JP2010029836A - 塗布ヘッド清浄方法および塗布ヘッド清浄装置 - Google Patents

塗布ヘッド清浄方法および塗布ヘッド清浄装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は塗布ヘッドの吐出口および吐出口面に付着したペーストを清浄する清浄装置であって、清浄により発生する塗布ヘッドの吐出口及び吐出口面への傷を抑制できる塗布ヘッド清浄方法および塗布ヘッド清浄装置を提供することを目的とする。
【解決手段】塗布ヘッドの吐出口近傍の吐出口面に付着した塗液を清浄する塗布ヘッド清浄方法であって、一回の塗布動作ごとに、粘着テープを該吐出口近傍の吐出口面に略垂直方向に接近させ当接させた後略垂直方向に引き離す押し当て動作を行い、一回の塗布動作ごと、または複数回の塗布動作ごとに、溶剤を含浸させた拭き取り部材を該吐出口近傍の吐出口面に当接した状態で該拭き取り部材と該吐出口面を相対的に移動させる摺動動作を行うことを特徴とする。
【選択図】図9

Description

本発明は、ガラス基板、ウエハー等など、塗液を枚葉塗布するに際し、塗布基板の表面に塗液を吐出しながら表層を形成する塗布装置に用いられる塗布ヘッドの清浄方法および塗布ヘッド清浄装置の改良に関するものである。
さらに詳しくは、本発明は、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ(有機EL)、電界放出ディスプレイ(FED)等のフラットパネルディスプレイパネルなど)の製造分野で使用されるものである。
ガラス基板やウエハー等、基板に塗液を枚葉に塗布して、所定の厚みで機能性のある表層を形成する場合に、これら塗液の塗布ヘッドは、この表層が形成される前記基板の表面と一定のクリアランスを保ち、基板の表面と塗布ヘッドの吐出口が対向するように配置されることがほとんどである。ここで用いられる塗布ヘッドは、一つの平面に全ての吐出口の縁部が臨むように形成されていることが多い。
このような塗布を行う装置として、多くの場合において、X軸、Y軸およびZ軸の3軸を有するステージからなる塗布装置が用いられる。そして、3軸を駆動させることにより、塗布ヘッドの吐出口面を前記表層を形成する基板の表面に所定のクリアランスでもって精度良く近接させた後、基板と塗布ヘッドを相対移動させながら、吐出口から塗液を吐出することにより、基板表面に前記表層の形成がおこなわれる。
以下、近年開発が進み大きな市場を形成しているPDPの技術を例として説明する。
交流型PDPは、前面板と背面板との間に備えられた放電空間内で対向するアノード電極およびカソード電極の間にプラズマ放電を生じさせ、放電空間内に封入されているXe−Ne混合ガスなどの放電ガスから波長147nm、172nmといった短い紫外線を発生させ、放電空間内に設けた蛍光体層に照射することにより蛍光体が発光し、赤、緑、青にそれぞれ発光する蛍光体を用いることでカラー表示が可能となる。
その背面板には、放電の広がりを一定領域に抑え、表示を規定のセル内で行わせると同時にかつ均一な放電空間を確保するため、隔壁(障壁、リブともいう)と呼ばれる構造体が形成されている。隔壁の形状は、一般にはおよそ幅20〜120μm、高さ50〜250μmのストライプ状や格子状のものなどがある。そして、蛍光体層は、蛍光体粉末、有機バインダーおよび有機溶媒を主成分とする蛍光体ペーストとして所定の隔壁間に塗布され、必要に応じ乾燥、焼成することによって形成される。蛍光体ペーストを所定の隔壁間に塗布する方法としては、スクリーン印刷法、ディスペンサー法(ノズル法と呼ばれる場合もある)があり、近年では材料ロスの少ないディスペンサー法が注目されつつある。
ディスペンサー法による蛍光体ペースト塗布方法を示した模式図を図1に示す。ディスペンサー法とは、内部に蛍光体ペースト2を貯留する空間(マニホールド)を持った塗布ヘッド1を、被塗布部材である基板3に対向させて配置し、塗布ヘッド1と基板3を所定のクリアランスを保って相対移動させながら、空間(マニホールド)に接続された加圧配管4を通して圧力を制御された圧縮空気を導入することで吐出口5から蛍光体ペースト2を吐出し、隔壁24の間にペーストを充填する塗布方法である。
近年PDPの大型化、高精細化に伴い従来にも増して高品位な塗布が要求されている。欠点のない高品位な塗布を達成するため、枚葉毎の塗布を安定して行うことが重要である。
ディスペンサー法による蛍光体ペーストの塗布は、枚葉間欠塗布であることが多く、1枚の基板を塗布する間に吐出開始と吐出終了がある。特に、塗布開始部は吐出開始部であり、毎回の塗布開始に際して塗布ヘッドからのペーストの吐出が再現性良く安定していることが重要である。そのためには、塗布開始前の吐出口面、特に吐出口周りは清浄化されていることが重要である。
一方、塗布終了後の吐出口面には、ペースト吐出時のバラス効果の影響や、塗布終了時に吐出口面と基板間のクリアランス部でつながっているペーストの影響などにより、ペーストが付着し、残留してしまう。つまり、このような塗布ヘッドによって1枚の基板への塗布が完了した後に、次の基板へ表層を形成するために塗液の塗布を再開しようとすると、塗液の一部が塗液吐出口周辺部に滴状になって付着・残存している状態となる場合がほとんどである。
ここで、吐出口面6にペーストが残ったまま次の基板へ塗布を行えば、塗布開始部で吐出量のばらつきが生じたり、ペーストの吐出挙動が乱れたりといった諸問題が生じ、塗布(吐出)が不安定になるため、基板の塗布品位が大きく損なわれ、不良品を発生させることになる。
よって、このような基板の量産ラインでは、所定のタクトタイムの内で、次の基板への塗布を再開するまで塗布が間欠停止されるわずかな時間に、この吐出口面に付着した残留ペーストを除去清浄しないと、次の基板の塗布品位が大きく損なわれる事となる。
したがって、1枚の基板への塗布動作が完了する毎に、付着塗液となった塗液を除去して、塗布ヘッドの吐出口面を清浄化することは、高機能で付加価値の高い塗布層をもつ塗布基板を量産するにあたって重要な生産技術であり、基板を含む最終製品、例えばディスプレイ装置などの機能向上と、コスト競争力の向上という両面に影響するため、従来から多くの清浄技術が開発されてきている。
塗布ヘッドの清浄技術として、従来、拭取り部材を吐出口面に押し当てながら摺動させて残留ペーストや異物を拭き取るものが知られている(特許文献1参照)。これは、図2に示すように織編物からなる拭取り部材9を、吐出口面6に押し当て部材10で押し当てつつ一定の摺動方向11に摺動させながら、摩擦により吐出口5および吐出口面6に付着した残留ペースト8を拭き取る方法である。特に、拭取り効果の向上を目的として、たとえば超極細繊維の織編物をアセトンなどの清浄溶剤で湿潤させながら用いる拭取方法が知られている。
しかしこの方法は、拭取り効果の高い超極細繊維の織編物を使用することから、拭取り性能は良好であるが、拭取り部材によって拭き取られた蛍光体ペーストの、その中に含まれる蛍光体粉末などの無機粉末を吐出口面と接触させた状態で摺動することになるため、塗布ヘッドの吐出口面に図3に示すような擦り傷12が発生するという問題が生じる。塗布ヘッドにこのような傷が発生すると、ペーストが付着している場合と同様、塗布開始時点における塗液の吐出挙動が不安定になって塗布品位が低下していき、さらに傷の大きさ、深さが進行していくと塗布不能となるため、傷のない塗布ヘッドと交換せざるを得なくなる。一般的にディスペンサー法の塗布ヘッド1には、直径が50〜200μm程度の微細な吐出口5が約1000〜4000個程度、吐出口面6の長手方向に一直線上に並んで高精度に加工されており非常に高価である。したがって擦り傷の発生に起因する塗布ヘッドの交換は、プラズマディスプレイパネルの製造コストを著しく増大するので好ましくない。
他方、この様な摺動による吐出口面の擦り傷発生を防止するため、溶剤吸収能力のある粘着テープを、蛍光体ペーストが付着した塗布ヘッドの吐出口面に当接し、残留ペーストから溶剤成分を吸収することで残留ペーストを固化させ、その固化したペーストをテープの粘着力で被清浄材表面から剥離転写する技術が知られている(特許文献2参照)。しかしながら、特許文献2に記載のテープ転写技術では、次の様な問題がある。
