である。同図(C)は本実施形態にかかる補正方法(数式7で表わせる補正式)において分割数N=20とした場合の誤差である。
この結果、本実施形態においては、領域の数が、補正後の誤差に影響を与えることが理解され、領域の数が多いと、誤差が少ないので、補正結果が高精度であることが理解される。
さらに、本実施形態にかかる補正方法の有用性を検証するため、各種補正方法での評価量(最短距離の二乗和)を比較した結果の一例を図7に示す。
同図(A)は本実施形態にかかる補正方法(数式7で表わせる補正式)において分割数N=20とした場合の評価量である。同図(B)は本実施形態にかかる補正方法(数式7で表わせる補正式)において分割数N=10とした場合の評価量である。同図(C)は本実施形態にかかる補正方法(数式7で表わせる補正式)において分割数N=5とした場合の評価量である。同図(D)は本実施形態にかかる補正方法(数式7で表わせる補正式)において分割数N=1とした場合の評価量である。同図(E)は従来例(数式1で表わせる特許文献3〜5等に記載の方法)を用いた場合の評価量である。同図(F)は従来例、つまり数式5を用いて、異なる校正手順で補正を行った場合の評価量である。
同図に示した結果より、本実施形態にかかる補正方法において分割数を10(同図(B))とすることで、特許文献3〜5等に記載の方法を示す同図(E)と同等の効果を得ることが可能である。本実施形態にかかる補正方法においては、同図(A)に示されるように分割数を20にまで増やすことで、さらに補正効果をあげることができることがわかる。
理論上は、分割数が多い程、補正効果は高いが、分割数をあまり多くすると、1領域あたりのデータ数が減るため、計算結果の安定性が損なわれることがあるので、必要以上に分割数を多くしないように注意しなければならない。
例えば、本実施形態においては、数式7におけるZレンジの分割数Nを、10以上、50以下とすることが、特に好ましい。
すなわち、Zレンジの分割数Nが、10よりも少なくと、特許文献3〜5等に記載の方法以上の十分な補正結果が得られないことがあるのに対し、この分割数Nが、50よりも多いと、計算結果の安定性が損なわれることがあるからである。
このように本実施形態にかかる補正方法、補正プログラム42、及び形状測定機10によれば、ピボット式スタイラスの円弧運動による測定誤差を補正するのに最適な補正パラメータの推定に、多層構造アルゴリズムを採用したので、ピボット式スタイラスで得られた測定データを高精度に補正することができる。
また本実施形態においては、従来のような専用ユニットを使った校正測定に代えて、基準球のみを使った校正測定にすることができるので、校正測定の高速化、校正治具の簡略化による低価格化、さらに使い勝手の向上が図られる。
さらに本実施形態におていは、補正パラメータ推定の際に非線形最小二乗法を採用することにより、一度の校正測定により、全ての補正パラメータの算出を行うことができるので、最適な補正パラメータの取得の効率化が図られる。
変形例
なお、前記実施形態では、前記数式5で表わせる円弧運動モデルに、本発明において特徴的な測定範囲分割工程(手段)及び測定データ補正工程(手段)を適用した例(数式7で表わせるモデル)について説明したが、本発明はこれに限定されるものでなく、スタイラスで測定されたデータの補正方法に関して広く例えば本発明において特徴的な測定範囲分割工程(手段)及び測定データ補正工程(手段)を適用することにより、高精度な補正結果を得ることができる。例えば本発明は、数式1等に記載の、特許文献3〜5等に記載の方法(理想的なスタイラスの運動からの外れを規定するモデル)に適用することもできる。
前記構成では、校正の度に、新たにZレンジ分割を行った例について説明したが、本発明はこれに限定されるものでなく、前回の分割領域を用いることもできる。
例えば校正測定の度にZレンジ分割を行う場合、校正測定で得られたZ座標値の最小値と最大値との間を、複数の領域に分割することができる。この場合、基準ワークの基準面は、後に形状測定の対象となる測定ワークの測定面の高低差に応じて選択された所望の測定範囲以上の高低差をもつものが好ましい。これにより、後に測定対象となる測定ワークの高さ範囲において、確実に、ピボット式スタイラスの円弧運動による測定誤差の影響を補正することできるからである。
また、前回の分割領域を用いる場合は、校正測定の度にZレンジ分割を行うことなく、ピボット式スタイラス(機械的な性能)の持つZレンジを、複数の領域に分割したものを用いることができる。
さらに、前記実施形態では、半径Rが既知の基準球を用いて校正を行うケースを説明したが、基準球の半径Rが正確に値付けされていない場合でも、スタイラス先端の測定子半径rが既知(従来のピンゲージを使った測定などで得られる校正値をつかうことも可能)であれば、スタイラス先端の測定子半径rの代わりに基準球の半径Rを未知パラメータと考えれば、同様の理論展開が可能である。
第二実施形態(直動スタイラス)
