JP2010031176A - 樹脂組成物、樹脂フィルム、積層フィルム及びプリント配線板 - Google Patents

樹脂組成物、樹脂フィルム、積層フィルム及びプリント配線板 Download PDF

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Abstract

【課題】基材上に塗工され、樹脂フィルムとされた場合に、樹脂フィルムのハンドリング性を高めることができ、かつ硬化後の硬化物の表面の平坦性を高めることができる樹脂組成物、並びに該樹脂組成物を用いた積層フィルムを提供する。
【解決手段】液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂と、フェノール系硬化剤と、無機充填材と、溶剤とを含有し、硬化剤が、フェノール系硬化剤及びナフトール系硬化剤の内の少なくとも一つであり、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、硬化剤及び無機充填材の合計100重量%中に、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂と硬化剤とを合計で40重量%以上の割合で含有し、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂の硬化剤に対する配合比が、重量比で1.0〜2.5の範囲内にある樹脂組成物、並びに該樹脂組成物により形成された樹脂フィルム3と基材2とを備える積層フィルム1。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、単層又は多層のプリント配線板の絶縁層等を形成するのに用いられる樹脂組成物であって、より詳細には、硬化後の硬化物の表面の平坦性を高めることができる樹脂組成物、並びに該樹脂組成物を用いた樹脂フィルム、積層フィルム及びプリント配線板に関する。
近年の電気機器の小型化及び高性能化の要望に伴って、該電気機器に用いられる多層プリント配線板等では、小型化及び高密度化が進行している。
上記多層プリント配線板は、積層された複数の絶縁層と、該絶縁層間に配置されたパターン状の金属配線とを備える。従来、この絶縁層を形成するために、様々な熱硬化性樹脂組成物が用いられている。
上記金属配線が形成される絶縁層の表面は、平坦であることが好ましい。特に微細な配線を形成する場合、上記絶縁層には、表面が平坦であることが強く求められる。
しかしながら、従来の熱硬化性樹脂組成物では、硬化されたときに熱収縮しやすかった。このため、硬化物の表面の平坦性を充分に確保することが困難であった。近年、硬化物の表面の平坦性を高めるための検討がなされている。
例えば、下記の特許文献1には、エポキシ樹脂と、トリアジン変性フェノールノボラック樹脂と、ベンゾオキサジン樹脂と、ガラス転移温度Tgが120℃以上のフェノキシ樹脂と、フィラーとを含む熱硬化性樹脂組成物が開示されている。上記エポキシ樹脂100重量%中には、25℃での粘度が1〜120Pa・sの液状エポキシ樹脂が20〜70重量%の範囲内で含有されている。ここでは、上記の液状エポキシ樹脂を含有させることにより、硬化物の表面の平坦性を高めることができると記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載の熱硬化性樹脂組成物を用いた場合でも、硬化物の表面を充分に平坦にすることは困難であった。
特開2008−37957号公報
本発明の目的は、例えば基材上に塗工され、樹脂フィルムとされた場合に、樹脂フィルムのハンドリング性を高めることができ、かつ硬化後の硬化物の表面の平坦性を高めることができる樹脂組成物、並びに該樹脂組成物を用いた樹脂フィルム、積層フィルム及びプリント配線板を提供することにある。
本発明によれば、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂と、フェノール系硬化剤と、無機充填材と、溶剤とを含有し、前記液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、前記フェノール系硬化剤及び前記無機充填材の合計100重量%中に、前記液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂と前記フェノール系硬化剤とを合計で40重量%以上の割合で含有し、前記液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂の前記フェノール系硬化剤に対する配合比が、重量比で1.0〜2.5の範囲内にあることを特徴とする、樹脂組成物が提供される。
本発明に係る樹脂組成物のある特定の局面では、樹脂組成物に含まれている前記溶剤以外の成分の合計100重量%中に、前記液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂が20重量%以上の割合で含有されている。
本発明に係る樹脂組成物のある特定の局面では、前記無機充填材は、シランカップリング剤により表面処理されている。
本発明に係る樹脂組成物の他の特定の局面では、前記無機充填材の平均粒子径は、10nm〜5μmの範囲内にある。
本発明に係る樹脂組成物のさらに他の特定の局面では、前記液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、前記フェノール系硬化剤及び前記無機充填材の合計100重量%中に、前記液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂と前記フェノール系硬化剤とが合計で40〜90重量%の範囲内で、かつ前記無機充填材が10〜60重量%の範囲内で含有される。
