JP2010027999A - コモンモードチョークコイルの実装構造 - Google Patents

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【課題】差動信号間のスキュー調整が可能なだけでなく、コモンモードチョークコイルから出力される差動信号における各信号の波形の鈍りをも低減させるコモンモードチョークコイルの実装構造を提供する。
【解決手段】コモンモードチョークコイル1をスキュー調整回路2を通じて差動伝送路3に実装した。即ち、外部電極7−1,21,22(7−2,23,24)を並列コイル5−1(5−2)の入力側引き出し電極51a,52a(53a,54a)に等間隔d1(d2)で接続した。ランドパターン25,26(28,29)を線路3−1(3−2)の端部31(32)に間隔d1(d2)で並設し、パターン27(30)で連結した。外部電極7−1,21,22(7−2,23,24)を端部31(32)及びランドパターン25,26(28,29)に近接させて、端部31(29)と外部電極7−1(24)とを接続した。
【選択図】図1

Description

この発明は、差動伝送路上のコモンモードノイズを除去するコモンモードチョークコイルの実装構造に関するものである。
差動信号を差動伝送路に伝送する上で考慮すべき重要な要素として、ディファレンシャル波形の歪みと差動信号における各信号の波形の歪み等の他、差動信号を構成する両信号間(以下、「差動信号間」と記す)の遅延時間を示すスキューがある。
このスキューは、一般に差動信号を送信ICから差動伝送路に出力する時点ですでに生じているので、送信ICから受信IC間に設けられる1対のパターン間の長さの差を零にしても意味はない。これに対して、送信ICの出力タイミングを合わせてパターンの長さを設定してスキューを無くす工夫をすることも考えられる。しかし、プリント基板の材料の誘電率が均一でないことから、スキューが差動信号間に発生してしまう。そして、このスキューの大きさは、送信ICによって変わる性質がある。そこで、自ら回路全体のスキューを計測して、出力する差動信号間のタイミングをずらす送信ICも存在しているが、高価なため、あまり普及していない。
したがって、スキューを調整するには、高価な送信ICなどを用いずに、受動部品を用いるのがよい。
このような受動部品として、例えば、特許文献1に開示のコモンモードチョークコイルがある。
このコモンモードチョークコイルは、1対の磁性体基板とこれら1対の磁性体基板の間に挟まれた積層体とで構成されている。積層体は下方の磁性体基板の上面に形成された複数の絶縁体層と1対のコイル導体とこれら1対のコイル導体の端部から引き出された4つの引き出し電極とから成っている。そして、積層体の外部に形成された4つの外部電極がこれら4つの引出し電極にそれぞれ電気的に接続されている。
かかる構成により、入力側の2つの外部電極を1対の線路で成る差動伝送路にそれぞれ接続し、出力側の2つの外部電極を1対の線路に接続することで、差動伝送路上のコモンモードノイズを入力側の2つの外部電極から入力し、入力に伴うインピーダンスの増加によって、コモンモードノイズをコイル内部で除去するようになっている。
さらに、このコモンモードチョークコイルは、入力側の外部電極から入力した差動信号間のスキューを調整して、出力側の外部電極から差動伝送路に出力する機能も有している。
特開平08−203737号公報
しかし、上記した従来の技術では、次のような問題がある。
従来は、コモンモードチョークコイルの外部電極を差動伝送路に直接接続する実装構造を採用しているため、コモンモードチョークコイルが、差動伝送路上のコモンモードノイズを除去すると共に出力する差動信号間のスキューを調整することができるが、出力される1対の差動信号における各信号の波形が鈍ってしまうという問題がある。
この発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、差動信号間のスキューの調整が可能であるだけでなく、コモンモードチョークコイルから出力される差動信号における各信号の波形鈍りの発生を防止することが可能なコモンモードチョークコイルの実装構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、積層体に内包された第1及び第2のコイル体を有し、各コイル体の入力側引き出し電極が積層体の前面に露出されると共に出力側引き出し電極が積層体の後面に露出され、1対の入力側外部電極が、第1及び第2のコイル体の入力側引き出し電極にそれぞれ電気的に接続された状態で積層体の前面外側に設けられ、1対の出力側外部電極が、第1及び第2のコイル体の出力側引き出し電極にそれぞれ電気的に接続された状態で積層体の後面外側に設けられたコモンモードチョークコイルを、スキュー調整回路を通じて、1対の線路で成る差動伝送路上に実装したコモンモードチョークコイルの実装構造であって、スキュー調整回路を、第1のコイル体の入力側引き出し電極を入力側外部電極が接続されている部位より第1の長さ分だけ前面に沿って延出させると共に、第2のコイル体の入力側引き出し電極を入力側外部電極が接続されている部位より第2の長さ分だけ前面に沿って延出させ、当該第1のコイル体の入力側外部電極とは別体の入力側副外部電極を、入力側引き出し電極に第1の間隔で複数並列に接続すると共に、第2のコイル体の入力側外部電極とは別体の入力側副外部電極を、入力側引き出し電極に第2の間隔で複数並列に接続し、第1のコイル体の入力側外部電極が接続される差動伝送路の一方の線路の端部の横に、複数の入力側副外部電極と同数のランドパターンを当該複数の入力側副外部電極と対応するように第1の間隔で並設すると共に、第2のコイル体の入力側外部電極が接続される差動伝送路の他方の線路の端部の横に、複数の入力側副外部電極と同数のランドパターンを当該複数の入力側副外部電極と対応するように第2の間隔で並設し、第1のコイル体の入力側外部電極及び複数の入力側副外部電極を、差動伝送路の一方の線路の端部及び当該端部の横に並設された複数のランドパターンに互いに向き合うように非接触状態で近接させると共に、第2のコイル体の入力側外部電極及び複数の入力側副外部電極を、差動伝送路の他方の線路の端部及び当該端部の横に並設された複数のランドパターンに互いに向き合うように非接触状態で近接させ、第1のコイル体の入力側外部電極と一方の線路の端部又は所望の入力側副外部電極とこれに対向するランドパターンとを電気的に接続し、入力側副外部電極とランドパターンとを電気的に接続する際には、当該ランドパターンと一方の線路とをそれぞれ所定長さの第1の導電部材を通じて電気的に接続すると共に、第2のコイル体の入力側外部電極と他方の線路の端部又は所望の入力側副外部電極とこれに対向するランドパターンとを電気的に接続し、入力側副外部電極とランドパターンとを電気的に接続する際には、当該ランドパターンと他方の線路とを所定長さの第2の導電部材を通じて電気的に接続することにより、構成した。
