JP2010027479A - 開閉器 - Google Patents

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Abstract

【課題】可動電極棒の設置スペースと無関係に電流遮断用の速動機構を設置でき、固定側端子と可動側端子との間の電流を安定して遮断できる開閉器の提供を目的とする。
【解決手段】閉路するときには、固定側端子1aに対向して配置された可動側端子2a内に収納した可動電極棒3を移動することにより固定側端子1aと可動側端子2a間の導通を確保し、開路するときには固定側端子1aに設けた速動機構によって固定側端子1aと可動電極棒3との間の電流を遮断する開閉器を提供する。
【選択図】図8

Description

この発明は、電力会社の変電所や一般需要家受電点に設置される開閉器に関するものである。
開閉器の電流遮断性能を向上させるための技術として、電気学会論文誌B、110巻、10号(平成二年)の808頁には、従来の遮断器、断路器、接地開閉器に適用された消弧方式が紹介されている。この中に掲載されている早切り方式は可動電極棒および可動電極棒側の端子に早切り機構(速動機構)を備えており、接点開路速度を上昇させて接点損傷が生じない時間内で消弧に必要な長さにまでアークを伸ばし、遮断性能を向上させる技術である。
その駆動原理は次のとおりである。可動電極棒の内部にはバネが内装され、そのバネは可動電極棒先端から突出した補助接点と連動している。可動電極棒が固定電極の最奥部に挿入された閉路状態では、補助接点は固定電極内部の補助接点受け内部に挿入されている。この状態は可動電極棒が開路する途中まで続き、可動電極棒の開路距離が大きくなるにつれて前記バネが蓄勢されていく。バネがある反発力に達すると、補助接点受けと補助接点の間の摩擦力よりもバネ反発力が上回り、補助接点が勢い良く抜ける。このときに大きな接点開離速度が得られる。
電気学会論文誌B、110巻、10号(平成二年)808頁
従来技術では可動電極側に速動機構を設け、この速動機構を利用して電流遮断をおこなっている。しかし、特許文献1のように可動電極棒の駆動機構が可動電極内部の大半のスペースを占めるような場合、速動機構のバネの装着場所を十分確保できなくなるという問題点がある。
また、製造コストを削減するため、可動電極側は遮断機能のない断路器と部材を共通化したいという要求があったが、速動機構の構造上、共通化が難しいという問題があった。
この発明は、可動電極棒の設置スペースと無関係に電流遮断用の速動機構を設置でき、固定側端子と可動側端子との間の電流を安定して遮断できる開閉器の提供を目的とする。
この発明に係る開閉器は、
固定側端子と、
固定側端子と対向配置され、固定側端子と電気的導通を確保するため接離可能な可動電極棒を備えた可動側端子と、
可動電極棒と固定側端子間の電気的導通を遮断する速動機構とを備えた開閉器において、
速動機構を固定側端子に設けたものである。
この発明に係る開閉器は、
固定側端子と、
固定側端子と対向配置され、固定側端子と電気的導通を確保するため接離可能な可動電極棒を備えた可動側端子と、
可動電極棒と固定側端子間の電気的導通を遮断する速動機構とを備えた開閉器において、
速動機構を固定側端子に設けたものなので、可動電極棒の設置スペースと関係なく速動機構を設置することができるという効果がある。
また、速動機構を固定側端子に設けたので、可動側端子および可動電極棒を遮断機能のない断路器と共通化でき、生産コストを削減できるという効果がある。
実施の形態1.
