JP2010027530A - 電池用電極、電池用電極の製造方法、電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】電池用電極において、高出力時における充放電性能を向上させる。
【解決手段】集電体と、前記集電体の面に形成された活物質層と、を備えた電池用電極であって、前記活物質層に含まれる活物質の濃度が、前記集電体側から前記活物質層の表面側に向かって増加する。
【選択図】図2
【解決手段】集電体と、前記集電体の面に形成された活物質層と、を備えた電池用電極であって、前記活物質層に含まれる活物質の濃度が、前記集電体側から前記活物質層の表面側に向かって増加する。
【選択図】図2
Description
本発明は、電池用電極、電池用電極の製造方法、電池に関する。
近年、環境問題等に対し、例えば、自動車業界にあっては、二酸化炭素排出量の低減のため、モータ駆動用電池の開発が進められている。モータ駆動用電池としては、高出力、高寿命、小型化等の観点からリチウムイオン二次電池が開発されている。そして、リチウムイオン二次電池の電極は、例えば、集電体と、集電体の表面に形成された活物質を含む活物質層等で構成されている(例えば、特許文献1を参照)。
ところで、上記の電池では、高出力時における充放電性能が低い、という課題があった。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例にかかる電池用電極は、集電体と、前記集電体の面に形成された活物質層と、を備えた電池用電極であって、前記活物質層に含まれる活物質の濃度が、前記集電体側から前記活物質層の表面側に向かって増加することを特徴とする。
この構成によれば、活物質層には、表層領域に向けて活物質濃度が高くなるように濃度勾配が形成される。従って、活物質層の表層領域において化学反応が促進されやすくなるので、高出力時における充放電性能を向上させることができる。
[適用例2]上記適用例にかかる電池用電極は、前記活物質層に含まれる導電材の濃度が、前記活物質層の表面側から前記集電体側に向かって増加することを特徴とする。
この構成によれば、活物質層には、表層領域に向けて活物質濃度が高くなるように濃度勾配が形成されるとともに、集電体側に向けて導電材濃度が高くなるように濃度勾配が形成される。従って、活物質層の表層領域において化学反応が促進されるとともに、活物質層の集電体側の領域において電子移動速度が速まるので、高出力時における充放電性能を向上させることができる。
[適用例3]上記適用例にかかる電池用電極では、前記活物質層は、前記集電体の表面に形成された第1活物質層と、前記第1活物質層の上に形成された第2活物質層と、を有し、前記第2活物質層に含まれる前記活物質の濃度が、前記第1活物質層に含まれる前記活物質の濃度よりも高いことを特徴とする。
この構成によれば、活物質層を積層構造にすることにより、活物質層における活物質の濃度勾配を容易に構成することができる。
[適用例4]上記適用例にかかる電池用電極では、前記第1活物質層に含まれる前記導電材の濃度が、前記第2活物質層に含まれる前記導電材の濃度よりも高いことを特徴とする。
この構成によれば、活物質層における導電材の濃度勾配を容易に構成することができる。
[適用例5]上記適用例にかかる電池用電極では、前記活物質層の所定の領域であって、前記集電体の面に形成され、前記導電材の濃度が、前記活物質層の表面側から前記集電体側に向って増加する導電層を含むことを特徴とする。
この構成によれば、活物質層の表面側から集電体側に向って増加する導電層を含むことにより、活物質層の集電体側の領域において電子移動速度が速まるので、高出力時における充放電性能を向上させることができる。
[適用例6]上記適用例にかかる電池用電極では、前記導電層は、複数層であることを特徴とする。
この構成によれば、濃度勾配を容易に構成にすることができる。
[適用例7]本適用例にかかる電池は、正極と、電解質層と、負極とを有する電池であって、前記正極または前記負極の少なくとも一方が、上記の電池用電極を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、イオン拡散反応と電子移動速度が速いので、高出力時における充放電性能が高い電池を提供することができる。この場合の電池としては、例えば、リチウムイオン二次電池の構成に採用することができる。そして、高出力が要求される車両や電動工具等の他、電子機器等への搭載に適用することができる。
[適用例8]本適用例にかかる電池用電極の製造方法は、集電体の面に活物質層が形成された電池用電極の製造方法であって、前記集電体の面に前記活物質層の材料となる液状体を塗布して、前記活物質層を形成する活物質層形成工程を有し、前記活物質層形成工程では、前記活物質層に含まれる活物質の濃度が、前記集電体側から前記活物質層の表面側に向って増加するように前記活物質層を形成することを特徴とする。
この構成によれば、活物質層には、表層領域に向けて活物質濃度が高くなる濃度勾配が形成される。従って、活物質層の表層領域においてイオン拡散反応が促進されやすくなるので、高出力時における充放電性能を向上させることができる。
[適用例9]上記適用例にかかる電池用電極の製造方法は、前記活物質層形成工程では、前記活物質層に含まれる導電材の濃度が、前記活物質層の表面側から前記集電体側に向って増加するように前記活物質層を形成することを特徴とする。
この構成によれば、活物質層には、表層領域に向けて活物質濃度が高くなる濃度勾配が形成されるとともに、集電体側に向けて導電材濃度が高くなる濃度勾配が形成される。従って、活物質層の表層領域においてイオン拡散反応が促進されるとともに、活物質層の集電体側の領域において電子移動速度が速まるので、高出力時における充放電性能を向上させることができる。
