JP2006162266A - 機上形状測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 原器を被測定物の形状の種類分用意することなく、また、形状が異なる度に補正のための測定を行うことなく、衝となる測定機と機上形状測定機の機差を補償する。
【解決手段】 任意の設計式にて面形状を定義できる被測定物である被測定原器17を、衝となる外部形状測定機12にて測定して形状を明らかにする工程と、超精密加工用旋盤1に設置された形状測定機3にて被測定原器17を測定して形状を明らかにする工程と、外部形状測定機12により明らかにされた形状と形状測定機3により明らかにされた形状との誤差を求める工程と、誤差に基づいて加工機上に設置された形状測定機3の測定結果に補正を与える工程とを行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光学素子の光学面や前記光学素子を成形する金型の成形面の形状を測定する方法に関するものである。
光学素子の光学面や前記光学素子を成形する金型の成形面を機械加工する際には、超精密加工機が用いられている。前述のような高精度な面形状が必要とされる被加工物は、加工後に加工機上に設置された機上形状測定機にて形状測定が行われ、この形状測定で被加工物の面形状が所望形状を得られていないと判断された場合には、前述の測定結果を用いて補正加工が行われる。そして、被加工物の面形状が所望形状を得られたと判断された場合には、加工機外にある衝となる外部形状測定機にて形状測定が行なわれ、規格を満足しているかの可否判断が行われる。この時、機上形状測定機による形状測定結果と衝となる外部形状測定機の測定結果では、接触子の真球度の異なり、移動軸の固有差、測定動作の異なり、その他の測定機間の機差により、形状が一致しないことがある。
この両形状測定機間の機差を補正する方法として、図7に示すようなフローチャートで形状測定する方法が提案されている(特許文献1参照)。この発明によると、被測定物に近似な形状を有し、設計上の形状データが明らかな原器を測定し(S1)、第1の測定値を求める。次に、原器の形状データを用いて第1の測定値を補正し、装置誤差量を求める(S2)。次に、被測定物の形状を測定して第2の測定値を求め(S3)、前記装置誤差量を用いて第2の測定値を補正し(S4)、被測定物の真の座標情報を求めている。
特開2000−81329号公報
しかし、前記従来技術の形状測定方法及び装置においては以下のような欠点がある。
例えば、被測定物に近似な形状を原器として使用するため、被測定物が複数種類に異なる形状になった場合には、その種類分の数の原器を用意する必要があった。また、形状測定作業が異なる形状になる度に、近似形状の原器を測定する作業を必要とし、原器を測定するための時間が大きく掛かり、また測定のための工数が掛かるといった問題があった。
本発明の目的は、原器を形状の種類分用意することなく、また、形状が異なる度に補正のための測定を行うことなく、衝となる測定機と機上形状測定機の機差を補償する機上形状測定方法を提案する。
上記目的を達成するために、本発明の機上形状測定方法は、加工後に加工機上に設置された形状測定機を用いて被加工物面形状を測定する機上形状測定方法において、
任意の設計式にて面形状を定義できる被測定物を衝となる測定機にて測定し前記被測定物の形状を明らかにする工程と、前記加工機上に設置された形状測定機にて前記被測定物を測定し前記被測定物の形状を明らかにする工程と、前記衝となる測定機により明らかにされた形状と前記加工機上に設置された形状測定機により明らかにされた形状との誤差を求める工程と、前記誤差に基づいて前記加工機上に設置された形状測定機の測定結果に補正を与える工程と、を有することを特徴とする。
これにより、前記衝となる測定機により明らかにされた形状と前記加工機上に設置された形状測定機により明らかにされた形状との誤差を求め、この誤差に基づいて加工機上に設置された形状測定機の測定結果に補正を与えるため、衝となる測定機と機上形状測定機の機差を補償することができる。
また、本発明は、前記誤差に基づいて形状測定機の測定結果に補正を与えるに際し、前記加工機上に設置された形状測定機の接触子の形状に対する補正として与えるのが好ましい。
形状測定に際し、誤差の発生する要因として、接触子の影響は大きいことは従前から分かっている。このため、接触子の形状に合わせて補正を与えることにより、より高い精度の形状測定が行える。
