JP2010031936A - 衝撃エネルギ吸収部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】部材の拡径・縮径変形を利用した衝撃吸収を行うにあたり、衝突後の安定した拡径・縮径変形を継続して得ることが可能な衝撃エネルギ吸収部材を提供する。
【解決手段】筒状のエネルギ吸収部材の本体Eは筒軸方向の断面が波形形状の高剛性部5が金属母材部4内に一体的に埋設されて形成されている。衝撃荷重INが軸心方向から入力されたとき、高剛性部5は、波形形状の山部と谷部とを基点として折り畳まれるように塑性変形していく。一方、金属母材部4は、折り畳まれる高剛性部5によって、軸心に対して垂直となる径方向に押出され、拡径・縮径変形し、高剛性部5から内側の部分は内径方向、外側の部分は外径方向に移動することでエネルギ吸収を行っている。
【選択図】 図2
【解決手段】筒状のエネルギ吸収部材の本体Eは筒軸方向の断面が波形形状の高剛性部5が金属母材部4内に一体的に埋設されて形成されている。衝撃荷重INが軸心方向から入力されたとき、高剛性部5は、波形形状の山部と谷部とを基点として折り畳まれるように塑性変形していく。一方、金属母材部4は、折り畳まれる高剛性部5によって、軸心に対して垂直となる径方向に押出され、拡径・縮径変形し、高剛性部5から内側の部分は内径方向、外側の部分は外径方向に移動することでエネルギ吸収を行っている。
【選択図】 図2
Description
本発明は、衝撃エネルギ吸収部材に関し、特に、圧縮荷重が入力されたときに塑性変形を行うことでエネルギを吸収する衝撃エネルギ吸収部材に関するものである。
従来、自動車の車体構造には、衝突時の乗員の安全性を確保するために、クラッシュカン等座屈変形を利用した衝撃吸収装置が採用されている。この衝撃吸収装置は、一定値を超える衝撃荷重が作用すると自ら座屈変形することで衝撃エネルギを吸収するものである。
このような衝撃吸収装置の構成としては、蛇腹状の筒状体、或いはハニカム部材が用いられている。
このような衝撃吸収装置の構成としては、蛇腹状の筒状体、或いはハニカム部材が用いられている。
座屈変形や亀裂進展による不安定な現象を利用する衝撃吸収装置では、僅かな製造上の誤差により変形モードが変化する可能性があり、特に、座屈変形を利用する衝撃吸収では、衝撃吸収のメカニズムの観点から、長い衝撃吸収部材を必要とする。このような諸状況に鑑み、座屈変形に代わる衝撃吸収形態として、衝撃吸収部材を拡径・縮径変形させる衝撃吸収部材が提案されている。
特許文献1は、短筒形状の第1の部材と同心軸上に積み重ねられた短筒形状の第2の部材とからなり、接着剤、或いはロウ付け等で接合された両部材の接続部分が同心軸に対して傾斜するように構成されている。この構成により、軸心方向の衝撃荷重を受けたとき、第1の部材は拡径後塑性変形し、第2の部材は縮径後塑性変形する、所謂軸心方向の衝撃荷重を径方向に分散することになり、座屈変形を利用することなく、部材全体で衝撃荷重を吸収することができる。
特許文献1では、拡径・縮径現象を利用するため、座屈変形を利用するものに比べてエネルギ吸収効率の高い衝撃吸収装置を得ることができる。この拡径・縮径現象を安定して得るには、第1の部材と第2の部材との軸心の位置を、変形の開始から終了までに亙り同位置に維持することが前提条件として不可欠である。
また、実際の衝撃荷重は常に正面から入力されるとは限らず、軸心に対してある程度ばらつきを持った角度で衝撃荷重が入力することが殆どである。このような場合、衝撃によって、第1の部材と第2の部材との軸心位置にずれが生じることが推測され、拡径・縮径現象の進行に支障をきたすことになる。つまり、製造時の軸心位置の精度は必要であるが、これと同様に、衝突荷重の入力によって拡径・縮径現象が開始された後の軸心位置の精度がなければ、安定した衝撃吸収は困難である。
本発明の目的は、部材の拡径・縮径変形を利用した衝撃吸収を行うにあたり、衝突後の安定した拡径・縮径変形を継続して得ることが可能な衝撃エネルギ吸収部材を提供することである。
