JP2010030894A - 低自己収縮性高間隙相型セメント組成物 - Google Patents

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雅史 大崎
Hideaki Igarashi
秀明 五十嵐
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正機 大門
Etsuro Sakai
悦郎 坂井
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Abstract

【課題】間隙相量が多いにもかかわらず、自己収縮が問題となる低水セメント比で使用しても自己収縮が小さく、かつAl23成分に富む産業副産物・産業廃棄物をセメント原料として大量に使用可能である、低自己収縮性高間隙相型セメント組成物を提供すること。
【解決手段】セメントクリンカー及び石膏を含有するセメント組成物において、C3A量とC4AF量の合計量を20〜30質量%とし、かつf.CaO量を0.28〜1質量%に調製する。
【選択図】なし

Description

本発明は、低自己収縮性高間隙相型セメント組成物に関し、詳しくは、間隙相量が多いにもかかわらず自己収縮が小さく、かつAl23成分に富む産業副産物・産業廃棄物をセメント原料として大量に使用可能である、低自己収縮性高間隙相型セメント組成物に関する。
セメント硬化体の自己収縮とは、低水セメント比のセメント硬化体で顕著に認められるもので、水分の逸散、温度変化及び炭酸化等のない条件下で、セメントの水和の進行に伴って起こる巨視的な体積減少であり、乾燥収縮との大きな相違は水分の逸散のない状態で生じることである。
セメント硬化体の自己収縮は古くから知られいるが、その発生メカニズムについては現在も検討されている。一般的には、セメントの水和反応で生じる体積減少(水和収縮)により空隙水中にメニスカスが形成して収縮力を生じ、セメント硬化体が収縮するメカニズムが考えられている。
上記自己収縮は、近年のコンクリートの高強度化に伴い、水セメント比が低いコンクリートが製造されるようになったことにより、初期のコンクリートのひび割れの原因として注目されるようになり、その対策が検討されている。
一般的に自己収縮が小さいセメントとしてC3AとC4AFの合計含有量(間隙相量)が普通ポルトランドセメントよりも少ない中庸熱ポルトランドセメントあるいは低熱ポルトランドセメントが知られている。これらのセメントを用いたコンクリートの骨材あるいは高性能AE減水剤を特定することにより、コンクリートの自己収縮を低減する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、C3A量を低減して自己収縮が小さいセメントを得る方法が開示されている(例えば、特許文献2及び3参照)。
種々のポルトランドセメントの間隙相量と自己収縮との関係に関しては、間隙相量の増加により自己収縮が増大する(例えば、非特許文献1参照)、あるいは間隙相中のC3Aの割合の増加により自己収縮が増大する(例えば、非特許文献2参照)旨の報告がされている。
しかしながら、間隙相量が多いセメントの自己収縮を低減する方法は知られていない。間隙相量が多いセメントは、製造時に多くの廃棄物を使用できることから、間隙相量が多いセメントの自己収縮を低減する方法が望まれている。
なお、コンクリートの収縮を抑制するためには、一般的には膨張材が添加されるが、この場合、膨張材添加量を予め調節する必要があること、また過剰に添加した場合、むしろ膨張によるひび割れが発生する場合がある等、種々の問題があった。
特開平11−302056号公報 特開平11−278879号公報 特開平11−278880号公報
田澤栄一ら、セメント・コンクリート論文集、No.47,p.528(1993) 宮澤伸吾ら、セメント・コンクリート論文集、No.53,p.243(1999)
本発明の目的は、間隙相量が多いにもかかわらず、自己収縮が問題となる低水セメント比で使用しても自己収縮が小さく、かつAl23成分に富む産業副産物・産業廃棄物をセメント原料として大量に使用可能である、低自己収縮性高間隙相型セメント組成物を提供することにある。