[適用例10]上記適用例にかかる電池用電極の製造方法では、前記活物質層形成工程は、前記集電体の表面に第1活物質層の材料となる第1液状体を塗布して、前記第1活物質層を形成する第1活物質層形成工程と、前記第1活物質層の上に第2活物質層の材料となる第2液状体を塗布して、前記第2活物質層を形成する第2活物質層形成工程と、を含み、前記第2活物質形成工程では、前記第1液状体に含まれる前記活物質の濃度よりも高い濃度を有する前記活物質を含む前記第2液状体を塗布することを特徴とする。
この構成によれば、活物質層の表層側に向けて活物質の濃度が高くなる活物質層を容易に製造することができる。
[適用例11]上記適用例にかかる電池用電極の製造方法は、前記第1活物質層形成工程では、前記第2液状体の前記導電材の濃度よりも高い濃度を有する前記導電材を含む前記第1液状体を塗布することを特徴とする。
この構成によれば、活物質層の表層側に向けて活物質の濃度が高くなる活物質層を容易に製造することができる。
[適用例12]上記適用例にかかる電池用電極の製造方法では、前記活物質層形成工程は、前記集電体の面の所定の領域に導電層の材料となる液状体を塗布して、前記導電層を形成する導電層形成工程を含み、前記導電層形成工程では、前記導電層に含まれる前記導電材の濃度が、前記活物質層の表面側から前記集電体側に向って増加するように前記導電層を形成することを特徴とする。
この構成によれば、活物質層の表面側から集電体側に向って増加する導電層を形成することによって、活物質層の集電体側の領域において電子移動速度が速まるので、高出力時における充放電性能を向上させることができる。
[適用例13]上記適用例にかかる電池用電極の製造方法は、前記導電層形成工程では、前記導電層を複数層で形成することを特徴とする。
この構成によれば、濃度勾配を容易に構成にすることができる。
[適用例14]上記適用例にかかる電池用電極の製造方法は、前記活物質層形成工程では、前記活物質と前記導電材と溶媒とを含む液状体と、前記活物質と溶媒をと含む液状体と、前記導電材と溶媒とを含む液状体と、から所望の前記液状体を選択し、前記選択された液状体を塗布することを特徴とする。
この構成によれば、所望の濃度勾配層を容易に形成することができる。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面を参考にしながら説明する。なお、各図面における各部材は、各図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材ごとに縮小を異ならせて図示している。
[第1実施形態]
(電池の構成)
まず、本発明にかかる電池の構成について説明する。図1は、電池の構成を示す断面図である。本実施形態では、バイポーラ型のリチウムイオン二次電池(以下、「バイポーラ電池」とも称する)を例に挙げて説明する。
(電池の構成)
まず、本発明にかかる電池の構成について説明する。図1は、電池の構成を示す断面図である。本実施形態では、バイポーラ型のリチウムイオン二次電池(以下、「バイポーラ電池」とも称する)を例に挙げて説明する。
バイポーラ電池1は、積層された電池用電極10と、積層された電池用電極10の間に配置された電解質層9と、これらを外装するシート材5等で構成されている。より具体的には、電池用電極10は、集電体11のそれぞれの面に正極活物質層15と負極活物質層19とで構成されている(電池用電極の詳細については後述する)。そして、電池用電極10は、一方の電池用電極10の正極活物質層15と他方の電池用電極10の負極活物質層19とが対向するように電解質層を介して積層されている。なお、電池用電極10の積層数は特に限定されない。
また、電池用電極10の外周は、隣接する集電体11間を絶縁するための絶縁層2が設けられている。積層された電池用電極10のうち最外層に位置する最外層集電体11a,11bには、片面にのみ正極活物質層15または負極活物質層19が形成されている。そして、正極側最外層集電体11aが延長されて正極端子6としてシート材5から導出されている。一方、負極側最外層集電体11bが延長されて負極端子7としてシート材5から導出されている。
電解質層9の電解質としては、液体電解質またはポリマー電解質を用いることができる。
液体電解質は、有機溶媒に支持塩であるリチウム塩が溶解した形態を有する。有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)やプロピレンカーボネート(PC)等のカーボネート類が例示される。また、支持塩(リチウム塩)としては、LiBETI等の活物質層に添加され得る化合物も採用することができる。
一方、ポリマー電解質は、電解液を含むゲル電解質と、電解液を含まない真正ポリマー電解質に分類される。
ゲル電解質は、イオン伝導性ポリマーからなるマトリックスポリマーに、上記の液体電解質が注入された構成を有する。マトリックスポリマーとして用いられるイオン伝導性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、およびこれらの共重合体等が挙げられる。
なお、電解質層9が液体電解質やゲル電解質から構成される場合には、電解質層9にセパレータを用いてもよい。セパレータとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンからなる微多孔膜が挙げられる。