本発明に係る樹脂フィルムは、本発明の樹脂組成物により形成された樹脂フィルムであって、前記溶剤を含まないか、又は前記溶剤を5重量%以下の割合で含むことを特徴とする。
本発明に係る積層フィルムは、基材フィルムと、該基材フィルム上に積層されており、かつ本発明の樹脂組成物により形成された樹脂フィルムとを備え、前記樹脂フィルムが、前記溶剤を含まないか、又は前記溶剤を5重量%以下の割合で含むことを特徴とする。
本発明に係るプリント配線板は、本発明に従って構成された樹脂フィルムを硬化させることにより得られた絶縁層を備えることを特徴とする。
本発明に係る樹脂組成物は、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂とフェノール系硬化剤とを上記特定の割合で含有するため、例えば基材上に塗工され、樹脂フィルムとされた場合に、樹脂フィルムのハンドリング性を高めることができる。さらに、本発明に係る樹脂組成物を硬化させることにより、表面の平坦性に優れた硬化物を得ることができる。
従って、本発明に係る樹脂組成物を、例えばプリント配線板等の絶縁層を形成するのに用いた場合に、絶縁層の表面の平坦性を高めることができる。このため、絶縁層の表面に微細な配線を形成できる。
本願発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂と、フェノール系硬化剤とを上記特定の割合で含有し、さらに、無機充填材と、溶剤とを含有する組成を採用することにより、樹脂組成物が基材上に塗工され、樹脂フィルムとされた場合に、樹脂フィルムのハンドリング性を高めることができ、かつ樹脂組成物の硬化物の表面の平坦性を高めることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明に係る樹脂組成物は、液状ビスフェノールA型エポキシ系樹脂と、フェノール系硬化剤と、無機充填材と、溶剤とを含む。樹脂組成物に含まれる成分を以下詳しく述べる。
(液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂)
本発明では、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂が用いられる。液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、25℃で液状である。
上記液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂の25℃での粘度は、0.1〜100Pa・sの範囲内にあることが好ましい。上記粘度が0.1Pa・s未満であると、樹脂フィルムのラミネート時に厚さが薄くなりやすくなるおそれがある。上記粘度が100Pa・sを超えると、樹脂フィルムのハンドリング性が低下することがある。
上記液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂のエポキシ当量は、100〜500の範囲内にあることが好ましい。上記エポキシ当量が100未満であると、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂の反応が進行し易くなるため、樹脂組成物及び樹脂組成物の予備硬化体の保存安定性が著しく低下することがある。上記エポキシ当量が500を超えると、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂の反応が進行にくくなり、樹脂組成物の硬化が充分に進行しないことがある。
樹脂組成物に含まれている上記溶剤以外の成分の合計100重量%中に、前記液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂は20重量%以上の割合で含有されることが好ましい。液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂の量が20重量%未満であると、樹脂フィルムのハンドリング性が低下することがある。
(硬化剤)
本発明では、硬化剤として、フェノール系硬化剤が用いられる。
上記フェノール系硬化剤を上記液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂とともに用いることにより、樹脂組成物が基材上に塗工され、樹脂フィルムとされた場合に、樹脂フィルムのハンドリング性を高めることができる。さらに、樹脂組成物の硬化物の表面の平坦性を高めることができる。
上記フェノール系硬化剤は、エポキシ基に対して高い反応活性を示す。また、上記フェノール系硬化剤を用いた場合には、硬化物のガラス転移温度Tgを比較的高くすることができ、かつ硬化物の耐薬品性を高めることができる。
上記フェノール系硬化剤の具体例としては、ビフェニル型フェノール系硬化剤又はナフトール系硬化剤等が挙げられる。上記フェノール系硬化剤は、ビフェニル型フェノール系硬化剤又はナフトール系硬化剤であることが好ましい。なかでも、ビフェニル型フェノール系硬化剤がより好ましい。
上記フェノール系硬化剤は、1分子中に水酸基を2個以上有することが好ましい。この場合には、硬化物の強度や耐熱性を高めることができる。
上記フェノール系硬化剤の重量平均分子量は、1000〜20000の範囲内にあることが好ましい。上記重量平均分子量が上記の範囲内にある場合には、硬化剤の溶剤への溶解性が高くなり、かつ硬化物の耐熱性及び強度を高めることができる。
上記「重量平均分子量」とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されたポリスチレン換算での重量平均分子量を示す。