前記実施形態では、スタイラスとしてピボット式スタイラスを用いた例について説明したが、本発明はこれに限定されるものでなく、直動スタイラスに適用することも好ましい。これにより、本発明は、直動スタイラスのXZ平面内での直線運動の真直度による測定誤差を極めて良好に補正することができるからである。
以下に、本発明を直動スタイラスに適用した例について説明する。
図8には本発明の第二実施形態にかかる補正を行うための測定装置の概略構成が示されている。なお、前記第一実施形態と対応する部分には符号100を加えて示し説明を省略する。
本実施形態にかかる形状測定機(測定装置)110は、直動スタイラス112を備えたピックアップ機構114を用いている。
本実施形態においては、校正測定工程として、ワーク126(136)上を直動スタイラス112の測定子125でX軸方向にトレースすると、直動スタイラス112が、ワーク126(136)の高さに追従してXZ平面内で直線運動(上下動)する。
補正機構118は、補正工程として、直動スタイラス112のXZ平面内での直線運動の真直度による測定誤差を補正している。
このために本実施形態においては、校正測定工程として、基準ワーク126上を直動スタイラス112の測定子125でX軸方向にトレースしながら、ピックアップ機構114よりのX座標値情報及びZ座標値情報を含む校正測定データを得ている。
測定範囲分割手段130は、測定範囲分割工程として、Z軸方向の測定範囲を、複数の領域に分割している。
補正パラメータ設定手段132は、補正パラメータ設定工程として、XZ平面内において、ピックアップ機構114で得られた校正測定データと基準ワーク126の有する基準形状情報とを比較し、直動スタイラス112の直線運動の真直度による測定誤差を補正するのに最適な、測定範囲分割手段130で分割された各領域毎の補正パラメータの値を同時に求めている。
測定データ補正手段134は、測定データ補正工程として、測定ワーク136上を直動スタイラス112の測定子125でX軸方向にトレースして得られたピックアップ機構114よりの測定データのZ座標値に基づき、測定データの属する領域を特定している。測定データ補正手段134は、特定された測定データの属する領域において最適な補正パラメータの値を、補正パラメータ設定手段132で求められた補正パラメータの値の中から選択している。そして、測定データ補正手段134は、選択された補正パラメータの値で、測定データを補正している。
なお、本実施形態においては、直動スタイラス112を備えたピックアップ機構114が、以下のように構成されている。
すなわち、同図に示すピックアップ機構114は、直動機構150と、Z軸検出器120と、送り装置122と、X軸検出器124と、を備える。
ここで、直動機構150は、直動スタイラス112の直線運動がワーク126(136)の高さに追従するように、プローブ本体151に対して直動スタイラス112をXZ平面内で直線運動自在に保持している。
このために直動機構150は、ばね152と、直線案内154と、を備える。
ばね152は、ワーク126(136)の高さに応じて直動スタイラス112の直線運動を追従させるためのものとする。
直線案内154は、プローブ本体151に対する直動スタイラス112の運動方向を特定の直線方向に規制するためのものとする。
Z軸検出器120は、ワーク126(136)の高さ方向に追従して直線運動する直動スタイラス12のZ座標値を検出している。
送り装置122は、直動スタイラス112をワーク126(136)上でX軸方向に送り移動する。
X軸検出器124は、直動スタイラス112のX軸方向への送り移動量を検出している。
本実施形態においては、前記第一実施形態と同様、補正プログラム142が、各工程をコンピュータ138に実行させている。
本実施形態にかかる形状測定機110は概略以上のように構成され、以下にその作用について説明する。
本実施形態においては、ワーク126(136)上を直動スタイラス112の測定子125でX軸方向に移動すると、ワーク126(136)の高さに追従してXZ平面内で直線移動する直動スタイラス112の真直度による測定誤差を補正することができる。
すなわち、本実施形態においては、直動スタイラス112をX軸方向に送り移動することにより、測定子125によるワーク126(136)上のトレース位置をX軸方向に移動している。
この結果、本実施形態においては、XZ平面内で直動スタイラス112を運動させ、直動スタイラス112のZ位置に応じた測定子125位置のずれ情報を含む校正測定データ(XZ断面形状情報)を得ることができる。
ここで、直動スタイラス112がXZ平面内でZ軸に平行な方向に直線運動する場合、図9中、矢印Z方向に軌跡を描く。直動スタイラス112が理想的な動作を行う場合は、ピックアップ機構からのデータに、前記真直度による測定誤差が含まれていない。
しかしながら、直動スタイラス112の実際の直線運動方向(図9中、矢印Z´方向)には通常、真直度がある。つまり直動スタイラス112の実際の直線運動方向(Z´)には、前記理想的な運動方向(Z)に対してXZ平面内でのずれがあり、このようなずれによる測定誤差がある。