真正ポリマー電解質は、上記のマトリックスポリマーに支持塩(リチウム塩)が溶解した構成を有し、有機溶剤を含まない。従って、電解質層9が真正ポリマー電解質で構成される場合には、液体漏れを防ぐことができる。
絶縁層2としては、絶縁性、活物質の脱落や水分の透侵を防ぐシール性、耐熱性等を有する材料を採用することができ、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリイミド樹脂、ゴム等を用いることができる。
正極端子6,負極端子7としては、例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼等を用いることができる。
シート材5としては、高分子−金属複合ラミネートシート等を用いることができる。
(電池用電極の構成)
次に、電池用電極の構成について説明する。図2は、本実施形態における電池用電極の構成を示す断面図である。本実施形態では、バイポーラ電極を例に挙げて説明する。
次に、電池用電極の構成について説明する。図2は、本実施形態における電池用電極の構成を示す断面図である。本実施形態では、バイポーラ電極を例に挙げて説明する。
電池用電極10は、集電体11の一方の面に形成された正極活物質層15と、集電体11の他方の面に形成された負極活物質層19で構成されている。正極活物質層15は、正極活物質と導電材を含み、負極活物質層19は、負極活物質と導電材を含んでいる。
集電体11は、アルミニウム箔、ニッケル箔、銅箔、ステンレス箔等、導電性の材料を採用することができる。集電体11の厚みは、例えば、1〜30μmとすることができる。
正極活物質層15は、複数の正極活物質層から構成されている。本実施形態では、集電体11の一方の面に形成された第1正極活物質層12と、第1正極活物質層12の上に形成された第2正極活物質層13と、第2正極活物質層13の上に形成された第3正極活物質層14と、の3層構造で構成されている。そして、正極活物質層15に含まれる正極活物質の濃度が、集電体11側から正極活物質層15の表面側に向けて増加している。本実施形態では、第1正極活物質層12から第3正極活物質層14に向うに従って、各正極活物質層12,13,14毎に正極活物質の濃度が増加している。
正極活物質としては、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、マンガン酸リチウム(LiMn2O4)、リン酸鉄リチウム(LiFePO4)、ニッケル/コバルト酸リチウム(LiNi1-xCoxO2)、ニッケル/マンガン酸リチウム(LiNi0.5Mn0.5O2)、ニッケル/マンガン/コバルト酸リチウム(LiNi1/3Mn1/3Co1/3O2)、チタン酸リチウム(Li4Ti5O12)、硫化リチウム(Li2S)等を用いることができる。また、上記の2種類以上の材料を併用してもよい。そして、各正極活物質層12,13,14に含まれる上記正極活物質の濃度を変えることにより、正極活物質層15の全体として、集電体11側から正極活物質層15の表面側に向けて正極活物質の濃度が増加する濃度勾配が形成される。
さらに、正極活物質層15に含まれる導電材の濃度が、正極活物質層15の表面側から集電体11側に向けて増加している。本実施形態では、第3正極活物質層14から第1正極活物質層12に向かうにしたがって、導電材の濃度が増加している。
導電材は、正極活物質層15(負極活物質層19)の導電性を向上にさせるために配合させる添加物であり、例えば、アセチレンブラック、グラファイトなどのカーボン粉末や、気相成長炭素繊維(VGCF(登録商標))等の種々の炭素繊維を採用することができる。そして、各正極活物質層12,13,14に含まれる上記導電材の濃度を変えることにより、正極活物質層15の全体として、正極活物質層15の表面側から集電体11側に向けて導電材の濃度が増加する濃度勾配が形成される。
負極活物質層19は、複数の負極活物質層から形成されている。本実施形態では、集電体11の他方の面(正極活物質層15が形成された面と反対の面)に形成された第1負極活物質層16と、第1負極活物質層16の上に形成された第2負極活物質層17と、第2負極活物質層17の上に形成された第3負極活物質層18と、の3層構造で構成されている。そして、負極活物質層19に含まれる負極活物質の濃度が、集電体11側から負極活物質層19の表面側に向けて増加している。本実施形態では、第1負極活物質層16から第3負極活物質層18に向うに従って、各負極活物質層16,17,18毎に負極活物質の濃度が増加している。
負極活物質としては、炭素・黒鉛(LiC6)、チタン酸リチウム(Li4Ti5O12)、シリコン(Li22Si5)、リチウム(Li)等を用いることができる。また、上記の2種類以上の材料を併用してもよい。そして、各負極活物質層16,17,18に含まれる上記負極活物質の濃度を変えることにより、負極活物質層19の全体として、集電体11側から負極活物質層19の表面側に向けて負極活物質の濃度が増加する濃度勾配が形成される。
さらに、負極活物質層19に含まれる導電材の濃度が、負極活物質層19の表面側から集電体11側に向けて増加している。本実施形態では、第3負極活物質層18から第1負極活物質層16に向うにしたがって、各負極活物質層16,17,18毎に導電材の濃度が増加している。
なお、導電材は、正極活物質層15と同様の材料を用いることができる。そして、各負極活物質層16,17,18に含まれる導電材の濃度を変えることにより、負極活物質層19の全体として、負極活物質層19の表面側から集電体11側に向けて導電材の濃度が増加する濃度勾配が形成される。
(液滴吐出装置の構成)