上記フェノール系硬化剤の軟化点は、50℃以上であることが好ましい。上記軟化点が50℃未満であると、モノマーの分子量が小さくなる傾向があるため、硬化物の性能が十分とならないことがある。上記軟化点の好ましい上限は、100℃である。軟化点が100℃以上であると、樹脂組成物を作製する際に、硬化剤が溶剤に溶解しないなどの問題が起こる可能性がある。
上記液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、上記フェノール系硬化剤及び上記無機充填材の合計100重量%中に、上記液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂と上記フェノール系硬化剤とは合計で40重量%以上の割合で含有される。上記液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂と上記フェノール系硬化剤との合計量が少なすぎると、樹脂組成物が基材上に塗工され、樹脂フィルムとされた場合に、樹脂フィルムのハンドリング性が低下する。樹脂フィルムのハンドリング性が低下すると、樹脂フィルムが湾曲された場合などに割れやすくなり、かつ製造装置等に樹脂フィルムの切り屑が付着しやすくなる。上記液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、上記フェノール系硬化剤及び上記無機充填材の合計100重量%中に、上記液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂と上記フェノール系硬化剤とは合計で50重量%以上の割合で含有されることが好ましく、55重量%以上の割合で含有されることがより好ましく、60重量%以上の割合で含有されることが特に好ましい。
上記液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂の上記フェノール系硬化剤に対する配合比(液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂/フェノール系硬化剤)は、重量比で1.0〜2.5の範囲内にある。上記配合比が1.0未満であると、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂の量が少なすぎて、硬化物の表面の平坦性を高めることが困難となることがある。上記配合比が2.5を超えると、フェノール系硬化剤の量が少なすぎて、硬化後に未反応の液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂が残存し、硬化物の性能(TgやCTEなど)が不十分となることがある。上記配合比の好ましい下限は1.3であり、好ましい上限は2.4である。上記配合比のより好ましい下限は1.6であり、より好ましい上限は2.2である。
(無機充填材)
本発明に係る樹脂組成物に無機充填材が含有されていることにより、樹脂組成物の硬化物の線膨張率を低くすることができ、かつ硬化物の電気特性を高めることができる。
上記無機充填材として、樹脂組成物に一般に使用されている無機充填材を用いることができる。
上記無機充填材の具体例としては、例えば、窒化アルミミウム、アルミナ、ボロンナイトライト、酸化チタン、マイカ、雲母粉、クレイ、タルク、シリカ又は窒化珪素等が挙げられる。上記シリカとしては、溶融シリカ又は結晶シリカ等が挙げられる。無機充填材は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記無機充填材の形状として、球状、破砕状又はフレーク状等が挙げられる。球状の無機充填材を用いる場合、無機充填材の最大粒子径は10μm以下であることが好ましい。最大粒子径が10μmを超えると、樹脂組成物により絶縁層を形成した場合、1つの無機充填材が隣接する配線の双方に接触されることがある。このため、配線間の電気特性にばらつきが生じて、誤作動の発生又は信頼性の低下の原因となる。
上記無機充填材は、シリカであることが好ましい。シリカは安価である。また、シリカを用いた場合、硬化物の線膨張率を低くすることができ、かつ硬化物の熱放散性を高めることができる。シリカは溶融シリカであることが好ましい。
上記無機充填材の平均粒子径は、10nm〜5μmの範囲内にあることが好ましい。上記平均粒子径が10nm未満であると、樹脂組成物の粘度が高くなり、スルーホール又はビアホール等への樹脂組成物の充填性が低下することがある。上記平均粒子径が5μmを超えると、硬化物の表面の平坦性が低下するおそれがある。上記平均粒子径のより好ましい下限は、100nmである。
上記平均粒子径として、50%となるメディアン径(d50)の値を採用することができる。上記平均粒子径は、レーザー回折散乱方式の粒度分布測定装置を用いて測定することができる。
また、上記無機充填材は、表面処理剤により表面処理されていることが好ましい。表面処理剤により表面処理されている無機充填材を用いた場合、樹脂組成物中での無機充填材の分散性を高めることができる。上記表面処理剤としては、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤又はアルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。
上記表面処理剤は、シランカップリング剤であることが好ましい。上記シランカップリング剤は、アミノ基を有するシラン化合物、メルカプト基を有するシラン化合物、イソシアネート基を有するシラン化合物、酸無水物基を有するシラン化合物及びイソシアヌル酸基を有するシラン化合物からなる群から選択された少なくとも1種であることが好ましい。