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、間隙相量、即ちC3A(3CaO・Al23)とC4AF(4CaO・Al23・Fe23)の合計含有量が、従来のポルトランドセメントよりも多いセメントであっても、セメント組成物中のf.CaO(遊離石灰)量を調製して、水和初期に一定範囲の自己膨張ひずみを生じさせることにより、自己収縮が従来のポルトランドセメントと同等もしくはより一層小さいセメント組成物が得られることを知見した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、セメントクリンカー及び石膏を含有し、C3A量とC4AF量の合計量が20〜30質量%であり、かつf.CaO量が0.28〜1質量%であることを特徴とする低自己収縮性高間隙相型セメント組成物を提供するものである。
本発明の低自己収縮性高間隙相型セメント組成物は、間隙相量が多いにもかかわらず、自己収縮が問題となる低水セメント比で使用しても自己収縮が小さく、かつAl23成分に富む石炭灰、スラグ、下水汚泥等の産業副産物・産業廃棄物をセメント原料として大量に使用可能であり、資源循環への多大な貢献が期待できるものである。
以下に本発明の低自己収縮性高間隙相型セメント組成物を詳細に説明する。
本発明のセメント組成物は、ボーグ式で求められるC3A量とC4AF量の合計量(間隙相量)が20〜30質量%、好ましくは、22〜28質量%である。間隙相量が20質量%未満の場合、産業副産物・産業廃棄物の原料使用量が制限される。また、間隙相量が30質量%を超える場合、流動性の低下や耐久性の低下が生じる。
また、上記C3A量は、15質量%以下であることが好ましく、より好ましくは12質量%以下である。C3A量が15質量%を超えると、練混ぜ直後の流動性が低下する。C3A量が少ないほど、練混ぜ直後の流動性は良好となることから、C3A量の不足による初期強度の低下やC4AF量の増加による色の問題が生じない範囲であれば、C3A量は少なくすることが好ましい。通常、C3A量の下限は4質量%程度である。
また、本発明のセメント組成物は、f.CaO量が0.28〜1質量%、好ましくは0.7〜1質量%である。f.CaO量が0.28質量%未満であると、セメントの膨張が生じず、その後の自己収縮が大きくなるので好ましくない。f.CaO量が1質量%を超えると、セメントの安定性に支障をもたらすので好ましくない。f.CaO量の調製には、原料の粒度、クリンカーの焼成温度及び焼成時間を調整する方法がある。
本発明のセメント組成物は、上記f.CaO量と上記C3 A量との質量比(f.CaO/C3A)が0.04〜0.07であることが好ましく、より好ましくは0.04〜0.06である。f.CaO/C3A比が上記範囲を逸脱すると、水和初期に自己膨張が生じず、その後の自己収縮が大きくなる。
本発明のセメント組成物は、C3A量とC4AF量の合計量が20〜30質量%である条件を満足すれば、そのセメントクリンカーの種類及び製造方法は制限されない。例えば、当該条件を満足する単一のクリンカーを焼成しても良いし、二種以上のクリンカーを混合して調製することも可能である。また、産業副産物・産業廃棄物である鉄鋼スラグ、非鉄スラグ、石炭灰、及び下水汚泥から選ばれる少なくとも一種以上を原料として製造することができる。
また、本発明のセメント組成物は、石膏を含有する。該石膏の種類は、二水石膏、半水石膏あるいは無水石膏の何れでも良い。石膏の含有量は、石膏のSO3量で好ましくは1〜3.5質量%、より好ましくは2〜3質量%である。石膏の含有量が1質量%未満であると急結が生じ、3.5%質量を超えると著しい膨張を生じる。
上記石膏の添加方法は、特に制限されるものではなく、セメントクリンカーの粉砕時に添加しても良く、セメントに後添加して混合しても良い。
本発明のセメント組成物は、水セメント比(質量比)0.3で混練した水和硬化体の自己膨張ひずみの最大値が、好ましくは18×10-6〜60×10-6、より好ましくは30×10-6〜60×10-6の範囲にあるものである。ここで、「自己膨張ひずみの最大値」とは、同一の水セメント比でJIS R 5201−1997「セメントの物理試験方法」に準じて求めた凝結の始発時間から水和10時間以内に生じる膨張ひずみの最大値のことである。
上記自己膨張ひずみの最大値が18×10-6未満であると、その後に生じる自己収縮ひずみが大きくなる。また、上記自己膨張ひずみの最大値が60×10-6を超えると、セメントの安定性の面で好ましくない。このように水和初期に上記の一定範囲の自己膨張ひずみを示すセメントの自己収縮ひずみが小さくなるのは、膨張による収縮の補償ではなく、自己膨張が生じる反応あるいはその反応の結果生じるセメント硬化体組織の変化が、その後の自己収縮ひずみを低減しているものと推察される。