まず、一般的に塗布工程を運営するには、一時的に塗液を多量に吐出する「試し吐出」が行われる。その際は、吐出口に分厚く盛り上がった大量のペーストが付着する。
また、塗布不良が発生した場合などには、吐出流の乱れに起因して吐出口および吐出口面にペーストが大量に付着することがある。
これら大量のペーストを粘着テープへの転写で除去するには、長時間の押し当てやその繰り返しが必要となり、その上吐出口周辺には微細な固着物が生成され、その固着物はテープへの転写では除去しきれない。加えて生産タクトタイムとの兼ね合いから、拭取りに割ける時間は限られており、長時間の押し当てやその繰り返しは、タクトタイムを遅延することになる。よって大量のペーストを粘着テープで除去する事は、性能、品質、生産性の面で好ましくない。
この大量のペーストを効率よく除去清浄するため、特許文献3では、粘着テープを用いて吐出口面を清浄する工程と織編物により清浄する工程を有する清浄方法が示されている。
これは、通常塗布工程においては粘着テープによる清浄を行いつつ、大量のペーストが付着した場合にのみ、織編物による拭き取りを行うことで吐出口面の清浄度を保つというものである。
しかしながらこの特許文献3に記載の清浄方法においては、粘着テープによる清浄回数を重ねるにつれ、吐出口面に固着したペーストが堆積するという問題が起こることがわかった。詳細について、以下で説明する。
図4は、従来の塗布工程における、粘着テープの押し当て動作による清浄方法をおこなった場合の、吐出口近傍の残留ペーストの付着状態を示す模式図である。まず、特許文献1記載の装置と同様な従来型塗布ヘッド清浄装置を用いて図4(a)の状態となるように吐出口近傍を清浄化した後、蛍光体ペーストを隔壁が形成された基板に塗布した。塗布後の塗布ヘッド吐出口面6を観察したところ、図4(b)に示すように残留ペースト8が形状、量とも不規則にばらついた状態で付着していた。同様にして吐出口近傍を清浄化しながら数回の塗布を行ったところ、残留ペーストの付着状態は毎回異なっていた。
次に、上記の不規則にばらついたペーストが付着したノズル吐出口面6に対し、特許文献3記載の装置と同様な塗布ヘッド清浄装置にて、粘着テープを吐出口面に押し当てて転写清浄を実施した後、ノズル吐出口面を観察したところ、図4(c)に示す以下のような状況を確認した。
残留ペースト8が付着した部分では、粘着テープを押し当てている間に溶媒が粘着テープに吸収される。よって吐出口周りでは、ごく微少な固着残りは見られるが、ほとんどのペーストが除去されている状態が得られた。一方その外周部にあたる、押し当てにより残留ペーストが押し広げられた領域の端部に相当する箇所では、ペーストが固化した状態の付着物13となり、吐出口周りに波形に残留している状態となった。ここでは、吐出口面6のペーストが清浄されており、この付着物13は次の吐出に影響を及ぼさなかったため、引き続き塗布、転写清浄を繰り返し行った結果、付着物13がさらに堆積していった。図5に、塗布、転写清浄を繰り返し塗布ヘッド断面と付着物の状態を示した模式図を示す。堆積付着物14は、枚数を重ねる毎に積み重なっていき、例えば100枚程度連続で塗布、転写をおこなった後では、その高さが塗布クリアランスと同等の数百μmとなって、塗布中に基板表面と接触して基板表面を傷つけたり、塗布されたペーストに接触して不要なスジを生じさせるなどの不具合が生じた。積み重なって固着状態となった付着物は、テープ転写を繰り返すことで溶剤成分がどんどん吸収され、その結果固着したペーストがノズル吐出口面にますます強固に付着する。よってその後粘着テープを用いて除去を試みても取り除くことが出来ず、結果塗布を継続することは難しい状態となった。また一度このような堆積付着物14が発生すると、拭取り効果の高い超極細繊維の織編物を用いた摺動拭きを行っても十分除去することができず、装置の稼動を止めて、手作業で擦り取るしかなかったので、塗布の稼働率を著しく低下させることとなった。
特開2002−126599号公報 特開2001−353856号公報 特開2007−175632号公報
本発明の目的は、上述した問題点を解決し、塗布ヘッドの吐出口が設けられている表面を短時間で確実に清浄することを可能とし、拭取り傷の発生を抑制できる塗布ヘッド清浄方法および塗布ヘッド清浄装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は、塗布ヘッドの吐出口および吐出口近傍の吐出口面に付着した塗液を清浄する塗布ヘッド清浄方法であって、一回の塗布動作ごとに、粘着テープを該吐出口および吐出口近傍の吐出口面に略垂直方向に接近させ当接させた後略垂直方向に引き離す押し当て動作を行い、一回の塗布動作ごと、または複数回の塗布動作ごとに、溶剤を含浸させた拭き取り部材を該吐出口および吐出口近傍の吐出口面に当接した状態で該拭き取り部材と該吐出口面を相対的に移動させる摺動動作を行うことを特徴とする塗布ヘッド清浄方法を提供する。
本発明において塗布ヘッドとは、塗布装置を構成する塗布ノズルや口金などの部材であって、塗液を吐出するための吐出口を有する部材を指す。また吐出口とは、塗布ヘッドに供給された塗液が被塗布物に向かって吐出される開口を指す。さらに吐出口面とは、塗布ヘッド外面のうち吐出口周辺部を含む面、すなわち吐出口が開口する面を指す。また、吐出口近傍とは、吐出口外縁の近傍領域であり、この領域に塗液が残留したまま塗布すると、塗布品位が著しく損なわれる。
吐出口は単数であっても複数であっても良く、スリット状、円形、楕円形または多角形等、どのような形状であっても良いが、塗布ヘッドが後述のプラズマディスプレイ用蛍光体塗布用塗布ヘッドである場合は、プラズマディスプレイにおいて1画面に必要な蛍光体ペーストを少なくとも各色につき1回の吐出で塗布できるように、走査方向の画素数に応じた数以上の数(約1000〜4000個程度)の吐出口(円形であれば直径50〜200μm程度、場合によっては楕円形、多角形でもよい)を塗布ヘッドの長手方向に一直線上に配列して備えたものであることが好ましい。
本発明によれば、粘着テープの押し当て動作による清浄の課題である、押し当て清浄の繰り返しによって堆積する付着物を、溶剤を含浸させた拭き取り部材による摺動動作による清浄で吐出口面に強固に付着する前に、除去することが可能となる。また、溶剤の効果により、弱い押し付け力を付与した摺動動作による清浄が可能となり、拭取り傷の発生を抑制することができる。よって、堆積していく付着物を一掃することが可能となる。例えば、一回の塗布動作ごとに、粘着テープの押し当て動作のみによる塗布ヘッドの清浄を30回繰り返した結果、吐出口面に波形の強固な固着が発生してしまう場合には、20回繰り返した後、次の21回目の塗布を行う前の塗布ヘッドの清浄に、粘着テープの押し当て動作による清浄に加え、摺動動作による清浄を行うようにすることで、波形の固着を除去することができ、固着の蓄積を回避できる。あるいは、21回目の塗布を行う前に、摺動動作による清浄だけをおこなっても良い。いずれにせよ、複数回の塗布中、摺動動作による清浄は1回だけとなり、摺動の回数を減らせられるため、拭取り傷の発生を大幅に低減する事が可能となり好ましい。さらには、周期的に摺動による清浄を行うことで、固着の蓄積を抑制することが可能となり好ましい。
摺動動作による清浄を何枚塗布毎に行うかについては、使用する塗液および粘着テープの性能から、最適な時期を選択することが好ましい。
また、粘着テープの押し当て動作による清浄と摺動動作による清浄を行うことで、大量の付着塗液がある場合においても、例えば付着塗液の量を減らす程度のごく弱い押し付け力のもとで摺動動作を行った後に、さらに粘着テープの押し当て動作による清浄を行うことが可能となるため好ましい。
また、本発明の好ましい形態によれば、一回の塗布動作ごと、または複数回の塗布動作ごとに、前記摺動動作を行った後に前記押し当て動作を行い、その後次の塗布動作を行う塗布ヘッド清浄方法を提供する。