本発明の実施の形態1について図を用いて説明する。
図1は本実施形態1の開閉器の要部断面図である。
電路を開くために必要な基本機能は、固定側端子1a、1b、可動側端子2a、2b、および可動電極棒3から構成される。同図は開路状態を示している。
図2を用いて可動電極棒3の駆動について説明する。図2は本発明の実施の形態1の可動電極棒側の要部断面図である。
可動側端子2a、2bの内部は図2左右方向に円筒状に刳り抜かれている。可動電極棒3は円筒形状で中空に成形されていて、可動側端子2a、2bの内部に挿入されている。可動電極棒3の一端部内側には雌側係合器23aが嵌め込まれて固定されている。また、反対の端部には雌ネジ23bが同様に嵌め込まれている。
雌ネジ23bの内側には駆動用雄ネジ棒41が所定の位置に螺合され、その一端に絶縁ロッド40が接続されている。
絶縁ロッド40は図示しないモーターに接続されており、その駆動力によって回転する。絶縁ロッド40と連動する駆動用雄ネジ41が回転することによって周方向への回転を規制された可動電極棒3が左右に移動する。可動電極棒3には、可動側端子2a、2bとの電気的導通を確保するために図示しない接触子が先端に設けられている。
次に電流遮断時に機能する速動機構の構造を説明する。
図1の円筒導体4は、その一端が固定側端子1aと同軸に、同1bを介して機械的、電気的に接続されている。また、反対側端面は機械的・電気的にベース板5に接続されている。機械的接続方法としてボルト固定を行い、電気的接続を得るために接続面を銀メッキしている。
ピストン6は、ベース板5に対し垂直かつ固定側端子1aと同軸に機械的・電気的にベース板5に接続されている。言うまでもなくこのピストン6は固定されているので動かない。機械的接続方法としてボルト固定を行い、電気的接続を得るために接続面は銀メッキしている。
円筒形状のシリンダ7は、ピストン6に挿設されており接触子8によって相互間の電気的導通を確保している。このシリンダ7がピストン6に沿って摺動するが詳細は後述する。
張り出し部9は、シリンダ7の開口側端部の外周部に配置され、円筒導体4の内径とほぼ同じ外径をもち、円筒導体4の内周面を左右に移動する。
ストッパ10は、内径が前記張り出し部9の外径よりも小さいものであって、円筒導体4の端子側の一端の内側、周方向に沿って配設されている。また、つるまき状の主バネ13はシリンダ7の外周部に沿って配設され、張り出し部9の端部に設けたバネ受け11に固定され、他端は固定側端子1aのバネ受け12に固定されている。
シリンダ7の先端部にはシリンダ7と同軸に機械的・電気的に接続された棒状の軸棒14が接続されている。軸棒14の右端部から軸棒14の長さの約3分の2に相当する部分は残りの部分より細い円柱形状に成形してある。そして当該端部にはボルト18を取り付ける雌ネジが内部に切ってある。雄側係合器15は軸棒14先端部から、軸棒14と同軸に挿入してある。
次に雄側係合器15の構造について図3を用いて説明する。
図3は雄側係合器15の斜視図である。雄側係合器15はこの部材自体で電導を担う。後述の板バネ部15bにおける弾性変形範囲を大きく取る必要があるため、材質には、例えば降伏点または耐力の高いアルミニウム青銅、高力黄銅、アルミニウム合金(合金番号A7075、A2024、A2014)等のいずれかを用いる。これらの材料を使用することにより、係合解放時の板バネ部15bの変形量を大きく設定しても永久歪が発生せず、係合解放機能の信頼性を向上することができる。
雄側係合器15には円筒状の一端近傍部分を残して割り面15cをスリット状に長手方向に設けている。図3では6片になるよう分割して板バネ部15bを構成している。板バネ部15bの正対する2片の外周面、長手方向、中央部には摺動面15eを設けている。摺動面15eは後述する補助接点17と電気的に接触するための面である。
また、その他の板バネ部15bの先端にはかぎ爪部15dを設けている。このかぎ爪部15dの機能については後述する。
底部15aの内径は軸棒14の先端部の外径よりやや大きい。これを軸棒14の先端から軸棒14に挿入すると、軸棒の径が大きくなる部分に突き当たり、この場所に配置される。