このような直動スタイラス112のXZ平面内での真直度Δzに起因し、ピックアップ機構からのデータの値は、正しい測定位置の値とは異なる。本実施形態は、このような測定誤差も、適切に補正することを目的とするものである。
この目的を達成するために本発明において特徴的なことは、直動スタイラスのピックアップ機構より得られたデータを補正する際に、前記多層構造アルゴリズムを採用したことである。
このために本実施形態においては、校正測定工程として、送り装置122が直動スタイラス112をX軸方向に移動することにより、基準ワーク126上の直動スタイラス112によるトレース位置をX軸方向に移動しながら、ピックアップ機構114よりの直動スタイラス112のX座標値及びZ座標値を含む校正測定データを得ている。
また、補正パラメータ設定手段132では、補正パラメータ設定工程として、XZ平面内において、校正測定データと基準球126の有する基準形状情報とを比較し、直動スタイラス112の直線運動の真直度による測定誤差を補正するのに最適な、予め所定数に分割された高さ方向測定範囲の各領域毎の補正パラメータの値を同時に求めている。
すなわち、補正パラメータ設定手段132では、校正測定データに基づいて直動スタイラス112がXZ平面内で実際に描く実動作軌跡を推定している。補正パラメータ設定手段132では、基準球126の有する基準形状に基づいて直動スタイラス112のXZ平面内での理想的な動作軌跡を推定している。
そして、補正パラメータ設定手段132では、前記実動作軌跡と前記理想的動作軌跡とを比較することにより、直動スタイラス112のZ位置に応じた測定子125位置の、X軸方向へのずれ情報を推定している。補正パラメータ設定手段132では、このようにして推定されたずれ情報を補正するのに最適な補正パラメータの値を求めているのである。
次に、測定データ補正手段134は、測定データ補正工程として、測定ワーク136を直動スタイラス112の測定子125でトレースして得られたピックアップ機構114よりの測定データのZ座標値に基づき特定された測定データの属する領域において最適な補正パラメータの値を、補正パラメータ設定手段132で求められた補正パラメータの値の中から選択する。そして、データ補正手段134は、選択された補正パラメータの値で、測定ワーク136を直動スタイラス112の測定子125でトレースして得られたピックアップ機構114よりの測定データを補正する。
このように本実施形態においては、前記第一実施形態と同様、本発明において特徴的な多層構造アルゴリズムを採用している。このため本実施形態においては、多層構造アルゴリズム以外のアルゴリズムを採用したものに比較し、直動スタイラス112のXZ平面内での直線運動の真直度による測定誤差も、より適切に補正することができる。
つまり、本実施形態においては、直動スタイラス112のピックアップ機構114から得られた測定データ(x,z)の値が、直動スタイラス112の真直度による影響により、正しい測定位置(x,z)とは異なっていても、これを適切に補正することができる。
<多層構造アルゴリズムの安定化>
ところで、本実施形態においては、スタイラスで測定されたデータに関する補正精度の更なる向上を図るため、本実施形態において特徴的な多層構造アルゴリズムの更なる安定化を図ることが非常に好ましい。
本発明者らが、本実施形態の多層構造アルゴリズムの安定化について、更なる検討を進めたところ、以下の点を考慮することが非常に有効であることに気付いた。
(1)校正測定データ含まれる異常点に非常に敏感
(2)隣接層間(隣接領域間)のパラメータ値の差が大きいと、補正後のデータに段差を生じる
(3)スタイラス情報の初期値により結果が左右されやすい
(4)基準球の種類によりノイズの様相が異なる
すなわち、本実施形態において、校正に使われるデータに含まれる異常点や、基準球の性状、計算の初期値として与えるスタイラス設計値の精度等は、補正パラメータの安定性に影響を与えることもある。
例えば校正測定データ含まれる異常点に対して敏感になり過ぎている状態でパラメータ値を決定したのでは、異常点のある層(領域)と、該層と隣接する異常点のない層(領域)との間のパラメータ値に差が生じることがある。その結果、図10(A)に示されるように、補正結果に段差を生じてしまう。また、この異常点の影響を受け、一例として、測定子半径も公称値である250μmから大きく外れてしまうことがある。
そこで、本実施形態においては、このような補正パラメータの安定性への悪影響を低減化するため、つまり校正測定データに多少の劣化があったとしても、安定した補正パラメータを得ることを目的として、本実施形態の多層構造アルゴリズムに対し、さらに以下の改良を加えることが非常に好ましい。本実施形態においては、これを、改良多層構造アルゴリズムという。
(1)M推定法によるロバスト処理の導入
本実施形態においては、多層構造アルゴリズムの更なる安定化のため、前記実施形態の補正パラメータ設定工程(図2中、補正パラメータ設定工程(S14))、及び補正パラメータ設定手段(図1中、補正パラメータ設定手段32,図8中、補正パラメータ設定手段132)が、ロバスト推定法を用いて、校正測定データに含まれる異常点データの、補正パラメータ値を求める際に寄与する度合いが最小限となるように、補正パラメータ値を推定することが好ましい。
