JP6507504B2 - インダクタ素子、及び、配線基板 - Google Patents

インダクタ素子、及び、配線基板 Download PDF

Info

Publication number
JP6507504B2
JP6507504B2 JP2014144007A JP2014144007A JP6507504B2 JP 6507504 B2 JP6507504 B2 JP 6507504B2 JP 2014144007 A JP2014144007 A JP 2014144007A JP 2014144007 A JP2014144007 A JP 2014144007A JP 6507504 B2 JP6507504 B2 JP 6507504B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
external electrode
pair
winding
inductor element
transmission lines
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014144007A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016021461A (ja
Inventor
耕太 斉藤
耕太 斉藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2014144007A priority Critical patent/JP6507504B2/ja
Publication of JP2016021461A publication Critical patent/JP2016021461A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6507504B2 publication Critical patent/JP6507504B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、インダクタ素子、及び、該インダクタ素子が実装された配線基板に関する。
従来から、例えば信号を伝送する差動伝送線路のコモンモードノイズを除去するために、一対の巻線を同方向に巻回したコモンモードチョークコイルが使用されている。コモンモードチョークコイルは、高いコモンモードインピーダンスと、低いディファレンシャルモード(ノーマルモード)インピーダンスを持ち、コモンモードノイズを除去する一方、ディファレンシャルモードの信号を通過させる。
ところで、差動伝送線路に対してコモンモードチョークコイルを接続する場合には、コモンモードチョークコイルを差動伝送線路に直列に接続する接続方法(以下「シリーズ接続」ともいう)、及び、コモンモードチョークコイルを差動伝送線路とグランドとの間に介装する接続方法(以下「シャント接続」ともいう)が知られている。シリーズ接続は、高域のコモンモードノイズを除去するのに適しており、シャント接続は、低域のコモンモードノイズを除去するのに適している。
ところで、コモンモードチョークコイルをシリーズ接続で使用する場合、コモンモードチョークコイルを取り付けるために、配線基板の配線パターン(差動伝送線路)の切断が必要となる。一方、実装されているコモンモードチョークコイルを取り外す際には、切断されている配線パターン(差動伝送線路)を例えばゼロΩ抵抗やジャンパ線などで接続するなどの改修が必要となる。
一方、コモンモードチョークコイルをシャント接続で使用する場合には、上述した、取り付け・取り外しの際における配線パターン自体の改修等は不要になる。しかしながら、シリーズ接続とは異なる配線をとる必要、すなわち、差動伝送線路を構成する一対の伝送線路を互いに対角線上に位置する端子電極に接続する必要があり、配線の取り回しにより、差動伝送線路の対称性が崩れ、電気的特性が悪化するおそれがある。
ここで、特許文献1には、第1の端子電極を始点とした第1のスパイラル状導体と、第2の端子電極を始点とした第2のスパイラル状導体とを備え、第1のスパイラル状導体の巻回方向と、第2のスパイラル状導体の巻回方向とが逆にされたインダクタ素子(コモンモードチョークコイル)が開示されている。このインダクタ素子によれば、第1及び第2の端子電極を一対の信号線に接続し、これらに対して対向配置された第3及び第4の端子電極をグランドに接続することにより、コモンモードノイズをバイパスさせる素子(コモンモードチョークコイル)として用いることができる。すなわち、このインダクタ素子によれば、プリント基板上における配線パターンの迂回などが不要になるため、インダクタ素子(コモンモードチョークコイル)をシャント接続で用いる際の配線パターンの対称性の崩れを低減することができる。
特開2007−103475号公報
