JP2010031933A - ダンパ装置及びダンパスプリング - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ダンパ装置30は、クラッチピストン21と作動部材25との相対回転により圧縮されるダンパスプリング35と、クラッチピストン21と作動部材25とに対して相対回転可能でかつダンパスプリング35の一端部と共に連れ回し可能に設けられ、該ダンパスプリング35の一端部を収容する収容凹部31cを有する第1のプレート31と、クラッチピストン21と作動部材25とに対して相対回転可能でかつダンパスプリング35の他端部と共に連れ回し可能に設けられ、該ダンパスプリング35の他端部を収容する収容凹部32cを有する第2のプレート32とを備える。
【選択図】図2
Description
図19に示すように、ロックアップクラッチ110は、トルコンカバー105に対して連結位置と非連結位置とで移動可能なクラッチピストン111と、クラッチピストン111の収容凹部に収容されたダンパスプリング112と、トルコンカバー105内のタービン(図示しない)に設けられた作動部材116とを備えている。ダンパスプリング112の外側面と対向する収容凹部の外周壁部117aを構成するとともにクラッチピストン111とは別体とされ、当該クラッチピストン111に対して相対的に移動可能とされた別体部材117を備えている。
すなわち、特許請求の範囲の請求項1に記載されたダンパ装置は、二部材の相対回転により圧縮されるダンパスプリングと、前記二部材に対して相対回転可能でかつ前記ダンパスプリングの一端部と共に連れ回し可能に設けられ、該ダンパスプリングの一端部を収容する収容凹部を有する第1の従動部材と、前記二部材に対して相対回転可能でかつ前記ダンパスプリングの他端部と共に連れ回し可能に設けられ、該ダンパスプリングの他端部を収容する収容凹部を有する第2の従動部材とを備えている。
このように構成すると、二部材の相対回転によりダンパスプリングが圧縮されるときは、そのスプリングの一方の端部を不動側として他方の端部が移動側として移動される。これにともない、ダンパスプリングの移動側の端部と共に、その端部を収容する収容凹部を有する従動部材が連れ回される。このため、ダンパスプリングの移動側の端部と、その端部と共に連れ回される従動部材の収容凹部の壁面との間の摺動を抑制することができる。したがって、ヒステリシスを低減してトルク変動の吸収性能を向上することができる。
このように構成すると、圧縮時のダンパスプリングの中間部と共に、その中間部を収容する収容凹部を有する少なくとも1つ以上の中間の従動部材が連れ回される。このため、ダンパスプリングの中間部と、その中間部と共に連れ回される従動部材の収容凹部の壁面との間の摺動を抑制することができる。
このように構成すると、圧縮時のダンパスプリングの移動側の部分と共に当該従動部材を連れ回すために用いる特別な部品を不要とすることができる。
このように構成すると、ダンパスプリングの両端部が両従動部材の収容凹部の外周側壁部に押圧しやすく、その両端部以外の部分が両従動部材の収容凹部の外周側壁部に接触しにくい非接触部となる。したがって、ダンパ装置に好適なダンパスプリングを提供することができる。
[実施例1]
本発明の実施例1を説明する。本実施例では、トルクコンバータのロックアップクラッチに適用されたダンパ装置を例示する。説明の都合上、トルクコンバータを説明した後、ロックアップクラッチを説明する。なお、図1はトルクコンバータを示す側断面図である。説明の都合上、図1において、右側を前側、左側を後側として説明を行う。
また、ダンパスプリング35の弾性復元にともなって移動側のプレートは、原点位置に戻されるものとする。
図10において、横軸は捩り角度(rad)を示し、縦軸はトルク(Nm)を示している。また、実線Aは本実施例の解析結果が示され、破線Bは両プレート31,32を省略した比較例の解析結果が示されている。
図10から明らかなように、本実施例(実線A参照)のものは、比較例(破線B参照)のものよりも、立ち上がりでヒステリシスが半減されており、除荷側でも2−3割程度のヒステリシスが低減されていることがわかる。したがって、本実施例によれば、ダンパスプリング35のヒステリシスが低減されるものであり、トルク変動の吸収性能が向上されるものと認められる。
