JP2010030496A - アクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】通常時において、車両の振動等によるピストンロッドの移動によって、異音の発生やシリンダ内の防水性能の低下が抑制でき、前進移動するピストンロッドの移動後期における運動エネルギーを的確に減衰可能なアクチュエータの提供。
【解決手段】アクチュエータ21は、フード跳ね上げ装置Uに使用されて、シリンダ22とピストンロッド40とを備える。ピストンロッド40は、通常時において、シリンダ22内に収容されたピストンロッド40は、支持ロッド49に設けられた係号部が規制部材に係号して前進移動方向への移動が規制されるとともに、保持手段で後退方向へ移動しないよう保持され、作動時において、規制部材は係号部から離脱し、支持ロッド49のピストン部41の連結部近傍の抵抗徐変部に摺接して、ピストンロッド40の運動エネルギーを減衰する。
【選択図】図6

Description

本発明は、自動車用安全装置に使用されるアクチュエータに関し、例えば、保護対象物としての歩行者を受け止める際のフードパネルを持ち上げる等の作動に使用されるアクチュエータに関する。
従来、車両に搭載される自動車用安全装置のアクチュエータとしては、シリンダと、シリンダ内に配設されて、シリンダ内への作動用流体の流入時に上昇するロッドと、を備えて構成されていた(例えば、特許文献1参照)。ロッドは、その一部が、シリンダの先から突出する側から後に突出する側に向かってその外寸が徐々に大きくなるテーパー部を備え、シリンダには、ロッドがシリンダから突出する間において、テーパー部によって変形させられることによりロッドが完全に停止しない程度の減速荷重を加える凸部と、ロッドのシリンダからの突出を停止させるストッパ部とを、備えて構成されていた。
こうすることにより、自動車にフード持ち上げ構造を採用するにあたり、衝撃吸収性能の向上を実現することができるものである。
特開2007−296868号公報
しかし、従来のアクチュエータでは、通常時、即ち、ロッドがシリンダ内に収容されている状態において、ロッドは、シリンダ内では固定されておらず、自動車の走行時の振動等によってもがたついて、異音の発生の原因となることがある。また、自動車のフードを持ち上げるために、フードの下方側にアクチュエータを配置する場合においては、雨天時や洗車時に雨水に晒されることとなるため、シリンダの内側は防錆等の目的でロッドの周囲にOリングを配設して防水構造とする必要があるが、こうした場合、フード下方側はエンジンからの輻射熱等によって高温となるため、シリンダ内部の空気が膨脹、収縮して内圧が変動し、これによってロッドが昇降(前進)、下降(後退)させられることがある。このため、ロッドが固定されていない状態では、この昇降の繰返しによってOリングによる防水構造の防水性能が低下することがあった。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、自動車の走行時のロッドのがたつきや、シリンダ内部の防水性能の低下を抑制することができるとともに、受止材による保護対象物への衝撃吸収性能も良好なアクチュエータを提供することを目的とする。
本発明の請求項1にかかるアクチュエータにおいては、自動車用安全装置に使用されて、通常時、筒状のシリンダ内に、ピストン部と該ピストン部に連結された支持ロッドとが収容され、作動時、前記シリンダ内に配設させた流体発生器から作動用流体を吐出させることにより、前記ピストン部及び前記支持ロッドが前記シリンダ内を前進移動することにより前記支持ロッドが前記シリンダ外へ突出するとともに、前進移動した前記ピストン部及び前記支持ロッドのロック機構を備え、前記シリンダから突出した前記支持ロッドが、保護対象物を受け止めるための受止材を支持する構成のアクチュエータであって、通常時において、前記支持ロッド及び前記ピストン部は、前記支持ロッドに形成された係合部が前記シリンダ内に配設された規制部材に係合して前進移動方向への移動が規制され、さらに、保持手段によって後退方向へ移動しないよう保持され、作動時において、前記支持ロッド及び前記ピストン部が前進移動するとこによって前記規制部材が変形させられて前記係合部との係合が離脱させられるとともに前記保持手段は前記支持ロッド及び前記ピストン部の前進移動を許容し、さらに、前記規制部材は前記支持ロッドの前記ピストン部との連結部近傍の外周面に前進移動方向の前方側から後方側に向けて漸次摩擦抵抗が大きくなるよう設けられた抵抗徐変部に摺接可能とされたことを特徴とするアクチュエータ。
本発明にかかるアクチュエータでは、ピストン部及び支持ロッドがシリンダ内に収容されている通常時においては、支持ロッドに形成された係合部がシリンダ内に配設された規制部材に係合して少なくとも支持ロッド及びピストン部の前進移動方向への移動が規制され、さらに、保持手段によって前進移動方向に対してシリンダ内の収容位置から後退方向へ移動しないよう保持される構成とした。ここで、規制部材が支持ロッドの係合部に係合して支持ロッド及びピストン部を前進移動方向への移動を規制する規制力は、自動車の走行時等の振動やシリンダ内部がOリング等で密閉構造とされた場合において外気温の変動によるシリンダ内の空気の膨張・収縮によって支持ロッド及びピストン部がシリンダ内で前進移動方向へ移動するのを防止できる程度で、作動時の前進移動する支持ロッドによって変形して係合部との係合が離脱させられる程度である。