このようにすることによって、摺動動作による清浄により吐出口面に残留する溶剤を、粘着テープの押し当て動作により除去することが可能となり好ましい。
また、本発明の好ましい形態によれば、一回の塗布動作ごと、または複数回の塗布動作ごとに、前記押し当て動作を行った後に前記摺動動作を行い、その後次の塗布動作を行う塗布ヘッド清浄方法を提供する。
このようにすることによって、摺動動作による清浄の前に、吐出口面の付着塗液を除去することができるため、拭き取り傷の発生をより低減できる。次いで摺動動作による清浄を行うことで波形に形成されつつある付着物を除去することができ好ましい。
また、本発明の好ましい形態によれば、一回の塗布動作ごと、または複数回の塗布動作ごとに前記押し当て動作、前記摺動動作、前記押し当て動作を順に行い、その後次の塗布動作を行う塗布ヘッド清浄方法を提供する。
このようにすることによって、大量の付着塗液がある場合であっても1回目の摺動動作によりほとんどの付着塗液を除去するとともに固着した付着物を膨潤させ、残された付着塗液を押し当て動作によって除去し、さらにわずかに残された低溶剤の付着物を2回目の摺動動作により完全に除去することができるので、さらに好ましい。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記塗液がPDP用蛍光体ペーストである塗布ヘッド清浄方法を提供する。
本発明は、PDP用蛍光体ペーストのように、塗液が塗布ヘッドを摩耗させる程の硬度を有する微粒子を含む組成である場合でも、吐出口面への拭取り傷発生を少なくでき好ましい。
また、本発明は、塗布ヘッドの吐出口および吐出口近傍の吐出口面に付着した塗液を清浄する塗布ヘッド清浄装置であって、粘着テープを該吐出口および吐出口近傍の吐出口面に略垂直方向に接近、当接、引き離す機能を有する転写清浄ユニットと、溶剤を含浸させた拭き取り部材を該吐出口および吐出口近傍の吐出口面に当接した状態で該拭き取り部材と該吐出口面を相対的に移動させる機能を有する摺動清浄ユニットを備えることを特徴とする塗布ヘッド清浄装置を提供する。
また、本発明の好ましい形態によれば、塗液を被塗布部材に塗布する塗布動作、前記転写清浄ユニットを用いる押し当て動作、前記摺動清浄ユニットを用いる摺動動作の操作順序を記憶する記憶手段と、該記憶された操作順序に従って該転写清浄ユニットおよび該摺動清浄ユニットを制御する制御手段とを備えることを特徴とする塗布ヘッド清浄装置を提供する。
本発明によれば、塗布ヘッドの付着塗液を清浄するに際し、粘着テープの押し当て動作による転写清浄と溶剤を含浸させた拭き取り部材の摺動動作による摺動清浄を行えるため、各々の清浄により生じる欠点を補完し合う清浄動作が可能となり好ましい。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記転写清浄ユニットは、弾性のある第1の円筒面が設けられた転写押し当て部材と、該第1の円筒面に巻き掛けられた粘着テープと、前記粘着テープを巻き取る第1の巻き取り手段を有し、前記摺動清浄ユニットは、弾性のある第2の円筒面が設けられた摺動押し当て部材と、第2の円筒面に巻き掛けられた摺動拭き取り部材と、前記拭き取り部材を巻き取る第2の巻き取り手段とを有する塗布ヘッド清浄装置を提供する。本発明に置いて円筒面とは、円柱の側面またはその一部を指し、円筒面が設けられた押し当て部材としては、長手方向に垂直な方向の断面が円である円柱状のロールや、長手方向に垂直な方向の断面が円弧を有する柱状物を用いることができる。
本発明によれば、塗布ヘッドの清浄に際して、粘着テープおよび溶剤を含浸させた摺動拭き取り部材が順調に供給される塗布ヘッド清浄装置が構成でき、効率的に塗布ヘッドの清浄をおこなえるため好ましい。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記転写清浄ユニットと前記摺動清浄ユニットが一体となったカセット式であることを特徴とする塗布ヘッド清浄装置を提供する。
本発明によれば、一定の交換作業で粘着テープおよび摺動拭き取り部材が交換できるようになり、塗布工程を運営する複数の人員の誰もが同じ手順で交換作業がおこなえ、交換作業に個人差が生じないなどの理由から好適である。なお、清浄ユニットのカセットは、1つのカセットを交換すれば粘着テープ、および摺動拭き取り部材の両方が同時に交換されるように構成してもよく、粘着テープおよび摺動拭き取り部材が別々のカセット交換でそれぞれ単独で交換されるようにしてもよい。さらには、粘着テープ、摺動拭き取り部材の消費量を厳密にシミュレーションし、両者を同時に使い終わるようにすれば、交換に費やす時間を短縮できるためより好ましい。
本発明の塗布ヘッド清浄方法および塗布ヘッド清浄装置を用いることにより、塗布ヘッド吐出口面の残留塗液を確実に除去でき、かつ塗布ヘッド吐出口面の摺動による清浄回数が激減するため、吐出孔面の損傷を低減できるようになる。さらには、粘着テープだけを使った清浄の課題を解消することもできる。したがって高価な塗布ヘッドの寿命が著しく延びるという望ましい効果があるとともに、良好な清浄性を有し、清浄時間を著しく増加させることもないという極めて好ましい効果を得ることが可能となる。
本発明の塗布ヘッド清浄方法および塗布ヘッド清浄装置は、塗布ヘッドとしてPDP製造用蛍光体塗布ノズルを、塗液としてPDP蛍光体ペーストを用いることが好ましい。そこで以下、本発明の最良の実施形態の例を、PDP製造用蛍光体塗布ノズルを用いて、PDP蛍光体ペーストを塗布する場合の塗布ヘッド清浄方法および塗布ヘッド清浄装置に適用した場合を例にとって説明するが、本発明は何らこれに限定されない。
まず、本発明の要部である塗布ヘッド清浄装置の構成を説明する前に、PDP製造用蛍光体塗布装置の全体構成の一例について説明する。
図6は本発明の一実施態様に係る塗布装置の全体斜視図、図7はその側面図である。
図6は、本発明に係るPDPの製造に適用される塗布装置の一例を示している。この装置は基台15の上に一対のX方向ガイドレール16を備えており、このガイドレール16上の案内ガイド17をリニアに走行するように、塗布ヘッドを備えた門型のフレーム(ガントリ)18が設置されている。さらにガイドレール16の間にテーブル19が設置されている。このテーブル19の上面には、基板20が真空吸引によってテーブル19の上面に固定可能となるように、図示しない複数の吸引孔あるいは吸着溝が設けられている。また、基板20は図示しないリフトピンによってテーブル19上を昇降する。あるいは、基板搬送が可能なコロがテーブル19に内蔵されており、コロの昇降により基板20を昇降させられるものでもよい。一対のガイドレール16には、ガントリ18全体を駆動せしめる駆動系(図示しない)が具備されている。ガントリ18は、これら駆動系により、ガイドレール16上をX軸方向に往復動自在となっている。
テーブルはY方向移動機構22を備えており、X方向と直角方向に動作可能である。また、図示しない回転機構を有しており、テーブル自体がXY平面内で回転(θ方向)可能な構成である。
ガントリには、テーブルの基板載置面に対して垂直方向に動作可能な1対のZ軸25があり、このZ軸に付随するホルダ23に、塗液を吐出する塗布ヘッド1が取り付けられている。塗布ヘッド1の長手方向は基板20の幅方向に一致するよう配置されている。
これらの構成によって、塗布ヘッド1はX軸、Z軸方向に自在に移動させることができる。テーブルに備えたY方向移動機構22と合わせ、塗布ヘッドとテーブルおよび基板はXYZ3方向への相対移動が可能となる構成である。
塗布ヘッド1は、ガントリの往復動方向と直交する方向、つまりY軸方向に水平に延びているが、Z軸25の個別操作により、基板20およびテーブル19との平行を保つ事が可能となる。
基台15上には、本発明の要部である塗布ヘッド清浄装置26が有る。塗布ヘッド清浄装置26は、ガイドレール間に位置するよう設置されており、ガントリが塗布ヘッド清浄装置の位置まで移動し、その位置で塗布ヘッドの清浄操作を行う。