雄側係合器15の内径には長手方向に場所によって差をつけている。軸棒4の先端に近づく程内径が大きくなるように段差を持たせて成形してある。この形状は、軸棒14の先端側ほど次第に内径が大きくなるようにテーパー形状に加工しても良い。これによって、軸棒14と雄側係合器15の間に隙間ができる。底部15aは片持ち梁の固定端に相当し、この部位を基部として板バネ部分15bが伸びている。
以上の構造によって板バネ部分15bにバネ性が発現できる。板バネ部15bは外側から押力がかかると軸棒14との間の隙間分を限度に内側に押し下げられる。押力が解放されると元に戻る。
つるまき状の接圧バネ16は雄側係合器15の外周部に係合器15と同軸に、一端が軸棒14の径の太い部分の端面に設けた固定場所に固定され、もう一端が次に説明する補助接点17の底面174に固定されている。
補助接点17について図5a、5b、5cを用いて説明する。図5aは補助接点17を端子2a側から見た斜視図、図5bは補助接点17をシリンダ7側から見た斜視図、図5cは補助接点17をシリンダ側から見た正面図である。補助接点17はリング形状をしており、穴175を設けている。穴175の周囲に正対して2つの突出部171を設け、突出部171の内周面には切り欠き部V溝部172が設けてある。突出部171は図のように補助接点17の径方向だけでなく、底面174からも軸方向に突出している。
V溝部172は、これに沿って前述した雄側係合器15の摺動面15eが摺動するためのものである。穴の周囲のその他の部分は切り欠き部円周部173である。この部分は雄側係合器15のかぎ爪部15dが通過できる内径を確保している。
ここで、案内部としてのV溝部172は雄側係合器15の摺動面15e上を雄側係合器15の軸方向に摺動し、補助接点17が、雄側係合器15を回転軸として回転することを防いでいる。この構造により、雄側係合器15のかぎ爪部15dが、切り欠き部円周部173に接触することなく所望の動作ができる。また、案内部はV溝構造に限られるものではなく、U型でも凹型でも補助接点17の回転を防止できれば、どのような形状でも良い。
なお、前述のように突出部171は接圧バネ16の一端を受けて固定するために補助接点底面174から突出させてある。
以上のように軸棒14に雄側係合器15を取り付け、接圧バネ16を取り付け、補助接点17で接圧バネ16を押圧しながらボルト18を軸棒の先端に固定するのであるが、補助接点17の正対する2カ所の突出部171の内径よりボルト18の外径が大きいので接圧バネ16は押圧を保持する。このような構造によって、可動電極棒3が図1右から左へ動いて補助接点17を押圧すると接圧バネ16が縮んで、補助接点17の穴部分を軸棒14と雄側係合器15が貫通し可動電極棒3内部に突入する機能を持たせてある。この点についての詳細は後述する。
なお、可動電極棒3と補助接点17の接触部には、銅タングステン合金などで構成された耐弧金属が配置されている。以上が速動機構の構造である。
次に本実施の形態の開閉器の動作を説明する。図1は完全な開路状態であり、主バネ13と接圧バネ16はそれぞれ最も伸長した状態である。シリンダ7はベース板5端面に接触し、ピストン6はシリンダ7の最も深い位置まで挿入されている。この時、補助接点17は軸棒14の先端部に位置している。
この状態から図6に示す完全に閉路した状態までの動作を図1、4、6を用いて説明する。
可動電極棒3が図面左側に移動していくと、まずその先端が補助接点17先端に接触する。さらに可動電極棒3が図面左側に移動すると、補助接点17が図面左側に押し込まれ、これとと共に接圧バネ16も縮む。また雄側係合器15および軸棒14が雌側係合器23aの内部に入り込んでいく。軸棒14の先端に取り付けたボルト18の外径は雌側係合器23aの内径よりも小さいのでストレス無く係合器23a内に突入する。
図4は、雄側係合器15と雌側係合器23aの係合状態を示したものである。
この図では雄側係合器15と雌側係合器23aの関係を示すために、軸棒14及びボルト18は省略している。
