JP2010031257A5 - ポリアミド樹脂組成物からなるペレットおよび難燃性樹脂成形品 - Google Patents

ポリアミド樹脂組成物からなるペレットおよび難燃性樹脂成形品 Download PDF

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本発明は、高い難燃性、電磁波シールド性、耐衝撃性、成形加工性を兼ね備えた樹脂組成物からなるペレットおよびその成形品に関するものである。
本発明者らは、上記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、ポリアミド樹脂と、炭素繊維、カーボンブラック、有機リン系難燃剤を適当量配合することにより達成できることを見出した。すなわち上記課題は、
ポリアミド樹脂組成物100重量%に対して、
(A)ポリアミド樹脂、
(B)炭素繊維8〜40重量%、
(C)カーボンブラック2〜10重量%、
(D)有機リン系難燃剤13〜30重量%
(F)酸化亜鉛、ホウ酸亜鉛、硫化亜鉛、ステアリン酸亜鉛、モンタン酸亜鉛から選ばれる1種または2種以上の亜鉛化合物を0.1〜5重量%
を含有してなるポリアミド樹脂組成物からなるペレットであって、当該ペレット中の成分(B)の重量平均繊維長が3〜15mmであるペレット、
により解決される。
本発明の樹脂組成物に更に成分(F)として亜鉛化合物が含有されていると、本発明の主目的である難燃性を効果的に向上できる。その理由については判明していないが、成分(F)を成分(D)と併用することで難燃性を保持したまま成分(D)を減量することが可能となり、薄肉成形性および耐衝撃性の向上が可能となる。亜鉛化合物は酸化亜鉛、ホウ酸亜鉛、硫化亜鉛、ステアリン酸亜鉛、モンタン酸亜鉛から選ばれる1種または2種以上の混合物である。亜鉛化合物は、樹脂組成物100重量%に対して0.1〜5重量%の範囲で配合されていることが好ましい。0.1重量%未満では難燃性が劣ることがあり、5重量%超では耐衝撃性が劣ることがある。
本発明の樹脂組成物からなるペレット中の成分(B)は、重量平均繊維長が3〜15mmである。この繊維長を有すると、射出成形品にしたときの成形品中の成分(B)の繊維長を長く保持できるため、難燃性、電磁波シールド性、耐衝撃性の向上が可能となる。射出成形によって得られた成形品中の成分(B)の重量平均繊維長は0.3〜2mmであることが好ましい。通常市販されている例えば2軸押出機でコンパウンドされた炭素繊維強化材ペレット中の繊維長はたかだか0.2〜0.3mmでしかなく、この程度の繊維長では前述した特性を十分に発現することは出来ない。
本発明にかかるポリアミド樹脂組成物からなるペレットを成形して得られる成形品は、UL94規格における燃焼性が0.8mm厚みでV−0であることがより好ましい。電気電子分野の一部の成形品では難燃性が要求されており、特に、パソコン、デジタルビデオカメラ、液晶プロジェクターなど発熱しうる装置を含む機器の筐体は、UL94規格でV−0であることが好ましい。ここでUL94規格とは、アンダーライターズ・ラボラトリーで定められたプラスチックス材料の燃焼性試験の規格であり、世界的規格として普及され、日本でも法的な拘束力はないものの成形品材料の使用可否判断として一般的に用いられている。
本発明のポリアミド樹脂組成物からなるペレットを射出成形、押出成形、圧縮成形などの方法で成形することによって成形品を得ることができる。なかでも射出成形は、ウエルド部やヒンジ部を有する成形品やインサート成形品などの複雑な形状の成形品や薄肉成形品であっても、高い寸法精度で量産できる点で特に好適である。
実施例1〜3、比較例1、2、4〜9、参考例1〜3
表1に示す割合で成分(A)、(C)、(D)、(F)を2軸押出機にてコンパウンドし、マスターペレットを製造する。
Figure 2010031257
比較例1,4、参考例1〜3のいずれの材料も、0.8mm厚の燃焼性はV−0を達成した。充填下限圧も高くならず薄肉部分も寸法精度よく成形できた。また、EMIシールド性も39dB以上と高い電磁波シールド性を発現でき、同時にIzod衝撃強度も高い値を発現できた。このように、高い難燃性、薄肉成形性、電磁波シールド性、耐衝撃性のいずれも高いレベルで同時に発現できることがわかった。
一方、比較例2、3、6、8は、燃焼性が難燃レベルV−0を達成できなかった。難燃性は主には成分(D−1)と成分(D−2a)が寄与するものの、成分(D−1)と成分(D−2a)のみを増やしても難燃レベルを満足することはできない。比較例参考例1、また比較例参考例1とをそれぞれ比較すると、成分(C)の存在や、成分(B)の適正範囲の存在によって、難燃レベルを向上させることができたといえる。また、比較例から、成分(B)の平均繊維長も燃焼性に寄与することが確認できた。
一方、比較例5、7は、流動性とIzod衝撃強度に劣っていた。これらの比較例は、成分(A)、成分(B)といった長繊維強化熱可塑性樹脂組成物の主成分以外の添加剤を増量したものであり、繊維強化樹脂が求められる基本的な特性、すなわち流動性や耐衝撃性が十分発現できない条件となった。
また成分(F)を配合した実施例1、2は、参考例2に比べて、少量の成分(D−1)配合で難燃レベルを満足できるので、その他の流動性および耐衝撃性は向上させることが可能となり、本発明における最良の組み合わせであることがわかった。
[比較例
溶融樹脂が含浸された成分(B)の炭素繊維束を含有した樹脂ストランドを、カッターで2.5mmの長さに切断した以外は、実施例2と同じ方法で作製、評価を行った。V−0不合格の他に、EMIシールド性、Izod衝撃強度が大きく劣っていた。
次に、比較例4のペレットを射出成形し、幅300mm、長さ180mm、高さ10mmの箱形成形品を得た。平均厚みは1.2mmであり、KEC法における電界シールド性は1GHz帯において40dBであった。また、この筐体は、手に持った感触から軽量かつ高剛性であった。また、得られた成形品中の炭素繊維の平均繊維長は0.6mmであった。
[実施例
マスターペレット製造に際し、樹脂組成物100重量%に対して成分(G)を0.2重量%配合した以外は、実施例と同様の方法で長繊維ペレットを作製、評価を行った。燃焼性、流動性、電波シールド性、耐衝撃性はいずれも実施例と同等の値であった。また、この長繊維ペレット50gと5×10mmの銀端子を200mlのガラス容器に入れ密封し、280℃で10分間熱処理した後の銀端子の抵抗値(未処理時の抵抗値は0.7mΩ)を測定することで金属腐食テストを行った結果、5mΩであったが、実施例の長繊維ペレットを用いた場合は20mΩであった。このように成分(G)を配合することで金属腐食を抑制する効果が確認された。