続いて、本発明の要部である塗布ヘッド清浄装置の構成を説明する。図8および図9は、本発明の塗布ヘッド清浄装置の実施形態を示した模式図である。塗布ヘッド清浄装置26は、摺動動作による清浄を行う摺動清浄ユニット100、粘着テープの押し当て動作による清浄を行う転写清浄ユニット200を備えている。
まず、摺動動作による清浄を行う摺動清浄ユニット100について説明する。本発明の塗布ヘッド清浄方法に用いる装置は、拭取り布がロール状から巻出されたものであり、該布を間欠的に供給する巻出し手段と、清浄後の布をロール状に巻き取る巻取り手段と、該布の張力を制御する手段と、該布の送り量を制御する手段とを有することが好ましい。
摺動動作による清浄を行う摺動清浄ユニット100では、摺動用消耗部材である拭取り布104を送り出す巻出布ロール101と、送り出された拭取り布104が部分的に接触し、拭取り部材を押し当てる弾性体である摺動押し当て部材103と、拭取り布104を巻き取る巻取布ロール102を有する。摺動押し当て部材103上の拭取り布104へ、塗布ヘッド1を接触、摺動させられるようになっている。この摺動押し当て部材103は、固定の摺動押し当て部材芯部105を弾性体106で包み込み、摺動拭取り時に塗布ヘッドと接触する部分が円筒状となっているものを用いる。弾性体106は、適度な柔らかさと共に、押し当てた相手の形状にならう融通性を有するものが適しており、発泡性スポンジや合成ゴム等を使用することが好ましい。具体的には、シリコンスポンジ、ポリエチレンスポンジ、フッ素スポンジ、シリコンゴム、フッ素ゴム等が好ましい。なお摺動押し当て部材103の断面形状については、塗布ヘッドが接触する当接面が円筒形状を有するものが好ましい。従って103に示したような円筒状のものを用いても良いが、設置個所のスペース上の制約から、例えば円筒部を有する扇形をなすものや、さらには円筒形状を保つものであれば、摺動による清浄を良好に行える範囲で、摺動方向の寸法(断面形状幅)が幅細のものを用いても良い。円筒面の直径は40〜200mmであることが好ましい。40mmより小さいと、摺動時に吐出口面6が当接する距離が短くなり好ましくない。200mmより大きくなると円筒形状の効果が薄れてしまい好ましくない。円筒面の直径が60〜100mmであるとさらに好ましい。
さらに、塗布ヘッド1の吐出口面6に付着したペーストおよび溶剤を確実に拭き取るには、塗布ヘッド1を摺動押し当て部材103で拭取り布104に押し当てた時に、拭取り布104が塗布ヘッド1に十分に密着していることが必要である。そのために摺動押し当て部材103には適度な柔軟性が要求される。具体的には、拭取り布104および弾性体106の2つの構成要素を重ね合わせて、表面の硬度をゴム硬度計で一括して測定する場合(JIS K 6253(2006))に、そのゴム硬度がA5〜A35度となる構成を実現することが好ましい。摺動時は、塗布ヘッド1の吐出口面6を摺動押し当て部材頂部から0〜1mm押し込んだ状態が得られるようにすることが好ましい。押し込み量が0未満だと摺動できず、逆に1mm以上だと塗布ヘッドに傷が発生しやすくなり、装置にも多大な負荷が発生するため好ましくない。
さて巻出布ロール101と巻取布ロール102は、図示しない駆動伝達機構を介して巻出モーター109および巻取モーター110によって駆動され、拭取り布104の送り出しおよび巻取りが行なわれる。巻出布ロール101における拭取り布104の拭取り操作1回毎の送り出し量は、布の使用量を節約して拭取り回数を多くできるよう、3〜10mmとすることが望ましい。送り出し量は、図示しない布径検知センサで巻取布ロール102の直径を測定し、直径から算出される巻取モーター110の駆動速度および駆動時間によって制御される。また、摺動押し当て部材103上で、拭取り布104にしわが発生しないように、常に拭取り布104に張力を付加した状態とする。そのために、1)ブレーキ力を生じるように巻出モーター109をトルク制御しながら、巻取布ロール102で拭取り布104を巻き取る、2)拭取り布104の送り出し以外の停止時には、巻出モーター109によって拭取り布104に張力を付加する、ことが好ましい。しわ抑制のため、公知の各種しわ伸ばし手段を講じても良い。
摺動は、清浄ユニットをX方向へ駆動させることで行っても良いが、清浄ユニットの構成簡略化のため、塗布装置のX軸を利用して、塗布ヘッドをスライドさせることで行っても良い。
なお、この例では拭取り部材である拭取り布104には布材を用いている。布材には多くの品種があるが、拭取りによる汚れの除去作用が高く、且つ毛羽等がなく発塵しないものが好ましい。具体例として、極細長繊維を使用した不織布または織編物が好ましい。超極細繊維の布材を用いることで、ペースト中に数μm程度の微細な無機粉末を含有する場合にも拭き残り無く塗布ヘッドを清浄することができる。さらにこの場合、洗浄溶液で織編物を湿潤させ、ペーストを拭取りやすくすることも好ましい。洗浄溶剤としては、固着したペーストを効果的に溶解するものであれば好ましく(例えばアセトン、エタノールなど)、適宜選択して使用できるが、ペーストを構成する溶媒成分を用いるのも好ましい。
さらに布材以外でも、発塵を抑制し、且つ耐薬品性を有する樹脂およびゴムのシート材を使用してもよい。具体例としては、フッ素ゴムシート、ブチルゴムシート、シリコンゴムシート等が好ましい。
次に、粘着テープの押し当て動作による清浄を行う転写清浄ユニット200について説明する。本発明における転写清浄ユニット200の構成は、粘着テープがロール状から巻出されたものであり、該粘着テープを間欠的に供給する巻出し手段と、清浄後の粘着テープをロール状に巻き取る巻取り手段と、該粘着テープの張力を制御する手段と、該粘着テープの送り量を制御する手段とを有することが好ましい。
粘着テープの押し当て動作による清浄を行う転写清浄ユニット200では、転写用消耗部材である粘着テープ204を送り出す巻出粘着ロール201と、送り出された粘着テープ204が部分的に接触し、拭取り部材を押し当てる弾性体である転写押し当て部材203と、粘着テープ204を巻き取る巻取粘着ロール202を有する。ここで、転写押し当て部材203の設置位置が塗布ヘッド押し当て位置であり、転写押し当て部材203上の粘着テープ204へ、塗布ヘッド1を押し当てる。この転写押し当て部材203は、固定の転写押し当て部材芯部205を弾性体206で包み込み、転写時に塗布ヘッド1と接触する部分が円弧状となっているものを用いる。
押し当ては、清浄ユニットをZ方向に昇降駆動させることで行っても良いが、清浄ユニットの構成簡略化のため、塗布装置のZ軸を利用し、ノズルを昇降させることで行っても良い。弾性体206は適度な硬さを有し、押し当てた際にテープとノズルの間で適度な圧力を生じるものが適している。
押し当て部材の支持部を構成する弾性体として各種材料が使用できるが、ゴムが最も好ましい。各種ゴムが使用できるが、繰り返し押し当てても残留ひずみなどのダメージを受けず、回復が早いものが好ましい。この様なゴムの一例として、例えばシリコンゴムや天然ゴムを使用することが好ましい。また、万一ペーストが付着しても劣化しにくいゴム材質が好ましい。ペーストとゴム材質のこの様な好適な組み合わせが選択できない場合は、ゴム表面にカバーフィルムなどを設けても良い。
ゴムの硬度としては、A20〜A60度(JIS K 6253(2006))が好ましい。A20より小さいと接圧が不足気味になり転写不良が発生しやすくなる。またA60より大きいと、弾性が損なわれ均一な接圧が得られないのみならず、塗布ヘッドにダメージが発生しやすくなるので好ましくない。より好ましくはA30〜A40度である。
押し当て部材当接面のゴムの硬度のバラツキが大きいと均一な接圧が得られない為、硬度のバラツキは小さい方が良く20度以下が好ましい。10度以下であればさらに好ましい。
次に転写押し当て部材203の形状精度については、押し当て部材の塗布ヘッドとの当接面の真直度は1mm以下であると均一な接圧が得られやすくなるので好ましい。0.5mm以下であればより好ましく、0.2mm以下であればさらに好ましい。また、押し当て部材の当接面の表面粗さは0.2mm以下であると均一な接圧が得られやすくなるので好ましい。0.1mm以下であればなお好ましい。