上記液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、上記フェノール系硬化剤及び上記無機充填材の合計100重量%中に、上記液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂と上記フェノール系硬化剤とが合計で40〜90重量%の範囲内で、かつ上記無機充填材が10〜60重量%の範囲内で含有されることが好ましい。上記無機充填材の量が少なすぎると、硬化物の表面の平坦性が低下するおそれがある。上記無機充填材の量が多すぎると、樹脂フィルムが脆くなり易いため、樹脂フィルムのハンドリング性を充分に確保できないことがある。
上記液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、上記フェノール系硬化剤及び上記無機充填材の合計100重量%中に、上記無機充填材は50重量%以下の割合で含有されることが好ましく、45重量%以下の割合で含有されることがより好ましく、40重量%以下の割合で含有されることが特に好ましい。
(溶剤)
本発明に係る樹脂組成物に含有されている上記溶剤は、特に限定されない。上記溶剤として、樹脂成分の溶解性が良好な溶剤が適宜選択される。
上記溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン、n−ヘキサン、メタノール、エタノール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセロソルブ、メトキシプロパノール、シクロヘキサノン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、又はエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。溶剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記溶剤は、ジメチルホルムアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ヘキサン又はプロピレングリコールモノメチルエーテルであることが好ましい。これらの好ましい溶剤を用いた場合には、樹脂成分を溶剤により一層容易に溶解させることができる。
上記溶剤の配合量は、例えば樹脂組成物を基材上に塗工し、樹脂組成物を形成する際に、樹脂組成物を均一な厚みに塗工できるように適宜選択される。上記液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、上記フェノール系硬化剤及び上記無機充填材の合計100重量部に対して、上記溶剤は、30〜200重量部の範囲内で含有されることが好ましく、30〜150重量部の範囲内で含有されることがより好ましく、40〜70重量部の範囲内で含有されることがさらに好ましく、50〜60重量部の範囲内で含有されることが特に好ましい。上記溶剤の量が少なすぎると、樹脂組成物の流動性が低すぎて、樹脂組成物を均一な厚みとなるように塗工できないことがある。上記溶剤の量が多すぎると、樹脂組成物の流動性が高すぎて、樹脂組成物を塗工した際に、必要以上に濡れ拡がることがある。
(添加され得る他の成分)
本発明に係る樹脂組成物には、例えば上述した液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂やフェノール系硬化剤以外の硬化剤、各種安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料、難燃剤、酸化防止剤又は可塑剤等の添加剤が添加されてもよい。
液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂として、従来公知のエポキシ系樹脂を用いることができる。例えば、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、インドール−フェノール共縮合エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、エポキシ化ポリブタジエン樹脂、エポキシ化ジシクロペンタジエン樹脂、又はグリシジル(メタ)アクリレートとラジカル重合性モノマーとが共重合されたエポキシ樹脂等が挙げられる。
上記フェノール系硬化剤以外の硬化剤として、従来公知の硬化剤を用いることができる。例えば、ジシアンジアミド、アミン化合物、アミン化合物から合成される化合物、イミダゾール化合物、ヒドラジド化合物、メラミン化合物、酸無水物、フェノール化合物、活性エステル化合物、ベンゾオキサジン化合物、熱潜在性カチオン重合触媒、光潜在性カチオン重合開始剤又はシアネートエステル樹脂等が挙げられる。これらの化合物などの誘導体を用いてもよい。
樹脂成分の相溶性、樹脂組成物の安定性、又は樹脂組成物を使用する際の作業性を高めるために、レベリング剤、非反応性希釈剤、反応性希釈剤、揺変性付与剤又は増粘剤等を樹脂組成物に適宜添加してもよい。
さらに、樹脂組成物には、樹脂組成物の硬化物と該硬化物が接合される層との密着性を高めることができるため、必要に応じて、カップリング剤を添加することができる。