次に、電池用電極10の製造に用いられる液滴吐出装置の構成について説明する。本実施形態では、電池用電極10の活物質層の材料となる液状体を塗布する方法として、液滴吐出法を例に説明する。図3は、液滴吐出法を可能とする液滴吐出装置の構成を示す斜視図である。
次に、電池用電極10の製造に用いられる液滴吐出装置の構成について説明する。本実施形態では、電池用電極10の活物質層の材料となる液状体を塗布する方法として、液滴吐出法を例に説明する。図3は、液滴吐出法を可能とする液滴吐出装置の構成を示す斜視図である。
図3において、液滴吐出装置30は、活物質層の材料となる液状体を液滴として吐出するヘッド部50を有するヘッド機構部32と、ヘッド部50から吐出された液滴の吐出対象であるワークWを載置するワーク機構部33と、ヘッド部50に液状体を供給する材料供給部34と、ヘッド部50の保守を行うメンテナンス機構部35と、これら各機構部および供給部を統括的に制御する制御部36等を備えている。
液滴吐出装置30は、床上に設置された複数の支持脚41と、支持脚41の上側に設置された定盤42を備えている。定盤42の上側には、ワーク機構部33が定盤42の長手方向(X軸方向)に延在するように配置されている。ワーク機構部33の上方には、定盤42に固定された2本の支持柱52で支持されているヘッド機構部32が、ワーク機構部33と直交する方向(Y軸方向)に延在して配置されている。また、定盤42の一方の端部には、ヘッド機構部32のヘッド部50から連通して液状体を供給する材料供給部34が配置されている。そして、ヘッド機構部32の一方の支持柱52近傍には、メンテナンス機構部35がワーク機構部33と並んでX軸方向に延在するように配置されている。さらに、定盤42の下側には、制御部36が備えられている。
ヘッド機構部32は、液状体を吐出するヘッド部50と、ヘッド部50を懸架したヘッドキャリッジ51と、ヘッドキャリッジ51のY軸方向への移動をガイドするY軸ガイド53と、Y軸ガイド53の側方にY軸ガイド53と平行に設置されたY軸リニアモータ54等を備えている。
ワーク機構部33は、ヘッド機構部32の下方に位置し、ヘッド機構部32とほぼ同様の構成でX軸方向に延在するように配置されており、ワークWを載置している載置台61と、載置台61の移動をガイドするX軸ガイド63と、X軸ガイド63の側方にX軸ガイド63と平行に設置されたX軸リニアモータ64等を備えている。これらの構成により、ヘッド部50とワークWとは、それぞれY軸方向およびX軸方向に往復自在に移動することができる。
ヘッド部50に液状体を供給する材料供給部34は、タンク75と、ポンプ74と、タンク75からポンプ74を経てヘッド部50までを接続する流路チューブ79とを備えている。
次に、ヘッド部50に備えられた吐出ヘッドの構造について説明する。図4は、吐出ヘッドの構造を示し、図4(a)は一部破断した斜視図であり、同図(b)は断面図である。
図4(a)において、吐出ヘッド110は、振動板114と、ノズルプレート115を備えている。振動板114とノズルプレート115との間には、液溜まり116が配置され、孔118を介して供給される液状体が常に充填されるようになっている。また、振動板114と、ノズルプレート115との間には、複数の隔壁112が位置している。そして、振動板114と、ノズルプレート115と、一対の隔壁112とによって囲まれた部分がキャビティ111である。キャビティ111は、ノズル120に対応して設けられているため、キャビティ111の数とノズル120の数とは同じである。キャビティ111には、一対の隔壁112間に位置する供給口117を介して、液溜まり116から液状体が供給される。
図4(b)に示すように、振動板114上には、それぞれのキャビティ111に対応して振動子113が取り付けられている。振動子113は、ピエゾ素子113cと、ピエゾ素子113cを挟む一対の電極113a,113bを有する。この一対の電極113a,113bに駆動電圧を与えることで、対応するノズル120から液状体が液滴121となって吐出される。なお、液状体を吐出させるために、振動子113の代わりに電気熱変換素子を用いてもよく、電気熱変換素子による液状体の熱膨張を利用して、液滴として吐出することができる。
図3に戻り、次に、メンテナンス機構部35について説明する。メンテナンス機構部35は、キャッピングユニット86、ワイピングユニット87、およびフラッシングユニット88のメンテナンスユニットを備えている。さらに、メンテナンスユニットを載置するメンテキャリッジ81と、メンテキャリッジ81の移動をガイドするメンテキャリッジガイド82と、メンテキャリッジ81と一体の螺合部85と、螺合部85が螺合するボールねじ84と、ボールねじ84を回転させるメンテモータ83とを備えている。これにより、メンテモータ83が正逆回転すると、ボールねじ84が回転し、螺合部85を介してメンテキャリッジ81が、X軸方向に移動する。メンテキャリッジ81がヘッド部50のメンテナンスのために移動するときには、Y軸ガイド53に沿ってヘッド部50が移動して、メンテナンスユニットの直上部に臨んでいる。これらのメンテナンスユニットにより、液滴吐出装置30の非稼動時やワークWを交換載置している加工待ち時などに、吐出ヘッド110の状態を保全して良好な吐出状態を保つことができる。
これらの構成により、ヘッド部50とワークWとは、それぞれY軸方向およびX軸方向に往復自在に移動することができる。