また、ゴムの厚みとしては1〜30mmが好ましく、5〜15mmがさらに好ましい。1mmより小さい場合弾性が損なわれ適度な接圧が得られない。30mmより大きい場合、不要な材料が多くなる上、装置が大きくなり不経済である。
押し当て部材の当接面の断面形状は、凸型であると特に重要な吐出口部の接圧を確実にできるので好ましい。平面あるいは凹型だと接圧が不十分な部分が発生しやすくなり好ましくない。特に、当接面の形状が円筒面の一部であるといっそう好ましい。この場合、円筒の頂部に吐出口を押し当てることで、接圧が一列に並んだ吐出口近くで開始され、続いて吐出口周辺部へ拡大するため押し当て時にペーストの広がりが均一化されるので好ましい。また、当接面の形状が円筒面の一部であれば当接面の加工が容易になり、結果として真直度が向上するので好ましい。
円筒面の直径は10〜1000mmであるとさらに好ましい。10mmより小さいと吐出口位置が円筒の頂点からずれ易く、吐出口に適切な圧力がかからなくなるので好ましくない。1000mmより大きいと凸型の効果が薄れ、接圧不足の部分が発生しやすくなるので好ましくない。円筒面の直径が20〜100mmであるとさらに好ましい。円筒の頂点を吐出口の位置に合わせると、接圧が均一になりやすく好ましい。円筒の頂点と吐出口位置とのズレは小さい方が良く5mm以下が好ましい。2mm以下ならさらに好ましい。
押し当て部材の断面形状の幅は、押し当て面が円筒面の一部であれば203に示したような幅細のものでも良い。設置場所が充分にある場合など、細幅にする必要がなければ、円筒のままであってもなんら問題ない。
好ましい押し当て圧力(接圧)は、0.01〜1MPaである。さらに好ましくは、0.05〜0.3MPaである。接圧が0.01MPaより小さいとペーストの均一な転写が不十分となり好ましくない。また、1MPaより大きいと接圧機構に多大な負荷が発生し、かつ塗布ヘッドにもダメージが発生しやすくなるので好ましくない。接圧の測定には例えば富士写真フィルム社製感圧シート(商品名プレスケール)などが用いられる。または、接圧センサーを押し当て部材に組み合わせて設置し、接圧の計測結果を接圧動作のコントローラにフィードバックすることで均一な接圧を得られるようにしても良い。
このような接圧は、特に塗布ヘッドの転写押し当て部材への押し込み量が0mm〜5mmとなる場合に好適に実現できる。押し込み量が0未満だと接圧が発生しない。逆に5mm以上だと、塗布ヘッドにダメージが発生しやすく、接圧機構にも多大な負荷が発生してしまい好ましくない。
さて巻出粘着ロール201と巻取粘着ロール202は、図示しない駆動伝達機構を介して、巻出モーター209及び巻取モーター210によって駆動され、粘着テープ204の送り出し及び巻き取りが行なわれる。巻出粘着ロール201からの粘着テープ204の転写清浄1回毎の送り出し量は、拭取り回数を多くできるようテープの使用量を節約して設定することが好ましい。例えば塗布ヘッドの吐出口面幅が4〜16mmである場合は、2〜8mmとすることが望ましい。送り出し量は、例えば図示しないロール径検知センサで巻取粘着ロール202の直径を測定し、直径から算出される巻取粘着ロール202の駆動速度及び駆動時間によって制御されることが望ましい。また、転写押し当て部材203上で、粘着テープ204にしわが発生しないように、常に粘着テープ204に張力を付加した状態とする。そのために、1)ブレーキ力を生じるように巻出モーター209をトルク制御しながら、巻取粘着ロール202で粘着テープ204を巻き取る、2)粘着テープ204の送り出し以外の停止時には、巻出モーター209によって粘着テープ204に張力を付加する、ことが好ましい。
本発明に適用できる粘着テープは、幅広い塗液種類や付着量に対応するため適宜選択して使用することが出来る。粘着テープは基材と粘着剤層からなる構成であることが好ましく、粘着剤層が溶剤吸収性の粘着剤から構成される粘着テープであるとさらに好ましい。これは、粘着剤がペーストあるいはペースト溶剤を吸収できるとペーストの流動性が低下(固化)し、著しく剥離転写しやすくなるためである。このためには、粘着材の溶解度パラメータがペースト、あるいはペースト溶剤のそれと近い値であるのが好ましい。前記粘着テープの溶媒吸収能力は、面積1m2あたり10mL以上であることが好ましく、20mL以上であることがより好ましい。溶媒吸収能力が面積1m2あたり10mL未満であると溶媒吸収残りが生じやすくなる傾向がある。なお、ここでいう粘着テープの溶媒吸収能力は、塗液を構成する溶媒中に浸漬し1分間で吸収により増加した重量により測定した値である。
前記粘着テープの溶媒吸収速度は、面積1m2あたり1mL/秒以上であることが好ましく、3mL/秒以上であることがより好ましい。溶媒吸収速度が面積1m2あたり1mL/秒未満であると、ペースト溶媒吸収に時間がかかりすぎ、清浄にかかる時間が長くなる傾向がある。なお、粘着テープの溶媒吸収速度は塗液を構成する溶媒中にテープを浸漬し、5秒間に溶媒分を吸収した重量増加分を単位面積あたり、単位時間あたりで割返すことによりにより測定した値である。
さらに、前記粘着テープの粘着力は、20mm幅あたり0.5〜4.0Nであるものことが好ましく、2.0〜3.0Nであることがより好ましい。20mm幅あたりの粘着力が0.5N未満であると吐出口面に残ったペースト中の溶媒を吸収した後に残る固化物を除去しきれなくなる傾向があり、4.0Nをこえるとテープ剥離に時間がかかり、粘着剤層が粘着テープの基材から剥離する傾向がある。なお、該粘着テープの粘着力は、JIS Z 0237(2000)に準拠した方法で、厚さ25μmのPETフィルムと貼り合わせ、23℃、引張速度300mm/minで180°方向に引きはがして測定した値である。溶剤吸収後でも粘着力を有することが重要である。
また、前記粘着テープの粘着剤層の厚みは、0.005〜0.3mmであることが好ましく、0.01〜0.15mmであることがより好ましい。粘着剤層の厚みが0.005mm未満であるとペースト中の溶媒を吸収しきれない傾向があり、0.3mmをこえるとテープの厚みが厚く、巻き長さが短くなり、交換が頻繁になる傾向がある。
粘着テープの張力としては特に限定しないが、10〜1000N/mが好ましい。10N/mより小さいと粘着テープ材の搬送が不安定になりシワが発生したり、押し当てが不均一になりやすい。1000N/mより大きいと高張力をかけるための駆動設備が大型化したり、装置負荷が増大するので好ましくない。30〜200N/mであればより好ましい。
塗布ヘッド清浄装置には、公知の各種シワ伸ばし手段を設置するほか、特に粘着テープには帯電を防止する手段を設置することが好ましい。帯電量が10kV以下であると、放電を防止しやすくなり、ゴミの吸着も防止しやすくなるので好ましい。1kV以下であればさらに好ましい。
本発明における清浄装置は、図8の300へ示すように摺動清浄ユニット100、転写清浄ユニット200がそれぞれ着脱可能なカセット式であることが好ましい。あるいは、図9に示すように、摺動清浄ユニット100と転写清浄ユニット200のヘッド部のみが一体として着脱可能なカセット式であっても良い。こうすることの便利な点は、例えば巻出布ロール、巻出粘着テープロールを使い切った場合、新たなロールを清浄装置に設置するロール交換作業が必要となる。この交換作業の間は、塗布ヘッドの清浄が不能となるため、塗布工程を中断せねばならない。塗布装置上でこの交換作業を行っても良いが、塗布装置内での交換は作業スペース、清浄装置へのアクセスが限られるため、作業効率が悪く塗布を中断する時間も長くなる。しかし清浄装置を交換可能なカセット式にしておけば、図示しないカセット着脱台車などを用いてカセットごと塗布装置から取り外し、塗布装置外でロール交換作業を行うことができるため効率的である。また、より好ましくは、あらかじめ未使用のロールを設置した予備カセットを準備しておくことにより、ロールを使い切ったカセットと予備カセットを入れ替えるカセット交換作業を行うことで、塗布を中断する時間を大幅に削減できるため、稼働率を下げることなくロールの交換を行うことが可能となるため好ましい。