先述の通り、雄側係合器15の片持ち梁構造を形成するバネ板15bに弾性が与えられている。雌側係合器23aの内径は雄側係合器15のかぎ爪部15dの無い部分の外径とほぼ等しく、先端導入部15fの外径よりは大きい。先端導入部15fが雌側係合器23の内部に入ると、かぎ爪部15dが雌ネジの凸凹に合わせてバネ運動をしながら23aの内部に進み所定の位置で溝部231に係合する。
なお、図4の雌側係合器23aには雌ネジが切ってあるが、前述のように可動電極棒3及び係合器23aは回転しないで左右に摺動するので、係合は溝231のような雌ネジの溝であっても良いし、係合専用の溝を設けても良い。本実施形態は雌ネジの溝を利用した例であるが、別形状に関しては実施の形態3で後述する。
また、かぎ爪部15dの形状は、溝部231が雌ネジの溝である場合は係合性向上のため、それに螺合するようにかぎ爪部15の位置を微調整し、挿入時に各かぎ爪部15が等しく溝部231に係合できるよう構成することが好ましい。ただし雌ネジの溝を利用しない場合はこの限りではなく、実施の形態3にて別形状を後述する。
図6は可動電極棒3が固定側端子1a内部まで完全に挿入された閉路状態の要部断面図である。可動電極棒3が補助接点17を図面左方向へ完全に押し込んでおり、接圧バネ16は最も縮んでいる状態である。軸棒14と雄側係合器15は雌側係合器23aの内部に挿入され、図4に示したとおり雄側係合器15は雌側係合器23aと係合している。
図6の閉路状態では主回路電流は、可動側端子2a→可動電極棒3→固定側端子1a内部の電導面19→固定側端子1bへと流れる。
次に開路動作を説明する。まず、図6の状態から可動電極棒3を図面右側に戻していく。雄側係合器15は雌側係合器23aが係合されているので、雄側係合器15が固定されている一連の部品、つまり軸棒14、補助接点17、接圧バネ16、シリンダ7も可動電極棒3および雌側係合器23aと共に図面右側に移動する。そして移動に伴って主バネ13が縮み蓄勢される。
図7は開路直前の開閉器の要部断面図である。
雄側係合器15と雌側係合器23aが係合された状態における開路動作の最終位置を示しており、ストッパ10と張り出し部9が接触している。
またこの時、主バネ13は最も縮んだ状態である。これ以上可動電極棒3が図面右側へ移動しようとしてもシリンダ7はストッパ10に阻止されて右側へ動くことはできない。ストッパと張り出し部9が解放器として機能し、雄側係合器15と雌側係合器23aは係合を維持しきれなくなり、係合を解放し始める。
図7の状態での主回路電流経路は、可動電極棒3→補助接点17→雄側係合器15→軸棒14→シリンダ7→ピストン6→ベース板5→円筒導体4→固定側端子1bである。機構が高速に駆動していても図示しない接触子により導通が確保できる。また軸棒14、シリンダ7、接触子、ピストン6、ベース板5、円筒導体4、固定側端子1bのそれぞれが接触する面に銀メッキ等の接触抵抗を低下させる手段を講じると、導通性がさらに向上する。
雄側係合器15が雌側係合器23aから解放されると主バネ13は伸長し始め、雄側係合器15、軸棒14、接圧バネ16、シリンダ7は図面左側へと勢い良く移動し始める。ただし接圧バネ16で可動電極棒3側への接圧が与えられている補助接点17だけは、接圧バネ16が伸びきるまでの間は可動電極棒3に接触している。接圧バネ16が伸びきるといよいよ可動電極棒3と補助接点17が開離し始め、アークが発生する。
図8は開閉器の開路途中の要部断面図である。
可動電極棒3と補助接点17が開離しつつあり、アークが引き伸ばされている状態を示している。雄側係合器15、軸棒14、接圧バネ16、シリンダ7、補助接点17、接圧バネ16は、シリンダ7底部の張り出し部9がベース板5と接触する位置まで、図面左側方向に移動する。途中、アーク20がある長さに達すると、アーク電圧の上昇によりアーク20は消弧する。
この時、シリンダ7とピストン6で囲まれた空間の気体は、雄側係合器15が解放されると共に圧縮され始めるため、穴21を設けてシリンダ7外部に気体を逃がし、接点開離速度の低下を防止する。穴21はシリンダ7の天井面に軸棒14を貫いて開けても良い。穴21の位置がシリンダ7の天井面に近いほど、ピストン6−シリンダ7の圧縮過程の最後まで内部気体を逃がすことができ、同過程の最後まで開離速度を高速に保つことができる。逆に穴21を天井面から離れた適切な位置に開けてやれば、張り出し部9がベース板5に衝突する直前の速度を意図的に低下させることができ、同部位における衝撃荷重を軽減することができる。また、穴をスリット状にシリンダの長手方向に設けると最初は急速に気体を排出し、終盤で排出量を抑えてシリンダスピードをコントロールすことも可能である。