かかる構成により、差動伝送路の1対の線路を伝わる差動信号間に遅延が生じている場合、即ちスキューが生じている場合に、従来の技術のように、差動伝送路の一方及び他方の線路の端部を、コモンモードチョークコイルの第1及び第2のコイル体の入力側外部電極にそれぞれ接続すると、コモンモードチョークコイルは、入力した差動信号の各信号の波形に変形を加えながらスキューを調整しようとする。このため、コモンモードチョークコイルの出力側外部電極から差動伝送路に出力される差動信号間のスキューは調整される。しかしながら、出力差動信号における各信号の波形が鈍ってしまう。
そこで、差動線路の一方の線路を伝わる信号が、他方の線路を流れる信号よりも遅延している場合には、スキュー調整回路において、例えば、第1のコイル体の入力側外部電極を一方の線路の端部に接続しておく。そして、第2のコイル体の入力側引き出し電極の部位であって当該遅延時間の約1/2の時間に対応した長さの部位に接続されている入力側副外部電極を、これに向き合うランドパターンに接続すると共にこのランドパターンを、当該遅延時間の約1/2の時間に対応した長さの第2の導電部材を通じて他方の線路に接続しておく。
これにより、差動伝送路の一方の線路を伝わる信号は、当該線路の端部から入力側外部電極を通じて第1のコイル体に直接入力する。また、他方の線路を伝わる信号は、第2の導電部材を当該遅延時間の約1/2の時間だけ流れた後、ランドパターンから入力側副外部電極に入力する。そして、この信号は、当該入力側副外部電極から入力側引き出し電極を当該遅延時間の約1/2の時間だけ流れた後、第2のコイル体に入力する。すなわち、他方の線路から第2のコイル体に入力する信号は、当該遅延時間分だけ遅れて第2のコイル体に入力する。
したがって、一方及び他方の線路の信号は、コモンモードチョークコイルの第1及び第2のコイル体に同時に入力することとなり、第1及び第2のコイル体に入力される前にスキュー調整されることとなる。この結果、コモンモードチョークコイルは、入力した差動信号の波形に変形を加えながらスキューを調整する必要がないので、コモンモードチョークコイルは、鈍りのない波形の差動信号を、出力側外部電極から差動伝送路に出力することとなる。
請求項2の発明は、請求項1に記載のコモンモードチョークコイルの実装構造において、第1のコイル体の入力側引き出し電極の第1の長さと第2のコイル体の入力側引き出し電極の第2の長さとを等しく設定する共に、当該第1のコイル体の入力側引き出し電極に並列に接続された入力側外部電極,複数の入力側副外部電極の第1の間隔と当該第2のコイル体の入力側引き出し電極に並列に接続された入力側外部電極,複数の入力側副外部電極の第2の間隔とを等しく設定した構成とする。
かかる構成により、第1の長さと第2の長さとを同じにし、第1の間隔と第2の間隔とを同じにしたので、遅延時間に対応した入力側副外部電極及びランドパターンの選択や第1及び第2の導電部材の長さ設定を容易に行うことができる。
請求項3の発明は、請求項1に記載のコモンモードチョークコイルの実装構造において、第2のコイル体の入力側引き出し電極の第2の長さを第1のコイル体の入力側引き出し電極の第1の長さよりも長く設定する共に、第2のコイル体の入力側引き出し電極に並列に接続された入力側外部電極,複数の入力側副外部電極の第2の間隔を第1のコイル体の入力側引き出し電極に並列に接続された入力側外部電極,複数の入力側副外部電極の第1の間隔よりも広く設定した構成とする。
かかる構成により、多様な遅延時間に対応したスキュー調整が可能となる。
請求項4の発明は、請求項3に記載のコモンモードチョークコイルの実装構造において、第2の長さを第1の長さの1.5倍に設定すると共に、第2の間隔を第1の間隔の1.5倍に設定した構成とする。
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のコモンモードチョークコイルの実装構造において、第1の導電部材は、第1のコイル体の入力側引き出し電極に対して平行に一方の線路から延出して当該線路の端部の横に並設された複数のランドパターンの基部に連結する1本のパターンであり、第2の導電部材は、第2のコイル体の入力側引き出し電極に対して平行に他方の線路から延出して当該線路の端部の横に並設された複数のランドパターンの基部に連結する1本のパターンである構成とした。
かかる構成により、複数のランドパターンとそれらを連結するパターンとを、容易にパターン形成することができる。
請求項6の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のコモンモードチョークコイルの実装構造において、第1の導電部材は、第1のコイル体における所望の入力側副外部電極と向き合うランドパターンを一方の線路に接続するショート用チップ部品であり、第2の導電部材は、第2のコイル体における所望の入力側副外部電極と向き合うランドパターンを他方の線路に接続するショート用チップ部品である構成とした。
かかる構成により、コモンモードチョークコイルの入力側外部電極や入力側副外部電極に接続されない不要なランドパターンがスタブとして機能することを防止することができる。
請求項7の発明は、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のコモンモードチョークコイルの実装構造において、入力側外部電極及び入力側副外部電極の下端位置を、コモンモードチョークコイルの下面よりも上方に設定した構成とする。