図9には、塗布装置を含めた清浄装置の制御構成略図を示している。図9に示す制御部には、塗布装置の制御を司るXYZ各軸のモーターコントローラー、各種センサの電気入力、画像処理装置からの情報、塗液の吐出を制御するバルブの信号等々、すべての制御情報が電気的に接続されており、全体のシーケンス制御を行えるようになっている。制御部は、コンピューターでも、シーケンサでも、制御機能を有するものであればどのようなものでも良い。この制御部が清浄装置の動作記憶手段、動作制御手段であることが好ましいが、清浄装置専用の動作記憶手段、制御手段を持つ制御回路を有しても良い。この場合は、塗布装置の制御部と電気的に接続され、装置全体の動作と連動して清浄動作が可能となるようプログラミングされる。
清浄動作シーケンスとして、「試し吐出」を行ったあとは、摺動動作による清浄と粘着テープの押し当て動作による清浄を組み合わせて行うよう、あらかじめプログラミングしておく事が好ましい。また、通常塗布後の清浄動作においては、粘着テープの押し当て動作による清浄のみを行うシーケンスを組んでおくことが好ましい。ただしこの粘着テープの押し当て動作による清浄だけを繰り返すと、回数を重ねる毎に吐出口面にペーストの固着が蓄積されるため、例えば20枚連続で基板へ塗布した後は、摺動動作による清浄と粘着テープの押し当て動作による清浄の両方を行う、あるいは摺動動作による清浄のみを行うといったプログラムをあらかじめ組み込んでおくことが好ましい。あるいは、粘着テープの押し当て動作による清浄のみを繰り返す回数を、装置の操作部から任意に設定できるようにしておいても良い。また、なんからの事情により、塗布動作があらかじめ定めた時間(例えば10分)以上中断した場合は、吐出口からのペースト浸みだしにより吐出口面のペースト量が増える。よってこの場合にも、粘着テープの押し当て動作による清浄と摺動動作による清浄の両方を行う、あるいは摺動動作による清浄のみを行うなど、清浄動作の記憶及びその動作をその時々で最適に制御することが好ましい。塗液の性状、生産タクト、その他諸々の条件下においても、吐出口面の清浄度を一定に保つことが可能な最適清浄動作を行えるよう制御手段を用いてプログラミングしておくことが好ましい。図10に清浄動作シーケンスの一例を示す。
本発明は、特にペースト粘度が10〜100Pa・sの場合に好適に適用することができる。10Pa・sより小さいと、塗布していないときに塗布ヘッドからペーストが浸みだし垂れやすくなる傾向があり、付着量が多くなると粘着テープの押し当て動作による清浄では拭き残りが発生しやすくなるので好ましくない。また、100Pa・sより大きいときは、高粘度ゆえ吐出が困難になるため、塗布速度を上げにくい傾向がある。さらには、付着量によっては清浄残りが発生しやすくなるので好ましくない。より好ましくは、20〜70Pa・sのペースト粘度である。なお、ペースト粘度はブルックフィールド型の粘度計を用いて、測定温度25℃・ずり速度2.4s−1で測定した値である。
また、塗液としては、PDP製造に用いられる蛍光体ペースト、反射層用ペースト、誘電体ペースト、電極ペーストなど、塗布材料に合わせて選定すればよい。
本発明の塗布ヘッドが、プラズマディスプレイ製造用蛍光体塗布ノズルであるとさらに好ましく清浄できる。本発明の塗布ヘッド清浄方法および清浄装置を、一面毎に塗布の開始及び終了を行う枚葉方式の塗布に適用すると、従来技術では吐出口面の清浄が不十分であったり、拭取り傷が発生したりしていた場合でも、吐出口面に傷を生じることなく清浄できるので非常に均一で高品位な塗布面を得ることができ好ましい。特にPDP製造用蛍光体ペーストの塗布に用いると効果が大きいので好ましい。
次に本発明の塗布ヘッド清浄方法および清浄装置について、摺動動作による清浄(摺動清浄)、粘着テープの押し当て動作による清浄(転写清浄)につき、各々順をおって説明する。
<摺動清浄>
(1)先ず、塗布ヘッドの設置されたガントリは任意に定める待機位置にある。この状態で、摺動清浄ユニット100の巻出布ロール101から巻取布ロール102へ拭取り布104を送り出し、塗布ヘッド1と接触する摺動押し当て部材103上の拭取り布104を未使用の部分に更新する。
(2)図示しない摺動拭取り溶剤付着装置で、拭取り布104に溶剤を吹きつけ、拭取り布104を溶剤で湿潤させる。
(3)塗布ヘッドの吐出口5が、摺動押し当て部材頂部から布巻取側へ5〜30mm程度離れた場所へ位置するようガントリを走行させ、停止させる。
(4)Z軸を駆動させて、塗布ヘッド1を摺動押し当て部材103に適度に押し込むことができる高さまで下降、停止させる。ここで、塗布ヘッド1の摺動押し当て部材103への押し込み量は0〜1mmであることが好ましい。押し込み量が不足すると、塗布ヘッド1と拭取り布104が均等に接触せず、ペースト吐出口面6のペーストを確実に拭き取ることができない。また、押し込み量が過大だと、摺動による負荷が大きくなり、塗布ヘッドへの傷発生を促進してしまうので好ましくない。
(5)ガントリをガイドレール16に沿って、布巻出側へ速度10〜50mm/secで走行させる。塗布ヘッド1の吐出口5が摺動押し当て部材103の上を当接しながら通過する時、拭取り布104が塗布ヘッド1のペースト吐出口面6に押し当てられて摺動するので、塗布ヘッド1のペースト吐出口5に付着したペーストを除去、清浄できる。
(6)ガントリを(1)で示した待機位置に戻し、一連の摺動清浄による塗布ヘッド清浄作業を終了する。
<転写清浄>
(1)塗布ヘッド1の設置されたガントリは任意に定める待機位置にある。この状態で、転写清浄ユニット200の巻出粘着ロール201から巻取粘着ロール202へ粘着テープ204を送り出し、塗布ヘッド1と接触する転写押し当て部材203上の粘着テープ204を未使用の部分に更新する。
(2)塗布ヘッド1の吐出口5が転写押し当て部材203の円筒の頂部に位置するようガントリを走行移動させ、停止させる。転写押し当て部材203の頂部は塗布ヘッド1を粘着テープ204へ押し当てる位置である。
(3)Z軸を駆動し塗布ヘッド1を下降させ、転写押し当て部材203及び粘着テープ204に略垂直方向に適度に押し込み、停止保持させる。ここで、塗布ヘッド1の転写押し当て部材203への押し込み量は0〜5mmであることが好ましい。押し込み量が不足すると、塗布ヘッド1と粘着テープ204の間の接圧が小さく、ペースト吐出口面のペーストを確実に粘着テープへ転写させることができない。また、押し込み量が過大だと接圧が高くなりすぎるため、塗布ヘッド、清浄ユニットへの負荷が大きくなり好ましくない。
(4)0.1秒〜10秒間停止保持した後、Z軸を駆動し塗布ヘッド1を上昇させて粘着テープ204から略垂直方向に遠ざけるように引き剥がす。この動作により、吐出口面6のペーストが粘着テープ204に転写される。素早く引き剥がすほど清浄効果が大きく、引き剥がし速度は10〜1000mm/sの間が好ましい。さらに粘着テープ204にやや高めの張力を与える等して素早く引き離すと、さらに清浄効果が大きい。必要に応じて、この転写動作を複数回繰り返しても良い。
(5)ガントリを(1)で示した待機位置に戻し、一連の転写清浄による塗布ヘッド清浄作業を終了する。
次に、本発明による塗布ヘッド清浄装置を用いた清浄方法の基本動作の一例を、PDP蛍光体ペーストの塗布動作を含め順をおって説明する。
(1)先ず、準備作業として、塗布ヘッド1の内部にペーストを充填する。
(2)続いて、基板搬送装置(図示しない)によって、基板20をテーブル19上に搬送した後、基板20をテーブル19の所定位置に吸着固定する。
(3)(2)を行う間に、塗布ヘッド清浄装置26により、塗布ヘッド1の吐出口面6を清浄する。塗布使用前の吐出口面6は、吐出口5からのペースト染み出し等により汚れている場合があるほか、ペースト以外の異物などが付着している場合があるため、塗布する前に必ず清浄する。この場合は、布による摺動清浄か粘着テープによる転写清浄何れかの方式で吐出口面を清浄すれば良いが、吐出口面6をより清浄化するため、両方式とも用いて清浄しても良い。ただし、塗布ヘッドの吐出口面への拭取り傷発生を抑制するには、転写清浄だけを行う方が好ましい。