こうすることにより、通常時においては、自動車の走行時等の振動によるがたつきが原因で発生する異音を効果的に抑制することができ、さらに、アクチュエータを受止材として機能するフードの下方側等の車室外側に配置した場合には、アクチュエータが雨や洗車時の雨水に晒されることとなる。このため、通常時において、シリンダ内部を防錆の目的で支持ロッドの外周にOリング等を配設して防水のために密閉構造とした場合においても、シリンダ内部の空気のアクチュエータ周辺の雰囲気温度の変動による膨脹、収縮の繰返しでのシリンダ内の圧力が変動が原因で発生する、ピストン部及び支持ロッドの前進、後退方向への移動を極力小さくすることができ、Oリングによる防水性能の低下を抑制することができる。
そして、アクチュエータの作動時においては、シリンダ内に配設させた流体発生器から作動用流体が吐出されることによって、シリンダ内に収容されたピストン部と支持ロッドとはシリンダ内を前進移動して、規制部材が変形させられて係合部との係合が離脱し、支持ロッドがシリンダ外へ突出させられ、支持ロッドは保護対象物を受け止めるための受止材を支持して保護対象物に対する衝撃を緩和することとなるが、この時、ピストン部及び支持ロッドはシリンダから突出して受止材を受け止めた位置でシリンダに設けたロック機構によって停止させられる。
ピストン部及び支持ロッドは、作動用流体によって、極めて高速で前進移動するため、ロック機構によって急激に停止させられると、受止材によって受け止められる保護対象物に対する衝撃が大きくなって、十分な衝撃吸収性能を発揮できないこともあるが、変形した規制部材が、前進移動する支持ロッドの抵抗徐変部に摺接することによって、規制部材と支持ロッドとの間で摺接抵抗が徐々に大きくなり、移動の運動エネルギーが減衰させられ、この状態で、ロック機構が機能してピストン部及び支持ロッドが前進(上昇)完了位置で停止、さらに、ロックされ、受止材は保護対象物を適切に受け止めて、的確な衝撃吸収性能を発揮することができる。
従って、本発明のアクチュエータにおいては、規制部材を設けるだけの簡単な構成で、通常時においては、ピストン部及び支持ロッドのシリンダ内での前進移動方向への移動を抑制し、作動時においては、ピストン部及び支持ロッドの前進移動する運動エネルギーを的確に減衰することが可能となる。
さらに、本発明の請求項2にかかるアクチュエータにおいては、請求項1に記載の発明に加えて、前記規制部材は、弾性的に拡径・縮径が可能なリング状部材で、通常時において、前記リング状部材の内周面側の把持部が前記支持ロッドの外周面側を弾性的に把持するとともに、前記支持ロッドの外周面で前進移動方向の前方側が小径で後方側が大径とされた段差状に形成された係合部に係合して前記支持ロッド及び前記ピストン部の前進移動方向への移動を規制し、作動時において、前記規制部材は前記支持ロッド及び前記ピストン部の前進移動によって前記段差部を乗り越えることで弾性的に拡径させられ、前進移動方向の前方側から後方側に向けて漸次外径が大きくなるようテーパー状に形成された抵抗徐変部に摺接する構成とした。
請求項2に記載の発明においては、通常時には、リング状部材の内周面の把持部が支持ロッドの外周面で前進移動方向の前方側が小径で後方側が大径とされた段差状に形成された係合部に係合して弾性的に把持するので、ピストン部及び支持ロッドはシリンダ内の収容位置に保持させることができる。また、作動時には、作動用流体によってピストン部及び支持ロッドが前進移動させられる。リング部材は弾性的に拡径及び縮径が可能なためピストン部及び支持ロッドの前進移動によって弾性的に拡径(変形)させられ、段差部との係合が離脱させられる。そして、支持ロッドは、その外周面がリング状部材に当接しつつ前進移動させられるが、テーパー状拡径部にリング状部材が摺接すると、支持ロッドの外径が大きくなるほど弾性的に拡径させられるので、縮径方向への反発力は次第に大きくなって摺接抵抗が大きくなり、支持ロッドとピストン部の前進移動を的確に減衰することができる。
従って、請求項2にかかる発明においては、リング状部材を配設するだけの簡単な構成で、通常時における、シリンダ内の収容位置において支持ロッド及びピストン部の移動による異音の発生を効果的に抑制でき、作動時における、前進移動する支持ロッド及びピストン部の移動を効果的に減衰することができる。
さらに、本発明の請求項3にかかるアクチュエータにおいては、請求項2に記載の発明に加えて、前記段差状の係合部は、前記支持ロッドの前進側から後退側に向けて漸次大径となる傾斜面を備えている構成とした。
作動時における支持ロッドとピストン部は、受止材を受け止めるために、作動時の初期においては、極力迅速に前進移動することが好ましいが、請求項3に記載の発明においては、段差状の係合部は、支持ロッドの前進側から後退側に向けて漸次大径となる傾斜面を備えているので、リング状部材はこの傾斜面に沿って円滑に拡径されるため、作動時の初期において、支持ロッド及びピストン部は迅速に前進移動することができる。
本発明のアクチュエータによれば、通常時においては、支持ロッドの係合部と規制部材との係合と保持手段によって、支持ロッド及びピストン部はシリンダ内の収容位置に保持されて、自動車の走行時等のがたつきが抑制でき、異音の発生を抑制することができる。さらに、本発明のアクチュエータを雨水等に曝されるよう配置するため、シリンダを防水構造とした場合でも、雰囲気温度の変動による支持ロッド及びピストン部の前進、後退による防水性能の低下を抑制することができる。また、アクチュエータの作動時においては、規制部材が、支持ロッドの抵抗徐変部(テーパー状拡径部)に摺接して、摺接抵抗を発生することにより、受止材による保護対象物の衝撃を的確に緩和することができる。