かかる構成により、入力側外部電極及び入力側副外部電極を線路の端部やランドパターンに非接触にした状態で、コモンモードチョークコイルを差動伝送路上に載置することができる。この状態で、入力側外部電極と線路の端部又は所望の入力側副外部電極とこれに対向するランドパターンとを電気的に接続することで、不要なショートを防止することができる。
以上詳しく説明したように、この発明のコモンモードチョークコイルの実装構造によれば、差動信号間のスキューの調整が可能であるだけでなく、コモンモードチョークコイルから出力される差動信号の各信号における波形の鈍りの発生を防止することができるという優れた効果がある。
また、請求項2の発明によれば、遅延時間に対応した入力側副外部電極及びランドパターンの選択や第1及び第2の導電部材の長さ設定を容易に行うことができるので、実装作業の省力化を図ることができるという効果がある。
また、請求項3及び請求項4によれば、多様な遅延時間に対応したスキュー調整が可能となるので、汎用性に優れたコモンモードチョークコイルの実装構造を提供することができる。
また、請求項5の発明によれば、複数のランドパターン及びパターンを、容易にパターン形成することができるので、製造コストの低減化を図ることができる。
さらに、請求項6及び請求項7の発明によれば、スキュー調整回路を確実に機能させることができる。
以下、この発明の最良の形態について図面を参照して説明する。
図1は、この発明の第1実施例に係るコモンモードチョークコイルの実装構造を示す斜視図であり、図2は、図1のコモンモードチョークコイルの実装構造の分解斜視図である。
図1及び図2に示すように、この実施例のコモンモードチョークコイルの実装構造は、コモンモードチョークコイル1を、スキュー調整回路2を通じて、差動伝送路3上に実装した構造を成す。
図3は、コモンモードチョークコイル1の分解斜視図であり、図4は、図2の矢視A−A断面図である。
これらの図に示すように、コモンモードチョークコイル1は、磁性体基板62が上面に貼り付けられた積層体4と、1対の入力側外部電極7−1,7−2及び1対の出力側外部電極7−3,7−4とを備えている。
積層体4は、図3および図4に示すように、磁性体基板61の上に積層された絶縁層41〜46と導体パターン51〜54とで構成され、第1のコイル体としての1次側並列コイル5−1と第2コイル体としての2次側並列コイル5−2とがこの積層体4内に内包されている。
磁性体基板61は、フェライト等で形成した長方形状の板体であり、その上方に、1次側並列コイル5−1と2次側並列コイル5−2とが構成されている。
1次側並列コイル5−1は、絶縁層41,導体パターン51,絶縁層42,導体パターン52,絶縁層43を磁性体基板61上に順に積み重ね、絶縁層42に設けられたスルーホール42aを通じて、導体パターン51,52を電気的に接続した構造となっている。 そして、導体パターン51,52から引き出された入力側引き出し電極引き51a,52aが積層体4の前面4aに露出され、出力側引き出し電極引き51b,52bが積層体4の後面4bに露出されている。
一方、2次側並列コイル5−2も1次側並列コイル5−1とほぼ同様であり、絶縁層43上に、絶縁層44,導体パターン53,絶縁層45,導体パターン54,絶縁層46を順に積み重ね、絶縁層45に設けられたスルーホール45aを通じて、導体パターン53,54を電気的に接続した構造となっている。
そして、導体パターン53,54の入力側引き出し電極53a54aが積層体4の前面4aに露出され、出力側引き出し電極53b,54bが積層体4の後面4bに露出されている。
磁性体基板62は、磁性体基板61と同様にフェライト等で形成された板体であり、接着層47,48を介して積層体4上に貼り付けられている。
外部電極7−1〜7−4は、図1及び図2に示すように、積層体4の前面4a及び後面4bにそれぞれ設けられている。
具体的には、図3に示すように、入力側外部電極7−1は1次側並列コイル5−1の入力側引き出し電極51a,52aの左端P1に、入力側外部電極7−2は2次側並列コイル5−2の入力側引き出し電極53a,54aの右端P2にそれぞれ電気的に接続されている。また、1次側並列コイル5−1の出力側外部電極7−3は出力側引き出し電極51b,52bに、2次側並列コイル5−2の出力側外部電極7−4は出力側引き出し電極53b,54bにそれぞれ電気的に接続されている。
図1に示すように、差動伝送路3は、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)等の高速伝送路であり、互いに逆位相の差動信号S+,S−をそれぞれ伝送するための1対の線路3−1,3−2で成る。
一方の線路としての線路3−1は、図2に示すように、コモンモードチョークコイル1の入力側外部電極7−1を接続するための端部31と出力側外部電極7−3を接続するための端部33とを有し、他方の線路としての線路3−2は、入力側外部電極7−2を接続するための端部32と出力側外部電極7−4を接続するための端部34とを有している。
スキュー調整回路2は、差動信号S+,S−のスキュー即ち遅延時間を、差動伝送路3の1対の線路3−1,3−2からコモンモードチョークコイル1の1次側及び2次側並列コイル5−1,5−2に入力される前に調整するための回路である。
図5は、スキュー調整回路2を説明するための概略構造図である。
図5に示すように、スキュー調整回路2は、1次側及び2次側並列コイル5−1,5−2の入力側引き出し電極51a(52a),53a(54a)と、入力側外部電極7−1及び入力側副外部電極21,22と、入力側外部電極7−2及び入力側副外部電極23,24とをコモンモードチョークコイル1の入力側に有し、線路3−1の端部31,ランドパターン25,26及びパターン27と、線路3−2の端部32,ランドパターン28,29及びパターン30とを有している。
以下、スキュー調整回路2の回路構造を詳細に説明する。
図6は、スキュー調整回路2の回路構造を説明するための部分拡大概略図である。
図6の(a)及び図3に示すように、1次側並列コイル5−1の入力側引き出し電極51a(52a)は、積層体4の前面4aに沿って水平な方向に延びる長尺状の電極である。具体的には、入力側引き出し電極51a(52a)は、入力側外部電極7−1との接続部位P1から第1の長さL1の分だけ水平に延出している。そして、入力側副外部電極21,22が、この入力側引き出し電極51a(52a)に第1の間隔d1で並列に接続されている。