また、「試し吐出」を行った後は、吐出口面6に大量のペーストが付着しているため、摺動清浄と転写清浄を組み合わせて拭取ることが好ましい。
(4)次いで、基板20の所定位置と塗布ヘッド1の吐出口5との相対位置をペースト塗布位置に合わせた後、基板20と塗布ヘッド1のペースト吐出口面6との距離(クリアランス)が所定値になるよう、Z軸を駆動して塗布ヘッド1を下降させる。次いでガントリ18をX方向に走行させる。ガントリが走行中に、塗布ヘッドのペースト吐出口5が基板20の塗布開始位置に到達した時点で、塗布ヘッド1からペーストを吐出し、基板20上にペーストを塗布する。その後もガントリ18は走行を続け、基板20の塗布終了部へ塗布ヘッド1のペースト吐出口5が到達した時点でペースト吐出を停止し、ガントリ18の走行を停止すると共に塗布ヘッド1を上昇させて、ペースト塗布を終了する。ここで、ペーストの吐出/停止は、塗布ヘッド1へ圧縮空気を供給/停止・大気開放することにより行う。
(5)塗布終了後、ガントリ18は案内ガイド17に沿って待機位置、または拭取り位置へ戻る。その後テーブル19上では、基板の吸着固定を解除し、基板搬出装置(図示しない)により、基板20を次工程へ搬出すると同時に、次の基板を搬入する。基板搬入・搬出中に、吐出口面6の清浄を行う。塗布後の吐出口面6の清浄は、吐出口面6への傷発生を低減するため、転写清浄を適用することが好ましい。
(6)転写清浄後、(4)(5)の動作を繰り返し、基板へのペースト塗布を継続する。
(7)転写清浄での塗布枚数が増えると、吐出口面6に波形の堆積が出現し、塗布に影響を及ぼすため、影響が出ない枚数を塗布した後は適宜摺動清浄を行い、吐出口面6の堆積を摺動清浄により一掃する。そして再び転写清浄での塗布を繰り返す。
いずれにせよ、使用するペーストの性質及び粘着テープの性能から、転写清浄と摺動清浄の組み合わせを選択することが好ましい。
塗布及び清浄の一連動作はこの様なものである。
以上の動作中で、連続して基板に塗布する場合は、ペースト塗布装置への基板搬入搬出作業を実施する間に、塗布ヘッド1の清浄作業を行うようにして、塗布工程タクトタイムへの清浄作業時間の影響を軽減することが好ましい。また塗布ヘッド清浄による塗布品位への影響を一定にするため、塗布ヘッド清浄作業完了からペースト吐出開始までの時間を一定にすることが好ましい。
以上説明したように、本発明を用いれば、塗布ヘッド1からのペースト吐出前に、塗布ヘッド1のペースト吐出口面6に付着しているペースト等の汚染物は確実に除去、清浄されるので、基板に塗液を枚葉塗布するに際して常に同じ状態で塗布を行えることになり、ペースト塗布を再現性よく長期にわたり高品位に実現できることとなる。
以下にプラズマディスプレイ用蛍光体塗布ヘッドの清浄に本発明を適用した実施例を説明するが、本発明はかかる実施例のみに何ら限定されるものではない。
使用した蛍光体ペーストは以下の方法で作成した。無機蛍光体粉末の重量比率を19として重量比率20のエチルセルロースの16重量%テルピネオール/ベンジルアルコール(3/1)溶液の中に分散・混合して蛍光体ペーストを作成した。用いた蛍光体粉末は赤色発光には(Y,Gd)BO:Eu(以下、R蛍光体という)、緑色発光にはZnSiO(以下、G蛍光体という):Mn、青色発光にはBaMgAl1017:Eu(以下、B蛍光体という)である。これらの各色蛍光体粉末の累積平均粒子径、および最大粒子径はR蛍光体:2.7μm、27μm、B蛍光体:3.7μm、27μm、G蛍光体:3.6μm、25μmである。また、それぞれの粘度はR蛍光体:52Pa・s、B蛍光体:39Pa・s、G蛍光体:40Pa・sである。
該蛍光体を塗布する塗布ヘッドは孔径100μmの吐出口を塗布ヘッドの長手方向に1920個配列して有する塗布ヘッドであり、内部に空気によって200〜700kPaの圧力をかけ、基板とのクリアランスを200μmにとり、基板に対する進行速度を20〜200mm/sの範囲内で変化させて蛍光体ペーストを吐出させることにより所定の隔壁間に蛍光体ペーストを充填する塗布ヘッドを用いた。
塗布ヘッドを用いて塗布する塗布装置として、XYZθ4軸を有するステージと、XYZθ4軸を制御駆動させる制御部、塗布装置と清浄装置の動作をあらかじめ定めたプログラムにて制御動作させる記憶制御部などから構成される塗布装置を用いた。
清浄装置には、粘着テープを用いた転写清浄ユニットおよび繊維織編物を用いた摺動清浄ユニットを備える清浄装置を用いた。なおこの清浄装置は、交換可能なカセット式になっているものを用いた。
該塗布ヘッドの吐出口および吐出口面に付着した蛍光体ペーストの清浄に用いた粘着テープは以下の通りである。
粘着テープ:日東電工株式会社製 エレップ(登録商標)
また、摺動清浄ユニットに用いた繊維織編物は以下の通りである。
超極細繊維織編物:東レ株式会社製 トレシー(登録商標)
織編物を湿潤する洗浄溶剤としてアセトンを使用した。なお実施例4、5では、エリーズ(旭化成ケミカルズ株式会社製)を清浄溶剤として用いた。
実施例1
前記塗布ヘッドに、前述の通り作製した蛍光体ペーストを充填して、塗布装置に該塗布ヘッドを搭載使用して蛍光体ペーストを所定の隔壁間に塗布した。その後、粘着テープをロール状にしたものを使用して、吐出口および吐出口面に蛍光体ペーストが付着した塗布ヘッドの清浄を行なった。転写押し当て部材として、ゴムロール(直径60mm、ゴム硬度A30、ゴム厚み10mm)を幅35mmに切出し加工した幅細部材を、塗布ヘッドの吐出口面に対向するように設置し、2回の押し当て動作を実施した。
まず粘着テープの粘着剤層を塗布ヘッドの吐出口および吐出口面に接触させ、粘着テープを塗布ヘッドに圧力0.2MPaで押圧しながら4秒間保持した後、転写押し当て部材を吐出口面から離間する方向に50mm/sで移動させながら、粘着テープに4kg/mの張力をかけて粘着面を吐出口面から引き剥がした。吐出口面に波形の付着物が残ったが、吐出口周りのペーストは除去された。この粘着テープによる清浄を行いながら、基板を9枚塗布した。この粘着テープでの清浄を行って9枚塗布したのち、10枚目の塗布を行う前に、摺動動作による吐出口面の清浄を行った。
摺動清浄は、超極細繊維織編物(以下布)をロール状にしたもの(以下布ロール)を使用し、吐出口及び吐出口面に蛍光体ペーストが付着した塗布ヘッドの清浄を行った。塗布ヘッドの吐出口面に対向するように設置されたスポンジロール(直径80mm、ゴム硬度A15、スポンジ厚み10mm)を摺動押し当て部材として用い、摺動動作をおこなった。
まず布ロールから巻出された布を、摺動押し当て部材を経由して巻取るように配置しておく。次に摺動押し当て部材の頂点近傍の布の幅方向にアセトンを塗布した。次いで、吐出口及び吐出口面が布を張った摺動押し当て部材の頂点から0.4mm押し込まれる高さになるまで塗布ヘッドを下降させる。そして布に2kg/mの張力をかけながら塗布ヘッドを摺動押し当て部材上の布と速度20mm/sでストローク30mm相対移動させる。この相対移動の際、摺動押し当て部材の頂点を吐出口及び吐出口面が通過するように移動させた。この摺動動作により、吐出口及び吐出口面のペーストは、波形の付着物を含めてきれいに除去された。
この10枚に1回布による摺動清浄を含む清浄方法により、合計5000枚の基板を塗布したところ、品質の低下なく塗布することが出来た。また、塗布ヘッドの吐出口面を観察した結果、拭取り傷の発生は摺動清浄のみの場合と比べて著しく減少した。
その後10000枚まで塗布を続けた結果粘着テープを使い切ったため、清浄装置のカセットを未使用の粘着テープが搭載されたものと交換し、引き続き塗布をおこなった。
実施例2
実施例1に挙げた装置、清浄方法を用いて、摺動清浄の頻度を20枚に1回として塗布を行った。この20枚に1回摺動清浄を行う清浄方法により、5000枚の基板を塗布したところ、品質の低下なく塗布することができた。また、塗布終了後の塗布ヘッドの吐出口面を観察した結果、拭取り傷はほとんど発生しなかった。