しかしながら、特許文献1に開示されているインダクタ素子を用いたとしても、例えば、該インダクタ素子とグランドとの間にコンデンサや抵抗などが挿入される場合に、これらの部品の特性ばらつき等によって、対称性の崩れが生じ、電気的特性(主に、コモンモードノイズ低減特性)の悪化が生じ得る。また、インダクタ素子内でも、配線が非対称になる場合があり得る。例えば、素子の巻線端と端子電極とを接続する引き出し導体は、両者の形状や配置による制限を受け易く、非対称になり易い。よって、このような場合にも、対称性の崩れが生じ、電気的特性の悪化が生じ得る。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、素子の取り付け、又は取り外しに伴う配線の改修を最小限に抑えることができ、かつ、素子の取り付けに伴う一対の伝送線路の対称性の崩れをより低減すること、すなわち電気的特性の悪化をより抑制することが可能なインダクタ素子、及び、該インダクタ素子が実装された配線基板を提供することを目的とする。
本発明に係るインダクタ素子は、一対の伝送線路及びグランドパターンを含む配線パターンが形成された配線基板に実装されるインダクタ素子であって、それぞれ、互いに反対方向に巻回された、二対の巻線と、一方の一対の巻線を構成する一方の巻線の一端が接続される第1外部電極と、一方の一対の巻線を構成する他方の巻線の一端が接続される第2外部電極と、一方の一対の巻線を構成する一方の巻線の他端、及び、一方の一対の巻線を構成する他方の巻線の他端が接続される第3外部電極と、他方の一対の巻線を構成する一方の巻線の一端が接続される第4外部電極と、他方の一対の巻線を構成する他方の巻線の一端が接続される第5外部電極と、他方の一対の巻線を構成する一方の巻線の他端、及び、他方の一対の巻線を構成する他方の巻線の他端が接続される第6外部電極と、一方の一対の巻線を構成する一方の巻線の他端側、並びに、他方の巻線の他端側、及び、他方の一対の巻線を構成する一方の巻線の他端側、並びに、他方の巻線の他端側を、素子内部で電気的に接続する短絡導体とを備え、第1外部電極、第2外部電極、第4外部電極、及び第5外部電極が、互いに独立しており、配線基板に接続される際に、第1外部電極及び第4外部電極が、一対の伝送線路を構成する一方の伝送線路に接続され、第2外部電極及び第5外部電極が、一対の伝送線路を構成する他方の伝送線路に接続され、第3外部電極、及び第6外部電極が、グランドパターンに接続されることを特徴とする。
本発明に係るインダクタ素子によれば、二対の巻線それぞれが、互いに反対方向に巻回された巻線対から構成されており、かつ、第1外部電極、第2外部電極、第4外部電極、及び第5外部電極が互いに独立しており、配線基板に接続される際に、第1外部電極及び第4外部電極が、一対の伝送線路を構成する一方の伝送線路に接続され、第2外部電極及び第5外部電極が、一対の伝送線路を構成する他方の伝送線路に接続され、第3外部電極、及び第6外部電極が、グランドパターンに接続される。よって、一対の伝送線路を切断(カット)する必要がないため、インダクタ素子をシャント接続で用いる際に、実装ランドを予め設けておけば、配線基板に形成された配線パターンを改修することなく、素子の取り付け・取り外しができる。
また、一方の一対の巻線を構成する一方の巻線の他端側、並びに、他方の巻線の他端側、及び、他方の一対の巻線を構成する一方の巻線の他端側、並びに、他方の巻線の他端側が、素子内部で電気的に接続(短絡)されている。そのため、当該接続位置(短絡位置)で一対の伝送線路が終端されていると見なすことができるため、当該接続位置(短絡位置)よりも後段のグランド配線や部品等によって対称性が崩れたとしても、一対の伝送線路としての特性は比較的その影響を受け難くなる。同様に、インダクタ素子内部において、引き出し導体部分等の、配線が非対称となり得る箇所の前段で電気的に接続(短絡)することで、このような特性悪化を引き起こす箇所を一対の伝送線路から切り離すことができる。よって、一対の伝送線路の対称性が崩れることによる特性(主にコモンモードノイズ低減特性)の悪化を抑制することができる。
その結果、素子の取り付け、又は取り外しに伴う配線の改修を最小限に抑えることができ、かつ、素子の取り付けに伴う一対の伝送線路の対称性の崩れをより低減すること、すなわち電気的特性の悪化をより抑制することが可能となる。なお、本発明に係るインダクタ素子によれば、二対の巻線が並列に接続されているため、特性をより改善することができる。
本発明に係るインダクタ素子では、上記二対の巻線それぞれが、互いに反対方向に巻回された一対の平面状の巻線が積層されて形成されることが好ましい。
このようにすれば、インダクタ素子を積層して形成することができるため、素子をより小型化、低背化することができる。
本発明に係るインダクタ素子では、互いに反対方向に巻回された1以上の一対の巻線が、上記一方の一対の巻線、又は、上記他方の一対の巻線に並列に接続されていることが好ましい。
このようにすれば、上記インダクタ素子に対して、1以上の一対の巻線がさらに並列に接続される。すなわち、インダクタ素子を構成する巻線の数を3以上に拡張することができる。よって、インダクタ素子の特性(主にコモンモードノイズ低減特性)をより改善することが可能となる。