また、2次側並列コイル5−2の入力側引き出し電極53a(54a)も、図6の(b)及び図3に示すように、積層体4の前面4aの沿って水平な方向に延びる長尺状の電極であり、入力側外部電極7−2との接続部位P2から入力側引き出し電極51a(52a)側に向かって第2の長さL2の分だけ水平に延出している。そして、入力側副外部電極23,24が、この入力側引き出し電極53a(54a)に第2の間隔d2で並列に接続されている。
一方、差動伝送路3側においては、図6の(a)に示すように、図示しないプリント基板上に形成された線路3−1の端部31の横に、入力側副外部電極21,22と同数のランドパターン25,26が第1の間隔d1で並設され、これらランドパターン25,26が、第1の導電部材としての1本のパターン27によって連結されている。具体的には、入力側引き出し電極51a(52a)と同じ長さL1のパターン27が、線路3−1からほぼ垂直に分岐し、端部31の横に並設されたランドパターン25,26の基部を連結している。
また、線路3−2側においても同様に、図6の(b)に示すように、上記プリント基板上に形成された線路3−2の端部32の横に、入力側副外部電極23,24と同数のランドパターン28,29が第2の間隔d2で並設され、これらランドパターン28,29が、第2の導電部材としての1本のパターン30によって連結されている。具体的には、入力側引き出し電極53a(54a)と同じ長さL2のパターン30が、線路3−2からパターン27に向かってほぼ垂直に分岐し、端部32の横に並設されたランドパターン28,29の基部を連結している。
そして、この実施例では、入力側引き出し電極51a(52a)の第1の長さL1と入力側引き出し電極53a(54a)の第2の長さL2とを等しく設定した。また、入力側外部電極7−1,入力側副外部電極21,22の間の第1の間隔d1と入力側外部電極7−2,入力側副外部電極23,24の間の第2の間隔d2とを等しく設定した。すなわち、図5に示すように、1次側並列コイル5−1の入力側引き出し電極51a(52a)に接続された入力側外部電極7−1及び入力側副外部電極21,22と、2次側並列コイル5−2の入力側引き出し電極53a(54a)に接続された入力側外部電極7−2及び入力側副外部電極23,24とが、中心線Mに対して線対称になるように設定されている。これに伴い、線路3−1の端部31,ランドパターン25,26及びパターン27と、線路3−2の端部31,ランドパターン28,29及びパターン30も、中心線Mに対して線対称になっている。
そして、入力側引き出し電極51a(52a)に接続された入力側外部電極7−1及び入力側副外部電極21,22が、線路3−1の端部31及びランドパターン25,26に互いに向き合うように非接触状態で近接されている。また、入力側引き出し電極53a(54a)に接続された入力側外部電極7−2及び入力側副外部電極23,24も、線路3−2の端部32及びランドパターン28,29に互いに向き合うように非接触状態で近接されている。
具体的には、図2に示すように、入力側外部電極7−1,7−2及び入力側副外部電極21〜24の下端位置Qを、コモンモードチョークコイル1の下面即ち磁性体基板61の下面61aよりも上方に設定した。これにより、図1に示すように、コモンモードチョークコイル1を差動伝送路3の線路3−1,3−2上に載置すると、入力側外部電極7−1,7−2及び入力側副外部電極21〜24が差動伝送路3の端部31,32及びランドパターン25,26,28,29と非接触状態になる。なお、この実施例では、コモンモードチョークコイル1の上又は下を気にすることなく、実装することができるように、入力側外部電極7−1,7−2及び入力側副外部電極21〜24の上端位置も、コモンモードチョークコイル1の上面ち磁性体基板62の下面62aよりも下方に設定した。
かかる状態で、コモンモードチョークコイル1側の所望の外部電極と差動伝送路3側の所望の端部又はランドパターンとが半田付けされている。
この実施例では、図1及び図5に示すように、線路3−1を伝わる信号S+が、線路3−2を伝わる信号S−よりもL2(=L1)×2の距離に対応した時間だけ遅れていると仮定して、線路3−1の端部31と入力側外部電極7−1とが半田100で接続されると共に、線路3−2のランドパターン29とが半田101で接続されている。
ここで、コモンモードチョークコイル1の製造方法の一例について簡単に説明する。
コモンモードチョークコイル1は、積層工程と圧着工程とダイシング工程と焼成工程と外部電極形成工程とを実行することで製造される。
まず、積層工程においては、図3に示す磁性体基板61を用意する。
磁性体基板61としては、比透磁率400以上で且つ厚みが0.4mm以上の磁性体基板を用いることが好ましい。なお、この実施例では、フェライトなどの磁性体基板3を用いているが、基板の材料は磁性体に限定されるものではなく、用途に応じて、誘電体や絶縁体を用いても良い。但し、基板61の表面粗さRaは、基板61上に絶縁層41〜46や導体パターン51〜54を積層する際に支障がないよう、1.5μm以下に研磨しておくことが望ましい。
この磁性体基板61の上に、絶縁層41〜46と導体パターン51〜54とを、フォトリソグラフィ技術を用いて交互に複数回積層して積層体4を形成する。
具体的には、ポリイミド樹脂である絶縁層41を磁性体基板61の上面に積層し、この絶縁層41上に、スパッタリングや蒸着等の薄膜形成法、あるいはスクリーン印刷等の厚膜形成法といった成膜技術を用いて、Ag膜層を形成する。しかる後、レジスト塗布,露光及び現像やエッチング等の一連のフォトリソグラフィ技術を用いて、第1の長さL1の入力側引き出し電極引き51aと短い出力側引き出し電極引き51bとを有した導体パターン51を形成する。
続いて、導体パターン51上に、感光性ポリイミド樹脂を塗布し、露光及び現像を行うことで、スルーホール42aを有した絶縁層42を形成する。そして、この絶縁層42上に、導体パターン51及び絶縁層41と同様に、第1の長さL1の入力側引き出し電極引き52a引き出し端子52aと短い出力側引き出し電極引き52bを有した導体パターン52と絶縁層43とを順に積層することで、1次側並列コイル5−1を形成する。