上記カップリング剤としては、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤又はアルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。なかでも、シラン系カップリング剤が好ましい。上記シラン系カップリング剤としては、アミノ基を有するシラン化合物、メルカプト基を有するシラン化合物、イソシアネート基を有するシラン化合物、酸無水物基を有するシラン化合物又はイソシアヌル酸基を有するシラン化合物などが挙げられる。上記シラン系カップリング剤は、アミノ基を有するシラン化合物、メルカプト基を有するシラン化合物、イソシアネート基を有するシラン化合物、酸無水物基を有するシラン化合物及びイソシアヌル酸基を有するシラン化合物からなる群から選択された少なくとも1種であることが好ましい。
樹脂組成物には、高分子樹脂を添加してもよい。該高分子樹脂としては、フェノキシ樹脂、ポリサルホン樹脂又はポリフェニレンエーテル樹脂等が挙げられる。
(樹脂フィルム及び積層フィルム)
図1に、本発明の一実施形態に係る積層フィルムを部分切欠正面断面図で示す。
図1に示すように、積層フィルム1は、基材2と、該基材2の上面2aに積層されている樹脂フィルム3とを備える。樹脂フィルム3は、本発明に係る樹脂組成物により形成されている。
上記基材2としては、樹脂コート紙、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレン(PP)フィルム又は銅箔などの金属箔等が挙げられる。
基板2の上面2aに樹脂フィルム3をラミネートし、基材2を剥離した後、樹脂フィルム3を硬化させたときに、硬化物の表面の平坦性を高めることができるので、基材2の弾性率は高いことが好ましい。弾性率が高い基材としては、銅箔等が挙げられる。
基材2の上面2aは、樹脂フィルム3の下面と接触している。このため、基材2の上面2aの表面粗さは、上記硬化物の表面粗さに影響する。また、基材2の上面2aの表面粗さは、粗化処理された硬化物の表面粗さに影響する。このため、基材2の上面2aの表面粗さは小さいことが好ましい。このため、基材2として、PETフィルムなどのプラスチックフィルムが好適に用いられる。また、基材2として、表面粗さが比較的小さい銅箔も好適に用いられる。
離型性を高めるために、基材2は離型処理されていてもよい。基材2を離型処理する方法としては、シリコン系化合物、フッ素系化合物もしくは界面活性剤等を基材中に含有させる方法、基材の表面に凹凸を付与する方法、又はシリコン系化合物、フッ素系化合物もしくは界面活性剤等の離型性を有する物質を基材の表面に塗布する方法等が挙げられる。基材の表面に凹凸を付与する方法としては、基材の表面にエンボス加工などを施す方法等が挙げられる。
基材2には、安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料、酸化防止剤、レベリング剤又は可塑剤等の添加剤が添加されていてもよい。
基材2の厚みは特に限定されない。基材2の厚みは、10〜200μmの範囲内にあることが好ましい。基材2の厚みが薄いと、張力によって伸びやすくなるため、しわが発生したり、樹脂フィルム3の寸法変化を引き起こしたりしやすくなる。このため、基材2の厚みは20μm以上であることがより好ましい。
樹脂フィルム3は、溶剤を含まないか、溶剤を5重量%以下の割合で含むことが好ましい。溶剤の量が5重量%を超えると、基材2と樹脂フィルム3との接着力が強くなり、樹脂フィルム3を基材2から剥がし難くなることがある。溶剤量が少ないほど、樹脂フィルム3のラミネート後の平坦性を得やすくなる。ただし、溶剤量が少ないほど、樹脂フィルムが硬くなり、樹脂フィルムのハンドリング性が低下するおそれがある。樹脂フィルム3は、溶剤を0.1〜3重量%の範囲内で含むことがより好ましい。なお、樹脂組成物を乾燥させることにより、溶剤の一部又は全部が除去されるため、溶剤を含まないか、又は溶剤を5重量%以下の割合で含む樹脂フィルム3が得られる。
樹脂フィルム3の厚みは、10〜200μmの範囲内にあることが好ましい。樹脂フィルム3の厚みが上記範囲内にある場合には、プリント配線板等の絶縁層を形成するのに樹脂フィルム3を好適に使用できる。
積層フィルム1は、例えば以下のようにして製造できる。
上記樹脂組成物を基材2の上面2aに塗工する。塗工後、基材2の上面に塗工された樹脂組成物を80〜150℃程度で乾燥し、樹脂組成物の硬化を進行させるとともに、一部又は全部の溶剤を除去する。このようにして、基材2の上面2aに、半硬化状態の樹脂フィルム3を形成できる。半硬化状態にある樹脂フィルム3は、Bステージフィルムと呼ばれることがある。上記乾燥温度は100℃程度である。上記乾燥時間は30秒〜10分程度である。
また、本発明に係る樹脂組成物を用いて、基材を有しない樹脂フィルムを形成してもよい。
樹脂フィルム3の他の製造方法としては、押出成形法、又は押出成形法以外の従来公知のフィルム成形法等が挙げられる。
上記押出成形法では、上記液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、上記フェノール系硬化剤、上記無機充填材、上記溶剤及び必要に応じて配合される材料を、押出機にて溶融混練した後、押出し、Tダイやサーキュラーダイ等を用いてフィルム状に成形することにより、樹脂フィルムを得ることができる。
(多層プリント配線板)
積層フィルム1は、単層又は多層のプリント配線板の絶縁層等を形成するのに用いられる。
図2に、本発明の一実施形態に係る多層プリント配線板を模式的に正面断面図で示す。
図2に示すプリント多層プリント配線板11は、基板12の上面12aに、複数の絶縁層3Aが積層されている。絶縁層3Aは、樹脂フィルム3を硬化させた硬化物により形成されている。
最上層の絶縁層3A以外の絶縁層3Aの上面3aには、一部の領域に金属配線13が形成されている。絶縁層3Aの各層間に、金属配線13が配置されている。下方の金属配線13と上方の金属配線13とは、図示しないビアホール接続及びスルーホール接続の内の少なくとも一方により互いに接続されている。