本発明に係るインダクタ素子は、一対の伝送線路及びグランドパターンが形成された配線基板に実装されるインダクタ素子であって、互いに反対方向に巻回された一対の巻線と、一方の巻線の一端が接続される第1外部電極と、他方の巻線の一端が接続される第2外部電極と、一方の巻線の他端が接続される第3外部電極と、他方の巻線の他端が接続される第6外部電極と、ダミー電極である第4外部電極、及び、第5外部電極と、一方の巻線の他端側、及び、他方の巻線の他端側を、素子内部で電気的に接続する短絡導体とを備え、配線基板に接続される際に、第1外部電極及び第4外部電極が、一対の伝送線路を構成する一方の伝送線路に接続され、第2外部電極及び第5外部電極が、一対の伝送線路を構成する他方の伝送線路に接続され、第3外部電極、及び第6外部電極が、グランドパターンに接続されることを特徴とする。
本発明に係るインダクタ素子によれば、一対の巻線が、互いに反対方向に巻回された巻線から構成されており、かつ、第1外部電極、第2外部電極、第4外部電極、及び第5外部電極が、互いに独立しており、配線基板に接続される際に、第1外部電極及び第4外部電極が、一対の伝送線路を構成する一方の伝送線路に接続され、第2外部電極及び第5外部電極が、一対の伝送線路を構成する他方の伝送線路に接続され、第3外部電極、及び第6外部電極が、グランドパターンに接続される。よって、一対の伝送線路を切断する必要がないため、インダクタ素子をシャント接続で用いる際に、実装ランドを予め設けておけば、配線基板に形成された配線パターンを改修することなく、素子の取り付け・取り外しができる。
また、一方の巻線の他端側、及び、他方の巻線の他端側が、素子内部で電気的に接続(短絡)されている。そのため、当該接続位置(短絡位置)で一対の伝送線路が終端されていると見なすことができるため、当該接続位置(短絡位置)よりも後段のグランド配線や部品等によって対称性が崩れたとしても、一対の伝送線路としての特性は比較的その影響を受け難くなる。同様に、インダクタ素子内部において、引き出し導体部分等の配線が非対称となり得る箇所の前段で電気的に接続(短絡)することで、このような特性悪化を引き起こす箇所を一対の伝送線路から切り離す構造とできる。よって、一対の伝送線路の対称性が崩れることによる特性(主にコモンモードノイズ低減特性)の悪化を抑制できる。
その結果、素子の取り付け、又は取り外しに伴う配線の改修を最小限に抑えることができ、かつ、素子の取り付けに伴う一対の伝送線路の対称性の崩れをより低減すること、すなわち電気的特性の悪化をより抑制することが可能となる。
本発明に係るインダクタ素子では、上記一対の巻線が、互いに反対方向に巻回された一対の平面状の巻線が積層されて形成されることが好ましい。
このようにすれば、インダクタ素子を積層して形成することができるため、素子をより小型化、低背化することができる。
本発明に係る配線基板は、上記いずれかのインダクタ素子が実装された配線基板であって、実装面に形成された、一対の伝送線路及びグランドパターンを有し、一対の伝送線路を構成する一方の伝送線路に、インダクタ素子の第1外部電極及び第4外部電極が接続され、一対の伝送線路を構成する他方の伝送線路に、第2外部電極及び第5外部電極が接続され、グランドパターンに、第3外部電極及び第6外部電極が接続されていることを特徴とする。
本発明に係る配線基板によれば、一対の伝送線路及びグランドパターンが形成され、上記いずれかのインダクタンス素子が実装されている。よって、素子の取り付け、又は取り外しに伴う配線の改修を最小限に抑えることができ、かつ、素子の取り付けに伴う一対の伝送線路の対称性の崩れをより低減すること、すなわち電気的特性の悪化をより抑制することが可能となる。
なお、本発明に係る配線基板では、上記一対の伝送線路が、等長配線を構成することが好ましい。
この場合、上記いずれかのインダクタ素子が用いられるため、インダクタ素子をシャント接続で用いる際に、配線基板に形成された等長配線(配線パターン)を改修することなく、素子の取り付け・取り外しができる。また、シャント接続では、グランド方向に配線長(電気長)が延長され、スルー方向(配線方向)への延長は生じない。そのため、インダクタ素子の取り付け・取り外しに際して、等長配線の再設計やそれに伴うタイミング調整作業等が不要となる。さらに、シャント接続では、電気長の影響を受けないため、ノイズ対策特性(ノイズ抑制効果や信号減衰量)を指標に、最適なインダクタ素子を選定することができる。
本発明によれば、素子の取り付け、又は取り外しに伴う配線の改修を最小限に抑えることができ、かつ、素子の取り付けに伴う一対の伝送線路の対称性の崩れをより低減すること、すなわち電気的特性の悪化をより抑制することが可能となる。
第1実施形態に係るインダクタ素子の構造を示す分解斜視図である。 第1実施形態に係るインダクタ素子の等価回路を示す図である。 第1実施形態に係るインダクタ素子が実装される配線基板に形成された配線パターンを拡大して示す図である。 第1実施形態に係るインダクタ素子が実装された配線基板の一部を拡大して示す図である。 第2実施形態に係るインダクタ素子の構造を示す分解斜視図である。 第2実施形態に係るインダクタ素子の等価回路を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図中、同一又は相当部分には同一符号を用いることとする。また、各図において、同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