しかる後、1次側並列コイル5−1の上に、1次側並列コイル5−1と同様に、絶縁層44,45,46と導体パターン53,54とを交互に積層することで、第2の長さL2の入力側引き出し電極53a,54aと短い出力側引き出し電極53b,54bとを有した2次側並列コイル5−2を形成する。
これにより、積層工程が終了し、積層体4が形成される。
なお、この例では、導体パターン51,52,53,54を形成する材料として、Agを用いているが、導体パターン51,52,53,54として、導電性に優れたCu,Pd,Al等の金属や、これらの合金を用いることができることは勿論である。
また、絶縁層41,42,43,44,45,46として、ポリイミド樹脂を用いているが、絶縁層42,45はスルーホール42a,45aを形成するため、感光性のポリイミド樹脂を用いる必要がある。また、絶縁層41,42,43,44,45,46として、ポリイミド樹脂以外に、エポキシ樹脂,ベンゾシクロプテン樹脂等の種々の樹脂材料、あるいはSiO2等のガラス、ガラスセラミックス、誘電体等を用いることができることは勿論である。
次に、圧着工程において、フェライト等の磁性体基板62を用意し、熱硬化性のポリイミド樹脂の接着層47,48を積層体4の上面とこの磁性体基板62の下面とにそれぞれ塗布して、磁性体基板62を積層体4上に貼り合わせる。
かかる状態で、磁性体基板62が貼り付けられた積層体2を、真空ホットプレス機にセットし、真空中又は不活性ガス中にて加熱しながら、磁性体基板62を高圧で押圧することで、磁性体基板62を積層体4上に熱圧着する。しかる後、冷却して、真空ホットプレス機の圧力を解除することで、圧着工程が終了する。
なお、このコモンモードチョークコイル1をリフロー実装する際には、最高到達温度が260℃前後に至ることから、接着層47,48として、ガラス転移温度が270℃以上の熱硬化性のポリイミド樹脂を用いた。
上記のように圧着工程を経ることで、磁性体基板62と積層体4とが強固に接着されたマザー基板が形成されるので、ダイシング工程によって、マザー基板を小さなチップに分割する。
しかる後、バレルによってチップに面取りを施すことにより、1次側及び2次側並列コイル5−1,5−2の入力側引き出し電極引き51a,52a,出力側引き出し電極引き51b,52bが積層体4の前面4a,後面4bにそれぞれ露出したチップを得ることができる。
切り出されたチップは、焼成工程において焼成された後、外部電極形成工程に移される。
外部電極形成工程においては、まず、Ag含む導電性ペーストの塗布や、Agのスパッタリングや蒸着等によって、入力側引き出し電極51a〜54a,出力側引き出し電極51b〜54bに接続するように、複数のAg膜を積層体4の前面4a,後面4bに成膜する。そして、このAg膜上に、湿式電解メッキ等によって、Ni,Sn−Pb等の金属膜を形成する。
これにより、図1に示すように、前面4aに入力側外部電極7−1,7−2及び入力側副外部電極21〜24を備え且つ後面4bに出力側外部電極7−3,7−4を備えたコモンモードチョークコイル1が製造される。
なお、この例では、薄膜Agの上にNiの膜を設けて、外部電極7−1〜7−4,21〜24を形成するようにしたが、Ab−Pd,Cu,NiCr又はNiCu等の薄膜上にNi,Sn−Pb等の金属膜を設けて、外部電極7−1〜7−4,21〜24を形成しても良い。
次に、この実施例のコモンモードチョークコイルの実装構造が示す作用及び効果について説明する。
図7は、差動伝送路3の線路3−1,3−2をコモンモードチョークコイル1の入力側外部電極7−1,7−2に直接接続した状態を示す概略構造図であり、図8は、この実施例の実装構造が示す作用及び効果を説明するための概略構造図である。
図7に示すように、線路3−1,3−2の端部31,32を入力側外部電極7−1,7−2に半田100,101で直接に接続すると、従来の実装構造と同様の構造になる。
かかる構造では、線路3−1を伝わる信号S+が、線路3−2を伝わる信号S−よりも例えば遅延時間Tだけ遅延している場合、即ち差動信号S+,S−間にスキューが生じている場合に、差動信号S+,S−が、入力側外部電極7−1,7−2との接続部位P1,P2を通じて1次側及び2次側並列コイル5−1,5−2に直接入力する。このため、信号S+が、信号S−よりも遅延時間Tだけ遅れて2次側並列コイル5−2に入力することとなる。すると、コモンモードチョークコイル1は、差動信号S+,S−の各波形に変形を加えながらスキューを調整しようとする。この結果、波形が鈍った差動信号S+,S−が出力側外部電極7−3,7−4を通じて線路3−1,3−2に出力されてしまう。
そこで、この実施例の実装構造のように、差動信号の内の一方の信号S−が信号S+の遅延時間Tに対応した経路を通った後、2次側並列コイル5−2に入力するような構造にしておくことで、差動信号S+,S−が、1次側並列コイル5−1,2次側並列コイル5−2に入力する前に、差動信号S+,S−間のスキューを調整することができる。
すなわち、図8に示すように、線路3−2のランドパターン29と入力側副外部電極24とを半田101で接続したスキュー調整回路2を構成しておく。すると、線路3−1上の信号S+は、端部31入力側外部電極7−1を通じて入力側外部電極7−1(1次側並列コイル5−1)との接続部位P1に入力し、線路3−2上の信号S−は、パターン27,ランドパターン29,入力側引き出し電極53a(54a)を通って、入力側外部電極7−2(2次側並列コイル5−2)との接続部位P2に入力することとなる。すなわち、信号S−は、部位P2に入力するまでに、第2の長さL2(=第1の長さL1)の2倍の距離だけ信号S+よりも余分に時間を費やす。この結果、差動信号S+,S−は、部位P1,P2に同時に入力することとなり、第1及び第2のコイル体に入力される前に差動信号S+,S−間のスキューが調整されることとなる。この結果、コモンモードチョークコイル1は、1次側及び2次側並列コイル5−1,5−2にそれぞれ入力した差動信号S+,S−の波形に変形を加えて、スキューを調整する必要がないので、各波形に鈍りのない差動信号S+,S−がコモンモードチョークコイル1の出力側外部電極7−3,7−4から線路3−1,3−2に出力されることとなる。