固定側端子1aの内部にリング状の磁石22を配置すると、その磁界によりアーク20は外側へ膨らもうとする。この結果、接点間の開離距離が同じでも磁界による膨らみ分だけアーク長が長くなり、消弧条件が整いやすくなり遮断性能が向上する。
接点の開離動作は張り出し部9がベース板5に接触すると完了し、図1の状態に戻る。以上が本発明に係る開閉器の構造と開路・閉路動作である。
以上の構造により次のような効果を得られる。
1.雄側係合器15と雌側係合器23aにより可動電極棒3の閉路過程にて双方を係合し、その状態のまま可動電極棒3が開路することで、固定側端子にある主バネ13の蓄勢が可能となる。その結果、速動機構を固定側端子1a、1b側に配置することが可能になり、可動電極棒3側に速動機構を設けるスペースがなくても早切り方式を適用できる。
2.可動電極棒側から遮断機能を無くしたので断路器との部品共用ができる。
3.雄側係合器15の一部に片持ち梁構造の板バネ部15bを設けることで同部位が弾性変形できるようになる。その結果、ラッチ機構を設けずにかぎ爪部15dの係合・解放が可能になり、構造が簡略化できる。
4.補助接点17が雄側係合器15の摺動面15e上を摺動するので、開極動作時にアークが点弧している状態での電流経路は、アーク発弧部位である補助接点17→雄側係合器15→軸棒14となる。補助接点17と雄側係合器15間に摺動部が有ることによって、補助接点17と雄側係合器15間の電気的導通を良好に保つことができるという効果がある。
5.補助接点17に雄側係合器15のための案内部となる切り欠き部V溝部172を設けているので補助接点17が回転することによる動作不良を防止できる。
6.雄側係合器15の材質を、銅合金、アルミニウム合金とすることによって、雄側係合器15の体積抵抗率を低く抑え、雄側係合器15の通電性能を向上できる。また、雄側係合器15の係合時、解放時の弾性量を多くとっても永久歪が発生せず、係合、解放の信頼性を向上できる。
7.可動電極棒3内部の雌側係合器23aに溝部231を設けることで係合状態を確実にし、所定の位置以外での誤開放を防止できる。
8.張り出し部9とストッパ10が突き当たることで雄側係合器15と雌側係合器23aの係合が解放される構造なので主バネ13の品質のばらつき等に左右されず、常に所定の位置で雄側係合器15と雌側係合器23aを解放することができ、補助接点17の開離速度および開離距離を一定化し、遮断性能を安定化できる。
9.ピストン6とシリンダ7との摺動構造により、速動機構の往復動作時における径方向のズレを防止し、安定した往復動作を実現できる。
10.接触子8をピストン6−シリンダ7間の摺動面に備えることで、摺動部の接触抵抗を低減しつつ導通を確保できる。
11.円筒導体4およびベース板5が機械的に接続されていることで、速動機構の構造体としての機械強度を維持すると共に、電気的に接続されていることで導通経路の役割を果たせる。
12.接圧バネ16により、接圧不足による投入時・開路時の補助接点17と可動電極棒3との間での発弧溶着を防止することができる。
13.シリンダに通気口を設けることでシリンダ7内部の気体が穴から抜けていくので、シリンダ内圧上昇による補助接点17の開離速度低下を防ぐことができる。
14.シリンダに設けた通気口の位置、形状の変更によりシリンダ7の動作スピードをコントロールし、ベース板5に衝突する際の衝撃荷重を低減させることができる。
15.磁石22のつくる磁界によって、アークに対して電磁力が作用し、アーク長が伸びる、またはアークの接点表面上の位置(アーク足)が高速で移動する。前者は電流遮断に必要な条件の一つであるアーク電圧上昇に効果がある。後者は接点表面の局部的温度上昇を抑制し、金属蒸気放出や熱電子放出を低減して電流遮断を促進する効果がある。
実施の形態2.