まず、図1〜4を併せて用いて、実施形態に係るインダクタ素子1の構成について説明する。ここで、図1は、インダクタ素子1の構造を示す分解斜視図である。図2は、インダクタ素子1の等価回路を示す図である。また、図3は、インダクタ素子1が実装される配線基板80に形成された配線パターンを拡大して示す図であり、図4は、インダクタ素子1が実装された配線基板80の一部を拡大して示す図である。
インダクタ素子1は、積層体10と、該積層体10の外周側面に形成された6つの外部電極51〜56(図4参照)とを備えている。
積層体10は、図1に示されるように、一対の磁性体基板11,12と、該磁性体基板間に積層された複数(本実施形態では5層)の第1〜第5絶縁層131〜135(以下、第1〜第5絶縁層131〜135を総称して、絶縁層13ということもある)と、所定の絶縁層に形成された巻線等の導体パターン(詳細は後述する)とを有して構成されている。なお、磁性体基板11,12は、例えばフェライトなどの磁性体材料を用いて形成される。また、絶縁層13は、例えばポリイミドなどを用いて形成される。
絶縁層13に形成された導体パターンは、各絶縁層13の表面に形成された第1〜第6の内部電極151〜156と、第2絶縁層132の表面に形成された第1及び第3の巻線(スパイラル状導体)211,212と、第3絶縁層133の表面に形成された第2及び第4の巻線(スパイラル状導体)212,222と、第4絶縁層134の表面に形成された短絡導体30を含んでいる。第1の巻線211と第2の巻線212は、第3絶縁層133を介して対向するように配置されている。同様に、第3の巻線212と第4の巻線222は、第3絶縁層133を介して対向するように配置されている。なお、これらの導体パターンは、例えば、スパッタリング法、蒸着法、メッキ法などの薄膜プロセスによって形成することができる。以下、より詳細に説明する。
第1〜第5絶縁層131〜135それぞれの表面外縁部には、第1〜第6内部電極151〜156が形成されている。なお、第1〜第6内部電極151〜156は、対応する外部電極51〜56にそれぞれ接続される。
第2絶縁層132には、第1の巻線211が形成されている。第1の巻線211は平面状コイルであり、その一端は第1内部電極151に接続されている。一方、第1の巻線211の他端は、スルーホール161を介して、短絡導体30に接続されている。上述したように、第1内部電極151は第1外部電極51に接続されており、また、短絡導体30は第3外部電極53(第6外部電極56)に接続されている。よって、第1の巻線211の一端は第1外部電極51に接続され、他端は第3外部電極53に接続される。
同様に、第2絶縁層132には、第3の巻線221が形成されている。第3の巻線221は平面状コイルであり、その一端は第4内部電極154に接続されている。一方、第3の巻線221の他端は、スルーホール163を介して、短絡導体30に接続されている。上述したように、第4内部電極154は第4外部電極54に接続されており、また、短絡導体30は第6外部電極56(第3外部電極53)に接続されている。よって、第3の巻線221の一端は第4外部電極54に接続され、他端は第6外部電極56に接続される。
一方、第3絶縁層133には、第2の巻線212が形成されている。第2の巻線212は平面状コイルであり、その一端は第2内部電極152に接続されている。一方、第2の巻線212の他端は、スルーホール162を介して、短絡導体30に接続されている。上述したように、第2内部電極152は第2外部電極52に接続されており、また、短絡導体30は第3外部電極53(第6外部電極56)に接続されている。よって、第2の巻線212の一端は第2外部電極52に接続され、他端は第3外部電極53に接続される。
同様に、第3絶縁層133には、第4の巻線222が形成されている。第4の巻線222は平面状コイルであり、その一端は第5内部電極155に接続されている。一方、第4の巻線222の他端は、スルーホール164を介して、短絡導体30に接続されている。上述したように、第5内部電極155は第5外部電極55に接続されており、また、短絡導体30は第6外部電極56(第3外部電極53)に接続されている。よって、第4の巻線222の一端は第5外部電極55に接続され、他端は第6外部電極56に接続される。
ここで、インダクタ素子1の厚み方向(積層体10の積層方向)からみた場合、第1の巻線211は、一端から他端に向かって左回り(反時計回り)に巻回されている。一方、第2の巻線212は、一端から他端に向かって右回り(時計回り)に巻回されている。したがって、第1の巻線211の巻回方向と、第2の巻線212の巻回方向とは、互いに逆方向となる。なお、第1及び第2の巻線211,212の巻回方向については、互いに逆方向であればよく、上記とは逆、すなわち、第1の巻線211が右回りであり、第2の巻線212が左回りであってもよい。
同様に、インダクタ素子1の厚み方向(積層体10の積層方向)からみた場合、第3の巻線221は、一端から他端に向かって右回り(時計回り)に巻回されている。一方、第4の巻線222は、一端から他端に向かって左回り(反時計回り)に巻回されている。したがって、第3の巻線221の巻回方向と、第4の巻線222の巻回方向とは、互いに逆方向となる。なお、第3及び第4の巻線221,222の巻回方向については、互いに逆方向であればよく、上記とは逆、すなわち、第3の巻線221が左回りであり、第4の巻線222が右回りであってもよい。