上記プリント配線多層基板11を製造する際には、図3(a)に示すように、先ず、基板12の上面12aに、樹脂フィルム3を対向させつつ、ラミネートする。また、基板12の上面12aに積層された樹脂フィルム3をプレスする。
上記ラミネート及びプレスに用いられるラミネーター又はプレス機は特に限定されない。ラミネーター又はプレス機としては、名機製作所社製の真空加圧式ラミネーター、北川精機社製の真空プレス機、又はミカドテクノス社製のクイック式真空プレス機等が挙げられる。
上記ラミネートの温度は、40〜200℃の範囲内にあることが好ましい。上記温度が低すぎると、樹脂フィルム3の上面3aの平坦性が得られ難いことがある。また、上記温度が低すぎると、樹脂フィルム3と基板12の上面12aとの密着性が得られ難いことがある。上記温度が高すぎると、樹脂フィルム3の上面3aの平坦性が得られ難いことがある。また、上記温度が高すぎると、樹脂フィルム3の硬化反応が進行しやすい。このため、樹脂フィルム3が積層される表面に凹凸がある場合、該凹凸への樹脂フィルム3の充填性が低下することがある。上記温度の好ましい下限は50℃であり、好ましい上限は170℃であり、より好ましい上限は100℃である。
上記プレスの圧力は、0.1〜30MPaの範囲内にあることが好ましい。上記圧力が低すぎると、樹脂フィルム3の上面3aを充分に平坦にできなかったり、樹脂フィルム3が積層される表面に凹凸がある場合、該凹凸への樹脂フィルム3の充填性が低下したりするおそれがある。上記圧力が高すぎると、樹脂フィルム3が積層される表面に凹凸がある場合、該凹凸により樹脂フィルム3に加わる圧力が部分的に大きく異なりやすい。このため、樹脂フィルム3に厚みむらが生じやすく、樹脂フィルム3の上面3aを充分に平坦にできないことがある。上記圧力の好ましい下限は0.3MPaであり、好ましい上限は15MPaである。
上記プレスの時間は特に限定されない。上記プレスの時間は、6秒〜60分の範囲内にあることが好ましい。該時間がこの範囲内にあることにより、作業効率を高めることができる。さらに、樹脂フィルム3が積層される表面に凹凸がある場合、該凹凸に樹脂フィルム3を充分に充填させることができ、かつ樹脂フィルムの上面3aの平坦性を確保できる。
基板12の上面12aに樹脂フィルム3を積層した後、キュア工程が行われる。
キュア工程では、樹脂フィルム3を加熱し、硬化させる。加熱にはオーブン等が用いられる。樹脂フィルム3が加熱されると、図3(b)に示すように、基板12の上面12aに、樹脂フィルム3が硬化された硬化物層により絶縁層3Aが形成される。
キュア工程での加熱温度は、60〜200℃の範囲内にあることが好ましい。上記加熱温度が低すぎると、樹脂フィルム3が充分に硬化しないことがある。上記加熱温度が高すぎると、樹脂フィルム3が熱収縮しやすくなる。このため、絶縁層3Aの上面3aの平坦性を充分に確保できないことがある。上記加熱温度のより好ましい下限は80℃であり、より好ましい上限は180℃である。上記加熱温度が高すぎると、後述する粗化処理が困難になるおそれがある。
キュア工程での加熱時間は、30〜120分の範囲内にあることが好ましい。上記加熱時間が短すぎると、樹脂フィルム3が充分に硬化しないことがある。上記加熱時間が長すぎると、後述する粗化処理が困難になるおそれがある。
上記加熱に際に、コンベア式高温炉等を用いて、ある一定の速度で昇温させるステップキュア法等を用いてもよい。
キュア工程の後、絶縁層3Aは、膨潤処理及び粗化処理される。ただし、硬化物層3Aは、必ずしも膨潤処理及び粗化処理されなくてもよい。また、硬化物層3Aは膨潤処理されずに、粗化処理のみされてもよい。
絶縁層3Aを膨潤処理する方法は、特に限定されない。膨潤処理は従来公知の手法により行われる。例えば、エチレングリコール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホシキド、N−メチル2ピロリドン、ピリジン、硫酸もしくはスルホン酸などを主成分として含む水溶液又は有機溶媒分散液により絶縁層3Aを処理する方法等が挙げられる。なかでも、エチレングリコールを含む水溶液中で上記絶縁層3Aを処理する方法が好ましい。膨潤処理の条件は、50〜85℃で1〜20分間程度の条件である。膨潤処理の条件は50〜85℃で1〜20分間の条件であることが好ましい。
絶縁層3Aを粗化処理する方法は、特に限定されない。粗化処理は従来公知の手法により行われる。例えば、マンガン化合物、クロム化合物もしくは過硫酸化合物等を主成分として含む化学酸化剤の水溶液又は有機溶媒分散液により絶縁層3Aを処理する方法が挙げられる。
上記マンガン化合物としては、過マンガン酸カリウム又は過マンガン酸ナトリウム等が挙げられる。上記クロム化合物としては、重クロム酸カリウム又は無水クロム酸カリウム等が挙げられる。上記過硫酸化合物としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム又は過硫酸アンモニウム等が挙げられる。
なかでも、70〜85℃で1又は2回、30〜90g/L過マンガン酸又は過マンガン酸塩溶液及び30〜90g/L水酸化ナトリウム溶液中で絶縁層3Aを浸漬揺動させる方法が好ましい。
図3(c)に示すように、上記粗化処理された絶縁層3Aの上面3aには、金属配線13が形成される。金属配線13を形成する方法は特に限定されない。絶縁層3Aの上面3aに無電解めっきを行ったり、無電解めっきを行った後、電解めっきをさらに行ったりすることにより、金属配線13を形成できる。無電解めっきを行う前に、絶縁層3Aの上面3aをプラズマ処理又は薬品処理することにより、上面3aに微細な凹凸を形成してもよい。