請求項1の発明は、筒状の本体を有する衝撃エネルギ吸収部材において、本体は、金属母材部と、この金属母材部よりも強度が高く且つこの金属母材部内に略同心状に一体化されると共に筒軸を含む平面における断面が波形形状とされる筒状の高剛性部とから構成され、高剛性部は、本体に筒軸方向の圧縮荷重が入力したとき、筒軸方向に折り畳み変形すると共に、金属母材部を拡径変形及び縮径変形させることを特徴とする。
請求項1の発明では、筒状の高剛性部の断面が波形形状であるため、衝撃荷重を効果的に径方向に分散することができる。また、高剛性部の存在により、衝撃荷重の入力角度に拘らず、衝撃荷重を金属母材部の拡径・縮径変形に変換することができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、金属母材部はAl合金製鋳物であり、高剛性部は筒状の強化繊維成形体の空隙にAl合金材料を充填して形成されたことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、金属母材部はAl合金製鋳物であり、高剛性部はAl合金製鋳物で鋳ぐるまれた筒状の鋼板であることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項2又は3の発明において、金属母材部は、Al−Mn−Fe−Mg系合金製鋳物であることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1の発明において、衝撃エネルギ吸収部材は、車両のフロントフレーム、又はクラッシュカンであることを特徴とする。
請求項1の衝撃エネルギ吸収部材によれば、本体は、金属母材部と、この金属母材部よりも強度が高く且つこの金属母材部内に略同心状に一体化されると共に筒軸を含む平面における断面が波形形状とされる筒状の高剛性部とから構成され、高剛性部は、本体に筒軸方向の圧縮荷重が入力したとき、筒軸方向に折り畳み変形すると共に、金属母材部を拡径変形及び縮径変形させるため、部材の拡径・縮径変形を利用した衝撃吸収を行うにあたり、衝突後の安定した拡径・縮径変形を継続して得ることができる。
つまり、衝撃荷重の入力角度に拘らず、高剛性部が折り畳み変形して金属母材部が拡径変形及び縮径変形し、衝撃エネルギ吸収部材全体で変形開始から終了に亙って安定したエネルギ吸収効果を得ることができる。しかも、高剛性部を金属母材部内に同心状に一体化するため、生産性も優れている。
請求項2の衝撃エネルギ吸収部材によれば、金属母材部はAl合金製鋳物であり、高剛性部は筒状の強化繊維成形体の空隙にAl合金材料を充填して形成されるため、軽量で且つ製造が容易となる。
請求項3の衝撃エネルギ吸収部材によれば、金属母材部はAl合金製鋳物であり、高剛性部はAl合金製鋳物で鋳ぐるまれた筒状の鋼板であるため、製造が容易となる。
請求項4の衝撃エネルギ吸収部材によれば、金属母材部は、Al−Mn−Fe−Mg系合金製鋳物であるため、延性、耐力、引張り強度、及び金型への焼付性に優れた衝撃エネルギ吸収部材を得ることができる。
請求項5の衝撃エネルギ吸収部材によれば、衝撃エネルギ吸収部材は、車両のフロントフレーム、又はクラッシュカンであるため、エネルギ吸収効率の高いフロントフレーム、又はクラッシュカンを得ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図2は、本発明の実施例1に係るエネルギ吸収部材の本体Eを示しており、このエネルギ吸収部材の本体Eは、図1に示すように、例えば車両1前部における車幅方向の両側位置で車両前後方向に夫々延びるフロントサイドフレーム2の前端部分や、フロントサイドフレーム2の前端とバンパレインフォースメントとの間に介在されるクラッシュカン3として、単独、或いは各部材に組込まれて用いられる。
図2に示すように、クラッシュカン3に適用される本体Eは、筒状の金属母材部4と、この金属母材部4内に一体的に埋設された高剛性部5によって構成されている。寸法範囲は、直径40〜100mm、肉厚2〜8mm、長さ80〜150mmである。
金属母材部4は、エネルギ吸収に必要な延性に優れたAl合金製鋳物で構成される。本実施例の金属母材部4では、Mn:0.5〜2.5重量%,Fe:0.1〜1.5重量%,Mg:0.01〜1.2重量%,Al:残部とされ、Ti:0.1〜0.2重量%,B:0.01〜0.1重量%,Be:0.01〜0.2重量%のうち少なくとも1つの添加剤が添加された高延性のAl−Mn−Fe−Mg系合金材料を用いている。