(2)各層(領域)のパラメータ間に対する制約条件を付加
また、本実施形態においては、多層構造アルゴリズムの更なる安定化のため、前記実施形態の補正パラメータ設定工程(図2中、補正パラメータ設定工程(S14))、及び補正パラメータ設定手段(図1中、補正パラメータ設定手段32,図8中、補正パラメータ設定手段132)が、補正パラメータ値を求める際、隣接する層(領域)間の補正パラメータ値に所定値以上の差を生じさせないように、該層間の補正パラメータ値に対して制約条件を付加し、該層間の補正パラメータ値を連携させることも好ましい。
(3)初期値を最適化する前処理を追加
さらに、本実施形態においては、多層構造アルゴリズムの更なる安定化のため、前処理工程(手段)を備えることも好ましい。
本発明の前処理工程(手段)は、補正パラメータ設定工程(手段)の前段に設けられている。本実施形態においては、前処理工程(手段)の機能が、補正パラメータ設定工程(手段)の中に組み込まれており、つまり前記実施形態の補正パラメータ設定工程(図2中、補正パラメータ設定工程(S14))、及び補正パラメータ設定手段(図1中、補正パラメータ設定手段32,図8中、補正パラメータ設定手段132)が、前処理工程(手段)の機能も有する。
本実施形態の前処理工程(手段)は、外部から与えられる設計値(初期値)を最適化する。そして、前記補正パラメータ設定工程は、前記前処理工程で最適化された設計値を、前記初期値として、前記補正パラメータの値を求めている。
以下に、前記各改良(1)〜(3)の目的と具体的な内容について説明する。
(1)M推定法によるロバスト処理の導入
ロバスト処理の導入によって、異常点からの影響を最小限にすることが可能となる。また、ノイズレベルの低い基準球を使える場合は、厳しい閾値によるロバスト処理を行うことにより、より高精度にパラメータ値を推定することが可能となる。
具体的には、評価量φに対して重みwを導入し、下記の数式18とし、TukeyのBiweight法などにより重みwを更新する。
Figure 0005155533
(2)各層のパラメータ間に対する制約条件を付加
各層のパラメータ間に対する制約条件を付加し層間パラメータを連携させ、隣接する層間のパラメータ値に極端な差を生じさせないように制御する。これによって、異常点などにより1層のみパラメータが大きく外れるといったことがなくなり、補正後のデータが滑らかに接続されることになる。
具体的には、評価量φに、下記の数式19で表わせる制約項を付加する。
Figure 0005155533
ここで、l,h,gは、それぞれ領域i(i=1,2,…,N)におけるスタイラスアーム長、スタイラスエッジ長、ゲイン係数である。また、λ,λ,λは、連携の度合いを制御する定数である。境界条件としては、両端固定、両端自由が考えられる。
(3)初期値を最適化する前処理を追加
外部から設定される初期値(設計値)による影響を抑制し、ある程度の範囲内の設定値であれば同じ結果を与えるようにする。初期値の精度がある程度高くないと測定子半径は、非線形計算の更新量が振動する傾向にある。これは、エッジ長との相関関係による影響と思われる。このため、初期値最適化の前処理段階では、測定子半径の更新量は、他のパラメータの更新量決定からは分離する。
初期値最適化においては、多層とはせず、1層としての処理となる。このため、層間パラメータに対する制約条件は無関係であるので、評価量としては、下記の数式20を考えることになる。
Figure 0005155533
第一段階では、外部から与えられるスタイラス設計値を初期値として、Gauss-Newton法を使い、更新量ベクトルΔXを、修正Marqurdt法、つまり下記の数式21により解くことで、より解に近い初期値を求める。
Figure 0005155533
ここで、φ=ffと置いた。また、Jはヤコビアン行列である。
第二段階では、第一段階で得られた結果を初期値として、二次収束性を持つNewton法を使い第一段階と同様、更新量ベクトルΔXを、修正Marqurdt法、つまり下記の数式22により解くことで、さらに初期値を最適化する。
Figure 0005155533
このとき、上記手続きにおいて、更新パラメータに測定子半径は含めないで、測定子半径以外のパラメータ値を更新する。その上で、更新されたパラメータを使って重み付最小二乗法により半径を求める。更新パラメータには、円の中心座標も含まれるので、中心固定の半径値未知の最小二乗円決定問題になる。このため、下記の数式23で表せる評価量を、評価量とする重み付最小二乗法による円あてはめ問題においては、中心座標(x,z)が既知であるとして、未知パラメータ(R+r)を求めれば良いので、下記の数式23が与えられる。
Figure 0005155533
求まった半径値(R+r)から基準球の公称半径値Rを引けば、新たな測定子半径値rが求まる。