なお、上記の「自己収縮ひずみ」及び「自己膨張ひずみ」は、社団法人日本コンクリート工学協会コンクリートの自己収縮研究委員会が定義する用語である。即ち、セメント系材料において、セメントの水和により凝結過程及び凝結以後に巨視的に生じる体積の減少量を「自己収縮ひずみ」、増加量を「自己膨張ひずみ」といい、物質の侵入や逸散、温度変化、外力や外部拘束により生じる応力に起因する変形を含まないものである。
本発明のセメント組成物は、ペースト、モルタルあるいはコンクリートに使用する場合、水セメント比が0.4以下、特に0.3以下で使用するのが好ましい。水セメント比が0.4を超える場合では、一般に自己収縮は生じず、本発明のセメント組成物の特長を生かすことができない。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明の効果を説明する。なお、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
実施例1〜4及び比較例1〜3
1.セメントの調製
7種のクリンカー(ブレーン比表面積3200±100cm2/g)それぞれに、二水石膏をSO3量でセメント組成物中に2質量%となるように添加して、下記表1に示す組成を有する7種のセメント組成物をそれぞれ調製した。なお、比較例1で用いたNo.5のセメントは、普通ポルトランドセメントに相当するものの組成である。
Figure 2010030894
2.セメントペーストの調製
上記の7種のセメント組成物それぞれにイオン交換水を加えて3分間練り混ぜて、セメントペーストをそれぞれ調製した。水セメント比(質量比)は0.3とした。
3.評価試験
自己収縮の評価は、「高橋俊之ほか、コンクリート工学年次論文報告集、No.18,p.621(1996)」に記載されている非接触式渦電流式変位センサーによる方法で行った。試験は、すべて20℃に設定した恒温室内で行った。20×20×160mmの型枠内に上記セメントペーストを流し込み、測定試料とした。別途に同一の水セメント比でJIS R 5201−1997「セメントの物理試験方法」に準じて求めた凝結の始発時間を基点として寸法変化を測定した。自己ひずみ(膨張又は収縮)は次式により求めた。自己膨張ひずみの最大値及び水和24時間後の自己収縮ひずみの値を下記表2に示す。
ε=ΔL/L
ここで、L:ペーストの測定開始時の長さ、ΔL:非接触式渦電流式変位センサーで測定したペーストの長さ変化量、ε:自己ひずみである。
Figure 2010030894
上記の表1及び表2の記載から次のことが明らかである。f.CaO量が0.28〜1質量%の範囲内にある実施例1〜4の本発明のセメント組成物は、何れも、普通ポルトランドセメントに相当するNo.5のセメントを用いた比較例1のセメント組成物よりも、間隙相量が多いにもかかわらず、水和24時間後の自己収縮ひずみが小さい。これに対し、f.CaO量が0.28〜1質量%の範囲を外れる比較例2及び3のセメント組成物は、比較例1のセメント組成物よりも、水和24時間後の自己収縮ひずみが大きい。

Claims (6)

  1. セメントクリンカー及び石膏を含有し、C3A量とC4AF量の合計量が20〜30質量%であり、かつf.CaO量が0.28〜1質量%であることを特徴とする低自己収縮性高間隙相型セメント組成物。
  2. 前記f.CaO量と前記C3A量との比(f.CaO/C3A)が0.04〜0.07である請求項1記載の低自己収縮性高間隙相型セメント組成物。
  3. 前記C3 A量が15質量%以下である請求項1又は2記載の低自己収縮性高間隙相型セメント組成物。
  4. 前記石膏の含有量がSO3量で1〜3.5質量%である請求項1〜3の何れかに記載の低自己収縮性高間隙相型セメント組成物。
  5. 水セメント比0.4以下で使用する請求項1〜4の何れかに記載の低自己収縮性高間隙相型セメント組成物。
  6. 水セメント比0.3で混練した水和硬化体の自己膨張ひずみの最大値が18×10-6〜60×10-6である請求項1〜4の何れかに記載の低自己収縮性高間隙相型セメント組成物。
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