(第1実施形態)
以下本発明の第1実施形態について、図面を用いて説明する。なお、本明細書では、特に断らない限り、前後と上下の方向は、車両V(図1参照)の前後と上下の方向に一致し、左右の方向は、車両Vの前方側から後方側を見た際の左右の方向に一致させている。
実施形態のアクチュエータ21が使用されるフード跳ね上げ装置(以下「跳ね上げ装置」と省略する)Uは、図1,2に示すように、車両Vにおけるフードパネル10の後端10c側における左縁10d付近と右縁10e付近とに配設されるもので、それぞれ、アクチュエータ21と、フードパネル10の後端10cの下面に配置される受け座16と、を備えて構成されている。そして、跳ね上げ装置Uは、作動時に、図3,4に示すように、アクチュエータ21がピストンロッド40を上昇させ、受け座16を介在させて、フードパネル10の後端10cを跳ね上げるように上昇させることとなる。
なお、第1施形態の場合、車両Vのフロントバンパ5には、図1に示すように、歩行者との衝突を検知若しくは予測可能なセンサ6が、配設されており、センサ6からの信号を入力させている図示しない作動回路が、センサ6からの信号に基づいて車両Vと歩行者との衝突を検知若しくは予測した際に、跳ね上げ装置Uのアクチュエータ21における駆動源としての流体(ガス)発生器36(図6参照)を作動させるように、構成されている。
また、フードパネル10は、図1,2に示すように、車両VにおけるエンジンルームERの上方を覆うように配設されるもので、左右方向の両縁側における後端10c近傍に配置されるヒンジ部11により、車両Vのボディ1側に対して、前開きで開閉可能に連結されている。フードパネル10は、アルミニウム(アルミニウム合金)等からなる板金製として、図3に示すように、上面側のアウタパネル10aと、下面側に位置してアウタパネル10aより強度を向上させたインナパネル10bと、から構成されている。フードパネル10は、歩行者を受け止めた際に、歩行者の運動エネルギーを吸収できるように、歩行者との干渉に伴う運動エネルギーが小さい時には弾性変形し、運動エネルギーが大きい時には塑性変形可能に構成されている。そして、実施形態では、車両Vと歩行者との衝突時に、アクチュエータ21が作動されて、図4に示すように、上昇したフードパネル10の後端10cと、エンジンルームERと、の間に、変形スペースSを形成できることから、フードパネル10の塑性変形時の弾性及び塑性変形量を増大させることができる。
ヒンジ部11は、フードパネル10の後端10c側における左縁10dと右縁10eとに配設され(図1参照)、それぞれ、ボディ1側のフードリッジリインホース2に連結された取付フランジ2aに固定されるヒンジベース12と、フードパネル10側に固定されるヒンジアーム14と、を備えて構成されている(図3参照)。各ヒンジアーム14は、図3に示すように、板金製のアングル材を下向きに突出させるように略半円弧状に湾曲させた形状として構成され、ヒンジベース12側の元部端14aが、支持軸13を利用してヒンジベース12に対して回動可能に連結されている。また、各ヒンジアーム14は、元部端14aから離れる先端14b側に、先端14bから前後方向に略沿うように延びる連結板部15を備え、この連結板部15が、フードパネル10の後端10cにおける下面側に溶接等を利用して結合されている。
そして、実施形態の場合、連結板部15は、前部側の下面を、上昇時のピストンロッド40の上端40a(支持ロッド部49の頭部50)の当接部位15aとしている。すなわち、連結板部15の前部側は、ピストンロッド40の上端40aの受け座16となって、受け座16の下面が、上端40aの受け面16aとしている(図3,4参照)。
各支持軸13は、それらの軸方向を、車両Vの左右方向に沿わせるように、配設されている。そして、フードパネル10を開く際には、図3の実線から二点鎖線に示すように、左右の支持軸13を回転中心として、各ヒンジアーム14の先端14b側とともに、フードパネル10の前端10f側(図1参照)を前開きで上昇させれば、フードパネル10を前開きで開くことができる。
また、ヒンジアーム14の先端14b付近には、下縁を略円形状に切り欠くように構成される切欠凹部14cが、形成されており、この切欠凹部14cの周囲の部位が、アクチュエータ21の作動時においてピストンロッド40がフードパネル10の後端10cを押し上げる際に、塑性変形する塑性変形部14dとして、フードパネル10の後端10cの上昇を可能にしている(図4参照)。なお、フードパネル10の後端10cの上昇時には、フードパネル10の前端10f側は、通常閉塞時用の前端10fに配置されている図示しないフードロックストライカを係止するラッチ機構により、ボディ1側から外れることはない。
さらに、フードパネル10の後方には、図2,3に示すように、ボディ1側の剛性の高いカウルパネル7aと、カウルパネル7aの上方における合成樹脂製のカウルルーバ7bと、からなるカウル7が、配設されている。カウルルーバ7bは、後端側をフロントウィンドシールド3の下部3a側に連ならせるように配設されている。また、フロントウィンドシールド3の左右には、図1,2に示すように、フロントピラー4,4が、配設されている。