ここで、多層構造の層として校正測定のZレンジ外の両端も考えることにして、本実施形態で得られた初期値を使うことで、本実施形態の改良多層構造アルゴリズムの適用前では不安定であった校正レンジ外におけるパラメータ値外挿が安定するという効果も得られる。
この結果、本実施形態にかかる改良多層構造アルゴリズムの適用後の場合を示す同図(B)は、該アルゴリズムの適用前の場合を示す同図(A)に比較し、補正結果が改善されている。得られる測定子半径も250.21μmとなり、妥当な値を示すようになる。
また、校正後、直径2mm(公称値=2.0002mm)の球を測定し多層構造アルゴリズムによる補正を行ったデータから最小領域法により求められた直径値を下記の表1に示す。同表より明らかなように、本実施形態にかかる改良多層構造アルゴリズムを適用した結果、公称値に極めて近い結果が得られていることが分かる。
(表1)

1回目(mm) 2回目(mm) 平均(mm) 公称値との差(μm)

2.000192 2.000263 2.000228 0.03
本発明の第一実施形態にかかる測定装置の説明図である。 本発明の第一実施形態にかかる補正の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第一実施形態において補正すべきピボット式スタイラスの円弧運動による測定誤差の説明図である。 本実施形態において特徴的なZレンジ分割工程の説明図である。 本発明の第一実施形態にかかる補正プログラム及び従来の補正プログラムを用いた場合の誤差の比較説明図である。 本実施形態にかかる補正プログラムにおける、Zレンジの分割数の違いによる誤差の比較説明図である。 本実施形態にかかる補正プログラム及び従来の補正プログラムを用いた場合の評価量の比較説明図である。 本発明の第二実施形態にかかる測定装置の説明図である。 図8に示した測定装置の作用の説明図である。 本実施形態にかかる改良多層構造アルゴリズムの適用前の補正結果と、該アルゴリズム適用後の補正結果との比較説明図である。
符号の説明
10,110 形状測定機(測定装置)
12 ピボット式スタイラス(スタイラス)
14,114 ピックアップ機構(校正測定手段)
18,118 補正機構
20,120 Z軸検出器
22,122 送り装置
24,124 X軸検出器
30,130 Zレンジ分割手段(測定範囲分割手段)
32,132 補正パラメータ設定手段
34,134 測定データ補正手段
38,138 コンピュータ
40,140 形状解析手段
42,142 補正プログラム
112 直動スタイラス(スタイラス)

Claims (20)

  1. ワークの高さに追従して運動するスタイラスの測定子でワーク上を測定軸方向にトレースして得られたデータの測定誤差を補正する補正プログラムにおいて、
    前記測定誤差は、測定軸方向(X軸方向)と高さ方向(Z軸方向)とで規定される補正対象面内(XZ平面内)で支点を中心に円弧運動するピボット式のスタイラスアームの運動により生じ、前記スタイラスアームの先端にスタイラスエッジを介して設けられた前記測定子の位置についての高さ方向位置に応じたずれを対象とするものであり、
    基準形状を有するワークに対して、前記補正対象面内で前記スタイラスを運動させ、該スタイラスの高さ方向位置に応じた測定子位置のずれ情報を含む校正測定データ(x ,z )(ここで、k=1,2,…nとする)を得る校正測定工程と、
    前記校正測定工程で得られた校正測定データに含まれる前記測定子位置のずれ情報を補正するのに最適な、予め所定数(N個)に分割された高さ方向測定範囲の各領域(領域i、ここで、i=1,2…Nとする)毎の補正パラメータの値を同時に求める補正パラメータ設定工程と、をコンピュータに実行させ
    前記補正パラメータ設定工程では、前記校正測定データ(x ,z )を補正して補正後の測定データ(x ,z )を得るための以下の補正式で用いる
    (i)前記支点から前記スタイラスアームの先端までのスタイラスアーム長(l)に相当する補正パラメータ(l )、
    (ii)前記スタイラスアームの先端から前記測定子までのスタイラスエッジ長(h)に相当する補正パラメータ(h )、および、
    (iii)前記高さ方向のゲイン係数(g)に相当する補正パラメータ(g )を、
    領域i毎の校正測定データに基づいて、その補正後の測定データと前記ワークの基準形状データとを比較することによって領域i毎に推定することを特徴とする補正プログラム。
    Figure 0005155533
  2. ワークの高さに追従して運動するスタイラスの測定子でワーク上を測定軸方向にトレースして得られたデータの測定誤差を補正する補正プログラムにおいて、
    前記測定誤差は、測定軸方向(X軸方向)と高さ方向(Z軸方向)とで規定される補正対象面内(XZ平面内)で支点を中心に円弧運動するピボット式のスタイラスアームの運動により生じ、前記スタイラスアームの先端にスタイラスエッジを介して設けられた前記測定子の位置についての高さ方向位置に応じたずれを対象とするものであり、