高剛性部5は、平均繊維径3〜5μm、繊維長さ5〜10cm、体積率Vf=25%とされ、アルミナ繊維とシリカ繊維との混合による波形形状の予備成形体6(以下、プリフォームと示す)の空隙に金属母材部4のAl−Mn−Fe−Mg系合金材料が充填されて構成されている。また、高剛性部5の軸心C5は金属母材部4の軸心C4と同一直線となっている。
図3に基づいて、プリフォーム6の成形工程を説明する。
平均繊維径3〜5μm、繊維長さ5〜10cmとされるアルミナ繊維とシリカ繊維との混合繊維材料Mを準備する。繊維材料としては、シリコンカーバイト繊維、スチールワイヤ、ニッケルセルメット等を用いることも可能である。シリコンカーバイト繊維の場合、平均繊維径10〜15μm、繊維長さ5〜10cm、スチールワイヤの場合、平均繊維径8〜12μm、繊維長さ数cmとする。
平均繊維径3〜5μm、繊維長さ5〜10cmとされるアルミナ繊維とシリカ繊維との混合繊維材料Mを準備する。繊維材料としては、シリコンカーバイト繊維、スチールワイヤ、ニッケルセルメット等を用いることも可能である。シリコンカーバイト繊維の場合、平均繊維径10〜15μm、繊維長さ5〜10cm、スチールワイヤの場合、平均繊維径8〜12μm、繊維長さ数cmとする。
攪拌工程では、前記繊維材料Mと水に添加剤を加えた溶液Sとを混ぜて攪拌する。
添加剤は、図4に示すように、プリフォーム強化剤、付着促進剤及び分散剤で構成される。プリフォーム強化剤はプリフォームの強度の確保、付着促進剤はアルミナゾルの付着促進、分散剤は繊維の分散性向上を目的としており、夫々の薬品例として、粉状アルミナゾル、硫酸アンモン及びポリアミドが挙げられる。
添加剤は、図4に示すように、プリフォーム強化剤、付着促進剤及び分散剤で構成される。プリフォーム強化剤はプリフォームの強度の確保、付着促進剤はアルミナゾルの付着促進、分散剤は繊維の分散性向上を目的としており、夫々の薬品例として、粉状アルミナゾル、硫酸アンモン及びポリアミドが挙げられる。
吸引・脱水工程では、溶液Sに溶解されている繊維材料Mを脱水装置10に移し替えた後、排水口11から水分を吸引することで、繊維材料Mから水分を排出する。
水分調整工程では、脱水装置10内に移された繊維材料Mの水分割合を調整するため、プレス手段12で繊維材料Mを圧縮する。プレス手段12は、体積率Vfが25%となるように圧縮力が調整され、発生した水分は排水口11から排出される。
体積率Vfは20〜30%の範囲で設定されている。体積率Vfが20%未満では、金型鋳造時、プリフォーム6の内部まで金属母材部4が侵入してしまい、内部の強度が向上すると共に金属母材部4と高剛性部5との分離性を確保できない。また、30%を超えると、金属母材部4の侵入が不十分となり、プリフォーム6表面の強度が不足する。
型成形工程では、波形状の成形面を有する成形型13により、水分調整が完了した繊維材料Mを波形状に型成形する。型成形工程後の繊維材料Mは、断面が波形となった板状となっている。
筒状体成形工程では、板状の繊維材料Mを筒軸を含む平面における断面が波形形状となるように筒状体に形成している。この筒状の繊維材料Mを乾燥させた後、640〜840℃で1.5時間焼結させてプリフォーム6が成形する。
図5〜図7に基づき、プリフォーム6を金属母材部4内に一体的に鋳ぐるむ金型鋳造工程について説明する。図5に示すように、溶融されたAl−Mn−Fe−Mg系合金材料Mtを注入装置14に注湯する。
金型15の上型16を型開きした後、下型17の所定の配置位置にプリフォーム成形工程で成形したプリフォーム6を配置し、図6に示すように、上型16を下降させて下型17に型合わせする。下型17には、注入装置14が最終段階で設置される開口部18、この開口部18から成形空間19までの溶湯の経路を形成する湯道20が設けられている。
成形空間19内には、本体Eの内部空間を形成すると共に、プリフォーム6を下型17に位置決めする中子21が配置されている。
成形空間19内には、本体Eの内部空間を形成すると共に、プリフォーム6を下型17に位置決めする中子21が配置されている。