なお、カウルルーバ7bは、実施形態の場合、アクチュエータ21の上方を覆うアクチュエータカバー8を備え、アクチュエータカバー8は、カウルルーバ7bの他の一般部とともに、一体的に成形されている。アクチュエータカバー8は、左右のアクチュエータ21の上方に配置されて、円筒状のスリーブ部8aで囲まれたエリアに、作動時のアクチュエータ21における支持ロッド部49の頭部50に押されて開く扉部8b、を配設させて構成されている。カウルルーバ7bは、柔軟性を異ならせた部位を設けて成形されており、硬質部7cと、硬質部7cより柔軟性を有した軟質部7dと、を備えて構成され、軟質部7dは、既述のアクチュエータカバー8の扉部8bを含めたスリーブ部8a付近を構成している。
第1実施形態のアクチュエータ21は、図3に示すように、フードリッジリインホース2に連結された取付フランジ2bに対してボルト19止めされる断面U字形状の取付ブラケット18により保持されて、フードパネル10の後端10c側における左縁10d及び右縁10eの下方となる各ヒンジ部11の下方に配設されている。各アクチュエータ21は、図6(a)、(b)に示すように、軸方向を上下方向に沿わせるように配置させて取付固定されるシリンダ22と、シリンダ22内に作動用流体としてのガスを流入させるガス発生器36と、シリンダ22から上方へ突出するように配設されるピストンロッド40と、上昇移動後のピストンロッド40の下降移動を防止するロック機構Rと、を備えて構成されている。ロック機構Rは、第1実施形態の場合、ピストンロッド40における後述するピストン部41内に収納されたロックピン45と、ピストン部41の上昇移動後に突出するロックピン45の下面側を係止するようにシリンダ22側に形成された係止面26と、から、構成されている。
シリンダ22は、図6に示すように、円筒状の本体23を備えて構成され、上端部にはキャップ27が挿嵌されて固定されている。本体23は、上昇移動時にピストンロッド40のピストン部41を内周面24aに対して摺動させる円筒状の摺動部24を備えるとともに、摺動部24の上方となる本体23における上端側内周面に、周方向の全周にわたって凹む凹部23cを、備えている。この凹部23cは、ピストン部41の上昇移動後におけるロックピン45の突出位置に形成されるもので、実施形態の場合、この凹部23cの部位は、摺動部24の上方に配置されて、内径寸法を摺動部24の内径寸法より大径とした円筒状の大径部25から、構成されている。そして、この大径部25における摺動部24からの段差面、換言すれば、凹部23cの下側面(摺動部24の上端面)23dが、突出したロックピン45の下部側(下降移動側)を係止して、ピストン部41(ピストンロッド40)の下降移動を規制する係止面26を構成することとなる(図6の(b)、図7の(B)参照)。
本体23の下端側部32は、図6に示すように、本体23の下端側を塞ぐように配設される略円板状の下端壁部33と、下端壁部33の外周縁から上方に延び摺動部24より大径とされた略円筒状の周壁部34と、を備えて構成されている。下端壁部33には、ガス発生器36のコネクタ37を挿通可能な挿通孔33aが、形成されている。周壁部34は、内周面をガス発生器36の外周面の凹凸に略対応させた凹凸面として、ガス発生器36を本体23に取り付けている。(図6(a)参照)
作動用流体の流体発生器としてのガス発生器36としては、マイクロガスジェネレータが使用されており、ガス発生器36の下端面には、図示しない制御回路からの電気信号を入力させるリード線37aを結線させたコネクタ37が、配置されている(図6参照)。ガス発生器36は、リード線37aを経て、図示しない制御回路からの電気信号を入力させると、内蔵されている火薬を燃焼させて燃焼ガスGを発生させ、その作動用ガス(燃焼ガス)Gを作動用流体として、シリンダ22内のピストン部41の下面41a側へ供給することとなる。(図6(b)参照)
本体23の上端側に挿嵌されて固定されるキャップ27は、図6(a),(b)に示すように、略円筒状をなし、外周面の上下方向の略中央部に凹部27aが形成されている。シリンダ22の本体23には、凹部27aに対応して凸部23aが形成されており、凹部27aと凸部23aとが係合することで、キャップ27が本体23に固定されている。なお、キャップ27の外周面の上下方向の上端部近傍には、内側にOリング28が嵌挿された溝部27bが形成され、Oリング28が本体23の上端部の内周面に密接することにより、シリンダ22の内側面が外方側と密封されている。
略円筒状のキャップ27には、上下方向に貫通して、ピストンロッド40を挿通させる挿通孔27cが形成されている。挿通孔27cは、上端部を除いた下方側部分が下方に向かって漸次内径が大きくなるテーパー状部27dとされ、上端部には支持段部27eとシール配設部27fとが形成されている。支持段部27eは、支持ロッド49の頭部50が載置されて、通常時においてピストンロッド40が、アクチュエータ21の作動時における前進移動方向(図6における上方向)に対する後退方向へ移動しないように保持している。即ち、支持段部27eは、ピストンロッド40の通常時における保持手段を構成する。さらに、シール配設部27fは、Oリング29が配設され、頭部50の下面とシリンダロッド40における支持ロッド49の外周面とに密接することにより、シリンダ22の内側面が外方側にたいして密封構造されている。なお、第1実施形態では、シール配設部27fを図6に示すように、傾斜面を設け断面略三角形状としたが、Oリング29が配設可能な形状であれば、これに限らず、円弧状面であったり、溝状等様々な態様が可能である。(図6(a),(b)参照)