    基準形状を有するワークに対して、前記補正対象面内で前記スタイラスを運動させ、該スタイラスの高さ方向位置に応じた測定子位置のずれ情報を含む校正測定データ(x,z)を得る校正測定工程と、
    前記校正測定工程で得られた校正測定データに含まれる前記測定子位置のずれ情報を補正するのに最適な、予め所定数(N個)に分割された高さ方向測定範囲の各領域(領域i、ここで、i=1,2…Nとする)毎の補正パラメータの値を同時に求める補正パラメータ設定工程と、をコンピュータに実行させ
    前記補正パラメータ設定工程では、前記校正測定データ(x,z)を補正して補正後の測定データ(x´,z´)を得るための以下の補正式を用いて、該補正式の係数(A 1 ,A 2 ,…、B 1 ,B 2 ,…)を補正パラメータとするとともに、領域i毎の校正測定データに基づき補正後の測定データと前記ワークの基準形状データとを比較することによって、個々の補正パラメータの値を領域i毎に推定することを特徴とする補正プログラム。
    Figure 0005155533
  3. ワークの高さに追従して運動するスタイラスの測定子でワーク上を測定軸方向にトレースして得られたデータの測定誤差を補正する補正プログラムにおいて、
    前記測定誤差は、測定軸方向(X軸方向)と高さ方向(Z軸方向)とで規定される補正対象面内(XZ平面内)で、直線運動する直動式のスタイラスアームの直線運動中の真直度(Δz)により生じ、該スタイラスの高さ方向位置に応じた測定子位置のずれを対象とするものであり、
    基準形状を有するワークに対して、前記補正対象面内で前記スタイラスを運動させ、該スタイラスの高さ方向位置に応じた測定子位置のずれ情報を含む校正測定データ(x ,z )(ここで、k=1,2,…nとする)を得る校正測定工程と、
    前記校正測定工程で得られた校正測定データに含まれる前記測定子位置のずれ情報を補正するのに最適な、予め所定数(N個)に分割された高さ方向測定範囲の各領域(領域i、ここで、i=1,2…Nとする)毎の補正パラメータの値を同時に求める補正パラメータ設定工程と、をコンピュータに実行させ
    前記補正パラメータ設定工程では、前記校正測定データ(x ,z )を補正して補正後の測定データ(x ,z )を得るための補正式を用いて、該補正式に用いる前記真直度(Δz)を補正パラメータとするとともに、領域i毎の校正測定データに基づき補正後の測定データと前記ワークの基準形状データとを比較することによって、個々の補正パラメータの値を領域i毎に推定することを特徴とする補正プログラム。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の補正プログラムにおいて、
    前記校正測定工程は、前記スタイラスを前記補正対象面内で運動させるため、基準形状を有する基準ワーク上を該スタイラスの測定子で測定軸方向にトレースしており、
    また、該校正測定工程は、該スタイラスの高さ方向位置に応じた測定子位置のずれ情報を得るため、前記基準ワークを該スタイラスでトレースし該補正対象面方向の断面形状情報を得ており、
    前記補正パラメータ設定工程は、前記補正パラメータの値を求めるため、前記補正対象面内で、前記校正測定データと前記基準ワークの有する基準情報とを比較していることを特徴とする補正プログラム。
  5. 請求項記載の補正プログラムにおいて、
    前記補正パラメータ設定工程は、前記校正測定データに基づいて前記スタイラスが前記補正対象面内で実際に描く実動作軌跡を推定し、また、前記基準ワークの有する基準形状に基づいて該スタイラスの該補正対象面内での理想的な動作軌跡を推定し、
    前記補正パラメータ設定工程は、前記実動作軌跡と前記理想的動作軌跡とを比較することにより、前記スタイラスの高さ方向位置に応じた測定子位置のずれ情報を推定し、該推定されたずれ情報を補正するのに最適な補正パラメータの値を求めていることを特徴とする補正プログラム。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の補正プログラムにおいて、
    前記補正パラメータ設定工程の前段に設けられ、前記高さ方向の測定範囲を、所定数の複数領域に分割する測定範囲分割工程を備えることを特徴とする補正プログラム。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の補正プログラムにおいて、
    前記校正測定工程は、前記基準ワークとして、表面が精密に仕上げられた真球に近い基準球をトレースし、前記校正測定データを得ることを特徴とする補正プログラム。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の補正プログラムにおいて、
    前記補正パラメータ設定工程は、前記校正測定手段で得られた校正測定データと前記基準ワークの有する基準情報とを比較し、前記補正パラメータの値を全て同時に求めることを特徴とする補正プログラム。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の補正プログラムにおいて、