Claims (6)

  1. ポリアミド樹脂組成物100重量%に対して、
    (A)ポリアミド樹脂、
    (B)炭素繊維8〜40重量%、
    (C)カーボンブラック2〜10重量%、
    (D)有機リン系難燃剤13〜30重量%、
    (F)酸化亜鉛、ホウ酸亜鉛、硫化亜鉛、ステアリン酸亜鉛、モンタン酸亜鉛から選ばれる1種または2種以上の亜鉛化合物を0.1〜5重量%
    を含有してなるポリアミド樹脂組成物からなるペレットであって、当該ペレット中の成分(B)の重量平均繊維長が3〜15mmであるペレット
  2. ポリアミド樹脂組成物が、さらに(E)フェノール系重合体を1.6〜8重量%を含有する請求項1に記載のペレット。
  3. 成分(D)がメラミンフォスフェート化合物および/またはフォスフィン酸金属塩化合物を含有する難燃剤である請求項1〜2のいずれかに記載のペレット。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のペレットを射出成形してなる難燃性樹脂成形品。
  5. 成形品中の炭素繊維の重量平均繊維長が0.3〜2mmである請求項4に記載の難燃性樹脂成形品。
  6. UL94規格における燃焼性が0.8mm厚みでV−0である請求項4または5記載の難燃性樹脂成形品。
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