挿通孔27cのテーパー状部27dは、上端が最も径が小さく、下方に向かって漸次拡径する構成である。作動時に、テーパー状部27d内に、後述するピストン部41のテーパー状拡径部56が進入して支持ロッド49の振れを抑制し、頭部50が受け座16aにて的確に受け止められるのを可能とするよう、第1実施形態では、テーパー状部27dの傾斜角度はテーパー状拡径部56の傾斜角度とほど同じとしているが、テーパー状部拡径部56の傾斜角度をテーパー状部27dより若干大きく設定することも可能である。
ピストンロッド40は、通常において、シリンダ22内に配置されるピストン部41と、ピストン部41から上方に延びる支持ロッド49と、を備えて構成されている。
ピストン部41は、シリンダ22の摺動部24に対して摺動可能な外径寸法を有した略円柱状とされるもので、ロック機構Rを構成するロックピン45を内部に収納させている。ロックピン45は、図7に示すように、ピストン部41の中心軸を中心として放射状となる4箇所に配設されるもので、それぞれ、ピストン部41に形成される収納凹部42内に収納されている。各ロックピン45は、軸方向をピストン部41の軸直交方向に沿わせるように配設される略円柱状とされている。また、ピストン部41には、図6(b)、図7に示すように、シリンダ22内に流入する作動用ガスGを、ロックピン45の収納される収納凹部42まで流入させる流入路部43が、形成されている。実施形態の場合、流入路部43は、ピストン部41の下面側41aにおける中央から上方に延びるように形成されるとともに下端側を開口させて構成される縦流路部43aと、縦流路部43aの上端から各収納凹部42側に向かうように四方に延びる横流路部43bと、から構成されている。そして、シリンダ22内におけるピストン部41の下面側41a側に流入したガスGが、流入路部43を経て、ロックピン45の収納される収納凹部42内に流入すると、各ロックピン45は、ピストン部41の外周側に向かうように、ピストン部41の軸直交方向に沿って突出することとなる。
そして、第1実施形態の場合、ロックピン45は、ピストン部41が前進移動して大径部25の部位に配置された際に、流入路部43を経て収納凹部42内に流入したガスGの圧力を受けて、瞬時に、収納凹部42から、ピストン部41の外周側に向かうように、ピストン部41の軸直交方向に沿って突出することとなる。この時、ロックピン45は、元部45a側を収納凹部42内に収納された状態で、先端面45cを、大径部25の内周面25aに当接させることとなる。すなわち、ロックピン45は、係止面26と収納凹部42との間に跨るように配置されることとなり、先端面45cを大径部25の内周面25aに当接させた状態の先端部45bの下面を係止面26に係止させて、ピストン部41の下降移動を防止することとなる。すなわち、ロックピン45は、シリンダロッド40のロック機構を構成する。
また、第1実施形態の場合、ピストン部41における収納凹部42(若しくはロックピン45)より下方となる下端近傍部位の外周面には、凹溝44が形成され、この凹溝44には、摺動部24の内周面24aに圧接されて、摺動部24とピストン部41との間からのガス漏れを防止するOリング47が、配設されている(図6参照)。
支持ロッド部49は、シリンダ22の軸方向(上下方向)に沿って配設される丸棒状の軸部53と、軸部53の上端側に配設されて軸部53より外径寸法を大径とした略円柱状の頭部50と、を備えている。頭部50は、ピストンロッド40の前進(上昇)移動時に、フードパネル10側に設けられた受け座16の受け面16aに当接して、フードパネル10の後端10cを上方に押し上げることとなる。なお、支持ロッド部49は、軸部53の部位を曲げ塑性変形可能とするような鋼等の金属材から構成されるもので、実施形態の場合、ピストン部41と一体的に構成されている。
さらに、実施形態の支持ロッド部49の軸部53は、頭部50とピストン部41との間に、外径寸法を一定とするストレート部54と、ストレート部54の下端に連なるように配設されて、ピストン部41との連結部近傍に、下広がりの外径寸法とするテーパー状拡径部56と、を備えて構成されている。ストレート部54は、その外径寸法Dsを頭部50の外径寸法Dhより小さく設定されている。また、ストレート部54の外径寸法Dsは、挿通孔27cの小径側の上端の内径寸法D1より、僅かに小さな寸法に設定されている。実施形態の場合、ストレート部54の外径寸法は、約8mm、挿通孔27cの小径側の上端の内径寸法duは、約9mmとしている。
テーパー状拡径部56は、ピストンロッド41の前進移動方向の前方側から後方側にむけて漸次外径が大きくなるよう円錐台形状に形成されて、支持ロッド部49が、頭部50を受け座16に当接させてフードパネル10の後端10cを跳ね上げた前進(上昇)完了位置UPに配置された際に、挿通孔27cの内周面嵌合される位置に、配置されている
そして、ストレート部54とテーパー状拡径部56との境界部55は、支持ロッド部49の上昇完了位置UPへの配置時、挿通孔27cの内周面から離れて、挿通孔27cの上端側の周縁と略同等以上の高さ位置に配置されるように、配設されている。
実施形態の場合、テーパー状拡径部56は、その長さ寸法DLを、挿通孔27cの長さ寸法より長くしている。さらに、テーパー状拡径部56の外周面の下広がり角度と挿通孔27cの内周面の上狭まり角度とが、実施形態の場合、等しく設定されている。なお、実施形態の場合、傾斜角度を約6°としている。なお、テーパー状拡径部56は、後述する抵抗徐変部を構成することとなる。