    前記高さ方向の測定範囲の分割数Nを、10以上、50以下としたことを特徴とする補正プログラム。
  10. 請求項1または2記載の補正プログラムにおいて、
    前記高さ方向の測定範囲の分割位置は、前記ピボット式スタイラスが前記測定軸方向と平行になる位置に基づき定められたことを特徴とする補正プログラム。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の補正プログラムにおいて、
    前記補正パラメータ設定工程の後段に設けられ、測定ワークを前記スタイラスの測定子でトレースして得られた測定データを、前記補正パラメータの値で補正するデータ補正工程を備え、
    前記データ補正工程は、前記測定データの高さ方向値に基づき特定された該測定データの属する領域において最適な補正パラメータの値を前記補正パラメータ設定工程で設定された補正パラメータの値の中から選択し、該選択された補正パラメータの値を前記測定データを補正するのに最適な前記補正パラメータの値としていることを特徴とする補正プログラム。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の補正プログラムにおいて、
    前記補正パラメータ設定工程は、ロバスト推定法を用いて、前記校正測定データに含まれる異常点データの、前記補正パラメータ値を求める際に寄与する度合いが最小限となるように、該補正パラメータ値を推定していることを特徴とする補正プログラム。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の補正プログラムにおいて、
    前記補正パラメータ設定工程は、前記補正パラメータ値を求める際、隣接する前記領域間の補正パラメータ値に所定値以上の差を生じさせないように、該領域間の補正パラメータ値に対して制約条件を付加し該領域間の補正パラメータ値を連携させていることを特徴とする補正プログラム。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載の補正プログラムにおいて、
    前記補正パラメータ設定工程の前段に設けられ、外部から与えられる設計値を最適化する前処理工程を備え、
    前記補正パラメータ設定工程は、前記前処理工程で最適化された設計値を初期値として、前記補正パラメータ値を求めることを特徴とする補正プログラム。
  15. ワークの高さに追従して変位するスタイラスと、該スタイラスの少なくとも高さ方向位置を検出するピックアップ機構とを備えた測定装置において、
    前記スタイラスの測定子でワーク上を測定軸方向にトレースして得られたデータの測定誤差を補正する補正機構を備え、
    前記測定誤差は、測定軸方向(X軸方向)と高さ方向(Z軸方向)とで規定される補正対象面内(XZ平面内)で支点を中心に円弧運動するピボット式のスタイラスアームの運動により生じ、前記スタイラスアームの先端にスタイラスエッジを介して設けられた前記測定子の位置についての高さ方向位置に応じたずれを対象とするものであり、
    前記補正機構は、基準形状を有するワークに対して、前記補正対象面内で前記スタイラスを運動させ、該スタイラスの高さ方向位置に応じた測定子位置のずれ情報を含む校正測定データ(x ,z )(ここで、k=1,2,…nとする)を得る校正測定手段と、
    前記校正測定手段で得られた校正測定データに含まれる前記測定子位置のずれ情報を補正するのに最適な、予め所定数(N個)に分割された高さ方向測定範囲の各領域(領域i、ここで、i=1,2…Nとする)毎の補正パラメータの値を同時に求める補正パラメータ設定手段と、
    測定ワークを前記測定子でトレースして得られた測定データの高さ方向値に基づき特定された該測定データの属する領域において最適な補正パラメータの値を、前記補正パラメータ設定手段で求められた補正パラメータの値の中から選択し、該選択された補正パラメータの値を使って、該測定データを補正するデータ補正手段と、備え
    前記補正パラメータ設定手段は、前記校正測定データ(x ,z )を補正して補正後の測定データ(x ,z )を得るための以下の補正式で用いる
    (i)前記支点から前記スタイラスアームの先端までのスタイラスアーム長(l)に相当する補正パラメータ(l )、
    (ii)前記スタイラスアームの先端から前記測定子までのスタイラスエッジ長(h)に相当する補正パラメータ(h )、および、
    (iii)前記高さ方向のゲイン係数(g)に相当する補正パラメータ(g )を、
    領域i毎の校正測定データに基づいて、その補正後の測定データと前記ワークの基準形状データとを比較することによって領域i毎に推定することを特徴とする測定装置。
    Figure 0005155533
  16. ワークの高さに追従して変位するスタイラスと、該スタイラスの少なくとも高さ方向位置を検出するピックアップ機構とを備えた測定装置において、
