JP2004352515A - 高間隙相型セメント組成物 - Google Patents

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Eiji Maruya
英二 丸屋
Masafumi Osaki
雅史 大崎
Hideaki Igarashi
秀明 五十嵐
Etsuro Sakai
悦郎 坂井
Seiki Daimon
正機 大門
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Abstract

【課題】普通ポルトランドセメントよりも原料としての廃棄物の使用量が多く、混練直後の流動性に優れ、かつ、流動性の経時変化が小さいセメント組成物を提供すること。
【解決手段】セメントクリンカー及び石膏を含有し、該セメントクリンカーは、鉄鋼スラグ、非鉄スラグ、石炭灰、及び下水汚泥から選ばれる少なくとも一種以上をセメントクリンカー原料として使用し、CAとCAFとの合計で表される間隙相量が18質量%を超え30質量%以下であり、かつ、CA量が9質量%以下であり、該石膏中の半水石膏のSO量が、セメントクリンカーと石膏との合計量に対して1.7質量%以下であることを特徴とする、高間隙相型セメント組成物。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄鋼スラグ、非鉄スラグ、石炭灰、及び下水汚泥等の産業廃棄物・副産物の原料としての使用量が多く、かつ、混練直後の流動性及び流動性の経時変化が、普通ポルトランドセメントと同等、あるいは、より良好である高間隙相型セメント組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
セメント産業では古くから原燃料に産業廃棄物あるいは産業副産物を用いてきたが、1990年代より資源循環型社会の構築の機運が高まり、産業廃棄物・副産物使用量のさらなる増大が望まれている。一般にセメントの原料として使用できる廃棄物は、Al成分に富んだものであり、粘土代替原料として使用されている。したがって、この廃棄物原料の使用量を増大するには、セメントクリンカー組成をAl成分に富む組成にすればよい。しかし、この場合、同時にクリンカー化合物組成も変化し、アルミネート系化合物である3CaO・Alや4CaO・Al・Feが増大することになる。これら化合物はセメント化学の分野ではCAあるいはCAFとして表される。
【0003】
産業廃棄物・副産物を多量に使用して製造する技術の代表的なものとして、JIS R 5214「エコセメント」で規定されているエコセメントがある。このセメントは、従来のポルトランドセメントとは異なり、カルシウムクロロアルミネート化合物を含む、あるいはCAを多量に含むことを特徴としている。これらの化合物は水和活性が非常に高いため、所定の流動性を得るには、化学混和剤を多量に使用する必要がある。しかも流動性の経時変化が大きいために、減水能力が大きいポリカルボン酸系高性能減水剤や遅延剤の併用が欠かせず、これを改良する技術として、特許文献1に示されるように、アルミネート系化合物の量を制限することが提案されている。
【0004】
一例として、種々のセメント系材料中のアルミネート系化合物(CA、非晶質C12等)の含有量を表1に示す。アルミネート系化合物は一般に活性が高く、その性質を利用する早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、速硬セメント、急結材等に多く含まれる。しかし、アルミネート系化合物量が多くなると、一般にセメントペースト、モルタルあるいはコンクリートの流動性は低下し、しかも経時変化が大きくなる。このため、減水剤を多量に添加する、あるいは減水能力の大きい減水剤を使用する、あるいは減水剤と遅延剤とを併用する等の方法が採られている。
【0005】
【表1】
Figure 2004352515
【0006】
セメントの流動性を改善する方法として、セメントクリンカーの化合物組成及び石膏量を規定した特許文献2や、さらに初期流動性が良くしかもその経時変化を小さくする方法として、石膏の種類及び量を規定した特許文献3があるが、いずれも低熱ポルトランドセメントのようなCAとCAFとの合計量が少ない場合を規定している。
【0007】
流動性の経時変化を小さくする方法として、セメント中の半水石膏あるいは可溶性無水石膏の量を規定する方法(特許文献4)がある。これはペースト、モルタルあるいはコンクリートとした際に、セメントからのSO 2−イオンの液相への供給量を増大し、高性能減水剤のセメント粒子への吸着を抑制することにより、経時変化を小さくする技術とされている。しかしながら、半水石膏あるいは可溶性無水石膏が存在すると、混練直後の流動性が低下するという課題が生じる。また、セメントの初期水和においてはCAの水和が支配的であり、このCAの水和と石膏とは密接に関連している。したがって、混練直後の流動性が良好で、かつ、流動性の経時変化を小さくする半水石膏量あるいは可溶性無水石膏量はCA量の影響を受けるが、このことについては触れられていない。