図9は、この実施例の他の使用例を示す概略構造図である。
上記例では、差動信号の一方の信号S+が、第2の長さL2(=第1の長さL1)の2倍の距離に対応する遅延時間Tだけ、遅れている場合について説明したが、信号S+が、遅延時間Tの半分の時間だけ遅延している場合には、図9の(a)に示すように、線路3−2のランドパターン28と入力側副外部電極23とを半田101で接続したスキュー調整回路2を構成しておくことで、1次側及び2次側並列コイル5−1,5−2に入力させる前に差動信号S+,S−間のスキューを調整することができる。
また、信号S−が、信号S+よりも遅延時間Tだけ遅延している場合には、図9の(b)に示すように、線路3−1のランドパターン26と入力側副外部電極22とを半田100で接続すると共に線路3−2の端部32と入力側外部電極7−2とを半田101で接続したスキュー調整回路2を構成しておくことで、差動信号S+,S−間のスキューを調整することができる。そして、信号S−が、信号S+よりも遅延時間Tの半分の時間だけ遅延の場合には、図9の(c)に示すように、線路3−1のランドパターン25と入力側副外部電極21とを半田100で接続したスキュー調整回路2を構成しておくことで、差動信号S+,S−間のスキューを調整することができる。
以上のように、この実施例のコモンモードチョークコイルの実装構造によれば、差動信号S+,S−間の調整を行うことができるだけでなく、コモンモードチョークコイル1から出力される差動信号S+,S−の各信号における波形の鈍りの発生を防止することができる。
また、入力側引き出し電極引き51a(52a)の第1の長さL1と入力側引き出し電極53a(54a)の第2の長さL2とを同じに設定すると共に、入力側外部電極7−1,入力側副外部電極21,22の第1の間隔d1と入力側外部電極7−2,入力側副外部電極23,24の第2の間隔d2とを同じに設定したので、接続させるべき外部電極やランドパターンなどの選択を容易に行うことができ、この結果、実装作業の省力化を図ることができる。
また、線路3−1,3−2側の構造を容易に形成可能なパターン25〜30で形成したので、製造コストの低減化を図ることができる。
さらに、図2に示したように、入力側外部電極7−1,7−2及び入力側副外部電極21〜24の下端位置Qを、コモンモードチョークコイル1の下面よりも上方に設定して、必要な外部電極とパターンだけを接続することができるようにしたので、使用しない外部電極とパターンとの不要なショートを防止することができる。
発明者は、かかる効果を確認すべく、次のような実験を行った。
図10は、差動伝送路に送られる試験用の差動信号の各波形を示す波形図であり、図11は、差動伝送路の線路をコモンモードチョークコイルの入力側外部電極に直接接続した場合に出力された差動信号の各波形を示す波形図であり、図12は、スキュー調整回路で差動信号間のスキューを調整した場合に出力された差動信号の各波形を示す波形図である。
この実験では、コモンモードチョークコイル1として、チップサイズが4.0mm×1.24mm×0.8mmで、コモンモードインピーダンスが90Ωで且つディファレンシャルモードでのカットオフ周波数が6GHzのコモンモードチョークコイルを用いた。そして、入力側外部電極7−1,入力側副外部電極21,22の第1の間隔d1(入力側外部電極7−2,入力側副外部電極23,24の第2の間隔d2)を0.7mmに設定した。
かかる条件で、図8に示すように、周波数が、3.0GHzで且つ信号S+の遅延時間Tが、25ps(ピコセコンド)の差動信号S+,S−を線路3−1,3−2にそれぞれ伝送して、その波形を観測した。
まず、図7に示したように、差動伝送路の線路3−1,3−2をコモンモードチョークコイル1の入力側外部電極7−1,7−2に直接接続した状態で、出力側外部電極7−3,7−4から出力される差動信号S+,S−の各波形を観測したところ、図11に示すように、差動信号S+,S−間のスキューは解消されているが、各信号の波形が丸く鈍ってしまった。
そこで、図8に示したように、線路3−1の端部31と入力側外部電極7−1を接続すると共に線路3−2のランドパターン29と入力側副外部電極24とを接続して観測したところ、図12に示すように、差動信号S+,S−間のスキューが解消されており、しかも、差動信号を構成する各信号S+(S−)の波形鈍りも改善されていた。
図13は、図10の差動信号のディファレンシャルモード成分とコモンモード成分とを示す波形図であり、図14は、図12の差動信号のディファレンシャルモード成分とコモンモード成分とを示す波形図である。
図10に示した差動信号S+,S−のディファレンシャルモード成分S(=(S+)−(S−))は、図13に示すように、鈍っている。そして、そのコモンモード成分N(=(S+)+(S−))には凹凸が存在し、コモンモード成分がノイズ状態になっている。これに対して、図12に示した差動信号S+,S−のディファレンシャルモード成分Sは、図14に示すように、鈍っておらず、しかも、コモンモード成分に凹凸が存在していない。
次に、この発明の第2実施例について説明する。
図15は、この発明の第2実施例に係るコモンモードチョークコイルの実装構造を示す概略構造図であり、図16は、この実施例の他の使用例を示す概略構造図である。
この実施例は、図15に示すように、2次側並列コイル5−2の入力側引き出し電極53a(54a)の第2の長さL2を1次側並列コイル5−1の入力側引き出し電極51a(52a)の第1の長さL1よりも長く設定した。そして、線路3−2の端部32に並設されたランドパターン28,29の第2の間隔d2を線路3−1の端部31に並設されたランドパターン25,26の第1の間隔d1よりも広く設定した点が、上記第1実施例と異なる。
具体的には、第2の長さL2を第1の長さL1の1.5倍に設定すると共に、第2の間隔d2も第1の間隔d1の1.5倍に設定した。
これにより、図15に示すように、線路3−1の端部31と入力側外部電極7−1とを接続すると共に、線路3−2のランドパターン29と入力側副外部電極24とを接続しておくと、差動信号の一方の信号S+が他方の信号S−よりも上記遅延時間Tの1.5倍の時間だけ遅延している場合においても、差動信号S+,S−を同時に1次側及び2次側並列コイル5−1,5−2に入力させることができる。また、線路3−2のランドパターン28と入力側副外部電極23とを接続しておくと、信号S+が信号S−よりも上記遅延時間Tの3/4倍の時間だけ遅延している場合においても対応することができる。