図9は本発明実施形態2の開閉器の要部断面である。
固定側端子101a、101b、101c、円筒導体104、ベース板105、シリンダ107、張り出し部109、ストッパ110、主バネ113、軸棒114、補助接点117、およびボールプランジャ30から構成されている。その他の部位は図1あるいは図2と同じ部品から構成されている。図9の構成部品の中で図1と最も大きく相違する点は、図1では雄側係合器15が軸棒14の周囲に配置されているのに対し、図9ではボールプランジャ30が軸棒114の先端部に二つ配置されている点である。また、シリンダ107および円筒導体104の長さが異なっている点、ピストン6が図9にはない点である。前者二つの長さについては速動機構のストローク(可動距離)と関係しており、図9の場合は比較的短ストロークの構造である。また後者のピストン6がない理由は、短ストロークゆえに軸ズレを特に気にしなくても良いことと関係している。その他、補助接点117の形状や張り出し部109がバネ受けを兼ねている点も異なっているが、基本機能は図1記載のものと変わりはない。
ボールプランジャ30は市販品であり、その一例を図10に示す。図10のように側面部33が雄ネジとなっており、軸棒14に螺合できる。先端には鋼球製のボール31が配置され、そのボールにはバネ32によって外へ飛び出す力が常に働いている(ボール30が飛び出してしまわないように、ボールプランジャ先端の開口径はボール31の直径よりも小さくしてある)。ボールプランジャ30を軸棒114に螺合し、ちょうどボール30の先端曲面部が軸棒114の曲面部から数mmだけ突出する状態に調整して使用する。
この構成によって図6のように可動電極棒3が端子1内部に挿入されていく際の様子を以下説明する。
軸棒114の外径は図4記載の雌側係合器23a内面の山部の内径よりやや小さく、雌側係合器23aの中に入っていくことができる。軸棒14が雌側係合器23aの中に徐々に挿入されていくとボール31は前記山部に当たる。可動電極棒3の挿入力が十分大きければ、バネ32が縮んでボール31が引っ込み、山部を乗り越えることができる。そして溝部231にてボール31は元位置まで復元する。ボール31と前記山部の間で発生する摩擦力はバネ32の力が大きいほど大きくなるが、このバネの力が適切なら係合・開放を自在にできる係合手段となる。
本実施形態の効果は実施形態1と同様であるが、加えて市販のボールプランジャを使用して係合器を構成するので製造が容易になるという利点がある。
実施の形態3.
図11、図12は実施形態3による可動電極棒103、203の先端の要部断面図である。どちらの可動電極も実施の形態1のようなネジ溝を活用した係合器ではなく、専用の雌側係合器123a、223aを備えていることを特徴としている。また、この雌側係合器123aに係合可能な雄側係合器15の1例を図13に示す。このように専用の係合器を使用することで、ネジ溝を使用する場合よりも係合力および係合安定性が向上するという効果がある。
図13のかぎ爪部15dは、先端側の角度θ1は鋭角、根元側の角度θ2は鈍角としている。こうすることで、かぎ爪の挿入力を低減しつつ、係合が外れにくい係合器を実現することができるという効果も得られる。
本発明の実施の形態1における開閉器の開路状態の要部断面図である。 本発明の実施の形態1の可動電極棒側の要部断面図である。 本発明の実施の形態1の雄側係合器15の斜視図である。 本発明の実施の形態1における雄側係合器と雌側係合器の係合状態を示す要部断面図である。 補助接点17の斜視図である。 本発明の実施の形態1における開閉器の閉路状態の要部断面図である。 本発明の実施の形態1における開路直前の開閉器の要部断面図である。 本発明の実施の形態1における開閉器の開路途中の要部断面図である。 実施の形態2の開閉器を示す要部断面図である。 実施の形態2のボールプランジャの正面図、側断面図である。 実施の形態3の可動電極棒先端の要部断面図である。 実施の形態3の可動電極棒先端の要部断面図である。 実施の形態3の雄側係合器のかぎ爪部の断面図である。
符号の説明
1a,101a,1b,101b 固定側端子、2a,2b 可動側端子、
3,103,203 可動電極棒、4 円筒導体、5,105 ベース板、
6 ピストン、7,107 シリンダ、8 接触子、9 張り出し部、10 ストッパ、
11 バネ受け、12,112 バネ受け、13,113 主バネ、
14,114 軸棒、15 雄側係合器、15a 底部、15b 板バネ部、
15c 割り面、15d かぎ爪部、15e 摺動面、16 接圧バネ、
17,117 補助接点、171 突出部、172 切り欠き部V溝部、
173 切り欠き部円周部、174 底面、18 ボルト、19 伝導面、