第4絶縁層134には、第1の巻線211の他端側、第2の巻線212の他端側、第3の巻線221の他端側、及び、第4の巻線222の他端側を、内部で電気的に接続する短絡導体30が形成されている。上述したように、短絡導体30は、第3,第6内部電極153,156(すなわち第3外部電極53,56)に接続されている。
さらに、第1〜第5絶縁層131〜135には、2つの貫通孔61,62が形成されている。貫通孔61には磁性体63が挿入されており、貫通孔62には磁性体64が挿入されている。ここで、貫通孔61は、第1,第2の巻線211,212の中心部分を貫通している。このため、第1,第2の巻線211,212は、磁性体63の周囲に巻回された状態となる。同様に、貫通孔62は、第3,第4の巻線221,222の中心部分を貫通している。このため、第3,第4の巻線221,222は、磁性体64の周囲に巻回された状態となる。本発明において、磁性体63,64を設けることは必須でないが、該磁性体63,64を設けることによって、漏れの少ない磁気回路を形成することができる。
上述したように構成されることにより、図2に示されるように、インダクタンス素子1は、一方の一対の第1,第2の巻線211,212と、他方の一対の第3,第4の巻線221,222とが並列に接続された構成となる。すなわち、第1の巻線211、第2の巻線212、第3の巻線221、及び第4の巻線222それぞれの他端側(GND側)が内部で電気的に接続(短絡)されるとともに、第1〜第4外部電極51〜54はそれぞれ分離されて独立するように構成される。
上述したように構成されたインダクタ素子1は、例えば、図3に示されるような配線基板80に実装される。ここで、配線基板80は、例えば、絶縁性の樹脂やセラミックスなどの絶縁体(誘電体)から形成された横長矩形で薄板形状の基板(プリント基板)である。配線基板80の上面(実装面)には、例えばミアンダ状に形成(図示省略)された複数の信号配線に含まれる(すなわち等長配線を構成する)一対の伝送線路81a,81bからなる差動伝送線路81が形成されている。
また、配線基板80の上面(実装面)には、グランドパターン(グランド配線)83,84が形成されている。なお、配線基板80の背面はベタのグランド層とされている。さらに、差動伝送線路81、及びグランドパターン83,84には、インダクタ素子1の外部電極51〜56がハンダ付けされる6つの実装ランド91〜96も形成されている。
そして、図4に示されるように、差動伝送線路81を構成する一方の伝送線路81aに、インダクタ素子1の第1外部電極51及び第4外部電極54が接続され、差動伝送線路81を構成する他方の伝送線路81bに、第2外部電極52及び第5外部電極55が接続される。また、グランドパターン83にインダクタ素子の第3外部電極53が接続されるとともに、グランドパターン84に第6外部電極56が接続される。すなわち、インダクタ素子1は、差動伝送線路81とグランドとの間に介装され、差動伝送線路81に対してシャント接続される。
そのため、一対の伝送線81a,81bからなる差動伝送線路81を通して差動信号が伝送される際に、差動信号に重畳しているコモンモードノイズが、インダクタ素子1によってグランドへ落とされて、除去される。
また、二対の巻線(一対の第1,第2の巻線211,212、及び一対の第3,第4の巻線221,222)それぞれが、互いに反対方向に巻回された巻線対(第1,第2の巻線211,212、及び第3,第4の巻線221,222)から構成されており、かつ、第1外部電極51、第2外部電極52、第4外部電極54、及び第5外部電極55が、互いに独立しており、配線基板80に接続される際に、第1外部電極51及び第4外部電極54が、差動伝送線路81を構成する一方の伝送線路81aに接続され、第2外部電極52及び第5外部電極55が、差動伝送線路81を構成する他方の伝送線路81bに接続される。また、第3外部電極53、及び第6外部電極56が、グランドパターン83,84に接続される。よって、差動伝送線路81を切断(カット)する必要がないため、インダクタ素子1をシャント接続で用いる際に、実装ランド91〜96を予め設けておけば、配線基板80に形成された配線パターンを改修することなく、インダクタ素子1の取り付け・取り外しができる。
また、上述したように構成されることにより、巻線211の他端側、巻線212の他端側、巻線221の他端側、及び、巻線222の他端側が、素子内部で電気的に接続(短絡)されている。そのため、当該接続位置(短絡位置)で一対の伝送線路81a,81bが終端されていると見なすことができるため、当該接続位置よりも後段のグランド配線や部品等によって対称性が崩れたとしても、一対の伝送線路81a,81b(差動伝送線路81)としての特性は比較的その影響を受け難くなる。同様に、インダクタ素子1内部において、引き出し導体部分等の配線が非対称となり得る箇所の前段で電気的に接続(短絡)することで、このような特性悪化を引き起こす箇所を一対の伝送線路81a,81b(差動伝送線路81)から切り離す構造とできる。よって、一対の伝送線路81a,81b(差動伝送線路81)の対称性が崩れることによる特性(主にコモンモードノイズ低減特性)の悪化が抑制される。