上記めっき材料としては、例えば、金、銀、銅、ロジウム、パラジウム、ニッケル又は錫などが挙げられる。これらの2種類以上の合金を用いてもよく、また、2種類以上のめっき材料により複数層の金属層を形成してもよい。
図3(d)に示すように、上面3aに金属配線13が形成された絶縁層3Aの上面3aに、別の樹脂フィルム3を積層した後、上述の各工程を繰り返して行うことにより、図2に示す多層プリント配線板11を得ることができる。
ところで、多層プリント配線板の絶縁層を、従来の樹脂組成物により形成した場合には、絶縁層を充分に平坦にできなかった。従来の樹脂組成物を用いた場合、図4に示すように、基板101の上面に積層された絶縁層103〜106の表面に、うねりが生じやすかった。特に絶縁層の積層数が多いほど、上層にいくにつれ、絶縁層103〜106の表面に大きなうねりが生じやすかった。
これに対し、本実施形態では、絶縁層3Aの表面の平坦性を高めることができる。例えば、絶縁層3Aの積層数を多くしても、上層の絶縁層3Aの平坦性を充分に確保できる。
以下、実施例及び比較例を挙げることにより、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例に限定されない。
実施例及び比較例では、以下に示す材料を用いた。
[液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂]
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(1)(商品名「エピコート828」、エポキシ当量189、25℃での粘度12〜15Pa・s、JER社製)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(2)(商品名「RE−310S」、エポキシ当量183、25℃での粘度13〜17Pa・s、日本化薬社製)
[液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂]
ビフェニル型エポキシ樹脂(3)(商品名「NC−3000H」、エポキシ当量288、軟化点69℃、日本化薬社製)
[エポキシ樹脂硬化剤]
ビフェニル型フェノール系硬化剤(1)(商品名「MEH7851−4H」、OH当量243、軟化点130℃、明和化成社製)
ビフェニル型フェノール系硬化剤(2)(商品名「KAYAHARD GPH−103」、OH当量227、軟化点102℃、日本化薬社製)
ナフトール系硬化剤(3)(商品名「SN485」、OH当量213、軟化点86℃、東都化成社製)
ナフトール系硬化剤(4)(商品名「KAYAHARD NHN」、OH当量143、軟化点109℃、日本化薬社製)
[硬化促進剤]
促進剤(1)(商品名「2MAOK−PW」、四国化成社製)
[シリカ成分]
シリカ50重量%DMF分散溶液(1):平均粒子径0.3μmのシリカ粒子がイミダゾールシラン(商品名「IM−1000」、日興マテリアルズ社製)により表面処理されているシリカ50重量%と、DMF50重量%とを含む分散液、固形分50%
シリカ50重量%DMF分散溶液(2):平均粒子径0.2μmのシリカ粒子がイミダゾールシラン(商品名「IM−1000」、日興マテリアルズ社製)により表面処理されているシリカ50重量%と、DMF50重量%とを含む分散液、固形分50%
シリカ50重量%DMF分散溶液(3):平均粒子径3μmのシリカ粒子がイミダゾールシラン(商品名「IM−1000」、日興マテリアルズ社製)により表面処理されているシリカ50重量%と、DMF50重量%とを含む分散液、固形分50%
なお、上記DMFは、N,N−ジメチルホルムアミドを示す。
[高分子成分]
フェノキシ樹脂(商品名「YX6954BH30」、重量平均分子量39000、固形分30重量%とメチルエチルケトン35重量%とシクロヘキサノン35重量%とを含む、JER社製)
[溶剤]
N,N−ジメチルホルムアミド(特級試薬、和光純薬工業社製)
(実施例1)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(1)21.43gと、促進剤(1)0.19gと、シリカ50重量%DMF分散溶液(1)52.00gとを、N,N−ジメチルホルムアミド9.00g中に加え、よく混合し、均一な溶液となるまで、常温で2時間攪拌した。
次に、ビフェニル型フェノール系硬化剤(1)17.38gをさらに加え、常温で1時間攪拌し、樹脂組成物を調製した。
離型処理されたPETフィルム上に、アプリケーターを用いて、乾燥後の厚みが40μmとなるように得られた樹脂組成物を塗工し、100℃で1分間ギアオーブン内中で乾燥及び加熱し、樹脂組成物層が半硬化状態となったBステージ層とPETフィルムとからなる積層フィルムを作製した。
(実施例2〜17及び比較例1〜6)
使用した材料及びその配合量を下記の表1〜3に示すようにしたこと以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物を調製し、かつ積層フィルムを作製した。
(評価)
(1)平坦性の評価
間隔75μmの銅パターン(1つの銅パターン:縦40μm×横40μm×厚み1cm)が上面に形成された基板を用意した。平行平板タイプの真空加圧式ラミネーター(名機製作所)を用いて、Bステージ層が基板側になるように積層フィルムを基板上に設置し、90℃、1.0MPaの圧力で1分間加熱加圧し、ラミネートした。その後PETフィルムを剥離して取り除いた。
Bステージ層がラミネートされた基板を、基板の主面が鉛直方向に平行な平面内に位置するようにギアオーブン内に置き、150℃で1時間加熱し、Bステージ層を硬化させた。このようにして、硬化物層が上面に形成されている試験サンプルを作製した。