本発明の実施例2を説明する。本実施例は、前記実施例1に変更を加えたものであるから、その変更部分について説明し、重複する説明は省略する。また、以降の実施例についても、その変更部分について説明し、重複する説明は省略する。なお、図11はロックアップクラッチを一部破断して示す正面図、図12は第1のプレート及び第2のプレートのスプリングシート部を示す斜視図である。
図11及び図12に示すように、本実施例は、前記実施例1におけるスプリングシート36を省略し、各プレート31,32のばね保持片31b,32bに、ダンパスプリング35の端面を受止め可能なスプリングシート部31d,32dを一体形成したものである。スプリングシート部31d,32dは、収容凹部31c,32cの当該端面を閉鎖するように形成されている。このように構成すると、スプリングシート36を省略することにより、部品点数及び組付工数を低減することができる。
本発明の実施例3を説明する。本実施例は、前記実施例1に変更を加えたものである。なお、図13はロックアップクラッチを一部破断して示す正面図、図14は図13のXIV−XIV線矢視断面図、図15は図14のXV−XV線矢視断面図、図16はロックアップクラッチの構成部品を示す分解斜視図である。
図13に示すように、本実施例は、前記実施例1(図2参照)における両プレート31,32の各ばね保持片31b,32bの周方向の長さすなわち角度を2/3程度小さくしている(図16参照)。そして、クラッチピストン21と第2のプレート32との間に第3のプレート33を追加したものである。なお、第3のプレート33は、本明細書でいう「中間の従動部材」に相当する。
本発明の実施例4を説明する。本実施例は、前記実施例1に変更を加えたものである。なお、図17はロックアップクラッチを一部破断して示す正面図、図18はダンパスプリングを示す正面図である。
図17に示すように、本実施例は、前記実施例1におけるダンパスプリング35を、図18に示すダンパスプリング(符号、40を付す)に変更したものである。ダンパスプリング40は、両プレート31,32の収容凹部31c,32cにそれぞれ対応する両端部のコイル外径40d1(図18参照)が、中央部のコイル外径40d2よりも大径化された圧縮コイルばねからなる。なお、ダンパスプリング40の内側縁が一円周線L上に位置するように、両端部の軸線40C1が中央部の軸線40C2よりも径方向外方へ偏心されている。また、ダンパスプリング40のコイル外径40d1の両端部は、所定のスプリング長さに亘って形成されているものとする。
20 ロックアップクラッチ
21 クラッチピストン
25 作動部材
30 ダンパ装置
31 第1のプレート(第1の従動部材)
31c 収容凹部
32 第2のプレート(第2の従動部材)
32c 収容凹部
33 第3のプレート(中間の従動部材)
33c 収容凹部
35 ダンパスプリング
36 スプリングシート
40 ダンパスプリング
Claims (4)
- 二部材の相対回転により圧縮されるダンパスプリングと、
前記二部材に対して相対回転可能でかつ前記ダンパスプリングの一端部と共に連れ回し可能に設けられ、該ダンパスプリングの一端部を収容する収容凹部を有する第1の従動部材と、
前記二部材に対して相対回転可能でかつ前記ダンパスプリングの他端部と共に連れ回し可能に設けられ、該ダンパスプリングの他端部を収容する収容凹部を有する第2の従動部材と
を備えていることを特徴とするダンパ装置。 - 請求項1に記載のダンパ装置であって、
前記二部材に対して相対回転可能でかつ前記ダンパスプリングの中間部と共に連れ回し可能に設けられ、該ダンパスプリングの中間部を収容する収容凹部を有する少なくとも1つ以上の中間の従動部材を備えていることを特徴とするダンパ装置。 - 請求項1又は2に記載のダンパ装置であって、
前記ダンパスプリングの遠心力による変位及び変形並びに圧縮による変形のうちの少なくとも1つにより、前記収容凹部の外周側壁部に前記ダンパスプリングの当該部分が押付けられる構成としたことを特徴とするダンパ装置。 - 二部材に対して相対回転可能な第1の従動部材及び第2の従動部材に設けられた収容凹部内に両端部が収容され、前記二部材の相対回転により圧縮される、ダンパ装置に用いられるダンパスプリングであって、
前記両端部のコイル外径がその両端部以外の部分のコイル外径よりも大径化された圧縮コイルばねからなることを特徴とする、ダンパ装置に用いられるダンパスプリング。
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