【0008】
特許文献5では、CA量と石膏量及び半水石膏量との関係を規定し、初期流動性が良く、しかも経時変化の小さいセメント組成物が示されている。この技術においては半水石膏が流動性を害することが示され、その上限値を定めているが、CAF量についての考慮はなされていない。
【0009】
また、いずれも高性能減水剤あるいは高性能AE減水剤を使用した高流動コンクリートあるいはセルフレベリング材の初期流動性あるいはその経時変化を問題にしており、汎用コンクリートは想定されていない。
【0010】
【特許文献1】
特開平11−199301号公報
【特許文献2】
特許第2277553号公報
【特許文献3】
特開平9−86976号公報
【特許文献4】
特開平11−147746号公報
【特許文献5】
特開2000−302518号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、普通ポルトランドセメントよりも原料としての廃棄物の使用量が多く、混練直後の流動性に優れ、かつ、流動性の経時変化が小さいセメント組成物を提供することを目的とする。
【0012】
一般にコンクリートは、混練、運搬を経て打設される過程を通る。混練直後の流動性はコンクリート配合あるいは減水剤添加量である程度の制御は可能であるが、単位水量の問題や減水剤添加量の増大によるコストアップを考慮すると、その流動性は高い方が好ましい。また、コンクリートの流動性の経時変化が大きい場合、品質管理が困難になったり、あるいはポンプ圧送が困難になる等のトラブルの原因となる。従って、使用するセメント組成物は、混練直後の流動性が高く、経時変化が小さいことが望まれている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、このような目的を達成するために、クリンカー化合物組成と廃棄物処理量との関係及びこれらが流動性に及ぼす影響を鋭意検討した結果、廃棄物処理量が普通ポルトランドセメントよりも増大する特定の組成範囲を見出し、さらにその組成範囲において、CA量及び特定種類の石膏量を適正化することにより、混練直後の流動性及び流動性の経時変化を普通ポルトランドセメントと同等かあるいはより優れるものとした本発明を完成するに至った。
【0014】
すなわち、本発明は、セメントクリンカー及び石膏を含有し、該セメントクリンカーは、鉄鋼スラグ、非鉄スラグ、石炭灰、及び下水汚泥から選ばれる少なくとも一種以上をセメントクリンカー原料として使用し、CAとCAFとの合計で表される間隙相量が18質量%を超え30質量%以下であり、かつ、CA量が9質量%以下であり、該石膏中の半水石膏のSO量が、セメントクリンカーと石膏との合計量に対して1.7質量%以下であることを特徴とする、高間隙相型セメント組成物を提供するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳しく説明する。
本発明の高間隙相型セメント組成物は、セメントクリンカー原料として、産業廃棄物・副産物である鉄鋼スラグ、非鉄スラグ、石炭灰、及び下水汚泥から選ばれる少なくとも一種以上を使用する。鉄鋼スラグとしては高炉スラグや製鋼スラグ等が挙げられ、非鉄スラグとしては銅ガラミや亜鉛滓等が挙げられる。石炭灰は、石炭火力発電所等から発生するものであり、シンダアッシュ、フライアッシュ、クリンカアッシュ及びボトムアッシュ等が挙げられる。下水汚泥は、汚泥単味のほか、それに生石灰を加えて乾粉化したものや焼却残渣等も使用することができる。
【0016】
また、ボーグ式で求められる上記原料を使用したセメントクリンカーの組成は、CAとCAFとの合計で表される間隙相量が18質量%を超え30質量%以下、好ましくは19質量%以上28質量%以下、特に好ましくは20質量%以上26質量%以下である。間隙相量を18質量%以下とすると、産業廃棄物・副産物の使用量を、従来のセメント製造方法と同程度に少なくする必要があり、循環型環境社会の観点からは、社会全体のエネルギー損失量低減効果は得られない。また、間隙相量が30質量%を超える場合、セメントクリンカーに必要な成分であるCS、CS、CA、CAFが適正量得られなくなり、流動性の低下や耐久性の低下が懸念されるため、好ましくない。
【0017】