20 アーク、21 穴、22 磁石、23a 雌側係合器、23b 雌ネジ、
231 溝部、30 ボールプランジャ、31 ボール、32 バネ、
40 絶縁ロッド、41 駆動用雄ネジ。

Claims (20)

  1. 固定側端子と、
    前記固定側端子と対向配置され、前記固定側端子と電気的導通を確保するため接離可能な可動電極棒を備えた可動側端子と、
    前記可動電極棒と前記固定側端子間の電気的導通を遮断する速動機構とを備えた開閉器において、
    前記速動機構を前記固定側端子に設けたことを特徴とする開閉器。
  2. 前記速動機構は、
    前記固定側端子に電気的に接続された軸棒と、
    前記軸棒に接続され、前記軸棒と前記可動電極棒を係合する電導性の第1の係合器と、
    前記軸棒を前記固定側端子に弾性付勢する主バネとからなり、
    前記可動電極棒には、前記第1の係合器と係合する電導性の第2の係合器を備え、
    前記固定側端子と前記可動側端子の間を閉路する時には、
    前記可動電極棒が前記可動側端子から突出して、第1の係合器と第2の係合器を係合することにより、前記固定側端子と、前記可動側端子の電気的導通を確保し、
    前記固定側端子と前記可動側端子の間を開路する時には、
    前記第1の係合器と前記第2の係合器を係合したまま前記可動電極棒を前記可動側端子方向に移動することにより前記主バネを蓄勢し、
    所定の位置で前記主バネを放勢して前記第1の係合器と前記第2の係合器との係合を解放し、前記軸棒を前記可動電極棒から開離させて前記可動電極棒と前記軸棒間の電流を遮断する請求項1に記載の開閉器。
  3. 前記速動機構は、前記軸棒の先端に、開路時に発生するアークを受ける補助接点を備えた請求項2に記載の開閉器。
  4. 前記速動機構には前記第1の係合器と前記第2の係合器の係合を解放するための解放器を備え、開路過程の中途位置において前記解放器が作動し,前記速動機構の前記主バネが放勢されることを特徴とした請求項2又は請求項3に記載の開閉器。
  5. 前記第1の係合器には凸部又は凹部を、前記第2の係合器には、前記第1の係合器に係合する凹部又は凸部を設けている請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の開閉器。
  6. 前記凹部は溝形状、前記凸部はかぎ爪形状である請求項5に記載の開閉器。
  7. 前記かぎ爪形状は先端部、爪部がそれぞれ鋭角で、この2つの角度の合計が鈍角であることを特徴とする請求項6に記載の開閉器。
  8. 係合及び係合解放時に前記第1の係合器又は前記第2の係合器の一部が弾性変形することを特徴とする請求項2乃至請求項7のいずれか1項に記載の開閉器。
  9. 前記弾性変形は片持ち梁構造により与えられる請求項8に記載の開閉器。
  10. 前記凸部はボールプランジャのボールである請求項5に記載の開閉器。
  11. 前記凸部を複数備え、前記凸部は螺旋状の前記凹部に螺合するよう配置されていることを特徴とする請求項5乃至請求項10のいずれか1項に記載の開閉器。
  12. 前記補助接点はリング形状で、閉路時にリングの穴部分を前記第1の係合器が貫通して前記第2の係合器と係合することを特徴とする請求項3乃至請求項11のいずれか1項に記載の開閉器。
  13. 前記補助接点は前記第1の係合器の表面を摺動することを特徴とする請求項12に記載の開閉器。
  14. 前記補助接点は前記第1の係合器用の案内部を有することを特徴とする請求項12又は請求項13に記載の開閉器。
  15. 前記第1の係合器は、銅合金、アルミニウム合金のいずれかからなる請求項2乃至請求項14のいずれか1項に記載の開閉器。
  16. 前記可動電極棒の先端と前記補助接点との接合部分に接圧を与える接圧バネが前記速動機構に備わっていることを特徴とする請求項3乃至請求項15のいずれか1項に記載の開閉器。
  17. 前記速動機構は前記軸棒に接続したシリンダと前記シリンダの往復運動を制御するピストンと、前記主バネとしての弦巻バネを有する請求項2乃至請求項16のいずれか1項に記載の開閉器。
  18. 前記シリンダ側面部または天井部に通気穴を設けたことを特徴とする請求項17に記載の開閉器。
  19. 前記通気穴はシリンダ長手方向に開いたスリットであることを特徴とする請求項18に記載の開閉器。
  20. 前記固定側端子内部に前記アーク形状を規制する磁石を設けた事を特徴とする請求項1乃至19のいずれか1項に記載の開閉器。
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