また、本発明は、前記接触子の形状に対する補正として与えるに際し、前記被測定物に接触している前記接触子の接触角度に対応する、前記衝となる測定機により明らかにされた形状と前記加工機上に設置された形状測定機により明らかにされた形状との誤差量を求め、この誤差量を前記接触子の接触角度と共に前記接触子の形状に対する補正として与えるのが好ましい。
このように、衝となる測定機により明らかにされた形状と加工機上に設置された形状測定機により明らかにされた形状との誤差量を、接触子の接触角度に応じ、接触子の形状に対する補正として与えることから、前記誤差量を、接触子の真球度誤差データとしてみなして処理することとなり、形状測定に際し、接触子の真球度誤差を取り除くことができる。
また、本発明は、前記接触角度を、前記設計式を1回微分することで得ることが好ましい。
これにより、接触角度を容易に求めることができる。
また、本発明は、前記接触角度を、前記接触子の移動量をその時の前記測定機の走査量で除算して求めるのが好ましい。
これによっても、接触角度を容易に求めることができる。
また、本発明は、前記衝となる測定機により明らかにされた形状と前記加工機上に設置された形状測定機により明らかにされた形状の差を、移動平均または近似多項式によって平準化することが好ましい。
これにより、機差データからノイズを除去することができ、その後データ処理が容易になる。
本発明の機上形状測定方法によれば、機上形状測定機と、衝となる例えば外部の測定機の間に機差が生じても、これを接触子の真球度誤差データとしてみなし、補正を与えることで、前記の機差を補正することができ、また原器を形状の種類分用意することなく、また、形状が異なる度に補正のための測定を行うことなく、衝となる例えば外部の測定機と機上形状測定機の機差を補償することが可能となる。
以下、本発明に係る機上形状測定方法の実施形態を、図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態を、図1〜図5によって説明する。
図1は、第1実施形態に係る機上形状測定方法を適用する超精密加工用旋盤及び外部形状測定機の概略構成図、図2は、機上形状測定方法を実行するソフトウェアを説明するブロック図、図3は、機上形状測定方法の流れを説明するフローチャート、図4は、真球度誤差データを説明するグラフ図、図5は、接触子による真球度の測定動作を示す説明図である。
図1において、符号1は、光学素子の光学面や前記光学素子を成形するための型を加工する工作機である超精密加工用旋盤を示す。前記超精密加工用旋盤1には、加工機から被測定物2を取り外すことなくX軸方向及びZ軸方向の2軸の動作をし、加工面の断面形状を接触子8で接触し、走査測定できる機上形状測定機3が設置されている。また、機上形状測定機3の測定結果を形状解析できるソフトウェア4が備え付いたコンピュータ5が前記超精密加工用旋盤1とケーブル5aを介して接続されている。
図2に示すように、前記ソフトウェア4には、所望形状を示す設計式7、前記機上形状測定機3に取り付けられている接触子8の曲率半径9、そして形状解析をするための解析幅10を入力できるようになっている。また、前記ソフトウェア4には、前記記載の設計式7、曲率半径9、解析幅10、そして被測定物2を前記機上形状測定機3にて測定されたX軸方向とZ軸方向の2軸の座標データ群を持った測定データ11より、所望形状を示す設計式7からの誤差を解析する形状解析機能が備え付いている。また、外部形状測定機12の形状解析結果から出力される、X軸方向とZ軸方向の2軸の座標データ群を持った誤差データ6を読み取ることができる機能が備え付いている。
ソフトウェア4は、図4に示すように、前記外部形状測定機12の誤差データ6から機上形状測定機3の形状解析データ16を、X軸方向の座標毎に差分を行うことで機々間の機差データ13を求めることができる機能を有している。また、ソフトウェア4は、上記機差データ13を、移動平均法若しくは近似多項式によって平準化する機能も有している。更に、ソフトウェア4は、被測定物2がX軸方向の変位に伴い接触子8との接触角度Aが漸次変化する関係上、誤差データ6と形状解析データ16のX軸方向の位置座標より接触子8と被測定物2の接触角度A(図5参照)を求めることができる機能を有している。前記接触角度Aの求め方は、前記設計式7を微分することで得られる微分式にX軸方向の位置座標を代入することで求めることができる。