以上、詳細に説明したように、本実施形態によれば、インダクタ素子1の取り付け、又は取り外しに伴う差動伝送線路81の改修を最小限に抑えることができ、かつ、インダクタ素子1の取り付けに伴う差動伝送線路81の対称性の崩れをより低減すること、すなわち電気的特性の悪化をより抑制することが可能となる。なお、本実施形態によれば、二対の巻線(一対の第1,第2の巻線211,212、及び一対の第3,第4の巻線221,222)が並列に接続されているため、特性をより改善することができる。さらに、本実施形態によれば、2本のGND配線が並列化されるため、トータルでGND配線部分のインピーダンスを低減することができる。
ところで、シャント接続では、グランド方向に配線長(電気長)が延長され、スルー方向(配線方向)への延長は生じない。そのため、本実施形態によれば、インダクタ素子1の取り付け・取り外しに際して、等長配線の再設計やそれに伴うタイミング調整作業等が不要である。また、シャント接続では、電気長の影響を受けないため、ノイズ対策特性(ノイズ抑制効果や信号減衰量)を指標に、最適なインダクタ素子を選定することができる。
(第2実施形態)
上述した第1実施形態に係るインダクタ素子1では、2対の巻線(一対の第1,第2の巻線211,212、及び一対の第3,第4の巻線221,222)を並列に接続する構成としたが、インダクタ素子を一対の巻線(第1,第2の巻線211,212)によって構成してもよい。
そこで、次に、図5、図6を併せて用いて、第2実施形態に係るインダクタ素子2について説明する。ここでは、上述した第1実施形態と同一・同様な構成については説明を簡略化又は省略し、異なる点を主に説明する。ここで、図5は、インダクタ素子2の構成を示す分解斜視図である。また、図6は、インダクタ素子2の等価回路を示す図である。なお、図5,6において第1実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号が付されている。
インダクタ素子2では、第1の巻線211の他端に第3外部電極53が接続され、第2の巻線212の他端に第6外部電極56が接続されている点で、上述した第1実施形態に係るインダクタ素子1と異なっている。
また、インダクタ素子2では、一対の巻線(第3,第4の巻線221,222)の削除に伴い、外部電極54,55が、ダミー電極(不使用電極)とされている点で、上述した第1実施形態に係るインダクタ素子1と異なっている。
なお、一対の巻線(第3,第4の巻線221,222)の削除に伴い、インダクタ素子2では、貫通孔62、及び磁性体64を備えていない点でも上述した第1実施形態に係るインダクタ素子1と異なっている。その他の構成は、上述したインダクタ素子1と同一又は同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。なお、インダクタ素子2も、上述したインダクタ素子1と同様に、例えば差動伝送線路81が形成された配線基板80に実装される。ここで、インダクタ素子1の実装方法(シャント接続方法)については、上述したとおりであるので、ここでは詳細な説明を省略する。
本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様に、インダクタ素子2の取り付け、又は取り外しに伴う差動伝送線路81の改修を最小限に抑えることができ、かつ、インダクタ素子2の取り付けに伴う差動伝送線路81の対称性の崩れをより低減すること、すなわち電気的特性の悪化をより抑制することが可能となる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、インダクタ素子1,2が、一対の巻線211,212により、又は、二対の巻線211,212及び巻線221,222が並列に接続されて構成されていたが、インダクタ素子を構成する巻線対の数は3対以上であってもよい。すなわち、3対以上の巻線が並列に接続されてインダクタ素子を構成するようにしてもよい。
また、各巻線の巻回数は、上記実施形態に限られることなく、要求される特性等に応じて任意に設定することができる。さらに、第3外部電極53、及び第6外部電極56は一体化してもよい。
なお、等長配線(ミアンダ配線)を構成する差動伝送線路81に対して、コンベンショナルなシャント接続用のインダクタ素子、又はシリーズ接続用のインダクタ素子(コモンモードチョークコイル)を適用(シャント接続)する構成としてもよい。
1,2 インダクタ素子
10 積層体
11,12 磁性体基板
131,132,133,134,135 絶縁層
151 第1内部電極
152 第2内部電極
153 第3内部電極
154 第4内部電極
155 第5内部電極
156 第6内部電極
211,212,221,222 巻線
30 短絡導体
51 第1外部電極
52 第2外部電極
53 第3外部電極
54 第4外部電極
55 第5外部電極
56 第6外部電極
61,62 貫通孔
63,64 磁性体
80 配線基板
81 差動伝送線路
83,84 グランドパターン
91,92,93,94,95,96 実装ランド