次に、図7に示すように、通常時において、支持ロッド49の上方部の外周面には、係合部としての段差部57が形成されている。段差部57には、後述する規制部材60が係合している。第1実施形態では、段差部57は、支持ロッド49の外周面に形成された凹部の下側面であり、支持ロッド49の外径が前進(上昇)移動方向の前進側から後退側に向けて漸次外径が大きくなる傾斜面57aで形成されている。
段差部57には、図8に示すように、規制部材60が係合している。規制部材60は略リング状部材からなり、弾性的に拡径及び縮径が可能で、通常時の状態では、その内径は支持ロッド49の段差部57の外径より小さく設定されている。このため、規制部材60の内周面側が把持部とされて段差部57を弾性的に把持することとなる。第1実施形態では、規制部材60は、図8に示すように、弾性的に拡径と縮径が容易なように、切欠き部を有する円弧状とされるとともに、内周面側に把持部としての複数の突条60aを備えた構成とされている。(第1実施形態では、3個の突条60aを設けた平面視を略E字状としている。)なお、規制部材60の拡径及び縮径の弾発力は、段差部57を挟持した状態で、ピストンロッド40の重量を支えることが可能な程度とされている。
さらに、規制部材60は、上面側60bが平面とされて、通常時において段差部57に係合した状態では、凹部23cの上側面に当接している。こうすることで、ピストンロッド40は、通常時において、ピストンロッド40が、前進(上昇)移動方向の前進方向への移動が規制されている。しかして、通常時においては、ピストンロッド40は、前進(上昇)移動方向に対する前進方向への移動は、規制部材60と段差部57との係合で規制され、後退方向への移動は、支持段部27eが頭部50を支持することで規制され、通常時の位置に保持されて、前進及び後退移動が規制されている。
第1実施形態の跳ね上げ装置Uでは、センサ6からの信号により、図示しない作動回路が、車両Vの歩行者との衝突を検知若しくは予測した際に、アクチュエータ21におけるガス発生器36が作動されることとなり、シリンダ22内にガス発生器36から発生した作動用ガスGが流入されれば、図6の(a),(b)に示すように、シリンダ22内の内圧が高まり、ピストンロッド40のシリンダ22内のピストン部41がその圧力を受けて、ピストンロッド40の支持ロッド部49とともに上昇する。そして、支持ロッド部49が、図3,4に示すように、アクチュエータカバー8の扉部8bを押し開き、さらに、頭部50を受け座16の受け面16aに押し当ててフードパネル10の後端10cを上昇させ、そして、上昇完了位置UPに配置されれば、テーパー状拡径部56を挿通孔27cに嵌合させて、ロックされる。そして、フードパネル10が、上方から斜め後下方向に移動する歩行者を受け止めて塑性変形するととともに、歩行者の受け止め時におけるフードパネル10の後端10c下面(受け面)16aの下降に伴って、フードパネル10の受け面16aに上端40aの頭部50を当接させていた支持ロッド部49が、図5に示すように、頭部50を後方側へ折曲させるように、曲げ塑性変形することから、歩行者は、フードパネル10の塑性変形と支持ロッド部49の塑性変形とによって、運動エネルギーを多く吸収され、好適にフードパネル10に受け止められることとなる。
そして、跳ね上げ装置Uの作動時には、規制部材60は、ピストンロッド40の前進(上昇)移動に伴って、突条60aが段差部57を乗り上げ、係号状態が解除されて、規制部材60は段差部57から離脱することとなる。この際に、規制部材60は、支持ロッド49によって弾性的に押し広げられて拡径することとなる。ピストンロッド40は、前進(上昇)移動の初期には、突条60aがストレート部60aに摺接しながら移動するが、後期には、テーパー状拡径部56に摺接しながら移動し、上昇完了位置UPに到達すると、ロックピン45が係止面26に係止されて、保持(ロック)される。この状態では、規制部材60が押し広げられて、突条60aは、2点鎖線で示す通常時の位置から、実線で示す作動完了位置まで移動することとなる。
突条60aは、ピストンロッド40の外周面に弾性的に摺接することで、ピストンロッド40の前進(上昇)移動の摺動抵抗となるが、支持ロッド49のストレート部54は外径が小さいので比較的抵抗が小さく、ピストンロッド40は極めて円滑な前進(上昇)移動が可能とされている。
突条60aは、ピストンロッド40の前進(上昇)移動の後期においては、図9に示すように、テーパー状拡径部56に摺接し、ストレート部54への摺接状態よりさらに大きな力で弾性的に押し広げられることとなる。この状態では、ピストンロッド40は前進(上昇)移動する際に突条60aからより大きな摺動抵抗を受けるが、その大きさはピストンロッド40の外径に比例する。このため、摺動抵抗は、テーパー状拡径部56によって徐々に大きくなることになるため、テーパー状拡径部56は、抵抗徐変部を構成することになる。
第1実施形態のアクチュエータ21においては、先ず、通常時においては、支持段部27eが頭部50を支持して、シリンダロッド40が前進(上昇)移動方向の後退方向へ移動を抑制するように保持し、規制部材60としての略E字状のリング部材の内周面の突条60aが支持ロッド40の係合部としての段差部57に係合して、シリンダロッド40が前進(上昇)移動方向の前進方向へ移動するのを抑制している。このため、走行時等の自動車の振動によってシリンダ22内でのシリンダロッド40のがたつきが効果的に防止でき、異音の発生を抑えることができる。また、シリンダ21内部は、Oリング28とOリング29で密封されて防水構造とされているため、シリンダ21内部の空気は外気温の変動によって、膨張、収縮を繰返し、シリンダロッド40は、前進方向、後退方向に移動しようとするが、前述の通り、シリンダロッド40の移動が効果的に抑えられて、シリンダ22内の密封性能の低下を効果的に抑制することができる。さらに、摺動部24とピストン部41との間に配設されているOリング47のガス漏れ防止効果の低下も的確に抑制することができる。