接触式表面粗さ計(Mitutoyo SJ−301)を用いて、上記銅パターンが形成されている部分に位置する硬化物層の上面の高さAを50箇所測定した。また、高さAの50箇所の測定点に隣接する、上記銅パターンが形成されていない部分に位置する硬化物層の上面の高さBを50箇所測定した。硬化物層の上面の高さAの平均値と、硬化物層の上面の高さBの平均値との差を求めた。
(2)ダレ(垂れ下がり)の評価
上記(1)平坦性の評価で作製した試験サンプルのうち上記銅パターンが形成されている部分に位置する部分を切断し、その断面を研磨した硬化物層を用意した。
金属顕微鏡(OLYMPAS MM6−LS22)により硬化物層の断面を観察し、銅パターンが形成されていない部分に位置する硬化物層の厚みばらつきを評価した。厚みばらつきが1μm未満である場合を「○」、厚みばらつきが10μm以上である場合「×」として、結果を下記の表1〜3に示した。
(3)Bステージ層の溶剤含有量
Bステージ層に含まれている溶剤の量を測定した。
DTG(島津製作所製 DTG−60)を用いて、Bステージ層に含まれている溶剤の量を測定した。Bステージ層を常温から10℃/分で昇温していき250℃で1時間ホールドした。常温時と1時間ホールド後とのBステージ層の重量減少量を、Bステージ層に含まれている溶剤の量とした。
(4)Bステージ層のハンドリング性の評価
テスター産業社製のタイプII、塗膜屈曲試験機を用いて、Bステージ層のハンドリング性を評価した。上記Bステージ層とPETフィルムとが積層された積層フィルムを、Bステージ層を外側にして180度に折り曲げた。その際に、Bステージ層に割れやひびが入らない場合を「○」、割れやひびが入った場合を「×」として、結果を下記の表1〜3に示した。
Figure 2010031176
Figure 2010031176
Figure 2010031176
図1は、本発明の一実施形態に係る積層フィルムを示す部分切欠正面断面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る多層プリント配線板を模式的に示す部分切欠正面断面図である。 図3(a)〜(d)は、多層プリント配線板の製造する各工程を説明するための部分切欠正面断面図である。 図4は、従来の樹脂組成物により形成された絶縁層を備える多層プリント配線板を模式的に示す部分切欠正面断面図である。
符号の説明
1…積層フィルム
2…基材
2a…上面
3…樹脂フィルム
3A…絶縁層
3a…上面
11…多層プリント配線板
12…基板
12a…上面
13…金属配線

Claims (8)

  1. 液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂と、フェノール系硬化剤と、無機充填材と、溶剤とを含有し、
    前記液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、前記フェノール系硬化剤及び前記無機充填材の合計100重量%中に、前記液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂と前記フェノール系硬化剤とを合計で40重量%以上の割合で含有し、
    前記液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂の前記フェノール系硬化剤に対する配合比が、重量比で1.0〜2.5の範囲内にあることを特徴とする、樹脂組成物。
  2. 樹脂組成物に含まれている前記溶剤以外の成分の合計100重量%中に、前記液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂を20重量%以上の割合で含有する、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記無機充填材が、シランカップリング剤により表面処理されている、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記無機充填材の平均粒子径が、10nm〜5μmの範囲内にある、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 前記液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、前記フェノール系硬化剤及び前記無機充填材の合計100重量%中に、前記液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂と前記フェノール系硬化剤とを合計で40〜90重量%の範囲内で、かつ前記無機充填材を10〜60重量%の範囲内で含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物により形成された樹脂フィルムであって、
    前記溶剤を含まないか、又は前記溶剤を5重量%以下の割合で含むことを特徴とする、樹脂フィルム。
  7. 基材フィルムと、該基材フィルム上に積層されており、かつ請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物により形成された樹脂フィルムとを備え、
    前記樹脂フィルムが、前記溶剤を含まないか、又は前記溶剤を5重量%以下の割合で含むことを特徴とする、積層フィルム。
  8. 請求項6に記載の樹脂フィルムを硬化させることにより得られた絶縁層を備えることを特徴とする、プリント配線板。
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