Claims (4)

  1. 一対の伝送線路及びグランドパターンを含む配線パターンが形成された配線基板に実装されるインダクタ素子であって、
    互いに反対方向に巻回された一対の巻線と、
    一方の巻線の一端が接続される第1外部電極と、
    他方の巻線の一端が接続される第2外部電極と、
    前記一方の巻線の他端が接続される第3外部電極と、
    前記他方の巻線の他端が接続される第6外部電極と、
    ダミー電極である第4外部電極、及び、第5外部電極と、
    前記一方の巻線の他端側、及び、前記他方の巻線の他端側を、素子内部で電気的に接続する短絡導体と、を備え、
    前記配線基板に接続される際に、前記第1外部電極及び第4外部電極は、前記一対の伝送線路を構成する一方の伝送線路に接続され、前記第2外部電極及び第5外部電極は、前記一対の伝送線路を構成する他方の伝送線路に接続され、前記第3外部電極、及び第6外部電極は、前記グランドパターンに接続されることを特徴とするインダクタ素子。
  2. 前記一対の巻線は、互いに反対方向に巻回された一対の平面状の巻線が積層されて形成されることを特徴とする請求項に記載のインダクタ素子。
  3. 請求項1又は2に記載のインダクタ素子が実装された配線基板であって、
    前記インダクタ素子の実装面に形成された、一対の伝送線路、及びグランドパターンを有し、
    前記一対の伝送線路を構成する一方の伝送線路に、前記インダクタ素子の第1外部電極及び第4外部電極が接続され、前記一対の伝送線路を構成する他方の伝送線路に、前記第2外部電極及び第5外部電極が接続され、前記グランドパターンに、前記第3外部電極及び第6外部電極が接続されていることを特徴とする配線基板。
  4. 前記一対の伝送線路は、等長配線を構成することを特徴とする請求項に記載の配線基板。
JP2014144007A 2014-07-14 2014-07-14 インダクタ素子、及び、配線基板 Active JP6507504B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014144007A JP6507504B2 (ja) 2014-07-14 2014-07-14 インダクタ素子、及び、配線基板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014144007A JP6507504B2 (ja) 2014-07-14 2014-07-14 インダクタ素子、及び、配線基板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016021461A JP2016021461A (ja) 2016-02-04
JP6507504B2 true JP6507504B2 (ja) 2019-05-08