次に、以上述べた構成を制御する制御部36の構成について説明する。図5は、制御部36の構成を示すブロック図である。制御部36は、指令部130と駆動部140とを備え、指令部130は、CPU132、記憶手段としてのROM133、RAM134および入出力インターフェース131からなり、CPU132が入出力インターフェース131を介して入力される各種信号を、ROM133、RAM134のデータに基づき処理し、入出力インターフェース131を介して駆動部140へ制御信号を出力する。
駆動部140は、ヘッドドライバ141、モータドライバ142、ポンプドライバ143及びメンテドライバ145から構成されている。モータドライバ142は、指令部130の制御信号により、X軸リニアモータ64、Y軸リニアモータ54を制御し、ワークW、ヘッド部50の移動を制御する。さらに、メンテモータ83を制御してメンテナンス機構部35の必要なユニットをメンテナンス位置へ移動させる。ヘッドドライバ141は、吐出ヘッド110からの液状体の吐出を制御し、モータドライバ142の制御と同調して、ワークW上の所定位置に吐出などが行えるようにする。また、ポンプドライバ143は、液状体の吐出状態に対応してポンプ74を制御し、吐出ヘッド110への供給を最適に制御する。そして、メンテドライバ145は、メンテナンス機構部35のキャッピングユニット86、ワイピングユニット87およびフラッシングユニット88を制御する。
(電池用電極の製造方法)
次に、電池用電極10の製造方法について説明する。図6は、本実施形態における電池用電極の製造方法を示す工程図である。より具体的には、集電体11の面に活物質層の材料となる液状体を塗布して、活物質層を形成する活物質層形成工程を示す工程図である。
次に、電池用電極10の製造方法について説明する。図6は、本実施形態における電池用電極の製造方法を示す工程図である。より具体的には、集電体11の面に活物質層の材料となる液状体を塗布して、活物質層を形成する活物質層形成工程を示す工程図である。
図6(a)において、集電体11の一方の面に第1正極活物質層12の材料となる第1液状体12aを塗布する。具体的には、液滴吐出装置30の吐出ヘッド110から集電体11に向けて第1液状体を液滴121として吐出して、集電体11に第1液状体12aを塗布する。第1液状体12aは、例えば、溶媒と正極活物質としてのマンガン酸リチウム(LiMn2O4:5wt%)と導電材としてのアセチレンブラック(2wt%)を含む液状体を用いる。そして、塗布された第1液状体12aは自然乾燥等により粘度が高まり、液状状態の第1正極活物質層12bが形成される。
図6(b)において、液状状態の第1正極活物質層12bの上に、第2正極活物質層13の材料となる第2液状体を液滴121として吐出して、第2液状体13aを塗布する。第2液状体13aは、例えば、溶媒と正極活物質としてのマンガン酸リチウム(LiMn2O4:10wt%)と導電材としてのアセチレンブラック(1wt%)を含む液状体を用いる。そして、塗布された第2液状体13aは自然乾燥等により粘度が高まり、液状状態の第2正極活物質層13bが形成される。
図6(c)において、液状状態の第2正極活物質層13bの上に、第3正極活物質層14の材料となる第3液状体を液滴121として吐出して、第3液状体14aを塗布する。第3液状体14aは、例えば、溶媒と正極活物質としてのマンガン酸リチウム(LiMn2O4:20wt%)を含む液状体を用いる。なお、第3液状体14aは、導電材を含まない液状体である。
図6(d)において、液状体の第1〜第3正極活物質層12b,13b,14aを乾燥し、固化した第1〜第3正極活物質層12,13,14を形成する。これにより、正極活物質層15が形成される。
次に、負極活物質層19の形成方法について説明する。負極活物質層19の形成においても正極活物質層15の形成方法と同じ要領で形成する(一部図を省略する)。まず、集電体11の他方の面(正極活物質層15が形成される面と反対面)に第1負極活物質層16の材料となる第4液状体を塗布する。具体的には、液滴吐出装置30の吐出ヘッド110から集電体11に向けて第4液状体を液滴121として吐出して、集電体11に第4液状体を塗布する。第4液状体は、例えば、溶媒に負極活物質としてのチタン酸リチウム(Li4Ti5O12:5wt%)と導電材としてのアセチレンブラック(2wt%)を含む液状体を用いる。そして、塗布された第4液状体は自然乾燥等により粘度が高くなった液状状態の第1負極活物質層が形成される。
次に、液状状態の第1負極活物質層の上に、第2負極活物質層17の材料となる第5液状体を液滴121として吐出して、第5液状体を塗布する。第5液状体は、例えば、溶媒と負極活物質としてのチタン酸リチウム(Li4Ti5O12:10wt%)と導電材としてのアセチレンブラック(1wt%)を含む液状体を用いる。そして、塗布された第5液状体は自然乾燥等により粘度が高くなった液状状態の第2負極活物質層が形成される。
次に、液状状態の第2負極活物質層の上に、第3負極活物質層18の材料となる第6液状体を液滴121として吐出して、第6液状体を塗布する。第6液状体は、例えば、溶媒と負極活物質としてのチタン酸リチウム(Li4Ti5O12:20wt%)を含む液状体を用いる。なお、第6液状体は、導電材を含まない液状体である。
そして、液状体の第1〜第3負極活物質層を乾燥し、固化した第1〜第3負極活物質層16,17,18を形成する。これにより、負極活物質層19が形成される。
以上、上記の工程を経ることにより、電池用電極10が形成される(図6(n))。
従って、上記の第1実施形態によれば、以下に示す効果がある。