    前記スタイラスの測定子でワーク上を測定軸方向にトレースして得られたデータの測定誤差を補正する補正機構を備え、
    前記測定誤差は、測定軸方向(X軸方向)と高さ方向(Z軸方向)とで規定される補正対象面内(XZ平面内)で支点を中心に円弧運動するピボット式のスタイラスアームの運動により生じ、前記スタイラスアームの先端にスタイラスエッジを介して設けられた前記測定子の位置についての高さ方向位置に応じたずれを対象とするものであり、
    前記補正機構は、基準形状を有するワークに対して、前記補正対象面内で前記スタイラスを運動させ、該スタイラスの高さ方向位置に応じた測定子位置のずれ情報を含む校正測定データ(x,z)を得る校正測定手段と、
    前記校正測定手段で得られた校正測定データに含まれる前記測定子位置のずれ情報を補正するのに最適な、予め所定数(N個)に分割された高さ方向測定範囲の各領域(領域i、ここで、i=1,2…Nとする)毎の補正パラメータの値を同時に求める補正パラメータ設定手段と、
    測定ワークを前記測定子でトレースして得られた測定データの高さ方向値に基づき特定された該測定データの属する領域において最適な補正パラメータの値を、前記補正パラメータ設定手段で求められた補正パラメータの値の中から選択し、該選択された補正パラメータの値を使って、該測定データを補正するデータ補正手段と、備え
    前記補正パラメータ設定手段は、前記校正測定データ(x,z)を補正して補正後の測定データ(x´,z´)を得るための以下の補正式を用いて、該補正式の係数(A 1 ,A 2 ,…、B 1 ,B 2 ,…)を補正パラメータとするとともに、領域i毎の校正測定データに基づき補正後の測定データと前記ワークの基準形状データとを比較することによって、個々の補正パラメータの値を領域i毎に推定することを特徴とする測定装置。
    Figure 0005155533
  17. ワークの高さに追従して変位するスタイラスと、該スタイラスの少なくとも高さ方向位置を検出するピックアップ機構とを備えた測定装置において、
    前記スタイラスの測定子でワーク上を測定軸方向にトレースして得られたデータの測定誤差を補正する補正機構を備え、
    前記測定誤差は、測定軸方向(X軸方向)と高さ方向(Z軸方向)とで規定される補正対象面内(XZ平面内)で、直線運動する直動式のスタイラスアームの直線運動中の真直度(Δz)により生じ、該スタイラスの高さ方向位置に応じた測定子位置のずれを対象とするものであり、
    前記補正機構は、基準形状を有するワークに対して、前記補正対象面内で前記スタイラスを運動させ、該スタイラスの高さ方向位置に応じた測定子位置のずれ情報を含む校正測定データ(x ,z )(ここで、k=1,2,…nとする)を得る校正測定手段と、
    前記校正測定工程で得られた校正測定データに含まれる前記測定子位置のずれ情報を補正するのに最適な、予め所定数(N個)に分割された高さ方向測定範囲の各領域(領域i、ここで、i=1,2…Nとする)毎の補正パラメータの値を同時に求める補正パラメータ設定手段と、
    測定ワークを前記測定子でトレースして得られた測定データの高さ方向値に基づき特定された該測定データの属する領域において最適な補正パラメータの値を、前記補正パラメータ設定手段で求められた補正パラメータの値の中から選択し、該選択された補正パラメータの値を使って、該測定データを補正するデータ補正手段と、備え
    前記補正パラメータ設定手段は、前記校正測定データ(x ,z )を補正して補正後の測定データ(x ,z )を得るための補正式を用いて、該補正式に用いる前記真直度(Δz)を補正パラメータとするとともに、領域i毎の校正測定データに基づき補正後の測定データと前記ワークの基準形状データとを比較することによって、個々の補正パラメータの値を領域i毎に推定することを特徴とする測定装置。
  18. 請求項15〜17のいずれかに記載の測定装置において、
    前記補正パラメータ設定手段は、ロバスト推定法を用いて、前記校正測定データに含まれる異常点データの、前記補正パラメータ値を求める際に寄与する度合いが最小限となるように、該補正パラメータ値を推定していることを特徴とする測定装置。
  19. 請求項15〜18のいずれかに記載の測定装置において、
    前記補正パラメータ設定手段は、前記補正パラメータ値を求める際、隣接する前記領域間の補正パラメータ値に所定値以上の差を生じさせないように、該領域間の補正パラメータ値に対して制約条件を付加し該領域間の補正パラメータ値を連携させていることを特徴とする測定装置。
  20. 請求項15〜19のいずれかに記載の測定装置において、
    前記補正パラメータ設定手段の前段に設けられ、外部から与えられる設計値を最適化する前処理手段を備え、
    前記補正パラメータ設定手段は、前記前処理手段で最適化された設計値を初期値として、前記補正パラメータの値を求めることを特徴とする測定装置。
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