図7に示すように、プリフォーム6が配置された下型17の開口部18に、溶融されたAl−Mn−Fe−Mg系合金材料Mtを収容した注入装置14を設置後、注入装置14を作動させて成形空間19内に湯道20を経由して合金材料Mtを充填する。
成形空間19内に充填された合金材料Mtは、プリフォーム6の繊維間の空隙に充填された後硬化することで高剛性部5を形成し、エネルギ吸収部材の本体Eが完成する。
成形空間19内に充填された合金材料Mtは、プリフォーム6の繊維間の空隙に充填された後硬化することで高剛性部5を形成し、エネルギ吸収部材の本体Eが完成する。
図8及び図9に基づいて、エネルギ吸収部材のエネルギ吸収作用について説明する。
図8aは衝突前のエネルギ吸収部材の本体Eの状態、図8bは拡径・縮径変形途中の状態、図8cは拡径・縮径変形後の状態を示す。図9は図8aの要部拡大図を示す。
図8aは衝突前のエネルギ吸収部材の本体Eの状態、図8bは拡径・縮径変形途中の状態、図8cは拡径・縮径変形後の状態を示す。図9は図8aの要部拡大図を示す。
図8aに示すように、筒状の本体Eは筒軸方向の断面が波形形状の高剛性部5が金属母材部4内に一体的に埋設されて形成されている。衝撃荷重が入力される前における本体Eの外周の半径はLa、内周の半径はlaである。
図8bに示すように、衝撃荷重INが軸心方向上方から入力されたとき、高剛性部5は、波形形状の山部5mと谷部5lとを基点として折り畳まれるように図面上、上方から下方に向かって塑性変形していく。一方、金属母材部4は、折り畳まれる高剛性部5によって、軸心に対して垂直となる径方向に押出され、拡径・縮径変形する。これにより、高剛性部5から内側の金属母材部分は内径方向、外側の金属母材部分は外径方向に移動する。このとき、内周及び外周夫々の半径は、lb<la及びLa<Lbとなっている。
更に、高剛性部5の折り畳みに伴い金属母材部4の拡径・縮径変形が進行し、衝撃荷重INのエネルギ吸収が完了する。図8cに示すように、内周及び外周夫々の半径は、lc<lb<la及びLa<Lb<Lcとなっている。つまり、衝撃荷重INの入力が大きい程、金属母材部4の内周面は内径方向に突出、所謂縮径変形し、金属母材部4の外周面は外径方向に突出、所謂拡径変形することでエネルギ吸収を行っている。
前記衝撃吸収のメカニズムを、図9により、更に詳細に説明する。尚、便宜上、高剛性部5の所定領域における山部5mと谷部5lとの間を夫々5a,5b,5c,5dとする。更に、5aと5bとに挟まれる金属母材部4の内径側所定部位A、5bと5cとに挟まれる金属母材部4の外径側所定部位B、5cと5dとに挟まれる金属母材部4の内径側所定部位Cとし、衝撃荷重INは上方から入力されるものとする。
プリフォーム6の体積率Vfが25%の範囲で設定されているため、金属母材部4はプリフォーム6の表面近傍部分に侵入しており、高剛性部5a,5b,5c,5dは表面部分の強度は高く、その内部は表面部分に比べて強度が低くなっている。尚、体積率Vfが30%を超えない範囲とされているため、高剛性部5a,5b,5c,5dの表面部は充分な強度を確保している。
高剛性部5は本体Eの一端から他端に亙って、金属母材部4と同様に連続して設けられているため、一端に入力された衝撃荷重INは高剛性部5a,5b,5c,5d等を折り畳み変形させながら伝播して他端に伝達される。荷重が伝達される際、山部5mが存在するため、高剛性部5a,5bは山部5mを基点として両者が形成する角度が減少、所謂高剛性部5a,5bが形成する空間を閉じる状態となる。
衝撃荷重INの入力前は、高剛性部5a,5bの表面と部位Aの表面とは、金属母材部4がプリフォーム6の空隙に充填されているため、所定の結合力で結合している。荷重の入力による高剛性部5a,5bの変形によって、高剛性部5a,5bの表面と部位Aの表面との間に剪断力が発生する。この剪断力が金属母材部4とプリフォーム6との結合力を超えると共に高剛性部5a,5bの圧縮力が金属母材部4の強度よりも大きくなったとき、矢印で示すように部位Aが内径方向に向かって縮径変形を開始する。
同様に、高剛性部5b,5cが谷部5lを基点として変形を開始し、一定の変形量を超えたとき、部位Bの外径方向への拡径変形が生じる。部位Cも同様である。(図9の矢印参照)以上の説明のように、高剛性部5によって、一端に入力された衝撃荷重INを他端まで伝達することができ、この伝達を利用して高剛性部5の拡径・縮径変形を生じさせている。つまり、衝撃荷重INの入力角度に拘らず、入力荷重は本体E全体に亙って伝達され、金属母材部4の径方向の塑性変形を生じさせることができる。