(1)正極活物質層15および負極活物質層19のそれぞれに含まれる活物質の濃度が、集電体11側から各活物質層の表層側に向けて濃度が高くように濃度勾配を形成した。従って、活物質濃度が最も高い活物質層の表層領域における化学反応を促進させることができる。また、正極活物質層15および負極活物質層19のそれぞれに含まれる導電材の濃度が、各活物質層の表層側から集電体11に向けて濃度が高くなるように濃度勾配を形成した。従って、各活物質層の集電体側の領域において電子移動速度を速めることができる。すなわち、電子移動抵抗を低減することができる。そして、このように構成された電池用電極を構成要素とする電池は、イオン伝導性、電子伝導性に優れ、高出力時における充放電性能を高めることができる。
(2)正極活物質層15および負極活物質層19は、活物質または導電材の濃度が異なる複数の層を積層して構成した。従って、濃度勾配を容易に形成することができる。
(3)活物質層形成工程において、液状体で積層した後に、全体を固化した。従って、各層間の界面が形成されないので、活物質層内の接触抵抗を低減させることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明を具体化した第2実施形態について図面を参考にしながら説明する。なお、電池の基本的な構成、液滴吐出装置の構成は第1実施形態と同様なので説明を省略する。
次に、本発明を具体化した第2実施形態について図面を参考にしながら説明する。なお、電池の基本的な構成、液滴吐出装置の構成は第1実施形態と同様なので説明を省略する。
(電池用電極の構成)
まず、本実施形態にかかる電池用電極の構成について説明する。図7は本実施形態における電池用電極の構成を示し、同図(a)は断面図を示し、同図(b)は平面図を示す。なお、本実施形態では、バイポーラ電極を例に挙げて説明する。
まず、本実施形態にかかる電池用電極の構成について説明する。図7は本実施形態における電池用電極の構成を示し、同図(a)は断面図を示し、同図(b)は平面図を示す。なお、本実施形態では、バイポーラ電極を例に挙げて説明する。
電池用電極200は、集電体11の一方の面に形成された正極活物質層270と、集電体11の他方の面に形成された負極活物質層330で構成されている。そして、正極活物質層270には導電材を含む導電層(250,260)が含まれ、また、負極活物質層330には導電材を含む導電層(310,320)が含まれている。なお、集電体、正極活物質、負極活物質、導電材の材質は第1実施形態と同様なので説明を省略する。
本実施形態の正極活物質層270は、集電体11の一方の面に形成された第1正極活物質層220と、第1正極活物質層220の上に形成された第2正極活物質層230と、第2正極活物質層230の上に形成された第3正極活物質層240と、さらに、集電体11の面に形成された第1導電層250と、第1導電層250の上に形成された第2導電層260とで構成されている。
導電層(250,260)は、正極活物質層270の所定の領域に略均等に点在して形成されている。
そして、正極活物質層270に含まれる正極活物質の濃度が、集電体11側から正極活物質層270の表面側に向けて増加している。本実施形態では、第1正極活物質層220から第3正極活物質層240に向うに従って、各正極活物質層220,230,240毎に正極活物質の濃度が増加している。
さらに、正極活物質層270に含まれる導電層(250,260)に含まれる導電材の濃度が、正極活物質層270の表面側から集電体11側に向けて増加している。本実施形態では、第2導電層260から第1導電層250に向うにしたがって、導電材の濃度が増加している。
また、本実施形態の負極活物質層330は、集電体11の他方の面(正極活物質層270が形成された面と反対の面)に形成された第1負極活物質層280と、第1負極活物質層280の上に形成された第2負極活物質層290と、第2負極活物質層290の上に形成された第3負極活物質層300と、さらに、集電体11の面に形成された第3導電層310と、第3導電層310の上に形成された第4導電層320とで構成されている。
導電層(310,320)は、負極活物質層330の所定の領域に略均等に点在して形成されている。
そして、負極活物質層330に含まれる負極活物質の濃度が、集電体11側から負極活物質層300の表面側に向けて増加している。本実施形態では、第1負極活物質層280から第3負極活物質層300に向うに従って、負極活物質の濃度が増加している。
さらに、負極活物質層330の導電層(310,320)に含まれる導電材の濃度が、負極活物質層300の表面側から集電体11側に向けて増加している。本実施形態では、第4導電層320から第3導電層310に向うに従って、導電材の濃度が増加している。
(電池用電極の製造方法)
次に、電池用電極200の製造方法について説明する。図8は、本実施形態における電池用電極の製造方法を示す工程図である。より具体的には、集電体11の面に活物質層の材料となる液状体を塗布して、活物質層を形成する活物質層形成工程を示す工程図である。
次に、電池用電極200の製造方法について説明する。図8は、本実施形態における電池用電極の製造方法を示す工程図である。より具体的には、集電体11の面に活物質層の材料となる液状体を塗布して、活物質層を形成する活物質層形成工程を示す工程図である。
図8(a)において、集電体11の一方の面に第1正極活物質層220の材料となる第1液状体220aを塗布する。具体的には、液滴吐出装置30の吐出ヘッド110から集電体11に向けて第1液状体を液滴121として吐出して、集電体11に第1液状体220aを塗布する。なお、第1液状体220aを集電体11の全面に塗布するのではなく、所定の間隔(領域)を空けて塗布する。第1液状体220aは、例えば、溶媒と正極活物質の材料としてのマンガン酸リチウム(LiMn2O4:5wt%)を含む液状体を用いる。そして、塗布された第1液状体220aは自然乾燥等により粘度が高まり、液状状態の第1正極活物質層220bが形成される。