このように、この実施例によれば、多様な遅延時間に対応したスキュー調整が可能となる。
他の使用例としては、例えば、図16の(a)に示すように、線路3−1のランドパターン25と入力側副外部電極21とを接続した状態で、線路3−2のランドパターン29と入力側副外部電極24とを接続したり、ランドパターン28と入力側副外部電極23とを接続しておくことで、差動信号の内の一方の信号S+が他方の信号S−よりも上記遅延時間Tだけ遅延している場合や遅延時間Tの1/4倍の時間だけ遅延している場合にも対応することができる。
また、図16の(b)に示すように、線路3−1のランドパターン26と入力側副外部電極22とを接続した状態で、線路3−2のランドパターン29と入力側副外部電極24とを接続したり、ランドパターン28と入力側副外部電極23とを接続しておくことで、信号S+が信号S−よりも上記遅延時間Tの1/2倍の時間だけ遅延している場合や信号S−が信号S+よりも遅延時間Tの1/4倍の時間だけ遅延している場合にも対応することができる。
その他の構成、作用及び効果は、上記第1実施例と同様であるので、その記載は省略する。
次に、この発明の第3実施例について説明する。
図17は、この発明の第3実施例に係るコモンモードチョークコイルの実装構造を示す概略構造図である。
この実施例は、第1及び第2の導電部材として、パターンでなく、ショート用チップ部品を用いた点が、上記第1及び第2実施例と異なる。
具体的には、第1及び第2の導電部材であるショート用チップ部品200を用いて、所望のランドパターンと線路とを接続する。例えば、図17に示すように、入力側副外部電極24に接続されているランドパターン29を線路3−2に接続する場合には、2つのショート用チップ部品200をランドパターン28,29の基部にそれぞれ接続する。
上記第1及び第2実施例では、ランドパターン25,26(28,29)をパターン27(30)で接続した構成であるので、図1に示すように、使用していないランドパターン25,26やランドパターン28が、スタブとして機能し、差動信号S+,S−の各波形を歪ませる原因となる。
したがって、この実施例のように、パターン27,30の代わりにショート用チップ部品200を用いることで、接続されない不要なランドパターンがスタブとして機能することを防止することができる。
その他の構成、作用及び効果は、上記第1及び第2実施例と同様であるので、その記載は省略する。
なお、この発明は、上記実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内において種々の変形や変更が可能である。
例えば、上記実施例では、1次側並列コイル5−1(2次側並列コイル5−2)の入力側副外部電極21,22(23,24)を2つ設け、これに対応させて、線路3−1(3−2)のランドパターン25,26(28,29)を2つ設けたが、入力側副外部電極やランドパターンの数は、任意であり、コモンモードチョークコイル1の大きさなどを考慮して適宜設定することができる。
また、上記実施例では、第1のコイル体としての1次側並列コイル5−1と第2コイル体としての2次側並列コイル5−2とを有したコモンモードチョークコイル1を例示したが、特許文献1に開示されているコモンモードチョークコイルのように、1次側並列コイル(2次側並列コイル)のように並列なコイルでない第1のコイル体(第2コイル体)を有したコモンモードチョークコイルを実装する構造のものも、この発明の範囲に含まれることは勿論である。
この発明の第1実施例に係るコモンモードチョークコイルの実装構造を示す斜視図である。 図1のコモンモードチョークコイルの実装構造の分解斜視図である。 コモンモードチョークコイルの分解斜視図である。 図2の矢視A−A断面図である。 スキュー調整回路を説明するための概略構造図である。 スキュー調整回路の回路構造を説明するための部分拡大概略図である。 差動伝送路の線路をコモンモードチョークコイルの入力側外部電極に直接接続した状態を示す概略構造図である。 この実施例の実装構造が示す作用及び効果を説明するための概略構造図である。 この実施例の他の使用例を示す概略構造図である。 差動伝送路に送られる試験用の差動信号の各波形を示す波形図である。 差動伝送路の線路をコモンモードチョークコイルの入力側外部電極に直接接続した場合に出力された差動信号の各波形を示す波形図である。 スキュー調整回路で差動信号間のスキューを調整した場合に出力された差動信号の各波形を示す波形図である。 図10の差動信号のディファレンシャルモード成分とコモンモード成分とを示す波形図である。 図12の差動信号のディファレンシャルモード成分とコモンモード成分とを示す波形図である。 この発明の第2実施例に係るコモンモードチョークコイルの実装構造を示す概略構造図である。 この実施例の他の使用例を示す概略構造図である。 この発明の第3実施例に係るコモンモードチョークコイルの実装構造を示す概略構造図である。
符号の説明
1…コモンモードチョークコイル、 2…スキュー調整回路、 3…差動伝送路、 3−1,3−2…線路、 4…積層体、 4a…前面、 4b…後面、 5−1…1次側並列コイル、 5−2…2次側並列コイル、 7−1,7−2…入力側外部電極、 7−3,7−4…出力側外部電極、 21〜24…入力側副外部電極、 25,26,28,29…ランドパターン、 27,30…パターン、 31〜34…端部、 41〜46…絶縁層、 42a,45a…スルーホール、 47,48…接着層、 51〜54…導体パターン、 51a〜54a…入力側引き出し電極、 51b〜54b…出力側引き出し電極、 61,62…磁性体基板、 61a…下面、 100,101…半田、 200…ショート用チップ部品、 L1…第1の長さ、 L2…第2の長さ、 P1,P2…接続部位、 Q…下端位置、 S+,S−…差動信号、 T…遅延時間、 d1…第1の間隔、 d2…第2の間隔。

Claims (7)