次に、アクチュエータ21の作動時においては、突条60aは段差部57との係合が離脱して、シリンダロッド40がシリンダ22内を前進(上昇)移動するが、この際に、突条60aの内周面は、支持ロッド49の外周面に摺動しつつシリンダロッド40が移動するが、移動の初期において、外径の小さいストレート部54に摺接している間は摺動抵抗が小さく、シリンダロッド40は円滑な移動が可能であるが、移動の後期においては、支持ロッド49のテーパー状拡径部56が突条60aに当接して摺動移動するため、摺動抵抗は、テーパー状拡径部56の外径に比例して徐々に大きくなる。このため、シリンダロッド40の前進(上昇)移動の運動エネルギーが的確に減衰させられて、前進(上昇)完了位置UPでのロック機構によって停止させられ、的確な衝撃吸収性能を発揮することが可能となる。
なお、第1実施形態のアクチュエータ21において、規制部材60は、通常時においては、突条60aは段差部57に係号して支持ロッド49を弾性的に把持しており、作動時においても、支持ロッド49のストレート部54及びテーパー拡径部56を弾性的に把持しているので、規制部材60の上面側60bを大径部25の上面壁25bに当接させるか、近接して配置するだけで、シリンダ22内に固定する必要はなく、支持ロッド49における頭部50の下端部51と段差部57との上下方向の長さと、キャップ27における支持段部27eと大径部25の上側面25bとの上下方向の長さ、とを、ほぼ同一とするか、前者の長さを若干大きくすれば、通常時においてピストンロッド40をシリンダ22内にがたつき等なく保持することが可能である。(図8(a)参照)
また、通常時において、突条60aと段差部57との係合状態における突条60aのかかり代は、規制部材60の弾発力によって適宜決めることができるが、ストレート部54の直径に対するかかり代は、0.1〜0.5%が好ましく、0.2〜0.3%がさらに好ましい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態につき、図面を用いて説明する。なお、第2実施形態については、第1実施形態と異なる箇所を中心に説明し、同じ箇所には同一の符合を付すこととする。
第2実施形態のアクチュエータ21も、図1乃至図5に示すように、第1実施形態と同様な跳ね上げ装置Uに用いられるが、第1実施形態とは規制部材70が異なる以外は、第1実施形態と同一である。
規制部材70は、上面側70bが大径部25内の上面壁25bと一体形成されている。具体的には、第1実施形態の規制部材60と同じように内周面側に複数の突条70a(第2実施形態では3個の突条70aが形成されている。)が形成された切り欠き部71を有する平面視略E字形状のリング状部材の上面側70bを、上面側25bに螺子止めや溶接で固定する等して形成するか、或いは、キャップ27の製造時に一体的に切削加工して等して形成している。(図8(a)参照)
第2実施形態においては、図8(a)に示すように、通常時において、支持ロッド49の上方部の外周面には、係合部としての凹部58が形成されている。この凹部58には、通常時において、突条70aが係合し、ピストンロッド40が、前進移動方向の前進方向及び後退方向への移動を規制している。
なお、第2実施形態では、規制部材70が、通常時において、ピストンロッド40の、前進(上昇)移動方向に対する、前進方向及び後退方向の両方への移動を規制することができるが、第1実施形態と同様に、キャップ27の上方部には、支持段部27eが形成され(図6(a)、(b)参照)、支持ロッド49の頭部50の下面側を支持して、通常時においては、ピストンロッド40の前進移動方向に対する後退方向への移動を規制しているので、凹部58は、第1実施形態と同様に、段差部57のみで、規制部材70が、ピストンロッド40の前進(上昇)方向への移動のみを規制する態様とすることもできる。
第2実施形態の跳ね上げ装置Uでも、第1実施形態と同様に、センサ6からの信号によって作動させられる。
作動時においては、規制部材70は、図_に示すように、前進(上昇)移動するピストンロッド40によって突条70aの先端が、前進移動方向に向けて折り曲げ変形(塑性変形)させられることとなる。ピストンロッド40の前進(上昇)移動の途上において、初期の段階では、突条70aは外径が比較的小さい支持ロッド49のストレート部54に摺接しているので、突条70aの折り曲げ量は小さく、摺動抵抗が小さいため、ピストンロッド40は、円滑に前進(上昇)移動可能であるが、さらに、前進(上昇)移動の後期の段階では、突条70aは、抵抗徐変部としての支持ロッド49のテーパー状拡径部56に摺接して前進(上昇)移動するため、摺動抵抗がテーパー状拡径部56の外径に比例して徐々に大きくなり、シリンダロッド40の前進(上昇)移動の運動エネルギーが的確に減衰させられる。こうして、ピストンロッド40は、前進(上昇)完了位置UPでのロック機構によって停止させられ、的確な衝撃吸収性能を発揮することが可能となる。
なお、第2実施形態において、突条70aの先端部は、ピストンロッド40の移動によって塑性変形させられる態様としたが、第1実施形態で用いた規制部材60と同じ材質を用いて弾性変形可能な態様としても、同様の効果を奏することが可能である。
(変形例)