本発明の高間隙相型セメント組成物においては、上記セメントクリンカーが、CAとCAFとの合計で表される間隙相量の上記の条件を満たすことに加え、CA量が9質量%以下、好ましくは8質量%以下、特に好ましくは7質量%以下であることが特徴である。本発明者等の検討においては、間隙相量が18質量%を超えるセメントクリンカーを含有したセメント組成物に関して、混練直後の流動性はCA量に支配されることが見出されている。CA量が9質量%を超えると、いかなる石膏の添加条件においても、普通ポルトランドセメントよりも混練直後の流動性が低下するため不適当である。CA量が少ないほど、混練直後の流動性は良好となることから、CA量の不足による初期強度の低下やCAF量の増加による呈色が問題とならない範囲内で、CA量は少ない方が好ましい。
【0018】
本発明における上記セメントクリンカーは、前記原料が使用され、CAとCAFとの合計で表される間隙相量が18質量%を超え30質量%以下であり、かつ、CA量が9質量%以下であれば、その種類及び製造方法は制限されない。例えば、当該条件を満足する単一のセメントクリンカーを焼成製造しても良いし、二種以上のセメントクリンカーを混合して調製することも可能である。
【0019】
本発明の高間隙相型セメント組成物は、前記セメントクリンカーに石膏を添加して調製されるが、該石膏中の半水石膏のSO量が、前記セメントクリンカーと石膏との合計量に対して1.7質量%以下、好ましくは1.4質量%以下、特に好ましくは1.0質量%以下となるように調製される。また、CA量に応じて半水石膏量を変化させるのが好ましく、その範囲はCA1モル当り好ましくは0.7モル以下、さらに好ましくは0.5モル以下、最も好ましくは0.4モル以下である。半水石膏含有量が多く、セメントクリンカーと石膏との合計量に対するSO量が1.7質量%を超えると、半水石膏が二水石膏として多量に析出し、混練直後の流動性を低下させ、また、流動性の経時変化を増大させるため、好ましくない。
【0020】
このように、産業廃棄物・副産物を多量に使用し間隙相量を増大させたセメントクリンカーにおいて、CA量及び半水石膏量を制限することにより、普通ポルトランドセメントと同等かそれ以上の初期流動性を有し、かつその経時変化が少ないセメント組成物を得ることができる点が、本発明の新規かつ重要なポイントである。
【0021】
本発明の高間隙相型セメント組成物において、石膏の添加方法は、特に制限されるものではなく、前記セメントクリンカーの粉砕時に添加する方法、あるいはセメントに後添加し混合する方法等が挙げられる。
本発明の高間隙相型セメント組成物は、水及び各種減水剤との混合により、経時変化の少ない優れた流動性を発現するが、これをベースとした混合セメント、セメント系固化材、セルフレベリング材等の用途においても、好適に使用することができる。
【0022】
【実施例】
以下に,実施例及び比較例を挙げて本発明の効果を説明する。なお、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
【0023】
(1)クリンカー化合物組成と廃棄物処理量との関係
表2に示したクリンカー化合物組成のセメントクリンカーを調製する際の原料の調合割合を線形計画法により試算し、廃棄物原料の使用量が合計で最大となる値及びそのときの天然原料の使用量を求めた。上記試算は、天然原料として、石灰石、珪石を用い、廃棄物原料(産業廃棄物・副生成物)として、鉄鋼スラグ、石炭灰、非鉄スラグ、下水汚泥を用いることとして行なった。表2に、クリンカー化合物組成並びに廃棄物原料の使用量及び天然原料の使用量の試算結果を示す。
【0024】
次に、表2に示した天然原料使用量及び廃棄物原料使用量により、(株)モトヤマ製超高速昇温電気炉にて、1550℃で、表2に示したクリンカー化合物組成のセメントクリンカーを試製した。
【0025】
ここで、表2におけるクリンカーNo.1−6のクリンカー化合物組成は、普通ポルトランドセメントクリンカーの化合物組成に相当する。
なお、表2に示した各廃棄物原料の使用量は、廃棄物原料全体としての使用量が最大となる場合の試算結果であり、必ずしも個々の廃棄物原料使用量の上限を表すものではない。また、各原料の使用量は、使用する原料中の化学成分によって変化し得るが、同じ原料を使用する限り、廃棄物原料の合計使用量の各クリンカー間での相対値は、ほとんど変化しない。このため、表2には、普通ポルトランドセメントクリンカーに相当するクリンカーNo.1−6の廃棄物原料使用量を1とした場合の、各クリンカーの廃棄物原料使用量の相対値を、処理指数kとして併記した。
【0026】
表2より、CAとCAFとの合計量が増大すると共に、廃棄物原料の使用量は増大することが確認できる。また、CAとCAFとの合計量が18質量%を超えると、普通ポルトランドセメントクリンカーに相当するクリンカーNo.1−6よりも廃棄物原料の使用量は増大するが、CAとCAFとの合計量が30質量%を超えるクリンカーNo.1−15では理論的に調合が不可能になった。すなわち、普通ポルトランドセメントクリンカーよりも廃棄物原料の使用量が多くなるのは、CAとCAFとの合計量が18質量%を超え30質量%以下の場合である。