また、ソフトウェア4は、前記機差データ13と前記接触角度Aとの関係の真球度誤差データ15を作成する機能を有している。また、ソフトウェア4は、機上形状測定機3による被測定物2の形状測定及び形状解析された形状解析データ16を、接触角度Aに対応させたX軸方向の座標の誤差量に真球度誤差データ15を加算できる機能を有している。
次に、第1実施形態の機上形状測定方法の流れを、図3のフローチャートを用いて説明する。
なお、以下に本発明の第1実施形態の作用を具体的に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
任意の設計式形状に極めて近似させた被測定原器17を、外部形状測定機12にて形状測定を行い(S101)形状解析を行う(S102)。上記解析結果から出力される誤差データ6をソフトウェア4に取り込むことができるように、外部記録媒体にデータ保存する(S103)。
次に、上記被測定原器17を超精密加工用旋盤1に取り付け(S104)、機上形状測定機3にて形状測定を行い(S105)、測定データ11を作成させる。上記測定データ11を用い、ソフトウェア4上で上記被測定原器17の設計式に対し形状解析を行い(S106)、機上形状測定機3による形状解析データ16を出力させ、コンピュータ5内部の記憶装置に一時保存させる。
ソフトウェア4に、外部形状測定機12による誤差データ6を外部記録媒体より取り込む(S107)。上記外部形状測定機12による誤差データ6と機上形状測定機3による形状解析データ16のX軸方向の座標が一致するように座標の合わせ込みを行う。次に、外部形状測定機12による誤差データ6の誤差量から機上形状測定機3による形状解析データ16の誤差量の差分を求め、X軸方向の座標と関連付ける。これを形状解析の必要区間内全ての測定点で行うことで、機差データ 13を作成する(S108)。X軸方向の座標の合わせ込み誤差、形状測定時の振動あるいは外乱で、上記機差データ13の誤差量はノイズを持ったデータになる。ここで、機差データ13の誤差量を任意に設定した数の平均を求め、それを誤差量として平均化処理することで、上記ノイズを消去し、上記機差データ13を平準化する(S109)。
上記被測定原器17の設計式7の微分式を算出し、X軸方向の座標を入力し接触子8の接触角度Aを算出する。これを形状解析の必要区間内全ての測定点で行う。上記平準化された機差データ13のX軸方向の座標を接触角度Aに変換し、上記接触角度Aと誤差量の差分の相関データとする。これを形状解析の必要区間内全ての測定点で行い、このデータを真球度誤差データ15とし、コンピュータ5内の記憶装置にデータ保存する(S110)。すなわち上記真球度誤差データ15は、図1に示す外部形状測定機12と機上形状測定機3の機差を接触子8の真球度誤差データ15とみなすこととなる。
上記被測定原器17とは異なる、例えば実際に超精密加工用旋盤1で加工された被測定物2を機上形状測定機3にて形状測定し(S111)、ソフトウェア4上で形状解析を行い(S112)、誤差データ6の出力を行う。次にソフトウェア4で上記被測定物2の設計式7の微分式を算出し、X軸方向の座標を入力し、接触子8の接触角度Aを算出する。これを形状解析の必要区間内全ての測定点で行う(S113)。
次に真球度誤差データ15を呼び出し、ソフトウェア4内に真球度誤差データ15の読み込みを行う。真球度誤差データ15の接触角度Aと上記被測定物2の接触角度Aを一致させ、その時の機差データ13を求め、上記機差データ13を対応する形状解析データ16へ加算させる。これを形状解析の必要区間内全ての測定点で行うことで、機上形状測定機3の真球度誤差データ15をデータ補正する(S114)。これより真の形状解析データ16を算出することができる。よって上記被測定物2を上記外部形状測定機12にて形状測定、形状解析すれば得られたであろう誤差データ6を求めることができる。
このように、上記第1実施形態によれば、機上形状測定機3と外部形状測定機12の間に機差が生じても、これを接触子8の真球度誤差データ15としてみなし、補正を与えることで前記機差を補正することができ、また、原器を形状の種類分用意することなく、しかも形状が異なる度に補正のための測定を行うことなく、衝となる外部形状測定機12と機上形状測定機3の機差を補償することが可能となる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