本願の発明は、実施形態に限定されるものではなく、以下のような変形例においても実現可能である。
(1)抵抗徐変部を、テーパー状拡径部56に変えて、支持ロッド49の抵抗徐変部に相当する箇所を、ストレート部54より外径が大きい拡径部とし、さらに大径部に、規制部材60,70の摺動抵抗が徐々に大きくなるよう、前進(上昇)移動方向の前方側から後方側に向けて、前進(上昇)移動方向に交差する深さが徐々に深くなる凹凸を設けることでも、第1実施形態及び第2実施形態と同様の効果を奏することが可能となる。なお、拡径部の外径は、一定であっても、テーパー状であっても同様の効果をそうすることができる。
(2)ロック機構を、ピン45等のロック機構に変えて、支持ロッド49におけるピストン部41との境界部に凹溝を設け、ピストンロッド40の前進(上昇)完了位置UPで、この凹溝に規制部材60、70が弾性的に係合して、ピストンロッド40を固定(ロック)する。本態様においては、ピン45等のロック機構より簡単な構成でピストンロッド40を前進(上昇)完了位置UPで固定(ロック)することができる。
本発明の一実施形態であるアクチュエータが使用されるフード跳ね上げ装置 を搭載させた車両の斜視図である。 実施形態のフード跳ね上げ装置を搭載させた車両の部分拡大平面図である。 実施形態のフード跳ね上げ装置と車両のヒンジ部とを示す前後方向に沿った 概略縦断面図であり、図2のIII−III部位に対応する。 実施形態のフード跳ね上げ装置の作動時を示す概略断面図である。 実施形態のフードパネルの跳ね上げ後におけるアクチュエータの支持ロッド の塑性変形状態を示す概略図である。 第1実施形態のアクチュエータの概略縦断面図であり、通常時と作動完了時とを示す。 第1実施形態のアクチュエータにおいて、ロック機構の部位を示す概略拡大横断面図であり、通常時と作動完了時とを示す。 実施形態のアクチュエータにおいて、規制部材の部位の概略拡大図であり、通常時の位置を示す。 第1実施形態のアクチュエータにおいて、規制部材の部位の概略拡大図であり、作動完了時の位置を示す。 第2実施形態のアクチュエータにおいて、規制部材の部位の概略拡大図であり、作動完了時の位置を示す。
符号の説明
10 : フードパネル
11 : ヒンジ部
16 : 受け座
22 : シリンダ
23 : 本体
24 : 摺動部
25 : 大径部
26 : 係止面
27 : キャップ
27e: 支持段部(保持手段)
32 : 下端側部
33 : 下端壁部
34 : 周壁部
36 : 流体(ガス)発生器
40 : ピストンロッド
41 : ピストン部
42 : 収納凹部
43 : 流入経路
45 : ロックピン
49 : 支持ロッド
54 : ストレート部
56 : テーパー状拡径部(抵抗徐変部)
57 : 段差部(係合部)
57a: 傾斜面
60 : 規制部材
61 : 切り欠き
70 : 規制部材
71 : 切り欠き
G : 作動用ガス(燃焼ガス)
R : ロック機構
S : 変形スペース
U : フード跳ね上げ機構
UP : 前進(上昇)完了位置

Claims (3)

  1. 自動車用安全装置に使用されて、
    通常時、筒状のシリンダ内に、ピストン部と該ピストン部に連結された支持ロッドとが収容され、
    作動時、前記シリンダ内に配設させた流体発生器から作動用流体を吐出させることにより、前記ピストン部及び前記支持ロッドが前記シリンダ内を前進移動することにより前記支持ロッドが前記シリンダ外へ突出するとともに、前進移動した前記ピストン部及び前記支持ロッドのロック機構を備え、
    前記シリンダから突出した前記支持ロッドが、保護対象物を受け止めるための受止材を支持する構成のアクチュエータであって、
    通常時において、前記支持ロッド及び前記ピストン部は、前記支持ロッドに形成された係合部が前記シリンダ内に配設された規制部材に係合して前進移動方向への移動が規制され、さらに、保持手段によって後退方向へ移動しないよう保持され、
    作動時において、前記支持ロッド及び前記ピストン部が前進移動するとこによって前記規制部材が変形させられて前記係合部との係合が離脱させられるとともに前記保持手段は前記支持ロッド及び前記ピストン部の前進移動を許容し、さらに、前記規制部材は前記支持ロッドの前記ピストン部との連結部近傍の外周面に前進移動方向の前方側から後方側に向けて漸次摩擦抵抗が大きくなるよう設けられた抵抗徐変部に摺接可能とされたことを特徴とするアクチュエータ。
  2. 前記規制部材は、弾性的に拡径・縮径が可能なリング状部材で、
    通常時において、前記リング状部材の内周面側の把持部が前記支持ロッドの外周面側を弾性的に把持するとともに、前記支持ロッドの外周面で前進移動方向の前方側が小径で後方側が大径とされた段差状に形成された係合部に係合して前記支持ロッド及び前記ピストン部の前進移動方向への移動を規制し、
    作動時において、前記規制部材は前記支持ロッド及び前記ピストン部の前進移動によって前記係合部を乗り越えることで弾性的に拡径させられ、前進移動方向の前方側から後方側に向けて漸次外径が大きくなるようテーパー状に形成された抵抗徐変部に摺接することを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
  3. 前記段差状の係合部は、前記支持ロッドの前進側から後退側に向けて漸次大径となる傾斜面を備えていることを特徴とする請求項2に記載のアクチュエータ。
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