図10に基づいて、実施例2に係るエネルギ吸収部材の本体E2について説明する。尚、実施例1と同様の部材は同様の符号を付している。実施例1との相違点は、実施例1では高剛性部5をプリフォーム6の空隙に金属母材部4を充填したのに対し、本実施例2では鋼板を用いている点である。
図10に示すように、本体E2は、筒状の金属母材部4と、この金属母材部4内に一体的に埋設された高剛性部22によって構成されている。
金属母材部4は、エネルギ吸収に必要な延性に優れたAl合金製鋳物で構成される。高剛性部22は、筒状体で、筒軸を含む平面における断面形状が波形形状の鋼板で構成されている。
また、高剛性部22の軸心C22は金属母材部4の軸心C4と同一直線となっている。
また、高剛性部22の軸心C22は金属母材部4の軸心C4と同一直線となっている。
高剛性部22は、鋼板を波形状の成形面を有するプレス型によって断面波形形状とされ、この波形鋼板を筒軸方向の断面が波形形状となるように筒状体に形成することで構成されている。この筒状体を実施例1と同様の金型を用いて、金属母材部4内に一体的に鋳ぐるむことで本体E2は構成されている。
以上の構成により、鋼板をプレス成形し、これを金型鋳造することでエネルギ吸収部材の本体E2を得ることができ、エネルギ吸収特性を容易に製造することができる。また、鋼板に、低融点金属めっきを行い、エネルギ吸収特性を更に向上させることも可能である。めっきの種類として、亜鉛めっき、Zn−Al,Zn−Al−Mg,Sn−Zn等の亜鉛合金めっきが適している。
当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
1 車両
2 フロントフレーム
3 クラッシュカン
4 金属母材
5,22 高剛性部
6 プリフォーム
E,E2 (エネルギ吸収部材の)本体
2 フロントフレーム
3 クラッシュカン
4 金属母材
5,22 高剛性部
6 プリフォーム
E,E2 (エネルギ吸収部材の)本体
Claims (5)
- 筒状の本体を有する衝撃エネルギ吸収部材において、
前記本体は、金属母材部と、この金属母材部よりも強度が高く且つこの金属母材部内に略同心状に一体化されると共に筒軸を含む平面における断面が波形形状とされる筒状の高剛性部とから構成され、
前記高剛性部は、前記本体に筒軸方向の圧縮荷重が入力したとき、筒軸方向に折り畳み変形すると共に、前記金属母材部を拡径変形及び縮径変形させることを特徴とする衝撃エネルギ吸収部材。 - 前記金属母材部はAl合金製鋳物であり、前記高剛性部は筒状の強化繊維成形体の空隙にAl合金材料を充填して形成されたことを特徴とする請求項1に記載の衝撃エネルギ吸収部材。
- 前記金属母材部はAl合金製鋳物であり、前記高剛性部は前記Al合金製鋳物で鋳ぐるまれた筒状の鋼板であることを特徴とする請求項1に記載の衝撃エネルギ吸収部材。
- 前記金属母材部は、Al−Mn−Fe−Mg系合金製鋳物であることを特徴とする請求項2又は3に記載の衝撃エネルギ吸収部材。
- 衝撃エネルギ吸収部材は、車両のフロントフレーム、又はクラッシュカンであることを特徴とする請求項1に記載の衝撃エネルギ吸収部材。
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---|---|---|---|
JP2008193498A JP2010031936A (ja) | 2008-07-28 | 2008-07-28 | 衝撃エネルギ吸収部材 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109941345A (zh) * | 2017-10-13 | 2019-06-28 | 长沙义和车桥有限公司 | 一种双变形吸能车架结构 |
-
2008
- 2008-07-28 JP JP2008193498A patent/JP2010031936A/ja active Pending
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