なお、上記第1実施形態と同一構造部分には、同一符号を付して説明を省略する。
本発明の第2実施形態は、図6に示すように、ソフトウェア4にて形状解析を行う前の測定データ11を各々微小区間に分け、その時の2軸方向の移動量より接触角度Aを求めることが第1実施形態と異なる。
機上形状測定機3にて測定された測定データ11をX軸方向で、微小区間dXに分ける。その時のZ軸方向の移動量dZを上記測定データ11より算出し、以下の算出式Cより接触角度Aを算出する。
ここで、接触子8の移動量はZ軸方向の移動量であり、機上形状測定機3の走査量はX軸方向の移動量であり、このため、接触子8の移動量をその時の機上形状測定機3の走査量で除算することで、前記接触角度Aを求めることができる。
接触角度A=tan―1(dZ/dX)…(C)
つまり、第2実施形態では、上記算出式Cで求められた接触角度AにX軸方向の座標を変換し、真球度誤差データ15を算出する。
そして、上記第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、機上形状測定機3と外部形状測定機12の間に機差が生じても、これを接触子8の真球度誤差データ15としてみなし、補正を与えることで前記機差を補正することができ、また、原器を形状の種類分用意することなく、しかも形状が異なる度に補正のための測定を行うことなく、衝となる外部形状測定機12と機上形状測定機3の機差を補償することが可能となる。
第1実施形態に係る機上形状測定方法を適用する超精密加工用旋盤及び外部形状測定機の概略構成図である。 機上形状測定方法を実行するソフトウェアを説明するブロック図である。 機上形状測定方法の流れを説明するフローチャートである。 真球度誤差データを説明するグラフ図である。 接触子による真球度の測定動作を示す説明図である。 第2実施形態に係る機上形状測定方法における形状データによる接触角度の求め方の説明図である。 従来技術における測定方法の流れを説明するフローチャートである。
符号の説明
1 超精密加工用旋盤(加工機)
2 被測定物(被加工物加工面)
3 機上形状測定機(形状測定機)
7 設計式
8 接触子
12 外部形状測定機(形状測定機)
17 被測定原器(被測定物)
A 接触角度

Claims (6)

  1. 加工後に加工機上に設置された形状測定機を用いて被加工物面形状を測定する機上形状測定方法において、
    任意の設計式にて面形状を定義できる被測定物を衝となる測定機にて測定し前記被測定物の形状を明らかにする工程と、前記加工機上に設置された形状測定機にて前記被測定物を測定し前記被測定物の形状を明らかにする工程と、前記衝となる測定機により明らかにされた形状と前記加工機上に設置された形状測定機により明らかにされた形状との誤差を求める工程と、前記誤差に基づいて前記加工機上に設置された形状測定機の測定結果に補正を与える工程と、を有することを特徴とする機上形状測定方法。
  2. 前記誤差に基づいて形状測定機の測定結果に補正を与えるに際し、前記加工機上に設置された形状測定機の接触子の形状に対する補正として与えることを特徴する請求項1に記載の機上形状測定方法。
  3. 前記接触子の形状に対する補正として与えるに際し、前記被測定物に接触している前記接触子の接触角度に対応する、前記衝となる測定機により明らかにされた形状と前記加工機上に設置された形状測定機により明らかにされた形状との誤差量を求め、この誤差量を前記接触子の接触角度と共に前記接触子の形状に対する補正として与えることを特徴とする請求項2に記載の機上形状測定方法。
  4. 前記接触角度を、前記設計式を1回微分することで得ることを特徴する請求項3に記載の機上形状測定方法。
  5. 前記接触角度を、前記接触子の移動量をその時の前記測定機の走査量で除算して求めることを特徴する請求項3に記載の機上形状測定方法。
  6. 前記衝となる測定機により明らかにされた形状と前記加工機上に設置された形状測定機により明らかにされた形状の差を、移動平均または近似多項式によって平準化することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の機上形状測定方法。

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