図8(b)において、集電体11の面であって、液状体の第1正極活物質層220bが形成された領域以外の領域に第1導電層250の材料となる第2液状体を液滴121として吐出する。第2液状体250aは、例えば、溶媒と導電材の材料としてのアセチレンブラック(2wt%)を含む液状体を用いる。そして、塗布された第2液状体250aは自然乾燥等により粘度が高まり、液状状態の第1導電層250bが形成される。
図8(c)において、液状状態の第1正極活物質層220bの上に、第2正極活物質層230の材料となる第3液状体を液滴121として吐出して、第3液状体230aを塗布する。第3液状体230aは、例えば、溶媒と正極活物質の材料としてのマンガン酸リチウム(LiMn2O4:10wt%)を含む液状体を用いる。そして、塗布された第3液状体230aは自然乾燥等により粘度が高まり、液状状態の第2正極活物質層230bが形成される。
図8(d)において、液状状態の第1導電層250bの上に、第2導電層260の材料となる第4液状体を液滴121として吐出する。第4液状体260aは、例えば、溶媒と導電材の材料としてのアセチレンブラック(1wt%)を含む液状体を用いる。そして、塗布された第4液状体260aは自然乾燥等により粘度が高まり、液状状態の第2導電層260bが形成される。
図8(e)において、液状状態の第2正極活物質層230bおよび液状状態の第2導電層260bの上に、第3正極活物質層240の材料となる第5液状体を液滴121として吐出して、第5液状体240aを塗布する。第5液状体240aは、例えば、溶媒と正極活物質の材料としてのマンガン酸リチウム(LiMn2O4:20wt%)を含む液状体を用いる。
図8(f)において、液状体の第1〜第3正極活物質層220b,230b,240aおよび液状体の第1,第2導電層250b,260bを乾燥して固化する。これにより、固化された第1〜第3正極活物質層220,230,240および第1,第2導電層250,260が形成され、全体として、正極活物質層270が形成される。
次に、負極活物質層330の形成方法について説明する。負極活物質層330の形成においても正極活物質層270の形成方法と同じ要領で形成する(一部図を省略する)。まず、集電体11の一方の面(正極活物質層270が形成される面と反対面)に第1負極活物質層280の材料となる第6液状体を塗布する。具体的には、液滴吐出装置30の吐出ヘッド110から集電体11に向けて第6液状体を液滴として吐出して、集電体11に第6液状体を塗布する。また、第6液状体を集電体11の全面に塗布するのではなく、所定の間隔(領域)を空けて塗布する。塗布する第6液状体は、例えば、溶媒と負極活物質の材料としてのチタン酸リチウム(Li4Ti5O12:5wt%)を含む液状体を用いる。そして、塗布された第6液状体は自然乾燥等により粘度が高まり、液状状態の第1負極活物質層が形成される。
次に、集電体11の面であって、液状体の第1負極活物質層が形成された領域以外の領域に第3導電層310の材料となる第7液状体を液滴として塗布する。第7液状体は、例えば、溶媒と導電材の材料としてのアセチレンブラック(2wt%)を含む液状体を用いる。そして、塗布された第7液状体は自然乾燥等により粘度が高まり、液状状態の第3導電層が形成される。
次に、液状体の第1負極活物質層の上に、第2負極活物質層290の材料となる第8液状体を液滴として吐出して、第8液状体を塗布する。第8液状体は、例えば、溶媒と負極活物質の材料としてのチタン酸リチウム(Li4Ti5O12:10wt%)を含む液状体を用いる。そして、塗布された第8液状体は自然乾燥等により粘度が高まり、液状状態の第2負極活物質層が形成される。
次に、液状体の第3導電層の上に、第4導電層320の材料となる第9液状体を液滴として吐出する。第9液状体は、例えば、溶媒に導電材の材料としてのアセチレンブラック(1wt%)を含む液状体を用いる。そして、塗布された第9液状体は自然乾燥等により粘度が高まり、液状状態の第4導電層が形成される。
次に、液状状態の第2負極活物質層および液状状態の第4導電層の上に、第3負極活物質層の材料となる第10液状体を液滴として吐出して、第10液状体を塗布する。第10液状体は、例えば、溶媒と負極活物質の材料としてのチタン酸リチウム(Li4Ti5O12:20wt%)を含む液状体を用いる。
次に、液状体の第1〜第3負極活物質層および液状体の第3,第4導電層を乾燥して固化する。これにより、固化された第1〜第3負極活物質層280,290,300および第3,第4導電層310,320が形成され、全体として、負極活物質層330が形成される。
以上、上記の工程を経ることにより、電池用電極200が形成される(図8(n))。
従って、上記の第2実施形態によれば、第1実施形態の効果に加え、以下に示す効果がある。
(1)正極活物質層270または負極活物質層330の内部に導電層(250,260,310,320)を設けたので、確実な電子移動パスが形成され、電子移動抵抗を低減させることができる。
(2)導電層(250,260,310,320)は、正極活物質層270または負極活物質層330の内部の所定領域に均等に設けた。従って、活物質層の部分的な反応ムラを低減することができる。
(3)正極活物質層270の最表層部の第3正極活物質層240および負極活物質層330の最表層部の第3負極活物質層300は、活物質のみから構成される活物質を形成した。従って、効率良くイオン反応を促進させることができる。
なお、上記の実施形態に限定されるものではなく、以下のような変形例が挙げられる。