  1. 積層体に内包された第1及び第2のコイル体を有し、各コイル体の入力側引き出し電極が積層体の前面に露出されると共に出力側引き出し電極が積層体の後面に露出され、1対の入力側外部電極が、上記第1及び第2のコイル体の入力側引き出し電極にそれぞれ電気的に接続された状態で積層体の前面外側に設けられ、1対の出力側外部電極が、上記第1及び第2のコイル体の出力側引き出し電極にそれぞれ電気的に接続された状態で積層体の後面外側に設けられたコモンモードチョークコイルを、スキュー調整回路を通じて、1対の線路で成る差動伝送路上に実装したコモンモードチョークコイルの実装構造であって、
    上記スキュー調整回路を、
    上記第1のコイル体の入力側引き出し電極を上記入力側外部電極が接続されている部位より第1の長さ分だけ上記前面に沿って延出させると共に、上記第2のコイル体の入力側引き出し電極を上記入力側外部電極が接続されている部位より第2の長さ分だけ上記前面に沿って延出させ、当該第1のコイル体の上記入力側外部電極とは別体の入力側副外部電極を、上記入力側引き出し電極に第1の間隔で複数並列に接続すると共に、上記第2のコイル体の上記入力側外部電極とは別体の入力側副外部電極を、上記入力側引き出し電極に第2の間隔で複数並列に接続し、
    上記第1のコイル体の入力側外部電極が接続される上記差動伝送路の一方の線路の端部の横に、上記複数の入力側副外部電極と同数のランドパターンを当該複数の入力側副外部電極と対応するように上記第1の間隔で並設すると共に、上記第2のコイル体の入力側外部電極が接続される上記差動伝送路の他方の線路の端部の横に、上記複数の入力側副外部電極と同数のランドパターンを当該複数の入力側副外部電極と対応するように上記第2の間隔で並設し、
    上記第1のコイル体の入力側外部電極及び複数の入力側副外部電極を、上記差動伝送路の一方の線路の端部及び当該端部の横に並設された複数の上記ランドパターンに互いに向き合うように非接触状態で近接させると共に、上記第2のコイル体の入力側外部電極及び複数の入力側副外部電極を、上記差動伝送路の他方の線路の端部及び当該端部の横に並設された複数の上記ランドパターンに互いに向き合うように非接触状態で近接させ、
    上記第1のコイル体の入力側外部電極と一方の線路の端部又は所望の入力側副外部電極とこれに対向するランドパターンとを電気的に接続し、入力側副外部電極とランドパターンとを電気的に接続する際には、当該ランドパターンと上記一方の線路とをそれぞれ所定長さの第1の導電部材を通じて電気的に接続すると共に、上記第2のコイル体の入力側外部電極と他方の線路の端部又は所望の入力側副外部電極とこれに対向するランドパターンとを電気的に接続し、入力側副外部電極とランドパターンとを電気的に接続する際には、当該ランドパターンと上記他方の線路とを所定長さの第2の導電部材を通じて電気的に接続することにより、
    構成した、ことを特徴とするコモンモードチョークコイルの実装構造。
  2. 請求項1に記載のコモンモードチョークコイルの実装構造において、
    上記第1のコイル体の入力側引き出し電極の上記第1の長さと上記第2のコイル体の入力側引き出し電極の上記第2の長さとを等しく設定する共に、当該第1のコイル体の入力側引き出し電極に並列に接続された入力側外部電極,複数の入力側副外部電極の上記第1の間隔と当該第2のコイル体の入力側引き出し電極に並列に接続された入力側外部電極,複数の入力側副外部電極の上記第2の間隔とを等しく設定した、
    ことを特徴とするコモンモードチョークコイルの実装構造。
  3. 請求項1に記載のコモンモードチョークコイルの実装構造において、
    上記第2のコイル体の入力側引き出し電極の上記第2の長さを上記第1のコイル体の入力側引き出し電極の上記第1の長さよりも長く設定する共に、上記第2のコイル体の入力側引き出し電極に並列に接続された入力側外部電極,複数の入力側副外部電極の第2の間隔を上記第1のコイル体の入力側引き出し電極に並列に接続された入力側外部電極,複数の入力側副外部電極の上記第1の間隔よりも広く設定した、
    ことを特徴とするコモンモードチョークコイルの実装構造。
  4. 請求項3に記載のコモンモードチョークコイルの実装構造において、
    上記第2の長さを上記第1の長さの1.5倍に設定すると共に、上記第2の間隔を上記第1の間隔の1.5倍に設定した、
    ことを特徴とするコモンモードチョークコイルの実装構造。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のコモンモードチョークコイルの実装構造において、
    上記第1の導電部材は、上記第1のコイル体の入力側引き出し電極に対して平行に上記一方の線路から延出して当該線路の端部の横に並設された複数のランドパターンの基部に連結する1本のパターンであり、
    上記第2の導電部材は、上記第2のコイル体の入力側引き出し電極に対して平行に上記他方の線路から延出して当該線路の端部の横に並設された複数のランドパターンの基部に連結する1本のパターンである、
    ことを特徴とするコモンモードチョークコイルの実装構造。
  6. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のコモンモードチョークコイルの実装構造において、
    上記第1の導電部材は、上記第1のコイル体における上記所望の入力側副外部電極と向き合うランドパターンを上記一方の線路に接続するショート用チップ部品であり、
    上記第2の導電部材は、上記第2のコイル体における上記所望の入力側副外部電極と向き合うランドパターンを上記他方の線路に接続するショート用チップ部品である、
    ことを特徴とするコモンモードチョークコイルの実装構造。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のコモンモードチョークコイルの実装構造において、
    上記入力側外部電極及び入力側副外部電極の下端位置を、上記コモンモードチョークコイルの下面よりも上方に設定した、
    ことを特徴とするコモンモードチョークコイルの実装構造。
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