その後10000枚まで塗布を続けた結果粘着テープを使い切ったため、清浄装置のカセットを未使用の粘着テープが搭載されたものと交換し、引き続き塗布をおこなった。
実施例3
実施例1に挙げた装置、清浄方法を用いて、粘着テープでの転写清浄を行いながら基板を19枚連続で塗布した後、20枚目を塗布する前の吐出口面の清浄を転写清浄、摺動清浄の順番で実施した。この20枚に1回転写清浄と摺動清浄を行う清浄方法により5000枚の基板を塗布したところ、品質の低下なく塗布することができた。また、塗布終了後の塗布ヘッドの吐出口面を観察した結果、拭取り傷はほとんど発生しなかった。
その後10000枚まで塗布を続けた結果粘着テープを使い切ったため、清浄装置のカセットを未使用の粘着テープが搭載されたものと交換し、塗布を継続した。
実施例4
実施例1に挙げた装置、清浄方法を用いて、粘着テープでの転写清浄を行いながら基板を19枚連続で塗布した後、20枚目を塗布する前の吐出口面の清浄を転写清浄、摺動清浄、転写清浄の順番で実施した。この清浄方法により5000枚の基板を塗布したところ、品質の低下なく塗布することができた。また、塗布終了後の塗布ヘッドの吐出口面を観察した結果、拭取り傷はほとんど発生しなかった。
その後10000枚まで塗布を続けた結果粘着テープを使い切ったため、清浄装置のカセットを未使用の粘着テープが搭載されたものと交換し、引き続き塗布をおこなった。
実施例5
実施例1に挙げた装置、清浄方法を用いて、粘着テープでの転写清浄を行いながら基板を19枚連続で塗布した後、20枚目を塗布する前の吐出口面の清浄を摺動清浄、転写清浄の順番で実施した。この20枚に1回摺動清浄と転写清浄を行う清浄方法により5000枚の基板を塗布したところ、品質の低下なく塗布することができた。また、塗布終了後の塗布ヘッドの吐出口面を観察した結果、拭取り傷はほとんど発生しなかった。
その後10000枚まで塗布を続けた結果粘着テープを使い切ったため、清浄装置のカセットを未使用の粘着テープが搭載されたものと交換し、引き続き塗布をおこなった。
比較例1
拭取り部材として繊維織編物を用い、特許文献1記載の摺動清浄を適用した基板への塗布を実施した。2000枚連続で塗布・拭取りを実施した後吐出口面を観察した結果、吐出口に強い拭取り傷が発生し、塗布ヘッドは使用不可となった。
比較例2
実施例1に挙げた装置、清浄方法を用いて、粘着テープでの転写清浄だけを行いながら基板を連続で塗布したところ60枚目を塗布するころから基板の一部分でスジ状の小さな塗布欠点が発生し出し、100枚を越えるころには基板全面にスジ状の欠点が広がったので、塗布を中断せざるを得なかった。このときの塗布ヘッドの吐出口面を観察すると、ペーストの積み重なった付着物14が、200μm前後の高さまで堆積しており、基板面にスジ状の欠点を発生させていた。
プラズマディスプレイや液晶ディスプレイなどのフラットパネルディスプレイの製造に好適である。
本発明は固体粒子を高濃度で含む高粘度ペーストへの適用が好適であるが、インクジェットなどの吐液に対しても適用することができる。
ディスペンサー法による蛍光体ペースト塗布方法を示した模式図である。 従来の塗布ヘッドの清浄方法を示した模式図である。 吐出口近傍の擦り傷の状態を示した模式図である。 転写清浄方法における吐出口近傍の残留ペーストの付着状態を示した模式図である。 塗布、転写清浄を繰り返した後の、塗布ヘッド断面と付着物の状態を示した模式図である。 ディスペンサー法による蛍光体ペースト塗布装置を示した斜視模式図である。 ディスペンサー法による蛍光体ペースト塗布装置を示した側面模式図である。 本発明における塗布ヘッド清浄装置の一実施形態を示した模式図である。 本発明における塗布ヘッド清浄装置の他の実施形態を示した模式図である。 本発明における塗布ヘッド清浄装置の制御構成を示した略図である。 本発明における塗布ヘッド清浄方法のシーケンス一例を示した略図である。
符号の説明
1 塗布ヘッド
2 蛍光体ペースト
3 基板
4 加圧配管
5 吐出口
6 吐出口面
7 吐出される蛍光体ペースト
8 残留ペースト
9 拭取り部材
10 押し当て部材
11 摺動方向
12 擦り傷
13 付着物
14 堆積付着物
15 基台
16 ガイドレール
17 案内ガイド
18 門型フレーム(ガントリ)
19 テーブル
20 基板
21 スライド脚
22 Y方向移動機構
23 ホルダ
24 隔壁
25 Z軸
26 塗布ヘッド清浄装置
100 摺動清浄ユニット
101 巻出布ロール
102 巻取布ロール
103 摺動押し当て部材
104 拭取り布
105 摺動押し当て部材芯部
106 弾性体
107 摺動押し当て部材支持部
109 巻出モーター
110 巻取モーター
200 転写清浄ユニット
201 巻出粘着ロール
202 巻取粘着ロール
203 転写押し当て部材
204 粘着テープ
205 転写押し当て部材芯部
206 弾性体
207 転写押し当て部材支持部
209 巻出モーター
210 巻取モーター
300 カセット

Claims (9)

  1. 粘着テープ及び拭き取り部材を用いて塗布ヘッドの吐出口および吐出口近傍の吐出口面に付着した塗液を清浄する塗布ヘッド清浄方法であって、一回の塗布動作ごとに、粘着テープを該吐出口および吐出口近傍の吐出口面に略垂直方向に接近させ当接させた後略垂直方向に引き離す押し当て動作を行い、一回の塗布動作ごと、または複数回の塗布動作ごとに、溶剤を含浸させた拭き取り部材を該吐出口および吐出口近傍の吐出口面に当接した状態で該拭き取り部材と該吐出口面を相対的に移動させる摺動動作を行うことを特徴とする塗布ヘッド清浄方法。
  2. 一回の塗布動作ごと、または複数回の塗布動作ごとに、前記摺動動作を行った後に前記押し当て動作を行い、その後次の塗布動作を行う請求項1に記載の塗布ヘッド清浄方法。
  3. 一回の塗布動作ごと、または複数回の塗布動作ごとに、前記押し当て動作を行った後に前記摺動動作を行い、その後次の塗布動作を行う請求項1に記載の塗布ヘッド清浄方法。
  4. 一回の塗布動作ごと、または複数回の塗布動作ごとに前記押し当て動作、前記摺動動作、前記押し当て動作を順に行い、その後次の塗布動作を行う請求項1に記載の塗布ヘッド清浄方法。
  5. 前記塗液がプラズマディスプレイパネル用蛍光体ペーストである請求項1から4のいずれかに記載の塗布ヘッド清浄方法。
  6. 塗布ヘッドの吐出口および吐出口近傍の吐出口面に付着した塗液を清浄する塗布ヘッド清浄装置であって、粘着テープを該吐出口および吐出口近傍の吐出口面に略垂直方向に接近、当接、引き離す機能を有する転写清浄ユニットと、溶剤を含浸させた拭き取り部材を該吐出口および吐出口近傍の吐出口面に当接した状態で該拭き取り部材と該吐出口および吐出口面を相対的に移動させる機能を有する摺動清浄ユニットを備えることを特徴とする塗布ヘッド清浄装置。
  7. 塗液を被塗布部材に塗布する塗布動作、前記転写清浄ユニットを用いる押し当て動作、前記摺動清浄ユニットを用いる摺動動作の操作順序を記憶する記憶手段と、該記憶された操作順序に従って該転写清浄ユニットおよび該摺動清浄ユニットを制御する制御手段とを備えることを特徴とする請求項6に記載の塗布ヘッド清浄装置。
  8. 前記転写清浄ユニットは、弾性のある第1の円筒面が設けられた転写押し当て部材と、該第1の円筒面に巻き掛けられた粘着テープと、前記粘着テープを巻き取る第1の巻き取り手段を有し、前記摺動清浄ユニットは、弾性のある第2の円筒面が設けられた摺動押し当て部材と、該第2の円筒面に巻き掛けられた拭き取り部材と、前記拭き取り部材を巻き取る第2の巻き取り手段を有する請求項6または7記載の塗布ヘッド清浄装置。
  9. 前記転写清浄ユニットと前記摺動清浄ユニットが一体となったカセット式である請求項6〜8のいずれかに記載の塗布ヘッド清浄装置。
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