(変形例1)上記実施形態の活物質層形成工程において、一の活物質層に対して液状体を複数回塗布してもよい。このようにすれば、所望する膜厚を確実に形成することができる。
(変形例2)上記実施形態の電池用電極10,200は、3層の活物質層で構成したが、これに限定されない。例えば、2層以下または4層以上の積層構造であってもよい。さらに、正極活物質層15,270と負極活物質層19,330の積層数が異なる構成であってもよい。このようにすれば、電池用電極10,200の機能性、生産性等に応じて適切な構成を取得することができる。
(変形例3)上記実施形態では、活物質と導電材と溶媒とを含む液状体を塗布したが、これに限定されない。例えば、活物質と導電材と溶媒とを含む液状体のほかに、活物質と溶媒をと含む液状体と、導電材と溶媒とを含む液状体とを用意して、これらの液状体の中から所望の液状体を選択し、選択された液状体を塗布するようにしてもよい。このようにすれば、活物質の濃度や導電材の濃度の調整を容易に行うことができる。
1…電池としてのバイポーラ電池、9…電解質層、10,200…電池用電極、11…集電体、15,270(12,13,14,220,230,240)…正極活物質層、19,330(16,17,18,280,290,300)…負極活物質層、30…液滴吐出装置、110…吐出ヘッド、121…液滴、250,260,310,320…導電層。
Claims (14)
- 集電体と、前記集電体の面に形成された活物質層と、を備えた電池用電極であって、
前記活物質層に含まれる活物質の濃度が、前記集電体側から前記活物質層の表面側に向かって増加することを特徴とする電池用電極。 - 請求項1に記載の電池用電極において、
前記活物質層に含まれる導電材の濃度が、前記活物質層の表面側から前記集電体側に向かって増加することを特徴とする電池用電極。 - 請求項1または2に記載の電池用電極において、
前記活物質層は、
前記集電体の表面に形成された第1活物質層と、
前記第1活物質層の上に形成された第2活物質層と、を有し、
前記第2活物質層に含まれる前記活物質の濃度が、前記第1活物質層に含まれる前記活物質の濃度よりも高いことを特徴とする電池用電極。 - 請求項2または3に記載の電池用電極において、
前記第1活物質層に含まれる前記導電材の濃度が、前記第2活物質層に含まれる前記導電材の濃度よりも高いことを特徴とする電池用電極。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の電池用電極において、
前記活物質層の所定の領域であって、前記集電体の面に形成され、前記導電材の濃度が、前記活物質層の表面側から前記集電体側に向って増加する導電層を含むことを特徴とする電池用電極。 - 請求項5に記載の電池用電極において、
前記導電層は、複数層であることを特徴とする電池用電極。 - 正極と、電解質層と、負極とを有する電池であって、
前記正極または前記負極の少なくとも一方が、請求項1〜6のいずれか一項に記載の電池用電極を備えたことを特徴とする電池。 - 集電体の面に活物質層が形成された電池用電極の製造方法であって、
前記集電体の面に前記活物質層の材料となる液状体を塗布して、前記活物質層を形成する活物質層形成工程を有し、
前記活物質層形成工程では、前記活物質層に含まれる活物質の濃度が、前記集電体側から前記活物質層の表面側に向かって増加するように前記活物質層を形成することを特徴とする電池用電極の製造方法。 - 請求項8に記載の電池用電極の製造方法において、
前記活物質層形成工程では、
前記活物質層に含まれる導電材の濃度が、前記活物質層の表面側から前記集電体側に向って増加するように前記活物質層を形成することを特徴とする電池用電極の製造方法。 - 請求項8または9に記載の電池用電極の製造方法において、
前記活物質層形成工程は、
前記集電体の表面に第1活物質層の材料となる第1液状体を塗布して、前記第1活物質層を形成する第1活物質層形成工程と、
前記第1活物質層の上に第2活物質層の材料となる第2液状体を塗布して、前記第2活物質層を形成する第2活物質層形成工程と、を含み、
前記第2活物質形成工程では、前記第1液状体に含まれる前記活物質の濃度よりも高い濃度を有する前記活物質を含む前記第2液状体を塗布することを特徴とする電池用電極の製造方法。 - 請求項9または10に記載の電池用電極の製造方法において、
前記第1活物質層形成工程では、前記第2液状体の前記導電材の濃度よりも高い濃度を有する前記導電材を含む前記第1液状体を塗布することを特徴とする電池用電極の製造方法。 - 請求項8〜11のいずれか一項に記載の電池用電極の製造方法において、
前記活物質層形成工程は、
前記集電体の面の所定の領域に導電層の材料となる液状体を塗布して、前記導電層を形成する導電層形成工程を含み、
前記導電層形成工程では、前記導電層に含まれる前記導電材の濃度が、前記活物質層の表面側から前記集電体側に向って増加するように前記導電層を形成することを特徴とする電池用電極の製造方法。 - 請求項12に記載の電池用電極の製造方法において、
前記導電層形成工程では、前記導電層を複数層で形成することを特徴とする電池用電極の製造方法。 - 請求項8〜13のいずれか一項に記載の電池用電極の製造方法において、
前記活物質層形成工程では、
前記活物質と前記導電材と溶媒とを含む液状体と、
前記活物質と溶媒をと含む液状体と、
前記導電材と溶媒とを含む液状体と、から所望の前記液状体を選択し、
前記選択された液状体を塗布することを特徴とする電池用電極の製造方法。
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