【0027】
【表2】
Figure 2004352515
【0028】
(2)セメントの流動性
▲1▼供試材料
セメントは、間隙相量が24質量%である3種のセメントクリンカー(表2中のクリンカーNo.1−8、1−10及び1−11)のいずれかをベースとし、二水石膏及び半水石膏含有量の異なる試料を調製した。減水剤は、リグニンスルホン酸塩系AE減水剤(LS)、又はナフタレンスルホン酸塩系高性能減水剤(NS)を使用した。
【0029】
▲2▼セメントペーストの調製
下記の配合でセメントに水及び減水剤を加え、ハンドミキサーにて3分間混練してセメントペーストを得た。得られたセメントペーストをR.H.90%以上の湿空環境で静置し、混錬後10分及び60分で次項の評価試験を実施した。なお、下記の配合における減水剤添加量はセメントに対する固形分換算値である。
(配合)
LS添加時:水セメント比55%、減水剤添加量0.20質量%
NS添加時:水セメント比35%、減水剤添加量1.00質量%
【0030】
▲3▼評価試験
流動性の評価試験においては、共軸二重円筒型回転粘度計(Haake社製Rotovisco RV1)を用い、せん断速度を0s−1から500s−1まで加速した後、0s−1まで減速(加速・減速ともに3分間)して変化させた周期的せん断試験により、せん断応力を測定した。このうち、200s−1における見掛け粘度を流動性の指標とした。
【0031】
実施例1、2及び比較例1、2
表2に示したセメントクリンカー中、クリンカーNo.1−8、1−10及び1−11のセメントクリンカーそれぞれに、石膏のSO量がセメントクリンカーと石膏との合計量に対して1.7質量%となるように、半水石膏又は二水石膏を添加して調製したセメント組成物の流動性評価試験結果を、市販の普通ポルトランドセメントの結果と共に表3に示す。この結果より、本発明のセメント組成物の混練直後の流動性及び流動性の経時変化は、いずれの減水剤を用いた場合も、市販の普通ポルトランドセメントと同等か、より良好であることがわかる(実施例1及び2)。一方、CA量が9質量%を超える場合は、石膏の種類に関わらず、混練直後の流動性が低下するため、好ましくない(比較例1及び2)。
【0032】
【表3】
Figure 2004352515
【0033】
実施例3〜8及び比較例3
表2のクリンカーNo.1−8及び1−10のセメントクリンカーそれぞれに、石膏のSO量がセメントクリンカーと石膏との合計量に対して0.7〜2.2質量%となるように、半水石膏又は二水石膏を添加して調製したセメント組成物の流動性評価試験結果を、市販の普通ポルトランドセメントの結果並びに実施例1及び2の結果と共に表4に示す。この結果より、本発明のセメント組成物の混練直後の流動性及び流動性の経時変化は、市販の普通ポルトランドセメントと同等かより良好であることがわかる(実施例1〜8)。一方、半水石膏のSO量がセメントクリンカーと石膏との合計量に対して1.7質量%を超える場合は、特に流動性の経時変化が増大するため、好ましくない(比較例3)。また、CA量が9質量%以下であれば、二水石膏を添加した場合でも良好な流動性を得ることができる(実施例5〜8)。このように、セメント組成物の流動性には、半水石膏量及びCA量が大きく影響を及ぼすことがわかる。
【0034】
【表4】
Figure 2004352515
【0035】
【発明の効果】
以上の説明のように、本発明によれば、セメントクリンカー原料として、産業廃棄物・副産物を大量に使用することが可能であり、また、その結果として得られた間隙相量が増加したセメントクリンカーを使用した場合であっても、セメントクリンカー中のCA量及びセメント組成物中の半水石膏含有量を適正範囲に調整するという簡便な方法で,混練直後の流動性や流動性の経時変化が市販の普通ポルトランドセメントと同等、もしくはより良好なセメント組成物を得ることができる。また、これにより、廃棄物の使用量を増大することができ、資源循環型社会に一層貢献することが期待される。

Claims (1)

  1. セメントクリンカー及び石膏を含有し、該セメントクリンカーは、鉄鋼スラグ、非鉄スラグ、石炭灰、及び下水汚泥から選ばれる少なくとも一種以上をセメントクリンカー原料として使用し、CAとCAFとの合計で表される間隙相量が18質量%を超え30質量%以下であり、かつ、CA量が9質量%以下であり、該石膏中の半水石膏のSO量が、セメントクリンカーと石膏との合計量に対して1.7質量%以下であることを特徴とする、高間隙相型セメント組成物。
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