Family

ID=55266140

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014144007A Active JP6507504B2 (ja) 2014-07-14 2014-07-14 インダクタ素子、及び、配線基板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6507504B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN210519104U (zh) 2017-06-05 2020-05-12 株式会社村田制作所 线圈内置陶瓷基板
JP2023047891A (ja) * 2021-09-27 2023-04-06 Tdk株式会社 積層型結合コイル部品及びこれを備える回路基板

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11186674A (ja) * 1997-12-19 1999-07-09 Hitachi Ltd 伝送線路基板
JP2003298376A (ja) * 2002-04-03 2003-10-17 Matsushita Electric Ind Co Ltd Lcフィルタ
US20070252659A1 (en) * 2004-10-14 2007-11-01 Hiroshi Suenaga Filter Circuit, Differential Transmission System Having Same, and Power Supply
JP4312187B2 (ja) * 2005-09-30 2009-08-12 Tdk株式会社 インダクタ素子
JP2010130312A (ja) * 2008-11-27 2010-06-10 Tdk Corp 表面実装型パルストランス及びコモンモードフィルタ付表面実装型パルストランス
CN104953242B (zh) * 2010-01-19 2019-03-26 株式会社村田制作所 天线装置及通信终端设备
JP5029726B2 (ja) * 2010-05-21 2012-09-19 Tdk株式会社 コモンモードノイズフィルタ
JP6074653B2 (ja) * 2012-09-07 2017-02-08 パナソニックIpマネジメント株式会社 コモンモードノイズフィルタ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016021461A (ja) 2016-02-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6102871B2 (ja) コモンモードチョークコイル及び高周波電子機器
JP4811935B2 (ja) ノイズフィルタアレイ
US20160344181A1 (en) Composite electronic component
JP2008054287A (ja) ノイズフィルタアレイ
WO2018051798A1 (ja) コモンモードノイズフィルタ
KR20160057645A (ko) 복합 전자부품 및 그 실장 기판
WO2015178136A1 (ja) コイル部品およびこのコイル部品を備えるモジュール
US11159138B2 (en) Composite electronic component and electronic circuit
JP6507504B2 (ja) インダクタ素子、及び、配線基板
JP2007129291A (ja) ノイズフィルタおよびノイズフィルタ回路
JP2011114627A (ja) コモンモードノイズフィルタ
JP2008258464A (ja) 回路基板および差動伝送機器
JP2008262943A (ja) 回路基板および差動伝送機器
JP6344482B2 (ja) プリント基板へのフレキシブルケーブルの接続構造
JP5786120B2 (ja) コモンモードノイズフィルタ
JP2013251378A (ja) 積層型コモンモードチョークコイル
JP6278117B2 (ja) 高周波モジュール
US8400236B2 (en) Electronic component
JP6500989B2 (ja) 回路基板、これを用いたフィルタ回路およびキャパシタンス素子
JP2007060892A (ja) サージ吸収回路
JP2018170315A (ja) コイル部品
JP4203005B2 (ja) コモンモードチョークコイル
JP2017017062A (ja) パルストランス
JP4992735B2 (ja) 電子部品
JP2014212189A (ja) コモンモードノイズフィルタ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170411

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180507

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180619

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181106

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181228

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190305

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190318

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6507504

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150